JP2006298853A - 抗腫瘍性飲食品及び抗腫瘍剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い抗腫瘍作用及び免疫活性作用を有する飲食品及び医薬品を提供することにある。
【解決手段】 抗腫瘍性飲食品は、メマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを含有する。抗腫瘍剤は、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを有効成分として含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 抗腫瘍性飲食品は、メマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを含有する。抗腫瘍剤は、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを有効成分として含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ヒメマツタケ、マンネンタケ及び梅肉の抽出物を含有する抗腫瘍性飲食品及び抗腫瘍剤に関する。
現代人の病気の中で、癌は、大きなウエイトを占め、これを克服するための研究が数多くなされている。発明者らも、きのこ類や梅の果実の抗腫瘍作用について、これまでに次のような発表を行なっている。
ヒメマツタケは、学名を「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」といい、その抽出物は、担腫瘍状態下においてマクロファージ活性化作用を有し、抗腫瘍効果を有する(非特許文献1)。
マンネンタケは、ヒダナシタケ目サルノコシカケ科に属する担子菌の一種であり、その子実体が霊芝と称されることから、梅の老木で人工栽培されたマンネンタケの子実体を特に古梅霊芝(株式会社梅丹本舗の登録商標)と称し、この抽出物に含まれる蛋白多糖体は抗腫瘍効果を有する(非特許文献2)。
梅の果肉つまり梅肉を加温した煮汁から抽出したものは、一般的に、梅肉エキスと称され、梅肉エキスは、担腫瘍状況下において、免疫機能を亢進し、抗腫瘍効果を有する(非特許文献3)。
ヒメマツタケは、学名を「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」といい、その抽出物は、担腫瘍状態下においてマクロファージ活性化作用を有し、抗腫瘍効果を有する(非特許文献1)。
マンネンタケは、ヒダナシタケ目サルノコシカケ科に属する担子菌の一種であり、その子実体が霊芝と称されることから、梅の老木で人工栽培されたマンネンタケの子実体を特に古梅霊芝(株式会社梅丹本舗の登録商標)と称し、この抽出物に含まれる蛋白多糖体は抗腫瘍効果を有する(非特許文献2)。
梅の果肉つまり梅肉を加温した煮汁から抽出したものは、一般的に、梅肉エキスと称され、梅肉エキスは、担腫瘍状況下において、免疫機能を亢進し、抗腫瘍効果を有する(非特許文献3)。
伊藤均, Biotherapy, 第14巻, 第10号, 2000年10月, 1009-1015頁。
Ito, H., Naruse, S. & Shimura, K.; Antitumor effect of the polysaccharide preparations from Ganoderma lucidum on mouse sarcoma 180. Mie Med J, 1977, vol.26, 147-152頁。
松本紘斉, 伊藤浩子, 伊藤均, 医学と生物学, 第142巻, 第2号, 2001年2月10日, 27-30頁。
最近の高寿命化が進む中で、健康維持機能を有する飲食品等に対する機能向上の要請は高まるばかりで、ヒメマツタケ、マンネンタケ及び梅肉の各抽出物についても、抗腫瘍効果のさらなる向上が期待されている。
発明者らは、ヒメマツタケ、マンネンタケ及び梅肉の各抽出物について鋭意研究を重ねた結果、これらを同時に飲食又は服用すると、各々の抗腫瘍作用が複合的又は相乗的に機能し、より強力な抗腫瘍効果が発揮されることを見出した。
それゆえ、本発明の目的は、ヒメマツタケ、マンネンタケ及び梅肉の夫々の抽出物を単独で飲食又は服用した場合に比べて、さらにすぐれた抗腫瘍効果を発揮する飲食品及び製剤を提供することである。
発明者らは、ヒメマツタケ、マンネンタケ及び梅肉の各抽出物について鋭意研究を重ねた結果、これらを同時に飲食又は服用すると、各々の抗腫瘍作用が複合的又は相乗的に機能し、より強力な抗腫瘍効果が発揮されることを見出した。
それゆえ、本発明の目的は、ヒメマツタケ、マンネンタケ及び梅肉の夫々の抽出物を単独で飲食又は服用した場合に比べて、さらにすぐれた抗腫瘍効果を発揮する飲食品及び製剤を提供することである。
本発明は、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを含有することを特徴とする抗腫瘍性飲食品を提供するものである。
