JPH11351878A - 振動型角速度センサ - Google Patents

振動型角速度センサ

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JPH11351878A
JPH11351878A JP10162148A JP16214898A JPH11351878A JP H11351878 A JPH11351878 A JP H11351878A JP 10162148 A JP10162148 A JP 10162148A JP 16214898 A JP16214898 A JP 16214898A JP H11351878 A JPH11351878 A JP H11351878A
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JP
Japan
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angular velocity
velocity sensor
mass body
vibration
fixed
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JP10162148A
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Yoshiyuki Ando
芳之 安藤
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力軸Y廻りに入力がないにもかかわらず入
力があるかの如き信号を出力する欠点を解消する角速度
センサを提供する。 【解決手段】 質量体20と、質量体20が固定されて
質量体20の変位に応じて変形する可撓体10と、可撓
体10が固定される固定部30と、質量体20を加振す
る加振装置と、質量体20の変位を検出して信号を出力
する変位検出装置と、変位検出装置から出力される信号
に基づいて角速度を求める信号処理装置とにより構成さ
れる角速度センサにおいて、質量体20は可撓体10の
上下両表面に固定されており、両質量体20の重心位置
を可撓体10の加振方向の回転軸とコリオリ力が作用し
て変形する方向の回転軸の交点に一致させた振動型角速
度センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、角速度センサに
関し、特に、振動型角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】角速度センサの第1の従来例を図3
(a)を参照して説明する。角速度センサは、一般に、
質量体と、質量体に接合されて質量体の変位に応じて変
形する可撓体と、固定基体と、質量体を加振する加振装
置と、質量体の変位を検出して信号を出力する変位検出
装置と変位検出装置から出力される信号に基づいて角速
度を求める信号処理装置とにより構成されている。以
下、図3(a)を参照して具体的に説明する。
【0003】図3(a)において、質量体20は薄肉状
の可撓体10の下面に接合されている。可撓体10の外
周は固定部30に固定されている。可撓体10の質量体
20が接合されていない上方には固定部30に固定され
固定基体50が配置されている。固定基体50には、図
3(b)に示されるが如き固定電極501が形成されて
おり、この固定電極501に対向して可撓体10には図
3(c)に示されるが如き可動電極100が形成されて
いる。これら可撓体10の可動電極100と固定基体5
0の固定電極501との間に静電容量を形成している。
【0004】ここで、加振装置により質量体20をZ軸
方向に加振する。加振装置は、可撓体10の可動電極1
00と固定基体50の固定電極501との間に交流電圧
を印加する交流電源を接続することにより構成される。
加振装置は、可撓体10の可動電極100と固定基体5
0の固定電極501との間に静電気力を発生させること
により、質量体20を加振する。加振装置の振動周波数
である交流電圧の周波数を質量体20を有する可撓体1
0より成る振動部の固有振動数にほぼ一致させると、質
量体20は共振してその振幅は大きくなる。この状態に
おいて、Y軸廻りに角速度ωy が入力されると、質量体
20の質量m、質量体20のZ軸方向の速度Vz の場
合、コリオリ力Fcx=2m・Vz ・ωy が発生し、質量体
20はX軸の負方向に変位する。質量体20のZ軸方向
の速度Vz は正弦波状に変化しており、コリオリ力Fcx
も正弦波状に変化する。従って、このY軸廻りの角速度
ωyが生じる場合、質量体20はX軸方向に振動する。
この時、コリオリ力で発生した振動の振幅の大きさは入
力角速度ωy に比例する。
【0005】図5をも参照するに、質量体20に作用し
たコリオリ力により可撓体10は図4(a)に示される
如く変形せしめられる。この変形量を変位検出装置によ
り検出する。この検出には、可撓体10の可動電極10
0と固定基体50の固定電極501との間に形成される
