JP2006292652A - ガスクロマトグラフ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分析対象化合物や保持指標の基準物質の標品を用意せずに、手元にある適宜の化合物の標品のGC分析結果を利用してピーク同定を行えるようにする。
【解決手段】 まず保持指標が既知である化合物α、βをGC分析し、それぞれの保持時間を取得する(S1)。その化合物の保持指標と保持時間との関係から、保持指標から保持時間への換算式を求め(S2)、その換算式により分析対象化合物の保持指標から保持時間を推定する(S3)。そしてその保持時間の推定値を用いて、分析対象化合物を含む未知試料をGC分析して取得したクロマトグラムに現れているピークを同定する(S4)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、カラムを用いて試料成分を分離して分析するガスクロマトグラフ装置に関する。
一般にガスクロマトグラフ分析では、クロマトグラムに出現しているピークを同定するために、化合物がカラムを通過するのに要する時間である保持時間(リテンションタイム)が用いられる。しかしながら、保持時間は化合物に固有の値ではなく、キャリアガス流量、カラム温度、カラムのサイズ、カラム液相厚など様々な分析条件によって変わる値である。したがって、こうした様々な分析条件を同一にした状態でないと、保持時間を利用したピークの同定は正確に行えない。そこで、例えば分析対象化合物の標品を所望の分析条件の下で分析することで保持時間を予め求めておき、その保持時間を用いて、分析対象化合物を含む試料を上記所望の分析条件の下で分析することで取得したクロマトグラムに現れているピークを同定するといったデータ処理が行われる。
しかしながら、こうしたピーク同定を行うためには、分析対象化合物全ての標品を用意してそれらを予め分析する必要があり、分析対象化合物が多い場合には準備が面倒であって手間もコストも掛かる。
一方、上記のような保持時間とは異なり、分析条件や装置間器差などに依存しないパラメータとして、保持指標(リテンションインデックス)が従来より使用されている(例えば特許文献1など参照)。GC分析における保持指標について図10により簡単に説明する。ここでは、最も一般的なn−アルカンの同族体系列が基準物質である場合について考える。
いま、図10に示すクロマトグラムにおいてメタン(CH4)のピークの出現位置を基準とし、n−アルカンの隣接するCとCn+1のピークの保持時間がそれぞれt、tであるものとする。CとCn+1との間に存在する物質Xの保持時間がtであるとき、恒温分析においては、この物質Xの保持指標RIxを次の(1)式で定義する。
RIx=[(logt−logt)/(logt−logt)]×100+100×n …(1)
また、昇温分析(例えば昇温レート:20℃/分など)においては、物質Xの保持指標RIxを次の(2)式で定義する。
RIx=[(t−t)/(t−t)]×100+100×n …(2)
様々な化合物についてn−アルカンと共にGC分析を行ってそれぞれの保持時間を求め、(1)式又は(2)式に基づいて保持指標を算出してまとめたものが保持指標データベースである。
こうした保持指標データベースを利用してクロマトグラムに現れている未知の化合物のピーク同定を行う場合、保持指標は装置や分析条件の依存性が殆どないためこうした要因をあまり気にする必要がないという利点がある。しかしながら、その反面、分析対象化合物とともに基準物質(上記例ではn−アルカン)も同一条件の下で分析してその基準物質の保持時間を求め、基準物質の保持時間と分析対象化合物の保持指標とから分析対象化合物の保持時間を推測する必要がある。したがって、基準物質の標品を用意しなければならず、また少なくとも1回は基準物質の標品のガスクロマトグラフ分析を行う必要があった。
特開平11−201960号公報
上述したように従来のガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定方法では、分析対象化合物の標品や基準物質の標品といった決まった標品を分析しなければならず、そうした標品を揃える面倒さがあった。また、分析対象化合物や基準物質ではない標品が手元にあったとしても、こうした標品を利用することはできなかった。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、分析対象化合物の標品や保持指標の基準物質の標品をわざわざ用意して分析する必要がなく、標品を揃える面倒さや分析者の手間を軽減することができるガスクロマトグラフ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された第1発明に係るガスクロマトグラフ装置は、