本発明はまた、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤を提供するものである。
本発明はまた、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤を提供するものである。
ヒメマツタケの抽出物、マンネンタケの抽出物及び梅肉の抽出物の3種物質を含む組成物を同時に飲食又は服用すると、前記3種物質の各々を、別々に飲食又は服用した場合と比べて、抗腫瘍効果が有意的に向上する。なお、マンネンタケは、梅の老木で栽培されたものが好ましい。
また、本発明の前記3種物質含有組成物を飲食又は服用すると、3種物質の各々を別々に飲食又は服用した場合と比べて、体内の重要な免疫細胞であるマクロファージの数に有意的な増加が認められ、さらには、個々のマクロファージがもつ貪食能についても有意的な向上が認められる。
このマクロファージの数の増加と貪食能の向上によって、体内における免疫賦活作用がより一層高められ、ひいては抗腫瘍効果が向上するものと考えられる。
また、本発明の前記3種物質含有組成物を飲食又は服用すると、3種物質の各々を別々に飲食又は服用した場合と比べて、体内の重要な免疫細胞であるマクロファージの数に有意的な増加が認められ、さらには、個々のマクロファージがもつ貪食能についても有意的な向上が認められる。
このマクロファージの数の増加と貪食能の向上によって、体内における免疫賦活作用がより一層高められ、ひいては抗腫瘍効果が向上するものと考えられる。
<ヒメマツタケの抽出物>
ヒメマツタケの抽出物は、ヒメマツタケの子実体、ヒメマツタケの子実体の細胞壁破壊品、ヒメマツタケ培養菌糸体及びヒメマツタケ培養菌糸体の細胞壁破壊品からなる群から選択される少なくとも1種を熱水で抽出して得られる。
なお、ヒメマツタケの抗腫瘍作用に有効な成分の多くは子実体及び菌糸体に蓄積されているので、この有効成分を効果的に取り出すには、子実体及び菌糸体を直接熱水抽出するよりも、まず子実体及び菌糸体の細胞壁を破壊し、得られた細胞壁破壊品をそのまま、又は乾燥した後、熱水で抽出することが好ましい。
ヒメマツタケの抽出物は、ヒメマツタケの子実体、ヒメマツタケの子実体の細胞壁破壊品、ヒメマツタケ培養菌糸体及びヒメマツタケ培養菌糸体の細胞壁破壊品からなる群から選択される少なくとも1種を熱水で抽出して得られる。
なお、ヒメマツタケの抗腫瘍作用に有効な成分の多くは子実体及び菌糸体に蓄積されているので、この有効成分を効果的に取り出すには、子実体及び菌糸体を直接熱水抽出するよりも、まず子実体及び菌糸体の細胞壁を破壊し、得られた細胞壁破壊品をそのまま、又は乾燥した後、熱水で抽出することが好ましい。
以下では、ヒメマツタケの子実体の細胞壁破壊品を熱水で抽出した例について説明する。
まず、ヒメマツタケの子実体の細胞壁破壊について説明する。
採取又は培養したヒメマツタケを約80℃で焙煎し、殺菌、乾燥した後、アルピネ、ミル等を用いて粉砕し、20〜100メッシュの粉末を作る。なお、一旦凍結させた後粉砕すると、細かな粉末を容易に得ることができる。
得られた粉末に、水を加えて、ヒメマツタケの濃度が20〜90重量%の水性懸濁液を調製する。
まず、ヒメマツタケの子実体の細胞壁破壊について説明する。
採取又は培養したヒメマツタケを約80℃で焙煎し、殺菌、乾燥した後、アルピネ、ミル等を用いて粉砕し、20〜100メッシュの粉末を作る。なお、一旦凍結させた後粉砕すると、細かな粉末を容易に得ることができる。
得られた粉末に、水を加えて、ヒメマツタケの濃度が20〜90重量%の水性懸濁液を調製する。
この水性懸濁液を、直径約0.5〜1.0mmの剛体メディア(例えば、ジルコン又はジルコニアビーズ)が80〜85容量%満たされたシリンダーの中に装入する。シリンダーは、約2000〜3500rpmで回転する羽根が配備されており、ヒメマツタケの水性懸濁液は剛体メディアと共に、回転羽根で回転・混和され、剛体メディアと回転羽根の摩砕作用によってヒメマツタケの子実体の細胞壁が破壊される。
なお、この際、同時に熱が発生し、これを放置すると、得られるヒメマツタケ粉末の品質が悪化するため、温度を50℃以下に保つ必要がある。温度を50℃以下に保つには、前記ヒメマツタケ水性懸濁液を前もって冷却しておくこともできるが、シリンダーの外部に冷却外套等の冷却手段を設けた装置を用いることが好ましい。冷却外套を備えた連続湿式微粉砕機として、好適には、ダイノ−ミル(DYNO-MILL, Willy A. BachofenAG Maschinenfabrik)が用いられる。
このようにして、約90%以上の粉体が粒径350メッシュ以下の微細なヒメマツタケ粉末が得られる。
