JP2006292428A - 電子機器 - Google Patents

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亮 澤田
Shunji Minami
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Abstract

【課題】液晶表示パネルの表示領域を十分に確保するとともに、美的外観に優れる電子機器を提供する。
【解決手段】時計ケース2内に、液晶表示パネル8と、この液晶表示パネル8よりも外光入射側と反対側に位置して電波信号により情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うアンテナ9とを備える腕時計100であって、液晶表示パネル8の二つの偏光部材のうち、外光入射側と反対側に設けられた偏光部材を、可視光域の全ての波長の光を反射するとともにアンテナ9により送信又は受信される波長の電波信号を透過する反射型偏光フィルム84とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶表示パネルを備えた電子機器に関する。
従来より、電子機器としての腕時計や携帯電話機等には、機器ケース内に時刻等の各種の情報を表示する液晶表示パネルが設けられている。
また、これらの電子機器として、光や電波等の電磁波を用いて外部通信機器に情報を送信したり外部通信機器から送信された情報を受信するための通信素子や無線モジュールを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−286879号公報
ところで、上記特許文献1等の場合、通信素子や無線モジュールによる情報の送信や受信を感度良く行うためには、当該通信素子や無線モジュールの外光入射側に電磁波の送受信の障害となる金属製部材が配置されないようにすることが好ましい。具体的には、例えば、アルミニウムや銀等を有してなる反射板を備える液晶表示パネルと通信素子等とが外光入射側から見て重ならないように、電子機器の厚さ方向に直交する方向に並設されることが好ましい。
しかしながら、液晶表示パネルが通信素子等と重ならないように配設される場合、液晶表示パネルの配置が制約を受けて当該液晶表示パネルの表示領域を十分に確保することができなくなってしまうといった問題がある。
また、かかる場合に、通信素子等が通信感度を向上させる上でその表面を機器ケースの外光入射側に臨ませるように配設されると、当該通信素子等の表面が外光入射側に露出された状態となることから、電子機器の美的外観を損ねてしまうといった問題が生じる虞もある。
そこで、本発明の課題は、液晶表示パネルの表示領域を十分に確保することができるとともに、美的外観に優れる電子機器を提供することである。
請求項1に記載の発明の電子機器(例えば、図1の腕時計100等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図2の時計ケース2等)と、
この機器ケース内に配設され、第一の光透過基板(例えば、図2の第一の光透過基板81)とこの第一の光透過基板の前記外光入射側と反対側に配設された第二の光透過基板(例えば、図2の第二の光透過基板82)との間に液晶が設けられた液晶表示パネル(例えば、図2の液晶表示パネル8等)と、
この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電磁波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図2のアンテナ9等)と、を備え、
前記液晶表示パネルは、
前記第一の光透過基板よりも外光入射側に設けられた第一の偏光部材(例えば、図2の上偏光板83等)と、前記第二の光透過基板よりも外光入射側と反対側に設けられた第二の偏光部材(例えば、図2の反射型偏光フィルム84等)とを有し、
この第二の偏光部材は、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記通信素子により送信又は受信される波長の電磁波を透過する反射型偏光
フィルムであることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、
前記液晶表示パネルと前記通信素子との間に配設された導光板(例えば、図8の導光板17)と、
この導光板の外側に設けられ、前記導光板に光を照射する発光素子(例えば、図8のLED16等)とを備えることを特徴としている。
請求項3に記載の発明の電子機器(例えば、図5の腕時計200等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図5の時計ケース2等)と、
この機器ケース内に配設された液晶表示パネル(例えば、図5の液晶表示パネル208等)と、
この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電磁波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図5のアンテナ9等)と、
前記液晶表示パネルと前記通信素子との間に配設され、且つ、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記通信素子により送信又は受信される波長の電磁波を透過する光反射フィルム(例えば、図5の光反射フィルム15)と、
を備えていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電子機器において、
前記液晶表示パネルと前記光反射フィルムとの間に配設された導光板(例えば、図11の導光板17)と、
この導光板の外側に設けられ、前記導光板に光を照射する発光素子(例えば、図11のLED16等)とを備えることを特徴としている。
請求項5において、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器において、
前記通信素子は、電波信号の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うアンテナ(例えば、図1のアンテナ9等)であることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器において、
前記通信素子は、赤外線通信用の通信素子(例えば、図4の赤外線通信モジュール13等)であることを特徴としている。
請求項7に記載の発明の電子機器(例えば、図17の携帯電話機600等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図17の筐体603A)と、
この機器ケース内に配設され、第一の光透過基板(例えば、図17の第一の光透過基板81)とこの第一の光透過基板の前記外光入射側と反対側に配設された第二の光透過基板(例えば、図17の第二の光透過基板82)との間に液晶が設けられた液晶表示パネル(例えば、図17の液晶表示パネル608等)と、
