JP2006296032A - 電力変換器 - Google Patents

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康彦 西
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Abstract

【課題】複数の半導体スイッチング素子を備える場合に、各半導体スイッチング素子の性能バラツキを抑制して安定的な動作を実現する。
【解決手段】インバータ装置11に使用される半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの性能バラツキのうち、ゲート閾値電圧と漏れ電流に着目し、一定周期毎に、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cのゲート電圧を増減しながら、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに流れる漏れ電流を抵抗器19a〜19cで検出する。漏れ電流が発生し始める時点、または漏れ電流がなくなる時点のゲート電圧をゲート閾値電圧として検出し、このゲート閾値電圧にマージン分をシフトさせて最適駆動電圧を導出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧側及び低圧側に2個以上の半導体スイッチング素子がそれぞれ接続されるとともに、各高圧側の半導体スイッチング素子と各低圧側の半導体スイッチング素子とが接続され、高圧側の半導体スイッチング素子と低圧側の半導体スイッチング素子との接続点が負荷に接続された電力変換器に関する。
近年、環境意識の高まりからガソリンエンジンとモータの双方を動力源として用いるハイブリッド自動車(HEV)が注目されている。これらのHEVをはじめとして電気自動車においてもモータを駆動するためにインバータ装置が用いられている。
図6は一般的なインバータ装置1を示すブロック図である。この図6に示したインバータ装置1は、車両走行用の三相交流電動機であるモータ2を駆動する三相インバータであって、例えばNチャネルのパワーMOSFETが使用された6つの半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cを有して構成されている。
ハイアーム側半導体スイッチング素子3a,3b,3cのドレインは電源Bのプラス(+)側に共に接続され、同じくその各ソースはそれぞれ同相のローアーム側半導体スイッチング素子4a,4b,4cの各ドレインに接続されている。また、ローアーム側半導体スイッチング素子4a,4b,4cのソースは共に電源Bのマイナス(−)側に接続されている。そして、ハイアーム側半導体スイッチング素子3a,3b,3cの各ソースとローアーム側半導体スイッチング素子4a,4b,4cの各ドレインとの接続点の電圧が、モータ2のU相、V相及びW相の各相に接続される。
そして、これらの各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cは、制御回路5からそれぞれのゲート端子に与えられる制御信号に応じたタイミングでオンオフする。
尚、各半導体スイッチング素子3a,3b,3c,4a,4b,4cとしては、一般的なインバータで使用されているものであれば図6のようなパワーMOSFETに限られず、パワー接合トランジスタまたはIGBTなどの他の半導体スイッチング素子が使用されることもある。
ここで、インバータ装置1において発生する電力損失は、ほとんどが半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cにおける電力損失に等しい。
そこで、HEVの燃費改善を目的として、半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cにSiCやGaNといったWBG(ワイドバンドギャップ)半導体を利用する動きがある。
このように、半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cにSiCやGaNといったWBG(ワイドバンドギャップ)半導体を利用する場合、Si半導体を利用する場合と異なり、製造時に高温環境が必要になるため、エピタキシャル成長工程等において安定的に製造することが困難である。このため、製造した半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cについても、その特性の個体差や特性変動が大きくなってしまう傾向にある。
例えば、各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cの特性のひとつとしてゲート閾値電圧がある。このゲート閾値電圧とは、各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cのゲートに印加する電圧と各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cを流れる電流との関係において、規定した一定値以上の電流が流れる時のゲート電圧のことを言う。
一般に、ノーマリー・オンの半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cであれば、ゲートに電圧を印加しない時にオン状態となり、ゲートにマイナス(もしくはプラス)のゲート閾値電圧以上(以下)の電圧をかけた時にオフとなる。
ただし、ゲート閾値電圧の近傍では、半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cに微少な電流が流れることになるため、各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cを完全にオフするためには、できるだけ高い電圧を印加する必要があるが、余り高い電圧を印加すると、ゲート〜ソース間でブレークダウンをおこしてしまい、素子を破損する可能性がある。