なお、この際、同時に熱が発生し、これを放置すると、得られるヒメマツタケ粉末の品質が悪化するため、温度を50℃以下に保つ必要がある。温度を50℃以下に保つには、前記ヒメマツタケ水性懸濁液を前もって冷却しておくこともできるが、シリンダーの外部に冷却外套等の冷却手段を設けた装置を用いることが好ましい。冷却外套を備えた連続湿式微粉砕機として、好適には、ダイノ−ミル(DYNO-MILL, Willy A. BachofenAG Maschinenfabrik)が用いられる。
このようにして、約90%以上の粉体が粒径350メッシュ以下の微細なヒメマツタケ粉末が得られる。
ヒメマツタケ粉末を、水分が約10%程度になるまで乾燥した後、その倍量の熱水で、ヒメマツタケの有効成分を抽出する。その熱水抽出液を更に減圧濃縮し、液体クロマトグラフィーにより分画し、透析を行なった後、凍結乾燥して、本発明に係るヒメマツタケの抽出物が得られる。
なお、ヒメマツタケは特有の臭気を有するため、熱水抽出の前に、有機溶媒又は含水有機溶媒で抽出処理を行なうことが好ましい。有機溶媒として、メタノール、エタノール、エーテル等があり、含水有機溶媒として、一般に約30%以下の範囲で水を含有する含水メタノール、含水エタノール等がある。
ヒメマツタケ抽出物の代表的化学的組成として、重量%にて、粗灰分6%、粗蛋白40%、粗脂質4.5%、粗繊維6%、糖質43.4%、エルゴステロール0.1%を示すことができる。
<マンネンタケの抽出物>
マンネンタケの抽出物は、好適には、梅の木、特に梅の老木(例えば、樹齢約10年以上)で人工栽培されたマンネンタケの子実体又は前記マンネンタケの子実体の細胞壁破壊品を熱水で抽出して得られる。
マンネンタケの子実体は、抗腫瘍作用に有効な成分の多くが菌糸壁に蓄積されているから、この有効成分を効果的に取り出すには、ヒメマツタケの場合と同様、まずマンネンタケ子実体の細胞壁を破壊し、得られた細胞壁破壊品を乾燥した後、熱水で抽出することが好ましい。
マンネンタケの抽出物は、好適には、梅の木、特に梅の老木(例えば、樹齢約10年以上)で人工栽培されたマンネンタケの子実体又は前記マンネンタケの子実体の細胞壁破壊品を熱水で抽出して得られる。
マンネンタケの子実体は、抗腫瘍作用に有効な成分の多くが菌糸壁に蓄積されているから、この有効成分を効果的に取り出すには、ヒメマツタケの場合と同様、まずマンネンタケ子実体の細胞壁を破壊し、得られた細胞壁破壊品を乾燥した後、熱水で抽出することが好ましい。
以下では、マンネンタケの子実体の細胞壁破壊品を熱水で抽出した例について説明する。
まず、マンネンタケの子実体の細胞壁破壊について説明する。
採取したマンネンタケを約80℃で焙煎し、殺菌、乾燥した後、ハンマークラッシャー、ミル等を用いて粉砕し、50〜200メッシュの粉末を作る。なお、一旦凍結させた後粉砕すると、細かな粉末を容易に得ることができる。
得られたマンネンタケ粉末に水を加えて、マンネンタケの濃度が10〜25%の懸濁液とする。
まず、マンネンタケの子実体の細胞壁破壊について説明する。
採取したマンネンタケを約80℃で焙煎し、殺菌、乾燥した後、ハンマークラッシャー、ミル等を用いて粉砕し、50〜200メッシュの粉末を作る。なお、一旦凍結させた後粉砕すると、細かな粉末を容易に得ることができる。
得られたマンネンタケ粉末に水を加えて、マンネンタケの濃度が10〜25%の懸濁液とする。
この水性懸濁液を、直径約0.5〜1.0mmの剛体メディア(例えば、ジルコン又はジルコニアビーズ)が80〜85容量%満たされたシリンダーの中に装入する。シリンダーは、約2000〜3500rpmで回転する羽根が配備されており、マンネンタケの水性懸濁液は剛体メディアと共に、回転羽根で回転・混和され、剛体メディアと回転羽根の摩砕作用により、マンネンタケの子実体の細胞壁が破壊される。
なお、この際、同時に熱が発生し、これを放置すると、得られるマンネンタケ粉末の品質が悪化するため、温度を50℃以下に保たなければならない。温度を50℃以下に保つには、前記マンネンタケの水性懸濁液を前もって冷却しておくこともできるが、シリンダーの外部に冷却外套等の冷却手段を設けた装置を用いることが好ましい。冷却外套を備えた連続湿式微粉砕機として、好適には、ダイノ−ミル(DYNO-MILL, Willy A. BachofenAG Maschinenfabrik)が用いられる。
このようにして、約90%以上の粉体が粒径350メッシュ以下のマンネンタケ粉末が得られる。
なお、この際、同時に熱が発生し、これを放置すると、得られるマンネンタケ粉末の品質が悪化するため、温度を50℃以下に保たなければならない。温度を50℃以下に保つには、前記マンネンタケの水性懸濁液を前もって冷却しておくこともできるが、シリンダーの外部に冷却外套等の冷却手段を設けた装置を用いることが好ましい。冷却外套を備えた連続湿式微粉砕機として、好適には、ダイノ−ミル(DYNO-MILL, Willy A. BachofenAG Maschinenfabrik)が用いられる。
このようにして、約90%以上の粉体が粒径350メッシュ以下のマンネンタケ粉末が得られる。
