JP2006292455A - 半導体磁気センサおよびその製造方法 - Google Patents

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英謙 西脇
Yukio Nakao
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Abstract

【課題】温度変化による出力の変化を小さくすることができ、かつ広範囲の使用環境温度でも検出精度が優れている半導体磁気センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板4と、この基板4上に形成された半導体抵抗薄膜5と、前記基板4上に前記半導体抵抗薄膜5と電気的に接続されるように設けられた一対の外部出力取り出し用電極6とを有する半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路を少なくとも1つ備え、かつ前記2個の半導体磁気抵抗素子を抵抗温度特性が同一になるように構成したものである。
【選択図】図1

Description

本発明はセンサ等に用いられている半導体磁気センサおよびその製造方法に関するものである。
一般に、この種の半導体磁気センサは、半導体磁気抵抗素子を用い、磁界に応じた電圧を出力する機能を有するものである。
上記半導体磁気抵抗素子は、半導体等の基板上に半導体抵抗薄膜を形成し、そしてこの半導体抵抗薄膜上に複数の短絡電極を形成し、さらに前記半導体抵抗薄膜を覆うように保護膜を形成してなるものである。そして前記半導体抵抗薄膜と垂直な方向に磁界が印加されると、半導体抵抗薄膜中の電子の移動距離が長くなるため、半導体磁気抵抗素子の抵抗値は高くなるもので、すなわち、半導体磁気抵抗素子は磁界の方向と強さの変化に応じて抵抗値が変化する性質を有するものである。
この性質を用いると、半導体磁気センサにおいては、被検出体の回転数等を検出することができるものである。その具体的な構成の一例としては、磁性体からなる円板で円周に凹凸を形成した歯車形状の被検出体の近傍に半導体磁気抵抗素子とバイアス磁石を配置したものがある。このような構成の半導体磁気センサは、半導体磁気抵抗素子の近傍に位置する被検出体の形状が凸部と凹部の場合では半導体磁気抵抗素子を貫くバイアス磁石からの磁界が変化するため、被検出体の回転に伴い半導体磁気抵抗素子の抵抗値が変化するものであり、これを利用することにより、被検出体の回転角度、回転数または回転速度を検知することができるものである。
半導体磁気センサは、多くの場合には半導体磁気抵抗素子を直列に2個接続してその中点電位を検出するハーフブリッジ回路で構成されるが、半導体磁気抵抗素子を直列に2個接続したものを並列に2組接続し、それぞれの直列部の中点電位の差動出力を検出するフルブリッジ回路で構成される場合もある。
ハーフブリッジ回路の場合には、2つの半導体磁気抵抗素子の位相差を180°にすることにより、半導体磁気抵抗素子を1つだけ使用する構成の場合に比べ大きな電圧変化を得ることができる。また、フルブリッジ回路の場合には、直列部における2つの半導体磁気抵抗素子の位相差を180°にし、さらにそれぞれの直列部の中点電位の位相差も180°になるようにすると、ハーフブリッジ回路の場合に比べ2倍の出力変動が得られるものである。
ここで、ハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路を用いると、温度変化による出力への影響を減らすこともできる。これを実現するためには、ハーフブリッジ回路、またはフルブリッジ回路の直列部に組み込んだ2つの半導体磁気抵抗素子の特性が同一視できること、言い換えるとこれらの半導体磁気抵抗素子の特性のばらつきが少ないことが求められる。このため、1つのハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路に用いられる半導体磁気抵抗素子には、特性のばらつきを少なくするために一枚のウェハから形成されたものを使用していた。
なお、半導体磁気抵抗素子を用いた半導体磁気センサの発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−264323号公報
しかしながら、このような従来の半導体磁気センサでは、検出能力の高性能化、使用環境温度の広範囲化が求められるに従って、同一のウェハから形成された2以上の半導体磁気抵抗素子を使用しても、所望のセンサ特性を得ることができないという課題を有していた。
この課題に対しては、その原因が同一ウェハ内における半導体磁気抵抗素子において特性のバラツキが生じるからであると考え、同一ウェハ内で隣接する半導体磁気抵抗素子を一組のペアにして同一の半導体磁気センサの中で使用すると、一定の効果は得られるものの、使用環境温度の広範囲化という目的を達成するには至らなかった。