また、ゲート電圧が低く完全にオフしない場合には、漏れ電流による効率の低下や、素子破損に至る可能性がある(尚、ここでの説明においては、ゲート電圧の高い・低いは正負符号を考慮せずに絶対値の意で表記している)。
このような状況で、各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cのゲート閾値電圧に個別のバラツキが存在すると、図6に示したインバータ装置1において、各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cのゲート閾値電圧等の特性性能バラツキが大きくなってしまう。
したがって、最適な制御電圧で各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cを駆動しようとする場合、ゲート閾値電圧の特性が揃った半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cを選択して実装する必要があるが、その場合はインバータ装置1の製造段階でのデバイス管理に手間がかかってしまう。
また、これらのゲート閾値電圧は温度によっても変動するため、室温では最適なゲート制御電圧であっても、使用時の温度上昇により、最適な電圧が変動するといった問題もある。
このような問題点を解決するためには、各半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cにて発生する漏れ電流を検出する方法が考えられる。
例えば、特許文献1においては、必ずしもWBG半導体を用いた技術ではないものの、電力変換用の半導体スイッチング素子のゲート漏れ電流を検出し、装置の使用開始時の漏れ電流を基準にして、その大きさが一定値以上変化したとき、異常の兆候を示す素子異常検出信号を出力する技術が開示されている。
特開2003−070231号公報
特許文献1においては、半導体スイッチング素子3a〜3c,4a〜4cの性能バラツキにより漏れ電流が発生した場合に、その旨を検出することができるものの、その場合にはインバータ装置1を停止するしか方法がなく、漏れ電流が発生した後に正常な安定動作を行うことができなかった。
そこで、本発明の課題は、複数の半導体スイッチング素子を備える場合に、各半導体スイッチング素子の性能バラツキを抑制して安定的な動作を実現することが可能な電力変換器を提供することにある。
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、高圧側及び低圧側に2個以上の半導体スイッチング素子がそれぞれ接続されるとともに、各高圧側の前記半導体スイッチング素子と各低圧側の前記半導体スイッチング素子とが接続され、前記高圧側の前記半導体スイッチング素子と前記低圧側の前記半導体スイッチング素子との接続点が負荷に接続された電力変換器であって、前記各半導体スイッチング素子と、前記接続点と低圧側との間に接続された抵抗器と、前記抵抗器の両端電圧に基づいて、前記各半導体スイッチング素子にて発生する漏れ電流を検出する検出回路と、前記検出回路で検出された前記漏れ電流の値に基づいて前記各半導体スイッチング素子の駆動電圧を個別に制御して、前記各半導体スイッチング素子の漏れ電流を低減させる電圧制御回路とを備えるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換器であって、前記電圧制御回路が、前記駆動電圧を変化させながら、当該駆動電圧の変化に応じて前記抵抗器の前記両端電圧が変化するか否かを検知し、その検知結果に基づいて、前記各半導体スイッチング素子の閾値電圧を検出するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電力変換器であって、前記電圧制御回路が、予め設定したマージン分を前記閾値電圧からシフトさせた電圧を最適駆動電圧として設定するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の電力変換器であって、前記電圧制御回路が、一定周期毎に前記各半導体スイッチング素子の閾値電圧を検出するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電力変換器であって、前記半導体スイッチング素子がワイドバンドギャップ半導体素子である。
請求項1に記載の発明の電力変換器では、高圧側の半導体スイッチング素子と低圧側の半導体スイッチング素子との接続点と低圧側との間に抵抗器を接続し、この抵抗器の両端電圧に基づいて、各半導体スイッチング素子にて発生する漏れ電流を検出し、その漏れ電流に応じて、各半導体スイッチング素子の駆動電圧を個別に制御することで、前記各半導体スイッチング素子の漏れ電流を低減できるので、一旦漏れ電流が発生した後にも、正常な安定動作を継続できる。したがって、従来のように閾値電圧の特性が揃った半導体スイッチング素子を選択しなくてもよくなり、電力変換器の製造段階でのデバイス管理が容易となる。また、各半導体スイッチング素子の閾値電圧が温度によって変動しても、かかる閾値電圧の変化に容易に対応して駆動電圧を与えることが可能となる。
請求項2に記載の発明の電力変換器では、電圧制御回路で各半導体スイッチング素子の駆動電圧を変化させながら、当該駆動電圧の変化に応じて抵抗器の両端電圧が変化するか否かを検知し、その検知結果に基づいて、各半導体スイッチング素子の閾値電圧を検出するので、各半導体スイッチング素子の漏れ電流が生じない駆動電圧のレベルを容易に検知することができ、その検知結果に基づいて各半導体スイッチング素子の漏れ電流を容易に防止できる。
請求項3に記載の発明の電力変換器では、各半導体スイッチング素子の閾値電圧から最適な駆動電圧を容易に求めることができ、安定した半導体スイッチング素子の駆動が可能となる。
