JP2006292568A - 高感度振動型ジャイロセンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動子に与えられた角速度を駆動信号と検出信号の位相差に基づいて検出する振動型ジャイロセンサを用い、コイルによりパルス電流によって振動子に振動を与え、この振動子の振動をMRセンサなどの電流磁気効果を利用する検出素子で検出して角速度を求める場合に、角速度を精度良く求めることができる技術を提供する。
【解決手段】 振動子30として永久磁石からなるものを使用し、駆動素子としてコイル46を使用し、検出素子としてMRセンサ48などの電流磁気効果を利用するものを使用する。また、駆動素子によりパルス電流によって振動子に振動を与え、パルス電流がオフのときの駆動素子の駆動信号の位相と検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子に与えられた角速度を求める。
【選択図】 図2
【解決手段】 振動子30として永久磁石からなるものを使用し、駆動素子としてコイル46を使用し、検出素子としてMRセンサ48などの電流磁気効果を利用するものを使用する。また、駆動素子によりパルス電流によって振動子に振動を与え、パルス電流がオフのときの駆動素子の駆動信号の位相と検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子に与えられた角速度を求める。
【選択図】 図2
Description
本発明は、振動子に与えられた角速度をコリオリ力を利用して検出する振動型ジャイロセンサに関し、さらに詳述すると、上記角速度を駆動信号と検出信号の位相差に基づいて検出する振動型ジャイロセンサに関する。
従来、振動子に与えられた角速度をコリオリ力を利用して検出する振動型ジャイロセンサであって、上記角速度を駆動信号と検出信号の位相差に基づいて検出する振動型ジャイロセンサとして、特許文献1〜3に記載されたものがある。
特許文献1のジャイロセンサは、柱状の振動体と、該振動体の第1の側面に取り付けられた駆動用圧電トランスジューサと、前記第1の側面と直交する第2の側面に取り付けられた読み出し用圧電トランスジューサとを備え、前記駆動用圧電トランスジューサにより駆動された前記振動体の振動を前記読み出し用圧電トランスジューサにより電気信号に変換し、該電気信号により角速度を検出するようになした振動ジャイロにおいて、前記駆動用圧電トランスジューサを駆動する駆動信号の位相に対する前記電気信号の位相の変化を検出する位相検出手段を備え、該位相検出手段により検出した位相の変化に基づいて角速度を検出するものである(特許請求の範囲第1項)。
特許文献2のジャイロセンサは、水平面内振動を駆動振動として用いる圧電性を持つ単結晶を用いて構成された振動子であって、駆動振動を駆動する駆動素子と、駆動素子による駆動振動に伴って発生した駆動振動と異なる振動モードの振動状態を検出する検出手段とを備える振動子と、駆動振動を発生するために使用した電気信号を参照信号とし、駆動振動に伴って発生した駆動振動と異なる振動モードを持つ振動を検出手段によって電気信号として取り出したときの信号を出力信号とするとき、参照信号と出力信号の位相差を検出する位相差検出手段とを備え、位相検出手段により検出した位相差の変化に基づいて角速度を検出するものである(請求項1)。
特許文献3のジャイロセンサは、振動子と、この振動子を所定方向へ振動駆動する駆動素子と、振動子の振動成分を圧電効果により電気信号として出力する検出部と、が設けられた振動型ジャイロスコープにおいて、前記検出部は、振動子が前記駆動素子により駆動され且つ振動子に角速度が与えられていないときに同じ位相の出力が得られ且つ前記角速度が与えられたときのコリオリ力による振動成分の出力が互いに逆の位相で重畳される対を成す検出出力部を有し、前記対を成す検出出力部の位相差を検出する位相差検出手段が設けられ、前記位相差検出手段からの出力に基づいて前記角速度が検出されるものである(請求項1)。
前述した特許文献1のジャイロセンサは、駆動素子および検出素子としていずれも圧電素子を用いるものである。また、特許文献2、3のジャイロセンサは、駆動素子および検出素子としていずれも電極を用いるものである。
したがって、特許文献1〜3のジャイロセンサは、駆動素子および検出素子として同じ動作原理により動作するものを用いるため、駆動素子および検出素子としてそれぞれ最適な動作原理により動作するものを用いてジャイロセンサの性能、機能等を高めることができない。
