JP2006295135A - チップ抵抗部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリの形成を抑制して回路基板に実装する際のトラブルを低減させ、且つ回路基板へ実装させたときの位置のばらつきを少なくしたチップ抵抗部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】矩形状の絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に形成した抵抗体5と、絶縁基板1の上面で抵抗体5を介して接続するように形成した一対の表電極2と、絶縁基板1の下面で一対の表電極2と対向する位置に形成した一対の裏電極3と、絶縁基板1の側面で表電極2と裏電極3を接続するように形成した一対の側面電極4と、を備えるチップ抵抗部品において、裏電極3は、絶縁基板1の下面の4隅に非形成部が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は電気回路装置を構成する受動素子として用いるチップ抵抗部品及びその製造方法に関するものである。
従来から、電気回路装置を構成する受動素子としてチップ抵抗部品が用いられている。
従来のチップ抵抗部品としては、矩形状の絶縁基板の上面に抵抗体が形成され、抵抗体を介して接続するように形成された一対の表電極に、側面に形成される側面電極を介して下面に形成される一対の裏電極を接続した構造のものが知られている。
上記チップ抵抗部品を用いた場合、一対の裏電極を外部端子として回路基板に面実装することができる。
また上記チップ抵抗部品の製造方法としては、例えば、上面若しくは下面に縦横の分割溝が複数形成された大型絶縁基板を準備する工程、大型絶縁基板の上面に、抵抗体及び表電極を形成し、下面に、裏電極を形成する工程、大型絶縁基板を分割溝に沿って分割して絶縁基板を複数個形成する工程、各絶縁基板の側面に表電極と裏電極とを接続させる側面電極をそれぞれ形成する工程を含む方法が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−77001号公報
しかしながら上記チップ抵抗部品は、表電極若しくは裏電極にバリがよく形成されていた。バリが形成されたチップ抵抗部品は、回路基板に実装する際にトラブルを発生させる。
従来のチップ抵抗部品では、大型絶縁基板に分割溝が形成されているものの、表電極若しくは裏電極には金属成分の延性があり、また分割溝を跨ぐように形成されるため、特に4隅においてバリが発生しやすいものであった。他方で、バリを形成しないように分割溝を跨がない電極を形成したものでは、裏電極を形成した位置が多少なりともずれるため、回路基板へ実装させたときの位置がばらついたものとなる。
本発明は上記欠点に鑑み案出されたものであり、その目的は、バリの形成を抑制して回路基板に実装する際のトラブルを低減させ、且つ回路基板へ実装させたときの位置のばらつきを少なくしたチップ抵抗部品及びその製造方法を提供することにある。
本発明のチップ抵抗部品は、矩形状の絶縁基板と、該絶縁基板の上面に形成した抵抗体と、前記絶縁基板の上面で前記抵抗体を介して接続するように形成した一対の表電極と、前記絶縁基板の下面で前記一対の表電極と対向する位置に形成した一対の裏電極と、前記絶縁基板の側面で前記表電極と裏電極を接続するように形成した一対の側面電極と、を備えるチップ抵抗部品において、前記裏電極は、前記絶縁基板の下面の4隅に非形成部が設けられていることを特徴とするものである。
また本発明のチップ抵抗部品は、前記側面電極は、前記絶縁基板の対向する一対の側面に形成されており、前記裏電極は、前記絶縁基板の下面と他の一対の側面との稜線に到達するように形成されていることを特徴とするものである。
本発明のチップ抵抗部品の製造方法は、下面に縦横の分割溝が平行に複数形成され、該分割溝により矩形状に区画された複数の絶縁基板領域を有する大型絶縁基板を準備する工程Aと、前記各絶縁基板領域の上面に、抵抗体及び該抵抗体を介して接続する一対の表電極を形成し、前記各絶縁基板領域の下面に、前記表電極と対向する位置に配設する一対の裏電極を形成する工程Bと、前記大型絶縁基板を、少なくとも前記分割溝の一方に沿って分割する工程Cと、前記各絶縁基板の対向する一対の側面に、前記表電極と前記裏電極とを接続させる一対の側面電極をそれぞれ形成する工程Dと、を含むチップ抵抗部品の製造方法において、工程Bの際に、前記裏電極は、前記大型絶縁基板の下面で、前記分割溝の交点に非形成部が設けられていることを特徴とするものである。