そこで、本発明の発明者らは、鋭意研究の末、以下の事項を見出した。
半導体磁気抵抗素子の特性のうち、常温無磁界における抵抗値(以下、「初期抵抗値」と記す。)と、磁気抵抗変化率(以下、「MR特性」と記す。)については、ウェハ内で隣接する磁気抵抗素子同士は同一視することができるものであった。しかし、抵抗温度係数(以下、「TCR特性」と記す。)はウェハにおける同一の同心円上の半導体磁気抵抗素子同士の特性が同一視できるものであった。
本発明は上記知見に基づき、従来の半導体磁気センサの課題を解決するもので、温度変化による出力の変化を小さくすることができ、かつ広範囲の使用環境温度でも検出精度が優れている半導体磁気センサおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、基板と、この基板上に形成された半導体抵抗薄膜と、前記基板上に前記半導体抵抗薄膜と電気的に接続されるように設けられた一対の外部出力取り出し用電極とを有する半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路を少なくとも1つ備え、かつ前記2個の半導体磁気抵抗素子を抵抗温度特性が同一になるように構成したもので、この構成によれば、半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路における2個の半導体磁気抵抗素子を抵抗温度特性(TCR特性)が同一になるように構成しているため、温度による出力の変化を小さくすることができ、これにより、使用環境温度が広範囲にわたっても検出精度の高いものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、基板と、この基板上に形成された半導体抵抗薄膜と、前記基板上に前記半導体抵抗薄膜と電気的に接続されるように設けられた一対の外部出力取り出し用電極とを有する半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路を少なくとも1つ備え、かつ前記2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハの同心円上に位置するもので構成したもので、この構成によれば、半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路における2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハの同心円上に位置するもので構成しているため、この直列回路に使用する2個の半導体磁気抵抗素子の抵抗温度特性(TCR特性)を同一視することができ、これにより、温度による出力の変化が小さくなるため、使用環境温度が広範囲にわたっても検出精度の高いものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハの周辺部に位置するもので構成したもので、この構成によれば、一枚のウェハの周辺部に位置する半導体磁気抵抗素子であってもこれらの2個の半導体磁気抵抗素子の抵抗温度特性(TCR特性)を同一視することができるため、温度による出力の変化を小さくすることができ、これにより、使用環境温度が広範囲にわたっても検出精度の高いものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハ内の隣接するもので構成したもので、この構成によれば、2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハ内の隣接するもので構成しているため、抵抗温度特性(TCR特性)のみならず、初期抵抗値およびMR特性もほぼ等しい半導体磁気抵抗素子で半導体磁気センサを構成することにより、検出精度が良く、かつ温度特性の良い出力が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項5に記載の発明は、ウェハ上に半導体抵抗薄膜およびこの半導体抵抗薄膜と電気的に接続される一対の外部出力取り出し用電極とをそれぞれ複数形成する工程と、前記ウェハを前記半導体抵抗薄膜と前記一対の外部出力取り出し用電極とを含んだ個片に分割して半導体磁気抵抗素子を得る工程と、前記半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続して直列回路を得る工程とを備え、前記直列回路を少なくとも1個有するとともに、前記2個の半導体磁気抵抗素子を抵抗温度特性が同一になるように構成したもので、この製造方法によれば、半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