JP2006297989A - 電動式ステアリングコラム装置 - Google Patents

電動式ステアリングコラム装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006297989A
JP2006297989A JP2005118291A JP2005118291A JP2006297989A JP 2006297989 A JP2006297989 A JP 2006297989A JP 2005118291 A JP2005118291 A JP 2005118291A JP 2005118291 A JP2005118291 A JP 2005118291A JP 2006297989 A JP2006297989 A JP 2006297989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering column
column
elastic body
steering
steering wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005118291A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Tomaru
正規 外丸
Hiromichi Komori
宏道 小森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2005118291A priority Critical patent/JP2006297989A/ja
Publication of JP2006297989A publication Critical patent/JP2006297989A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 静粛性を向上させる事ができると共に、小型化、軽量化、低コスト化を図れ、ステアリングホイール1の剛性感を確保できる構造を実現する。
【解決手段】 上記ステアリングホイール1の前後方向の位置調節を行なう為の駆動源として、直動型超音波モータ18aを使用する。即ち、超音波振動により前後方向に移動する移動子22の動きを、動力伝達部材33を介してインナーコラム8に伝達自在とする。この結果、後端部に上記ステアリングホイール1を固定したアウターシャフト3を上記インナーコラム8と共に前後方向に駆動でき、このステアリングホイール1の前後方向の位置調節が可能となる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車を操舵する為のステアリングホイールの高さ位置や前後位置を、電動により調節可能とする電動式ステアリングコラム装置の改良に関する。具体的には、静粛性を向上させると共に、小型化、軽量化、低コスト化を図れる構造を実現するものである。
運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホイールの高さ位置や前後位置を調節可能とする為に従来から、位置調節機能を備えた、各種構造のステアリングコラム装置が使用されている。又、この様な位置調節を電動により行なう電動式ステアリングコラム装置も、従来から知られており、この電動式ステアリングコラム装置の駆動源として電動回転モータを使用した構造が、従来から広く知られている。即ち、モータによる回転力を駆動源として、この回転運動を直動運動に変換する事により、ステアリングホイールの位置調節を行なう構造が、従来から知られている。又、この様な電動回転モータとしては、磁界を進行させながらロータを回転させて駆動力を得る構造や、例えば特許文献1に記載されている様に、超音波モータを利用した構造が、従来から知られている。
しかし、上述した様な電動回転モータを、電動式ステアリングコラム装置に使用した場合、以下の様な問題点がある。先ず、各種電動回転モータの構造のうち、磁界を進行させながらロータを回転させる構造の場合、
(1)モータの作動音が大きい
(2)低回転でしかも大きな高トルク(出力)を得られない
(3)通電していない状態では、位置保持力が無い
と言う様な問題点がある。
電動式ステアリングコラム装置は、高級自動車に使用される場合が多く、作動音が大きい事は好ましくない。又、低速で運転可能で、しかもトルクを確保する為に、減速装置を設ける必要があり、装置全体の大型化、重量増大、製造コスト増大の原因となる。更に、通電状態でなければ位置を保持できない為、別途の固定装置、例えば減速装置による逆作動防止機構等が必要となり、やはり同様の問題が生じる。
一方、駆動力を得る構造に拘らず(磁界を進行させる構造でも、超音波による構造でも)、電動回転モータを、電動式ステアリングコラム装置に使用した場合、
(4)回転保持用の軸受部材が必要となる
(5)回転運動を直動運動に変換する為の、ねじ機構や歯車機構等の駆動方向変換機構が必要となる
と言う様な問題がある。この様な各種部材が必要となる事は、装置全体の大型化、重量増大、製造コストの増大をもたらす。又、駆動方向変換機構が有するバックラッシは、がたつき感をもたらし、ステアリングホイールの剛性感を低下させる原因となっていた。
尚、超音波モータとして直動型のものが、例えば特許文献2に記載されている様に、従来から知られているが、直動型の超音波モータを電動式ステアリングコラム装置の駆動源として使用した構造は知られていない。
特許第3437781号公報 特公平5−32993号公報
本発明の電動式ステアリングコラム装置は、上述の様な事情に鑑み、静粛性を向上させる事ができると共に、小型化、軽量化、低コスト化を図れ、更にはステアリングホイールの剛性感を確保できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式ステアリングコラム装置は、ステアリングコラムと、駆動モータとを備える。
このうちのステアリングコラムは、後端部にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトを挿通し、位置調節可能に支持されている。
又、上記駆動モータは、上記ステアリングホイールの位置を調節する為のものである。 特に本発明の電動式ステアリングコラム装置に於いては、この駆動モータを直動型超音波モータとしている。
上述の様に構成される本発明の場合には、静粛性を向上させる事ができると共に、小型化、軽量化、低コスト化を図れ、更にはステアリングホイールの剛性感を確保できる。即ち、ステアリングホイールの位置を調節する為の駆動モータを、直動型超音波モータとしている為、通電時にも可聴音域を越えた周波数の音しか発生せず、静粛性に優れる。又、低速で運転でき、しかも大きな力を発生できる為、減速装置を設置する必要が無い。又、直動型である為、駆動方向変換機構が必要なく、上記減速装置の設置が不要な事も合わせて、バックラッシが存在する事が無い。この為、がたつき感が生じる事を防止でき、ステアリングホイールの剛性感が低下する事はない。又、この様に、減速装置及び駆動方向変換機構が不要な為、電動回転モータと比べて部品点数を少なくできる。又、通電していなくても位置保持力が高い為、減速装置による逆作動防止機構等の、別途の固定装置が必要ない。更に、回転保持用の軸受部材も必要ない。従って、この点からも部品点数を減らす事ができる。この結果、装置全体の小型化、軽量化、低コスト化を図れる。
