JP2006291818A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気系に設けられた触媒のうち、最も排気上流側に位置する触媒の周りに堆積した微粒子を的確に除去する。
【解決手段】PM再生制御の終期に、添加弁46からの集中的な間欠燃料添加及び当該燃料添加の停止を繰り返すバーンアップ制御を実行することで、NOx触媒コンバータ25の排気上流端に残ったPMを燃焼させて除去することができる。上記バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の停止期間である休止期間Bについては、最終目標床温Ttが低い値になるほど長くなるように調整される。バーンアップ制御中において、排気温度の低下を招く環境条件での機関運転がなされると、休止期間Bが長くなるよう最終目標床温Ttがより低下側に補正される。その結果、休止期間Bの長さを、排気の流れによって触媒に残留した未燃燃料成分を除去するのに必要なレベルまで長くすることができ、同触媒の失活現象を抑制することが可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
従来より、車載用ディーゼルエンジン等の内燃機関に適用される排気浄化装置として、排気中に含まれる煤を主成分とする微粒子(PM:Particulate Matter)を捕集するPMフィルタを排気系に設けたものが知られている。こうした排気浄化装置が設けられた内燃機関では、捕集した微粒子によってPMフィルタが目詰まりしないよう、その微粒子を燃焼(酸化)させて除去する、いわゆるPM再生制御が行われる。
そして、上記PM再生制御を実現するため、排気系に酸化能力を有する触媒が設けられるとともに、同触媒への未燃燃料成分(HC)の供給が行われる。例えば、特許文献1では、PMフィルタに上記触媒を担持したり、PMフィルタの排気上流側に上記触媒を担持した触媒コンバータを設けたりしており、それら触媒に対し未燃燃料成分の供給を行うようにしている。
このように触媒への未燃燃料成分の供給が行われると、同触媒上での未燃燃料成分の酸化反応により熱が発生して触媒床温が上昇し、その熱によってPMフィルタ等に堆積した微粒子が燃焼するようになる。また、PMフィルタの排気上流側に触媒コンバータを設けた場合には、そこにも微粒子が堆積するようになる。しかし、この微粒子も、触媒コンバータに担持された触媒への未燃燃料成分の供給に伴い、同触媒上での未燃燃料成分の酸化反応による熱によって燃焼するようになる。
なお、こうしたPM再生制御での触媒への未燃燃料成分の供給は、余分な燃料消費を極力抑えるべく、未燃燃料成分の供給量を最小限にとどめつつ触媒床温を上昇させることの可能な態様で行われる。
特開2004−257267公報
しかしながら、上述したPM再生制御では、排気系に設けられた触媒のうち最も排気上流側に位置する触媒の周りに堆積した微粒子が燃焼しきらないことが確認された。
すなわち、PMフィルタの排気上流側に触媒コンバータが設けられている場合には、当該触媒コンバータの排気上流端に位置する触媒の周りに堆積した微粒子が燃焼しきらなくなる。また、上記触媒コンバータが設けられておらずPMフィルタに触媒を担持した場合には、PMフィルタの排気上流端に位置する触媒の周りに堆積した微粒子が燃焼しきらなくなる。
このことの原因としては以下の[1]〜[3]に示される原因が考えられる。
[1]触媒上での未燃燃料成分の酸化反応により発生する熱は、排気の流れに沿って排気下流側に伝播するため、排気下流側の触媒ほど昇温し易くなって触媒周りでの微粒子の燃焼が進むものの、排気上流側の触媒では昇温しにくくなる。
[2]排気系に設けられた触媒のうち、最も排気上流側に位置する触媒周り(触媒コンバータあるいはPMフィルタの排気上流端)では、それよりも排気下流側の部分に比べて微粒子が堆積し易く、微粒子の堆積量も多くなる。
[3]PM再生制御での触媒への未燃燃料成分の供給態様では、最も排気上流側に位置する触媒の床温を、当該触媒周りに堆積した微粒子の燃焼に必要な値となるまで上昇させられない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、排気系に設けられた触媒のうち、最も排気上流側に位置する触媒の周りに堆積した微粒子を的確に除去することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、排気中の微粒子を捕集するフィルタ、及び、排気中の未燃燃料成分の酸化反応を促進させる触媒が排気系に設けられる内燃機関に適用され、前記触媒への未燃燃料成分の供給を通じて触媒床温を目標床温まで上昇させて排気系に堆積した微粒子を燃焼させるPM再生制御を行う内燃機関の排気浄化装置において、前記PM再生制御の終期に、前記排気系の触媒上流への集中的な間欠燃料添加及び同燃料添加の停止を繰り返すとともに、前記集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率を触媒床温と目標床温との温度差に基づき調整して前記触媒床温の平均値を前記目標床温に近づけるバーンアップ制御を実行する制御手段と、前記バーンアップ制御での前記集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率を、低負荷運転での前記触媒の失活現象、及び、高負荷運転での前記触媒の熱劣化を抑えるのに必要な比率とすべく、前記バーンアップ制御中の目標床温を算出する算出手段と、前記バーンアップ制御の実行中、内燃機関の排気温度に影響を与える環境条件に基づき算出される環境補正項によって、前記目標床温を補正する補正手段とを備えた。
PM再生制御の終期には、触媒上流への集中的な間欠燃料添加及び同燃料添加の停止を繰り返すバーンアップ制御が実行される。同制御における集中的な間欠燃料添加に際しては、通常のPM再生制御に比べて一定量の燃料添加がより短時間で行われるようになる。これにより、排気系に設けられた触媒のうち最も排気上流側に位置する触媒の床温を、同触媒周りの微粒子の燃焼に必要な値まで上昇させることが可能になる。従って、上記集中的な間欠燃料添加により触媒床温が高められると、最も排気上流側に位置する触媒の周りに堆積した微粒子が燃焼して除去されるようになる。
ただし、こうした集中的な間欠燃料添加を続けると、触媒床温が目標床温よりも大幅に上昇するおそれがあるため、バーンアップ制御では集中的な間欠燃料添加及び当該燃料添加の停止を繰り返すようにしている。このとき、集中的な間欠燃料添加の停止期間を長くするほど、触媒床温は低下傾向を示すようになる。このため、触媒床温と目標床温との温度差に基づき上記停止期間を調整することで、上述した触媒床温の過上昇を抑えつつ、最も排気上流側に位置する触媒の周りに堆積した微粒子を燃焼しきることが可能になる。
バーンアップ制御中において、内燃機関の低負荷運転時には、燃焼室内での燃料燃焼時の空燃比(酸素と燃料との比率)がリーン側に変化して排気温度が低下し、その排気温度の影響を受けて触媒の失活現象が生じやすくなる。これは、上記排気温度の影響を受けて触媒が不活性状態になり、その状態での集中的な間欠燃料添加によって触媒上に未燃燃料が付着したまま残留して排気に曝される触媒の表面積が減少することから触媒の活性度合いが一層低下する、という悪循環が生じることが原因である。そして、こうした悪循環によって触媒の失活現象が生じると、最も排気上流側に位置する触媒の周りに堆積した微粒子を燃焼しきるのが困難になる。また、内燃機関の高負荷運転時には、内燃機関の燃焼室内での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が上昇し、その排気温度の影響を受けて触媒床温が過上昇して触媒の熱劣化が生じやすくなる。
以上のような触媒の失活現象、及び、触媒の熱劣化については、集中的な間欠燃料添加の実行期間に対し停止期間が長い状態となるよう、それら実行期間と停止期間との比率を調整することで対処可能である。これは、上記のように停止期間を長い状態とすることで、同期間中における排気の流れによって触媒に残留した未燃燃料成分を除去することが可能になるとともに、触媒床温の過上昇を抑制することが可能になるためである。そして、上記停止期間に影響を及ぼす目標床温については、上記実行期間と停止期間との比率を触媒の失活現象及び熱劣化を抑えるのに必要な比率とすべく算出されることとなる。
ところで、バーンアップ制御の実行時、内燃機関を運転する際の環境条件によっては、同機関の排気温度が思ったように上がらない場合がある。この場合、上記排気温度の影響から集中的な間欠燃料添加の実行時に触媒上に未燃燃料成分が付着し易くなるため、目標床温等に応じて調整される上記実行期間と停止期間との比率では、当該停止期間の長さが、同期間中の排気の流れによって触媒に残留した未燃燃料成分を除去するのに必要なレベル未満になり、触媒の失活現象を抑制するのに足りなくなるおそれがある。
