以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図40は本発明の一実施形態にかかり、図1は挿入具の構成を説明する斜視図、図2は挿入具の挿入具挿入部に設けられた処置具チャンネルを説明する図、図3は内視鏡治療装置の構成例を説明する図、図4は縫合部材が先端部に配設された縫合器を説明する断面図、図5は縫合器と縫合部材との関係を説明する図、図6は内視鏡治療装置によって観察及び処置をしている状態を説明する図、図7はモニタの画面上に表示される内視鏡画像の一例を示す図、図8はモニタの画面上に表示される内視鏡画像の他の例を示す図、図9は湾曲方向告知指標である文字が表示されている状態を示す図、図10は凸部で構成された文字等が表示されている状態を示す図、図11は縫合部材を説明する図、図12はロック部材を説明する図、図13はロック部材の作用を説明する図、図14はロック部材を胃内に落下させた状態を説明する図、図15は穿刺針を粘膜に対峙させた状態を説明する図、図16は穿刺針を粘膜に突き刺した状態を説明する図、図17は把持部で奥側の粘膜を把持している状態を説明する図、図18は奥側の粘膜に穿刺針を突き刺して、粘膜の奥側に係合部材を落下させた状態を説明する図、図19は縫合器を内視鏡から抜去した状態を説明する図、図20は締め付け具によって縫合糸を把持している状態を説明する図、図21は締め付け具の糸把持部及び締め付け具のシースを移動させている状態を説明する図、図22は2つの粘膜を密着させて潰瘍を覆った状態を示す図、図23は内視鏡治療装置の他の構成例を説明する図、図24は内視鏡治療装置の別の構成例を説明する図、図25は内視鏡治療装置のまた他の構成例及びその作用例を説明する図、図26は内視鏡治療装置のまた他の構成例及び他の作用例を説明する図、図27は内視鏡治療装置のまた別の構成例を説明する図、図28は水平方向揺動台、及び鉛直方向揺動台の処置具挿通チャンネル内への配置状態を説明する図、図29は各揺動台を揺動させたときの処置具の動作状態を説明する図、図30は縫合器の挿入部先端側の構成を説明する図、図31は縫合器の手元操作部の構成を説明する図、図32は穿刺針の内孔に配置されていたロック部材を胃内に落下させた状態を説明する図、図33は第1押し出し部材の内孔に配置されていた係合部材を胃内に落下させる状態を説明する図、図34は締め付け具によって縫合している状態を説明する図、図35は縫合部材の他の構成例を説明する図、図36は他の構成の縫合部材を縫合器内に収容配置した状態を説明する図、図37は他の構成の縫合部材を用いて潰瘍閉塞を行う手順を説明する図、図38は挿入具の他の構成例を説明する図、図39は挿入具の別の構成例を説明する図、図40は図39のQ面における断面図である。
図1に示すように挿入具1は、細長な挿入具挿入部11と、把持部を兼ねる操作部12とを備えて構成されている。この挿入具1の挿入具挿入部11は、後述する内視鏡の内視鏡挿入部とともに体腔内に導入される。
挿入具挿入部11は、先端側から順に、先端部13、湾曲部14、及び長尺で可撓性を有する可撓管部15を連設して構成されている。先端部13の先端面には処置具である例えば把持鉗子30等が導出される処置具開口13aが設けられている。
本実施形態の湾曲部14は複数の湾曲部、具体的には第1湾曲部16、及び第2湾曲部17、を有して構成されている。第1湾曲部16は挿入具挿入部11の先端側に設けられ、複数の湾曲駒(図2の符号24参照)を連接して例えば矢印aに示す上下方向、及び矢印bに示す左右方向に対して湾曲自在に構成されている。
これに対して、第2湾曲部17は第1湾曲部16の基端部に対してツナギ部材(不図示)を介して連設され、複数の湾曲駒を連接して例えば矢印aに示す上下方向に対して湾曲自在に構成されている。なお、挿入具1の挿入具挿入部11に設けられる湾曲部14は複数に限定されるものではなく、1つであってもよい。
操作部12は、主湾曲操作部18と、この主湾曲操作部18より基端側に設けられた副湾曲操作部19とで構成されている。
主湾曲操作部18には第1湾曲部上下操作用ノブ(以下、第1湾曲上下ノブと略記する)18aと、第1湾曲部左右操作用ノブ(以下、第1湾曲左右ノブと略記する)18bと、第1湾曲部上下方向固定レバー(以下、固定レバーと略記する(不図示))と、第1湾曲部左右方向固定ツマミ(以下、固定ツマミと略記する)18dとが設けられるとともに、後述する例えば焼灼装置の操作モード或いは動作状態を遠隔操作するための例えば操作釦20a、20bとが備えられている。操作釦20aは切開/凝固動作スイッチであり、操作釦20bは切開状態と凝固状態とを切り替えるモード切替スイッチである。
第1湾曲上下ノブ18aは第1湾曲部16を上下方向に湾曲操作するためのノブである。第1湾曲左右ノブ18bは第1湾曲部16を左右方向に湾曲操作するためのノブである。固定レバーは回動自在である第1湾曲上下ノブ18aを所望の回動位置に固定して、第1湾曲部16の上下方向湾曲状態を保持するレバーである。第1固定ツマミ18dは、回動自在である第1湾曲左右ノブ18bを所望の回動位置に固定して、第1湾曲部16の左右方向湾曲状態を保持するツマミである。
なお、符号21は処置具である例えば把持鉗子30等の処置具が挿入される処置具挿入口である。処置具挿入口21は、挿入具挿入部11を構成する先端部13に設けられている処置具開口13aに処置具挿通用チャンネルチューブ(後述する図2の符号22参照)を介して連通している。把持鉗子30は先端側に開閉自在な把持部31を備え、手元側に設けられ、術者の手指が配置される保持部であるスライダ32を進退操作することによって把持部31が開閉動作するようになっている。
一方、副湾曲操作部19には第2湾曲部上下操作用レバー(以下、第2湾曲上下レバーと略記する)19aと、第2湾曲部上下方向固定ツマミ(以下、第2固定ツマミと略記する(不図示))とが設けられている。第2湾曲上下レバー19aは第2湾曲部17を上下方向に湾曲操作させるレバーである。第2固定ツマミは、回動自在である第2湾曲上下レバー19aを所望の回動位置に固定して、第2湾曲部17の上下方向湾曲状態を保持するレバーである。
なお、符号27U、27Lは後述する告知手段の1つである湾曲方向告知指標であり、符号28は後述する告知手段の1つである湾曲境界部告知指標(以下、境界部告知指標と略記する)である。
図2に示すように挿入具1の挿入具挿入部11の略中央部には長手軸方向に沿って処置具である把持鉗子30等が挿通される処置具チャンネル11aが設けられている。先端部13には処置具チャンネル11aを構成する貫通孔13bが形成されている。つまり、この挿入具1においては、処置具を挿通するための処置具チャンネル11aが唯一の内蔵物として設けられている。
処置具チャンネル11aは、先端部13に設けられた貫通孔13bと、この貫通孔13b及び処置具挿入口21に連通配置される処置具挿通用チャンネルチューブ(以下、処置具チューブと略記する)22とによって主に構成されている。処置具チューブ22の先端部は金属製の先端側連結管23を介して貫通孔13bに連通され、基端部は金属製の基端側連結管(不図示)を介して処置具挿入口21に連通されている。このことによって、処置具挿入口21から挿入された処置具は、処置具チューブ22内を挿通して先端部13に設けられた処置具開口13aから導出される。
挿入具挿入部11に設けられた第1湾曲部16、及び第2湾曲部17を備える湾曲部14には網管25、及び湾曲ゴム26が被覆配置されている。網管25は、例えば第1湾曲部16及び第2湾曲部17を一体的に被覆し、湾曲ゴム26は網管25をさらに被覆している。
そして、図1に示すように本実施形態の挿入具1においては、内視鏡画像表示手段である表示装置の画面上に表示されることによって、挿入具挿入部11に設けられている湾曲部14の湾曲機能を容易に判断することを可能にする湾曲方向告知指標27と境界部告知指標28とが設けられている。
湾曲方向告知指標27は、挿入具挿入部11を構成する例えば先端部13、第1湾曲部16及び第2湾曲部17に設けられている。これに対して、境界部告知指標28は第1湾曲部16と第2湾曲部17との境界部に設けられている。
先端部13及び第1湾曲部16には湾曲方向告知指標27として、湾曲上方向を告知する湾曲上方向告知指標と、湾曲下方向を告知する湾曲下方向告知指標と、湾曲左方向を告知する湾曲左方向告知指標と、湾曲右方向を告知する湾曲右方向告知指標とが設けられている。
具体的に、湾曲上方向告知指標は、側周上面に長手方向軸に沿って設けられた例えば白色の白色直線27Uである。湾曲下方向告知指標は、側周下面に長手方向軸に沿って設けられた例えば赤色の赤色直線27Dである。湾曲左方向告知指標は、側周左面に長手方向軸に沿って設けられた例えば緑色の緑色直線27Lである。湾曲右方向告知指標は、側周右面に長手方向軸に沿って設けられた例えば青色の青色直線27Rである。
また、第2湾曲部17には湾曲方向告知指標27として、湾曲上方向を告知する湾曲上方向告知指標と、湾曲下方向を告知する湾曲下方向告知指標とが設けられている。湾曲上方向告知指標は、第1湾曲部16と同様に側周上面に長手方向軸に沿って設けられる例えば白色の白色直線27Uであり、湾曲下方向告知指標は側周下面に長手方向軸に沿って設けられる例えば赤色の赤色直線27Dである。
一方、境界部に設けられる境界部告知指標28は例えば白色で周状に設けた白色外周線である。