この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うためのアンテナ(例えば、図17のアンテナ609A)を有する無線モジュール(例えば、図17の無線モジュール609)と、を備え、
前記液晶表示パネルは、
前記第一の光透過基板よりも外光入射側に設けられた第一の偏光部材(例えば、図17の上偏光板83)と、前記第二の光透過基板よりも外光入射側と反対側に設けられた第二の偏光部材(例えば、図17の反射型偏光フィルム84)とを有し、
この第二の偏光部材は、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記無線モジュールの前記アンテナにより送信又は受信される波長の電波を透過する反射型偏光フィルムであることを特徴としている。
請求項8に記載の発明の電子機器(例えば、図19の携帯電話機700)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図19の筐体603A)と、
この機器ケース内に配設された液晶表示パネル(例えば、図19の液晶表示パネル708)と、
この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うためのアンテナ(例えば、図19のアンテナ609A)を有する無線モジュール(例えば、図19の無線モジュール609)と、
前記液晶表示パネルと前記無線モジュールとの間に配設され、且つ、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記無線モジュールの前記アンテナにより送信又は受信される波長の電波を透過する光反射フィルム(例えば、図19の光反射フィルム15)と、
を備えていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、反射型偏光フィルムは、通信素子により送信又は受信される波長の電磁波を透過するので、液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に通信素子を配設しても、当該通信素子による電磁波の通信感度が低下することがなくなって、当該反射型偏光フィルムを備える液晶表示パネルの表示領域を十分に確保することができる。これにより、機器ケースを金属製としても通信素子による通信を適正に行うことができる。
また、反射型偏光フィルムは、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該反射型偏光フィルムによって通信素子が機器ケースの外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、液晶表示パネルと通信素子との間に配設された導光板によって、当該導光板に対して発光素子から照射され入射された光が導光されるので、導光された光が液晶表示パネルに照射されることなって、暗所にて液晶表示パネルに表示された情報を機器ケースの外光入射側からより適正に視認することができる。
請求項3に記載の発明によれば、液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に配設される光反射フィルムは、通信素子により送信又は受信される波長の電磁波を透過するので、光反射フィルムよりも外光入射側と反対側に通信素子を配設しても、当該通信素子による電磁波の通信感度が低下することがなくなって、液晶表示パネルの表示領域を十分に確保することができる。これにより、機器ケースを金属製としても通信素子による通信を適正に行うことができる。
また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって通信素子が機器ケースの外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、液晶表示パネルと光反射フィルムとの間に配設された導光板によって、当該導光板に対して発光素子から照射され入射された光が導光されるので、導光された光が液晶表示パネルに照射されることなって、暗所にて液晶表示パネルに表示された情報を
機器ケースの外光入射側からより適正に視認することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、アンテナによる電波信号の通信感度が低下することがなくなって、当該アンテナを用いて電波信号の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方をより適正に行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜4に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、通信素子による赤外線通信の感度が低下することがなくなって、当該通信素子によって赤外線を介した情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方をより適正に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、反射型偏光フィルムは、無線モジュールのアンテナにより送信又は受信される波長の電波を透過するので、液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に無線モジュールを配設しても、当該無線モジュールによる電波の通信感度が低下することがなくなって、当該反射型偏光フィルムを備える液晶表示パネルの表示領域を十分に確保することができる。これにより、機器ケースを金属製としても無線モジュールによる通信を適正に行うことができる。
また、反射型偏光フィルムは、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該反射型偏光フィルムによって無線モジュールが機器ケースの外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に配設される光反射フィルムは、無線モジュールのアンテナにより送信又は受信される波長の電波を透過するので、光反射フィルムよりも外光入射側と反対側に無線モジュールを配設しても、当該無線モジュールによる電波の通信感度が低下することがなくなって、液晶表示パネルの表示領域を十分に確保することができる。これにより、機器ケースを金属製としても無線モジュールによる通信を適正に行うことができる。