この点、請求項1記載の発明によれば、内燃機関の排気温度に影響を与える環境条件に基づき、同機関の排気温度が上がりにくい環境条件であるとき、バーンアップ制御における集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が当該実行期間に対する停止期間の長さをより長い状態とする値となるよう、目標床温を補正することができる。そして、その補正後の目標床温等に基づき上記実行期間と停止期間との比率を調整することで、当該停止期間の長さを、当該期間中の排気の流れによって触媒に残留した未燃燃料成分を除去するのに必要なレベルの長さとすることができ、同触媒の失活現象を抑制したり同触媒の活性を回復したりすることが可能になる。
また、バーンアップ制御の実行時、内燃機関を運転する際の環境条件によっては、同機関の排気温度が高くなり過ぎる場合もある。この場合、上記排気温度の影響から触媒床温が過上昇しやすくなるため、目標床温等に応じて調整される上記実行期間と停止期間との比率では、当該停止期間の長さが、同期間中の排気の流れによって触媒床温の過上昇を抑制するのに必要なレベル未満になり、触媒の熱劣化を抑制するのに足りなくなるおそれがある。
この点、請求項1記載の発明によれば、内燃機関の排気温度に影響を与える環境条件に基づき、同機関の排気温度が高くなり過ぎる環境条件であるとき、バーンアップ制御における集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が当該実行期間に対する停止期間の長さをより長い状態とする値となるよう、目標床温を補正することができる。そして、その補正後の目標床温等に基づき上記実行期間と停止期間との比率を調整することで、当該停止期間の長さを触媒床温の過上昇抑制に必要なレベルの長さとすることができ、同触媒の熱劣化を抑制することが可能になる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記触媒床温が前記目標床温に対し高い状態にあるほど、前記集中的な間欠燃料添加の実行期間に対し停止期間が長い状態となるよう、それら実行期間と停止期間との比率を調整するものであって、前記補正手段は、内燃機関の低負荷運転時、排気温度が低下する環境条件であることに基づき、前記目標床温をより低い値へと補正する値として前記環境補正項を算出するものとした。
上記実行期間と停止期間との比率に影響を及ぼす目標床温については、上記実行期間の長さに対する停止期間の長さを低負荷運転での触媒の失活現象、及び、高負荷運転での触媒の熱劣化を抑えるのに必要なレベルの長さとすべく算出されることとなる。ただし、低負荷運転時に、排気温度の低下を招く環境条件での機関運転が行われると、上記目標床温等によって調整される上記実行期間と停止期間との比率では、当該停止期間の長さが触媒の失活現象を抑制するのに足りなくなるおそれがある。しかし、上記構成によれば、内燃機関の低負荷運転時、排気温度の低下を招く環境条件での機関運転が行われると、目標床温が環境補正項によってより低い値へと補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒の失活現象を的確に抑制することができる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明では、前記内燃機関は、高負荷運転時にEGRの実行を停止し、それ以外のときにはEGRを実行するものであり、前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される大気圧補正項であることを要旨とした。
内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、燃焼室での燃料燃焼時の空燃比がリーン側に変化して排気温度が低下するようになる。また、低負荷運転時にはEGRが実行され、そのEGRに関係する以下の理由によって、大気圧が低下するほど排気温度が低くなるという傾向がある。すなわち、EGRの実行中に大気圧が低下すると、吸気密度の低下に伴う吸気中の酸素不足を補うため、また燃料への着火安定性を確保するため、EGR率が大幅に小さくされる。こうしたEGR率の減少は大気圧が低下するほど大となる。そして、EGR率が小となるほど、燃焼室に吸入される新気の量が増え、内燃機関の燃焼室での空燃比がリーン側に変化するため、燃料の燃焼後の排気の温度が低下する。従って、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。しかし、上記構成によれば、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど、大気圧補正項によって目標床温が低下側に補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒の失活現象を的確に抑制することができる。また、大気圧補正項による目標床温の低下側への補正は、低負荷運転時に機関運転が高負荷運転側に移行するほど、且つ、大気圧が上昇するほど小となる。このため、目標床温が大気圧補正項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することもできる。
請求項4記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の吸気温度が低くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される吸気温補正項であることを要旨した。
内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、燃焼室での燃料燃焼時の空燃比がリーン側に変化して排気温度が低下するようになる。また、内燃機関の排気温度は同機関の吸気温度低下に伴い低くなる傾向がある。これは燃料の燃焼に供される空気の温度が低いと、燃料の燃焼時の熱が排気に伝達されたとしても排気温度が高くならないためである。従って、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。しかし、上記構成によれば、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が低くなるほど、吸気温補正項によって目標床温が低下側に補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒の失活現象を的確に抑制することができる。また、吸気温補正項による目標床温の低下側への補正は、低負荷運転時に機関運転が高負荷運転側に移行するほど、且つ、吸気温度が上昇するほど小となる。このため、目標床温が吸気温補正項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することもできる。
請求項5記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の冷却水温が低くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される水温補正項であることを要旨とした。
内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、燃焼室での燃料燃焼時の空燃比がリーン側に変化して排気温度が低下するようになる。また、内燃機関の排気温度は同機関の冷却水温低下に伴い低くなる傾向がある。これは冷却水温が低いと、燃料の燃焼時に内燃機関側に奪われる熱量が多くなり、燃料の燃焼時に排気に伝達される熱量が少なくなるためである。従って、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、冷却水温が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。しかし、上記構成によれば、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、冷却水温が低くなるほど、水温補正項によって目標床温が低下側に補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒の失活現象を的確に抑制することができる。また、水温補正項による目標床温の低下側への補正は、低負荷運転時に機関運転が高負荷運転側に移行するほど、且つ、冷却水温が上昇するほど小となる。このため、目標床温が吸気温補正項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することもできる。
請求項6記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記触媒床温が前記目標床温に対し高い状態にあるほど、前記集中的な間欠燃料添加の実行期間に対し停止期間が短い状態となるよう、それら実行期間と停止期間との比率を調整するものであって、前記補正手段は、内燃機関の高負荷運転時、排気温度が上昇する環境条件であることに基づき、前記目標床温をより低い値へと補正する値として前記環境補正項を算出するものとした。