路における2個の半導体磁気抵抗素子を抵抗温度特性(TCR特性)が同一になるように構成しているため、温度による出力の変化を小さくすることができ、これにより、使用環境温度が広範囲にわたっても検出精度の高いものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項6に記載の発明は、ウェハ上に半導体抵抗薄膜およびこの半導体抵抗薄膜と電気的に接続される一対の外部出力取り出し用電極とをそれぞれ複数形成する工程と、前記ウェハを前記半導体抵抗薄膜と前記一対の外部出力取り出し用電極とを含んだ個片に分割して半導体磁気抵抗素子を得る工程と、前記半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続して直列回路を得る工程とを備え、前記直列回路を少なくとも1個有するとともに、前記2個の半導体磁気抵抗素子を前記ウェハの同一の同心円上に位置するもので構成したもので、この製造方法によれば、半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路における2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハの同心円上に位置するもので構成しているため、この直列回路に使用する2個の半導体磁気抵抗素子の抵抗温度特性(TCR特性)を同一視することができ、これにより、温度による出力の変化が小さくなるため、使用環境温度が広範囲にわたっても検出精度の高いものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項7に記載の発明は、ウェハ上に半導体抵抗薄膜およびこの半導体抵抗薄膜と電気的に接続される一対の外部出力取り出し用電極とをそれぞれ複数形成する工程と、前記ウェハを前記半導体抵抗薄膜と前記一対の外部出力取り出し用電極とを含んだ個片に分割して半導体磁気抵抗素子を得る工程と、前記半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続して直列回路を得る工程とを備え、前記直列回路を少なくとも1個有するとともに、前記2個の半導体磁気抵抗素子のうちの一方の半導体磁気抵抗素子が前記ウェハの中央部に位置するものである場合には他方の半導体磁気抵抗素子も前記ウェハの中央部に位置するもので構成し、かつ前記2個の半導体磁気抵抗素子のうちの一方の半導体磁気抵抗素子が前記ウェハの周辺部に位置するものである場合には他方の半導体磁気抵抗素子を前記ウェハにおける前記一方の半導体磁気抵抗素子と同一の同心円上に位置するもので構成したもので、この製造方法によれば、前記2個の半導体磁気抵抗素子のうちの一方の半導体磁気抵抗素子が前記ウェハの周辺部に位置するものである場合には他方の半導体磁気抵抗素子を前記ウェハにおける前記一方の半導体磁気抵抗素子と同一の同心円上に位置するもので構成しているため、この直列回路に使用する2個の半導体磁気抵抗素子の抵抗温度特性(TCR特性)を同一視することができ、これにより、温度による出力の変化が小さくなるため、使用環境温度が広範囲にわたっても検出精度の高いものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項8に記載の発明は、特に、直列回路を形成する2個の半導体磁気抵抗素子をウェハ上の隣接するもので構成したもので、この製造方法によれば、2個の半導体磁気抵抗素子をウェハ上の隣接するもので構成しているため、抵抗温度特性(TCR特性)のみならず、初期抵抗値およびMR特性もほぼ等しい半導体磁気抵抗素子で半導体磁気センサを構成することにより、検出精度が良く、かつ温度特性の良い出力が得られるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の半導体磁気センサは、温度変化による出力変化を小さくすることができるため、使用環境温度が広範囲にわたっても検出精度の高いものが得られるという優れた効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜6に記載の発明について説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1における半導体磁気センサに用いられる半導体磁気抵抗素子の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