これに対し、本発明者は、振動子に与えられた角速度を駆動信号と検出信号の位相差に基づいて検出する振動型ジャイロセンサであって、駆動素子および検出素子としてそれぞれ最適な動作原理により動作するものを用いて性能、機能等を高めることができる振動型ジャイロセンサとして、図10に示すものを提案した。
図10の振動型ジャイロセンサは、線状支持体100の先端部に磁性体からなる音さ型振動子102を取り付けるとともに、振動子102の近傍に駆動素子としてコイル104、検出素子としてMRセンサ(磁気抵抗効果素子)106を配置したものである。また、図10の振動型ジャイロセンサでは、線状支持体100の基端側およびコイル104はエラストマーからなるモールド体108内に封入されており、線状支持体100の先端側、振動子102およびMRセンサ106は上記モールド体108内に封入されたガラス管110の内部に配置されている。
図10の振動型ジャイロセンサは、コイル104によって振動子102に振動を与えるとともに、振動子102の振動をMRセンサ106によって検出し、コイル104による駆動信号の位相とMRセンサ106による検出信号の位相との位相差に基づいて振動子102に与えられた角速度を求める。この場合、図10の振動型ジャイロセンサは、コイル104によりパルス電流によって振動子102に振動を与えることが可能である。
しかし、上述したようにパルス電流によって振動子102に振動を与える場合、振動子102は磁性体からなるので、パルス電流がオフのときには振動子102は磁気を帯びておらず、そのため電流磁気効果を利用する検出素子であるMRセンサ106によっては振動子102の振動を検出することができない。一方、パルス電流がオンのときにはコイル104から磁束が発生するため、この磁束の影響でMRセンサ106による振動子102の振動の検出精度が低下する。したがって、図10の振動型ジャイロセンサにおいて、コイル104によりパルス電流によって振動子102に振動を与え、この振動子102の振動をMRセンサ106で検出して角速度を求める場合は、角速度を精度良く求めることが難しかった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、振動子に与えられた角速度を駆動信号と検出信号の位相差に基づいて検出する振動型ジャイロセンサを用い、コイルによりパルス電流によって振動子に振動を与え、この振動子の振動をMRセンサなどの電流磁気効果を利用する検出素子で検出して角速度を求める場合に、角速度を精度良く求めることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、振動子と、前記振動子に振動を与える駆動素子と、前記振動子の振動を検出する検出素子とを具備し、前記駆動素子の駆動信号の位相と前記検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて前記振動子に与えられた角速度を求める振動型ジャイロセンサであって、前記振動子として永久磁石からなるものを使用し、前記駆動素子としてコイルを使用し、前記検出素子として電流磁気効果を利用するものを使用するとともに、前記駆動素子によりパルス電流によって前記振動子に振動を与え、前記パルス電流がオフのときの前記駆動素子の駆動信号の位相と前記検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて前記振動子に与えられた角速度を求めることを特徴とする高感度振動型ジャイロセンサを提供する。
本発明の高感度振動型ジャイロセンサでは、振動子として永久磁石からなるものを使用したので、パルス電流がオフのときでも振動子は磁気を帯びており、そのためMRセンサなどの電流磁気効果を利用する検出素子によって振動子の振動を検出することができる。そして、本発明の高感度振動型ジャイロセンサでは、パルス電流がオフのときの駆動素子の駆動信号の位相と検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子に与えられた角速度を求めることにより、角速度を精度良く求めることができる。すなわち、本発明では、コイルから磁束が発生し、この磁束の影響で検出精度が低下するパルス電流がオンのときの検出素子の検出信号は無視し、コイルから磁束が発生せず、コイルからの磁束の影響がないパルス電流がオフのときの検出素子の検出信号のみを用いて角速度を求めることにより、コイルから発生する磁束の影響を排除して角速度を高精度で求めることができる。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明において、振動子の材質としてはN極およびS極を有する永久磁石を用いる。この場合、永久磁石としては、例えばアルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウム・コバルト磁石、ネオジム磁石、KS鋼等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、振動子の形状にも限定はなく、例えば音さ型、ビーム型、プレート型、リング型、ボール型、線型、リードリレー型等から適宜選択することができるが、特に後記実施形態に示すように音さ型振動子が好ましい。