マンネンタケ粉末を水分が約10%程度になるまで乾燥した後、その5倍量の熱水で、マンネンタケの有効成分を抽出する。その熱水抽出液を更に減圧濃縮し、液体クロマトグラフィーにより分画し、透析を行なった後、凍結乾燥して、本発明に係るマンネンタケの抽出物が得られる。
マンネンタケの代表的化学的組成として、例えば、重量%にて、粗灰分2%、粗蛋白7%、粗脂質5%、粗繊維53%、可溶性炭水化物20%、熱湯抽出物9%、水溶性全糖3.5%、エルゴステロール0.5%を示すことができる。
マンネンタケの代表的化学的組成として、例えば、重量%にて、粗灰分2%、粗蛋白7%、粗脂質5%、粗繊維53%、可溶性炭水化物20%、熱湯抽出物9%、水溶性全糖3.5%、エルゴステロール0.5%を示すことができる。
<梅肉の抽出物>
梅肉の抽出物は、梅の果肉を加温した煮汁から抽出することができ、株式会社梅丹本舗が販売する梅肉エキスを用いることができる。
代表的な梅肉抽出物100gの分析試験結果として、灰分6.5g、リン200mg、鉄12mg、カルシウム135mg、ナトリウム22mg、カリウム3.5g、マグネシウム125mg、マンガン3mg、クエン酸42g、リンゴ酸7g、コハク酸0.1g、フマル酸0.06g、酢酸0.04gを示すことができる。
なお、梅肉抽出物は、好適には、この加温抽出物をさらに有機溶媒で抽出したものが用いられる。有機溶媒は、クロロホルム、メタノール、アルコール等の脂溶性のものが好ましい。加温抽出物を有機溶媒と共に遠心分離機に付し、上清を回収する。次に得られた上清をエバポレータを用いて減圧濃縮することにより、有効成分がさらに濃縮された梅肉抽出物が得られる。
梅肉の抽出物は、梅の果肉を加温した煮汁から抽出することができ、株式会社梅丹本舗が販売する梅肉エキスを用いることができる。
代表的な梅肉抽出物100gの分析試験結果として、灰分6.5g、リン200mg、鉄12mg、カルシウム135mg、ナトリウム22mg、カリウム3.5g、マグネシウム125mg、マンガン3mg、クエン酸42g、リンゴ酸7g、コハク酸0.1g、フマル酸0.06g、酢酸0.04gを示すことができる。
なお、梅肉抽出物は、好適には、この加温抽出物をさらに有機溶媒で抽出したものが用いられる。有機溶媒は、クロロホルム、メタノール、アルコール等の脂溶性のものが好ましい。加温抽出物を有機溶媒と共に遠心分離機に付し、上清を回収する。次に得られた上清をエバポレータを用いて減圧濃縮することにより、有効成分がさらに濃縮された梅肉抽出物が得られる。
<抗腫瘍性飲食品及び抗腫瘍剤>
本発明に係る抗腫瘍性飲食品は、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物の3種物質を含有している。これら3種物質の配合割合は、重量比で、1:1〜5:1〜5とすることができる。
なお、前記3種物質は、そのまま飲食品として供することもできるが、糖類、酸類、塩類及び香料をさらに調合した飲食品として、また、様々な加工食品及び飲料の中に添加した飲食品として供することもできる。
また、本発明に係る抗腫瘍剤は、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物の3種物質を有効成分として含有しており、常法に従って、例えば、担体、賦形剤、矯味剤、安定剤その他薬剤学的に許容される各種成分と共に製剤化される。
本発明に係る抗腫瘍性飲食品は、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物の3種物質を含有している。これら3種物質の配合割合は、重量比で、1:1〜5:1〜5とすることができる。
なお、前記3種物質は、そのまま飲食品として供することもできるが、糖類、酸類、塩類及び香料をさらに調合した飲食品として、また、様々な加工食品及び飲料の中に添加した飲食品として供することもできる。
また、本発明に係る抗腫瘍剤は、ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物の3種物質を有効成分として含有しており、常法に従って、例えば、担体、賦形剤、矯味剤、安定剤その他薬剤学的に許容される各種成分と共に製剤化される。
ヒメマツタケの抽出物
採取したヒメマツタケを80℃で2時間焙煎し、水分が10〜12%になるまで乾燥し、これをアルピスを用いて5分間粉砕し、5メッシュの粉末を得る。これを更にボールミル(株式会社山本鉄工所製)で5分間粉砕し、50メッシュのヒメマツタケ粉末を得た。このヒメマツタケ粉末に水を加えて、濃度10%のヒメマツタケ・水性懸濁液を調製した。次に、ダイノ−ミルの中に、前記水性懸濁液を15l/hrにて装入し、回転・混和によって細胞壁を破壊した。ダイノ−ミルは、冷却外套が配備され、シリンダーには直径0.5〜1mmのジルコンビーズが装填され、羽根の回転数は3200rpmである。水性懸濁液の混和によって得られたスラリーを減圧低温乾燥機に付し、細胞壁が破壊されたヒメマツタケ粉末を得た。なお、得られたヒメマツタケ粉末の粒径は90%以上が350メッシュ以下である。
