JP2006298234A - 覚醒度判定装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 運転者に負担を与えることなく運転者の覚醒度の低下を検出する。
【解決手段】 覚醒度が高い状態での運転操作の情報、そのときの車両の挙動の情報をMTシステムの単位空間として記憶しておき、現在の運転操作の情報、車両の挙動の情報を各種センサから取り込んで、マハラノビス距離を演算する。このマハラノビス距離が大きいと正常運転状態からはずれて覚醒度が低下していると判定する。覚醒度の低下が大きい場合には居眠り運転の警報を出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】 覚醒度が高い状態での運転操作の情報、そのときの車両の挙動の情報をMTシステムの単位空間として記憶しておき、現在の運転操作の情報、車両の挙動の情報を各種センサから取り込んで、マハラノビス距離を演算する。このマハラノビス距離が大きいと正常運転状態からはずれて覚醒度が低下していると判定する。覚醒度の低下が大きい場合には居眠り運転の警報を出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両などの運転者の運転中の覚醒度を判定する装置および方法に関する。本発明は居眠り事故を防止するための技術であり、判定した覚醒度に応じて居眠り運転の危険度が高い場合には居眠り警報を出力して運転者の注意を喚起させる技術に適用する。
居眠り運転防止のために覚醒度が低下したことを検出する技術として、運転者の生体情報を用いて検出する技術、あるいは画像処理技術を用いて検出する技術などが提案されている。
生体情報を用いて覚醒度の低下を検出する方法として、運転者がリストバンドその他のモニタ装置を身体に装着し、このモニタ装置で検出する運転者の心拍あるいはその他身体状態により運転者が居眠り状態になっているか否かを検出する装置が知られている。
例えば、手袋の手首の部分および手袋の指掌部あるいは手掌部に設けられた二つの導電部からの出力を入力し、手首の電位を基準として指掌面あるいは手掌面の皮膚電位水準を検出し、その検出出力があらかじめ設定されたレベルに達したときに警報を発生する装置がある(特許文献1)。
また、居眠り状態の判断をさらに正確に検出するために改良されたものとして、運転者の手首の部分および指掌部の皮膚電位差を測定するとともに、車両の操舵角および車速を検出し、皮膚電位差が所定値を越える勾配で降下するタイミングに操舵角が所定値以下であり、かつ車速が所定値を越えるときに警報を発生する装置がある(特許文献2)。
さらに、運転者の居眠りを検出する別の装置として、例えばアイカメラ等で運転者の眼球運動を監視し、眼球の動きが一定水準を越えて鈍くなったときに居眠り運転状態になっていることを検出する装置、あるいは運転者の状態を検出するのではなく、運転者の運転状況を検出して、例えばハンドル操作が所定時間を越えていっさい行われないときに、居眠り運転状態にあると判定する装置が提案されている。
運転者がリストバンドなどのモニタ装置を身体に装着して居眠り運転に陥ったことを検出することにより居眠り運転を防止する技術の場合には、モニタ装置を運転者に装着しなければ検出することができない。またこの装着は運転者の運転動作に負担をかけることになる。また、非接触で画像処理により、運転者の瞬き、顔の向き、視線等を検出する技術については、運転者の状態を撮影する撮影装置、画像処理装置などが別途必要であり、またいまだ覚醒度低下を高精度に検出する手法が確立されていない。
本発明は、運転者の運転操作の情報、車両の挙動の情報を車両姿勢制御のために各種センサにより取り込んで車両姿勢制御を行なう技術がすでに実用化されていることに着目し、これらのすでに車両に搭載されているセンサからの情報を用いて覚醒度の低下を検出することができる装置および方法を提供することを目的とする。生体情報を検出するためのモニタ装置あるいは、運転者の状態を撮影する撮影装置、画像処理などの装置が必要ではなく、現在車両に搭載されているセンサからのデータを用いるだけで覚醒度の低下を検出することが可能な装置および方法を提案することを目的とする。
覚醒度が高い状態での運転操作の情報、そのときの車両の挙動の情報をMTシステム(マハラノビス・タグチ・システム)の単位空間として記憶しておき、現在の運転操作の情報、車両の挙動の情報を各種センサから取り込んで、マハラノビス距離を演算する。このマハラノビス距離が大きいと正常運転状態からはずれて覚醒度が低下していると判定する。覚醒度の低下が大きい場合には居眠り運転の警報を出力する。