また、光反射フィルムは、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって無線モジュールが機器ケースの外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1の電子機器として例示する腕時計を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線における要部の拡大断面図である。また、図3は、腕時計に備わる液晶表示パネルとアンテナの配置状態を模式的に示した図である。
図1〜図3に示すように、実施形態1の腕時計100には、時計計時部1を内部に収納する機器ケースとしての時計ケース2が備えられている。
時計ケース2の上部中央には時計ガラス3が装着され、また、時計ケース2の下面には、防水リング4を介して裏蓋5が取り付けられている。さらに、時計ケース2の外周部には、当該腕時計100の各種機能の実行を指示するスイッチ6、…が設けられている。
また、図2に示すように、時計ケース2の時計計時部1を挟んだ両端部、即ち、時計ケース2の当該腕時計100における12時方向側及び6時方向側の端部には、バンド軸71を介して時計バンド7が設けられている。
なお、時計ケース2は、当該腕時計100を美的外観に優れたものとする上で、金属製とすることが好ましい。
時計計時部1は、図2に示すように、デジタル表示機能を備える液晶表示パネル8が配設された上部ハウジング1Aと、この上部ハウジング1Aよりも外光入射側(図2における上側)と反対側(図2における下側)に配設された下部ハウジング1Bとを備えている。
下部ハウジング1Bには、当該腕時計100が各種動作を行うための電源として用いられる電池10が配設されている。また、下部ハウジング1Bと上部ハウジング1Aとの間には、液晶表示パネル8とインターコネクター11を介して接続された回路基板12が配置されている。
上部ハウジング1Aには、液晶表示パネル8、アンテナ(通信素子)9が外光入射側から順に配置されている。
アンテナ9は、例えば、上部ハウジング1A内の12時方向側の端部よりの位置に配設され、所定の接続線91を介して回路基板12に電気的に接続されている。
また、アンテナ9は、例えば、電波信号により情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うものである。具体的には、例えば、アンテナ9は、電波時計用のものであっても良いし、RF−ID(Radio Frequency Identification)システムを構成するデータキャリアモジュール用のものであっても良い。
液晶表示パネル8は、上部ハウジング1Aの上端部に、時計ガラス3に対向させるようにして取り付けられている。
この液晶表示パネル8は、第一の光透過基板81とこの第一の光透過基板81の外光入射側と反対側に配設された第二の光透過基板82との間に液晶が設けられ、第一の光透過基板81の外光入射側の面に配設された上偏光板(第一の偏光部材)83と、第二の光透過基板82の外光入射側と反対側の面に配設された反射型偏光フィルム(第二の偏光部材)84と、反射型偏光フィルム84の外光入射側と反対側の面に貼設されたシート85とを備えている。
第一の光透過基板81と第二の光透過基板82には、それぞれ透明電極(図示略)が配設され、これら透明電極は、インターコネクター11を介して回路基板12に接続されている。
上偏光板83は、その透過軸方向(偏光方向)にほぼ平行する方向の振動面をもつ直線偏光を透過し、透過軸方向とほぼ直交する方向の振動面をもつ直線偏光を吸収するものである。
反射型偏光フィルム84は、アンテナ9により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに、当該反射型偏光フィルム84の透過軸方向に対してほぼ平行な振動面をもつ直線偏光を透過し、透過軸方向とほぼ直交する振動面をもつ直線偏光を反射するものである。
具体的には、反射型偏光フィルム84は、例えば、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂等からなる2種類の薄層が交互に積層され、さらに、これら複数の薄層は、透過軸方向の屈折率は等しく、且つ、透過軸方向と直交する方向の屈折率は異なるように設定されたフィルムである。
また、反射型偏光フィルム84は、その透過軸方向とほぼ直交する振動面をもつ直線偏光のうち、可視光域(例えば、420〜800[nm])の波長の光を反射するようになっている。即ち、反射型偏光フィルム84の複数の薄層は、隣合う2種類の薄層を一組とし、各組を構成する各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定され、さらに、各組が可視光域の異なる波長の光に対応して構成されている。これによっ
て、反射型偏光フィルム84の隣合う所定の薄層どうしの境界面により、可視光域の所定の波長の光を反射することができることとなって、例えば、当該反射型偏光フィルム84の複数の薄層全体により、可視光域の全ての波長の光を反射することができるようになっている。
シート85は、反射型偏光フィルム84の略全面を外光入射側と反対側から覆うように貼り付けられ、当該液晶表示パネル8のデジタル表示のコントラストを向上させる上では濃い色を有するものが好ましい。
なお、シート85の色の濃淡は、液晶表示パネル8のデジタル表示の設定されるコントラストに応じて適宜変更することができる。
上記構成の液晶表示パネル8は、第一の光透過基板81及び第二の光透過基板82の透明電極間に電圧が印加されていない状態において、反射型偏光フィルム84にて可視光を全て反射することでその表面が鏡面のような状態となって金属感を備えさせることができ、一方、電圧を印加した状態において、可視光が反射型偏光フィルム84を透過してシート85にて反射されることで時刻等の各種の情報を所定の色(シート85の色)で表示することができるようになっている。
また、所定の外部通信機器から送信される電波信号は、当該液晶表示パネル8を透過してアンテナ9まで達することとなる一方で、アンテナ9から送信される電波信号は液晶表示パネル8を透過して当該腕時計100の外部に出力されることとなる。
以上のように、実施形態1の腕時計100によれば、液晶表示パネル8に備わる反射型偏光フィルム84は、アンテナ9により送信又は受信される電波信号を透過するので、アンテナ9を液晶表示パネル8よりも外光入射側と反対側に配設しても、アンテナ9による電波信号の通信感度の低下がなくなり、時計ケース2を金属製としてもアンテナ9を用いて電波信号の送信又は受信を適正に行うことができる。従って、反射型偏光フィルム84を備える液晶表示パネル8の表示領域を十分に確保することができる。
また、反射型偏光フィルム84は、可視光域の全ての波長の光を反射させることができるので、当該腕時計100に金属感を備えさせて高級感を向上させることができる。さらに、反射型偏光フィルム84によってアンテナ9が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計100を美的外観に優れたものとすることができる。