請求項4に記載の発明の電力変換器では、一定周期毎に前記各半導体スイッチング素子の閾値電圧を検出するので、温度等の環境変化によって閾値電圧が変動しても、常に上記各半導体スイッチング素子の最適駆動電圧を設定することが可能となる。
請求項5に記載の発明の電力変換器では、性能が安定しにくいSiCやGaNといったワイドバンドギャップ半導体に対して、漏れ電流を確実に且つ容易に防止することができる。
<構成>
図1は本発明の一の実施の形態に係る電力変換器を示すブロック図である。この電力変換器は、例えばハイブリッド自動車(HEV)の走行用の三相駆動用のモータ13を駆動するためのインバータ装置11を有するものであって、図1の如く、インバータ装置11のハイアーム側(高圧側)半導体スイッチング素子15a,15b,15cが電源Bのプラス(+)側に共に接続され、ローアーム側(低圧側)半導体スイッチング素子17a,17b,17cが電源Bのマイナス(−)側に共に接続されている。また、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aと第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aとが接続された接続点P1は、モータ13のU相に接続され、第2のハイアーム側半導体スイッチング素子15bと第2のローアーム側半導体スイッチング素子17bとが接続された接続点P2は、モータ13のV相に接続され、第3のハイアーム側半導体スイッチング素子15cと第3のローアーム側半導体スイッチング素子17cとが接続された接続点P3は、モータ13のW相に接続される。かかるインバータ装置11は、基本的に図6に示した従来のインバータ装置1と同様である。
そして、各相に対応した半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの各接続点P1〜P3に、漏れ電流検知用の抵抗器19a〜19cを接続し、この各抵抗器19a〜19cの両端電圧を電圧検出回路(検出回路)21で検出して、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cで発生する漏れ電流の値を検知するとともに、ゲート電圧制御回路(電圧制御回路)23から各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに与えるゲート電圧を変化させながら、そのときに電圧検出回路21で検出された各抵抗器19a〜19cの両端電圧に基づいて各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cのゲート閾値電圧を求め、このゲート閾値電圧に応じた最適なゲート電圧を求めて、ゲート電圧制御回路23から各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに与えるゲート電圧を最適な電圧値に調整することで、当該半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの漏れ電流を低減させるようになっている。
具体的に、この電力変換器は、インバータ装置11と、このインバータ装置11の各相におけるハイアーム側とローアーム側の中間接続点に接続された抵抗器19a〜19cと、電圧検出回路21と、ゲート電圧制御回路23とを備える。
インバータ装置11の各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cは、SiCやGaNといったワイドバンドギャップ半導体からなるパワーMOSFETが使用される。ただし、この半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cとして、パワーMOSFETの他、パワー接合トランジスタまたはIGBTなどの他の半導体スイッチング素子が使用されても差し支えない。各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの接続関係は上記した通りであるため、ここではその説明を省略する。
各抵抗器19a〜19cの一端は、各相(U相、V相及びW相)に対応した半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの各接続点P1〜P3にそれぞれ接続され、各抵抗器19a〜19cの他端は、電源Bのマイナス(−)側に共通に接続される。これにより、各相の半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに漏れ電流が発生した際に、各抵抗器19a〜19cの両端電圧を検出することで、電圧検出回路21によって漏れ電流の値を検出することが可能となる。
尚、この電力変換器では、モータ13の駆動ラインからの分流抵抗となる第1〜第3の抵抗器19a〜19cを設置しているため、モータ13の駆動時に、各抵抗器19a〜19cによって無駄な電力を発生させるが、各抵抗器19a〜19cの抵抗値を10kΩ以上に設定しておくことで、両端電圧を計測するために流れる電流を数μA〜数mA程度に抑制することができる。この場合、モータ駆動時にはステータコイルの抵抗値が数mΩ程度と各抵抗器19a〜19cの抵抗値に比べて十分に小さくなることから、各抵抗器19a〜19cで発生する電力損失を、無視できる程度に抑制することができる。
電圧検出回路21は、アナログ入力回路を備えた電子制御部品であって、各抵抗器19a〜19cの両端電圧が入力されると、この両端電圧をデジタル信号に変換してデータ信号としてゲート電圧制御回路23に出力するようになっている。尚、電圧検出回路21で検出される両端電圧の値は、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに発生している漏れ電流の値との相関があることから、電圧検出回路21で検出された両端電圧の値が、漏れ電流に相関する値としてゲート電圧制御回路23に出力されることになる。
