JP4923432B2 - 電子機器および腕時計 - Google Patents
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Description
ところで、文字板に金属感を備えさせる方法として、金属蒸着やメタリック印刷又は塗装等が知られている。しかしながら、かかる方法により形成される文字板では、電波を通過させることが困難となるために、電波を用いて外部通信機器に情報を送信したり外部通信機器から送信された情報を受信するためのアンテナを配置しても、情報の送信や受信を適正に行うことができないといった問題がある。
そこで、文字板として、プラスチックなどの非導電性、且つ、非磁性の材料から形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、太陽電池を搭載する腕時計等の場合、文字板の一部を切り欠き、この切り欠かれた部分に太陽電池がその表面を露出させるように搭載されるため、文字板の装飾性が低下してしまうといった問題もある。一方、文字板を切り欠かずに当該文字板の外光入射側と反対側に太陽電池を配設することも考えられるが、この場合には、太陽電池による発電をより効率良く行うことができるように当該太陽電池による受光を遮らない光透過性を有する文字板を配設する必要があるため、文字板に高級感を備えさせることが困難となる。
金属製の機器ケース(例えば、図8の時計ケース2)内に、当該機器ケースの一端開口側から順に、風防ガラス(例えば、図8の時計ガラス5)、装飾板(例えば、図8の文字板14)、太陽電池(例えば、図8の太陽電池17)、電波を用いて情報の受信を行うアンテナ(例えば、図8のアンテナ13)が配設されている電子機器(例えば、図8の腕時計200)において、
前記装飾板は、
前記風防ガラス側から入光された可視光域の波長の光を所定方向に所定角度屈折させるために、下面に断面鋸歯状の凹凸加工が施されることにより形成された光屈折部(光屈折部a1)を設けた、電波透過性を有し、かつ、透明若しくは半透明に形成された基材(例えば、図12(b)の基材14a)と、
前記基材の外光入射側と反対側に配設され、前記機器ケースの一端開口側から受信された電波を透過させる一方で、前記光屈折部を介して、前記基材側から入光された可視光域の波長の光を、隣合う薄層どうしの境界面にて反射させるために、合成樹脂の薄層を交互に積層して構成されている光反射フィルム(例えば、図12(b)の光反射フィルム14b)と、
を備えていることを特徴とする。
金属製の時計ケース(例えば、図8の時計ケース2)の一端開口を塞いでいる風防ガラス側から入光された可視光域の波長の光を所定方向に所定角度屈折させるために、下面に断面鋸歯状の凹凸加工が施されることにより形成された光屈折部(例えば、図12(b)の光屈折部a1)を設けた、電波透過性を有し、かつ、透明若しくは半透明に形成された基材(例えば、図12(b)の基材314a)とこの基材の下面側に前記光屈折部を介して設けた、電波透過性を有するとともに、光透過性および光反射性を併有する光反射フィルム(例えば、図12(b)の光反射フィルム14b)とを備えている時計用文字板(例えば、図12(b)の文字板14)と、
この時計用文字板の下面側に設けた太陽電池(例えば、図12(b)の太陽電池17)と、
この太陽電池の下面側に設けたアンテナ(例えば、図12(b)のアンテナ13)とを備えており、
前記光反射フィルムは、前記基材側から入射された電波を透過させる一方で、前記光屈折部を介して、前記基材側から入光された可視光域の波長の光を、隣合う薄層どうしの境界面にて反射させるために、合成樹脂の薄層を交互に積層して構成されていることを特徴とする。
また、請求項1に記載の発明によれば、風防ガラス側から入光された可視光域の波長の光を所定方向に所定角度屈折させるために、電波透過性を有し、かつ、透明若しくは半透明に形成された基材の下面に断面鋸歯状の凹凸加工が施されることにより形成された光屈折部の光屈折作用と、その基材の外光入射側と反対側に配設された光反射フィルムの基材側から光屈折部を介して入射された可視光域の波長の光を隣合う薄層どうしの境界面にて反射させる光反射作用という両者の協同作用により、アンテナおよび太陽電池が機器ケースの一端開口側である外光入射側からは見えないようにすることができ、美的外観に優れた電子機器を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の電子機器の構成を説明するための参考例1であり、この参考例1の電子機器として例示する腕時計を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線における要部の拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、参考例1の腕時計100には、時計計時部1を内部に収納する機器ケースとしての時計ケース2が備えられ、この時計ケース2の時計計時部1を挟んだ両端部、即ち、時計ケース2の当該腕時計100における12時方向側及び6時方向側のそれぞれの端部には、当該時計ケース2を手首に装着するためのバンド部材3がバンド軸(図2においては、6時方向側の端部のバンド軸31のみを図示する。)31を介して取付けられている。
また、時計ケース2の下面には、防水リング7を介して裏蓋8が取付けられており、裏蓋8と時計計時部1との間には、緩衝部材9が設けられている。
さらに、時計ケース2の外周部には、当該腕時計100の各種機能の実行を指示するスイッチ10が設けられている(図1参照)。
テナ13が配設されている。
上部ハウジング1Aの上面には、文字板14が配置され、この文字板14の上面に枠状部材15が配置されている。
文字板14、上部ハウジング1A、回路基板12及び下部ハウジング1Bは、時計ケース2の中枠2Aに取付けられた構造となっている。
基材14aは、例えば、プラスチック、ガラス、セラミック等から形成され、電波透過性を有するものである。