<変形例1>
なお、上記実施形態1では、通信素子として、電波信号により情報の送信又は受信を行うアンテナ9を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、赤外線を用いて送信や受信を行う通信素子から成る赤外線通信モジュール13であっても良い(図4参照)。
即ち、変形例1の腕時計は、図4に示すように、液晶表示パネル108の反射型偏光フィルム84の外光入射側と反対側に、腕時計内に入射されて液晶表示パネル108を透過した光のうち、赤外線以外の波長の光をカットして赤外線を透過させる赤外線透過フィルター14が配設され、この赤外線透過フィルター14よりも外光入射側と反対側に赤外線通信モジュール13が配設されている。
これにより、所定の外部通信機器から送信される赤外線は、当該液晶表示パネル108及び赤外線透過フィルター14を透過して赤外線通信モジュール13に達することとなる一方で、赤外線通信モジュール13から送信される赤外線は赤外線透過フィルター14及び液晶表示パネル108を透過して当該腕時計の外部に出力されることとなる。
なお、赤外線透過フィルター14は、液晶表示パネル108のデジタル表示のコントラストを向上させる上では濃い色を有するものが好ましい。
従って、変形例1の腕時計によれば、反射型偏光フィルム84は赤外線通信モジュール
13により送信又は受信される赤外線を透過するので、赤外線通信モジュール13を液晶表示パネル108よりも外光入射側と反対側に配設しても、赤外線通信モジュール13による赤外線通信の感度の低下がなくなり、時計ケース2を金属製としても赤外線通信モジュール13による赤外線通信を適正に行うことができる。これにより、反射型偏光フィルム84を備える液晶表示パネル108の表示領域を十分に確保することができる。
また、反射型偏光フィルム84は、可視光域の全ての波長の光を反射させることができるので、当該腕時計に金属感を備えさせて高級感を向上させることができる。さらに、反射型偏光フィルム84によって赤外線通信モジュール13が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計を美的外観に優れたものとすることができる。
[実施形態2]
以下に、実施形態2の腕時計200について図5及び図6を参照して説明する。
ここで、図5は、本発明を適用した実施形態2の電子機器として例示する腕時計200の要部の拡大断面図であり、図6は、腕時計200に備わる液晶表示パネル208と光反射フィルム15とアンテナ9の配置状態を模式的に示した図である。
なお、実施形態2の腕時計200を構成する各部のうち、上記実施形態1と同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5及び図6に示すように、実施形態2の腕時計200は、実施形態1の腕時計100における反射型偏光フィルム84の代わりに下偏光板86と光反射フィルム15を備えている。
具体的には、液晶表示パネル208は、第二の光透過基板82の外光入射側と反対側の面に、上偏光板83とほぼ同様の構成をなす下偏光板86が配設されている。即ち、下偏光板86は、その透過軸方向にほぼ平行する方向の振動面をもつ直線偏光を透過し、透過軸方向とほぼ直交する方向の振動面をもつ直線偏光を吸収するものである。
また、下偏光板86の外光入射側と反対側の面に、可視光域の波長の光を反射するとともに、アンテナ9により送信又は受信される波長の電磁波を透過する光反射フィルム15が配設されている。
光反射フィルム15は、例えば、反射型偏光フィルム84と同様に、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂等からなる2種類の薄層が交互に積層されてなり、複数の薄層は、隣合う2種類の薄層を一組とし、各組を構成する各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定され、さらに、各組が可視光域(例えば、420〜800[nm])の異なる波長の光に対応して構成されている。これにより、光反射フィルム15は、例えば、可視光域の全ての波長の光を反射することができるようになっている。
上記構成によれば、第一の光透過基板81及び第二の光透過基板82の透明電極間に電圧が印加されていない状態において、光反射フィルム15にて可視光を全て反射することでその表面が鏡面のような状態となって金属感を備えさせることができ、一方、電圧を印加した状態において、可視光が下偏光板86にて吸収されることで時刻等の各種の情報を表示することができるようになっている。
また、所定の外部通信機器から送信される電波信号は、当該液晶表示パネル208及び光反射フィルム15を透過してアンテナ9まで達することとなる一方で、アンテナ9から送信される電波信号は光反射フィルム15及び液晶表示パネル208を透過して当該腕時計200の外部に出力されることとなる。
以上のように、実施形態2の腕時計200によれば、液晶表示パネル208よりも外光入射側と反対側に配設される光反射フィルム15は、アンテナ9により送信又は受信される電波信号を透過するので、アンテナ9を光反射フィルム15よりも外光入射側と反対側に配設しても、アンテナ9による電波信号の通信感度の低下がなくなり、液晶表示パネル208の表示領域を十分に確保することができる。
また、光反射フィルム15は、可視光域の全ての波長の光を反射させることができるので、当該腕時計200に金属感を備えさせて高級感を向上させることができる。さらに、光反射フィルム15によってアンテナ9が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計200を美的外観に優れたものとすることができる。
<変形例2>
変形例2の腕時計は、実施形態2の腕時計200におけるアンテナ9に代えて赤外線通信モジュール13を備えている(図7参照)。
即ち、変形例2の腕時計は、図7に示すように、光反射フィルム15の外光入射側と反対側に赤外線通信モジュール13が配設されている。
これにより、所定の外部通信機器から送信される赤外線は、当該液晶表示パネル208及び光反射フィルム15を透過して赤外線通信モジュール13に達することとなる一方で、赤外線通信モジュール13から送信される赤外線は光反射フィルム15及び液晶表示パネル8を透過して当該腕時計の外部に出力されることとなる。
従って、変形例2の腕時計によれば、光反射フィルム15は赤外線通信モジュール13により送信又は受信される赤外線を透過するので、赤外線通信モジュール13を光反射フィルム15よりも外光入射側と反対側に配設しても、赤外線通信モジュール13による赤外線通信感度の低下がなくなり、液晶表示パネル208の表示領域を十分に確保することができる。