なお、指標となる線は、先端部13、第1湾曲部16、第2湾曲部17、及び可撓管部15の外表面に、例えば生体適合性を有する蛍光塗料を含む塗料によって描かれている。また、境界部告知指標に、湾曲方向を告知する隙間部を設けるようにしてもよい。
図3に示すように前述のように構成された挿入具1は、内視鏡2と組み合わせて内視鏡システムの1つである内視鏡治療装置3として構成される。
挿入具1の挿入具挿入部11は、内視鏡2の内視鏡挿入部4に沿わせて並設されている外付けチューブ5を介して内視鏡挿入部4に一体的に設けられるようになっている。
内視鏡2の内視鏡挿入部4は、先端側から順に先端部4a、湾曲部4b、及び可撓管部4cとを連設して構成されている。先端部先端面には観察窓4d、照明窓4e、及び処置具開口4f等が設けられている。湾曲部4bは内視鏡挿入部4の基端側に設けられた内視鏡操作部6の湾曲ノブ(不図示)を操作することによって、例えば上下左右方向に湾曲動作されるようになっている。符号6aは処置具挿通チャンネルの処置具挿入口である。処置具挿入口7と処置具開口4fとは図示しない処置具挿通用チャンネルチューブを介して連通されている。したがって、処置具挿入口7から処置具を挿入することによって、処置具開口4fから処置具が導出されるようになっている。
外付けチューブ5は、連結固定部5aと、軟性チューブ体で構成されたチャンネルチューブ(以下、チューブ体と略記する)5bとで構成されている。連結固定部5aには内視鏡挿入部4が挿通される第1挿入孔5cと、挿入具1の挿入具挿入部11や他の処置具等が挿通される第2挿入孔5dとが設けられている。チューブ体5bの一端部は第2挿入孔5dに連通するように固設されている。連結固定部5aは、可撓管部15の先端側部に配置される。チューブ体5bと内視鏡挿入部4の可撓管部4cとは例えば所定間隔に設けたテープ部材8によって内視鏡挿入部4に並設されるようになっている。
挿入具挿入部11は、チューブ体5bの基端開口5eから挿通されるようになっており、このチューブ体5bの所定位置まで挿入具挿入部11を挿通させることによって、内視鏡2の内視鏡挿入部4に対して挿入具1が組み付けられた状態の内視鏡治療装置3が構成される。そして、本実施形態においては、挿入具挿入部11に設けられている第2湾曲部17が第2挿入孔5dの先端側から突出した状態にされる。
このことによって、内視鏡操作部6の図示しない湾曲ノブを操作することによって、内視鏡挿入部4に設けられている湾曲部4bを湾曲動作させて先端部4aを所望の位置に移動させられる。一方、挿入具1の操作部12に設けられている第1湾曲上下ノブ18a、第1湾曲左右ノブ18bを操作することによって挿入具挿入部11に設けられている第1湾曲部16を湾曲動作させられる。また、第2湾曲上下レバー19aを操作することによって挿入具挿入部11に設けられている第2湾曲部17を湾曲動作させられる。つまり、第1湾曲上下ノブ18a、第1湾曲左右ノブ18b、及び第2湾曲上下レバー19aを適宜操作することによって挿入具挿入部11の先端部13を所望の位置に移動させられるようになっている。
なお、内視鏡2には外部装置として、この内視鏡2へ照明光を供給する光源装置7aと、前記内視鏡2の制御、及び内視鏡2で得られた画像信号の信号処理を行うビデオプロセッサ7bと、このビデオプロセッサ7bから出力されるビデオ信号を受けて内視鏡画像を表示する表示装置であるモニタ7cと、内視鏡画像の記録を行うVTRデッキ7dやビデオディスク7eと、観察画像のプリントアウトを行うビデオプリンタ7fとを備えている。
内視鏡2の操作部6の側部からは、端部に内視鏡コネクタ6bを備えたユニバーサルコード6cが延出している。内視鏡コネクタ6bは光源装置7aと着脱自在に接続されるようになっている。内視鏡コネクタ6bには第1コネクタ9aを介して電気ケーブル9が着脱自在に接続されるようになっている。電気ケーブル9の他端部にはビデオプロセッサ7cに着脱自在に接続される第2コネクタ9bが設けられている。ビデオプロセッサ7cからは複数の信号ケーブル10a、10b、10c、10dが延出されており、それぞれモニタ7c、VTRデッキ7d、ビデオディスク7e、ビデオプリンタ7fに接続されている。照明光によって照射された観察部位の像は、先端部4aに内蔵されている図示しない固体撮像素子に結像して電気信号に変換された後、ビデオプロセッサ7cに伝送され、このビデオプロセッサ7cでビデオ信号に変換されて内視鏡画像としてモニタ7cの画面7g上に表示される。
図3乃至図37を参照して、内視鏡2の内視鏡挿入部4に設けられた外付けチューブ5を介して組み付けられた挿入具1を備えた内視鏡治療装置3の作用を説明する。
図3に示すように外付けチューブ5が内視鏡挿入部4に並設された内視鏡2と、挿入具1とを備える内視鏡治療装置3において、観察を行うためまず、外付けチューブ5が並設された内視鏡挿入部4を体腔内に導入する。このとき、モニタ7cの画面7g上に表示される内視鏡画像を観察しながら内視鏡挿入部4を目的観察部位に向けて導入していく。
そして、内視鏡挿入部4が目的観察部位である例えば胃内に到達したなら、内視鏡操作部6に設けられている湾曲ノブを適宜操作して、モニタ7cの画面7g上に胃壁の内視鏡画像を表示させて観察を行う。この観察時において、例えば潰瘍を発見したなら、潰瘍閉塞を行うため外付けチューブ5を介して挿入具1の挿入具挿入部11を胃内に導入していく。モニタ7cの画面7g上に表示された内視鏡画像に挿入具挿入部11が表示されることによって、挿入具挿入部11が胃内に導入されたことが確認される。
次に、挿入具1に設けられている処置具チャンネル11aを介して例えば、把持鉗子30の把持部31を胃内に導出させるとともに、内視鏡2に設けられている処置具挿通チャンネル内に後述する縫合部材を配設した縫合器を導入する。
図4及び図5に示すように縫合器40は、挿入部を構成する軟性なシース41と、シース41内に摺動自在に配置される穿刺針42と、穿刺針42内に摺動自在に配置される押し出し部材43とを備えて構成されている。穿刺針42の先端は、生体組織への穿通が容易となるように鋭角に傾斜されて形成された、鋭利な尖部として構成されている。穿刺針42の先端部にはスリット42aが形成されている。
縫合器40を構成するシース41内先端側所定位置には縫合部材45を構成する縫合糸46の一端側に設けられたロック部材47が配置されている。また、縫合器40を構成する穿刺針42内の先端側所定位置には縫合部材45を構成する縫合糸46の他端側に設けられた係合部材48が配置されている。係合部材48の後方側には押し出し部材43の先端部が配置されている。なお、縫合糸46の一端側はシース41の先端面から外部に延出されている。
ここで、内視鏡治療装置3の作用を説明する。
まず、図6に示すように内視鏡操作部6に設けられている湾曲ノブを適宜操作して、湾曲部4bを矢印d、eに示すように湾曲動作させて、先端部4aを所望の位置に移動させる。また、挿入具挿入部11の先端部13に設けられている処置具開口13aから把持鉗子30の把持部31を導出させる。その後、第1湾曲上下ノブ18a、第1湾曲左右ノブ18b、或いは第2湾曲上下レバー19aを適宜湾曲操作して、第1湾曲部16、第2湾曲部17を矢印a、b、cに示すように湾曲動作させる。このことによって、把持部31が移動され潰瘍近傍の生体組織が把持されるとともに、この把持部31によって把持された生体組織で潰瘍部分を覆う処置が行われる。
このとき、術者は、モニタ7cの画面7g上に表示される内視鏡画像を観察して、第1湾曲部16、或いは第2湾曲部17を湾曲させる方向の判断を行っている。具体的には、図7に示すように画面7g上に表示される把持部31の向きとともに、挿入具挿入部11の先端部13、第1湾曲部16及び第2湾曲部17に設けられている湾曲方向告知指標27の目視による観察を行う。また、図8に示すように画面7g上に表示される把持部31、及び湾曲方向告知指標27に加えて、第1湾曲部16と第2湾曲部17との境界部を告知する境界部告知指標28を目視にて確認を行う。そして、湾曲操作方向を判断して、ノブ18a、18b、或いはレバー19aを操作して、第1湾曲部16、又は第2湾曲部17を所望の方向に湾曲動作させる。このことによって、挿入具挿入部11を構成する先端部13の処置具開口13aから導出されている把持部31を、瞬時に、術者の思い通りに、的確に目的部位に移動される。
このように、挿入具の挿入具挿入部を構成する先端部、第1湾曲部及び第2湾曲部に湾曲方向を示す湾曲方向告知指標として、長手方向軸に沿って延びる上方向着色部、下方向着色部、左方向着色部及び右方向着色部を適宜設けたことによって、体腔内に導入された内視鏡の観察光学系でとらえた内視鏡画像をモニタの画面上に表示させて挿入具に設けられている湾曲方向指標の確認を行うことによって、観察部位と挿入具挿入部との位置関係や、挿入具挿入部の捻れ状態等を瞬時に的確に判断して、湾曲部の湾曲操作を確実に行うことができる。このことによって、挿入具を介して体腔内へ導出された処置具の操作をスムーズに行える。