運転操作の情報、車両の挙動の情報として、例えば、ヨーレイト、アクセル開度、操舵角を車両搭載のセンサから取り込む。これらの信号から、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差などについて、覚醒度が高い状態で取得していたデータを単位空間として、MTシステムにより、マハラノビス距離を演算する。このマハラノビス距離が所定値を越えた場合は、覚醒度が低下して眠気が出現しているものとして眠気注意が必要な領域になったと判定する。
ここで、MTシステム(マハラノビス・タグチ・システム)について簡単に説明する。MTシステムは、ある集団に対する多次元の情報を処理して、集団全体に一つの距離を導入し、パターン認識をする手法である。方法としては、多次元空間の中に基準となるデータから単位空間(マハラノビス空間)を定義し、そこから定義されるマハラノビス距離を尺度として、各固体のマハラノビスの距離の大小で単位空間との類似性を判定するものである。
従来の判別分析では、分析対象の集団がいくつかの異質な群に別れており、群毎に特性を持つことを前提とし、各群を対照的に扱う。しかし、MTシステムでは、単位空間として定義した群と他の群とを対照に扱わない。この手法は、例えば、良品はある程度均一な集団を形成するが、不良品は1つの意味のある集団を形成するとは考え難い、といった場合に利用できるものである。
本発明で対象としている覚醒度においても、はっきりと覚醒した状態では、ある程度似通った運転特性があると予想されるが、覚醒度低下が起こったときの運転特性の変化は、その原因や状況により様々であると推察される。そこで、本発明では、この手法を採用し、覚醒度の判定を行う。
すなわち、本発明の第一観点は覚醒度判定装置であって、本発明の特徴とするところは、覚醒時における運転操作および車両の挙動のデータを記憶する記憶手段と、センサから入力される運転状態を示すデータならびに車両の挙動のデータと前記覚醒時における運転操作のデータならびに車両の挙動のデータとを比較して、前記覚醒時のデータを単位空間とするマハラノビス距離を演算する手段と、この演算結果のマハラノビス距離が所定値を越えたときは、覚醒度が低下したと判定する判定手段とを備えたところにある。
前記運転操作のデータは、例えば、アクセル開度および操舵角のデータを含み、前記車両の挙動のデータは、車速およびヨーレイトおよびエンジン回転速度のデータを含む。
また、前記演算する手段は、例えば、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差について、覚醒時の単位空間と現在のデータとのマハラノビス距離を演算する手段を含む。
あるいは、前記演算する手段は、例えば、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差に加え、車速の標準偏差、アクセル開度の標準偏差、アクセル開度の微分値の標準偏差について、覚醒時の単位空間と現在のデータとのマハラノビス距離を演算する手段を含む。
前者では、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差を用いてマハラノビス距離を演算するが、後者では、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差に加え、車速の標準偏差、アクセル開度の標準偏差、アクセル開度の微分値の標準偏差を用いてマハラノビス距離を演算する。
発明者らは単位空間を定義するために、平均年齢35.5歳、大型車の運転歴3年以上の男性9名を被験者とし、脳波、心電図、皮膚温、眼電図、唾液中コルチゾルの測定を用いて被験者の様々な覚醒度に応じた運転操作のデータおよび車両の挙動のデータを収集し、これにより単位空間の定義を行った。
この際、前者におけるヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差の5項目のデータが覚醒度を判定するために特に有用であることがわかった。よって、前者の5項目によって本発明の覚醒度判定装置を実現することができる。
さらに、後者において追加された車速の標準偏差、アクセル開度の標準偏差、アクセル開度の微分値の標準偏差の3項目を加えることにより、覚醒度の判定率が向上することがわかった。すなわち、後者の3項目を加えることにより、後者の3項目を加えない場合と比較して判定精度が向上することがわかった。