採取したヒメマツタケを80℃で2時間焙煎し、水分が10〜12%になるまで乾燥し、これをアルピスを用いて5分間粉砕し、5メッシュの粉末を得る。これを更にボールミル(株式会社山本鉄工所製)で5分間粉砕し、50メッシュのヒメマツタケ粉末を得た。このヒメマツタケ粉末に水を加えて、濃度10%のヒメマツタケ・水性懸濁液を調製した。次に、ダイノ−ミルの中に、前記水性懸濁液を15l/hrにて装入し、回転・混和によって細胞壁を破壊した。ダイノ−ミルは、冷却外套が配備され、シリンダーには直径0.5〜1mmのジルコンビーズが装填され、羽根の回転数は3200rpmである。水性懸濁液の混和によって得られたスラリーを減圧低温乾燥機に付し、細胞壁が破壊されたヒメマツタケ粉末を得た。なお、得られたヒメマツタケ粉末の粒径は90%以上が350メッシュ以下である。
得られたヒメマツタケ粉末に約10倍量の精製水を加え、緩やかに撹拌しながら水浴上で2時間、熱水抽出した。同一操作を2回繰り返し、2回の熱水抽出液を合わせた後、減圧濃縮液とした。この減圧濃縮液に最終エタノール濃度が70%になるまでエタノールを加え、遠心分離して、エタノール沈澱物を分離した。エタノール沈澱物をカラムクロマトグラフィーに供し、フェノール硫酸法により糖の発色が無くなるまで溶出して、溶出画分を分画した。溶出画分を透析した後、凍結乾燥し、ヒメマツタケの供試用熱水抽出物を得た。
マンネンタケの抽出物
採取したマンネンタケを80℃で2時間焙煎し、水分が10〜12%になるまで乾燥し、これをハンマークラッシャー(相互産業株式会社製)で5分間粉砕し、5メッシュの粉末を得る。これを更にボールミルで5分間粉砕し、50メッシュのマンネンタケ粉末を得た。このマンネンタケ粉末に水を加えて、マンネンタケの濃度が10%の水性懸濁液を調製した。次に、ダイノ−ミルの中に、前記水性懸濁液を15l/hrにて装入し、回転・混和した。ダイノ−ミルは、冷却外套が配備され、シリンダーには直径0.5〜1mmのジルコンビーズが装填され、羽根が3200rpmで回転している。水性懸濁液の混和によって得られたスラリーを減圧低温乾燥機に付し、90%以上が350メッシュ以下の粒径で、細胞壁が破壊されたマンネンタケ粉末を得た。
採取したマンネンタケを80℃で2時間焙煎し、水分が10〜12%になるまで乾燥し、これをハンマークラッシャー(相互産業株式会社製)で5分間粉砕し、5メッシュの粉末を得る。これを更にボールミルで5分間粉砕し、50メッシュのマンネンタケ粉末を得た。このマンネンタケ粉末に水を加えて、マンネンタケの濃度が10%の水性懸濁液を調製した。次に、ダイノ−ミルの中に、前記水性懸濁液を15l/hrにて装入し、回転・混和した。ダイノ−ミルは、冷却外套が配備され、シリンダーには直径0.5〜1mmのジルコンビーズが装填され、羽根が3200rpmで回転している。水性懸濁液の混和によって得られたスラリーを減圧低温乾燥機に付し、90%以上が350メッシュ以下の粒径で、細胞壁が破壊されたマンネンタケ粉末を得た。
得られたマンネンタケ粉末に約10倍量の精製水を加え、緩やかに撹拌しながら水浴上で2時間、熱水抽出した。同一操作を2回繰り返し、2回の熱水抽出液を合わせた後、減圧濃縮液とした。この減圧濃縮液に最終エタノール濃度が70%になるまでエタノールを加え、遠心分離して、エタノール沈澱物を分離した。エタノール沈澱物をカラムクロマトグラフィーに供し、フェノール硫酸法により糖の発色が無くなるまで溶出して、溶出画分を分画した。溶出画分を透析した後、凍結乾燥し、マンネンタケの供試用熱水抽出物を得た。
梅肉の抽出物
市販の梅肉エキス(株式会社梅丹本舗)に、50%クロロホルム・メタノール等量混合液を加えて、室温で5分間ホモジナイズした。次に、50〜60℃に温度を保ちながら、5時間撹拌した。得られた溶液を4℃で10分間、遠心加速度9000×Gの条件で遠心分離し、上清を回収した。回収された上清を50℃で30分間、エバポレータで減圧濃縮して、梅肉の供試用抽出物を得た。
市販の梅肉エキス(株式会社梅丹本舗)に、50%クロロホルム・メタノール等量混合液を加えて、室温で5分間ホモジナイズした。次に、50〜60℃に温度を保ちながら、5時間撹拌した。得られた溶液を4℃で10分間、遠心加速度9000×Gの条件で遠心分離し、上清を回収した。回収された上清を50℃で30分間、エバポレータで減圧濃縮して、梅肉の供試用抽出物を得た。
<抗腫瘍試験>
試験方法は、伊藤均らが発表した文献(Anticancer Research 17巻、277-284頁、1997年)に基づいて実施した。
4週齢slc:ICR系雌マウスを日本エスエルシー株式会社から購入し、クレア製固形飼料(CE−7)、水を自由摂取させ、SPF(Specific Pathogen Free)環境下で飼育、実験をした。
1週間の予備飼育をした5週齢のslc:ICR系雌マウス10匹を1群とした。これに、移植後7日目の同系マウスから7日目の同系マウスから採取したSarcoma180腫瘍細胞(5×106個)を皮下に移植し、24時間経過後から、供試用組成物を、毎日、朝・夕2回、連日20日間、胃ゾンデにて強制的に経口投与した。