本発明は、請求項2〜4に記載した構造に適用する事が好ましい。
先ず、請求項2に記載した構造では、ステアリングコラムを、ステアリングシャフトと共に車体への取付状態での前後方向に伸縮可能とし、駆動モータを、このステアリングコラムを前後方向に伸縮させるものとし、ステアリングホイールの前後方向位置を調節可能とする。
或は、請求項3に記載した構造では、ステアリングコラムを、ステアリングシャフトと共に車体への取付状態での上下方向に揺動可能とし、駆動モータを、このステアリングコラムを上下方向に揺動させるものとし、ステアリングホイールの上下方向位置を調節可能とする。
或は、請求項4に記載した構造では、ステアリングコラムを、ステアリングシャフトと共に、車体への取付状態での、前後方向に伸縮可能、且つ、上下方向に揺動可能とし、1対の駆動モータを、それぞれ上記ステアリングコラムの前後方向の伸縮と上下方向の揺動とを行なわせるものとし、ステアリングホイールの前後方向位置及び上下方向位置を調節可能とする。
又、本発明を実施する場合に、より好ましくは、請求項5又は請求項6に記載した様に、直動型超音波モータを、弾性体と、圧電振動子と、移動子或は固定の部分と、押圧手段とを備えたものとする。
このうちの圧電振動子は、何れの構造の場合も、通電する事により上記弾性体を振動させるものである。
又、上記移動子は、請求項5に記載した構造の場合には、上記弾性体の表面と直接又は別体の部材を介して摺動する摺動部分を有し、通電時に移動するものである。
又、上記固定の部分は、請求項6に記載した構造の場合には、上記弾性体の表面と直接又は別体の部材を介して摺動する摺動部分を有し、通電時にも移動しない。
又、上記押圧手段は、上記摺動部分を上記弾性体の表面に向けて押し付けるものである。
そして、請求項5に記載した構造の場合、上記移動子の動きをステアリングコラムに伝達自在とする。
一方、請求項6に記載した構造の場合、通電時には上記弾性体が移動し、この弾性体の動きをステアリングコラムに伝達自在とする。
この様に構成すれば、直動型超音波モータを、電動式ステアリングコラム装置中に効率良く組み込める。
更に好ましくは、請求項7に記載した様に、弾性体及び圧電振動子を、ステアリングコラムをそれぞれ構成するアウターコラムとインナーコラムとの間に配置して、このうちの一方のコラムに固定する。そして、他方のコラムを移動子又は固定の部分として機能させる。
或は、請求項8に記載した様に、直動型超音波モータを、ステアリングコラムと、このステアリングコラムを車体に支持する為のブラケットとの間に配置する。
この様に構成すれば、装置全体の小型化をより図る事ができ、設置スペースを小さくできる。
図1〜5は、請求項1、2、5、8に対応する、本発明の実施例1を示している。車体への取付状態での前後方向(図1〜3の左右方向)後端部(図1〜3の右端部)にステアリングホイール1を固定するステアリングシャフト2は、円筒状のアウターシャフト3の内側に円杆状のインナーシャフト4を、このアウターシャフト3に対する摺動可能に、且つ、回転力の伝達自在に挿入して成る。この為に、上記インナーシャフト4の後端部外周面と上記アウターシャフト3の中間部乃至前端部(図1〜3の左端部)内周面とを、スプライン係合させている。
又、上記ステアリングシャフト2は、円筒状のステアリングコラム5の内側に挿通され、両端寄り部分及び中間部を回転自在に支持されている。即ち、このステアリングコラム5は、車体に取付ブラケット6を介して固定される円筒状のアウターコラム7の内側に、円筒状のインナーコラム8を、このアウターコラム7に対する摺動可能に挿入して成る。そして、このインナーコラム8の両端部内周面に、上記ステアリングシャフト2を構成する上記アウターシャフト3の前端部と後端寄り部分とを、それぞれ軸受9a、9bにより、上記インナーコラム8と上記アウターシャフト3との、相対回転自在、且つ、前後方向への相対移動不能に支持している。
又、上記アウターコラム7の前端部内周面には、上記ステアリングシャフト2を構成するインナーシャフト4の中間部後端寄り部分を、軸受9cにより、上記アウターコラム7と上記インナーシャフト4との、相対回転自在、且つ、前後方向への相対移動不能に支持している。この為に、上記軸受9c(を構成する内輪)の両端面内周縁部分を、上記インナーシャフト4の前端寄り外周面に係止したOリング10と、このインナーシャフト4の前端寄り外周面に形成した外向鍔部11との間で挟持している。又、上記軸受9c(を構成する外輪)の両端面外周縁部分を、上記アウターコラム7の前端寄り内周面に係止したCリング等の係止部材12と、このアウターコラム7の前端寄り内周面に形成した内向鍔部13との間で挟持している。尚、図4に詳示する様に、上記インナーシャフト4の前端寄り外周面で、上記Oリング10よりも前側部分には、平座金14を外嵌すると共に、この平座金14の前方への変位を防止するCリング15を係止している。そして、上記Oリング10が不用意に外れる事を防止している。
上述の様に構成する為、上記ステアリングシャフト2は、上記ステアリングコラム5の内側に回転自在に支持されると共に、上記アウターシャフト3及び上記インナーコラム8が、上記インナーシャフト4及び上記アウターコラム7に対して、前後方向に相対移動可能となる。尚、本実施例の場合、上記アウターシャフト3の中間部に、前記ステアリングホイール1をロックする(回らない状態とする)為のキーロック孔16を形成している。従って、図示しないイグニッションキーをロック位置にした場合に、上記インナーコラム8の一部で上記キーロック孔16と前後方向に関して整合する位置に形成した透孔17を通じて突出した、図示しないロックキーと上記キーロック孔16とが係合する。そして、上記ステアリングホイール1をロックする。
又、本実施例の場合、上記アウターシャフト3及びインナーコラム8の前後方向への移動を電動により行なう構造としている。この為に、前記取付ブラケット6の下端部に支持された直動型超音波モータ18を、上記ステアリングコラム5の下側に配置している。この直動型超音波モータ18は、第一、第二の弾性体19、20と、圧電振動子21、21と、移動子22と、結合部材23、23と、押圧手段24とを備える。尚、上記直動型超音波モータ18の基本的構造及び原理は、例えば、前述の特許文献2に詳しく記載されており、本発明の要旨でもない為、具体的な説明に就いては、省略若しくは簡略にする。
上記第一、第二の弾性体19、20は、ステンレス鋼等の金属材料を棒状に形成したものであり、両端部を、上記直動型超音波モータ18を構成するハウジング25に支持している。又、この状態で、上記第一、第二の弾性体19、20は、上記ステアリングコラム5と平行に配置されている。尚、これら第一、第二の弾性体19、20の断面形状は、円形や矩形等、特に限定しないが、少なくともこれら第一、第二の弾性体19、20同士が同一形状である事が好ましい。又、材質に就いても同じである事が好ましい。