また、湾曲方向告知指標に加えて、挿入具の挿入具挿入部を構成する第1湾曲部と第2湾曲部との境界部に、境界部を示す境界部告知指標を設ける。すると、モニタの画面上で境界部告知指標を確認することによって、観察部位と挿入具挿入部との位置関係をより正確に判断して、湾曲部の湾曲操作を確実に行うことができる。具体的には、例えば体腔内の対象部位に対して湾曲操作を行って挿入具の先端を所望の方向より近接させたい場合、術者は湾曲方向告知指標に加えて、境界部告知指標を視認することにより、各々の湾曲部の位置関係をも容易に把握できる。したがって、術者は各々の湾曲部の位置と対象部位との位置関係の把握を瞬時に行える。よって、術者はどの湾曲部をどのように湾曲操作すれば対象部位に対して所望の姿勢で近接可能になるかを容易に判断でき、操作性を向上させることができる。このことによって、挿入具の挿入具挿入部に設けられている第1湾曲部、又は第2湾曲部を適宜湾曲動作させて、挿入具を介して導出された処置具の操作をよりスムーズに行える。
なお、本実施形態においては、挿入具挿入部11に第1湾曲部16、第2湾曲部17等の湾曲部の湾曲方向を示す湾曲方向告知指標として、各方向毎に色の異なる着色部を設ける構成を示しているが、着色部の色を方向毎に変化させる代わりに方向毎に線の種類、例えば実線、点線、線の本数等を変化させて湾曲方向を示すようにしたり、照明光を反射させる反射板を設けて湾曲方向を示すようにしてもよい。
また、着色部や反射板を設ける代わりに湾曲方向を示すアルファベット「U」、「D」、「R」、「L」等の文字を例えば印刷によって、先端部13、境界部28、第1湾曲部16の中途部、第2湾曲部17の中途部に設けるようにしてもよい。第2湾曲部17のための湾曲方向告知指標は可撓管部15上に設けてもよい。図9に示すように画面7g上に表示される文字を目視にて確認することによって、より素早く、湾曲部の湾曲操作を確実に行うことができる。勿論、着色した線等に加えて、文字を設ける構成であってもよい。そして、アルファベットの代わりに、アラビア数字や、「○」、「×」、「△」、「□」等の記号で湾曲方向を示すようにしてもよい。
さらに、湾曲方向告知指標や境界部告知指標を着色や印刷で設ける代わりに、凹部や凸部等を先端部13、境界部28、第1湾曲部16の中途部、第2湾曲部17の中途部の表面に設ける構成にしてもよい。凸部としては例えば接着剤を塗布して構成する。凹部としては内視鏡製造の際に前加工で設けておく。このことによって、通常光による観察のみならず、蛍光による観察や、狭帯域光による観察を行っているときにおいても、図10に示すように湾曲方向告知指標や境界部告知指標を視認して湾曲部の湾曲操作を確実に行うことができる。
ここで、潰瘍閉塞で使用される縫合部材45について説明する。
まず、図11乃至図13を参照して縫合部材45について説明する。
図11に示すように係合部材48は例えば略円柱形状部材で形成されている。係合部材48の長手方向の中央部付近には生体組織に挿通される縫合糸46の一端が係止されている。係合部材48は、縫合時、長手方向の広い面積で生体組織に当接するように係合配置される。このことによって、縫合糸46が生体組織から抜け落ちることを防止する。したがって、縫合糸46の一端に配置される係合部材48は、その機能、及び形状から、T状アンカー、或いはTバーと呼ばれる。
これに対して、ロック部材47は縫合後の縫合糸46の抜け止めとして機能する。図11及び図12に示すようにロック部材47は、縫合糸46が挿通される孔47dを略中央部に形成した基部47aと、この基部47aに対して所定の角度で折り曲げ形成された2つの折り曲げ片47b、47cとで構成されている。孔47dを有する基部47aの平面部は生体組織に当接する当接面として構成されている。
係合部材48から引き出され、基部47aに設けられている孔47dを通過した縫合糸46の他端側は、図13に示すように折り曲げ片47b,47cの端部47e、47fによって挟持されている。つまり、折り曲げ片47bの端部47eと、折り曲げ片47cの端部47fとの間隙は縫合糸46の直径以下に設定されている。このことによって、端部47eと端部47fとの間に縫合糸46が配置された状態において端部47e、47fが縫合糸46に接触する。符号47gは山折りされる折り曲げ線である。
折り曲げ片47bの端部47eと、折り曲げ片47cの端部47fとの間に、縫合糸46を配置させる際には、図13に示す端部47eと端部47fとの間隔を引き離すようにした後、基部47a側から端部47e、47fに向けて縫合糸46を通す。すると、折り曲げ片47b、47cに、互いに近接しようとする力が発生する。このことによって、縫合糸46が矢印fに示すように引っ張られたとき、端部47e、47fも矢印f方向に移動して、端部47e、47fどうしの間隔が縮まって、縫合糸46を締め付けてこの縫合糸46の移動が停止される。すなわち、端部47e、47fがロック機構として働く。
このように、ロック部材47は、縫合糸46に対して係合部材48とロック部材47とを引き離す力が働いた場合に、端部47eと端部47fとの間隔を縮めて縫合糸46の動きをロックするように作用する。したがって、ロック部材47と係合部材48とで縫合対象を挟み込んだ状態において、縫合対象からロック部材47を矢印g方向である縫合糸46の他端側に移動させようとした力が働いた場合には、端部47e、47fが縫合糸46を締め付けて、ロック部材47が矢印g方向に移動されることを阻止する。
これに対して、縫合糸46を矢印g方向に引っ張った場合には、端部47e、47fが互いに引き離される方向に移動する。このことによって、縫合糸46の締め付けが解除される。つまり、係合部材48とロック部材47とを近付ける方向に縫合糸46が移動することを許容するように作用する。言い換えると、縫合対象に対してロック部材47を押し付けたいとき、つまりロック部材47を矢印f方向に移動させたいときには、縫合糸46を矢印g方向に引っ張ることによって端部47eと端部47fとの間が開いて縫合糸46への締め付けを解除して、ロック部材47を矢印f方向に移動させることができる。
本実施形態では、穿刺針42の先端側にロック部材47を配置することで、係合部材48よりも大きい外形を有するロック部材47を用いることを可能にしている。また、穿刺針42の長手軸方向に対して、平行になるようにロック部材47の基部47aを配置しているので、縫合器40の限られた収容スペース内でも、生体組織と接触する基部47aの面積、つまり当接面の面積を最大限に確保できるようになっている。さらに、縫合糸46の一端を係合部材48に固定し、末端を末端処理として玉形状に結んでいる。末端処理は、ロック部材47の抜け落ちを防止する役割、他の鉗子による把持を容易にする役割を担い、ロック部材47に摺動可能に挿通された後に施される。端末処理の他の例としては、縫合糸46の端部をリング状に結んだり、端部を溶かして塊状にする。
次に、内視鏡治療装置3による潰瘍閉塞の手技例を説明する。
まず、術者は、内視鏡操作部6に設けられている湾曲ノブを適宜操作して、モニタ7cの画面7g上に目的観察部位の内視鏡画像を表示させる。そして、内視鏡挿入部4の処置具開口4fを目的観察部位に対して対向配置させた状態にする。ここで、術者は、画面7g上に表示される湾曲方向告知指標27である直線27U、27D、27L、27R、或いは境界部告知指標28を目視にて確認する。このことによって、湾曲操作方向を適宜判断して、挿入具1のノブ18a、18b、或いはレバー19aを操作して、第1湾曲部16、又は第2湾曲部17を湾曲動作させる。すると、挿入具挿入部11を構成する先端部13の処置具開口13aから導出されている把持部31が目的部位に対向配置される。
その後、図14に示すように術者は、湾曲操作、捻り操作等の手元操作を行って挿入具挿入部11の先端部13から導出されている把持部31によって、潰瘍部36近傍の手前側の粘膜37を把持し吊り上げる。また、術者は、内視鏡挿入部4に設けられている処置具挿通チャンネルに挿通配置されている縫合器40のシース41を内視鏡の先端より体腔内に導出させる操作を行うとともに、穿刺針42を前記シース41内において先端側に移動させる操作を行う。このことよって、シース41内に配置されていたロック部材47が処置具開口4fから胃内に落下される。
次に、図15に示すようにシース41の先端から穿刺針42を露出させて先端を粘膜37に対峙させる。そして、穿刺針42をさらに先端側に移動させて粘膜37に穿刺する。すると、図16に示すように穿刺針42が粘膜37を突き抜ける。ここで、シース41を先端側に移動させて穿刺針42によって穿刺された粘膜37の保持を縫合器40で行う。
次いで、術者は手元操作を行って、図17に示すように挿入具挿入部11の先端部13から導出されている把持部31によって、潰瘍部36の例えば奥側の粘膜38を把持する。その後、術者の手元操作によって、図18に示すように粘膜38を手元側に引き寄せていく。そして、術者の手元操作によって粘膜38が所望の位置まで引き寄せたなら、術者は穿刺針42をさらに先端側に移動させる操作を行う。このことによって、穿刺針42が粘膜38を突き抜ける。ここで、術者は押し出し部材を43を先端側に移動させる操作を行って、穿刺針42の内孔に配置されていた係合部材48を粘膜38の奥側に落下させる。
次に、図19に示すように縫合器40を処置具挿通チャンネルから抜去する。この後、挿入具1から把持鉗子30を抜去する。このことによって、縫合部材45の係合部材48及びロック部材47を所望の位置に取り残された状態になる。
次に、図20に示すように内視鏡2の処置具挿通チャンネルを介して処置具である締め付け具30Aの糸把持部33及び押し出しシース34を胃内に導出させる。そして、術者の手元操作によって湾曲部4bを湾曲させて胃内に残されているロック部材47から延出している縫合糸46を糸把持部33によって把持する。