よって、後者における8項目を用いて本発明の覚醒度判定装置を実現すれば、前者における5項目を用いて本発明の覚醒度判定装置を実現する場合と比較して、さらに判定精度の高い覚醒度判定装置を実現することができる。ただし、前者の方が後者よりも演算対象となるパラメータ数が少ないので演算時間は短縮できる。
本発明の第二の観点は覚醒度判定方法であって、本発明の特徴とするところは、多数の運転者の覚醒時の運転操作およびそのときの車両の挙動データを採取して単位空間のデータとして記憶しておき、車両に備えられたセンサから入力される運転操作および車両の挙動データに基づいて現在の運転操作および車両の挙動データと前記記憶された単位空間のデータとのマハラノビス距離を演算し、演算されたマハラノビス距離が所定値を越えた場合には運転者の覚醒度が低下していると判定し警報を出力するところにある。
本発明は、すでに車両に搭載されているセンサからのデータを処理するだけで覚醒度を判定できるので、新たな装置を必要とせず、車載コンピュータに判定用のソフトウェアを搭載するだけで判定できる。
パターン認識手法として知られているMTシステムによるマハラノビス距離の大小で覚醒度を判定できるので、既存のアルゴリズムでデータ処理が可能である。
本発明実施例の覚醒度判定装置を図1を参照して説明する。図1は本実施例の覚醒度判定装置のブロック構成図である。
本実施例は覚醒度判定装置であって、本実施例の特徴とするところは、図1に示すように、覚醒時における運転操作および車両の挙動のデータを記憶する単位空間データ保持部6と、車速センサ1、エンジン回転速度センサ2、操舵角センサ3、ヨーレイトセンサ4、アクセル開度センサ5からそれぞれ入力される運転状態を示すデータならびに車両の挙動のデータと前記覚醒時における運転操作のデータならびに車両の挙動のデータとを比較して、前記覚醒時のデータを単位空間とするマハラノビス距離を演算するマハラノビス距離演算部7と、この演算結果のマハラノビス距離が所定値を越えたときは、覚醒度が低下したと判定する覚醒度判定部8とを備えたところにある。
前記運転操作のデータは、アクセル開度センサ5により検出されたアクセル開度および操舵角センサ3により検出された操舵角のデータを含み、前記車両の挙動のデータは、車速センサ1により検出された車速およびエンジン回転速度センサ2により検出されたエンジン回転速度データおよびヨーレイトセンサ4により検出されたヨーレイトのデータを含む。
(第一実施例)
第一実施例を図2ないし図3を参照して説明する。図2は第一実施例の単位空間データ保持部6およびマハラノビス距離演算部7の構成を示す図である。第一実施例では、マハラノビス距離演算部7は、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差について、覚醒時の単位空間と現在のデータとのマハラノビス距離を演算する距離演算部12を含む。
第一実施例を図2ないし図3を参照して説明する。図2は第一実施例の単位空間データ保持部6およびマハラノビス距離演算部7の構成を示す図である。第一実施例では、マハラノビス距離演算部7は、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差について、覚醒時の単位空間と現在のデータとのマハラノビス距離を演算する距離演算部12を含む。
第一実施例の単位空間データ保持部6は、図2に示すように、距離演算用基準データテーブル10を有する。前述したように、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差についてのマハラノビス距離を用いることが運転者の覚醒度を検出するために有用であることがわかったので、距離演算用基準データテーブル10には、これらの各データが保持されている。
すなわち、ヨーレイトの標準偏差あるいはスペクトル強度は、車両の進行方向に対して車両の左右の首振り状態を表すために有用である。一般的に、居眠り運転状態では、車両が蛇行する傾向が顕著に現れることから、ヨーレイトの標準偏差あるいはスペクトル強度を用いることにより運転者の覚醒度検出を精度良く行うことができる。
また、アクセル開度の微分値の平均値は、運転者のアクセルペダルの踏み込み量を表すために有用である。一般的に、居眠り運転状態では、運転者のアクセルペダルの踏み込み量は少なくなり、いわゆるノロノロ運転となる傾向が顕著に現れることから、アクセル開度の微分値の平均値を用いることにより運転者の覚醒度検出を精度良く行うことができる。