又、上記ハウジング25は、前記取付ブラケット6の一部に固定されており、前記アウターコラム7に対向する上面に、前後方向に長い第一の長孔26を形成している。又、上記第二の弾性体20の前端部側は、上記ハウジング25の前端側開口部27に螺合されたセットナット28により支持されている。即ち、上記第二の弾性体20は、このハウジング25の前端側開口部27から挿入される。そして、上記セットナット28によりこの前端側開口部27を塞ぐと共に、上記第二の弾性体20の前端部を支持している。一方、上記第一の弾性体19は、上記ハウジング25の側面に開口された開口部29からこのハウジング25内に挿入され、このハウジング25の一部に直接支持されている。尚、上記開口部29は、上記第一の弾性体19の配置後に、蓋30により塞いでいる。
又、前記圧電振動子21、21は、圧電セラミックス等の様に、高周波電圧を印加する事により振動するものである。これら圧電振動子21、21は、図3に示す様に、第一の弾性体19の表面にそれぞれ固定されている。そして、所定の周波数に制御された電圧を加える事により、上記第一の弾性体19の表面に前後方向の進行波を発生させる。又、前記結合部材23、23は、上記第一、第二の弾性体19、20の両端寄り部分同士を結合するものである。そして、上記第一の弾性体19の表面に発生した進行波を、上記第二の弾性体20に伝達し、この第二の弾性体20の表面にも進行波を発生させる。従って、上記結合部材23、23の間隔は、上記第一の弾性体19の表面に発生する進行波の波長等を考慮して、この第一の弾性体19の表面に発生した進行波を、上記第二の弾性体20の表面に伝達できる様に定める。
又、前記移動子22は、下半部に上記第二の弾性体20を挿通する通孔31を、上半部に上記ステアリングコラム5側に開口した凹部32を、それぞれ形成している。このうちの通孔31の上記第一の弾性体19側には、切り欠き75を形成している。尚、この様に切り欠き75を形成しているのは、後述する様に、移動子22が第二の弾性体20に沿って移動した時に、これら第一、第二の弾性体19、20の両端寄り部分同士を結合する結合部材23、23と上記移動子22とが干渉する事を防止する為である。この為に、上記切り欠き75の上下方向の幅は、上記結合部材23、23の外径よりも大きくしている。又、上記凹部32には、動力伝達部材33の下半部を挿入している。この動力伝達部材33は、上半部に、前記インナーコラム8の下面の一部で前記ハウジング25の第一の長孔26と整合する部分に形成した、第二の透孔34と係合する係合部35を設けている。又、下半部には、上記凹部32に挿入され、この凹部32の内周面とスペーサ36を介して係合する球面係合部37を設けている。
上記動力伝達部材33は、上記第一の長孔26と、前記ステアリングコラム5を構成するアウターコラム7の下面部分でこの第一の長孔26と整合する位置に形成された、前後方向に長い第二の長孔38とを貫通する状態で配置されている。そして、上記動力伝達部材33を構成する上記係合部35を、上記インナーコラム8に形成した第二の透孔34に挿入している。そして、この係合部35の先端部に形成した雄ねじ部をこのインナーコラム8の内周面に配置したナット部材76のねじ孔77に螺合し更に緊締している。この状態で、上記動力伝達部材33の中間部外周面に形成した鍔部39と、上記インナーコラム8の下面との間に、図5に示す様な第二のスペーサ40、40を設けている。
これら各第二のスペーサ40、40は、上記第二の透孔34の前後方向両側に配置され、上面を上記インナーコラム8の外周面に沿う様に湾曲させると共に、下面を上記鍔部39の側面と平行な平面としている。そして、この様に構成される各第二のスペーサ40、40を、上記動力伝達部材33の鍔部39と上記インナーコラム8との間に配置している。これにより、上記係合部35を上記第二の透孔34に挿入し、この係合部35の外周面に形成した雄ねじ部を上記ナット部材76に螺合した状態で、上記動力伝達部材33が上記インナーコラム8に対してがたつく事を防止できる。即ち、上記ナット部材76は、上記インナーコラム8の内周面に沿って部分円筒状に形成されており、上記ねじ孔77の周囲を外径側に膨出させている。そして、この膨出した部分を上記第二の透孔34に嵌合させる事で、上記ナット部材76の位置決めとしている。又、上記ねじ孔77に上記係合部35の雄ねじ部を螺合する事により、上記ナット部材76と上記鍔部39との間で上記インナーコラム8の一部で上記第二の透孔34の周囲部分と上記第二のスペーサ40、40とを挟持している。この結果、上記動力伝達部材33が上記インナーコラム8に対してがたつく事を防止できる。
又、上記動力伝達部材33を構成する上記球面係合部37は、外周面を球面状としている。そして、内周面をこの球面係合部37の外周面に沿って断面円弧状に形成した前記スペーサ36を介して、上記移動子22の凹部32に係合している。このスペーサ36は、合成樹脂等の滑り易い材料により形成されており、外周面を上記凹部32の内周面と摺動自在としている。又、上記スペーサ36の内周面と上記球面係合部37の外周面とも、摺動自在である。従って、上記動力伝達部材33は、上記凹部32の内周面に沿って、上下方向に関して変位可能であると共に、上記球面係合部37の外周面の曲率中心を中心に揺動可能である。
一方、上記移動子22は、前記押圧手段24により、前記第二の弾性体20の外面に押圧されている。この押圧手段24は、上記移動子22の下面中央部に形成したねじ孔42にボルト43を螺合し、このボルト43の先端面を上記第二の弾性体20の外面の一部に、金属板等の板状部材78を介して当接させる事により構成している。従って、上記ボルト43によりこの板状部材78を押圧する事により、上記移動子22に下方に向く力が付与され、上記第二の弾性体20の上面とこの移動子22の通孔31の内面の一部(図1、2の上側に存在する面)とが強く当接し、これら第二の弾性体20と移動子22との間に予圧が付与された状態となる。尚、本実施例の場合、上記通孔31の内面の一部が、特許請求の範囲に記載した摺動部分に相当する。
上述の様に構成される本実施例の場合には、前記直動型超音波モータ18を構成する圧電振動子21、21に所定の周波数を有する電圧(高周波電圧)を印加する事により、第一の弾性体19の表面に前後方向の進行波が発生する。この第一の弾性体19の表面に発生した進行波は、結合部材23、23を介して第二の弾性体20に伝達される。従って、この第二の弾性体20の表面にも前後方向の進行波が発生する。そして、この第二の弾性体20の表面と当接する移動子22の通孔31の内面の一部が、この進行波の発生に伴い、この第二の弾性体20の表面と摺動し、この移動子22が前後方向に移動する。これら第二の弾性体20と移動子22との間には、上述の様に、予圧が付与されている為、この第二の弾性体20から移動子22への、上記進行波による駆動力が伝達され易い。又、上記電圧を印加していない状態では、この移動子22、延いては、上記インナーコラム8及びアウターシャフト3の位置保持力を確保できる。