a)所定の基準物質を基準とした保持指標が既知である複数の化合物についてガスクロマトグラフ分析を行ってそれら各化合物の保持時間を取得する分析実行手段と、
b)前記複数の化合物の保持時間とその各物質の既知の保持指標との関係に基づいて、保持指標が既知である分析対象化合物の保持指標から保持時間を推定する保持時間推定手段と、
c)該保持時間推定手段により推定された保持時間を用いて、前記分析対象化合物を含む試料をガスクロマトグラフ分析して作成したクロマトグラムに現れているピークを同定する同定処理手段と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第2発明に係るガスクロマトグラフ装置は、
a)所定の基準物質を基準とした保持指標が既知である複数の化合物についてガスクロマトグラフ分析を行ってそれら各化合物の保持時間を取得する分析実行手段と、
b)前記複数の化合物の保持時間とその各物質の既知の保持指標との関係に基づいて、前記基準物質の保持時間を推定する第1保持時間推定手段と、
c)該第1保持時間推定手段により得られる前記基準物質の保持時間と分析対象化合物の既知の保持指標とから、該分析対象化合物の保持時間を推定する第2保持時間推定手段と、
d)該第2保持時間推定手段により推定された保持時間を用いて、前記分析対象化合物を含む試料をガスクロマトグラフ分析して作成したクロマトグラムに現れているピークを同定する同定処理手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで、上記基準物質としては、例えばn−アルカン、多環芳香族、又はPFB−Brで誘導体化された脂肪酸などとすることができる。
第1発明及び第2発明に係るガスクロマトグラフ装置は、所定の基準物質を基準とする保持指標が既知である分析対象ではない化合物(もちろん分析対象であっても構わない)をガスクロマトグラフ分析することで得られた該化合物の保持時間と、その化合物の保持指標との関係に基づいて、保持指標が既知である別の化合物の保持時間を推定する、という点で共通している。異なるのは、第1発明に係るガスクロマトグラフ装置ではその「別の化合物」が分析対象化合物であるのに対し、第2発明に係るガスクロマトグラフ装置ではその「別の化合物」が基準物質であって、一旦基準物質の保持時間を求めた後にその保持時間の推定値から分析対象化合物の保持時間を推定するという点である。
したがって、第1及び第2発明に係るガスクロマトグラフ装置のいずれにおいても、分析対象化合物や基準物質の標品ではなく、手元にある保持指標が既知である任意の化合物の標品の分析を行うことで、分析対象化合物を同定するために必要な情報を取得することができる。これにより、分析対象化合物や基準物質の標品を用意しこれを分析するという手間が不要になり、分析作業の効率化とコスト削減が図れる。
[実施例1]
以下、本発明に係るガスクロマトグラフ装置の一実施例(実施例1)について、図1〜図4を参照して説明する。図1は本実施例によるガスクロマトグラフ装置の全体構成図である。
カラムオーブン4内に設置されたカラム5の入口には試料気化室2が設けられ、キャリアガス導入管3から試料気化室2を通してカラム5内に一定流量で以てキャリアガスが送られる。所定のタイミングでインジェクタ1より試料気化室2内に少量の液体試料が注入されると、液体試料は短時間で気化してキャリアガスに乗ってカラム5内に送り込まれる。カラム5はカラムオーブン4により一定温度に維持されたり(恒温分析)、或いは所定の昇温プログラムに従って昇温制御されたり(昇温分析)する。カラム5を通過する間に試料に含まれる各種化合物はカラム5の長手方向に分離され、時間的にずれてカラム5から溶出して検出器6により検出される。
検出器6の検出信号はデータ処理部10に送られ、ここでクロマトグラムが作成され、さらに所定のデータ処理が実行されることで定性分析や定量分析が遂行される。制御部7はデータ処理部10や上記各部の動作を制御することで、GC分析動作を達成する。この制御部7には、分析者が各種の指示を与えたり条件を設定したりするための入力部8と、分析結果などを表示するための表示部9が接続されている。制御部7やデータ処理部10の機能の多くは、例えばパーソナルコンピュータ上で所定の制御・処理プログラムを動作させることにより具現化される。
本実施例に特徴的な構成としてデータ処理部10は、保持指標データベース13と、保持時間推定部12と、ピーク同定処理部11とを備える。保持指標データベース13には一例としてn−アルカンを基準物質とした各種化合物の保持指標が化合物名に対応して収録されている。もちろん、基準物質が他の化合物、例えば多環芳香族のベンゼンなどである保持指標データベースを用いてもよい。