静電容量を測定する装置を変位検出装置として使用する
ことができる。この変位検出装置から出力される信号を
信号処理装置60において角速度信号に変換する。信号
処理装置60は変位検出装置から出力される信号をZ軸
方向の加振周波数で同期検波し、これを積分している。
この角速度出力の変化を測定すれば、Y軸廻りに印加さ
れた角速度ωyが求められる。
【0006】ところで、この角速度センサは加速度も検
出することができる。以下、これについて説明する。X
軸方向に加速度αx が印加されたものとする。この結
果、質量体20には、慣性力fx =mαx がX軸方向に
作用する。ここで、mは質量体の質量である。この質量
体20の慣性力fxは可撓体10の中心点廻りのモーメ
ントとして作用し、可撓体10は結局Y軸廻りに回転変
位することとなる。この可撓体10の変位は可撓体10
の可動電極100と固定基体50の固定電極501との
間に形成される静電容量の容量変化により検出すること
ができる。そして、X軸方向の変位はX軸方向の加速度
αx に比例するので、容量変化を検出することによりX
軸方向の加速度αx をも検出することができる。
【0007】図5を参照して角速度信号と加速度信号の
信号処理の仕方を更に説明する。質量体20のX軸方向
の変位は、Y軸廻りの角速度で発生するX軸方向のコリ
オリ力で生じる変位とX軸方向の加速度で生じる変位の
和である。ここで、コリオリ力で生じる周波数は加振周
波数と一致している。ここで、測定する加速度および角
速度の周波数範囲をDC〜30Hzとし、加振周波数を
2kHzとする。加振周波数は測定する加速度および角
速度の周波数より充分に高いので、変位検出装置から出
力される信号を信号処理装置のローパスフィルタLPF
を通過させ、コリオリ力による振動成分を除去すること
によりX軸方向の加速度信号を得ることができる。そし
て、変位検出装置の出力信号をハイパスフィルタHPF
を通過させ、加速度信号を除去した後、加振周波数で同
期検波することによりコリオリ力信号が得られ、Y軸廻
りの角速度が求められる。従って、角速度センサにおい
ては、以上の信号処理を実施することにより加速度の成
分を除去し、所望の角速度成分のみを求めることができ
る。
【0008】次に、第2の従来例について説明する。振
動ジャイロは、一般に、質量体の大きいもの程性能が優
れていることが知られている。これは、振動ジヤイロに
角速度が入力されたときに発生するコリオリ力はF=2
mVΩの関係式により表現され、質量体の質量mに比例
するところから、S/N比を大きくとることができるた
めであるとされている。
【0009】更に、図4(b)を参照して電磁駆動方式
の角速度センサを第3の従来例として説明する。角速度
センサは可撓体10にコイル71が接合固定されてい
る。72はコイル71が捲回されるボビンである。この
コイル71は永久磁石73およびこれに固定されるヨー
ク74により形成される磁界中に配置されている。磁界
を形成する永久磁石73およびヨーク74より成る磁気
回路は固定部30に固定されている。コイル71に図示
される向きに直流電流を流通せしめると、矢印の向きに
電磁力が発生する。コイル71に流れる電流を交流電流
にすると、コイル71には上下方向に交互に力が発生
し、可撓体10に固定される質量体20を振動させるこ
とができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来例の問題点
を図6(a)を参照して説明する。角速度センサ80を
レートテーブル81の上面に設置する。加振方向を上下
方向であるZ軸方向とし、角速度センサ80の入力軸を
レートテーブル81の半径方向と直交する方向であるY
軸方向とする。レートテーブル81を角速度ωで回転さ
せた場合、この角速度センサ80には遠心加速度が作用
する。角速度センサ80の入力軸であるY軸廻りに発生
するコリオリ力を検出するX軸は遠心加速度が作用して
いる方向と一致している。本来は、加速度成分は信号処
理装置により除去することができ、図6(b)に示され
るが如き出力信号が得られる筈であるが、実際はこの加
速度成分が除去できず、図6(c)に示される如く角速
度信号中に残存する。従って、角速度センサ80の入力
軸Y廻りに入力がないにもかかわらず、入力があるかの
如き信号を出力することがある。
【0011】即ち、角速度センサ80の加振状態につい
て、理想的には可撓体10に直交する軸はZ軸方向に対
して平行に並進する振動をする。この如く構成すること
により、図7(a)に示される質量体20の振動結果が
得られるのであるが、現実は上述した通り遠心加速度が
X軸方向にも加わるところから、可撓体10に直交する
軸は常にZ軸に対して平行に並進振動をすることができ
ず、変位検出装置からは図7(c)に示されるが如き出
力信号が得られる。この周波数は加振周波数と一致して
いる。出力信号の振幅は遠心加速度に比例している。こ
の出力信号を加振信号で同期検波し、積分した角速度信
号には図6(b)に示される加速度成分が現われること