上記移動子22の前後方向の変位は、前記動力伝達部材33を介して、前記インナーコラム8に伝達される。即ち、この移動子22の上側凹部32にこの動力伝達部材33を構成する球面係合部37を係合させると共に、上記インナーコラム8の下面に形成した第二の透孔34に上記動力伝達部材33を構成する係合部35を係合している。この為、上記移動子22の動きがこの動力伝達部材33を介して上記インナーコラム8に伝達される。尚、上記移動子22とインナーコラム8との間(例えば、上記第二の透孔34と係合部35との間)に前後方向の隙間を設けても良い。この様に構成すれば、上記移動子22の初期の不安定な動きが伝達されず、上記インナーコラム8の移動を円滑に開始する事ができる。但し、この場合には、ステアリングホイール1にがたつき感が生じる可能性がある。この為、がたつき感をなくす事を考慮した場合には、上記隙間を設けない方が良い。
又、上記移動子22と動力伝達部材33とは、前述の様に、凹部32の内面と球面係合部37とをスペーサ36を介して係合させている為、この凹部32内で、この球面係合部37が上下方向及び揺動方向に僅かに変位可能である。従って、組み付け誤差等により、上記移動子22の移動方向(即ち、第二の弾性体20の配設方向)と、上記インナーコラム8の移動方向(即ち、ステアリングコラム5の配設方向)とが多少非平行になっても、上記動力伝達部材33による動力の伝達を確実に行なえる。従って、構成部品に要求される形状精度及び寸法精度や、構成各部材の組み付け精度を厳密に規制する必要がなくなり、コスト低減の面から有利になる。
上述の様に、インナーコラム8が前後方向に移動すると、このインナーコラム8の前後方向両端部内周面に軸受9a、9bにより、このインナーコラム8に対する軸方向移動を阻止された状態で支持されたアウターシャフト3も、このインナーコラム8と共に前後方向に移動する。アウターコラム7は、車体に固定された取付ブラケット6に支持されており、インナーシャフト4は、軸受9cにより、上記アウターコラム7に対する前後方向の変位を阻止された状態で支持されている。又、上記インナーコラム8は上記アウターコラム7に対して、上記アウターシャフト3は上記インナーシャフト4に対して、それぞれ前後方向の摺動自在に嵌合されている。従って、上記インナーコラム8の移動に伴い、このインナーコラム8と上記アウターシャフト3とが、それぞれ上記アウターコラム7又はインナーシャフト4に対して、前後方向に相対移動する。尚、本実施例の場合、前記移動子22の動きを上記インナーコラム8に伝達自在としているが、このインナーコラム8と上記アウターコラム7との前後方向の配置が逆である場合には、このアウターコラム7に上記移動子22の動きを伝達自在とする。又、上記アウターシャフト3とインナーシャフト4との関係に就いても、どちらが移動するかは限定しない。要は、ステアリングシャフト2及びステアリングコラム5が伸縮自在な構造であれば、本発明を適用し得る。
この結果、図1に鎖線で示す様に、ステアリングホイール1を前後方向に移動させる事ができ、このステアリングホイール1の前後位置の調節が可能となる。尚、このステアリングホイール1の移動範囲は、前記第二の弾性体20の両端部に外嵌したストッパ44、44の間隔を調整する事により規制可能である。即ち、この第二の弾性体20に外嵌した移動子22は、何れかのストッパ44に当接するまで移動可能である。従って、上記各ストッパ44、44の間隔を規制する事により、上記ステアリングホイール1の移動範囲を規制可能である。
上述の様に構成され作用する本実施例の場合、静粛性を向上させる事ができると共に、小型化、軽量化、低コスト化を図れ、更にはステアリングホイール1の剛性感を確保できる。即ち、このステアリングホイール1の前後方向位置を調節する為の駆動モータを、直動型超音波モータ18としている為、通電時にも可聴音域を越えた周波数の音しか発生せず、一般的な電動回転モータに比べて静粛性に優れる。又、低速で運転でき、しかも大きな力を発生できる為、減速装置を設置する必要が無い。又、直動型である為、駆動方向変換機構が必要なく、上記減速装置の設置が不要な事も合わせて、バックラッシが存在する事が無い。この為、がたつき感が生じる事を防止でき、上記ステアリングホイール1の剛性感が低下する事はない。又、この様に、減速装置若しくは駆動方向変換機構が必要ないので、回転モータと比べて部品点数を少なくできる。又、通電していなくても位置保持力が高い為、減速装置による逆作動防止機構等の、別途の固定装置が必要ない。更に、回転保持用の軸受部材も必要ない。従って、この点からも部品点数を減らす事ができる。この結果、装置全体の小型化、軽量化、低コスト化を図れる。
図6〜7は、請求項1、3、5、8に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例は、ステアリングホイール1の、車体への取付状態での上下方向位置を調節可能な構造に、本発明を適用している。この為に、ステアリングコラム5aは、車体に固定された取付ブラケット6aに、上下方向の揺動自在に支持されている。即ち、このステアリングコラム5aの前端部(図6の左端部)から二又状の延出部45を、このステアリングコラム5aの中心よりも側方にずらせた位置に設けている。そして、この延出部45に形成した円孔46に、上記取付ブラケット6aに水平方向に固設された枢軸47を挿入して、上記ステアリングコラム5aを、この枢軸47を中心に揺動自在としている。尚、本実施例の場合、上述の実施例1と異なり、前後方向(図6の左右方向)の伸縮は不能としている。この為に、上記ステアリングコラム5aは、単一の部材により構成されている(アウターコラムとインナーコラムとからは構成されていない)。同様に、このステアリングコラム5aの内周面に回転自在に支持されるステアリングシャフト2aも、単一の部材により構成されている。
一方、上記取付ブラケット6aの下部には、直動型超音波モータ18aを固定している。この直動型超音波モータ18aは、基本的には、上述の実施例1に示した直動型超音波モータ18を上下方向に配置したものである。但し、本実施例の場合には、移動子22a側に球面係合部37aを設けている。そして、上記ステアリングコラム5aの下部に下方に向けて突出する様に設けた突出部48に固設した円筒状のスリーブ49の内側に、上記球面係合部37aを挿入している。この球面係合部37aは、ねじ71を螺合する事により、この球面係合部37aの外周面と上記スリーブ49の内周面との間に予圧を付与できる構造としている。この為に、この球面係合部37aには、図7に示す様に、複数本(図示の例では4本)の切り割を形成して、その外径を弾性的に拡大可能にしている。又、この球面係合部37aの中心部には、上記スリーブ49の軸方向(図6の左右方向)に、ねじ孔72を形成している。又、このねじ孔72の開口部は、軸方向外方(図6の右方)に向かう程径方向外方に向かう方向に傾斜したテーパ部73としている。従って、上記ねじ71を上記ねじ孔72に螺合緊締する事により、このねじ71の頭部74が、上記テーパ部73の傾斜に沿って軸方向内方(図6の左方)に進み、このテーパ部73を径方向外方に押し広げる。この結果、上述の様に複数の切り割を形成された球面係合部37aの外径が広がり、この球面係合部37aの外周面と上記スリーブ49の内周面との間に予圧が付与される。