上記実行期間と停止期間との比率に影響を及ぼす目標床温については、上記実行期間の長さに対する当該停止期間の長さを低負荷運転での触媒の失活現象、及び、高負荷運転での触媒の熱劣化を抑えるのに必要な長さとすべく算出されることとなる。ただし、高負荷運転時に、排気温度の上昇を招く環境条件での機関運転が行われると、上記目標床温等によって調整される上記実行期間と停止期間との比率では、当該停止期間の長さが触媒の熱劣化を抑制するのに足りなくなるおそれがある。しかし、上記構成によれば、内燃機関の高負荷運転時、排気温度の上昇を招く環境条件での機関運転が行われると、目標床温が環境補正項によってより低い値へと補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒の熱劣化を的確に抑制することができる。
請求項7記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記内燃機関は、高負荷運転時にEGRの実行を停止し、それ以外のときにはEGRを実行するものであり、前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低下するほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される大気圧補正項であることを要旨とした。
内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、燃焼室での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が上昇するようになる。また、EGRの実行が停止される高負荷運転時には、大気圧が低下して吸気中の酸素濃度が低下するほど、燃焼室での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が高くなるという傾向がある。従って、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど排気温度が上昇し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加により触媒床温が過上昇して触媒の熱劣化が生じやすくなる。しかし、上記構成によれば、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど、大気圧補正項によって目標床温が低下側に補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒床温の過上昇及び触媒の熱劣化を的確に抑制することができる。また、大気圧補正項による目標床温の低下側への補正は、高負荷運転時に機関運転が低負荷運転側に移行するほど、且つ、大気圧が上昇するほど小となる。このため、目標床温が大気圧補正項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することもできる。
請求項8記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の吸気温度が高くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される吸気温補正項であることを要旨とした。
内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、燃焼室での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が上昇するようになる。また、内燃機関の排気温度は同機関の吸気温度上昇に伴い高くなる傾向がある。これは燃料の燃焼に供される空気の温度が高いことに基づき、燃料の燃焼時の熱が排気に伝達されたときの排気温度が高くなるためである。従って、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が高くなるほど排気温度が上昇し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加により触媒床温が過上昇して触媒の熱劣化が生じやすくなる。しかし、上記構成によれば、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が高くなるほど、吸気温補正項によって目標床温が低下側に補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒床温の過上昇及び触媒の熱劣化を的確に抑制することができる。また、吸気温補正項による目標床温の低下側への補正は、高負荷運転時に機関運転が低負荷運転側に移行するほど、且つ、吸気温度が低下するほど小となる。このため、目標床温が吸気温補正項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することもできる。
請求項9記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の冷却水温が高くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される水温補正項であることを要旨とした。
内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、燃焼室での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が上昇するようになる。また、内燃機関の排気温度は同機関の冷却水温上昇に伴い高くなる傾向がある。これは冷却水温が高いと、燃料の燃焼時に内燃機関側に奪われる熱量が少なくなり、燃料の燃焼時に排気に伝達される熱量が多くなるためである。従って、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、冷却水温が高くなるほど排気温度が上昇し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加により触媒床温が過上昇して触媒の熱劣化が生じやすくなる。しかし、上記構成によれば、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、冷却水温が高くなるほど、水温補正項によって目標床温が低下側に補正され、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率が、当該実行期間に対し停止期間をより長い状態とする値に調整される。このため、上述した触媒床温の過上昇及び触媒の熱劣化を的確に抑制することができる。また、水温補正項による目標床温の低下側への補正は、高負荷運転時に機関運転が低負荷運転側に移行するほど、且つ、冷却水温が低下するほど小となる。このため、目標床温が水温補正項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することもできる。
以下、本発明を自動車用の内燃機関に適用した一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
図1は、本実施形態の制御装置が適用される内燃機関10の構成を示している。この内燃機関10は、コモンレール方式の燃料噴射装置、及びターボチャージャ11を備えるディーゼル機関となっており、大きくは吸気通路12、燃焼室13、及び排気通路14を備えて構成されている。
内燃機関10の吸気系を構成する吸気通路12には、その最上流部に配設されたエアクリーナ15から下流側に向けて順に、エアフローメータ16、上記ターボチャージャ11のコンプレッサ17、インタークーラ18、及び吸気絞り弁19が配設されている。また吸気通路12は、吸気絞り弁19の下流側に設けられた吸気マニホールド20において分岐され、吸気ポート21を介して内燃機関10の各気筒の燃焼室13に接続されている。
一方、内燃機関10の排気系を構成する排気通路14では、各気筒の燃焼室13にそれぞれ接続された排気ポート22が排気マニホールド23を介して上記ターボチャージャ11の排気タービン24に接続されている。また排気通路14の排気タービン24下流には、上流側から順に、NOx触媒コンバータ25、PMフィルタ26、酸化触媒コンバータ27が配設されている。
NOx触媒コンバータ25には、吸蔵還元型のNOx触媒が担持されている。このNOx触媒は、排気の酸素濃度が高いときに排気中のNOxを吸蔵し、排気の酸素濃度が低いときにその吸蔵したNOxを放出する。またNOx触媒は、上記NOx放出時に、還元剤となる未燃燃料成分がその周囲に十分存在していれば、その放出されたNOxを還元して浄化する。