また本発明のチップ抵抗部品の製造方法は、工程Bの際に、前記裏電極は、前記分割溝の他方に到達するように形成されることを特徴とするものである。
本発明のチップ抵抗部品によれば、裏電極は、絶縁基板の下面の4隅に非形成部が設けられていることから、外部の回路基板に半田付け等により実装した際にチップ抵抗部品が受ける応力の影響を小さくでき、チップ抵抗部品の破損防止や実装の安定性向上に供することができる。
他方、裏電極は、側面電極が形成された側面と隣接する他の一対の側面と絶縁基板の下面との稜線に到達するように形成されていることから、裏電極を形成した位置が多少ずれたとしても裏電極の外縁は絶縁基板の稜線と一致するので、回路基板へ実装させたときの位置のばらつきを少なくすることができる。
また本発明のチップ抵抗部品の製造方法によれば、大型絶縁基板を分割溝に沿って分割する際、裏電極のバリの形成が抑制されるので、回路基板への実装を安定化することができる。
以下に、本発明のチップ抵抗部品を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るチップ抵抗部品の外観斜視図であり、図2は図1のチップ抵抗部品を下方から見た平面図である。同図に示すチップ抵抗部品は、絶縁基板1の表面に、表電極2、裏電極3、抵抗体5及び側面電極4が形成されたものである。
絶縁基板1は矩形状に形成されており、材料としては、例えばアルミナセラミックス等が用いられる。本実施形態のチップ抵抗部品は、例えば、長辺が0.6mm、短辺が0.3mm、高さが0.3mmに設計されたものである。
抵抗体5は、材料としては、例えば酸化ルテニウムなどの金属酸化物等を含む抵抗体材料が用いられ、厚みは5〜15μmに設定される。
表電極2は絶縁基板1の上面に一対形成されており、上記抵抗体5を介して接続される。材料としては、例えばAg単体又はAg−PdなどのAg合金等が用いられ、厚みは5〜15μmに設定される。
裏電極3は絶縁基板1の下面で、上記表電極と対向する位置に一対形成されている。材料及び厚みは上記表電極2と同様に設定される。
側面電極4は絶縁基板1の一対の側面に形成され、上記表電極2と裏電極3を接続する。材料は上記表電極2と同様に設定され、厚みは、例えば0.5〜50μmの範囲内で適宜設定される。尚、上記表電極2、裏電極3及び側面電極4の表面には、Niメッキ膜やハンダメッキ膜が形成される。
抵抗体5に形成されたトリミング溝9は、抵抗体の抵抗値を調整するために設けられたものであり、底には絶縁基板1が露出し、幅は30〜70μmに設定される。
また抵抗体5を覆うようにガラス膜6が形成されている。ガラス膜6は、材料としては、例えばホウ珪酸系ガラス、硼珪酸鉛系ガラス等のガラス材料が用いられ、厚みは8〜30μmに設定される。
本実施形態のチップ抵抗部品において、図2に示す如く裏電極3には、絶縁基板1の下面の4隅に非形成部11が設けられている。このように絶縁基板1の下面4隅に非形成部11を設けることによって、外部の回路基板に半田付け等により実装した際にチップ抵抗部品が受ける応力の影響を小さくでき、チップ抵抗部品の破損防止や実装の安定性向上に供することができる。
裏電極3の非形成部11は、少なくとも下面4隅の角部を含む領域に形成されていればよく、図2(a)〜図2(c)に示す如く、円弧状、矩形状、三角状など種々の形状が可能である。
また裏電極3の非形成部11は、一方の裏電極と他方の裏電極とで非対称の形状にしてもよい。
また、側面電極4は、絶縁基板1の対向する一対の側面に形成されており、裏電極3は、絶縁基板1の下面と他の一対の側面との稜線に到達するように形成されている。このため裏電極3を形成した位置が多少ずれたとしても裏電極3の外縁は絶縁基板1の稜線と一致するので、回路基板へ実装させたときの位置のばらつきを少なくすることができる。
本実施形態のチップ抵抗部品は、以下の製造方法を用いて製造される。