次に、本実施例のガスクロマトグラフ装置における特徴的なピーク同定処理について、図2のフローチャート及び図3、図4を参照して説明する。
まず制御部7の制御の下に、保持指標データベース13に収録されている、n−アルカンを基準とする保持指標が既知である任意の2種の化合物α、βについて、所定の分析条件(ここでは昇温分析とする)で以てGC分析を実行する。この分析により、図3(a)に示すようなクロマトグラムを取得し、保持時間推定部12は各化合物α、βの保持時間(RT)a、bを求める(ステップS1)。化合物α、βの保持指標(RI)は保持指標データベース13より与えられるから、保持時間(RT)と保持指標(RI)との組み合わせ(RT,RI)は、(a,A)、(b,B)となる。
化合物α、βについての上記分析結果による(RT,RI)を、横軸に保持指標(RI)、縦軸に保持時間(RT)をとったグラフ上にプロットすると図4中の点Pa、Pb、に示すようになる。そこで、この2点Pa、Pbを通るような線を描く。いま図4では、2点Pa、Pbを直線的に内挿補間する線を引いている。ここで描いた線は、上記分析条件の下での保持指標と保持時間との関係を示すものであり、保持指標から保持時間への換算式を表すものである。
そこで、保持時間推定部12では、保持指標(RI)から保持時間(RT)への換算式として、次の(3)式を作成して保持する(ステップS3)。
RT=[(b−a)/(B−A)]×(RI−A)+a …(3)
なお、A、Bの間の区間以外の範囲においても(3)式で決まる直線を外挿することで保持時間を算出することができる。そして、保持時間推定部12では、保持指標データベース13により保持指標が既知であって保持時間が不明であるような化合物について、上記換算式に基づいてそれぞれ保持時間を推測する。ピーク同定処理部11は保持時間推定部12から与えられる、この推測された保持時間を利用して、未知試料に対するGC分析により取得されたクロマトグラム上のピークを同定する(ステップS4)。
例えば、分析対象化合物Un、Unの保持指標がRI、RIであるとき、(3)式より保持時間RT、RTをそれぞれ求め(図4参照)、この保持時間を中心値として所定の時間幅の余裕を持たせたRT±Δt、RT±Δtを分析対象化合物Un、Unのピーク同定用の窓として設定する。そして、未知試料をGC分析することで例えば図3中の点線に示すように得られたクロマトグラムについて上記2つの窓内にピークが存在した場合に、それらをそれぞれ分析対象化合物Un、Unのピークであると同定する。保持指標が既知である、即ち保持指標データベース13において収録されている全ての化合物について、上記のようにして保持時間を推定してそれによりピーク同定を行うことができる。
[実施例1の変形例]
上記実施例1によるガスクロマトグラフ装置では、2種の化合物α、βについての分析結果を利用して(3)式のような保持指標と保持時間との換算式を作成したが、分析する化合物の種類を増やすことで換算式の精度を上げることができる。例えば保持指標が既知である4種の化合物α、β、γ、δについてGC分析を行って図5に示すようなクロマトグラムが得られたとすると、保持時間(RT)と保持指標(RI)との組み合わせ(RT,RI)は、(a,A)、(b,B)、(c,C)、(d,D)となる。
この4種の化合物α、β、γ、δについての上記分析結果による(RT,RI)を、横軸に保持指標、縦軸に保持時間をとったグラフ上にプロットすると図6中の点Pa、Pb、Pc、Pdに示すようになる。そこで、隣接する2点間を直線的に内挿するような線を描き、この線を表す換算式を作成するものとする。
すると、A〜B区間では、
RT=[(b−a)/(B−A)]×(RI−A)+a …(4)
B〜C区間では、
RT=[(c−b)/(C−B)]×(RI−B)+b …(5)
C〜D区間では、
RT=[(d−c)/(D−C)]×(RI−C)+c …(6)
と換算式が求まる。なお、A以下の区間では(4)式で決まる線を点Paの外側にそのまま外挿し、D以上の区間では(6)式で決まる線を点Pdの外側にそのまま外挿すればよい。
上記換算式によれば、上記実施例1の場合よりも保持指標から保持時間を推定する精度が向上するためピーク同定の正確性を高めることができ、ピークの誤同定や見逃しを軽減することができる。もちろん、上記のような直線的な内挿補間を行った換算式ではなく、n次多項式が上記各点を通過するとして係数を算出し、この多項式を換算式としてもよい。
[実施例2]