になる。
【0012】上述した通り、角速度センサの第1の従来
例は可撓体10の何れか一面に質量体20が接合固定さ
れているセンサであるので、この角速度センサには角速
度センサ80の入力軸Y廻りに入力がないにもかかわら
ず、入力があるかの如き信号を出力する欠点がある。第
2の従来例の問題点について説明する。振動ジャイロ
は、上述した通り、性能を向上させるには質量体20の
質量を増加させる必要があるが、質量体20の質量を増
加させとその分だけ質量体20を加振する駆動力を大き
くしなければならない。駆動の仕方としては、静電駆動
方式、圧電駆動方式、電磁駆動方式が考えられる。静電
駆動方式は質量の小さい半導体基板を使用したシリコン
マイクロマシンジャイロにおいて近年よく使用されてい
るが、格別大きな静電気力を発生することは難しく、質
量が大きい質量体を駆動するには不向きである。そし
て、圧電駆動方式は圧電素子を可撓体に付着させて圧電
素子に交流電圧を印加すれば可撓体は振動するが、圧電
素子は一般に温度特性がそれ程良好とはいい難く、これ
が角速度センサの性能を低減させる要因になる。従っ
て、質量の大きい質量体においては電磁駆動方式が適し
ている。
【0013】更に、第3の従来例の問題点を図4(b)
を参照して説明する。電磁駆動方式の場合、磁気回路を
固定部30側に構成し、コイル71を質量体20および
可撓体10側構成しているので、コイル71の端末を可
撓体10を介して固定部30側まで引き出さなければな
らない。可撓体10が絶縁体であれば金その他の金属導
電材料蒸着して配線パターンを形成し、コイル71の端
末を質量体20が接合されている近傍の配線パターンに
接続しなければならない。磁気回路を固定部30側に構
成し、コイル71を可撓体10側に構成している場合、
可撓体10への配線パターン製作工程が増えること、お
よびコイル71端末と配線パターンの接続が複雑になる
という問題がある。
【0014】この発明は、所望の入力軸に入力される角
速度成分のみを出力し、大きな駆動力を発生させ、磁気
駆動力を発生させる構造を組立構造上簡単にする上述の
問題を解消した振動型角速度センサを提供するものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1:質量体20
と、質量体20が固定されて質量体20の変位に応じ変
形する可撓体10と、可撓体10が固定される固定部3
0と、質量体20を加振する加振装置と、質量体20の
変位を検出して信号を出力する変位検出装置と、変位検
出装置から出力される信号に基づいて角速度を求める信
号処理装置とにより構成される角速度センサにおいて、
質量体20は可撓体10の上下両表面に固定されてお
り、両質量体20の重心位置を可撓体10の加振方向の
回転軸とコリオリ力が作用して変形する方向の回転軸の
交点に一致させた振動型角速度センサを構成した。
【0016】そして、請求項2:請求項1に記載される
振動型角速度センサにおいて、上下両質量体20の全体
の重心を可撓体10の中心部に設定した振動型角速度セ
ンサを構成した。また、請求項3:請求項1および請求
項2の内の何れかに記載される振動型角速度センサにお
いて、質量体20は質量体20内に一定磁界を生成する
永久磁石21とヨーク20とにより構成される振動型角
速度センサを構成した。
【0017】更に、請求項4:請求項3に記載される振
動型角速度センサにおいて、固定部30に固定され、永
久磁石21の生成する一定磁界を横切るコイル40を具
備する振動型角速度センサを構成した。ここで、請求項
5:請求項1ないし請求項4の内の何れかに記載される
振動型角速度センサにおいて、加振装置は電磁駆動加振
装置であることを特徴とする振動型角速度センサを構成
した。
【0018】そして、請求項6:請求項1ないし請求項
5の内の何れかに記載される振動型角速度センサにおい
て、変位検出装置は静電容量変化検出装置であることを
特徴とする振動型角速度センサを構成した。また、請求
項7:請求項6に記載される振動型角速度センサにおい
て、静電容量変化検出装置は質量体20のヨーク22に
形成される可動電極100とヨーク22に対向する固定
基体50に形成される固定電極501との間に形成され
る静電容量により構成されるものである振動型角速度セ
ンサを構成した。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図1を参
照して説明する。図1(a)はこの発明による振動型角
速度センサの縦方向断面を示す図である。図1(b)は
図1(a)における線N−N’に沿った水平方向断面矢
印方向に視た図である。図1(c)は可撓体を示す図で
ある。
【0020】この振動型角速度センサは、可撓体10
と、可撓体10の両面に接合固定された質量体20と、
可撓体10を保持する固定部30とにより構成されてい
る。可撓体10は、図1(c)に示される如く、外枠1
01、内枠102、中央板103、外枠101と内枠1
02とを連結する外側連結軸104、および内枠102