投与した組成物は、No.1〜No.3が、ヒメマツタケ抽出物、マンネンタケ抽出物及び梅肉抽出物を1:1:1の重量比で含む本発明の実施例であり、1回当たりの投与量は、No.1が240mg/kg、No.2が480mg/kg、No.3が720mg/kgである。
No.4〜No.6は比較例で、No.4はヒメマツタケ抽出物単独、No.5はマンネンタケ抽出物単独、No.6は梅肉抽出物単独の組成物であり、夫々、1回当たりの投与量は240mg/kgである。
No.7は、どの抽出物も投与せず、生理食塩水のみを投与した対照群である。
試験方法は、伊藤均らが発表した文献(Anticancer Research 17巻、277-284頁、1997年)に基づいて実施した。
4週齢slc:ICR系雌マウスを日本エスエルシー株式会社から購入し、クレア製固形飼料(CE−7)、水を自由摂取させ、SPF(Specific Pathogen Free)環境下で飼育、実験をした。
1週間の予備飼育をした5週齢のslc:ICR系雌マウス10匹を1群とした。これに、移植後7日目の同系マウスから7日目の同系マウスから採取したSarcoma180腫瘍細胞(5×106個)を皮下に移植し、24時間経過後から、供試用組成物を、毎日、朝・夕2回、連日20日間、胃ゾンデにて強制的に経口投与した。
投与した組成物は、No.1〜No.3が、ヒメマツタケ抽出物、マンネンタケ抽出物及び梅肉抽出物を1:1:1の重量比で含む本発明の実施例であり、1回当たりの投与量は、No.1が240mg/kg、No.2が480mg/kg、No.3が720mg/kgである。
No.4〜No.6は比較例で、No.4はヒメマツタケ抽出物単独、No.5はマンネンタケ抽出物単独、No.6は梅肉抽出物単独の組成物であり、夫々、1回当たりの投与量は240mg/kgである。
No.7は、どの抽出物も投与せず、生理食塩水のみを投与した対照群である。
移植21日目に腫瘍の大きさ(cm3、4/3・π・a2・b/2、但し、aは短径、bは長径である)を測定し、対照群と比較して腫瘍抑制率(%)=(1−T/C)×100を算出した。なお、Tは検体投与群の腫瘍の大きさ、Cは対照群の腫瘍の大きさを表している。
また、移植28日目における腫瘍完全消失率及びマウスの生存率を対照群と比較した。試験結果を表1に示す。
また、移植28日目における腫瘍完全消失率及びマウスの生存率を対照群と比較した。試験結果を表1に示す。
No.1、No.2、No.3の腫瘍移植21日後の腫瘍抑制率は、夫々、40.4%、64.4%、80.3%である。また、No.2とNo.3は、28日後の腫瘍完全消失率は、夫々、40%と60%を示し、移植35日後の生存率は、両方とも、100%であり、顕著な抗腫瘍効果と用量依存性が認められた。
これに対し、比較例のNo.4(No.1の3倍量のヒメマツタケ)、No.5(No.1の3倍量のマンネンタケ)及びNo.6(No.1の3倍量の梅肉)は、腫瘍移植21日後の腫瘍抑制率は、夫々、28.2%、21.1%及び15.0%にすぎず、No.1の40.4%よりも有意的に劣っている。また、移植35日後の生存率も、No.1と比べて半分以下である。この結果は、とりもなおさず、本発明の組成物であるNo.1が、ヒメマツタケとマンネンタケと梅肉の各抽出物が複合的に作用を及ぼし合って、夫々の抗腫瘍作用の代数和以上の相乗的効果を有することを示すものである。
これに対し、比較例のNo.4(No.1の3倍量のヒメマツタケ)、No.5(No.1の3倍量のマンネンタケ)及びNo.6(No.1の3倍量の梅肉)は、腫瘍移植21日後の腫瘍抑制率は、夫々、28.2%、21.1%及び15.0%にすぎず、No.1の40.4%よりも有意的に劣っている。また、移植35日後の生存率も、No.1と比べて半分以下である。この結果は、とりもなおさず、本発明の組成物であるNo.1が、ヒメマツタケとマンネンタケと梅肉の各抽出物が複合的に作用を及ぼし合って、夫々の抗腫瘍作用の代数和以上の相乗的効果を有することを示すものである。
<マクロファージによるポリスチレンラテックスビーズ貪食活性試験>
試験方法は、伊藤均らが発表した文献(International Journal of Cancer Research and Treatment 15巻、1937-1948頁、1995年)に基づいて実施した。
5週齢のslc:ICR系雌マウス8匹を1群とした。これに、これらマウスに、供試組成物を、毎日、朝・夕2回、連日14日間、胃ゾンデにて強制的に経口投与した。
投与した組成物は、No.1〜No.3が、ヒメマツタケ抽出物、マンネンタケ抽出物及び梅肉抽出物を1:1:1の重量比で含む本発明の実施例であり、1回当たりの投与量は、No.1が240mg/kg、No.2が480mg/kg、No.3が720mg/kgである。
No.4〜No.6は比較例で、No.4はヒメマツタケ抽出物単独、No.5はマンネンタケ抽出物単独、No.6は梅肉抽出物単独の組成物であり、夫々、1回当たりの投与量は240mg/kgである。