(工程A)先ず、下面に縦横の分割溝7,8が平行に複数形成された大型絶縁基板10を準備する。図3(a)は大型絶縁基板10の一部を拡大し下方から見た平面図である。大型絶縁基板10には、複数の絶縁基板領域が、分割溝7,8により矩形状に区画されている。
上記大型絶縁基板10は、例えばセラミックグリーンシート法を用いて形成する。具体的には、アルミナセラミックを主成分とした無機粉末を有機バインダ中に分散させて成るセラミックグリーンシートに、金型等を用いて下面に縦横の分割溝7,8を複数形成し、1500℃以上の温度で焼成することによって形成する。
分割溝7,8は、断面が略V字状に形成され、深さは20〜70μmに設定される。
(工程B)次に、各絶縁基板領域の上面に、抵抗体5及び抵抗体5を介して接続する一対の表電極2を形成し、各絶縁基板領域の下面に、表電極2と対向する位置に配設する一対の裏電極3を形成する。
表電極2及び裏電極3は、例えばAg等の金属粉末及びガラス粉末をビヒクル中に分散させてなる導体ペーストを、スクリーン印刷法を用いて塗布し、乾燥させ、600〜900℃で焼成することにより焼き付けられる。裏電極3は、大型絶縁基板10の下面で、少なくとも、平行に複数形成された分割溝の一方7を跨ぐように形成する。また、分割溝7,8の交点には非形成部11が設けられている。このように分割溝7、8の交点に非形成部11を設けることにより、複数の絶縁基板領域に対し同時に非形成領域11を形成することができ、各個片に分割してから非形成部11を設ける場合に比し、非形成部11の作製効率が高く、チップ抵抗部品の生産性向上に供することができる。
抵抗体5は、例えば酸化ルテニウム等の金属酸化物を含む無機粉末をビヒクル中に分散させて成る抵抗ペーストを、スクリーン印刷法を用いて絶縁基板領域の中央付近で、上記一対の表電極と一部が重なるように塗布し、乾燥させ、600〜900℃で焼成することにより焼き付けられる。これにより、上記表電極2は、抵抗体5を介して電気的に接続されることとなる。
抵抗体5の表面に形成されるガラス膜6は、ホウ珪酸系ガラス等のガラス粉末をビヒクル中に分散させて成るガラスペーストを、スクリーン印刷法を用いて絶縁基板領域の中央付近に塗布し、乾燥させ、500〜900℃で焼成することにより焼き付けられる。
焼き付けられた抵抗体5の初期の抵抗値は設計値よりも低くなるように設定しておき、トリミング溝9を徐々に形成することによって抵抗値を上昇させ、所望の抵抗値に調整する。トリミング溝9は、表電極2に抵抗値測定用装置のプローブを当て、抵抗値を測定しながらYAGレーザーを用いて抵抗体5の外側から中心に向かって形成していく。ガラス膜6を形成することによって、抵抗体5に加わるYAGレーザーの衝撃を少なくすることができる。
上記トリミングを行う際、表電極2は、分割溝の他方8を介して隣接する絶縁基板領域の表電極2とは未接続にしておけば、調整の精度を高めることができる。
尚、図には示していないが、トリミング溝9によって抵抗体5の一部が露出するので、ガラス膜6の上に更にガラスや樹脂から成る保護膜を形成するのが好ましい。
(工程C)次に、大型絶縁基板10を、分割溝の一方7に沿って分割し、短冊状に連なった絶縁基板12を得る。図3(b)は短冊状に連なった絶縁基板12の一部を拡大し下方から見た平面図である。本実施形態においては、この時点で分割溝の他方8は分割させないようにする。
(工程D)そして、分割溝の一方7に沿う分割によって露出した各絶縁基板1の側面に、表電極2と裏電極3とを接続させる一対の側面電極4をそれぞれ形成する。
側面電極4は、上記表電極2の形成に用いた導体ペーストを用い、同様の方法を用いて形成することが出来る。本実施形態においては、短冊状に連なった絶縁基板12に対して一括に形成することができる。またこの際、短冊状に連なった絶縁基板12を複数個平行に並べて行えば、工数を更に削減できる。
側面電極4を形成した後、短冊状に連なった絶縁基板12を、分割溝8に沿って分割することにより、本実施形態のチップ抵抗部品が完成する。
大型絶縁基板10に形成した際の裏電極3には、分割溝7,8の交点に非形成部11を設けられているので、大型絶縁基板10を分割溝7,8に沿って分割する際、裏電極3のバリの形成を抑制することができる。これにより、分割後に得られるチップ抵抗部品の回路基板への実装を安定化することができる。