又、上記スリーブ49の内周面と上記球面係合部37aの外周面との間には、内周面をこの球面係合部37aの外周面に沿って湾曲させた、スペーサ36を設けている。このスペーサ36は、合成樹脂等の滑り易い材料により形成され、外周面を上記スリーブ49の内周面に摺動自在に内嵌している。又、上記スペーサ36の内周面と上記球面係合部37aの外周面とも摺動自在である。従って、上記移動子22aは、上記スリーブ49に対して、このスリーブ49の軸方向の変位及び上記球面係合部37aの外周面の曲率中心を中心とした揺動変位が可能である。又、この球面係合部37aには、上述の様に予圧が付与される為、この球面係合部37aと上記スリーブ49とが、上記スペーサ36を介してがたつきなく嵌合される。尚、図示は省略するが、本実施例の場合も、上述の実施例1と同じ構造で、上記移動子22aと第二の弾性体20との間に予圧が付与されている。
上述の様に構成される本実施例の場合、図示しない圧電振動子に所定の周波数の電圧を印加すると、上記移動子22aが、第二の弾性体20に沿って上下方向に移動する。この移動子22aの変位は、上記球面係合部37a及びスリーブ49を介して、上記ステアリングコラム5aに伝達される。従って、このステアリングコラム5aと共に上記ステアリングシャフト2aが、前記枢軸47を中心に上下方向に揺動し、図6に鎖線で示す様に、このステアリングシャフト2aの後端部(図6の右端部)に設けたステアリングホイール1が上下方向に揺動する。この結果、このステアリングホイール1の上下方向の位置が調節自在となる。尚、本実施例の場合、移動子22aからステアリングコラム5aへの動力の伝達を、上述の様に球面係合部37a及びスリーブ49を介して行なっている為、上記移動子22aの上下方向の変位を、上記ステアリングコラム5aの上下方向の揺動に、円滑に変換できる。即ち、このステアリングコラム5aの揺動に伴い、上記球面係合部37aと嵌合する上記スリーブ49が傾斜する。但し、これら球面係合部37aとスリーブ49とを前記スペーサ36を介して嵌合する事により、これら球面係合部37aとスリーブ49との間で前後方向の相対変位及び上下方向の揺動が許容される。この結果、上記移動子22aの上下方向の変位が、上記ステアリングコラム5aの揺動方向の変位として円滑に伝達される。又、上記球面係合部37aには予圧が付与されている為、上記移動子22aの動きが、がたつきなく上記ステアリングコラム5aに伝達される。
尚、上記第二の弾性体20の両端寄り部分には、ストッパ44a、44aを外嵌する事により、上記移動子22aの移動範囲を規制している。又、これら各ストッパ44a、44aのうち、下方に存在するストッパ44aは、下端部より中間に寄った位置に設けられている。この為に、この下方のストッパ44aの下端面に、上記第二の弾性体20の外周面に係止したCリング50を当接させて、この下方のストッパ44aが、それ以上、下方に変移する事を阻止している。更に、図示の例では、ステアリングシャフト2a及びステアリングコラム5aの伸縮を不能としているが、例えば上述の実施例1の構造の様に、ステアリングシャフト及びステアリングコラムの伸縮が可能な構造に本実施例を適用する事もできる。この場合には、前後方向に駆動可能な、別の直動型超音波モータを設け、ステアリングコラムを上下方向に揺動させる為の直動型超音波モータ18aを、このステアリングコラムと共に前後方向に移動させる。この結果、このステアリングコラムを上下方向に揺動させる事が可能な構造で、更に前後方向にも伸縮可能な構造とする事ができる。その他の構造及び作用は、上述の実施例1と同様である。
図8は、請求項1、2、5、7に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例は、前述の実施例1の構造と同様に、ステアリングホイール1の、車体への取付状態での前後方向(図8の左右方向)位置を調節可能な構造に、本発明を適用したものである。本実施例の場合、ステアリングコラム5bを構成するアウターコラム7aの下部を下方に膨らませた膨出部51とし、この膨出部51内に直動型超音波モータ18bを設置している。この直動型超音波モータ18bは、弾性体52と、補助弾性体53、53と、圧電振動子21a、21aと、摺動部材54、54と、押圧手段であるねじ55とを備える。
このうちの弾性体52は、例えば黄銅等の金属材料製で、全体を矩形に形成した本体部56の下面中央部に凸部57を形成して成る。又、上記弾性体52は、上記膨出部51内に、前後方向の変位不能に設置されている。従って、この弾性体52は、後述する様に、上記圧電振動子21a、21aに電圧を印加した状態でも、前後方向に変移する事はない。又、上記補助弾性体53、53は、上記圧電振動子21a、21aを保持する為に設けたもので、上記弾性体52の前後方向両端部下面にねじ止め固定している。この為に、上記圧電振動子21a、21aは、上記凸部57を前後方向に挟み込む様に設置され、上記補助弾性体53、53とこの凸部57との間に、それぞれ挟持されている。又、上記圧電振動子21a、21aは、電極処理された薄板形状の圧電素子を複数枚(数十枚〜数百枚)積層した積層型のものである。尚、本実施例の場合、上記圧電振動子21a、21aの脱落を確実に防止する為、これら圧電振動子21a、21aを上記弾性体52の下面に、接着剤により固定している。
又、前記摺動部材54、54は、ステンレス等の滑り易い材料を略矩形に形成したもので、上記弾性体52の上面に接着剤等により固定されている。又、上記摺動部材54、54の上面は、前記ステアリングコラム5bを構成するインナーコラム8aの下面に当接する。この為に、上記摺動部材54、54の上面は、円筒状に形成されたこのインナーコラム8aの外周面に沿って湾曲させている。これに対して、これら摺動部材54、54の下面は、上記弾性体52の上面と平行な平面としている。この為、これら摺動部材54、54は、下面全体をこの弾性体52の上面に密着させる事ができると共に、上面全体を上記インナーコラム8aの下面に当接させる事ができる。尚、このインナーコラム8aの下面で上記摺動部材54、54が摺動する面を、上記弾性体52の上面と平行な平面としても良い。この場合には、これら摺動部材54、54の上面も平面とする。
又、前記ねじ55は、前記膨出部51の下部の前後方向中間部に形成された、図示しないねじ孔に螺合され、先端部を上記弾性体52の凸部57の下面に当接させている。そして、上記ねじ55をこのねじ孔に螺合する事により、上記弾性体52を上方に向けて押圧する。この結果、この弾性体52の上面に固設された上記摺動部材54、54が、上記インナーコラム8aの下面に押し付けられる。尚、本実施例の場合、上記膨出部51の下部で上記ねじ孔を形成する部分を上方に突出させ、この部分の板厚を厚くしている。
上述の様に構成される本実施例の場合、前記圧電振動子21a、21aに所定の電圧を印加する事により、上記弾性体52の上面に進行波が発生する。この弾性体52は、前述した様に、前後方向の変位不能に支持されている為、この進行波の発生に伴い、上記摺動部材54、54と当接する上記インナーコラム8aが前後方向に移動する。即ち、本実施例の場合、このインナーコラム8a自体が、特許請求の範囲に記載した移動子として機能する。この結果、図8に鎖線で示す様に、このインナーコラム8aと共に前後方向に移動自在な、ステアリングシャフト2を構成するアウターシャフト3の後端部(図8の右端部)に設けたステアリングホイール1の前後方向位置を調節できる。尚、上記弾性体52及び圧電振動子21a、21aをインナーコラム8aに固定し、上記摺動部材54、54をアウターコラム7aに摺接させる様にしても良い。この場合には、通電に伴い、上記弾性体52及び圧電振動子21a、21aが上記インナーコラム8aと共に移動する。従って、上記アウターコラム7aが、特許請求の範囲に記載した固定の部分として機能する。その他の構造及び作用は、前述の実施例1と同様である。