上記実施例1では、保持指標データベース13に収録されている任意の複数の化合物の保持時間を測定し、その保持時間と保持指標との関係から分析対象である化合物の保持時間を推定していたが、この保持指標の基準物質であるn−アルカンの保持時間を推算し、そのn−アルカンの保持時間と分析対象化合物の保持指標とからその保持時間を推定するようにしてもよい。こうした処理動作を行う実施例2によるガスクロマトグラフ装置について、次に説明する。
この実施例2によるガスクロマトグラフ装置の基本的な構成は実施例1と同じであり、データ処理部10におけるピーク同定処理方法が異なるだけであるので構成についての説明は省略する。
まず制御部7の制御の下に、保持指標データベースに収録されている、n−アルカンを基準とする保持指標が既知である3種の化合物α、β、γについて、所定の分析条件(ここでは昇温分析とする)で以てGC分析を実行する。ここで、化合物α、β、γは、保持指標の基準物質であるn−アルカンC、Cn+1、Cn+2に対し次のような条件を満たすものを選択する。
<RI(α)、RI(β)<Cn+1 但しRI(α)≠RI(β)
n+1 <RI(γ)<Cn+2
上記分析により、図7に示すようなクロマトグラムを取得し、各化合物α、β、γの保持時間(RT)a、b、cを求める。化合物α、β、γの保持時間(RT)と保持指標(RI)との組み合わせ(RT,RI)は、(a,A)、(b,B)、(c,C)となる。
次に、化合物α、βの保持時間と保持指標、つまり(a,A)、(b,B)より、C、Cn+1の保持時間を推算する。昇温分析においては(2)式より、
RI={[RT−RT(C)]/[RT(Cn+1)−RT(C)]}×100+100×n …(7)
となり、これを変形すると、
(RI−100×n)×RT(Cn+1)+(100×n+100−RI)×RT(C)=RT …(8)
となる。この(8)式に化合物α、βのRI、RTを代入し、式を解くことによりRT(C)、RT(Cn+1)が求まる。
また、Cn+1とCn+2の保持時間についても(8)式と同様の式を求めることができ、化合物γの保持時間と保持指標とが既知であるとともに、上記計算よりCn+1の保持時間RT(Cn+1)も得られているから、これらを式に代入することによりCn+2の保持時間が求まる。さらにn+3以上のn−アルカンの保持時間が必要な場合には、上記と同様の処理を繰り返すことで保持時間を推算することができる。
その後、上記のように推算されたn−アルカンの保持時間と分析対象化合物の保持指標とから、(8)式によりその分析対象化合物の保持時間を推算することができる。分析対象化合物の保持時間が求まったならば、実施例1と同様にこれを利用して、試料をクロマトグラフ分析することにより得られたクロマトグラフに現れているピークを同定する。これによって、実施例1と同様に、任意の分析対象化合物を同定することが可能となる。
[実施例2の変形例]
また上記実施例2によるガスクロマトグラフ装置の変形例によるデータ処理として次のようにしてもよい。即ち、制御部7の制御の下に、保持指標データベースに収録されている、n−アルカンを基準とする保持指標が既知である3種の化合物α、β、γについて、所定の分析条件(ここでは昇温分析とする)で以てGC分析を実行する。ここで、化合物α、β、γは、保持指標の基準物質であるn−アルカンC、Cn+1に対し次のような条件を満たすものを選択する。
RI(α)<C <RI(β)
n+1 <RI(γ)<Cn+2
上記分析により、図8に示すようなクロマトグラムを取得し、上記実施例2と同様に、化合物α、β、γの保持時間(RT)と保持指標(RI)との組み合わせ(a,A)、(b,B)、(c,C)を取得する。
次に、化合物α、βの保持時間と保持指標、つまり(a,A)、(b,B)より、C、Cn+1の保持時間を推算する。Cの保持時間RT(C)は次の(9)式となる。
RT(C)=[(b−a)/(B−A)]×[RI(C)−A]+a …(9)
即ち、この(9)式は、図9に示すように横軸を保持指標、縦軸を保持時間としたグラフにおいて2点(a,A)、(b,B)を直線的に内挿補間した線を表す式となる。また同様にして、Cn+1の保持時間も求めることができる。それ以降は、上記実施例2と同様である。
なお、昇温分析においては、メチレンユニット当たりのエントロピーがほぼ等しいので、1メチレンユニット間隔の保持時間はほぼ等しくなる。したがって、例えば化合物αの保持指標Aと化合物βの保持指標Bとの間に複数のn−アルカンC、Cn+1、…が含まれていても、これらC、Cn+1、…を推測することが可能である。
