JP2006296150A - ステータ及びその製造方法 - Google Patents

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裕 小松
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Abstract

【課題】コア及びコイルを保護しつつ、コイルのプレス加工を行ってコイルの占積率を向上させることができるステータ及びその関連技術を提供する。
【解決手段】圧粉磁性体により形成された分割コア3のティース部13とコイル5との間に、複数層7a,7bからなる絶縁性の挿入材7が介挿され、コイル5をティース部13に外装した状態でプレス加工し、占積率向上が図られる。挿入材7の第1層7aのヤング率がコイル5の導体材料のヤング率以上に設定されており、第2層7bのヤング率がコイル5の導体材料のヤング率未満に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、コアのティース部にコイルを外装した状態で、コイルのプレス加工を行うステータ及びその関連技術に関する。
従来の技術としては、コイルの占積率向上のため、コイルをコアのティース部に外装した状態で、コイルにプレス加工を施す技術がある。なお、本願発明の関連技術としては、特許文献1に記載のものがある。
特表2003−507991号公報
しかしながら、コアのティース部にコイルを外装した状態で、コイルに対するプレス加工を単純に行うと、図4に示すように、コイル101とティース部103との当接部において、コイル線材101aの円弧状の外周部とティース部103の表面とがプレス時に略断面点状の接触面積で局所的に押し付け合わされることとなり、局所的に大きな応力や、衝撃がティース部103及びコイル線材101aに加わることとなる。このため、プレス時の応力や、衝撃等によりコアが破損するおそれがあるとともに、コイル101の絶縁膜も破損するおそれもある。コアの破損は、積層鋼板等に比して機械的強度にやや劣る圧粉磁性体をコア材料に用いた場合に特に生じやすくなる。
そこで、本発明の解決すべき課題は、コア及びコイルを保護しつつ、コイルのプレス加工を行ってコイルの占積率を向上させることができるステータ及びその関連技術を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、コアと、前記コアのティース部に外装された状態で、プレス加工されたコイルと、前記コアの少なくとも前記ティース部と前記コイルとの間に介挿され、複数層からなる絶縁性の挿入材とを備える。
また、請求項2の発明では、請求項1の発明に係るステータにおいて、前記挿入材における最も前記ティース部側の層のヤング率が、前記コイルの導体材料のヤング率以上である。
また、請求項3の発明では、請求項1の発明に係るステータにおいて、前記挿入材における最も前記コイル側の層のヤング率が、前記コイルの導体材料のヤング率未満である。
また、請求項4の発明では、請求項2の発明に係るステータにおいて、前記挿入材における最も前記コイル側の層のヤング率が、前記コイルの導体材料のヤング率未満である。
また、請求項5の発明では、請求項1ないし4のいずれかの発明に係るステータにおいて、前記コアの少なくとも前記ティース部は、圧粉磁性体により形成されている。
また、請求項6の発明では、請求項1ないし5のいずれかの発明に係るステータにおいて、前記コアは、1つのティース部を有し、円環状に複数配置されてステータのコアを構成する分割コアである。
また、請求項7の発明では、コアのティース部にコイルを外装した状態で、前記コイルのプレス加工を行うステータの製造方法であって、前記コアの少なくとも前記ティース部と前記コイルとの間に、複数層からなる絶縁性の挿入材を介挿した状態で前記プレス加工を行う。
請求項1に記載の発明によれば、コアの少なくともティース部とコイルとの間に、複数層からなる絶縁性の挿入材が介挿されているため、挿入材の各層のヤング率等を各層ごとに個別に調節することができ、コイルのプレス加工が行われた際にコア及びコイルに加わる応力や、衝撃等を効果的に分散して緩和することができる。その結果、コア及びコイルを保護しつつ、コイルに対するプレス加工を行ってコイルの占積率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、挿入材における最もティース部側の層のヤング率がコイルの導体材料のヤング率以上に設定されているため、プレス加工時にコイル側からコアに加わる応力等を効果的に分散して緩和し、コアを保護することができる。
請求項3及び4に記載の発明によれば、挿入材における最もコイル側の層のヤング率がコイルの導体材料のヤング率未満に設定されているため、プレス加工時に挿入材のコイル側の層がコイル線材を包み込むように弾性変形してクッションとして機能し、これによって、コイルに加わる応力等を効果的に分散して緩和し、コイルを保護することができる。
請求項5に記載の発明によれば、圧粉磁性体を用いることによるコアのティース部等の成形容易性を確保しつつ、コイルのプレス加工時の応力からコアのティース部等を保護することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ステータコアを分割コアで構成することにより、隣接する隣のティース部が邪魔になることなく、巻線機による分割コアへのコイル巻きを行うことができるため、コイル巻きを容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、コアの少なくともティース部とコイルとの間に介挿した挿入材の各層のヤング率等を各層ごとに個別に調節することができ、コイルのプレス加工が行われた際にコア及びコイルに加わる応力や、衝撃等を効果的に分散して緩和することができる。その結果、コア及びコイルを保護しつつ、コイルに対するプレス加工を行ってコイルの占積率を向上させることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るステータ(分割ステータ)の製造工程を示す図であり、図2は分割コアのティース部の外周部における挿入材が介挿された部分の断面図である。本実施形態に係るステータは、例えばハイブリッド自動車、電気自動車の駆動モータに適用される。