術者は、画面7g上で糸把持部33によって縫合糸46を把持したことを確認したなら、図21に示すように締め付け具30Aの糸把持部33を矢印hに示すように手元側に引っ張る一方、シース34を矢印iに示すように先端側に移動させる。このことによって、縫合対象に向けてロック部材47を押し付ける力が働く。すると、端部47eと端部47fとの隙間が開いて縫合糸46への締め付けが解除されて、ロック部材47が図13に示した矢印f方向に移動していく。
このとき、縫合糸46に繋がっている係合部材48が引っ張られ、この係合部材48が当接している粘膜38と粘膜37との相対距離が縮まっていく。そして、図22に示すように潰瘍部36を覆うように粘膜38と粘膜37とが密着した状態で縫合される。
このとき、ロック部材47の基部47aが粘膜37に面接触する。したがって、ロック部材47が粘膜37に食い込むことなく確実なアンカー効果を発現する。また、粘膜38と粘膜37とが離れる方向に移動しようとする力がロック部材47にかかった場合には、端部47eと端部47fとの間が閉じて縫合糸46に締め付け力が働く。このことによって、縫合糸46が移動されて、縫合された2つの粘膜38と粘膜37とが離間することが確実に防止される。
なお、本実施形態においては潰瘍部36より奥側の粘膜38を手元側に引き寄せて、穿刺針42を突き刺しているが、潰瘍部36を粘膜37とともに覆う粘膜は、奥側に限定されるものではなく、潰瘍部36より例えば左側等に位置する粘膜であってもよい。
また、適宜挿入具を操作し、粘膜37を潰瘍部36の内視鏡挿入軸に対し左側粘膜、粘膜38を右粘膜とし、潰瘍部36を左右の粘膜により閉鎖させてもよい。
さらに、本実施形態の内視鏡治療装置3においては、直視タイプの内視鏡2の処置具挿通チャンネル内に縫合器40及び締め付け具30Aを挿通させ、挿入具1の処置具チャンネル11a内に把持鉗子30を挿通させる構成としているが、後述する内視鏡を使用して内視鏡治療装置を構成するようにしてもよい。
図23に示す内視鏡治療装置3Aにおける内視鏡2Aにおいては、処置具挿通チャンネル4g内に処置具を矢印k方向に揺動させる鉗子起上台(不図示)を配置している。このことによって、内視鏡2Aの処置具挿通チャンネル4g内に例えば把持鉗子30を挿通させる一方、挿入具1の処置具チャンネル11a内に例えば縫合器40及び締め付け具30Aを順次挿通させることによって、潰瘍部36等を側方から観察しながら処置を行うことができる。
また、図24に示す内視鏡治療装置3Bにおいて内視鏡2Bは側視型である。このことによって、内視鏡2Bの処置具挿通チャンネル(不図示)内に例えば把持鉗子30を挿通させ、挿入具1の処置具チャンネル11a内に例えば縫合器40及び締め付け具30Aを順次挿通させることによって、潰瘍部36等を上方から観察しながら処置を行うことができる。
さらに、図25及び図26に示す内視鏡治療装置3Cにおいて内視鏡2Cは直視型であって、処置具挿通チャンネル4gを2つ併設している。内視鏡治療装置3Cにおいては、例えば挿入具1の処置具チャンネル11aから第1の把持鉗子35Aが導出され、内視鏡2Cに設けられている一方の処置具挿通チャンネル4gからは縫合器40が導出され、他方の処置具挿通チャンネル4gからは第2の把持鉗子35Bを導出される。
このことによって、図25に示すように処置具挿通チャンネル4gから導出させた把持鉗子35Bの把持部31Bで粘膜38の一端側を把持する一方、挿入具1の処置具チャンネル11aから導出された把持鉗子35Aの把持部31Aで粘膜38の他端側を把持する。この状態で例えば挿入具1の湾曲状態を変化させる。すると、粘膜38は、2つの把持鉗子35A、35Bによって引っ張られた状態になる。したがって、穿刺針42を粘膜38に穿刺する際、粘膜38が穿刺針42から逃げることが防止されて、穿刺針42の粘膜38への穿刺を確実、且つスムーズに行うことができる。
なお、図26に示すように2つの把持鉗子35A、35Bを使用して粘膜37、38の把持を行う操作とともに、捻り操作等の手元操作を繰り返し行って、1つの把持鉗子35Aの把持部31Aで粘膜37、38とを密着させた状態で把持する。この後、穿刺針42を一気に粘膜37、38に穿刺する。このことによって、穿刺針42による粘膜37、及び粘膜38への穿刺を一度に行うことができる。
又、図27に示す内視鏡治療装置3Dにおいて内視鏡2Dは直視型であって処置具挿通チャンネル4gを2つ併設している。そして、図28に示すように一方の処置具挿通チャンネル4g内には水平方向揺動台4hを設け、他方の処置具挿通チャンネル4g内には鉛直方向揺動台4iを設けている。水平方向揺動台4hは矢印m方向に揺動自在であり、鉛直方向揺動台4iは矢印n方向に揺動自在である。
したがって、水平方向揺動台4hを揺動させることによって、この水平方向揺動台4h上に載置される例えば縫合器40は図29の矢印m1に示すように左右方向に移動される。これに対して、鉛直方向揺動台4iを揺動させることによって、この鉛直方向揺動台4iに載置された例えば把持鉗子35Bが図29の矢印n1に示すように上下方向に移動される。
このことによって、例えば図27に示すように挿入具1の処置具チャンネル11aから導出された把持鉗子35Aで例えば粘膜38の一端側を把持する一方、内視鏡2Dの鉛直方向揺動台4iが配置されている処置具挿通チャンネル4gから導出された把持鉗子35Bで粘膜38の他端側を把持する。この状態で、把持鉗子35Aを手元側に引き戻す操作を行うことにより、粘膜38は引っ張られた状態になる。
その後、鉛直方向揺動台4iを揺動操作することによって粘膜38の張り具合の微調整と、水平方向揺動台4hを揺動動作することによって穿刺針42の穿刺位置の微調整とを行う。微調整完了後、穿刺針42を粘膜38の目標穿刺位置に向けて穿刺する。すると、穿刺針42は、スムーズに粘膜38に穿刺される。
つまり、本実施形態の内視鏡治療装置3Dによれば、2つの把持鉗子35A、35Bの把持部31A、31Bによって粘膜38を把持した後、把持鉗子35Aを移動させることによって粘膜38を所定の張った状態にすることができる。また、挿入具1、及び内視鏡3Dに設けられている湾曲部14、及び湾曲部4bの湾曲状態を変化させることなく、言い換えれば、体腔内に導入されている挿入具1、及び内視鏡3Dの導入状態を変化させることなく、鉛直方向揺動台4iを揺動させて粘膜38の張り具合や拡開状態を所望状態に変化させる微調整、及び水平方向揺動台4hを揺動させて粘膜38に対する穿刺位置等の微調整を行うことができる。
このことによって、穿刺針を術者の所望する目標穿刺位置に確実に対峙させて、確実、かつスムーズに穿刺を行うことができる。
前述した潰瘍閉塞の手技例において、内視鏡治療装置3は、直視タイプの内視鏡の処置具挿通チャンネル内に縫合器40及び締め付け具30Aを順次挿通させる一方、挿入具1の処置具チャンネル11a内に把持鉗子30を挿通させる構成であった。しかし、内視鏡治療装置3に使用される縫合器40の代わりに、図30及び図31に示す縫合器70を用いるようにしてもよい。
本実施形態の縫合器70は、図30に示す体腔内に挿入される軟性の挿入部71と、図31に示す体腔外で施術者が操作する手元操作部72とを備えており、その内部には2つの押し出し部材73、74が設けられている。
図30に示す挿入部71は可撓管であるシース75と、シース75に進退可能に配置された穿刺針76とを備えている。穿刺針76の先端は鋭利な尖部であり、生体組織への穿通が容易に構成されている。穿刺針76の内孔先端側には縫合糸46に取り付けられたロック部材47が収容配置される一方、このロック部材47より基端側にパイプ形状の第1押し出し部材73が挿通配置されている。第1押し出し部材73の内孔先端側には縫合糸46に取り付けられた係合部材48が収容配置される一方、この係合部材48より基端側には例えば棒状の第2押し出し部材74が挿通配置されている。
第1押し出し部材73はロック部材47を係合部材48よりも先に押し出すように配置され、第2押し出し部材74はロック部材47が押し出された後に係合部材48を押し出すように配置されている。つまり、第1押し出し部材73の内孔には第2押し出し部材74、及び係合部材48が摺動可能に収容されるようになっている。
また、第1押し出し部材73の先端部分には係合部材48に取り付けられた縫合糸46が引き出されるスリット73aが設けられている。なお、穿刺針76の内壁と第1押し出し部材73との間は、気体の通流を可能にする程度のクリアランスを設けることが望ましい。
一方、図31に示す手元操作部72は管状の保持部材77と、管状の穿刺針操作部78と、中央貫通孔を有する押し出し部材ハンドル79と、例えば円錐状の押し出し部材ノブ80とを主に備えて構成されている。
保持部材77にはシース75の基端部が固設される。穿刺針操作部78には穿刺針76の基端部が固設される。穿刺針操作部78を進退させることによって穿刺針76が進退動作する。押し出し部材ハンドル79には第1押し出し部材73の基端部が固設される。押し出し部材ハンドル79には後述する第2押し出し部材74が挿通配置される中央貫通孔79aが設けられている。押し出し部材ハンドル79を進退させることによって第1押し出し部材73が進退動作する。押し出し部材ノブ80には第1押し出し部材73内を通過した第2押し出し部材74の基端部が固設される。押し出し部材ノブ80を進退させることによって第2押し出し部材74が進退動作する。