また、操舵角周波数のスペクトル強度あるいは操舵角の標準偏差は、前述したヨーレイトの標準偏差あるいはスペクトル強度と密接に関係し、車両の進行方向に対して車両の左右の首振り状態を表すために有用である。一般的に、居眠り運転状態では、車両が蛇行する傾向が顕著に現れることから、操作角周波数のスペクトル強度あるいは操舵角の標準偏差を用いることにより運転者の覚醒度検出を精度良く行うことができる。
また、マハラノビス距離演算部7の距離演算用データ収集部11には、車速センサ1、エンジン回転速度センサ2、操舵角センサ3、ヨーレイトセンサ4、アクセル開度センサ5からそれぞれリアルタイムの車速データ、エンジン回転速度データ、操舵角データ、ヨーレイトデータ、アクセル開度データが入力される。
距離演算部12では、距離演算用データ収集部11により収集されたリアルタイムデータに基づきヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差をそれぞれ演算する。
さらに、距離演算部12は、リアルタイムデータによる演算結果と、距離演算用基準データテーブル10に保持されているデータとに基づきマハラノビス距離を演算する。この演算結果に基づき運転者の覚醒度を判定し、必要があれば居眠り警報を出力する。
マハラノビス距離演算部7の処理手順を図3のフローチャートに示した。距離演算用データ収集部11は、車速センサ1、エンジン回転速度センサ2、操舵角センサ3、ヨーレイトセンサ4、アクセル開度センサ5を用いてデータ計測を行っている(S1)。このデータ計測がT時間経過したら(S2)、マハラノビス距離を演算(S8)するための各種データ算出を行う(S3〜S7)。Tの値は、任意の値に設定することができるが、Tの値が小さければ小さいほど、頻繁に運転者の覚醒度検出を行うことができる。しかし、Tの値が小さ過ぎると、マハラノビス距離を演算するために必要充分なデータが収集できないので、車両の運行状況等を考慮してTの値を適宜設定する。
例えば、1日の内で居眠り運転が発生し易い時間帯は、統計的に求めることができる。このような危険な時間帯にはTの値を必要最小の値(例えば、数分間)とし、それ以外の時間帯には、余裕を持ってデータ収集が行えるように、Tの値を比較的大きな値(例えば、十数分間)に設定する。
なお、距離演算用データ収集部11は、車速センサ1からの車速データに基づき車両が走行中であるか停車中であるかを検出し、長時間(例えば、10分間以上)の停車を検出した場合には、運転者が休憩をとっている、あるいは、車外で作業を行っている、と判定できるので、その間のデータ計測は行わない。このときに計測中であったデータについてはこれを破棄する。同様に、エンジン回転速度センサ2からのエンジン回転速度データに基づきエンジン停止を検出した場合にもその間のデータ計測を行わない。このときに計測中であったデータについてはこれを破棄する。
距離演算部12は、距離演算用データ収集部11により収集されたリアルタイムデータと、単位空間データ保持部6の距離演算用基準データテーブル10に保持されているデータとに基づき、マハラノビス距離を演算する(S8)。
すなわち、ヨーレイトの標準偏差を算出し(S3)、ヨーレイトのスペクトル強度を算出し(S4)、アクセル開度の微分値の平均値を算出し(S5)、操舵角周波数のスペクトル強度を算出し(S6)、操舵角の標準偏差を算出し(S7)、これらの算出結果としてのデータと距離演算用基準データテーブル10に保持されているデータとに基づきマハラノビス距離を演算する(S8)。マハラノビス距離の演算方法に関しては既知の技術であり、本発明とは直接関係がないので詳細な説明は省略する。なお、S3〜S7の各ステップの順序は並べ替えてもよい。
マハラノビス距離の演算結果が閾値K以上であれば(S9)、運転者の覚醒度は低いと判定され、居眠り警報が出力される(S10)。なお、閾値Kの値は、例えば、4.5である。
居眠り警報出力が行われると運転席にあるアラームの鳴動あるいはスピーカからの音声による運転者への警告が行われる。あるいは、運転席のシートに仕込まれたバイブレータが振動し、運転者の覚醒を喚起するといったこともできる。
(第二実施例)
第二実施例を図4および図5を参照して説明する。図4は第二実施例の距離演算用基準データテーブルの構成例を示す図である。第二実施例では、第一実施例の距離演算用基準データテーブル10に、さらに3つの追加項目として、車速の標準偏差、アクセル開度の標準偏差、アクセル開度の微分値の標準偏差を追加した距離演算用基準データテーブル20を用いる。
第二実施例を図4および図5を参照して説明する。図4は第二実施例の距離演算用基準データテーブルの構成例を示す図である。第二実施例では、第一実施例の距離演算用基準データテーブル10に、さらに3つの追加項目として、車速の標準偏差、アクセル開度の標準偏差、アクセル開度の微分値の標準偏差を追加した距離演算用基準データテーブル20を用いる。