PMフィルタ26は、多孔質材料によって形成されており、排気中の煤を主成分とする微粒子(PM)が捕集されるようになっている。このPMフィルタ26にも、上記NOx触媒コンバータ25と同様に、吸蔵還元型のNOx触媒が担持されており、排気中のNOxの浄化が行われるようになっている。またこのNOx触媒によって触発される反応により、上記捕集されたPMが燃焼(酸化)されて除去されるようにもなっている。
酸化触媒コンバータ27には、酸化触媒が担持されている。この酸化触媒は、排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化して浄化する。
なお排気通路14の上記PMフィルタ26の上流側及び下流側には、PMフィルタ26に流入する排気の温度である入ガス温度を検出する入ガス温度センサ28、及びPMフィルタ26通過後の排気の温度である出ガス温度を検出する出ガス温度センサ29がそれぞれ配設されている。また排気通路14には、上記PMフィルタ26の排気上流側とその排気下流側との差圧を検出する差圧センサ30が配設されている。更に排気通路14の上記NOx触媒コンバータ25の排気上流側、及び上記PMフィルタ26と上記酸化触媒コンバータ27との間には、排気中の酸素濃度を検出する2つの酸素センサ31、32がそれぞれ配設されている。
更にこの内燃機関10には、排気の一部を吸気通路12内の空気に再循環させる排気再循環(以下、EGRと記載する)装置が設けられている。EGR装置は、排気通路14と吸気通路12とを連通するEGR通路33を備えて構成されている。EGR通路33の最上流部は、排気通路14の上記排気タービン24の排気上流側に接続されている。EGR通路33には、その上流側から、再循環される排気を改質するEGR触媒34、その排気を冷却するEGRクーラ35、その排気の流量を調整するEGR弁36が配設されている。そしてEGR通路33の最下流部は、吸気通路12の上記吸気絞り弁19の下流側に接続されている。
一方、内燃機関10の各気筒の燃焼室13には、同燃焼室13内での燃焼に供される燃料を噴射するインジェクタ40がそれぞれ配設されている。各気筒のインジェクタ40は、高圧燃料供給管41を介してコモンレール42に接続されている。コモンレール42には、燃料ポンプ43を通じて高圧燃料が供給される。コモンレール42内の高圧燃料の圧力は、同コモンレール42に取り付けられたレール圧センサ44によって検出されるようになっている。更に燃料ポンプ43からは、低圧燃料供給管45を通じて、低圧燃料が添加弁46に供給されるようになっている。
こうした内燃機関10の各種制御は、電子制御装置50により実施されている。電子制御装置50は、機関制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置50の入力ポートには、上述した各センサに加え、機関回転速度を検出するNEセンサ51、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ52、吸気絞り弁19の開度を検出する絞り弁センサ53、内燃機関10の吸気温度を検出する吸気温センサ54、及び、同機関10の冷却水温を検出する水温センサ55等が接続されている。また電子制御装置50の出力ポートには、上記吸気絞り弁19やEGR弁36、インジェクタ40、燃料ポンプ43、添加弁46等の駆動回路が接続されている。
電子制御装置50は、上記各センサから入力される検出信号より把握される機関運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各機器類の駆動回路に指令信号を出力する。こうして上記吸気絞り弁19の開度制御、上記EGR弁36の開度制御に基づくEGR制御、上記インジェクタ40からの燃料噴射量、燃料噴射時期、及び燃料噴射圧の制御、上記添加弁46からの燃料添加の制御等の各種制御が電子制御装置50により実施されている。
なお内燃機関10において上記EGR制御は、酸素センサ31、32により検出される排気中の酸素濃度に基づく上記EGR弁36及び吸気絞り弁19の開度のフィードバック制御によって行われている。このフィードバック制御に際しては、まず上記酸素濃度の検出結果に基づき燃焼室13内で燃焼された混合気の空燃比が求められ、この求められた空燃比と上記エアフローメータ16により検出された吸入空気量とから現状のEGR率(EGRガス量と吸入空気量との比)Erが算出される。そして、そのEGR率Erが機関運転条件(機関回転速度、機関負荷等)に応じて算出される目標EGR率Etとなるように、即ち当該目標EGR率EtとなるEGRガス量及び吸入空気量が得られるように、上記EGR弁36及び吸気絞り弁19の目標開度(目標EGR開度、目標絞り弁開度)が算出され、その目標開度に従いそれらの開度が調整される。
以上の如く構成された本実施形態では、上記NOx触媒コンバータ25及びPMフィルタ26でのPMによる目詰まりを防止すべく、それらNOx触媒コンバータ25及びPMフィルタ26など排気系に堆積したPMを燃焼(酸化)させて浄化する、いわゆるPM再生制御が実施される。こうしたPM再生制御では、上記NOx触媒コンバータ25やPMフィルタ26に担持されたNOx触媒に未燃燃料成分を供給することで、その未燃燃料成分の排気中や触媒上での酸化に伴う発熱により触媒を例えば600〜700℃程度まで昇温させるとともに触媒周りのPMを燃焼させている。
なお、PM再生制御での触媒への未燃燃料成分の供給は、添加弁46からの排気に対する燃料添加等によって行われる。また、PM再生制御での触媒への未燃燃料成分の供給量は、同制御の実行に伴う余分な燃料消費を極力抑えるため、必要な触媒昇温を図り得る最小限の値にとどめられる。
ちなみに本実施形態では、PM再生制御は、以下に示される条件すべての成立をもって開始される。
・PM再生制御の要求時である。ここでのPM再生制御要求は、機関運転状態から推定される排気系でのPM堆積量が許容値以上になって同PMフィルタ26等での目詰りの発生が確認されたときになされる。
・上記入ガス温度センサ28の検出値(入ガス温度thci)がPM再生制御での触媒昇温可能な下限温度(例えば150℃)以上である。また機関運転状態の履歴、入ガス温度センサ28の検出値、及び、出ガス温度センサ29の検出値から推定されるNOx触媒の触媒床温が、PM再生制御での触媒昇温可能な下限温度以上である。これら下限温度には、未燃燃料成分の供給に伴って触媒床温を上昇させられるだけの酸化反応を生じさせることのできる排気温度及び触媒床温の下限値がそれぞれ設定されている。
・入ガス温度センサ28の検出値が、PM再生制御に伴う発熱による触媒の過昇温を回避し得る温度範囲の上限値未満である。
・出ガス温度センサ29の検出値が、同じくPM再生制御に伴う発熱による触媒の過昇温を回避し得る温度範囲の上限値未満である。
・排気に対する燃料添加の実施が許可されている。すなわち、排気燃料添加の実施を許容できる機関運転状態にある。この内燃機関10では、エンジンストール中でなく、気筒判別が終了しており、且つアクセル開度の制限がなされていないのであれば、排気燃料添加が許可されるようになっている。
次に、上記PM再生制御の概要について図2のタイムチャートを参照して説明する。
PM再生制御では、NOx触媒コンバータ25及びPMフィルタ26の触媒周りに堆積したPMを燃焼させるための当該触媒の目標床温である最終目標床温Ttが設定され、その最終目標床温Ttに向けて触媒床温Tが上昇するよう、添加弁46からの燃料添加を通じて触媒への未燃燃料成分の供給が行われる。
添加弁46からの燃料添加は、図2(d)に示される添加許可フラグF1の「1(許可)」への変化(タイミングT1)に基づき開始される。この添加許可フラグF1は、「1」になった後、「0」に戻されるようになっている。そして、添加弁46からの燃料添加が開始されると、図2(a)に示される添加パルスに従って添加弁46からの間欠的な燃料添加が実施される。こうした間欠的な燃料添加における燃料の添加時間a、及び、燃料添加の休止時間bは、最終目標床温Ttと触媒床温Tとの温度差ΔT、及び、エアフローメータ16によって検出される内燃機関10のガス流量Ga(同機関10の排気流量に相当)に基づいて設定される。そして、上記のように開始された間欠的な燃料添加については、予め定められた回数の燃料添加が実行されるまで継続され、その回数だけ燃料添加がなされた後に停止される(タイミングT2)。
添加弁46からの燃料添加の開始後、添加弁46の駆動状態に基づいて所定時間、例えば16msが経過する毎に、当該16ms中に添加弁46から添加される燃料の量である16ms発熱燃料量Qが算出される。この16ms発熱燃料量Qを算出毎に「ΣQ←前回のΣQ+Q …(1)」という式に基づいて積算することにより、燃料添加開始時点(T1)からの総燃料添加量、言い換えれば酸化反応による発熱に寄与する総燃料量を表す発熱燃料量積算値ΣQが算出される。こうして算出される発熱燃料量積算値ΣQについては、図2(c)に実線で示されるように、燃料添加の開始から終了までの期間である添加期間Aにて急速に増加し、それ以後の燃料添加の休止期間Bには増加が抑えられる。