図1(a)(b)において、1は上部シリコン層で、この上部シリコン層1の厚みは2μmである。2は上部シリコン層1の下面に位置する絶縁層で、この絶縁層2の厚みは1μmである。3は絶縁層2のさらに下面に位置する下部シリコン層である。4は前記上部シリコン層1、絶縁層2、下部シリコン層3によって構成される基板で、この基板4の厚みは625μmである。そして、この基板4の構造は、いわゆるSOIの構造をなしている。5は前記上部シリコン層1の上に直接形成されたInSb(インジウムアンチモン)からなる半導体抵抗薄膜で、この半導体抵抗薄膜5の厚さは約2μmである。6は外部出力取り出し用電極で、この外部出力取り出し用電極6はAu(金)等により構成されている。7は前記半導体抵抗薄膜5に複数個設けられた短絡電極で、この短絡電極7はCu(銅)等により構成されている。また、前記外部出力取り出し用電極6を除いて半導体抵抗薄膜5および短絡電極7を覆うように保護膜(図示せず)が形成されている。なお、図1(a)中のハッチングは断面を示すものではなく、外部出力取り出し用電極6および短絡電極7を示すためにこれらに付しているものである。
次に、上記した半導体磁気抵抗素子を用いて半導体磁気センサについて、図面を参照しながら説明する。
図2は本発明の実施の形態1における半導体磁気センサの概略図、図3は同半導体磁気センサの主要部の正面図、図4は同半導体磁気センサの回路図である。
図2、図3、図4において、図3、図4に示した8aは第1の半導体磁気抵抗素子、8bは第2の半導体磁気抵抗素子である。これら第1の半導体磁気抵抗素子8a、第2の半導体磁気抵抗素子8bは、いずれも図1に記載されたものと同様の構成を有しているものである。9は第1の半導体磁気抵抗素子8a、第2の半導体磁気抵抗素子8bを電気的に直列に接続した直列回路であるハーフブリッジ回路により構成される半導体磁気センサである。10は磁性体からなる回転可能な円板状の被検出体で、この被検出体10の円周上には凸部10aと凹部10bとが交互に形成されている。なお、図2においては、被検出体10の凸部10aと凹部10bは省略して示している。11は永久磁石からなるバイアス磁石で、このバイアス磁石11の磁界は半導体磁気センサ9を貫いて被検出体10へ届くようになっている。12は第1の半導体磁気抵抗素子8a、第2の半導体磁気抵抗素子8bが実装されたプリント基板で、このプリント基板12上には電極13が形成されている。14は第1の半導体磁気抵抗素子8a、第2の半導体磁気抵抗素子8b上の外部出力取り出し用電極6と電極13とを接続するワイヤボンディングである。
そして、前記第1の半導体磁気抵抗素子8a、第2の半導体磁気抵抗素子8bは、それぞれ図3に示すように被検出体10の凹部10bと凸部10aに対向しているもので、バイアス磁石11からの磁界は被検出体10の凹凸により変化する、すなわちそれぞれの半導体磁気抵抗素子8a,8bに印加される磁界が変化するものである。そしてまた、第1の半導体磁気抵抗素子8aと第2の半導体磁気抵抗素子8bは、図4に示すように電気的に直列に接続されているもので、図4におけるVccは印加電極、GNDはグランド電極、V1は中点電極である。磁界の変化は、中点電極V1の出力変化で検知することができる。
次に、本発明の実施の形態1における半導体磁気センサに用いられる半導体磁気抵抗効果素子の製造方法について説明する。
本発明の実施の形態1における半導体磁気センサに用いられる半導体磁気抵抗効果素子は1枚の円板状のSOIのウェハから複数個を造り出すものである。
まず、SOIからなる基板4の上部シリコン層1上に蒸着によりInSbからなる半導体抵抗薄膜5を直接成膜し、フォトリソグラフィー、エッチングにより所定のパターン形状に加工する。
次に、半導体抵抗薄膜5上にCuとCrからなる電極膜を蒸着またはスパッタにより形成し、同様の方法により所定の形状の短絡電極7を得る。
次に、半導体抵抗薄膜5、短絡電極7を覆うようにポリイミドからなる保護膜をスピンコートによる塗布、パターニングにより形成する。この保護膜は耐熱性、耐湿性に優れ、半導体抵抗薄膜5に加わる応力がないように材料が選定されて形成されたものである。
次に、AuとNiからなる外部出力取り出し用電極6をめっきにより形成する。この外部出力取り出し用電極6の材質と短絡電極7の材質を同じにすれば、この両者6,7は同時に形成することもできる。最後に各半導体磁気抵抗素子8をダイシングにより切断し個片にする。
次に、本発明の実施の形態1における半導体磁気センサに用いられる半導体磁気抵抗素子の組み合わせについて説明する。
図5は本発明の実施の形態1における半導体磁気センサに用いられる半導体磁気抵抗素子の組み合わせを示す図である。図5において、15はウェハであり、既に半導体磁気抵抗素子8が個片に切断された状態のものである。図5中の矢印は半導体磁気抵抗素子8を取り出す順番であって、取り出した順に一組のペアとして半導体磁気センサ9に組み込まれる。すなわち、同心円上にある第1の半導体磁気抵抗素子8aと第2の半導体磁気抵抗素子8bをペアとし、これらのTCR特性を同一にすることにより、所望の効果を得ることができる。