光反射フィルム14bは、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過するように所定の高分子材料から構成されている。具体的には、光反射フィルム14bは、例えば、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂等からなる2種類の薄層が交互に積層され、可視光(例えば、420〜800[nm])を反射するように隣合う薄層どうしの境界面にて可視光域の所定の波長の光を反射するものである。即ち、複数の薄層は、隣合う2種類の薄層を一組とし、各組を構成する各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定され、さらに、各組を可視光域の異なる波長の光に対応させることにより可視光域の全ての波長の光を反射することができるようになっている。これにより、光反射フィルム14bの表面は、鏡面のような状態となって、当該文字板14に金属感を備えさせることができる。
図3に示すように、所定の外部通信機器から送信され、文字板14に対して腕時計100の外光入射側から入射される電波信号は、光反射フィルム14b及び基材14aを透過して、基材14aよりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで達することとなる一方で、アンテナ13から送信される電波信号は文字板14を透過して当該腕時計100の外部に出力されることとなる。
また、腕時計100に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光(例えば、赤外線や紫外線など)は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過するようになっている。
このように、上記構成の文字板14は、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波と可視光以外の光を透過するとともに、可視光を反射するようになっている。
ガラス5の下面にほぼ当接させるようにして、時計ケース2の内周面に装着されている(図2参照)。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによってアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計100の美的外観をより向上させることができる。
なお、上記参考例1では、文字板14として基材14aの外光入射側の面に光反射フィルム14bが配設されたものを例示したが、例えば、光反射フィルム14bが基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されたものであっても良い(図4参照)。
即ち、図4に示すように、参考変形例1の腕時計には、電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材14aの外光入射側と反対側の面に光反射フィルム14bが配設された文字板114が設けられている。
そして、かかる場合、文字板114に対して腕時計の外光入射側から入射された電波は、上記参考例1と同様に、文字板114を透過して、当該文字板114よりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで達することとなる一方で、アンテナ13から送信される電波信号は文字板114を透過して当該腕時計の外部に出力されることとなる。
また、腕時計に入射される光のうち、可視光は文字板114の基材14aを透過して光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板114を透過するようになっている。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射し、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材14aを透過することとなるので、文字板114に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、アンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板114を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
参考変形例2の腕時計の文字板214は、入射される光を所定方向に所定角度屈折させるような形状の光屈折部b1が形成された光反射フィルム214bを備えている(図5(a)及び図5(b)参照)。
光屈折部b1は、例えば、光反射フィルム214bの所定位置に凹凸加工が施されることで形成されるものである。この光屈折部b1の表面に対して斜めに可視光が入射する場合、当該可視光の入射方向に沿った光屈折部b1の各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4よりも大きく、このために、可視光域の一部の波長の光が光屈折部b1を透過することとなる。
なお、光屈折部b1を有する光反射フィルム214bは、図5(a)に示すように、基材14aの外光入射側の面に配設されても良いし、図5(b)に示すように、基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されても良い。
参考変形例3の腕時計の文字板314は、入射される光を所定方向に所定角度屈折させるような形状の光屈折部a1が形成された基材314aを備えている(図6(a)及び図6(b)参照)。
光屈折部a1は、図6(a)に示すように、基材314aの外光入射側の面に形成されても良いし、図6(b)に示すように、基材314aの外光入射側と反対側の面に形成されても良い。
また、光屈折部a1は、例えば、基材314aの所定位置に所定の凹凸加工が施されることで形成されるものである。
上記参考例1並びに参考変形例1〜3では、回路基板12に通信素子としてのアンテナ13のみが配設されたものを例示したが、アンテナ13に加えて赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を検出するためのセンサ16(受光素子)が配設されていても良い(図7参照)。
かかる場合、文字板14に対して腕時計の外光入射側から入射された光のうち、可視光以外の光は、文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過してセンサ16に入射されるようになっている。
以下に、参考例2の腕時計200について図8及び図9を参照して説明する。