ゲート電圧制御回路23は、電圧検出回路21で検出された各抵抗器19a〜19cの両端電圧に基づいて、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに与えるゲート電圧を最適な電圧値に調整しながら、当該各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cのオンオフ制御を行う。このゲート電圧制御回路23は、ROMおよびRAM等のメモリと、このメモリに接続されたCPU(マイクプロセッサ)とを備えた論理演算回路を有しており、予めメモリ内に格納された所定のソフトウェアプログラムによって動作する機能部品である。このソフトウェアプログラムによって規定されるゲート電圧制御回路23の動作機能は後述の通りである。
<動作>
ゲート電圧制御回路23による各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cのゲート電圧の調整動作を説明する。尚、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cとして、ゲートにマイナスのゲート閾値電圧以上の電圧をかけた時にオフとなるノーマリー・オンの半導体が使用されていることを前提として説明を行う。
ゲート電圧制御回路23は、予めメモリ内に格納された所定のソフトウェアプログラムによって以下の動作を実行する。まず、図1において、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cをオフにし、モータ13が完全に静止した状態で、各ハイアーム側半導体スイッチング素子15a〜15cや各ローアーム側半導体スイッチング素子17a〜17cに電流が発生していると、それぞれ対応する各抵抗器19a〜19cの両端に電圧が発生する。この各抵抗器19a〜19cの両端電圧を電圧検出回路21で検出する。この電圧検出回路21で検出される両端電圧の値は、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに発生している漏れ電流の値との相関があることから、電圧検出回路21で検出された両端電圧の値が、漏れ電流に相関する値としてゲート電圧制御回路23に出力される。
ここでは、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aと第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート電圧の調整を例に挙げて説明する。図2中のステップS01において、電圧検出回路21からの信号に基づいて、ゲート電圧制御回路23は、第1の抵抗器19aの両端に電圧が発生しているか、即ち、第1の半導体スイッチング素子15aに漏れ電流が発生しているか否かを判断する。そして、第1の抵抗器19aの両端電圧がゼロである場合は、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aに漏れ電流が発生していないことになる。逆に、第1の抵抗器19aの両端電圧がゼロを超えている場合は、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aに漏れ電流が発生していることになる(ステップS02)。このようにすることで、第1の半導体スイッチング素子15aの漏れ電流を検出することができる。
ところで、上記のステップS02で、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aに漏れ電流が発生していると判断した場合において、さらに、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aだけでなく第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aにも漏れ電流が発生している場合があり得る。この場合には、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aの漏れ電流の少なくとも一部が第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aに流れ込むため、第1の抵抗器19aへ流れる電流は、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aの漏れ電流値よりも小さい値となる。
あるいは、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aのみに漏れ電流が発生しており、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aには漏れ電流が発生していない場合もあり得る。
このような様々な状態を考慮して、以下の手順で各半導体スイッチング素子15a,17aでの漏れ電流の検出を行う。
まず、上記のステップS01で、第1の抵抗器19aの両端電圧がゼロの場合、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aに漏れ電流が発生していないと判断し(図2中の符号Aの場合)、図3中のステップS11に進み、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aに意図的に漏れ電流を発生させる目的で、ゲート電圧制御回路23により、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aのゲート電圧(マイナスの電圧)を減少(さらにマイナス方向へ電圧を変化)させる。このゲート電圧の減少は、電圧検出回路21での検出結果を監視しながら実行される。そして、第1の抵抗器19aの両端電圧が上昇し始めた時点で、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aに漏れ電流が発生し始めたと判断し(ステップS12)、次のステップS13に進む。