図4は、本発明に係るチップ抵抗部品の製造方法の他の実施例を示す図であり、大型絶縁基板10を下方から見た平面図である。同図に示すチップ抵抗部品の製造方法では、非形成部11が、各絶縁基板領域の長辺方向に延びる分割溝8に沿って形成されている。これにより大型絶縁基板10の分割溝8に沿った分割を、より良好な状態で行うことができるとともに、積層体1の長辺側側面に沿って裏電極3のバリの形成を抑制することができる。
なお、非形成部11を各絶縁基板領域の短辺方向に延びる分割溝7に沿って形成してもよいが、本実施形態においては、積層体1の短辺側の側面に表電極2と裏電極3とを接続する側面電極4を形成していることから、側面電極4と裏電極3との接続不良を防止するために、分割溝7側には非形成領域11を設けず、分割溝7を跨ぐようにして裏電極3を形成するようにすることが好ましい。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良が可能である。
例えば上述した実施形態においては、工程Cの際に、分割溝の一方7のみを分割して短冊状に連なった絶縁基板を形成しているが、分割溝の他方8を同時に分割し、工程Dの際に、側面電極4の形成を個別のチップ抵抗部品に対して行うようにしてもよい。この場合の側面電極4の形成は、ディップ法等を用いて効率よく行うことができる。
また上述した実施形態においては、大型絶縁基板10は、分割溝7,8を下面のみに形成しているが、上面にも同様な分割溝を形成しても構わない。上下面に分割溝を形成することによって、各絶縁基板への分割性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るチップ抵抗部品の外観斜視図である。 図1のチップ抵抗部品の下方から見た平面図である。 (a)は大型絶縁基板の一部を拡大し下方から見た平面図、(b)は短冊状に連なった絶縁基板の一部を拡大し下方から見た平面図である。 本発明に係るチップ抵抗部品の製造方法の他の実施形態を示す大型絶縁基板の下方平面図である。
符号の説明
1・・・基板
2・・・表電極
3・・・裏電極
4・・・側面電極
5・・・抵抗体
6・・・ガラス膜
7,8・・・分割溝
9・・・トリミング溝
10・・・大型絶縁基板
11・・・裏電極の非形成部
12・・・短冊状に連なった絶縁基板

Claims (4)

  1. 矩形状の絶縁基板と、
    該絶縁基板の上面に形成した抵抗体と、
    前記絶縁基板の上面で前記抵抗体を介して接続するように形成した一対の表電極と、
    前記絶縁基板の下面で前記一対の表電極と対向する位置に形成した一対の裏電極と、
    前記絶縁基板の側面で前記表電極と裏電極を接続するように形成した一対の側面電極と、を備えるチップ抵抗部品において、
    前記裏電極は、前記絶縁基板の下面の4隅に非形成部が設けられていることを特徴とするチップ抵抗部品。
  2. 前記側面電極は、前記絶縁基板の対向する一対の側面に形成されており、前記裏電極は、前記絶縁基板の下面と他の一対の側面との稜線に到達するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗部品。
  3. 下面に縦横の分割溝が平行に複数形成され、該分割溝により矩形状に区画された複数の絶縁基板領域を有する大型絶縁基板を準備する工程Aと、
    前記各絶縁基板領域の上面に、抵抗体及び該抵抗体を介して接続する一対の表電極を形成し、前記各絶縁基板領域の下面に、前記表電極と対向する位置に配設する一対の裏電極を形成する工程Bと、
    前記大型絶縁基板を、少なくとも前記分割溝の一方に沿って分割する工程Cと、
    前記各絶縁基板の対向する一対の側面に、前記表電極と前記裏電極とを接続させる一対の側面電極をそれぞれ形成する工程Dと、を含むチップ抵抗部品の製造方法において、
    工程Bの際に、前記裏電極は、前記大型絶縁基板の下面で、前記分割溝の交点に非形成部が設けられていることを特徴とするチップ抵抗部品の製造方法。
  4. 工程Bの際に、前記裏電極は、前記分割溝の他方に到達するように形成されることを特徴とする請求項3に記載のチップ抵抗部品の製造方法。
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