と中央板103とを連結する内側連結軸105により構
成されている。これら可撓体10の構成部材は非磁性金
属板を打ち抜き加工して一体構造としたものとすること
ができる。外側連結軸104はこれを軸として内枠10
2をY軸廻りに回転せしめる。内側連結軸105はこれ
を軸として中央板103をX軸廻りに回転せしめる。外
枠101は固定部30に結合固定されている。
【0021】質量体20は2個の永久磁石21、磁気回
路を形成するヨーク22により構成されている。上下の
質量体20全体の重心位置16は外側連結軸104と内
側連結軸105の交点に一致している。永久磁石21と
ヨーク22の間には図における上下方向に一定磁界が発
生している。40はコイルであるが、これは図1(b)
に示される如く、磁界に直交する方向に固定部30に位
置決め固定されている。コイル40は固定部30に固定
されているので、可撓体10を介さずにコイル40の端
末を外部接続することができる。
【0022】図2(a)を参照して振動型角速度センサ
の動作を説明する。質量体20の加振装置は、質量体2
0の内部に形成される一定磁界と、コイル40と、図示
されない交流電流発生装置により構成される。上側の質
量体20に着目すると、右側の永久磁石21は点線によ
り示される下から上向きの一定磁界を発生すると共に左
側の永久磁石21は点線により示される上から下向きの
一定磁界を発生しており、コイル40には図2に示され
る向きの電流が流通しているものとすると、上側のコイ
ル40には実線矢印により示される左向きの力が作用す
る。ところで、上側のコイル40は、その両端が固定部
30に固定されているのでこの左向きの力が作用しても
変位することはできず、反作用として質量体20に右向
きの力が発生するに到る。ところで、質量体20は、可
撓体10の中央板103に接合固定されているので、こ
の中央板103と共に可撓体10の外側連結軸104を
軸とするY軸廻りに回転することとなる。
【0023】下側の質量体20に着目すると、同様に、
右側の永久磁石21は点線により示される下から上向き
の一定磁界を発生すると共に左側の永久磁石21は点線
により示される上から下向きの一定磁界を発生してお
り、コイル40には図2に示される通りの上側のコイル
40とは逆向きの電流が流通しているものとすると、下
側のコイル40には実線矢印により示される右向きの力
が作用する。ところで、上側のコイル40は、その両端
が固定部30に固定されているので、この右向きの力が
作用しても変位することはできず、反作用として質量体
20に左向きの力が発生するに到る。質量体20は、可
撓体10の中央板103に接合固定されているので、こ
の中央板103と共に可撓体10の外側連結軸104を
軸として上側の質量体20と同一向きにY軸廻りに回転
することとなる。
【0024】以上の説明において、コイル40に流通す
る電流は直流電流であるものとしたが、これを交流電流
にすると、外側連結軸104廻りに回動角振動が発生す
ることになる。加振周波数を質量体20を含む可撓体1
0の振動体の振動周波数である固有振動数にほぼ一致さ
せると、質量体20の振動の振幅は大きくなる。ここ
で、上側の質量体20に着目するに、Z軸廻りの角速度
ωzが生じると、上側の質量体20の質量m、質量体2
0のX軸方向の正の向きの速度Vx の時、コリオリ力F
cv=2m・Vx ・ωz が発生して、質量体20はY軸の負
方向に変位する。
【0025】次に、下側の質量体20に着目するに、Z
軸廻りの角速度ωz が生じると、下側の質量体20の質
量m、質量体20のX軸方向の負の向きの速度Vx
時、コリオリ力Fcv=2m・Vx ・ωz が発生して、質量
体20はY軸の正方向に変位する。図2(b)に示され
る如く、質量体20はX軸である内側連結軸廻りに回転
する。質量体20のX軸方向速度Vx は正弦波状に変化
しており、コリオリ力Fcvも正弦波状に変化する。従っ
て、以上のZ軸廻りの角速度ωz が生じた場合、質量体
20はY軸方向に振動する。この時、コリオリ力で発生
した振動の振幅の大きさは角速度ωz に比例する。質量
体20に作用するコリオリ力により可撓体10に変形を
生ぜしめる。この発生した変化量を変位検出装置により
検出する。変位検出装置としては図3(a)に示される
如く質量体20に形成される可動電極100と質量体2
0に対向する固定基体50に形成される固定電極501
との間に形成される静電容量を使用することができる。
この変位検出装置から出力される信号を信号処理装置に
おいて角速度出力に変換する。信号処理装置は変位検出
装置から出力される信号をX軸方向の加振周波数で同期
検波し、積分している。この角速度出力の変化を測定す
ることにより、Z軸廻りに印加された角速度ωzが求め
られる。
【0026】以上の通りにして、この発明は、加速度成
分が入り込まない角速度信号を取り出すことができ、電
磁駆動により大きな駆動力を発生させることができ、し
かもコイルが固定基体に固定されているのでコイルの端