本発明において、駆動素子としてはコイルを用いる。また、検出素子としてはMRセンサ、ホール素子、磁気トランジスタなどの電流磁気効果を利用するものを用いる。これらの中では、特に後記実施形態に示すようにMRセンサが好ましい。
本発明において、駆動素子の駆動信号の位相と検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子に与えられた角速度を検出する手段に限定はなく、例えば、前述した特許文献1〜3に記載されたような公知の手段を用いることができる。
本発明においては、振動子を管状容器の内部に配置することができる。この場合、上記管状容器としては、例えばガラス、金属(アルミニウム、非磁性ステンレス鋼、銅、真鍮、鉄、ニッケルなど)、セラミック、プラスチック等からなるものを用いることができる。本発明では、管状容器の材質として非磁性材料、磁性材料、軟磁性材料のいずれでも用いることができるため、管状容器の材質選択の幅を広げることができる。
また、本発明では、上述のように振動子を管状容器の内部に配置する場合、消磁した振動子を作製する工程と、消磁した振動子を管状容器の内部に配置する工程と、管状容器の内部に配置した振動子の着磁を行う工程とを実施することで、高感度振動型ジャイロセンサを製造することができる。これにより、製造工程において振動子同士が磁力によりくっつく問題を解消して、製造工程の大幅な自動化を図ることができる。
本発明の高感度振動型ジャイロセンサは、コイルによりパルス電流によって振動子に振動を与え、この振動子の振動を電流磁気効果を利用する検出素子で検出し、駆動信号と検出信号の位相差に基づいて振動子に与えられた角速度を求める場合に、角速度を精度良く求めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。下記実施形態の振動型ジャイロセンサは、いずれも、振動子に与えられた角速度をコリオリ力を利用して検出するものである。
(第1実施形態)
下記工程(1)〜(3)により本発明に係る高精度振動型ジャイロセンサを製造した。
(1)図1に示す構造の音さ型振動子30を、消磁したアルニコ磁石の膜材から圧延、打ち抜きなどの加工方法によって作製した。図1の振動子30は、支持部32と、支持部32から突出したばね部34と、ばね部34の先端に設けられた振動部36とを具備する。また、支持部32の一部を半田付け部38とし、この半田付け部38に金めっきを施した。なお、振動子は電鋳、エッチングなどで作製してもよい。
(2)図2、図3に示すように、ガラス、金属(アルミニウム、非磁性ステンレス鋼、銅、真鍮、鉄、ニッケルなど)、セラミック、プラスチック等からなる断面円形の管状容器40の内部に(1)で作製した振動子30を封入した。この場合、管状容器40の内部に振動子30を挿入した状態で、真空中で振動子30の半田付け部38と管状容器40とを半田槽に漬けるなどして半田42によって接合するとともに、管状容器40を蓋44で閉塞することにより、管状容器40の内部を真空にした。なお、管状容器40の内面の半田付け部38と対応する部分には、金めっきを施しておいた。本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、管状容器40の内部を真空にすることにより、振動子30の振動の安定性を向上させている。ただし、管状容器40に振動子30を半田付けした後に、管状容器40内の真空引きを行ってから管状容器40を蓋44で閉塞することにより、管状容器40の内部を真空にしてもよい。
(3)図2に示すように、管状容器40の外方に駆動素子としてコイル46を配置した。また、管状容器40の外周に検出素子として一対のMRセンサ48を互いに対向した状態で取り付け、これにより両MRセンサ48の間に振動子30を配置した。
(4)コイル46に適宜大きさの電流を流すことにより、振動子30の着磁を行った。本例では、消磁した振動子30を管状容器40の内部に封入した後、振動子30の着磁を行うことにより、製造工程において振動子30同士が磁力によりくっつく問題を解消して、製造工程の大幅な自動化を図ることができる。なお、振動子30の着磁は他の手段で行ってもよい。
下記工程(1)〜(3)により本発明に係る高精度振動型ジャイロセンサを製造した。