このように構成された本発明の実施の形態1における半導体磁気センサのTCR特性について実験を行った。図6は本発明の実施の形態1における半導体磁気センサと、比較例としての従来の半導体磁気センサのそれぞれの25℃の出力電圧を基準としたときの、150℃と−40℃の各温度における出力電圧変化を示したものである。比較例としての従来の半導体磁気センサは同心円上に無い隣接する半導体磁気抵抗素子8をペアにしている。いずれの半導体磁気センサもハーフブリッジ回路で構成しており、印加電圧は4V、サンプル数はそれぞれ12個である。図6の各温度における縦軸方向の線はバラツキを示している。
図6からも明らかなように、比較例としての従来の半導体磁気センサに比べ、本発明の実施の形態1における半導体磁気センサの中点出力のばらつきは約1/3程度に収まっており、良好な温度特性を有していることがわかる。
このように、ウェハ15の同一同心円上にある半導体磁気抵抗素子8を同一の半導体磁気センサ9に組み込むことにより、各半導体磁気抵抗素子8のTCR特性は実用上同一視できるため、使用環境温度範囲が広い場合であっても高精度の出力特性が得られる。
また、TCR特性の点からはウェハ15の同一の同心円上にある半導体磁気抵抗素子8で組み合わせればよく、隣接する半導体磁気抵抗素子8で組み合わせる必要はないが、初期抵抗値と、MR特性を同一にするためには隣接している半導体磁気抵抗素子8で組み合わせる方がよい。さらに、半導体磁気抵抗素子8を取り出す順番は図5の矢印に拘る必要は無く、同心円上の半導体磁気抵抗素子8をペアにすることができれば他の順番であってもよい。
なお、本発明は上記した本発明の実施の形態1の構成に限定されるものではなく、半導体磁気抵抗素子8とプリント基板12との電気的な接続はワイヤボンディング14の代わりにILBを用いてもよく、また基板4にはSOI基板の代わりに一般的なSi基板やガラス基板等を用いてもよい。そしてまた、ウェハ15内の半導体磁気抵抗素子8の中には不良品も存在すると思われるが、この様な不良品は半導体磁気センサ9には用いなければよい。
また、本発明の実施の形態1ではハーフブリッジ回路で形成したがフルブリッジ回路で形成することもできる。フルブリッジ回路はハーフブリッジ回路を構成する直列回路を2個並列に接続したもので、2つの直列回路の差動出力を取ることにより、ハーフブリッジ回路の2倍の出力を得ることができる。その回路構成を図7に示す。図7は本発明の実施の形態1における半導体磁気センサの他の回路図を示したもので、フルブリッジ回路で構成したときの図である。図7において、8aは第1の半導体磁気抵抗素子、8bは第2の半導体磁気抵抗素子、8cは第3の半導体磁気抵抗素子、そして8dは第4の半導体磁気抵抗素子である。V2,V3はそれぞれ中点電極であり、この2つの電位差が出力電圧となる。上記した第1の半導体磁気抵抗素子8a〜第4の半導体磁気抵抗素子8dは、いずれも図1に記載されたものと同様の構成となっているもので、第1の半導体磁気抵抗素子8aと第2の半導体磁気抵抗素子8bを電気的に直列に接続してペアとし、これらのTCR特性を同一にして、第3の半導体磁気抵抗素子8cと第4の半導体磁気抵抗素子8dも電気的に直列に接続してペアにし、これらのTCR特性も同一にすれば、所望の効果を得ることができる。ここで、第1の半導体磁気抵抗素子8aと第3の半導体磁気抵抗素子8c、第2の半導体磁気抵抗素子8bと第4の半導体磁気抵抗素子8dとの位相を等しくすることにより、中点電位V2と中点電位V3との電位変化の位相が180°差になるので、ハーフブリッジ回路の場合に比べて2倍の出力変化を得ることができる。
さらに、フルブリッジで使用する場合は、第1の半導体磁気抵抗素子8a〜第4の半導体磁気抵抗素子8dを全て同一の同心円上から取り出してTCR特性をすべて同一にする方がより好ましい。
以上説明したように、本発明の実施の形態1における半導体磁気センサは、ウェハ15内の半導体磁気抵抗素子8をTCR特性が同一視できるものをペアにして組み合わせるために、ウェハ15の同心円上に位置する半導体磁気抵抗素子8をペアにしているため、温度変化による出力変化を低減することができ、これにより、広範囲の環境温度での使用が可能となる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項7、8に記載の発明について説明する。
図8は本発明の実施の形態2における半導体磁気センサの組み合わせを示したもので、本発明の実施の形態2における半導体磁気センサと、上記した本発明の実施の形態1における半導体磁気センサとの違いは半導体磁気抵抗素子の組み合わせ方であり、その他の構成は同様である。