図9は、請求項1、3、6、8に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例は、前述の実施例2の構造と同様に、図示しないステアリングホイールの、車体への取付状態での上下方向位置を調節可能な構造に、本発明を適用したものである。但し、本実施例の場合、ステアリングシャフト2b及びステアリングコラム5cを、所謂テレスコピックタイプとして、取付状態での前後方向(図9の表裏方向)に伸縮自在としている。この為に、上記ステアリングシャフト2bは、円筒状のアウターシャフト3aの内側に、このアウターシャフト3aに対する摺動可能に、且つ、回転力の伝達自在に、円筒状のインナーシャフト4aを挿入して成る。又、上記ステアリングコラム5cは、一部を除いて円筒状に形成されたアウターコラム7bの内側に、このアウターコラム7bに対する摺動可能に、円筒状のインナーコラム8bを挿入して成る。
又、上記アウターコラム7bの一部は、直動型超音波モータ18cの一部を構成している。この為に、外形を断面略矩形としている。即ち、図9の左右両側面同士を互いに平行な平面とすると共に、下面をこれら両側面に直角な平面としている。又、上面は、上記インナーコラム8bを挿入する為に円筒状に形成された内周面の形状に合わせて、中間部を上方に突出させている。この様な形状を有するアウターコラム7bの一部両側面には、それぞれ板状に形成された弾性体58、58を、例えば接着等により固設している。又、上記アウターコラム7bの一部下面には、圧電振動子21bを、例えば接着等により固設している。この圧電振動子21bの左右方向両端面は、上記各弾性体58、58の内側面にそれぞれ当接させている。そして、この圧電振動子21bに所定の周波数の電圧を印加した場合に、上記各弾性体58、58の外側面にそれぞれ上下方向の進行波が発生する様にしている。この様に、本実施例の場合、上記アウターコラム7bの一部が、直動型超音波モータ18cを構成している。尚、本実施例の場合、上記圧電振動子21bの振動は、上記アウターコラム7b全体に伝達される為、上記各弾性体58、58として、このアウターコラム7bと同材質のものを採用する事が好ましい。
又、上記ステアリングコラム5cは、下方に開口した略コ字型に形成された取付ブラケット6bにより上下方向の揺動を可能に支持されている。この取付ブラケット6bは、車体に固定されており、左右両側に設けた取付板部59、59により、上記直動型超音波モータ18cを構成するアウターコラム7bの一部を挟持している。又、上記両取付板部59、59の下端部にそれぞれ設けた通孔60、60に、ボルト61を挿通し、このボルト61の先端部にナット62を螺合している。そして、このナット62を螺合緊締する事により、このボルト61の頭部63とこのナット62とに間で、それぞれ平座金64、64を介して、上記両取付板部59、59同士を互いに近づく方向に押圧している。本実施例の場合、上記ボルト61とナット62とにより、特許請求の範囲に記載した押圧手段を構成している。
上記取付板部59、59の内側面に対向する位置には、上記アウターコラム7bの一部両側面に固設した上記各弾性体58、58が存在する。これら各弾性体58、58のそれぞれの外側面で上下方向に離隔した位置に、ステンレス等の滑り易い材料により略矩形に形成された摺動部材54a、54aを、例えば接着等により固定している。従って、上記ボルト61とナット62との緊締により両取付板部59、59同士が、互いに近づく方向に押圧されると、これら両取付板部59、59の内側面にそれぞれ設けた摺動面65、65と、上記弾性体58、58の外側面に設けた上記各摺動部材54a、54aとが強く当接する。これら両摺動面65、65は、例えば、合成樹脂等によるコーティング処理や研磨処理等を施して、表面の摩擦係数を小さくする事により、滑り易くしている。
上述の様に構成する本実施例の場合、上記圧電振動子21bに電圧を印加していない状態では、上記ボルト61とナット62との締め付け力により、上記両取付板部59、59が、上記アウターコラム7bを両側から強く挟持して、このアウターコラム7bの上下方向の位置の保持を図っている。そして、上記圧電振動子21bに電圧を印加する事により、上記アウターコラム7bの一部両側面に固設された上記弾性体58、58の外側面に、それぞれ上下方向の進行波が発生する。この進行波の発生により、これら弾性体58、58の外側面にそれぞれ固設した上記摺動部材54a、54aが、上記摺動面65、65上を摺動する。即ち、前記ステアリングコラム5cが、特許請求の範囲に記載した移動子として機能する。この結果、このステアリングコラム5cを、図示しない揺動中心を中心として上下方向に揺動させる事ができ、このステアリングコラム5cの内径側に回転自在に支持された前記ステアリングシャフト2bの後端部に設けたステアリングホイールの上下方向の位置を調節できる。尚、本実施例の場合、別途圧電振動子を配置する等により、上記アウターコラム7bを前後方向にも移動させる様にしても良い。即ち、弾性体58、58の外側面にそれぞれ前後方向にも進行波を発生させる事ができる構造とすれば、上記アウターコラム7bをインナーコラム8bに対して前後方向に相対移動させる事もできる。
又、上述した各実施例の構造は、それぞれ組み合わせて実施可能である。即ち、ステアリングホイールを前後方向に移動させる構造である、実施例1又は実施例3の構造と、このステアリングホイールを上下方向に移動させる構造である、実施例2又は実施例4の構造とを組み合わせる事もできる。これにより、請求項4に記載した様に、上記ステアリングホイールの前後方向位置及び上下方向位置を、直動型超音波モータにより、それぞれ調節可能とする。又、ステアリングホイールの前後方向位置及び上下方向位置を調節可能な構造で、このうちの一方の調節構造に組み込む構造を、上述した各実施例の構造としても良い。即ち、一方の位置調節構造に使用する電動モータを直動型超音波モータとし、他方の位置調節構造に使用する電動モータを電動回転モータとしても良い。
次に、本発明の技術的範囲からは外れるが、本発明の構造と関連する参考例の2例に就いて説明する。尚、これら各参考例では、ステアリングホイールの位置調節を行なう為の駆動源として、回転型の超音波モータを使用している。図10は、参考例の第1例を示している。本参考例は、前述の実施例1の構造に、駆動源として回転型超音波モータ66を組み込んだものである。即ち、本実施例の場合、この回転型超音波モータ66と、駆動方向変換機構67とを備える。このうちの回転型超音波モータ66は、例えば、前述の特許文献1等に記載される等により従来から知られている構造と同様に、超音波振動により回転駆動されるものである。又、駆動方向変換機構67は、この回転型超音波モータ66により回転駆動される雄ねじ68と、その内周面をこの雄ねじ68と螺合する雌ねじ部69とした移動子70とから成る。