前述したように、第一実施例の距離演算用基準データテーブル10の5項目によって、覚醒度を精度良く判定することができるが、距離演算用基準データテーブル20に追加された3つの項目である車速の標準偏差、アクセル開度の標準偏差、アクセル開度の微分値の標準偏差を演算に用いることにより、さらに、覚醒度の判定精度を向上させることができる。
すなわち、車速の標準偏差およびアクセル開度の標準偏差およびアクセル開度の微分値の標準偏差は、第一実施例で用いたアクセル開度の微分値の平均値と共に、居眠り運転状態に現れる、いわゆるノロノロ運転状態を精度良く表すことができるので、第二実施例における追加項目を演算に用いることにより、覚醒度の判定精度をさらに向上させることができる。
第二実施例の距離演算部12の処理手順を図5にフローチャートとして示す。図5に示すように、第一実施例における処理手順のステップS7とS8との間に、車速の標準偏差の算出(S11)、アクセル開度の標準偏差の算出(S12)、アクセル開度の微分値の標準偏差の算出(S13)が挿入される。他の処理手順は第一実施例と同じである。なお、ステップS3〜S7、S11〜S13の順序は並べ替えてもよい。
本発明は、車両の居眠り運転を防止し、交通安全に寄与することができる。特に、本発明によれば、すでに車両に搭載されているセンサからの情報を用いて覚醒度の低下を検出することができるので、安価かつ簡単に本発明の覚醒判定装置を車載することができる。また、生体情報を検出するためのモニタ装置あるいは、運転者の状態を撮影する撮影装置、画像処理などの装置が必要ではなく、運転者に運転以外の負担をかけることがないため、運転者の安全運転を阻害する要因を一切含まずに運転者の覚醒度判定を行うことができる。
1 車速センサ
2 エンジン回転速度センサ
3 操舵角センサ
4 ヨーレイトセンサ
5 アクセル開度センサ
6 単位空間データ保持部
7 マハラノビス距離演算部
8 覚醒度判定部
10、20 距離演算用基準データテーブル
11 距離演算用データ収集部
12 距離演算部
2 エンジン回転速度センサ
3 操舵角センサ
4 ヨーレイトセンサ
5 アクセル開度センサ
6 単位空間データ保持部
7 マハラノビス距離演算部
8 覚醒度判定部
10、20 距離演算用基準データテーブル
11 距離演算用データ収集部
12 距離演算部
Claims (5)
- 覚醒時における運転操作および車両の挙動のデータを記憶する記憶手段と、
センサから入力される運転状態を示すデータならびに車両の挙動のデータと前記覚醒時における運転操作のデータならびに車両の挙動のデータとを比較して、前記覚醒時のデータを単位空間とするマハラノビス距離を演算する手段と、
この演算結果のマハラノビス距離が所定値を越えたときは、覚醒度が低下したと判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする覚醒度判定装置。 - 前記運転操作のデータは、アクセル開度および操舵角のデータを含み、
前記車両の挙動のデータは、車速およびヨーレイトおよびエンジン回転速度のデータを含む
請求項1記載の覚醒度判定装置。 - 前記演算する手段は、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差について、覚醒時の単位空間と現在のデータとのマハラノビス距離を演算する手段を含む請求項1記載の覚醒度判定装置。
- 前記演算する手段は、ヨーレイトの標準偏差、ヨーレイトのスペクトル強度、アクセル開度の微分値の平均値、操舵角周波数のスペクトル強度、操舵角の標準偏差に加え、車速の標準偏差、アクセル開度の標準偏差、アクセル開度の微分値の標準偏差について、覚醒時の単位空間と現在のデータとのマハラノビス距離を演算する手段を含む請求項1記載の覚醒度判定装置。
- 多数の運転者の覚醒時の運転操作およびそのときの車両の挙動データを採取して単位空間のデータとして記憶しておき、
車両に備えられたセンサから入力される運転操作および車両の挙動データに基づいて現在の運転操作および車両の挙動データと前記記憶された単位空間のデータとのマハラノビス距離を演算し、
演算されたマハラノビス距離が所定値を越えた場合には運転者の覚醒度が低下していると判定し警報を出力する
ことを特徴とする覚醒度判定方法。
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