図8において、15aはウェハ15に一点鎖線で表した円形の内側の領域である中央部であり、15bはウェハ15における中央部15aの外側の領域である周辺部である。中央部15aに位置する半導体磁気抵抗素子8のTCR特性は実用上同一視できるものであるが、周辺部15bに位置する半導体磁気抵抗素子8のTCR特性は同一同心円上にあるものは同一視できるが、同一同心円上にないものはそうではない。この現象を概念的に示したものが図9である。図9は本発明の実施の形態2における半導体磁気センサのウェハ15内の直径方向のTCR特性の分布を示す模式図であり、縦軸はTCR特性、横軸は原点をウェハ15の中心としたウェハ上の位置を示している。なお、図9は本発明の実施の形態2における半導体磁気センサのウェハ15内のTCR特性を分かりやすく説明するための模式図に過ぎず、実際のTCR特性を正確に示したものではない。図9のようなTCR特性の分布になる理由は、理論的に解明されてはいないが、以下のような推測ができる。半導体抵抗薄膜5の形成時にはウェハ15を加熱するが、このとき、加熱と放熱、熱伝導等との関係でウェハ15の中心が最も温度が高くなり、ウェハ15の円周で最も温度が低くなると考えられる。しかし、ウェハ15の中心でなくとも円周から十分離れた場所においては、ウェハ15の中心とほぼ同じ温度条件になると考えられる。これにより、中央部15aに位置する半導体磁気抵抗素子8のTCR特性が同一視できるものになっていると考えられる。一方、周辺部15bにおいては、同心円上に温度分布が異なっており、ウェハ15の外周へ行くほど温度が低くなっていると考えられる。これにより、周辺部15bにおいては、ウェハ15の外周へ進むに従ってTCR特性が変化していると考えられる。この傾向はウェハ15の径が大きくなるほど、またSOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板等の同一の材料で構成されていない基板で大きくなり、いずれの場合も特に基板の周辺部でより大きな影響を生じると考えられる。
半導体磁気抵抗素子8の具体的な組み合わせ方法を図10に示す。図10は本発明の実施の形態2における半導体磁気センサのウェハの平面図である。ウェハ15は中央部15a、横ペア部15c、斜めペア部15d、そして縦ペア部15eの4種類の領域に区分することができる。なお、中央部15a以外の領域は周辺部15bである。ここで、中央部15aは、ウェハ15の中央に位置するもので、この中央部15aの領域内に位置する各半導体磁気抵抗素子8のTCR特性は同一として扱うことができる。また、この中央部15aにおける半導体磁気抵抗素子8は縦方向に隣接するものを組み合わせてもよいし、あるいは横方向、または斜め方向に隣接するものを組み合わせてもよい。取り数が最大になる組み合わせを行うのが効率的である。横ペア部15cは中央部15aの紙面上方および下方に位置する領域であり、この横ペア部15cに位置する半導体磁気抵抗素子8は紙面で横方向に隣接するものを組み合わせて用いられる。斜めペア部15dは中央部15aの紙面斜め上方および斜め下方に位置する領域であり、この斜めペア部15dに位置する半導体磁気抵抗素子8は紙面で斜め方向に隣接するものを組み合わせて用いられる。縦ペア部15eは中央部15aの紙面右および左に位置する領域であり、この縦ペア部15eに位置する半導体磁気抵抗素子8は紙面で縦方向に隣接するものを組み合わせて用いられる。このような組み合わせを行えば、ウェハ15の周辺部15bにおいて同心円状に半導体磁気抵抗素子8を組み合わせることになり、そしてTCR特性が同一の半導体磁気抵抗素子8をペアにして半導体磁気センサ9に用いることになるため温度変化に対する出力変化の小さな半導体磁気センサを得ることができる。
以上のように本発明の実施の形態2における半導体磁気センサも、上記した本発明の実施の形態1における半導体磁気センサと同様の作用効果を奏するものである。
本発明にかかる半導体磁気センサは、抵抗温度特性が同一の半導体磁気抵抗素子同士をペアとしているため、温度による出力の変化が小さく、精度が良いという効果を有し、自動車用途のセンサだけでなく、各種電子機器用途のセンサに適用できるものである。
(a)本発明の実施の形態1における半導体磁気センサに用いられる半導体磁気抵抗素子の平面図、(b)図1(a)のA−A線断面図 本発明の実施の形態1における半導体磁気センサの概略図 同半導体磁気センサの主要部の正面図 同半導体磁気センサの回路図 同半導体磁気センサに用いられる半導体磁気抵抗素子の組み合わせを示す図 同半導体磁気センサと従来の半導体磁気センサの各温度における出力電圧変化を示す図 同半導体磁気センサの他の回路図 本発明の実施の形態2における半導体磁気センサの組み合わせを示す図 同半導体磁気センサのウェハ内のTCR特性の分布を示す模式図 同半導体磁気センサのウェハの平面図
符号の説明
1 上部シリコン層
2 絶縁層
3 下部シリコン層
4 基板
5 半導体抵抗薄膜
6 外部出力取り出し用電極