一方、添加弁46からの燃料添加の開始後、上記所定時間(16ms)毎に、当該16ms中に添加弁46から添加すべき燃料の量、言い換えれば触媒床温Tを最終目標床温Ttに近づけるのに必要な燃料の添加量である16ms要求燃料量Qrが算出される。この16ms要求燃料量Qrの算出は、触媒床温Tと最終目標床温Ttとの温度差ΔT、及び、内燃機関10のガス流量Gaを用いて行われる。こうして算出される16ms要求燃料量Qrは、触媒床温Tが最終目標床温Ttに対し低い状態にあるほど大となり、逆に最終目標床温Ttに対し高い状態にあるほど小となる。そして、上記16ms要求燃料量Qrを算出毎に「ΣQr←前回のΣQr+Qr …(2)」という式に基づき積算することで、触媒床温Tの平均値を最終目標床温Ttとするのに必要な燃料添加開始時点(T1)からの燃料量を表す要求燃料量積算値ΣQrが算出される。こうして算出される要求燃料量積算値ΣQrについては、図2(c)に破線で示されるように、発熱燃料量積算値ΣQの増加(実線)と比較して緩やかに増加する。
そして、要求燃料量積算値ΣQrが発熱燃料量積算値ΣQ以上になると(タイミングT3)、添加許可フラグF1が「1(許可)」へと変化し、添加弁46からの間欠的な燃料添加が開始される。このとき、タイミングT1以降の発熱燃料量積算値ΣQ分の燃料については添加弁46から添加完了しているため、要求燃料量積算値ΣQrから上記発熱燃料量積算値ΣQが減算される。更に、発熱燃料量積算値ΣQはクリアされて「0」になる。そして、添加弁46からの間欠的な燃料添加の開始に伴い、再び添加期間Aへと移行することになり、同添加期間Aが終了すると休止期間Bへと移行する。従って、PM再生制御中には添加期間Aと休止期間Bとが繰り返されるようになる。
なお、PM再生制御中においては、触媒床温Tが最終目標床温Ttに対し低下側に離れた状態にあるほど、16ms要求燃料量Qrが大となるように算出され、要求燃料量積算値ΣQrが速やかに増加する。その結果、要求燃料量積算値ΣQrが発熱燃料量積算値ΣQ以上になるのに要する時間が短くなり、休止期間Bが短くなるため、単位時間あたりの添加弁46からの燃料添加量の平均値が大となる。このように燃料添加量の平均値を大とすることで、最終目標床温Ttから低下側に離れた触媒床温Tの当該最終目標床温Ttに向けての上昇が図られる。
そして、触媒床温Tが最終目標床温Ttに近づくほど、16ms要求燃料量Qrが小となるように算出され、要求燃料量積算値ΣQrの増加が緩やかにされる。その結果、要求燃料量積算値ΣQrが発熱燃料量積算値ΣQ以上になるのに要する時間が長くなり、休止期間Bが長くなるため、単位時間あたりの添加弁46からの燃料添加量の平均値が小となる。このように燃料添加量の平均値を少なくすることで、触媒床温Tが最終目標床温Ttを越えて過度に高くならないようにされる。
以上のように、触媒床温Tの最終目標床温Ttに対する乖離状態に応じて休止期間Bの長さを変化させることで、触媒床温Tが例えば図2(b)に実線で示されるように推移し、増減する触媒床温Tの変動中心が最終目標床温Ttに制御されるようになる。このように触媒床温Tが最終目標床温Ttとなるよう触媒への未燃燃料成分の供給を行うことで、NOx触媒コンバータ25及びPMフィルタ26などの排気系に堆積したPMを燃焼させることができる。
ところで、上記のようにPM再生制御を行ったとしても、排気系に設けられた触媒のうち最も排気上流側に位置する触媒の周り、すなわちNOx触媒コンバータ25の排気上流端には、燃焼しきらないPMが残ることになる。このようにPMが残るのは、[背景技術]の欄に記載した[1]〜[3]に示される原因によるものと推測される。
そこで本実施形態では、PM再生制御中にPM堆積量が「0」に近い値である判定値未満になり、PM再生制御の終期になった旨判断されるとき、上記燃焼しきらないPMを燃焼させるためのバーンアップ制御を実施する。このバーンアップ制御は、上記PM再生制御における添加期間A中の総燃料添加量とほぼ等しい量の燃料をより短い期間で行うべく添加弁46からの集中的な間欠燃料添加を行うとともに、上記PM再生制御における休止期間Bよりも長い期間の添加停止を行い、これら集中的な間欠燃料添加及び当該燃料添加の停止を繰り返すようにしたものである。
バーンアップ制御における集中的な間欠燃料添加に際しての燃料添加態様については、例えば当該間欠燃料添加の間隔を上記添加期間Aでの燃料添加間隔よりも短く設定するなど、上記添加期間Aでの総燃料添加量と等しい量の燃料をより短時間で添加することの可能な態様が採用される。このように集中的な間欠燃料添加を行うことで、未燃燃料成分の酸化反応に伴う発熱が促進され、触媒床温Tがより急速に且つ高い値へと変化するようになる。なお、上記集中的な間欠燃料添加に際しての燃料添加の間隔は、NOx触媒コンバータ25の排気上流端に位置する触媒の床温を当該触媒周りに堆積したPMの燃焼に必要な値とすることが可能なレベルまで短くされる。従って、上記集中的な間欠燃料添加により触媒床温Tが高められると、最も排気上流側に位置する触媒の周りに堆積した微粒子が燃焼して除去されるようになる。
ただし、こうした集中的な間欠燃料添加を続けると触媒床温Tの過上昇を招くおそれがあるため、上述したように集中的な間欠燃料添加及び当該燃料添加の停止を繰り返すことで、触媒床温Tの過上昇の抑制が図られている。なお、集中的な間欠燃料添加を停止させる期間を上記休止期間B(図2)よりも長い期間としているのは、以下の理由による。すなわち、上記集中的な間欠燃料添加により触媒床温Tはより急速に且つ高い値まで上昇するため、触媒床温Tの平均値を最終目標床温Ttで一定に保つには、上記間欠燃料添加の停止期間を長くとって触媒床温Tの低下幅を大きくしなければならない。
次に、上記バーンアップ制御の概要について、図3のタイムチャートを参照して説明する。
バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加も、通常のPM再生制御での燃料添加と同じく、図3(d)に示される添加許可フラグF1の「1(許可)」への変化(タイミングT4)に基づき開始される。そして、上記集中的な間欠燃料添加が開始されると、図3(a)に示される添加パルスに従って添加弁46からの集中的な間欠燃料添加が実施される。こうした集中的な間欠燃料添加における燃料の添加態様、例えば燃料の添加時間a、燃料添加の休止時間b、及び、燃料の添加回数を調整するためのパラメータとしては目標空燃比AFtが用いられる。
すなわち、上記休止時間b(燃料の添加間隔)については、目標空燃比AFtがリッチ側の値になるほど短くされる。また、上記添加時間a及び添加回数については、通常のPM再生制御における添加期間A(図2参照)での総燃料添加量と同じ量の燃料がより短い期間内(図3の添加期間A内)で添加されるよう、目標空燃比AFtに基づき各々設定される。そして、目標空燃比AFtについては、上記休止時間bがNOx触媒コンバータ25の排気上流端に位置する触媒の床温を当該触媒周りに堆積したPMの燃焼に必要な値まで上昇させることのできるレベルまで短くなるよう、内燃機関10のインジェクタ40からの燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEといった機関運転状態に基づき求められる。
バーンアップ制御においても、通常のPM再生制御と同じく図3(c)に示される16ms発熱燃料量Q及び発熱燃料量積算値ΣQが算出される。こうして算出される16ms発熱燃料量Qは、上記集中的な間欠燃料添加の実行期間である添加期間A(T4〜T5)では、通常のPM再生制御での添加期間A(図2)における16ms発熱燃料量Qよりも大となる。このため、16ms発熱燃料量Qをその算出毎に上記式(1)に基づき積算して得られる発熱燃料量積算値ΣQは、図3(c)に実線で示されるように、通常のPM再生制御での添加期間A(図2)における発熱燃料量積算値ΣQに比べてより急速に増加する。
上記のように集中的な間欠燃料添加を行うことで、未燃燃料成分の酸化反応に伴う発熱が促進され、通常のPM再生制御での触媒床温Tの上昇に比べて、触媒床温Tが図3(b)に実線で示されるようにより急速に且つ高い値へと上昇する。そして、集中的な間欠燃料添加が停止(タイミングT5)された後であって、触媒床温Tがピークに達した状態にあるとき、NOx触媒コンバータ25の排気上流端に位置する触媒の床温が当該触媒周りに堆積したPMの燃焼に必要な値まで上昇し、当該PMが燃焼して除去されるようになる。
一方、上記集中的な間欠燃料添加の開始後には、通常のPM再生制御と同じく16ms要求燃料量Qrの算出も行われる。この16ms要求燃料量Qrは、触媒床温Tが最終目標床温Ttよりも高い状態(温度差ΔTが大)であるほど小となる。そして、触媒床温Tが最終目標床温Ttよりも高くなっている状況下での温度差ΔTは、当該触媒床温Tの上述した上昇態様に起因して通常のPM再生制御での温度差ΔT(図2(b))よりも大となる。その結果、触媒床温Tが最終目標床温Ttよりも高くなっているときの16ms要求燃料量Qrは、通常のPM再生制御での16ms要求燃料量Qr(図2(c))よりも小さくなる傾向がある。