穿刺針操作部78の基端側には術者が指を掛ける周溝状の指掛け部78aが備えられている。穿刺針操作部78の側周面中途部には、穿刺針操作部78内に形成される空隙部に気体を導入する際に使用される流体導入部である送気ポート78bが設けられている。穿刺針操作部78の中央貫通孔78c内には第1押し出し部材73、及び第2押し出し部材74が挿通配置されている。
符号81はパッキンであり、中央貫通孔78cと第1押し出し部材73との間の気密を保持している。このことによって、穿刺針操作部78内の空隙部から気体が漏出することが防止されている。
穿刺針操作部78を保持部材77に対して相対的に進退させることで、穿刺針76をシース75に対して突出させることができるようになっている。押し出し部材ハンドル79は、穿刺針操作部78の端面側から延出された第1押し出し部材73の外周面に対して一体に取り付けられている。押し出し部材ハンドル79を穿刺針操作部78に向かって所定量の押し込み操作して、穿刺針76内からロック部材47を外部に押し出すことができるようになっている。押し出し部材ノブ80は、第1押し出し部材73の端面側から延出された第2押し出し部材74の端部に対して一体に取り付けられる。押し出し部材ノブ80を押し出し部材ハンドル79側に向かって所定量の押し込み操作することによって、第1押し出し部材73内から係合部材48を外部に押し出すことができるようになっている。
ここで、縫合器70を備えた内視鏡治療装置3による縫合部材45を用いた潰瘍閉塞手技について説明する。
まず、外付けチューブ5が内視鏡挿入部4に並設された内視鏡2と挿入具1とを備える内視鏡治療装置3において、観察を行うためまず、外付けチューブ5が並設された内視鏡挿入部4を体腔内に導入する。このとき、モニタ7cの画面7g上に表示される内視鏡画像を観察しながら内視鏡挿入部4を目的観察部位に向けて導入していく。
そして、内視鏡挿入部4が目的観察部位である例えば胃内に到達したなら、内視鏡操作部6に設けられている湾曲ノブを適宜操作して、モニタ7cの画面7g上に胃壁の内視鏡画像を表示させて観察を行う。この観察時において、例えば潰瘍を発見したなら、潰瘍閉塞を行うため外付けチューブ5を介して挿入具1の挿入具挿入部11を胃内に導入していく。モニタ7の画面7g上に表示された内視鏡画像内に挿入具挿入部11が表示されることによって、挿入具挿入部11が胃内に導入されたことが確認される。
次に、術者は、挿入具1に設けられている処置具チャンネル11aを介して把持鉗子30の把持部31を胃内に導出させるとともに、内視鏡2に設けられている処置具挿通チャンネル内に縫合部材45を配設した縫合器70を導入する。
そして、術者は、内視鏡操作部6に設けられている湾曲ノブを適宜操作して、内視鏡挿入部4の処置具開口4fを目的部位に対向配置される。ここで、術者は、挿入具挿入部11を構成する先端部13の処置具開口13aから導出されている把持部31を目的部位に対向配置させる。その後、手元操作を行って挿入具挿入部11の先端部13から導出されている把持部31によって、潰瘍部36近傍の例えば右側の粘膜37を把持し吊り上げる。
その後、図32に示すように術者は、穿刺針76の先端を粘膜37に対峙させ、穿刺針76を粘膜37に突き刺す。この状態で、押し出し部材ハンドル79を穿刺針操作部78方向に向かって矢印kに示すように所定量、押し込み操作する。すると、穿刺針76の内孔に配置されていたロック部材47が押し出されて体腔内に落下する。
ここで、一旦、吊り上げた粘膜より穿刺針を引き抜き、更に吊り上げている鉗子の把持を解除する。次いで、術者は手元操作を行って、挿入具挿入部11の先端部13から導出されている把持部31によって、潰瘍部36の例えば左側の粘膜38を把持する。その後、図33に示すように術者の手元操作によって粘膜38を吊り上げ、穿刺針76の先端を粘膜38に対峙させ、穿刺針76を粘膜37に突き刺す。この状態で、押し出し部材ノブ80を押し出し部材ハンドル79側に向かって矢印mに示すように所定量、押し込み操作する。すると、第1押し出し部材73の内孔に配置されていた係合部材48が押し出されて胃内に落下する。
次に、内視鏡2に設けられている処置具挿通チャンネルから縫合器70を抜去するとともに、挿入具1から把持鉗子30を抜去する。その後、術者の手元操作によって湾曲部4bを湾曲動作させて胃内に残されているロック部材47から延出する縫合糸46との位置調整を行う。そして、内視鏡2の処置具挿通チャンネルを介して処置具である締め付け具30Aの糸把持部33及び押し出しシース34を胃内に導出させ、縫合糸46を糸把持部33によって把持する。
ここで、術者が、糸把持部33によって縫合糸46を把持したことを画面7g上で確認したなら、図34に示すように締め付け具30Aの糸把持部33を矢印nに示すように手元側に引っ張る一方、シース34を矢印pに示すように先端側に移動させる。このことによって、縫合対象に向けてロック部材47を押し付ける力が働いて、前記図13で示したように端部47eと端部47fとの間が開いて縫合糸46への締め付けが解除され、ロック部材47が所定方向に移動していく。
このとき、縫合糸46に繋がっている係合部材48が引っ張られることにより、この係合部材48が当接している粘膜38が徐々に粘膜37側に引き寄せられていく。そして、潰瘍部36を覆うように粘膜38と粘膜37とが縫合される。
この縫合状態において、ロック部材47の基部47aが粘膜37に面接触するので、ロック部材47が粘膜37に食い込むことなく確実なアンカー効果を発現する。また、粘膜38と粘膜37とが離れる方向に移動しようとする力がロック部材47にかかった場合には、端部47eと端部47fとの間が閉じて縫合糸46に締め付ける力が働く。このことによって、縫合糸46が移動して、縫合された2つの粘膜38と粘膜37とが離れることが確実に防止される。
前述した潰瘍閉塞の手技例において、内視鏡治療装置3を構成する縫合器40内、又は縫合器70内に縫合部材45を収容配置させる代わりに、縫合部材90を収容配置させて、潰瘍閉塞を行うようにしてもよい。
図35に示すように本実施形態の縫合部材90は、2本の縫合糸46と、それぞれの縫合糸46の端部に設けられた円柱形状部材によって形成された係合部材91と、係合部材91から延出されるそれぞれの縫合糸46が挿通配置されるストッパ部材92とで主に構成されている。ストッパ部材92は、所定の弾性力を有する例えばシリコンゴム製である。ストッパ部材92を挿通されて延出した縫合糸46の端部は例えば、一纏めにされた状態で末端処理として玉形状に結ばれている。
図36に示すように縫合部材90のストッパ部材92は、例えば縫合器40を構成するシース41内の先端側所定位置に配置される。そして、縫合器40を構成する穿刺針42内の先端側所定位置には縫合部材90を構成する縫合糸46の他端側に設けられた2つの係合部材91がそれぞれ収容配置される。なお、2つ並べられた係合部材91の基端側に押し出し部材43の先端側部が配置される。
本実施形態において潰瘍閉塞を行う際の手順を図37を参照して説明する。
まず、術者は、挿入具1に設けられている処置具チャンネル11aを介して把持鉗子30の把持部31を胃内に導出させるとともに、内視鏡2に設けられている処置具挿通チャンネル内に縫合部材90を配設した縫合器40を導入する。
術者は、手元操作を行って挿入具挿入部11の先端部13から導出されている把持部31によって、潰瘍部36近傍の例えば左側の粘膜37を把持し吊り上げる。また、術者は、内視鏡挿入部4に設けられている処置具挿通チャンネルに挿通配置されている縫合器40のシース41を先端側に移動させる操作を行うとともに穿刺針42を先端側に移動させる操作を行って、シース41内に配置されていたストッパ部材92を胃内に落下させる。
次に、2つの係合部材91が孔内に収容配置されている穿刺針42の先端を一方の粘膜37に対峙させ、この粘膜37に穿刺針42を穿刺する。ここで、押し出し部材43を先端側に移動させて穿刺針42内に収容されている係合部材91を1つだけ粘膜37の奥側に落下させ、その後、粘膜37に穿刺されている穿刺針42をこの粘膜37から引き抜く。
次いで、術者は手元操作を行って、1つの係合部材91だけが収容配置されている穿刺針42の先端を他方の粘膜38に対峙させ、この粘膜38に穿刺針42を穿刺する。ここで、押し出し部材43を先端側に移動させて係合部材91を粘膜38の奥側に落下させる。このことによって、ストッパ部材92が最も内視鏡2側に配置された状態になる。そして、粘膜38に穿刺されている穿刺針42を粘膜38から引き抜くとともに、縫合器40を内視鏡から抜去する。
次に、内視鏡2の処置具挿通チャンネルを介して処置具である締め付け具30Aの糸把持部33及び押し出しシース34を胃内に導出させる。ここで、術者の手元操作によって湾曲部4bを湾曲させて胃内に残されているストッパ部材92から延出している縫合糸46の端部を糸把持部33によって把持する。
そして、術者は、糸把持部33によって縫合糸46の先端を把持したことを画面7g上で確認したなら、締め付け具30Aの糸把持部33を手元側に引っ張った状態にする一方、ストッパ部材92を先端側に移動させる。このことによって、縫合対象に向けてストッパ部材92が移動され、係合部材91が当接している粘膜37、38が徐々に合わされて潰瘍部36が縫合される。