7 短絡電極
8 半導体磁気抵抗素子
8a 第1の半導体磁気抵抗素子
8b 第2の半導体磁気抵抗素子
8c 第3の半導体磁気抵抗素子
8d 第4の半導体磁気抵抗素子
9 半導体磁気センサ
15 ウェハ
15a 中央部
15b 周辺部

Claims (8)

  1. 基板と、この基板上に形成された半導体抵抗薄膜と、前記基板上に前記半導体抵抗薄膜と電気的に接続されるように設けられた一対の外部出力取り出し用電極とを有する半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路を少なくとも1つ備え、かつ前記2個の半導体磁気抵抗素子を抵抗温度特性が同一になるように構成した半導体磁気センサ。
  2. 基板と、この基板上に形成された半導体抵抗薄膜と、前記基板上に前記半導体抵抗薄膜と電気的に接続されるように設けられた一対の外部出力取り出し用電極とを有する半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続した直列回路を少なくとも1つ備え、かつ前記2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハの同心円上に位置するもので構成した半導体磁気センサ。
  3. 2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハの周辺部に位置するもので構成した請求項2記載の半導体磁気センサ。
  4. 2個の半導体磁気抵抗素子を一枚のウェハ内の隣接するもので構成した請求項2または3のいずれかに記載の半導体磁気センサ。
  5. ウェハ上に半導体抵抗薄膜およびこの半導体抵抗薄膜と電気的に接続される一対の外部出力取り出し用電極とをそれぞれ複数形成する工程と、前記ウェハを前記半導体抵抗薄膜と前記一対の外部出力取り出し用電極とを含んだ個片に分割して半導体磁気抵抗素子を得る工程と、前記半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続して直列回路を得る工程とを備え、前記直列回路を少なくとも1個有するとともに、前記2個の半導体磁気抵抗素子を抵抗温度特性が同一になるように構成した半導体磁気センサの製造方法。
  6. ウェハ上に半導体抵抗薄膜およびこの半導体抵抗薄膜と電気的に接続される一対の外部出力取り出し用電極とをそれぞれ複数形成する工程と、前記ウェハを前記半導体抵抗薄膜と前記一対の外部出力取り出し用電極とを含んだ個片に分割して半導体磁気抵抗素子を得る工程と、前記半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続して直列回路を得る工程とを備え、前記直列回路を少なくとも1個有するとともに、前記2個の半導体磁気抵抗素子を前記ウェハの同一の同心円上に位置するもので構成した半導体磁気センサの製造方法。
  7. ウェハ上に半導体抵抗薄膜およびこの半導体抵抗薄膜と電気的に接続される一対の外部出力取り出し用電極とをそれぞれ複数形成する工程と、前記ウェハを前記半導体抵抗薄膜と前記一対の外部出力取り出し用電極とを含んだ個片に分割して半導体磁気抵抗素子を得る工程と、前記半導体磁気抵抗素子を2個電気的に直列に接続して直列回路を得る工程とを備え、前記直列回路を少なくとも1個有するとともに、前記2個の半導体磁気抵抗素子のうちの一方の半導体磁気抵抗素子が前記ウェハの中央部に位置するものである場合には他方の半導体磁気抵抗素子も前記ウェハの中央部に位置するもので構成し、かつ前記2個の半導体磁気抵抗素子のうちの一方の半導体磁気抵抗素子が前記ウェハの周辺部に位置するものである場合には他方の半導体磁気抵抗素子を前記ウェハにおける前記一方の半導体磁気抵抗素子と同一の同心円上に位置するもので構成した半導体磁気センサの製造方法。
  8. 直列回路を形成する2個の半導体磁気抵抗素子をウェハ上の隣接するもので構成した請求項7記載の半導体磁気センサの製造方法。
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JP2009047444A (ja) * 2007-08-14 2009-03-05 Shinka Jitsugyo Kk 磁気センサ及びその製造方法
JP2013207195A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 磁気抵抗素子
JP2021043003A (ja) * 2019-09-09 2021-03-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 磁気式位置検出装置

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