(1)図1に示す構造の音さ型振動子30を、消磁したアルニコ磁石の膜材から圧延、打ち抜きなどの加工方法によって作製した。図1の振動子30は、支持部32と、支持部32から突出したばね部34と、ばね部34の先端に設けられた振動部36とを具備する。また、支持部32の一部を半田付け部38とし、この半田付け部38に金めっきを施した。なお、振動子は電鋳、エッチングなどで作製してもよい。
(2)図2、図3に示すように、ガラス、金属(アルミニウム、非磁性ステンレス鋼、銅、真鍮、鉄、ニッケルなど)、セラミック、プラスチック等からなる断面円形の管状容器40の内部に(1)で作製した振動子30を封入した。この場合、管状容器40の内部に振動子30を挿入した状態で、真空中で振動子30の半田付け部38と管状容器40とを半田槽に漬けるなどして半田42によって接合するとともに、管状容器40を蓋44で閉塞することにより、管状容器40の内部を真空にした。なお、管状容器40の内面の半田付け部38と対応する部分には、金めっきを施しておいた。本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、管状容器40の内部を真空にすることにより、振動子30の振動の安定性を向上させている。ただし、管状容器40に振動子30を半田付けした後に、管状容器40内の真空引きを行ってから管状容器40を蓋44で閉塞することにより、管状容器40の内部を真空にしてもよい。
(3)図2に示すように、管状容器40の外方に駆動素子としてコイル46を配置した。また、管状容器40の外周に検出素子として一対のMRセンサ48を互いに対向した状態で取り付け、これにより両MRセンサ48の間に振動子30を配置した。
(4)コイル46に適宜大きさの電流を流すことにより、振動子30の着磁を行った。本例では、消磁した振動子30を管状容器40の内部に封入した後、振動子30の着磁を行うことにより、製造工程において振動子30同士が磁力によりくっつく問題を解消して、製造工程の大幅な自動化を図ることができる。なお、振動子30の着磁は他の手段で行ってもよい。
本例の高感度振動型ジャイロセンサは、コイル46によりオンオフを繰り返すパルス電流によって振動子30に図中矢印方向の振動を振動部36の先端が開閉するように与えるとともに、振動部36の振動をMRセンサ48によって検出し、コイル46による駆動信号の位相とMRセンサ48による検出信号の位相との位相差に基づいて振動子30に与えられた角速度を求める。
この場合、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、パルス電流がオフのときのコイル46の駆動信号の位相とMRセンサ48の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子30に与えられた角速度を求める。
また、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、上述した角速度を求めるに当たり、振動子30と両MRセンサ48とが見かけ上で予め設定した所定の位置関係になるように、両MRセンサ48の検出信号の演算処理を行う。具体的には、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、図4に示すように、振動子30の振動部36間の中心と両MRセンサ48間の中心とが一致するのが振動子30と両MRセンサ48との正しい位置関係である。しかし、実際には、例えば図5に示すように、振動子30が正しい位置からずれることがある。
そこで、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、振動子30と両MRセンサ48とが見かけ上で図4に示した正しい位置関係になるように、両MRセンサ48の検出信号の演算処理を行い、これにより振動子30と両MRセンサ48との位置関係にかかわらず、正しい検出信号を得るようにする。上記演算処理は、振動子30と両MRセンサ48との位置関係などに応じて適宜決定するものであり、本例では両MRセンサ48の出力を平均すればよい。
ここで、本例の高感度振動型ジャイロセンサに使用する角速度検出回路の一例を図6に示す。図6において、150はパルス回路、152はコイル、154はインバータ、156は一方のMRセンサ、158は他方のMRセンサ、160、162はバッファ、164は比較回路を示す。本例の回路では、パルス回路150で生成されたパルス電流がコイル152に送られるとともに、パルス電流がオフのときの基準信号がインバータ154を通って比較回路164に送られる。また、パルス電流がオフのときのMRセンサ146、148の検出信号がバッファ160、160を通って比較回路164に送られる。そして、比較回路164において、上記基準信号(パルス電流がオフのときの駆動素子の駆動信号)の位相と、上記検出信号(パルス電流がオフのときの検出素子の検出信号)の位相との位相差に基づいて、振動子に与えられた角速度が検出される。