なお、粘膜38と粘膜37とが離れる方向に移動しようとする力がストッパ部材92にかかった場合、このストッパ部材92の弾性力の範囲で移動が阻止される。
このように、2本の縫合糸46の端部にそれぞれ係合部材91を設け、縫合糸46の中途部にストッパ部材92を設けて縫合部材90を構成したことによって、ストッパ部材92を内視鏡2側に落下させられるので、内視鏡2の湾曲部4bを大きく湾曲させる煩わしい操作を行うことなく、縫合糸の末端処理が施されている端部側を糸把持部33で容易に把持することができる。このことによって、潰瘍部を覆うように粘膜と粘膜とを縫合する潰瘍閉塞を短時間で行える。
図38を参照して挿入具の他の構成を説明する。
図に示すように本実施形態の挿入具1Aは、操作部12を構成する主湾曲操作部18Aに焼灼装置100から延出される信号伝送用の電気ケーブル101に設けられたコネクタ(不図示)が着脱自在に接続されるコネクタ接続部102が取り付けられるようになっている。このことによって、予め、焼灼装置100から延出された電気ケーブル101のコネクタを挿入具1のコネクタ接続部102に接続しておくことによって、内視鏡治療装置3Eが構成される。
なお、図に示す挿入具1Aにおいては、副湾曲操作部19に第2湾曲上下レバー19aと、第2固定ツマミとを設ける代わりに、第2湾曲上下ノブ19dと、第2固定ツマミ19eとを設けている。符号103は患者電極であり、符号104は電気メスである。
内視鏡治療装置3Eにおいて、術者は、必要に応じて挿入具1に設けられている処置具チャンネル11aを介して電気メス104を体腔内に導入する。体腔内に電気メス104を導入した際、術者は、まず、モード切替スイッチである操作釦20bを適宜操作して、焼灼装置100の操作モードを切開モード、或いは凝固モードに切り替える。
そして、必要に応じて、切開/凝固動作スイッチである操作釦20aを押し込み操作する。すると、操作釦20aの押し込み操作が行われている間、電気メス104の先端部104aから患者電極103に所定電流が流れて、切開処置、或いは凝固処置が行われる。
したがって、内視鏡治療装置3Eにおいてはモード切替、及び切開処置、或いは凝固処置をフットスイッチを用いることなく、術者が把持する挿入具1Aの操作部12に設けられている釦20a、20bを操作することによってスムーズに行うことができる。
図39及び図40を参照して挿入具の別の構成を説明する。
前記図1に示した挿入具1においては操作部12に、第1湾曲部16、及び第2湾曲部17をそれぞれ湾曲操作する一対のノブ18a、18bと1つのレバー19aとを設けていた。また、図38に示した挿入具1Aでは操作部12に、第1湾曲部16、及び第2湾曲部17をそれぞれ湾曲操作する一対のノブ18a、18bと、ノブ19dとを設けていた。
これに対して、図39及び図40に示す挿入具1Bにおいては、操作部110を把持する術者の手の例えば親指が配置される湾曲操作部背面側111に、第1湾曲部16を湾曲操作するための第1湾曲部上下方向操作レバー112及び第1湾曲部左右方向操作レバー113と、第2湾曲部17を湾曲操作するための第2湾曲部上下方向操作レバー114とを配設している。
このことによって、術者の湾曲操作部を把持する手指を大きく移動させることなく、言い換えれば、把持状態を大幅に変化させることなく容易に、第1湾曲部16、及び第2湾曲部17を操作することができる。
具体的には、図39に示すように第1湾曲部上下方向操作レバー112、及び第1湾曲部左右方向操作レバー113の回動中心軸を長手方向軸に対して直交するに設ける一方、第2湾曲部上下方向操作レバー114の回動中心軸を第1湾曲部上下方向操作レバー112及び第1湾曲部左右方向操作レバー113の回動中心軸より長手方向軸に対して所定間隔だけ上方に設けてある。
なお、操作部正面側115には処置具開口116が設けられている。また、符号117は第1湾曲部上下方向固定ツマミであり、符号118は第1湾曲部左右方向固定ツマミであり、符号119は第2湾曲部上下方向固定ツマミである。
ここで、図40を参照して操作部110内を挿通する操作ワイヤの位置関係を説明する。
図に示すように第1湾曲部16から延出された第1湾曲上方向操作ワイヤ16aの端部は、第1湾曲部上下方向操作レバー112によって回動される第1湾曲部上下用プーリー121の所定位置に固定されている。また、第1湾曲部16から延出された第1湾曲下方向操作ワイヤ16bの端部は、第1湾曲部上下方向操作レバー112によって回動される第1湾曲部上下用プーリー121の所定位置に固定されている。一方、第1湾曲部16から延出された第1湾曲左方向操作ワイヤ16cの端部は、第1湾曲部左右方向操作レバー113によって回動される第1湾曲部左右用プーリー122の所定位置に固定されている。また、第1湾曲部16から延出された第1湾曲下方向操作ワイヤ16dの端部は、第1湾曲部左右方向操作レバー113によって回動される第1湾曲部左右用プーリー122の所定位置に固定されている。
これに対して、第2湾曲部17から延出された第2湾曲上方向操作ワイヤ17aは操作部の略中央部に配置されているワイヤ挿通用コイルパイプ123a内を挿通されて、その端部を第2湾曲部上下方向操作レバー114によって回動操作される第2湾曲部上下方向用プーリー(不図示)の所定位置に固定されている。また、第2湾曲部17から延出された第2湾曲下方向操作ワイヤ17bは操作部の略中央部より操作部正面側に配置されているワイヤ挿通用コイルパイプ123b内を挿通されて、その端部を第2湾曲部上下方向操作レバー114によって回動操作される第2湾曲部上下方向用プーリーの所定位置に固定されている。
このことによって、操作部110内に挿通配置される各操作ワイヤ16a、16b、16c、16d、17a、17bどうしが接触することが確実に防止される。
なお、第1湾曲部上下方向操作レバー112は、例えば金属製のレバー部材112aと、樹脂製の指当て部材112bとで構成されている。第1湾曲部左右方向操作レバー113は、例えば金属製のレバー部材113aと、樹脂製の指当て部材113bとで構成されている。
また、第1湾曲部上下方向操作レバー112のレバー部材112aは第1湾曲部上下用軸部124にねじ125によって螺合固定され、第1湾曲部左右方向操作レバー113のレバー部材113aは第1湾曲部左右用軸部126にねじ125によって螺合固定されている。第2湾曲部上下方向操作レバー114のレバー部材114aは第2湾曲部上下用軸部(不図示)にねじ125によって螺合固定されている。
さらに、第1湾曲部上下用軸部124には第1湾曲部上下用プーリー121が締結部材127によって一体的に固定され、第1湾曲部左右用軸部126には第1湾曲部左右用プーリー122が締結部材127によって一体的に固定され、第2湾曲部上下用軸部(不図示)には第2湾曲部左右用プーリー(不図示)が締結部材(不図示)によって一体的に固定されている。したがって、各操作レバー112、113、114を回動操作することによって、対応するプーリー121、122等が回動されて、操作ワイヤ16a、16b、16c、16d、17a、17bが牽引/弛緩される。
ところで、上述した実施形態においては、内視鏡2の内視鏡挿入部4に並設されている外付けチューブ5のチューブ体5bに挿入具1の挿入具挿入部11を挿通させて、体腔内に内視鏡挿入部4と挿入具挿入部11とを導入させる構成になっている。外付けチューブ5は、連結固定部5aとチューブ体5bとを備えているため、連結固定部5aを内視鏡挿入部4に配置させた状態において、その配置位置の断面形状が扁平形状になって体腔内への挿入性を悪化させる要因になっていた。このため、外付けチューブ5を並設させた内視鏡挿入部4の挿入性を向上させた内視鏡システムが望まれていた。
以下、図面を参照して外付けチューブの構成例を説明する。
図41及び図42は外付けチューブの一構成例にかかり、図41は外付けチューブを説明する断面図、図42は外付けチューブの作用を説明する図である。
図41に示す外付けチューブ5Aは、連結固定部50Aと、この連結固定部50Aに連結されるチューブ体5bとで構成されている。連結固定部50Aは所定の弾性力を有する弾性部材で形成され、先端側部が挿入性を考慮して先細形状で、且つ先端側から連続的に滑らかに変化する曲面部51を有する砲弾形状で構成している。
連結固定部50Aには、内視鏡挿入部4の先端部4aが係入配置される凹部52と、挿入具1の挿入具挿入部11や他の処置具等が挿通される貫通孔である処置具挿通孔53とが設けられている。連結固定部50Aの先端側には凹部52に連通する観察用孔54が形成されている。
チューブ体5bは湾曲部4bの湾曲動作に支障を及ぼすことがないように軟性で所定の弾性力を有する例えばフッ素樹脂部材で構成されている。チューブ体5bの先端部は、処置具挿通孔53に連通するように固定凹部55に例えば接着によって一体固定されている。
この外付けチューブ5Aにおいては、内視鏡挿入部4の先端部4aに凹部52を配置させることによって、連結固定部50Aの有する弾性力によって内視鏡挿入部4の先端部に一体的に固定保持される。先端部4aの先端面は凹部52の底面に当接するようになっている。
なお、外付けチューブ5Aのチューブ体5bと内視鏡挿入部4の可撓管部4cとはテープ部材8(図42参照)によって並設される。
図42を参照して外付けチューブ5Aが並設された内視鏡挿入部4の作用を説明する。