また、光反射フィルム15は、可視光域の全ての波長の光を反射させることができるので、当該腕時計に金属感を備えさせて高級感を向上させることができる。さらに、光反射フィルム15によって赤外線通信モジュール13が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計を美的外観に優れたものとすることができる。
[実施形態3]
以下に、実施形態3の腕時計300について図8及び図9を参照して説明する。
ここで、図8は、本発明を適用した実施形態3の電子機器として例示する腕時計300の要部の拡大断面図であり、図9は、腕時計300に備わる液晶表示パネル8とLED16と導光板17とアンテナ9の配置状態を模式的に示した図である。
なお、実施形態3の腕時計300は、LED16、導光板17及び光反射フィルム15以外の点では実施形態1とほぼ同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図8及び図9に示すように、実施形態3の腕時計300は、液晶表示パネル8のバックライト用のLED(発光素子)16、導光板17及び光反射フィルム15を備えている。
導光板17は、液晶表示パネル8とアンテナ9との間に配設され、具体的には、その外光入射側の面をシート85の外光入射側と反対側の面に対向させるようにして配設されている。
LED16は、導光板17の側面に近接するように当該導光板17の外側、例えば12時方向側に設けられ、導光板17に向けて光を照射するものである。また、LED16は、一端が回路基板12に接続されるとともに他端が当該LED16に接続された導電性のコイルばね等の付勢部材161により外光入射側に付勢されている。
なお、LED16は、例えば、所定のスイッチ6と電気的に接続されており、当該スイッチ6がユーザにより押圧操作されることで発光するようになっている。
光反射フィルム15は、実施形態2の腕時計200における光反射フィルム15とほぼ同様の構成をなすものであり、導光板17の外光入射側と反対側の面に貼設され、導光板17内を導光される光をより効率的に液晶表示パネル8側へ反射させるものである。
上記構成により、LED16から出力された光は、導光板17に採り込まれ、採り込まれた光は導光板17内を導光され、また、光反射フィルム15により外光入射側に反射され、導光板17全体あるいは所定の出力位置から出力されて液晶表示パネル8に照射されるようになっている。
シート85は、液晶表示パネル8のデジタル表示のコントラストを向上させる上で濃い色を有し、且つ、可視光の透過率が例えば10〜50%程度であるものが好ましい。
以上のように、実施形態3の腕時計300によれば、導光板17に対してLED16から照射され入射された光が当該導光板17によって導光されるので、導光された光が液晶表示パネル8に照射されることとなって、暗所にて液晶表示パネル8に表示された情報を時計ケース2の外光入射側からより適正に視認することができる。
また、反射型偏光フィルム84及び光反射フィルム15は、アンテナ9により送信又は受信される電波信号を透過するので、アンテナ9を液晶表示パネル8よりも外光入射側と反対側に配設しても、アンテナ9による電波信号の通信感度の低下がなくなり、液晶表示パネル8の表示領域を十分に確保することができる。さらに、液晶表示パネル8のデジタル表示のコントラストを向上させるために、可視光の透過率が例えば10〜50%程度のシート85を用いても、アンテナ9よりも外光入射側に設けられた光反射フィルム15によって、可視光は全て反射されることとなるので、当該腕時計300に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、また、アンテナ9が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、美的外観により優れた腕時計300を提供することができる。
<変形例3>
変形例3の腕時計は、実施形態3の腕時計300におけるアンテナ9に代えて赤外線通信モジュール13を備えている(図10参照)。
即ち、変形例3の腕時計は、図10に示すように、光反射フィルム15の外光入射側と反対側に赤外線通信モジュール13が配設されている。また、液晶表示パネル108の反射型偏光フィルム84と導光板17との間に赤外線透過フィルター14が配設されている。
なお、赤外線透過フィルター14は、少なくとも赤外線を透過させるものであり、液晶表示パネル108のデジタル表示のコントラストを向上させる上で濃い色を有し、且つ、可視光の透過率が例えば10〜50%程度であるものが好ましい。
従って、変形例3の腕時計によれば、反射型偏光フィルム84及び光反射フィルム15は赤外線通信モジュール13により送信又は受信される赤外線を透過するので、赤外線通信モジュール13による赤外線通信の感度の低下がなくなり、液晶表示パネル108の表示領域を十分に確保することができる。また、反射型偏光フィルム84及び光反射フィルム15によって赤外線通信モジュール13が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計を美的外観に優れたものとすることができる。
[実施形態4]
以下に、実施形態4の腕時計400について図11及び図12を参照して説明する。
ここで、図11は、本発明を適用した実施形態4の電子機器として例示する腕時計400の要部の拡大断面図であり、図12は、腕時計400に備わる液晶表示パネル408と光反射フィルム15とLED16と導光板17とアンテナ9の配置状態を模式的に示した図である。
なお、実施形態4の腕時計400は、LED16及び導光板17以外の点では実施形態2とほぼ同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図11及び図12に示すように、実施形態4の腕時計400は、液晶表示パネル408の外光入射側と反対側に、実施形態3の腕時計300と同様に、液晶表示パネル408のバックライト用のLED16(発光素子)及び導光板17を備えている。
即ち、導光板17は、その外光入射側の面を下偏光板86の外光入射側と反対側の面に対向させるように配設され、前記導光板17の側面に近接するように当該導光板17の外側にLED16が配設されている。また、導光板17の外光入射側と反対側の面に光反射フィルム15が貼設されている。
以上のように、実施形態4の腕時計400によれば、導光板17に対してLED16から照射され入射された光が当該導光板17によって導光されるので、導光された光が液晶表示パネル408に照射されることなって、暗所にて液晶表示パネル408に表示された情報を時計ケース2の外光入射側からより適正に視認することができる。
また、光反射フィルム15は、アンテナ9により送信又は受信される電波信号を透過するので、アンテナ9による電波信号の通信感度の低下がなくなり、液晶表示パネル408の表示領域を十分に確保することができる。また、光反射フィルム15によってアンテナ9が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計400を美的外観に優れたものとすることができる。