No.7は、どの抽出物も投与せず、生理食塩水のみを投与した対照群である。
試験方法は、伊藤均らが発表した文献(International Journal of Cancer Research and Treatment 15巻、1937-1948頁、1995年)に基づいて実施した。
5週齢のslc:ICR系雌マウス8匹を1群とした。これに、これらマウスに、供試組成物を、毎日、朝・夕2回、連日14日間、胃ゾンデにて強制的に経口投与した。
投与した組成物は、No.1〜No.3が、ヒメマツタケ抽出物、マンネンタケ抽出物及び梅肉抽出物を1:1:1の重量比で含む本発明の実施例であり、1回当たりの投与量は、No.1が240mg/kg、No.2が480mg/kg、No.3が720mg/kgである。
No.4〜No.6は比較例で、No.4はヒメマツタケ抽出物単独、No.5はマンネンタケ抽出物単独、No.6は梅肉抽出物単独の組成物であり、夫々、1回当たりの投与量は240mg/kgである。
No.7は、どの抽出物も投与せず、生理食塩水のみを投与した対照群である。
最終投与後、マウスを放血させてから、Eagle's MEM3mlで腹腔マクロファージを洗い出し、106細胞/mlに調製した。予め0.01%TritonX−100で洗い、PBS(pH7.4リン酸緩衝液)でよく洗ったポリスチレンラテックス粒子(1.1μm、Sigma Chemicals)を1細胞につき400個の割合で加え、60mmPetriディッシュに並べたカバースリップ上に注ぎ、37℃、6%CO2インキュベータで2時間インキュベートした。さらにPBSで3回洗い、固定は95%エタノールで行なった。次に、カバースリップ上でギムザ染色を行ない、300個の細胞中のラテックス粒子の貪食率を顕微鏡下で計測した。
試験結果を表2に示す。
試験結果を表2に示す。
No.1、No.2、No.3と、対照群のNo.7とを比較すると、貪食活性率は、夫々、3.18倍、5.27倍、7.93倍であり、顕著な貪食能の上昇が認められた。
なお、この実験に用いられたラテックス粒子は、マクロファージの抗体の依存性は無いから、ラテックスビーズの貪食能の上昇は、マクロファージ自体の活性化を示している。このように、本発明の試験群は、生体の感染防御機構の機能上昇の点に関しても、有利に作用するものと考えられる。
これに対し、比較例のNo.4(No.1の3倍量のヒメマツタケ)、No.5(No.1の3倍量のマンネンタケ)及びNo.6(No.1の3倍量の梅肉)と、対照群のNo.7とを比較すると、貪食活性率は、夫々、1.65倍、1.57倍及び1.47倍にすぎず、No.1の3.18倍よりも有意的に劣っている。これは、とりもなおさず、本発明の組成物であるNo.1が、ヒメマツタケとマンネンタケと梅肉の各抽出物が複合的に作用を及ぼし合って、夫々がもつ貪食能の代数和以上の相乗的効果を有することを示すものである。
なお、この実験に用いられたラテックス粒子は、マクロファージの抗体の依存性は無いから、ラテックスビーズの貪食能の上昇は、マクロファージ自体の活性化を示している。このように、本発明の試験群は、生体の感染防御機構の機能上昇の点に関しても、有利に作用するものと考えられる。
これに対し、比較例のNo.4(No.1の3倍量のヒメマツタケ)、No.5(No.1の3倍量のマンネンタケ)及びNo.6(No.1の3倍量の梅肉)と、対照群のNo.7とを比較すると、貪食活性率は、夫々、1.65倍、1.57倍及び1.47倍にすぎず、No.1の3.18倍よりも有意的に劣っている。これは、とりもなおさず、本発明の組成物であるNo.1が、ヒメマツタケとマンネンタケと梅肉の各抽出物が複合的に作用を及ぼし合って、夫々がもつ貪食能の代数和以上の相乗的効果を有することを示すものである。
<マクロファージの活性試験>
1群10匹のマウスを用いて、抗腫瘍試験と同一条件にて、マクロファージの活性試験を行なった。各検体の最終投与の24時間後に、各マウスの腹腔マクロファージを採取し、腹腔マクロファージ数を測定し、マクロファージ活性に対する効果を調べた。
1群10匹のマウスを用いて、抗腫瘍試験と同一条件にて、マクロファージの活性試験を行なった。各検体の最終投与の24時間後に、各マウスの腹腔マクロファージを採取し、腹腔マクロファージ数を測定し、マクロファージ活性に対する効果を調べた。
投与した組成物は、No.1〜No.3が、ヒメマツタケ抽出物、マンネンタケ抽出物及び梅肉抽出物を1:1:1の重量比で含む本発明の実施例であり、1回当たりの投与量は、No.1が240mg/kg、No.2が480mg/kg、No.3が720mg/kgである。
No.4〜No.6は比較例で、No.4はヒメマツタケ抽出物単独、No.5はマンネンタケ抽出物単独、No.6は梅肉抽出物単独の組成物であり、夫々、1回当たりの投与量は240mg/kgである。