外付けチューブ5Aが並設されている内視鏡2の内視鏡挿入部4を口腔を介して体腔内に導入する際、口腔には連結固定部50Aが一体的に固定された内視鏡挿入部4の先端部4a、湾曲部4b、可撓管部4cの順に挿入されていく。つまり、連結固定部50Aが一体的に固定されているため実質的に最も太径に構成された先端部4aから導入される。
このとき、図42に示すように連結固定部50Aが弾性部材で先細形状に形成されていることによって、導入時において連結固定部50Aが食道の壁に接触することによって、処置具挿通孔53を有する側部及びチューブ体5bの先端部が押し潰されるように変形する。つまり、連結固定部50Aが押し潰されて、先端部4aの外形寸法が初期状態に比べて小さく構成される。このため、外付けチューブ5が並設された状態の内視鏡挿入部4がスムーズに体腔内の深部に向けて導入される。
そして、内視鏡挿入部4の先端部4aが目的観察部位である例えば胃内に到達したなら、食道の壁からの押圧力が解除されることによって、先端部4aに設けられていた連結固定部50Aが元の形状に復元される。したがって、外付けチューブ5を介して挿入具1の挿入をスムーズに行える。
このように、外付けチューブを構成する連結固定部を所定の弾性力を有する弾性部材で先細形状に形成し、かつ先端側から連続的に滑らかに変化する曲面部を設けたことによって、外付けチューブを配設した内視鏡挿入部を体腔内に導入させる際、断面形状が扁平な連結固定部が押し潰されるように変形することによって、体腔内への導入をスムーズに行うことができる。
なお、連結固定部50Aとチューブ体5bとを金属製の口金を介して一体的に連結固定して外付けチューブを構成した場合であっても、連結固定部を所定の弾性力を有する弾性部材で、先細形状でかつ先端側から連続的に滑らかに変化する曲面部を設けて形成したことによって、体腔内への導入をスムーズに行うことができる。また、外付けチューブの構成を以下に示す図43及び図44に示す構成や、図45及び図46に示す構成にしても良い。
図43及び図44は外付けチューブの他の構成例にかかり、図43は外付けチューブを説明する斜視図、図44は外付けチューブを説明する断面図である。
図43及び図44に示す外付けチューブ5Bは、連結固定部50Bと、この連結固定部50Bに連結されるチューブ体5bと、連結固定部50Bに一体的に設けられる内視鏡固定部材56とで構成されている。
内視鏡固定部材56は、内視鏡挿入部4の先端部4aが係入配置されるように、例えば硬質な樹脂部材でパイプ状に形成されている。内視鏡固定部材56は太径な連結部56aと、細径で先端部4aが所定の姿勢で安定的に保持する内視鏡先端部固定部56bとを備えている。連結部56aの内周面には固定部となる周溝56cが形成されている。
本実施形態の連結固定部50Bは連結固定部50と同様に所定の弾性力を有する弾性部材で形成され、先端側面には挿入性を考慮した曲面部51a、51b、51cが連続的に設けられている。
また、連結固定部50Bには内視鏡固定部材56が外嵌配置される連結突起部57が設けられている。連結突起部57の外周面所定位置には周溝56cに係入配置される周状凸部57aが設けられている。したがって、連結固定部50Bの連結突起部57に内視鏡固定部材56を周状凸部57aの付勢力に抗して外嵌配置させることによって、内視鏡固定部材56が連結突起部57に一体的に固設される。
連結突起部57には内視鏡挿入部4の先端部4aが配置される内視鏡配置穴57bが設けられており、先端部4aの先端面は内視鏡配置穴57bの底面に当接するようになっている。観察用孔54と内視鏡配置穴57bとは連通孔58によって連通されている。
本実施形態の外付けチューブ5Bにおいては、内視鏡挿入部4の先端部4aを内視鏡固定部材56に設けられている内視鏡先端部固定部56bを介して内視鏡配置穴57bに配置される。このことによって、内視鏡先端部固定部56bによって先端部4aが所定の挿通状態に姿勢保持されるとともに、連結固定部50Bの有する弾性力によって先端部4aが一体的に固定保持される。
その他の構成は図41に示した外付けチューブ5Aの構成と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
このように、外付けチューブを構成する連結固定部を所定の弾性力を有する弾性部材で形成し、先端側面に挿入性を考慮した曲面部を連続的に設けたことによって、外付けチューブを配設した内視鏡挿入部を体腔内に導入させる際、断面形状が扁平な連結固定部が押し潰されるように変形することによって、体腔内への導入をスムーズに行うことができる。
また、連結固定部に連結突起部を設け、この連結突起部に硬質部材で形成された内視鏡固定部材を一体的に固設したことによって、この内視鏡固定部材を介して内視鏡挿入部の先端部を内視鏡配置穴内に配設することによって、内視鏡をより強固に連結固定部に一体的に配設することができる。
図45及び図46は外付けチューブの別の構成例にかかり、図45は外付けチューブの構成を説明する断面図、図46は外付けチューブを内視鏡に一体的に設けた状態を示す斜視図である。
図45に示す外付けチューブ5Cは、連結固定部50Cと、この連結固定部50Cに配置される口金部材59と、この口金部材59に連結されるチューブ体5bと、連結固定部50Bの先端側に固設される処置具挿通孔60aを有する先端側構成部材60とで構成されている。
連結固定部50Cは、内視鏡挿入部4の先端部4a又は湾曲部4bに配置される円弧形状の内視鏡設置部61と、先端側構成部材60を配設するための取付部62と、口金部材59が配置される凹部63と、この凹部63に連通する処置具挿通孔53とが設けられている。口金部材59は例えば金属パイプであり、連結固定部50Cの凹部63の底面に当接した状態で例えば接着によって凹部63の内周面に一体的に固定される。先端側構成部材60は所定の断定力を有する弾性部材で形成されており、挿入性の向上を考慮して先端側面に傾斜面60bを設けている。先端側構成部材60は、連結固定部50Cの取付部62に例えば接着によって一体的に固定される。
本実施形態において、チューブ体5bは、口金部材59を介して連結固定部50Cに一体的に配設される。また、外付けチューブ5Cの連結固定部50Cは、例えば図46に示すようにテープ39を介して内視鏡挿入部4に一体的に配設される。
このように、外付けチューブを構成する連結固定部の挿入具等の処置具が配設される処置具挿通孔を有する先端側部を所定の弾性力を有する弾性部材で形成し、先端側面に挿入性を考慮した傾斜面を設けることによって、外付けチューブを配設した内視鏡挿入部を体腔内に導入させる際、断面形状が扁平な連結固定部を体腔内へスムーズに導入させることができる。
なお、上述した外付けチューブ5A、5B、5Cにおいては、連結固定部50A、50B、50が内視鏡挿入部4の先端部4a、若しくは湾曲部4bに配設される構成である。このため、内視鏡操作部に設けられている湾曲ノブを適宜操作して、内視鏡挿入部の先端部を所望の位置に移動させたとき、挿入具挿入部の先端部も内視鏡挿入部の湾曲部の湾曲動作に追随して移動する。
このことによって、図47の外付けチューブの連結固定部を内視鏡挿入部の湾曲部及び挿入具挿入部の湾曲部より後方側に配置した際の一動作例を説明する図に示すように、外付けチューブ5Dの連結固定部50Dを湾曲部4b、14より後方側に配置した状態において、内視鏡操作部に設けられている湾曲ノブを操作して内視鏡挿入部の先端部を所望の位置に移動させたときに発生する、内視鏡2の先端部4aの位置と挿入具1の先端部13とが例えば交叉して挿入具挿入部の先端部が観察視野範囲外に移動してしまう不具合を防止することができる。
図48乃至図50は外付けチューブのまた他の構成例にかかり、図48は外付けチューブを説明する断面図、図49は外付けチューブを内視鏡に装着した状態を示す図、図50は外付けチューブの作用を説明する図である。
図48に示すように本実施形態の外付けチューブ5Eは、連結固定部50Eに設けられている処置具挿通孔53より先端側に、所定量突出してガイド部となる案内凸部64を設けている。
外付けチューブ5Eは、連結固定部50Eと、この連結固定部50Eに例えば接着によって固設される第1口金部材59a、及び第2口金部材59bと、第1口金部材59aに連通固定されるチューブ体5bと、第2口金部材59bに連通固定される案内凸部64と、連結固定部50Eに一体的に設けられる内視鏡固定部材56とで構成されている。
第1口金部材59a、及び第2口金部材59bは例えば金属パイプで構成されている。案内凸部64は所定の弾性力を有する弾性部材で構成された軟性チューブ体である。連結固定部50Eには周状凸部57aを備えた連結突起部57が設けられている。連結突起部57には内視鏡挿入部4が挿通配置される内視鏡配置孔57cが設けられている。
本実施形態の外付けチューブ5Eにおいては、図49に示すように内視鏡挿入部4の先端部4aを内視鏡固定部材56に設けられている内視鏡先端部固定部56bを介して内視鏡配置孔57cに配置される。このことによって、内視鏡先端部固定部56bによって先端部4aが所定の挿通状態に姿勢保持されるとともに、連結固定部50Eの有する弾性力によって先端部4aが一体的に固定保持される。
その他の構成は図44に示した外付けチューブ5Bの構成と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