<変形例4>
変形例4の腕時計は、実施形態4の腕時計400におけるアンテナ9に代えて赤外線通信モジュール13を備えている(図13参照)。
即ち、変形例4の腕時計は、図13に示すように、光反射フィルム15の外光入射側と反対側に赤外線通信モジュール13が配設されている。
従って、変形例4の腕時計によれば、光反射フィルム15は赤外線通信モジュール13により送信又は受信される赤外線を透過するので、赤外線通信モジュール13による赤外線通信の感度の低下がなくなり、液晶表示パネル408の表示領域を十分に確保することができる。また、光反射フィルム15によって赤外線通信モジュール13が時計ケース2の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計を美的外観に優れたものとすることができる。
[実施形態5]
以下に、実施形態5の腕時計500について図14及び図15を参照して説明する。
ここで、図14は、本発明を適用した実施形態9の電子機器として例示する腕時計500を示す平面図であり、図15は、図14のXV−XV線における要部の拡大断面図である。
図14及び図15に示すように、実施形態5の腕時計500は、時計ケース502内にアナログ指針機構50を備える時計計時部501が収納され、その時計計時部501の回路基板512に、文字板510の所定位置(例えば、12時方向側の端部)を照明するためのLED516が接続されている。
また、時計ケース502の12時方向側の端部に形成されたバンド取付部502Aには、回路基板512と接続線91を介して電気的に接続されたアンテナ9が配設されている。
具体的には、バンド取付部502Aには、アンテナ9を収納するためのアンテナ収納部521が形成され、このアンテナ収納部521の外光入射側の開口を覆うように光反射カバー部材522が配設されている。この光反射カバー部材522は、例えば、所定の樹脂に光反射フィルム15をインサート成形することで形成されている。
これにより、可視光は光反射カバー部材522にて反射され、また、所定の外部通信機器から送信される電波信号は、光反射カバー部材522を透過してアンテナ9まで達する
こととなる一方で、アンテナ9から送信される電波信号は光反射カバー部材522を透過して当該腕時計500の外部に出力されることとなる。
アナログ指針機構50は、例えば、文字板510の軸孔からその上方に延びる指針軸50aと、この指針軸50aに取り付けられた時針、分針などの指針50bと、文字板510の上方にて指針50bを指針軸50aを中心として運針する運針機構部50cとを備えて構成されている。
従って、実施形態5の腕時計500によれば、光反射カバー部材522は、アンテナ9により送信又は受信される電波信号を透過するので、アンテナ9による電波信号の送信又は受信において通信感度が低下することがない。
また、光反射カバー部材522は、可視光域の全ての波長の光を反射させることができるので、当該腕時計500に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射カバー部材522によってアンテナ9が時計ケース502の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計500を美的外観に優れたものとすることができる。
なお、上記実施形態5では、通信素子として、電波信号により情報の送信又は受信を行うアンテナ9を配設するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、赤外線通信を行うための赤外線通信モジュール13(図示略)を配設するようにしても良い。
[実施形態6]
以下に、実施形態6の携帯電話機600について図16〜図18を参照して説明する。
ここで、図16は、本発明を適用した実施形態6の電子機器として例示する携帯電話機600を示す平面図であり、図17は、図16のXVII−XVII線における要部の拡大断面図である。なお、図17は、本願発明に関わる要部のみを示す。
図16に示すように、実施形態6の携帯電話機600は、本体部601と、本体部601にヒンジ結合部602を介して連結された蓋部603とを備えて構成された折り畳み型の携帯電話機600である。
携帯電話機600は、主に蓋部603を開いた状態(開状態)で使用するものであり、この状態で、本体部601の一方の面(携帯電話機600を閉じた状態で蓋部603と対向する側の面)には、スイッチ群611、通話用マイク612等が設けられ、また、蓋部603の一方の面(当該携帯電話機600を閉じた状態で本体部601と対向する側の面)には、上端に配置された通話用スピーカ631と、この通話用スピーカ631の下側にて、ガラス板632を介して視認側に臨ませるように液晶表示パネル608が配設されている。
液晶表示パネル608は、蓋部603の筐体(機器ケース)603A内に配設され、当該液晶表示パネル608の外光入射側と反対側に反射型偏光フィルム84が設けられている。
また、反射型偏光フィルム84よりも外光入射側と反対側に、回路基板612に電気的に接続され、外部通信機器(図示略)との間で電波により情報の送受信を行うための無線モジュール(通信素子)609が配設されている。
以下に、無線モジュール609について図18を参照して説明する。
ここで、図18(a)は、無線モジュール609の枠状部691の外光入射側を示す平面図であり、図18(b)は、図18(a)の無線モジュール609の裏側、即ち、枠状部691の外光入射側と反対側を示す底面図である。
図18(a)及び図18(b)に示すように、無線モジュール609は、例えば、平面
視略矩形枠状に形成されてなる枠状部691と、この枠状部691の外周の一端部から延出して形成されたリード部692とを有するフレキシブル基板693を備えている。
枠状部691は、液晶表示パネル608に対して略水平に配設され、その略全面には、その表裏面に亘ってコイルが配線され、外部通信機器との間で情報の送受信を行うためのアンテナ609Aが設けられている。
リード部692は、その枠状部691と反対側となる部分の裏面に、アンテナ609Aと電気的に接続されたICチップ694と、所定数(図18(b)には、3つ図示)のコンデンサ695と、ICチップ694と接続線を介して接続され、当該ICチップ694と回路基板12とを電気的に接続するための所定数(図18(b)には、5つ図示)の接続端子696が配設されている。
さらに、リード部692は、その枠状部691側の端部が、当該枠状部691に対し略直角となるように第一折曲部692aにて外光入射側と反対側に折り曲げられ、また、第一折曲部692aよりも先端側が、枠状部691と対向するように第二折曲部692bにて液晶表示パネル608の中心側に折り曲げられており、蓋部603内に配設された状態で全体として断面略コ字状となるように形成されている。