本実施形態に係る分割ステータ1は、図1に示すように、分割コア3と、コイル5と、挿入材7とを備えており、モータの周方向に円環状に複数配列されてステータを構成する。
分割コア3は、ヨーク部11と、1つのティース部13と、ツバ部15とを備え、金属磁性粉末(例えば、鉄粉)、又は所定の被膜(例えば、燐酸化合物被膜)で覆った金属磁性粉末(例えば、鉄粉)を樹脂で結合した圧粉磁性体により一体に形成されている。圧粉磁性体の結合用樹脂としては、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、可溶性ポリイミド若しくはさらに他の樹脂、又はこれらの混合物などが用いられる。分割コア3の形成は、圧粉磁性体材料を所定の成型用の型に充填して加圧、圧縮した後、加熱処理することにより行われる。
コイル5は、銅等により形成された断面丸形の導体部の外周に絶縁膜が設けられた構成であり、ティース部13の外周部に外装される。コイル5のティース部13へのコイル巻きは、巻線機を用いて行われる。そして、コイル5は、占積率向上のため、ティース部13に外装された状態で、図1に示すようにパンチ17により矢印A方向に圧縮(プレス加工)されている。
挿入材7は、図1及び図2に示すように、絶縁性を有する複数層(例えば、2層)7a,7bからなり、分割コア3の外周部、ヨーク部11のモータ径方向内方側の面及びツバ部15のモータ径方向外方側の面を覆うようにして、分割コア3のコイル5と対向する部分とコイル5との間に介挿されている。
挿入材7を構成する最もティース部13側の層である第1層7aは、コイル5の導体材料(例えば、銅)のヤング率以上のヤング率を有する絶縁材料(例えば、樹脂)により形成されており、最もコイル5側の層である第2層7bは、コイル5の導体材料のヤング率未満のヤング率を有する絶縁材料(例えば、樹脂)により形成されている。このような挿入材7の各層7a,7bは、例えばPPSによって形成され、例えばガラス材の添加量を調節することによりヤング率が所定の値に調節される。
また、このような挿入材7は、例えば図3に示すように、モータの径方向に沿った分割面で2つの分割体21,23に分割されており、分割コア3の外周部を2つの分割体21,23で挟み込むようにして、分割コア3に装着されるようになっている。この場合、挿入材7を接着剤等の固着手段で分割コア3に固着するようにしてもよい。
次に、分割ステータ1の製造工程について説明する。まず、上述の如く、圧粉磁性体材料を用いて分割コア3が形成され、続いて図3に示すように、分割コア3の外周部に挿入材7が装着される。続いて、分割コア3のティース部13の外周に、挿入材7の上からコイル線材5aが巻回されてコイル5が形成される。続いて、図1に示すように、パンチ17によりコイル5が圧縮され、これによってコイル5の占積率が高められる。
このように、分割コア3のティース部13とコイル5との間に、複数層7a,7bからなる絶縁性の挿入材7が介挿されているため、挿入材7の各層7a,7bのヤング率を各層7a,7bごとに個別に調節することができ、コイル5のプレス加工が行われた際に分割コア3及びコイル5に加わる応力や、衝撃等を効果的に分散して緩和することができる。その結果、分割コア3及びコイル5を保護しつつ、コイル5に対するプレス加工を行ってコイル5の占積率を向上させることができる。しかも、圧粉磁性体を用いることによる分割コア3の成形容易性を確保しつつ、コイル5のプレス加工時の応力から分割コア3を保護することができるようになっている。
また、挿入材7の第1層7aのヤング率がコイル5の導体材料のヤング率以上に設定されているため、プレス加工時にコイル5側から分割コア3に加わる応力等を効果的に分散して緩和し、分割コア3を保護することができる。
また、挿入材7の第2層7bのヤング率がコイル5の導体材料のヤング率未満に設定されているため、プレス加工時に挿入材7の第2層7bがコイル線材5aを包み込むように弾性変形してクッションとして機能し、これによって、プレス加工時にコイル5に加わる応力等を効果的に分散して緩和し、コイル5を保護することができる。
また、ステータコアを分割コア3で構成することにより、隣接ティース部13が邪魔になることなく、巻線機による分割コア3へのコイル巻きを行うことができるため、コイル巻きを容易に行うことができる。
なお、上述の実施形態では、分割コア3を圧粉磁性体により形成したが、積層鋼板、フェライト等により形成してもよい。
また、上述の実施形態では、分割ステータ1によりステータを構成したが、本実施形態に係る技術を非分割タイプのステータに適用してもよい。
本発明の一実施形態に係るステータ(分割ステータ)の製造工程を示す図である。 分割コアのティース部の外周部における挿入材が介挿された部分の断面図である。 挿入材の分割コアへの取付工程を示す図である。 従来のステータのティース部外周におけるコイルとの当接部の断面図である。
符号の説明
1 分割ステータ
3 分割コア
5 コイル
7 挿入材
7a,7b 層
11 ヨーク部
13 ティース部
15 ツバ部
17 パンチ