すなわち、図7の波形図に示すように、基準信号を符号a、振動子に角速度が与えられていないときの一方のMRセンサの検出信号を符号b、振動子に角速度が与えられていないときの他方のMRセンサの検出信号を符号c、振動子に角速度が与えられたときの一方のMRセンサの検出信号を符号d、振動子に角速度が与えられたときの他方のMRセンサの検出信号を符号eとする。そうすると、基準信号と振動子に角速度が与えられたときの一方のMRセンサの検出信号との位相差f、基準信号と振動子に角速度が与えられたときの他方のMRセンサの検出信号との位相差g、および上記位相差fと位相差gとの差hが、いずれもコリオリ力そのものによる位相差になる。図6の回路では、比較回路164により上記位相差hに基づいて角速度を求めることにより、角速度を高感度に検出している。ただし、位相差fまたは位相差gに基づいて角速度を求めてもよい。
本例の高感度振動型ジャイロセンサは、パルス電流がオフのときの駆動素子の駆動信号の位相と検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子に与えられた角速度を求めることにより、コイルから発生する磁束の影響を排除して角速度を高精度で求めることができる。
また、本例の高感度振動型ジャイロセンサは、永久磁石からなる振動子として音さ型のものを用いたので、両振動部36には互いの反発力により常に開こうとする力が加わっており、したがって振動子30は予めバイアスがかかった状態で動作するため、金属材料特有の初期動作点の動作不安定性、例えばクリープ現象や微少電流時における不動範囲の存在現象などを解消することができ、この点でも角速度を高精度で求めることができる。
さらに、本例の高感度振動型ジャイロセンサは、複数の検出素子を振動子と離間して配置するとともに、角速度を求めるに当たり、振動子と複数の検出素子とが見かけ上で予め設定した所定の位置関係になるように、複数の検出素子の検出信号の演算処理を行うので、駆動素子と検出素子との位置合わせに高い精度を要さず、振動子と複数の検出素子とが正しい位置関係になっていない場合でも、角速度を精度良く求めることができる。すなわち、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、振動子と検出素子との位置関係にかかわらず、検出素子の検出信号が、振動子と検出素子との位置関係が予め設定した所定の位置関係になっている場合の検出信号と同じ値になるように演算処理する。したがって、本例の高感度振動型ジャイロセンサは、振動子と複数の検出素子とが予め設定した正しい位置関係になっていない場合でも、上記演算処理によって正しい検出信号を得ることができる。
なお、本例では、振動子に図2の矢印方向(X軸方向)の振動を与え、このX軸方向の振動をMRセンサによって検出する1軸方式により角速度を求めたが、上記X軸方向に振動を行う振動子に加えて別の振動子を設置し、この別の振動子に図2の前後方向(Y軸方向)の振動を与えるとともに、このY軸方向の振動をさらに別のMRセンサによって検出する2軸方式により角速度を求めてもよい。この場合も、上記別の振動子にパルス電流によって振動を与え、パルス電流がオフのときの駆動信号の位相と上記X軸方向およびY軸方向の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子に与えられた角速度を求める。
(第2実施形態)
下記工程(イ)〜(ロ)により本発明に係る高感度振動型ジャイロセンサを製造した。
(イ)第1実施形態と同様に、図1に示した構造の音さ型振動子30を作製するとともに、管状容器40の内部に上記振動子30を封入した(図8参照)。一方、図9に示すように、セラミック基板、プリント基板、ガラス基板等の基板54上に一対のMRセンサ56を所定間隔離間して形成するとともに、基板54上に各種回路を含むIC58を形成した。
(ロ)図8に示すように、振動子30を封入した管状容器40の外方に駆動素子としてコイル60を配置するとともに、管状容器40の軸方向一端部の先方にMRセンサ56とIC58を形成した基板を配置することにより高感度振動型ジャイロセンサを作製した。本例では、振動子30とMRセンサ56とは直角をなしている。
下記工程(イ)〜(ロ)により本発明に係る高感度振動型ジャイロセンサを製造した。