このため、16ms要求燃料量Qrをその算出毎に上記式(2)に基づき積算して得られる要求燃料量積算値ΣQrは、図3(c)に破線で示されるように、通常のPM再生制御での休止期間B(図2)における要求燃料量積算値ΣQrに比べてゆっくりと増加する。これにより、要求燃料量積算値ΣQrが発熱燃料量積算値ΣQ以上になって(タイミングT6)、添加許可フラグF1が「1(許可)」へと変化するタイミング、すなわち休止期間Bの終了タイミングが通常のPM再生制御よりも遅くなる。以上のことから、バーンアップ制御中の休止期間Bは、通常のPM再生制御での休止期間B(図2)よりも長くされるようになる。
添加許可フラグF1が「1(許可)」に変化すると、再び集中的な間欠燃料添加が開始される。このときには、通常のPM再生制御と同様、要求燃料量積算値ΣQrから上記発熱燃料量積算値ΣQが減算される。更に、発熱燃料量積算値ΣQはクリアされて「0」になる。そして、上記集中的な間欠燃料添加の開始に伴い、再び添加期間Aへと移行することになり、同添加期間Aが終了すると休止期間Bへと移行する。従って、バーンアップ制御でも上述した添加期間Aと休止期間Bとが繰り返されるようになる。
そして、バーンアップ制御中における休止期間Bの長さは、通常のPM再生制御と同じく、触媒床温Tの最終目標床温Ttに対する乖離状態(温度差ΔT)に応じて変化させられる。すなわち、触媒床温Tが最終目標床温Ttに対し小さい状態にあるときには休止期間Bが短くされる。この休止期間Bが短くされるほど、添加期間Aに対し休止期間Bが長い状態になる。言い換えれば、添加期間Aと休止期間Bとの比率が、当該添加期間Aに対し休止期間Bをより長い状態とする値へと変化する。その結果、単位時間あたりの添加弁46からの燃料添加量の平均値が大とされ、触媒床温Tが上昇傾向を示すようになる。また、触媒床温Tが最終目標床温Ttに対し大きい状態にあるときには休止期間Bが長くされる。この休止期間Bが長くされるほど、添加期間Aに対し休止期間Bが短い状態となる。言い換えれば、添加期間Aと休止期間Bとの比率が、当該添加期間Aに対し休止期間Bをより短い状態とする値へと変化する。その結果、単位時間あたりの添加弁46からの燃料添加量の平均値が小とされ、触媒床温Tが低下傾向を示すようになる。こうした触媒床温Tの最終目標床温Ttに対する乖離状態に応じた休止期間Bの長さの調整、すなわち添加期間Aと休止期間Bとの比率の調整により、触媒床温Tが例えば図3(b)に実線で示されるように推移し、増減する触媒床温Tの変動中心が最終目標床温Ttに制御されることとなる。
バーンアップ制御での添加期間Aと休止期間Bとの繰り返しがNOx触媒コンバータ25の排気上流端に堆積したPMを燃焼しきるのに必要な回数に達すると、バーンアップ制御が終了される。そして、バーンアップ制御の終了に伴い、PM再生制御も終了されることとなる。
ところで、バーンアップ制御の実行時、内燃機関10を運転する際の環境条件によっては、同機関10の排気温度が思ったように上がらない場合がある。この場合、触媒が不活性状態になり、添加期間Aにて上述したように集中的な間欠燃料添加を行ったとしても、上記排気温度の影響から触媒床温Tが図3(b)の二点鎖線L1で示されるように上昇しにくくなる。そして、こうした状態での集中的な間欠燃料添加が続けられると、触媒上に未燃燃料成分が付着したまま残留して排気に曝される触媒の表面積が減少することから、触媒の活性度合いが一層低下する。以上のような悪循環によって触媒の失活現象が生じ、排気系に設けられた触媒のうち最も排気上流側に位置する触媒の周り、すなわちNOx触媒コンバータ25の排気上流端に位置する触媒周りに堆積したPMを燃焼しきるのが困難になる。
このため、本実施形態では、内燃機関10の排気温度に影響を与える環境条件に基づき、同機関10の排気温度が上がりにくい環境条件であるとき、最終目標床温Ttをより低下側(図3(b)の矢印Y1側)に補正する。このように最終目標床温Ttを低下側に補正すると、そのときの触媒床温Tと最終目標床温Ttとの乖離状態の関係から休止期間Bが矢印Y2で示されるように長くされ、当該休止期間Bの間の排気の流れによって触媒に残留した未燃燃料成分が効果的に除去される。このため、最終目標床温Ttを上記のように低下側に補正することで、休止期間Bが長くなって添加期間Aと休止期間Bとの比率が当該添加期間Aに対し休止期間Bを長い状態とする値に変化し、当該休止期間Bの長さを、上記排気の流れによって触媒に残留した未燃燃料成分を除去するのに必要なレベルの長さとすることができる。これにより、同触媒の失活現象を抑制したり同触媒の活性を回復したりすることが可能になる。従って、上記触媒の失活現象の発生に伴い、NOx触媒コンバータ25の排気上流端に位置する触媒周りに堆積したPMを燃焼しきれなくなるのを抑制することができる。
また、バーンアップ制御の実行時、内燃機関10を運転する際の環境条件によっては、同機関10の排気温度が高くなり過ぎる場合もある。この場合、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の実行時、上記排気温度の関係から触媒床温Tが図3(b)に二点鎖線L2で示されるように過上昇し、触媒の熱劣化を招くおそれがある。
このため、本実施形態では、内燃機関10の排気温度に影響を与える環境条件に基づき、同機関10の排気温度が高くなり過ぎる環境条件であるときにも、最終目標床温Ttをより低下側(図3(b)の矢印Y1側)に補正する。この場合も、補正後の最終目標床温Ttと触媒床温Tとの乖離状態の関係に基づき休止期間Bが矢印Y2で示されるように長くされる。その結果、単位時間あたりの添加弁46からの燃料添加量の平均値が小となり、触媒床温Tの上昇が抑制される。このため、最終目標床温Ttを上記のように補正することで、休止期間Bが長くなって添加期間Aと休止期間Bとの比率が当該添加期間Aに対し休止期間Bを長い状態とする値に変化し、当該休止期間Bの長さを、触媒床温Tの過上昇を抑制するのに必要なレベルの長さとすることができる、これにより、触媒の熱劣化を抑制することが可能になる。
次に、バーンアップ制御中における上記最終目標床温Ttの算出手順について、最終目標床温算出ルーチンを示す図4のフローチャートを参照して説明する。この最終目標空燃比算出ルーチンは、電子制御装置50を通じて、例えば所定クランク角毎の時間割り込みにて実行される。
同ルーチンにおいては、以下の式(3)に基づき、バーンアップ制御中の最終目標床温Ttが算出される。
Tt=Tb+Hpa・Kpa+Htha ・Ktha +Hthw ・Hthw …(3)
Tt :最終目標床温
Tb :基本目標床温
Hpa :大気圧補正項
Kpa :大気圧補正反映係数
Htha :吸気温補正項
Ktha :吸気温補正反映係数
Hthw :水温補正項
Kthw :水温補正反映係数
式(1)の基本目標床温Tbは、バーンアップ制御中であることを条件に(S101:YES)、内燃機関10におけるインジェクタ40からの燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEといった機関運転状態に基づき算出される(S102)。
こうして算出された基本目標床温Tbについては、図5に示されるように、燃料噴射量Q1によって代表される機関負荷が中程度になる運転領域で最も高くなる。
また、燃料噴射量Q1が小となる低負荷運転領域では、機関運転が低負荷運転になるほど基本目標床温Tbが低くなる。機関運転が低負荷運転になるほど、燃焼室13内での燃料燃焼時の空燃比がリーン側に変化して排気温度が低下し、その排気温度の影響を受けて触媒の失活現象が生じやすくなる。上記のように低負荷運転になるほど基本目標床温Tbを低くしているのは、それによってバーンアップ制御での休止期間Bを長くとり、上記排気温度の影響による触媒の失活現象を抑制したり、同触媒の活性を回復させたりするためである。
更に、燃料噴射量Q1が大となる高負荷運転領域では、機関運転が高負荷運転になるほど基本目標床温Tbが低くなる。機関運転が高負荷運転になるほど、燃焼室13内での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が上昇し、その排気温度の影響を受けて触媒床温Tが過上昇して触媒の熱劣化が生じやすくなる。上記のように高負荷運転になるほど基本目標床温Tbを低くしているのは、それによってバーンアップ制御での休止期間Bを長くとり、上記排気温度の影響による触媒床温Tの過上昇を抑制し、触媒の熱劣化を抑制するためである。
内燃機関10が冷えた状態でなく且つ平地での標準的な大気圧及び吸気温のもとで運転されている場合、上記基本目標床温Tbをそのまま最終目標床温Ttに設定することで、低負荷運転領域での触媒の失活現象や高負荷運転領域での触媒の熱劣化を抑制することが可能になる。すなわち、上記休止期間Bの長さを上記触媒の失活現象及び同触媒の熱劣化が抑制されるレベルの長さとすることの可能な値として、上記基本目標床温Tbが機関運転状態に基づき算出される。