Claims (7)

  1. コアと、
    前記コアのティース部に外装された状態で、プレス加工されたコイルと、
    前記コアの少なくとも前記ティース部と前記コイルとの間に介挿され、複数層からなる絶縁性の挿入材と、
    を備えることを特徴とするステータ。
  2. 請求項1に記載のステータにおいて、
    前記挿入材における最も前記ティース部側の層のヤング率が、前記コイルの導体材料のヤング率以上であることを特徴とするステータ。
  3. 請求項1に記載のステータにおいて、
    前記挿入材における最も前記コイル側の層のヤング率が、前記コイルの導体材料のヤング率未満であることを特徴とするステータ。
  4. 請求項2に記載のステータにおいて、
    前記挿入材における最も前記コイル側の層のヤング率が、前記コイルの導体材料のヤング率未満であることを特徴とするステータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のステータにおいて、
    前記コアの少なくとも前記ティース部は、圧粉磁性体により形成されていることを特徴とするステータ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のステータにおいて、
    前記コアは、1つのティース部を有し、円環状に複数配置されてステータのコアを構成する分割コアであることを特徴とするステータ。
  7. コアのティース部にコイルを外装した状態で、前記コイルのプレス加工を行うステータの製造方法であって、
    前記コアの少なくとも前記ティース部と前記コイルとの間に、複数層からなる絶縁性の挿入材を介挿した状態で前記プレス加工を行うことを特徴とするステータの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008131811A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Sumitomo Electric Ind Ltd モータ用分割コア
DE102008010231A1 (de) * 2008-02-21 2009-08-27 Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. Kommanditgesellschaft, Würzburg Verfahren zum Erhöhen des Nutfüllfaktors eines mit einer Wicklung versehenen Stators eines elektromotorischen Antriebs
JP2015149869A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 株式会社デンソー 回転電機の固定子
JP2016165224A (ja) * 2016-06-17 2016-09-08 株式会社デンソー 回転電機の固定子

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