末は可撓体を介せず直接に電流発生装置に接続すること
ができて構造が簡単になる。
【0027】
【発明の効果】以上の通りであって、この発明によれ
ば、可撓体の両側に質量体を接合固定して、質量体の重
心位置を可撓体の加振の回転軸とコリオリ力が作用して
変形する回転軸の交点に一致させることにより、加速度
が加わったときの上側の質量体に発生する力と下側の質
量体に発生する力とが相殺されるので、角速度センサの
角速度出力に図6(c)の加速度成分が入り込まない角
速度信号を取り出すことができる。加速度成分が入り込
むことがないところから、これと無関係に電磁駆動力を
大きく設定することができる。そして、コイルが固定基
体に固定されているので、コイルの端末を可撓体を介さ
ずに直接電流発生装置に接続することができて振動型角
速度センサの形状構造を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を説明する図であり、(a)は縦方向断
面を示す図、(b)は(a)における線N−N’に沿っ
た断面を矢印方向に視た図、(c)は可撓体を示す平面
図である。
【図2】実施例の動作を説明する図であり、(a)は静
止状態を示す図、(b)はコリオリ力が作用して変形し
た状態を示す図である。
【図3】従来例を説明する図であり、(a)はその縦方
向断面を示す図、(b)は固定電極を示す図、(c)は
可動電極を示す図である。
【図4】従来例の動作を説明する図であり、(a)はコ
リオリ力が作用して変形した状態を示す図、(b)は電
磁駆動装置を説明する図である。
【図5】信号処理装置を説明する図である。
【図6】従来例の問題点を説明する図であり、(a)は
角速度センサの動作を説明する図、(b)は角速度セン
サの理想状態の角速度出力を示す図、(c)は角速度セ
ンサの現実の角速度出力を示す図である。
【図7】加振状態を説明する図であり、(a)は質量体
の理想の加振状態を示す図、(b)はX方向に加速度が
入力されている場合の加振状態を示す図、(c)は変位
検出装置の出力を示す図である。
【符号の説明】
10 可撓体 20 質量体 30 固定部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量体と、質量体が固定されて質量体の
    変位に応じて変形する可撓体と、可撓体が固定される固
    定部と、質量体を加振する加振装置と、質量体の変位を
    検出して信号を出力する変位検出装置と、変位検出装置
    から出力される信号に基づいて角速度を求める信号処理
    装置とにより構成される角速度センサにおいて、 質量体は可撓体の上下両表面に固定されており、両質量
    体の重心位置を可撓体の加振方向の回転軸とコリオリ力
    が作用して変形する方向の回転軸の交点に一致させたこ
    とを特徴とする振動型角速度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される振動型角速度セン
    サにおいて、 上下両質量体の全体の重心を可撓体の中心部に設定した
    ことを特徴とする振動型角速度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2の内の何れかに
    記載される振動型角速度センサにおいて、 質量体は質量体内に一定磁界を生成する永久磁石とヨー
    クとにより構成されることを特徴とする振動型角速度セ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載される振動型角速度セン
    サにおいて、 固定部に固定され、永久磁石の生成する一定磁界を横切
    るコイルを具備することを特徴とする振動型角速度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の内の何れかに
    記載される振動型角速度センサにおいて、 加振装置は電磁駆動加振装置であることを特徴とする振
    動型角速度センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5の内の何れかに
    記載される振動型角速度センサにおいて、 変位検出装置は静電容量変化検出装置であることを特徴
    とする振動型角速度センサ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載される振動型角速度セン
    サにおいて、 静電容量変化検出装置は質量体のヨークに形成される可
    動電極とヨークに対向する固定基体に形成される固定電
    極との間に形成される静電容量により構成されるもので
    あることを特徴とする振動型角速度センサ。
JP10162148A 1998-06-10 1998-06-10 振動型角速度センサ Withdrawn JPH11351878A (ja)

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