ただし、内燃機関10を運転する際の環境条件、例えば内燃機関10のおかれた大気圧、及び内燃機関10の冷却水温や吸気温度といった条件によっては、排気温度が上がりにくくなって触媒の失活現象が生じやすくなったり、排気温度が高くなりすぎて触媒の熱劣化を招きやすくなったりする。この場合、上記最終目標床温Tt(基本目標床温Tb)に応じて調整される休止期間Bの長さが、触媒の失活現象を抑制したり触媒の熱劣化を抑制したりするのに足りなくなるおそれがある。こうした不具合を抑制すべく、ステップS103以降の処理が実行される。
具体的には、内燃機関10を運転する際の環境条件に応じて最終目標床温Tt(基本目標床温Tb)を補正するための環境補正項として、大気圧補正項Hpa、吸気温補正項Htha 、及び、水温補正項Hthw が算出される(S103、S105、S107)。更に、それら環境補正項による最終目標床温Ttの補正度合いを決定するための補正反映係数として、大気圧補正反映係数Kpa、吸気温補正反映係数Ktha 、及び、水温補正反映係数Kthw が算出される(S104、S106、S108)。これら係数は各々、対応する環境補正項に乗算され、当該係数を乗算した後の環境補正項を式(3)に基づき基本目標床温Tbに加算することで、内燃機関を運転する際の環境条件に応じて補正された最終目標床温Ttが算出されることとなる(S109)。
上記のように算出された最終目標床温Ttについては、内燃機関の排気温度が上がりにくくなる環境条件であるときほど、上記排気温度の影響による触媒の失活現象を抑制すべく上記休止期間Bが長くなるよう低下側に補正される。また、上記最終目標床温Ttについては、内燃機関の排気温度が高くなり過ぎる環境条件にあるときほど、上記排気温度の影響による触媒床温の過上昇及び触媒の熱劣化を抑制すべく上記休止期間Bが長くなるよう低下側に補正されることともなる。すなわち、こうした最終目標床温Ttの補正が行われるように、大気圧補正項Hpa、吸気温補正項Htha 、及び水温補正項Hthw といった各環境補正項の算出、並びに、それら環境補正対応する大気圧補正反映係数Kpa、吸気温補正反映係数Ktha 、及び、水温補正反映係数Kthw といった補正反映係数の算出が行われる。
ここで、上記各環境補正項、及び、それら対応する補正反映係数の算出について個別に説明する。
[大気圧補正項Hpa及び大気圧補正反映係数Kpaの算出(S103、S104)]
大気圧補正項Hpaは、燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEに基づき算出され(S102)、燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に伴い図6に示されるように推移する。同図から分かるように、上記のように算出される大気圧補正項Hpaについては、燃料噴射量Q1によって代表される機関負荷が中程度になる運転領域で「0」となり、燃料噴射量Q1が小となる低負荷運転領域では機関運転が低負荷運転になるほどマイナス側へと小さくされる。また、燃料噴射量Q1が大となる高負荷運転領域では、機関運転が高負荷運転になるほど、大気圧補正項Hpaがマイナス側へと小さくされる。
一方、大気圧補正反映係数Kpaは、大気圧に基づき算出され(S104)、図7に示されるように同大気圧が低い状態にあるときには同大気圧が低くなるほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。
なお、上記大気圧補正項Hpa の算出に用いられる大気圧としては、例えば内燃機関10の運転状態に基づき推定される推定値が用いられる。こうした大気圧の推定は例えば以下のようにして行われる。すなわち、エアフローメータ16によって内燃機関10の実際の吸入空気量(ガス流量Ga)を測定するとともに、そのときの吸気絞り弁19の開度に基づき標準大気圧のもとで内燃機関10に吸入されるはずの吸入空気量(基準空気流量)をマップ演算等によって求める。ここで、ガス流量Gaが基準空気流量よりも少ないということは大気圧が標準大気圧よりも低く吸気密度が小であることを意味し、ガス流量Gaが基準空気流量よりも多いということは大気圧が標準大気圧よりも高く吸気密度が大であることを意味する。このようにガス流量Gaと基準空気流量との差が標準大気圧に対する実際の大気圧のずれに関係していることを利用して、その差に基づき大気圧が推定される。
図6から分かるように、低負荷運転領域にて機関運転が低負荷運転になるほど、大気圧補正項Hpaはマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttをより低下側に補正してバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値となる。ここで、低負荷運転領域では、機関運転が低負荷運転になるほど、燃焼室13内での燃料燃焼時の空燃比がリーン側に変化して排気温度が低下するため、その排気温度の影響を受けてバーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加時に触媒の失活現象が生じやすくなる。こうした失活現象を抑制するため、上述したように、低負荷運転領域にて機関運転が低負荷運転になるほど大気圧補正項Hpaがマイナス側の値となるよう算出される。
また、内燃機関10の低負荷運転時にはEGR制御を通じてEGRが実行され、そのEGR制御に関係する以下の理由によって、大気圧が低下するほど排気温度が低くなるという傾向がある。すなわち、EGRの実行中に大気圧が低下すると、吸気密度の低下に伴う吸気中の酸素不足を補うため、また燃料への着火安定性を確保するため、EGR制御を通じてEGR率が大幅に小さくされる。このようにEGR率が小さくされると、燃焼室13に吸入される新気の量が増え、内燃機関10の燃焼室13での空燃比(酸素と燃料との比率)がリーンになるため、燃料の燃焼後の排気の温度が低くなる。従って、大気圧が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。
こうした触媒の失活現象を抑制するため、大気圧が低い状態にあるときには同大気圧が低くなるほど、上記大気圧補正反映係数Kpaが「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。ここで、大気圧補正反映係数Kpaが「1.0」に近くなるほど、同係数Kpaが乗算された後の大気圧補正項Hpa、すなわち式(3)の「Hpa・Kpa」という項がマイナス側の値になり、式(3)に基づき算出される最終目標床温Ttがより低下側に補正される。その結果、最終目標床温Ttはバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値となり、同制御での集中的な間欠燃料添加によって生じる触媒の失活現象を抑制することができるようになる。
図6から分かるように、高負荷運転領域にて機関運転が高負荷運転になるほど、大気圧補正項Hpaはマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttをより低下側に補正してバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値ともなる。ここで、高負荷運転領域では、機関運転が高負荷運転になるほど、燃焼室13内での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が上昇するため、その排気温度の影響を受けてバーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加時に触媒床温Tが過上昇し、触媒の熱劣化が生じやすくなる。こうした触媒の熱劣化を抑制するため、上述したように、高負荷運転領域にて機関運転が高負荷運転になるほど大気圧補正項Hpaがマイナス側の値となるよう算出される。
また、内燃機関10の高負荷運転時にはEGR制御を通じてEGRの実行が停止され、そのEGRの停止状態では大気圧が低下して吸気中の酸素濃度が低下するほど、燃焼室13内での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が高くなるという傾向がある。従って、大気圧が低くなるほど排気温度が上昇し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加により触媒床温Tが過上昇して触媒の熱劣化が生じやすくなる。