尚、図2中のステップS01で、第1の抵抗器19aの両端電圧がゼロより大きい場合は、ステップS02で、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aに漏れ電流が発生していると判断し、図3中のステップS11及びステップS12の処理は省略して、図2中の符号Bからそのまま図3中のステップS13に進む。
ステップS13では、ゲート電圧制御回路23により、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート電圧(マイナスの電圧)を増加(ゼロ電圧に向かう方向に変化)させ始め、第1の抵抗器19aの電圧変動を監視する(ステップS14)。
ここで、ステップS14において、第1の抵抗器19aの両端電圧が変動する場合、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aに漏れ電流が発生していることが分かるため、次のステップS15に進んで、漏れ電流を防止できるゲート電圧の値を検出することを目的として、さらに第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート電圧を増大させる。この第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート電圧の増大は、第1の抵抗器19aの両端電圧の変動が無くなるまで(即ち、漏れ電流が防止されるまで)行われる(ステップS16)。
そして、ステップS16において、第1の抵抗器19aの両端電圧の変動がなくなった時点(即ち、漏れ電流が防止された時点)で、次のステップS17に進み、この時点での第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート電圧が、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート閾値電圧となる。
そして、ステップS18において、このゲート閾値電圧から一定電圧分のマージンを取って最適なゲート電圧(以下「最適駆動電圧」と称す)とし、ゲート電圧制御回路23に内蔵されたメモリ内に格納する(ステップS19)。しかる後、図4中の符号Dから、後述のステップS31(図5)に進む。
尚、上記したステップS13(図3)のように、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート電圧を変動させても、ステップS14で第1の抵抗器19aの両端電圧が変動しない場合は、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aにて漏れ電流は発生していない。この場合は、図3中の符号Cから図4中のステップS21に進む。
図4中のステップS21では、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aに漏れ電流が発生していない状態であるので、漏れ電流が発生するゲート電圧を検出する目的で、この第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aへのゲート電圧(マイナスの電圧)を減少(さらにマイナス方向へ電圧を変化)させ、ステップS22で、第1の抵抗器19aの両端電圧が変動し始めるゲート電圧(即ち、漏れ電流が発生し始めるゲート電圧)を検出する。そして、この第1の抵抗器19aの両端電圧が変動し始めたときの第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aのゲート電圧の値から、第1の抵抗器19aの電圧が変動しない側へ一定値分のマージンを取った値を、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aの最適駆動電圧とする。かかる最適駆動電圧の値を、ゲート電圧制御回路23に内蔵されたメモリ内に格納し(ステップS25)た後、図4中の符号DからステップS31(図5)に進む。
ステップS31では、まず、上記のステップS19またはステップS25でゲート電圧制御回路23のメモリ内に格納された最適駆動電圧の値に基づいて、第1のローアーム側半導体スイッチング素子17aに対して、漏れ電流が発生することのないゲート電圧を印加する。
かかる状態で、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aのゲート電圧を増大させていき、ステップS32で、第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aのゲート電圧について、第1の抵抗器19aの両端電圧がゼロとなるか否かを検出する。そして、ステップS33で、第1の抵抗器19aの両端電圧がゼロとなった時点の第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aのゲート電圧が、そのゲート閾値電圧であると判断する。さらに、そのゲート閾値電圧の値からさらに一定電圧分だけ高電圧側にマージンを持たせた値を最適駆動電圧とし(ステップS34)、この第1のハイアーム側半導体スイッチング素子15aの最適駆動電圧の値を、ゲート電圧制御回路23に内蔵されたメモリ内に格納する(ステップS35)。
また、上記のステップS01〜S35と同様にして、第2のハイアーム側半導体スイッチング素子15b及び第2のローアーム側半導体スイッチング素子17bと、第3のハイアーム側半導体スイッチング素子15c及び第3のローアーム側半導体スイッチング素子17cについても同様にして最適駆動電圧を設定する。
上記のステップS01〜ステップS35の手順を、一定周期毎に、あるいは例えば自動車が信号で停止する毎などの所定の事象に応じて実施することで、温度等の環境変化によって閾値電圧が変動しても、常に上記各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの最適駆動電圧を設定することが可能となる。