上記構成によれば、外光入射側から入射された電波は、液晶表示パネル608を透過して、当該液晶表示パネル608よりも外光入射側と反対側に配設された無線モジュール609のアンテナ609Aまで達することとなる一方で、アンテナ609Aから送信される電波信号は液晶表示パネル608を透過して当該携帯電話機600の外部に出力されることとなる。
一方、携帯電話機600に入射される可視光は、液晶表示パネル608の反射型偏光フィルム84にて反射されるようになっている。
なお、携帯電話機600は、少なくとも他の電話機等と通話可能に構成されたものであれば如何なるものであっても良く、上記説明した本発明に係る構成以外の携帯電話機600の構成については、その説明を省略する。
以上のように、実施形態6の携帯電話機600によれば、液晶表示パネル608に備わる反射型偏光フィルム84は、無線モジュール609のアンテナ609Aにより送信又は受信される電波信号を透過するので、無線モジュール609を液晶表示パネル608よりも外光入射側と反対側に配設しても、無線モジュール609による電波信号の送信又は受信における通信感度の低下がなくなり、筐体603Aを金属製としても無線モジュール609を用いて電波信号の送信又は受信を適正に行うことができる。従って、反射型偏光フィルム84を備える液晶表示パネル608の表示領域を十分に確保することができる。
また、反射型偏光フィルム84は、可視光域の全ての波長の光を反射するので、当該携帯電話機600に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、反射型偏光フィルム84によって無線モジュール609が筐体603Aの外光入射側からは見えないこととなって、携帯電話機600を美的外観に優れたものとすることができる。
[実施形態7]
以下に、実施形態7の携帯電話機700について図19を参照して説明する。
ここで、図19は、本発明を適用した実施形態7の電子機器として例示する携帯電話機700の要部の拡大断面図である。
なお、図19は、実施形態7の携帯電話機700を構成する各部のうち本願発明に関わる要部のみを示すと共に、上記実施形態6と同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図19に示すように、実施形態7の携帯電話機700は、実施形態6の携帯電話機60
0における反射型偏光フィルム84の代わりに下偏光板86と光反射フィルム15を備えている。
具体的には、液晶表示パネル708は、第二の光透過基板82の外光入射側と反対側の面に、上偏光板83とほぼ同様の構成をなす下偏光板86が配設されている。また、下偏光板86の外光入射側と反対側の面に、可視光域の全ての波長の光を反射するとともに、無線モジュール609のアンテナ609Aにより送信又は受信される波長の電波を透過する光反射フィルム15が配設されている。
上記構成によれば、外光入射側から入射された電波は、液晶表示パネル708及び光反射フィルム15を透過して、当該光反射フィルム15よりも外光入射側と反対側に配設された無線モジュール609のアンテナ609Aまで達することとなる一方で、アンテナ609Aから送信される電波信号は光反射フィルム15及び液晶表示パネル708を透過して当該携帯電話機700の外部に出力されることとなる。
一方、携帯電話機700に入射される可視光は、光反射フィルム15にて反射されるようになっている。
以上のように、実施形態7の携帯電話機700によれば、液晶表示パネル708よりも外光入射側と反対側に配設される光反射フィルム15は、無線モジュール609のアンテナ609Aにより送信又は受信される電波信号を透過するので、無線モジュール609を光反射フィルム15よりも外光入射側と反対側に配設しても、無線モジュール609による電波信号の送信又は受信における通信感度の低下がなくなり、液晶表示パネル708の表示領域を十分に確保することができる。
また、光反射フィルム15は、可視光域の全ての波長の光を反射するので、当該携帯電話機700に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム15によって無線モジュール609が筐体603Aの外光入射側からは見えないこととなって、携帯電話機700を美的外観に優れたものとすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態1〜7の腕時計100〜500及び携帯電話機600、700に係る反射型偏光フィルム84及び光反射フィルム15並びに光反射カバー部材522は、可視光域の全ての波長の光を反射するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射することができれば良い。即ち、当該反射型偏光フィルム84及び光反射フィルム15並びに光反射カバー部材522よりも外光入射側と反対側に配設されるアンテナ9、赤外線通信モジュール13及び無線モジュール609が、時計ケース2、502及び蓋部603の筐体603Aの外光入射側からは見えないこととすることができれば良く、これにより、腕時計100〜500及び携帯電話機600、700を美的外観に優れたものとすることができる。
なお、可視光のうち、反射型偏光フィルム84及び光反射フィルム15並びに光反射カバー部材522により反射される所定の波長の光は、複数の薄層のうちの、隣合う2種類の薄層からなる各組の各々の薄層の厚さを目的とする所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定することで調整することができる。
また、光反射フィルム15として、例えば、ガラス等の所定の基材に誘電体を蒸着等により多層構造に設けたものを適用しても良い。
また、光反射カバー部材522はインサート成形に限らず、光反射カバー部材522自体に誘電体を蒸着等により多層構造に設けたものを適用しても良い。
さらに、上記実施形態1〜7では、電子機器として腕時計100〜500及び携帯電話機600、700を例示したが、これに限られるものではなく、電磁波を用いて情報の送
信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子を備える電子機器であれば如何なるものであっても良い。