ここで、図8は、本発明を適用した参考例2の電子機器として例示する腕時計200の要部の拡大断面図であり、図9は、腕時計200に備わる文字板14及び太陽電池17の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
なお、参考例2の腕時計200は、太陽電池17を備える以外の点では上記参考例1と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
太陽電池17は、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電するように構成されている。具体的には、例えば、赤外線領域の波長の光を受光することにより効率良く発電する結晶系シリコン太陽電池や、紫外線領域の波長の光を受光することにより効率良く発電する、酸化亜鉛半導体と銅アルミ酸化物半導体とを接合してなる太陽電池等が知られている。
なお、太陽電池17により発電された電力は、二次電池(図示略)に充電され、この二次電池に充電した電力が腕時計200の電力として使用されるようになっている。
図9に示すように、文字板14に対して腕時計200の外光入射側から入射された電磁波のうち、電波は文字板14を構成する光反射フィルム14b及び基材14aを透過し、さらに、太陽電池17を透過して、アンテナ13まで達するようになっている。一方、腕時計200に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光(例えば、赤外線や紫外線など)は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
さらに、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、また、光反射フィルム14bによって太陽電池17及びアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計200の美的外観をより向上させることができる。
参考変形例5の腕時計の文字板114は、光反射フィルム14bが基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されている(図10参照)。
即ち、図10に示すように、参考変形例5の腕時計には、光反射フィルム14bが電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材14aの外光入射側と反対側の面に配設された文字板114が設けられている。
そして、文字板114に対して腕時計の外光入射側から入射された電波は、上記参考例2と同様に、文字板114を透過し、さらに、太陽電池17を透過してアンテナ13まで達するようになっている。一方、腕時計に入射される光のうち、可視光は文字板114の基材14aを透過して光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板114を透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
さらに、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板114に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、また、光反射フィルム14bによって太陽電池17及びアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板114を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
参考変形例6の腕時計の文字板214は、光屈折部b1が形成された光反射フィルム214bを備えている(図11(a)及び図11(b)参照)。
光屈折部b1を有する光反射フィルム214bは、図11(a)に示すように、基材14aの外光入射側の面に配設されても良いし、図11(b)に示すように、基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されても良い。
図12(a)に示す参考変形例7に係る腕時計の文字板314は、光屈折部a1が形成された基材314aを備えている。
光屈折部a1は、図12(a)に示すように、基材314aの外光入射側の面に形成されている。
また、文字板314の外光入射側と反対側には、参考変形例6の太陽電池17と略同様の機能を有する太陽電池17が配設されている。
従って、参考変形例7の腕時計によれば、基材314aの光屈折部a1を透過した光が光反射フィルム14bに対して斜めに入射することとなって、可視光域の一部の波長の光が光反射フィルム14bを透過することとなる。これにより、光反射フィルム14bの色調を変化させることができ、当該文字板314をより装飾性に優れたものとすることができるとともに、太陽電池17は文字板314を透過した可視光域の波長の光を利用して発電することができ、当該太陽電池17による発電効率を高めることができる。
図12(b)は、この発明の実施形態に係る腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
図12(b)に示す実施形態に係る腕時計の文字板314は、光屈折部a1が形成された基材314aを備えている。
光屈折部a1は、図12(b)に示すように、基材314aの外光入射側と反対側の面である下面に、断面鋸歯状の凹凸加工が施されることにより形成されている。
また、文字板314の外光入射側と反対側には、参考変形例6の太陽電池17と略同様の機能を有する太陽電池17が配設されている。
上記参考例2並びに参考変形例5〜7では、回路基板12に通信素子としてのアンテナ13が配設されたものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、アンテナ13が配設されていない腕時計であっても良い(図13(a)及び図13(b)参照)。
かかる場合、文字板14に対して腕時計の外光入射側から入射された光のうち、可視光は、文字板14の光反射フィルム14bにて反射され、一方、可視光以外の光は、文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
また、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによって太陽電池17が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