以上のように、この実施の形態では、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの漏れ電流の有無に着目して最適駆動電圧を設定した後、その最適駆動電圧を実現するようにして各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに与えるゲート電圧を調整しながら、当該各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cのオンオフ制御を行うので、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cに性能のバラツキが存在する場合であっても、その性能のバラツキを抑えて安定な動作を実現することが可能となる。即ち、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの性能のバラツキ等によって漏れ電流が発生した後にも、正常な安定動作を継続できるという利点がある。
特に、SiCやGaNといったワイドバンドギャップ半導体を半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cとして使用する場合に、これらのワイドバンドギャップ半導体の性能が安定しにくい現状においては、これらのワイドバンドギャップ半導体の動作を安定化して高信頼性を確保することが可能となる点で有意義である。
尚、上記した実施の形態では、3相モータ駆動のインバータに適用した態様を例示して説明を行ったが、3相以上の多相モータ向けインバータであってもよく、あるいは、Hブリッジ回路に適用しても差し支えない。これらの態様であっても、同様に上記のように漏れ電流に着目して最適駆動電圧を求めることによって、各態様における半導体スイッチング素子(トランジスタ等)の最適駆動電圧を容易に求めて調整することが可能となる点で、上記実施の形態と変わるものではない。
また、上記実施の形態では、ノーマリー・オンの半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cを例に挙げて説明したが、ノーマリー・オフの半導体スイッチング素子に適用しても差し支えない。この場合、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cをオンするために与えるゲート電圧はプラスの電圧となり、上記ステップS01〜S35におけるゲート電圧の増減動作は、全て逆になる。この場合であっても、抵抗器19a〜19cの両端電圧に基づいて、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの漏れ電流を検出することで、各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cの性能のバラツキがあっても、極めて簡単な構成で各半導体スイッチング素子15a〜15c,17a〜17cのゲート電圧を容易に調整できる利点は同様である。
本発明の一の実施の形態に係る電力変換器を示すブロック図である。 本発明の一の実施の形態に係る電力変換器の動作を示すフローチャートである。 本発明の一の実施の形態に係る電力変換器の動作を示すフローチャートである。 本発明の一の実施の形態に係る電力変換器の動作を示すフローチャートである。 本発明の一の実施の形態に係る電力変換器の動作を示すフローチャートである。 従来の電力変換器を示すブロック図である。
符号の説明
11 インバータ装置
13 モータ
15a〜15c ハイアーム側半導体スイッチング素子
17a〜17c ローアーム側半導体スイッチング素子
19a〜19c 抵抗器
21 電圧検出回路
23 ゲート電圧制御回路
P1〜P3 接続点

Claims (5)

  1. 高圧側及び低圧側に2個以上の半導体スイッチング素子がそれぞれ接続されるとともに、各高圧側の前記半導体スイッチング素子と各低圧側の前記半導体スイッチング素子とが接続され、前記高圧側の前記半導体スイッチング素子と前記低圧側の前記半導体スイッチング素子との接続点が負荷に接続された電力変換器であって、
    前記各半導体スイッチング素子と、
    前記接続点と低圧側との間に接続された抵抗器と、
    前記抵抗器の両端電圧に基づいて、前記各半導体スイッチング素子にて発生する漏れ電流を検出する検出回路と、
    前記検出回路で検出された前記漏れ電流の値に基づいて前記各半導体スイッチング素子の駆動電圧を個別に制御して、前記各半導体スイッチング素子の漏れ電流を低減させる電圧制御回路と
    を備える電力変換器。
  2. 請求項1に記載の電力変換器であって、
    前記電圧制御回路が、前記駆動電圧を変化させながら、当該駆動電圧の変化に応じて前記抵抗器の前記両端電圧が変化するか否かを検知し、その検知結果に基づいて、前記各半導体スイッチング素子の閾値電圧を検出することを特徴とする電力変換器。
  3. 請求項2に記載の電力変換器であって、
    前記電圧制御回路が、予め設定したマージン分を前記閾値電圧からシフトさせた電圧を最適駆動電圧として設定することを特徴とすることを特徴とする電力変換器。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電力変換器であって、
    前記電圧制御回路が、一定周期毎に前記各半導体スイッチング素子の閾値電圧を検出することを特徴とする電力変換器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電力変換器であって、
    前記半導体スイッチング素子がワイドバンドギャップ半導体素子である、電力変換器。
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