このうちの雄ねじ68は、ステアリングコラム5を構成するアウターコラム7の下部に固定されたハウジング25a内に回転自在に支持されている。そして、上記回転型超音波モータ66の出力軸と連結している。又、上記移動子70は、内周面に係止した上記雌ねじ部69と上記雄ねじ68との螺合により、この雄ねじ68の回転に伴い、前後方向に移動するものである。尚、上記雄ねじ68と雌ねじ部69とのねじ構造をボールねじ構造としても良い。
又、上記移動子70と上記ステアリングコラム5を構成するインナーコラム8とは、前述した実施例1の構造と同様に、動力伝達部材33を介して動力の伝達を自在としている。従って、本参考例の場合、上記回転型超音波モータ66により上記雄ねじ68を回転させて、上記移動子70をこの雄ねじ68に沿って前後方向(図10の左右方向)に移動させた場合、この移動子70の動きが上記動力伝達部材33を介して上記インナーコラム8に伝達される。そして、上記ステアリングコラム5の内側に回転自在に配置されたステアリングシャフト2の後端部(図10の右端部)に設けたステアリングホイール1の前後方向位置を、図10に鎖線で示す様に調節する。尚、上記回転型超音波モータ66及び駆動方向変換機構67以外の構造に就いては、上記実施例1と同様である。
又、図11は、参考例の第2例を示している。本参考例は、前述の実施例2の構造に、駆動源として回転型超音波モータ66aを組み込んだものである。又、本参考例の回転型超音波モータ66a及び駆動方向変換機構67aは、基本的には、上述の参考例の第1例の回転型超音波モータ66及び駆動方向変換機構67を上下方向に配置したものである。又、それ以外の構造は、前述の実施例2と同様である。この様に構成される本参考例の場合、上記回転型超音波モータ66aにより上記駆動方向変換機構67aを構成する雄ねじ68を回転させて、この雄ねじ68にその内周面に形成した雌ねじ部69を螺合した移動子70aを、上下方向に移動させる。この結果、この移動子70aの動きがステアリングコラム5aに伝達され、このステアリングコラム5aの内側に回転自在に配置されたステアリングシャフト2aの後端部(図11の右端部)に設けたステアリングホイール1の上下方向の位置を、図11に鎖線で示す様に調節する。
本発明の実施例1の構造を、側方から見た状態で示す一部断面図。 図1のA部拡大図。 図2のB−B断面図。 図1のC部拡大図。 動力伝達部材とインナーコラムとの間に配置されるスペーサを示す、部分斜視図。 本発明の実施例2の構造を、側方から見た状態で示す一部断面図。 球面係合部のねじ孔にねじを螺合する状態を示す部分斜視図。 本発明の実施例3の構造を、側方から見た状態で示す一部断面図。 同じく実施例4の構造を示す、図1のD−D断面に相当する図。 本発明に関連する参考例の第1例の構造を、側方から見た状態で示す一部断面図。 同じく参考例の第2例の構造を、側方から見た状態で示す一部断面図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2、2a、2b ステアリングシャフト
3、3a アウターシャフト
4、4a インナーシャフト
5、5a、5b、5c ステアリングコラム
6、6a、6b 取付ブラケット
7、7a、7b アウターコラム
8、8a、8b インナーコラム
9a、9b、9c 軸受
10 Oリング
11 外向鍔部
12 係止部材
13 内向鍔部
14 平座金
15 Cリング
16 キーロック孔
17 透孔
18、18a、18b、18c 直動型超音波モータ
19 第一の弾性体
20 第二の弾性体
21、21a、21b 圧電振動子
22、22a 移動子
23 結合部材
24 押圧手段
25、25a ハウジング
26 第一の長孔
27 前端側開口部
28 セットナット
29 開口部
30 蓋
31 通孔
32 凹部
33 動力伝達部材
34 第二の透孔
35 結合部
36 スペーサ
37、37a 球面係合部
38 第二の長孔
39 鍔部
40 第二のスペーサ
42 ねじ孔
43 ボルト
44、44a ストッパ
45 延出部
46 円孔
47 枢軸
48 突出部
49 スリーブ
50 Cリング
51 膨出部
52 弾性体
53 補助弾性体
54、54a 摺動部材
55 ねじ
56 本体部
57 凸部
58 弾性体
59 取付板部
60 通孔
61 ボルト
62 ナット
63 頭部
64 平座金
65 摺動面
66、66a 回転型超音波モータ
67、67a 駆動方向変換機構
68 雄ねじ
69 雌ねじ部
70、70a 移動子
71 ねじ
72 ねじ孔
73 テーパ部
74 頭部
75 切り欠き
76 ナット部材
77 ねじ孔
78 板状部材

Claims (8)

  1. 後端部にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトを挿通し、位置調節可能に支持されたステアリングコラムと、上記ステアリングホイールの位置を調節する為の駆動モータとを備えた電動式ステアリングコラム装置に於いて、この駆動モータを直動型超音波モータとした事を特徴とする電動式ステアリングコラム装置。
  2. ステアリングコラムがステアリングシャフトと共に車体への取付状態での前後方向に伸縮可能で、駆動モータがこのステアリングコラムを前後方向に伸縮させるものであり、ステアリングホイールの前後方向位置が調節可能である、請求項1に記載した電動式ステアリングコラム装置。
  3. ステアリングコラムがステアリングシャフトと共に車体への取付状態での上下方向に揺動可能で、駆動モータがこのステアリングコラムを上下方向に揺動させるものであり、ステアリングホイールの上下方向位置が調節可能である、請求項1に記載した電動式ステアリングコラム装置。
  4. ステアリングコラムが、ステアリングシャフトと共に、車体への取付状態での、前後方向に伸縮可能、且つ、上下方向に揺動可能で、1対の駆動モータが、それぞれ上記ステアリングコラムの前後方向の伸縮と上下方向の揺動とを行なうものであり、ステアリングホイールの前後方向位置及び上下方向位置が調節可能である、請求項1に記載した電動式ステアリングコラム装置。
  5. 直動型超音波モータが、弾性体と、通電する事によりこの弾性体を振動させる圧電振動子と、この弾性体の表面と直接又は別体の部材を介して摺動する摺動部分を有し、通電時に移動する移動子と、この摺動部分をこの弾性体の表面に向けて押し付ける押圧手段とを備えたものであり、この移動子の動きをステアリングコラムに伝達自在とした、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した電動式ステアリングコラム装置。
  6. 直動型超音波モータが、弾性体と、通電する事によりこの弾性体を振動させる圧電振動子と、この弾性体の表面と直接又は別体の部材を介して摺動する摺動部分を有し、通電時にも移動しない固定の部分と、この摺動部分をこの弾性体の表面に向けて押し付ける押圧手段とを備え、通電時にこの弾性体が移動するものであり、この弾性体の動きをステアリングコラムに伝達自在とした、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した電動式ステアリングコラム装置。