また、実施例1でも同様であるが、昇温分析のときには保持時間と保持指標との関係がほぼ直線的になるため、例えば(9)式のような換算式を用いた推定値の精度が高い。これに対し、昇温分析ではなく恒温分析の場合には、(1)式と(2)式との比較でも分かるように対数log分だけのずれが生じることになる。しかしながら、分析条件によってはあまり大きな差とはならないので、恒温分析においても上記のような換算が適用可能な場合がある。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正を行うことができることは明らかである。例えば、本発明において検出器としては様々なものを利用できるから、例えばガスクロマトグラフと質量分析装置とを組み合わせたガスクロマトグラフ質量分析装置にも適用することができる。ガスクロマトグラフ質量分析装置の場合、トータルイオンクロマトグラムや特定の質量数に着目したマスクロマトグラムに出現しているピークを保持時間に基づいて同定するとともに、マススペクトルに現れるピークによる同定も行い、両者の同定結果を併せて最終的に正確な成分同定を行うような処理が行われる場合があるが、こうした処理に際しても本発明のようなデータ処理を適用して同様の効果を奏することは容易に想到し得る。
本発明の一実施例(実施例1)によるガスクロマトグラフ装置の全体構成図。 実施例1のガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理のフローチャート。 実施例1のガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理動作の説明図。 実施例1のガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理動作の説明図。 実施例1の変形例によるガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理動作の説明図。 実施例1の変形例によるガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理動作の説明図。 実施例2によるガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理動作の説明図。 実施例2の変形例によるガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理動作の説明図。 実施例2の変形例によるガスクロマトグラフ装置におけるピーク同定処理動作の説明図。 保持指標についての説明図。
符号の説明
1…インジェクタ
2…試料気化室
3…キャリアガス導入管
4…カラムオーブン
5…カラム
6…検出器
7…制御部
8…入力部
9…表示部
10…データ処理部
11…ピーク同定処理部
12…保持時間推定部
13…保持指標データベース

Claims (3)

  1. a)所定の基準物質を基準とした保持指標が既知である複数の化合物についてガスクロマトグラフ分析を行ってそれら各化合物の保持時間を取得する分析実行手段と、
    b)前記複数の化合物の保持時間とその各物質の既知の保持指標との関係に基づいて、保持指標が既知である分析対象化合物の保持指標から保持時間を推定する保持時間推定手段と、
    c)該保持時間推定手段により推定された保持時間を用いて、前記分析対象化合物を含む試料をガスクロマトグラフ分析して作成したクロマトグラムに現れているピークを同定する同定処理手段と、
    を備えることを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
  2. a)所定の基準物質を基準とした保持指標が既知である複数の化合物についてガスクロマトグラフ分析を行ってそれら各化合物の保持時間を取得する分析実行手段と、
    b)前記複数の化合物の保持時間とその各物質の既知の保持指標との関係に基づいて、前記基準物質の保持時間を推定する第1保持時間推定手段と、
    c)該第1保持時間推定手段により得られる前記基準物質の保持時間と分析対象化合物の既知の保持指標とから、該分析対象化合物の保持時間を推定する第2保持時間推定手段と、
    d)該第2保持時間推定手段により推定された保持時間を用いて、前記分析対象化合物を含む試料をガスクロマトグラフ分析して作成したクロマトグラムに現れているピークを同定する同定処理手段と、
    を備えることを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
  3. 前記基準物質はn−アルカン、多環芳香族、又はPFB−Brで誘導体化された脂肪酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスクロマトグラフ装置。
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