(イ)第1実施形態と同様に、図1に示した構造の音さ型振動子30を作製するとともに、管状容器40の内部に上記振動子30を封入した(図8参照)。一方、図9に示すように、セラミック基板、プリント基板、ガラス基板等の基板54上に一対のMRセンサ56を所定間隔離間して形成するとともに、基板54上に各種回路を含むIC58を形成した。
(ロ)図8に示すように、振動子30を封入した管状容器40の外方に駆動素子としてコイル60を配置するとともに、管状容器40の軸方向一端部の先方にMRセンサ56とIC58を形成した基板を配置することにより高感度振動型ジャイロセンサを作製した。本例では、振動子30とMRセンサ56とは直角をなしている。
本例の高感度振動型ジャイロセンサは、コイル60によりオンオフを繰り返すパルス電流によって振動子30に振動を与えるとともに、振動部36の振動をMRセンサ56によって検出し、コイル60による駆動信号の位相とMRセンサ56による検出信号の位相との位相差に基づいて振動子30に与えられた角速度を求める。
この場合、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、パルス電流がオフのときのコイル60の駆動信号の位相とMRセンサ56の検出信号の位相との位相差に基づいて振動子30に与えられた角速度を求める。
また、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、振動子30の振動部36間の中心とMRセンサ56間の中心とが一致するのが振動子30とMRセンサ56との正しい位置関係である。そこで、本例の高感度振動型ジャイロセンサでは、振動子30とMRセンサ56とが見かけ上で正しい位置関係になるように、両MRセンサ56の検出信号の演算処理を行い、これにより振動子30と両MRセンサ56との位置関係にかかわらず、正しい検出信号を得るようにする。
なお、本発明の高感度振動型ジャイロセンサは前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変更することが可能である。例えば、図10に示した振動型ジャイロセンサのように、コイル、MRセンサなどをエラストマーからなるモールド体内に封入してもよい。
30 振動子
40 管状容器
46 コイル
48 MRセンサ
56 MRセンサ
60 コイル
40 管状容器
46 コイル
48 MRセンサ
56 MRセンサ
60 コイル
Claims (7)
- 振動子と、前記振動子に振動を与える駆動素子と、前記振動子の振動を検出する検出素子とを具備し、前記駆動素子の駆動信号の位相と前記検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて前記振動子に与えられた角速度を求める振動型ジャイロセンサであって、前記振動子として永久磁石からなるものを使用し、前記駆動素子としてコイルを使用し、前記検出素子として電流磁気効果を利用するものを使用するとともに、前記駆動素子によりパルス電流によって前記振動子に振動を与え、前記パルス電流がオフのときの前記駆動素子の駆動信号の位相と前記検出素子の検出信号の位相との位相差に基づいて前記振動子に与えられた角速度を求めることを特徴とする高感度振動型ジャイロセンサ。
- 前記振動子を管状容器の内部に配置したことを特徴とする請求項1に記載の高感度振動型ジャイロセンサ。
- 前記管状容器の内部を真空にしたことを特徴とする請求項2に記載の高感度振動型ジャイロセンサ。
- 前記振動子が音さ型振動子であり、前記検出素子がMRセンサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高感度振動型ジャイロセンサ。
- 請求項2〜4のいずれか1項に記載の振動型ジャイロセンサの製造方法であって、消磁した振動子を作製する工程と、前記消磁した振動子を管状容器の内部に配置する工程と、前記管状容器の内部に配置した振動子の着磁を行う工程とを具備することを特徴とする高感度振動型ジャイロセンサの製造方法。
- 前記振動子を管状容器の内部に配置する工程を真空中で行うことにより、前記管状容器の内部を真空にすることを特徴とする請求項5に記載の高感度振動型ジャイロセンサの製造方法。
- 前記振動子として音さ型振動子を用い、前記検出素子としてMRセンサを用いることを特徴とする請求項5または6に記載の高感度振動型ジャイロセンサの製造方法。
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- 2005-04-12 JP JP2005114525A patent/JP2006292568A/ja active Pending
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