  7. 弾性体及び圧電振動子が、ステアリングコラムをそれぞれ構成するアウターコラムとインナーコラムとの間に配置されて、このうちの一方のコラムに固定されており、他方のコラムを移動子又は固定の部分として機能させる、請求項5又は請求項6に記載した電動式ステアリングコラム装置。
  8. 直動型超音波モータが、ステアリングコラムと、このステアリングコラムを車体に支持する為のブラケットとの間に配置されている、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した電動式ステアリング装置。
JP2005118291A 2005-04-15 2005-04-15 電動式ステアリングコラム装置 Pending JP2006297989A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005118291A JP2006297989A (ja) 2005-04-15 2005-04-15 電動式ステアリングコラム装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005118291A JP2006297989A (ja) 2005-04-15 2005-04-15 電動式ステアリングコラム装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006297989A true JP2006297989A (ja) 2006-11-02

Family

ID=37466612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005118291A Pending JP2006297989A (ja) 2005-04-15 2005-04-15 電動式ステアリングコラム装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006297989A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008105195A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Nsk Ltd. チルト式ステアリング装置
WO2013176193A1 (ja) 2012-05-25 2013-11-28 日本精工株式会社 電動ステアリングホイールの位置調節装置
JP2018177187A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 現代自動車株式会社Hyundai Motor Company 自動車用電動式ステアリングコラム装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008105195A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Nsk Ltd. チルト式ステアリング装置
JP5233671B2 (ja) * 2007-02-28 2013-07-10 日本精工株式会社 チルト式ステアリング装置
WO2013176193A1 (ja) 2012-05-25 2013-11-28 日本精工株式会社 電動ステアリングホイールの位置調節装置
WO2013176191A1 (ja) 2012-05-25 2013-11-28 日本精工株式会社 電動ステアリングホイールの位置調節装置
WO2013176192A1 (ja) 2012-05-25 2013-11-28 日本精工株式会社 電動ステアリングホイールの位置調節装置
US8991861B1 (en) 2012-05-25 2015-03-31 Nsk Ltd. Electric position adjustment apparatus for steering wheel
US9126624B2 (en) 2012-05-25 2015-09-08 Nsk Ltd. Electric steering wheel position adjustment apparatus
US9254861B2 (en) 2012-05-25 2016-02-09 Nsk Ltd. Electric steering wheel position adjustment apparatus
JP2018177187A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 現代自動車株式会社Hyundai Motor Company 自動車用電動式ステアリングコラム装置
JP7048264B2 (ja) 2017-04-03 2022-04-05 現代自動車株式会社 自動車用電動式ステアリングコラム装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6428782B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
US8727065B2 (en) Electric power steering device
JP5076908B2 (ja) ステアリングコラム装置
JP2007247734A (ja) ウォーム式減速機及び電動式パワーステアリング装置
JP2008051233A (ja) ステアリング装置
JP2005104180A (ja) ステアリングコラムのガタ防止構造
JP2007112397A (ja) 車両の操舵装置
KR100755909B1 (ko) 전기식 조향장치의 유격보상구조
JP4483931B2 (ja) ステアリング装置
JP2006297989A (ja) 電動式ステアリングコラム装置
JP2005088820A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2009286341A (ja) ステアリングコラム装置
JP2007153088A (ja) ステアリング装置
JP4747008B2 (ja) ロック装置
JP4858414B2 (ja) ステアリング装置
JP2002274397A (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2012093712A1 (ja) ステアリング装置
JP2013086528A (ja) ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置
JP2007168625A (ja) ステアリング装置
KR101879134B1 (ko) 자동차의 감속기
JP5123796B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2011046310A (ja) 車両用操舵装置
JP5176888B2 (ja) 電動式チルトステアリング装置
JP2008114716A (ja) ステアリング装置
JP5582002B2 (ja) 粗微動位置決め装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070511