本発明を適用した実施形態1の電子機器として例示する腕時計を示す平面図である。 図1のII−II線における要部の拡大断面図である。 図1の腕時計に備わる液晶表示パネルとアンテナの配置状態を模式的に示した図である。 変形例1の腕時計に備わる液晶表示パネルと赤外線通信モジュールの配置状態を模式的に示した図である。 本発明を適用した実施形態2の電子機器として例示する腕時計の要部の拡大断面図である。 図5の腕時計に備わる液晶表示パネルと光反射フィルムとアンテナの配置状態を模式的に示した図である。 変形例2の腕時計に備わる液晶表示パネルと光反射フィルムと赤外線通信モジュールの配置状態を模式的に示した図である。 本発明を適用した実施形態3の電子機器として例示する腕時計の要部の拡大断面図である。 図8の腕時計に備わる液晶表示パネルとLEDと導光板とアンテナの配置状態を模式的に示した図である。 変形例3の腕時計に備わる液晶表示パネルとLEDと導光板と赤外線通信モジュールの配置状態を模式的に示した図である。 本発明を適用した実施形態4の電子機器として例示する腕時計の要部の拡大断面図である。 図11の腕時計に備わる液晶表示パネルと光反射フィルムとLEDと導光板とアンテナの配置状態を模式的に示した図である。 変形例4の腕時計に備わる液晶表示パネルと光反射フィルムとLEDと導光板と赤外線通信モジュールの配置状態を模式的に示した図である。 本発明を適用した実施形態5の電子機器として例示する腕時計を示す平面図である。 図14のXV−XV線における要部の拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態6の電子機器として例示する携帯電話機を示す平面図である。 図16のXVII−XVII線における要部の拡大断面図である。 図16の携帯電話機に備わる無線モジュールを示す平面図(a)及び底面図(b)である。 本発明を適用した実施形態7の電子機器として例示する携帯電話機の要部の拡大断面図である。
符号の説明
100、200、300、400、500 腕時計(電子機器)
600、700 携帯電話機(電子機器)
2、502 時計ケース(機器ケース)
8、108、208、408、408、608、708 液晶表示パネル
81 第一の光透過基板
82 第二の光透過基板
83 上偏光板(第一の偏光部材)
84 反射型偏光フィルム
86 下偏光板(第二の偏光部材)
9 アンテナ(通信素子)
13 赤外線通信モジュール(通信素子)
15 光反射フィルム
16 LED(発光素子)
17 導光板
522 光反射カバー部材
609 無線モジュール
609A アンテナ

Claims (8)

  1. 少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、
    この機器ケース内に配設され、第一の光透過基板とこの第一の光透過基板の前記外光入射側と反対側に配設された第二の光透過基板との間に液晶が設けられた液晶表示パネルと、
    この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電磁波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子と、を備え、
    前記液晶表示パネルは、
    前記第一の光透過基板よりも外光入射側に設けられた第一の偏光部材と、前記第二の光透過基板よりも外光入射側と反対側に設けられた第二の偏光部材とを有し、
    この第二の偏光部材は、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記通信素子により送信又は受信される波長の電磁波を透過する反射型偏光フィルムであることを特徴とする電子機器。
  2. 前記液晶表示パネルと前記通信素子との間に配設された導光板と、
    この導光板の外側に設けられ、前記導光板に光を照射する発光素子とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、
    この機器ケース内に配設された液晶表示パネルと、
    この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電磁波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子と、
    前記液晶表示パネルと前記通信素子との間に配設され、且つ、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記通信素子により送信又は受信される波長の電磁波を透過する光反射フィルムと、
    を備えていることを特徴とする電子機器。
  4. 前記液晶表示パネルと前記光反射フィルムとの間に配設された導光板と、
    この導光板の外側に設けられ、前記導光板に光を照射する発光素子とを備えることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記通信素子は、電波信号の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うアンテナであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器。
  6. 前記通信素子は、赤外線通信用の通信素子であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器。
  7. 少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、
    この機器ケース内に配設され、第一の光透過基板とこの第一の光透過基板の前記外光入射側と反対側に配設された第二の光透過基板との間に液晶が設けられた液晶表示パネルと、
    この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うためのアンテナを有する無線モジュールと、を備え、
    前記液晶表示パネルは、
    前記第一の光透過基板よりも外光入射側に設けられた第一の偏光部材と、前記第二の光透過基板よりも外光入射側と反対側に設けられた第二の偏光部材とを有し、
    この第二の偏光部材は、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記無線モジュールの前記アンテナにより送信又は受信される波長の電波を透過する反射型偏光フィルムであることを特徴とする電子機器。
  8. 少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、
    この機器ケース内に配設された液晶表示パネルと、
    この液晶表示パネルよりも外光入射側と反対側に位置するように前記機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うためのアンテナを有する無線モジュールと、
    前記液晶表示パネルと前記無線モジュールとの間に配設され、且つ、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するとともに前記無線モジュールの前記アンテナにより送信又は受信される波長の電波を透過する光反射フィルムと、
    を備えていることを特徴とする電子機器。
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