図50を参照して内視鏡2に取り付けられた外付けチューブ5Eの作用を説明する。
図に示すように外付けチューブ5Eの連結固定部50Eを内視鏡挿入部4の先端部4aに配設した状態で、例えばマウスピースを介して口腔内に導入していく。すると、連結固定部50Eに設けた案内凸部64の先端側が食道の屈曲部において壁に接触して食道の屈曲形状に沿うように湾曲変形する。この後、術者が、内視鏡2の内視鏡挿入部4を押し込み操作すると、内視鏡挿入部4は案内凸部64の湾曲形状に追随するように深部に向けて導入されていく。
つまり、連結固定部50Eの最先端に突出して設けられた案内凸部64が管腔の屈曲形状に沿うように湾曲変形されることによって、外付けチューブ5Eが並設された内視鏡挿入部4がスムーズに体腔内の深部に向けて導入される。
このように、外付けチューブを構成する連結固定部の先端側に、所定の弾性力を有する弾性部材で所定量突出した案内凸部を設けたことによって、外付けチューブを配設した内視鏡挿入部を体腔内に導入させる際、突出した案内凸部が管腔の形状に沿って湾曲変形されて、体腔内への導入をスムーズに行うことができる。
なお、案内凸部に例えばテーパー面を設けて先細形状に形成するようにしてもよい。このことによって、湾曲変形性が更に向上する。
ところで、例えば図51の外付けチューブの連結固定部を内視鏡の先端部に配設して、処置具挿通チャンネルから湾曲部を有する挿入具を導出させている状態を説明する図に示すように内視鏡2の内視鏡挿入部4の先端部4aに、テープ39を介して例えば外付けチューブ5Cの連結固定部50Cを一体的に配設して内視鏡治療装置3Fを構成した場合、連結固定部50Cの先端側構成部材60に設けられている処置具挿通孔60aから導出される挿入具1の先端部13が内視鏡挿入部4の先端部先端面4kから遠方に配置されて、処置部位の確認、及び処置を行い難くなるという不具合が生じる。これは、連結固定部50Cの処置具挿通孔60aから導出されている挿入具1の可撓管部15の先端部が連結固定部50Cの先端側に配置された状態において湾曲部16、17を湾曲させたとき、処置具チャンネル11a内に導入されている処置具がスムーズに進退移動するように湾曲半径R1、R2を設定しているためである。
前述した挿入具1の先端部13が先端部先端面4kから遠方に配置されることによって処置等を行い難くなるという不具合を解消するため、例えば湾曲部16、17の長さを短縮させて挿入具1を構成した場合、湾曲半径が前記湾曲半径R1、R2より小径になることにより、処置具をスムーズに進退移動されることが困難になるという不具合が生じる。
このため、先端部先端面4kから挿入具1の先端部13までの距離を処置を行うのに最適な距離に設定することが可能で、かつ挿入具1の処置具チャンネル11a内に導入されている処置具の進退移動をスムーズに行える内視鏡治療装置が望まれている。
図52は先端部先端面から挿入具の先端部までの距離を処置に最適な距離に設定することが可能で、かつ挿入具の処置具チャンネル内に導入されている処置具の進退移動をスムーズに行える内視鏡治療装置を構成する外付けチューブの構成を説明する断面図である。
図に示すように本実施形態の外付けチューブ5Fは、連結固定部50Fと、この連結固定部50に連結される口金部材59aと、この口金部材59aに連通固定されるチューブ体5bと、連結固定部50に連結される内視鏡先端部配置部材65とで構成されている。
連結固定部50Fは所定の弾性力を有する弾性部材で形成されている。連結固定部50Eには内視鏡挿入部4の先端部4aが挿通配置される貫通孔66と、挿入具1の挿入具挿入部11や他の処置具等が挿通される貫通孔である処置具挿通孔53とが設けられている。連結固定部50Fの貫通孔66側の先端側外周部には周状凹部67aを備えた突起部67が設けられている。
内視鏡先端部配置部材65は例えば硬質な樹脂部材でパイプ状に形成されており、連結固定部50Fの周状凹部67aに係入配置される凸部65aを有している。内視鏡先端部配置部材65の長さ寸法は、内視鏡先端部配置部材65の先端面65bと処置具挿通孔53の先端面53aとを位置ずれさせることによって、処置具挿通孔53から導出された挿入具1の先端部13が処置に最適な距離となるように設定される。
このように、本実施形態の外付けチューブによれば、連結固定部の貫通孔を介して内視鏡先端部配置部材内に内視鏡の先端部を配置して、この先端部先端面と内視鏡先端部配置部材の先端面とを面一致させることによって、処置具挿通孔に配置される挿入具の可撓管部の先端側の位置が内視鏡の先端部先端面より所定量後退させて、湾曲部の湾曲半径を小径にすることなく、先端部先端面から挿入具の先端部までの距離を処置に最適な距離に設定することができる。
なお、図53に示すように挿入具の挿通される外付けチューブ5Gの連結固定部50Gのテープ39で固定される固定位置を、先端部先端面4kより基端側に位置ずれさせて、湾曲部の湾曲半径を小径にすることなく、先端部先端面から挿入具の先端部までの距離を処置に最適な距離に設定するようにしてもよい。
図54は先端部先端面から挿入具の先端部までの距離を処置に最適な距離に設定することが可能で、かつ挿入具の処置具チャンネル内に導入されている処置具の進退移動をスムーズに行える内視鏡治療装置を構成する外付けチューブの構成を説明する斜視図である。
図に示す外付けチューブ5Hにおいては、連結固定部50Hの所定側面部に切り欠き部68aを設けるとともに、この連結固定部50Hに連通固定されるチューブ体5bの先端側所定側面に、先端側から所定寸法の切り欠き部68bを設けている。切り欠き部68a、68bの幅寸法は、連結固定部50H、及びチューブ体5bを構成する部材の材質により適宜設定される。例えば、弾性力を有する比較的薄肉な部材で形成されている場合には幅寸法は幅狭に設定され、弾性力が少ない部材、或いは比較的厚肉な部材で形成されている場合には幅寸法は幅広に設定される。
このように、連結固定部及びチューブ体の先端側所定側面に、先端面より所定長さ寸法の切り欠き部を設け、この切り欠き部から挿入具の可撓管部を導出させることによって、挿入具挿入部の可撓管部の先端部の位置を内視鏡の先端部先端面より所定量後退させて、湾曲部の湾曲半径を小径にすることなく、先端部先端面から挿入具の先端部までの距離を処置に最適な距離に設定することができる。
なお、図55の先端部先端面から挿入具の先端部までの距離を処置に最適な距離に設定することが可能で、かつ挿入具の処置具チャンネル内に導入されている処置具の進退移動をスムーズに行える内視鏡治療装置を構成する外付けチューブの他の構成を説明する斜視図に示される外付けチューブ5Iに示すように連結固定部50Iに連通固定されるチューブ体5bの側部に側孔で構成される挿入具導出口69を設けるようにしてもよい。このことによって、適宜、挿入具導出口69から挿入具を導出させることによって、挿入具挿入部の可撓管部の先端部の位置を内視鏡の先端部先端面より所定量後退させて、湾曲部の湾曲半径を小径にすることなく、先端部先端面から挿入具の先端部までの距離を処置に最適な距離に設定することができる。
また、上述した外付けチューブ5乃至外付けチューブ5Iにおいては、チューブ体5bの基端部には着脱式の気密栓が設けられている。ここで、図56を参照して気密栓及びその作用を説明する。
図56は外付けチューブを構成するチューブ体の基端部に配設された基端部構成部材を説明する図である。
図に示すように連結固定部に設けられている処置具挿通孔53に連通固定されたチューブ体5bの基端部には基端部構成部材130が設けられている。基端部構成部材130の処置具導入孔131には前記挿入具1や断面形状が略T字形状の気密栓132が挿通配置されるようになっている。
基端部構成部材130は、基端部本体133と、基端部本体133に螺合固定される処置具導入部134とで構成されている。基端部本体133は例えば樹脂製の管状部材であり、雌ねじ135を内周面に設けた凹部136と、この凹部136に連通する貫通孔137とを備えている。貫通孔137の内面はチューブ体が配置されるテーパー面として形成されている。
一方、処置具導入部134は例えば樹脂製の管状部材であり、貫通孔137の内面にチューブ体5bを密着配置させるテーパー外周面を有する先端押圧部138と、凹部136の雌ねじ135に螺合する雄ねじ139を設けた中間部140と、挿入口となる基端太径部141とで構成されている
基端太径部141には凹部142が設けられており、この凹部142の開口端側には雌ねじ143が形成されている。凹部142内には例えば複数の環状のゴム弁144と、環状の弁抑え部材145とが配置されるようになっている。開口端側に配置される弁抑え部材144eの外周面には雌ねじ143に螺合する雄ねじ146が形成されている。
本実施形態の基端部構成部材130の処置具導入孔131に気密栓132を挿通配置することによって、気密栓132の軸部147の側面にゴム弁144が密着配置される。
このように、気密栓132が基端部構成部材130に取り付けられることによって、挿入具1等の処置具がチューブ体5b内に挿通されていない状態において、体腔内と外部とが連通状態になることを確実に防止することができる。したがって、体内の空気が外部に漏れ出ること等が防止される。
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。