以下に、参考例3の腕時計300について図14及び図15を参照して説明する。
ここで、図14は、本発明を適用した参考例3の電子機器として例示する腕時計300の要部の拡大断面図である。
なお、参考例3の腕時計300は、アンテナ13の代わりに無線モジュール18を備える以外の点では上記参考例1及び参考例2と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
ここで、図15(a)は、無線モジュール18の枠状部181の外光入射側を示す平面図であり、図15(b)は、図15(a)の無線モジュール18の裏側、即ち、枠状部181の外光入射側と反対側を示す底面図である。
端子186が配設されている。
さらに、リード部182は、その枠状部181側の端部が枠状部181に対し略直角となるように第一折曲部182aにて時計ケース2の奥側に折り曲げられ、また、第一折曲部182aよりも先端側が、枠状部181と対向するように第二折曲部182bにて時計ケース2の中心側に折り曲げられており、時計ケース2内に配設された状態で全体として断面略コ字状となるように形成されている(図14参照)。
なお、この際の押圧力は、抑え板20の板厚や座ぐり部19の深さによって調整可能となっている。
また、腕時計300に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射するようになっている。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによって無線モジュール18が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計300の美的外観をより向上させることができる。
参考変形例9の腕時計400は、参考例3の腕時計300における文字板14と無線モジュール18との間に、太陽電池17が配設されている(図16参照)。即ち、太陽電池17は、その外光入射側の面を文字板14の外光入射側と反対側の面に対向させるように配設されている。
以下に、参考例4の腕時計500について図17及び図18を参照して説明する。
ここで、図17は、本発明を適用した参考例4の電子機器として例示する腕時計500を示す平面図であり、図18は、図17のXVIII−XVIII線における要部の拡大断面図である。
また、時計ケース502の12時方向側の端部に形成されたバンド取付部502Aには、回路基板512と接続線131を介して電気的に接続されたアンテナ13が配設されている。
具体的には、バンド取付部502Aには、アンテナ13を収納するためのアンテナ収納部521が形成され、このアンテナ収納部521の外光入射側の開口を覆うように光反射カバー部材522が配設されている。この光反射カバー部材522は、例えば、所定の樹脂に光反射フィルム14bをインサート成形することで形成されている。これにより、電波は、当該光反射カバー部材522を透過することでアンテナ13まで達するようになっており、また、可視光は光反射カバー部材522にて反射されるようになっている。
また、光反射カバー部材522は、可視光域の全ての波長の光を反射するので、光反射カバー部材522に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射カバー部材522によってアンテナ13が時計ケース502の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計500を美的外観に優れたものとすることができる。
なお、可視光のうち、光反射フィルム14b、214b並びに光反射カバー部材522により反射される所定の波長の光は、複数の薄層のうちの、隣合う2種類の薄層からなる各組の各々の薄層の厚さを目的とする所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定することで調整することができる。
また、光反射カバー部材522はインサート成形に限らず、光反射カバー部材522自体に誘電体を蒸着等により多層構造に設けたものを適用しても良い。
2、502 時計ケース(機器ケース)
13 アンテナ(通信素子)
14、114、214、314 文字板(装飾板)
14a、314a 基材
14b、214b 光反射フィルム
a1、b1 光屈折部
17 太陽電池
18 無線モジュール(通信素子)
18A アンテナ
522 光反射カバー部材
Claims (2)
- 金属製の機器ケース内に、当該機器ケースの一端開口側から順に、風防ガラス、装飾板、太陽電池、電波を用いて情報の受信を行うアンテナが配設されている電子機器において、
前記装飾板は、
前記風防ガラス側から入光された可視光域の波長の光を所定方向に所定角度屈折させるために、下面に断面鋸歯状の凹凸加工が施されることにより形成された光屈折部を設けた、電波透過性を有し、かつ、透明若しくは半透明に形成された基材と、
前記基材の外光入射側と反対側に配設され、前記機器ケースの一端開口側から受信された電波を透過させる一方で、前記光屈折部を介して、前記基材側から入光された可視光域の波長の光を、隣合う薄層どうしの境界面にて反射させるために、合成樹脂の薄層を交互に積層して構成されている光反射フィルムと、
を備えていることを特徴とする電子機器。 - 金属製の時計ケースの一端開口を塞いでいる風防ガラス側から入光された可視光域の波長の光を所定方向に所定角度屈折させるために、下面に断面鋸歯状の凹凸加工が施されることにより形成された光屈折部を設けた、電波透過性を有し、かつ、透明若しくは半透明に形成された基材とこの基材の下面側に前記光屈折部を介して設けた、電波透過性を有するとともに、光透過性および光反射性を併有する光反射フィルムとを備えている時計用文字板と、
この時計用文字板の下面側に設けた太陽電池と、
この太陽電池の下面側に設けたアンテナとを備えており、
前記光反射フィルムは、前記基材側から入射された電波を透過させる一方で、前記光屈折部を介して、前記基材側から入光された可視光域の波長の光を、隣合う薄層どうしの境界面にて反射させるために、合成樹脂の薄層を交互に積層して構成されていることを特徴とする腕時計。
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