No.7は正常マウスの対照群、No.8は担腫瘍マウスの対照群であり、どの抽出物も投与せず、生理食塩水のみを投与した。
No.4〜No.6は比較例で、No.4はヒメマツタケ抽出物単独、No.5はマンネンタケ抽出物単独、No.6は梅肉抽出物単独の組成物であり、夫々、1回当たりの投与量は240mg/kgである。
No.7は正常マウスの対照群、No.8は担腫瘍マウスの対照群であり、どの抽出物も投与せず、生理食塩水のみを投与した。
表3の結果を参照すると、マクロファージ活性は、抗腫瘍効果の結果とよく相関しており、用量依存性が示された。
特に、No.3は、抗腫瘍マウス対照群と比較して、マクロファージ活性は4.98倍と顕著な増加を示している。
これに対し、比較例のNo.4(No.1の3倍量のヒメマツタケ)、No.5(No.1の3倍量のマンネンタケ)及びNo.6(No.1の3倍量の梅肉)と、抗腫瘍マウス対照群のNo.8とを比較すると、マクロファージ活性は、夫々、1.81倍、1.53倍及び1.49倍にすぎず、No.1の2.53倍よりも有意的に劣っている。これは、とりもなおさず、本発明の組成物であるNo.1が、ヒメマツタケとマンネンタケと梅肉の各抽出物が複合的に作用を及ぼし合って、夫々のマクロファージ活性効果の代数和以上の相乗的効果を有することを示すものである。
特に、No.3は、抗腫瘍マウス対照群と比較して、マクロファージ活性は4.98倍と顕著な増加を示している。
これに対し、比較例のNo.4(No.1の3倍量のヒメマツタケ)、No.5(No.1の3倍量のマンネンタケ)及びNo.6(No.1の3倍量の梅肉)と、抗腫瘍マウス対照群のNo.8とを比較すると、マクロファージ活性は、夫々、1.81倍、1.53倍及び1.49倍にすぎず、No.1の2.53倍よりも有意的に劣っている。これは、とりもなおさず、本発明の組成物であるNo.1が、ヒメマツタケとマンネンタケと梅肉の各抽出物が複合的に作用を及ぼし合って、夫々のマクロファージ活性効果の代数和以上の相乗的効果を有することを示すものである。
前記試験例において記載した本発明の実施例に係る組成物(ヒメマツタケ抽出物、マンネンタケ抽出物、梅肉抽出物を1:1:1の重量比で含む)につき、経口投与による急性毒性試験を行なったが、マウスに対するLD50(半数致死量)は3000mg/kg超であり、ラットに対するLD50は3500mg/kg超であった。また、ラット、マウスに対する亜急性毒性試験結果及びウサギ(家兎)に対する一般薬理試験結果からも、本発明組成物は毒性に関する問題点を有しない。
ヒメマツタケ、マンネンタケ及び梅肉の夫々の抽出物は、副作用がなく、すぐれた抗腫瘍性飲食品及び抗腫瘍剤として、食品及び医薬品産業において好適に利用されることができる。
Claims (5)
- ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを含有することを特徴とする抗腫瘍性飲食品。
- ヒメマツタケの抽出物は、ヒメマツタケの子実体、ヒメマツタケの子実体の細胞壁破壊品、ヒメマツタケ培養菌糸体及びヒメマツタケ培養菌糸体の細胞壁破壊品からなる群から選択される少なくとも1種を熱水で抽出したものである請求項1に記載の抗腫瘍性飲食品。
- マンネンタケの抽出物は、梅の木で栽培されたマンネンタケの子実体又は前記マンネンタケの子実体の細胞壁破壊品を熱水で抽出したものである請求項1に記載の抗腫瘍性飲食品。
- 梅肉の抽出物は、梅の果肉を加温抽出したもの又は前記梅の果肉の加温抽出物を有機溶媒でさらに抽出したものである請求項1に記載の抗腫瘍性飲食品。
- ヒメマツタケの抽出物と、マンネンタケの抽出物と、梅肉の抽出物とを有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
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---|---|---|---|
JP2005124472A JP2006298853A (ja) | 2005-04-22 | 2005-04-22 | 抗腫瘍性飲食品及び抗腫瘍剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2923161A1 (fr) * | 2007-11-06 | 2009-05-08 | Axiss France Sas Soc Par Actio | Additifs alimentaires ameliorant les defenses de l'animal |
JP2014090711A (ja) * | 2012-11-07 | 2014-05-19 | Yamato Kanpo Kk | 鹿角霊芝の処理方法、鹿角霊芝処理物及び飲食物 |
-
2005
- 2005-04-22 JP JP2005124472A patent/JP2006298853A/ja active Pending
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