こうした触媒の熱劣化を抑制するため、上述したように、大気圧が低い状態にあるときには同大気圧が低くなるほど大気圧補正反映係数Kpaが「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。ここで、大気圧補正反映係数Kpaが「1.0」に近くなるほど、同係数Kpaが乗算された後の大気圧補正項Hpa(「Hpa・Kpa」)がマイナス側の値になり、式(3)に基づき算出される最終目標床温Ttがより低下側に補正される。その結果、最終目標床温Ttはバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値となり、同制御での集中的な間欠燃料添加により触媒床温Tが過上昇して触媒の熱劣化が生じるのを抑制することができるようになる。
[吸気温補正項Htha 及び吸気温補正反映係数Ktha の算出(S105、S106)]
吸気温補正項Htha は、燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEに基づき算出され(S105)、燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に伴い図8に示されるように推移する。同図から分かるように、上記のように算出される吸気温補正項Htha については、燃料噴射量Q1によって代表される機関負荷が中程度以上になる運転領域で「0」となり、燃料噴射量Q1が小となる低負荷運転領域では機関運転が低負荷運転になるほどマイナス側へと小さくされる。
一方、吸気温補正反映係数Ktha は、吸気温度に基づき算出され(S106)、図9に示されるように同吸気温度が低い状態にあるときには同吸気温度が低くなるほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。
図8から分かるように、低負荷運転領域にて機関運転が低負荷運転になるほど、吸気温補正項Htha はマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttをより低下側に補正してバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値となる。これは、上述したように低負荷運転領域では機関運転が低負荷運転になるほど排気温度が低下し、その排気温度の影響を受けた状態での集中的な間欠燃料添加によって生じる触媒の失活現象を抑制するためである。
また、内燃機関10の排気温度は、同機関10の吸気温度低下に伴い低くなる傾向がある。これは燃料の燃焼に供される空気の温度が低いと、燃料の燃焼時の熱が排気に伝達されたとしても排気温度が高くならないためである。従って、吸気温度が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。
こうした触媒の失活現象を抑制するため、吸気温度が低い状態にあるときには同吸気温度が低くなるほど、上記吸気温補正反映係数Ktha が「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。ここで、吸気温補正反映係数Ktha が「1.0」に近くなるほど、同係数Ktha が乗算された後の吸気温補正項Htha 、すなわち「Htha・Ktha」という項がマイナス側の値になり、式(3)に基づき算出される最終目標床温Ttがより低下側に補正される。その結果、最終目標床温Ttはバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値となり、同制御での集中的な間欠燃料添加によって生じる触媒の失活現象を抑制することができるようになる。
[水温補正項Hthw 及び水温補正反映係数Kthw の算出(S107、S108)]
水温補正項Hthw は、燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEに基づき算出され(S107)、燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に伴い図10に示されるように推移する。同図から分かるように、上記のように算出される水温補正項Hthw については、燃料噴射量Q1によって代表される機関負荷が中程度以上になる運転領域で「0」となり、燃料噴射量Q1が小となる低負荷運転領域では機関運転が低負荷運転になるほどマイナス側へと小さくされる。
一方、水温補正反映係数Kthw は、冷却水温に基づき算出され(S108)、図11に示されるように同冷却水温が低い状態にあるときには同冷却水温が低くなるほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。
図10から分かるように、低負荷運転領域にて機関運転が低負荷運転になるほど、水温補正項Hthw はマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttをより低下側に補正してバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値となる。これは、上述したように低負荷運転領域では機関運転が低負荷運転になるほど排気温度が低下し、その排気温度の影響を受けた状態での集中的な間欠燃料添加によって生じる触媒の失活現象を抑制するためである。
また、内燃機関10の排気温度は、同機関10の冷却水温低下に伴い低くなる傾向がある。これは冷却水温が低いと、燃料の燃焼時に内燃機関10に奪われる熱が多くなり、燃料の燃焼時に排気に伝達される熱量が少なくなるためである。従って、冷却水温が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。
こうした触媒の失活現象を抑制するため、冷却水温が低い状態にあるときには同冷却水温が低くなるほど、上記水温補正反映係数Kthw が「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。ここで、水温補正反映係数Kthw が「1.0」に近くなるほど、同係数Kthw が乗算された後の水温補正項Hthw 、すなわち式(3)の「Hthw・Kthw」という項がマイナス側の値になり、式(3)に基づき算出される最終目標床温Ttがより低下側に補正される。その結果、最終目標床温Ttはバーンアップ制御での休止期間Bを長くする値となり、同制御での集中的な間欠燃料添加によって生じる触媒の失活現象を抑制することができるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)通常のPM再生制御を実行するだけでは、NOx触媒コンバータ25の排気上流端に燃焼しきらないPMが残るようになる。しかし、PM再生制御の終期に、添加弁46からの集中的な間欠燃料添加及び当該燃料添加の停止を繰り返すバーンアップ制御を実行することで、NOx触媒コンバータ25の排気上流端に残ったPMを燃焼させて除去することができるようになる。
(2)上記バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加の停止期間である休止期間Bについては、最終目標床温Ttが低い値になるほど長くなるように調整される。バーンアップ制御中において、内燃機関10の低負荷運転時には、燃焼室13での燃料燃焼時の空燃比がリーン側に変化して排気温度が低下し、その排気温度の影響を受けて触媒の失活現象が生じやすくなる。こうした触媒の失活現象を抑制するため、低負荷運転時には、上記休止期間Bの長さが触媒の失活現象を抑えるのに必要な長さとなるよう、基本目標床温Tbが算出される。このように休止期間Bの長さを調整したとしても、排気温度の低下を招く環境条件での機関運転がなされると、休止期間Bの長さが触媒の失活現象を抑制するのに足りなくなるおそれがある。しかし、このようなときには、上記休止期間Bが長くなるよう、最終目標床温Ttがより低下側に補正される。そして、その補正後の最終目標床温Tt等に基づき休止期間Bの長さが調整されることで、同休止期間Bの長さを、排気の流れによって触媒に残留した未燃燃料成分を除去するのに必要なレベルまで長くし、同触媒の失活現象を抑制したり同触媒の活性を回復したりすることが可能になる。従って、上記触媒の失活現象の発生に伴い、NOx触媒コンバータ25の排気上流端に位置する触媒周りに堆積したPMを燃焼しきれなくなるのを抑制することができる。
(3)バーンアップ制御中においては、機関運転が低負荷運転になるほど排気温度が低下するようになる。また、低負荷運転時にはEGR制御を通じてEGRが実行され、その状態では大気圧が低下するほど排気温度が低くなるという傾向がある。従って、機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。この点、内燃機関10の低負荷運転時には、機関運転が低負荷運転になるほど大気圧補正項Hpaがマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttを低下させる側の値となる。更に、上記大気圧補正項Hpaによる最終目標床温Ttの補正度合いを決定するための大気圧補正反映係数Kpaについては、大気圧が低下するほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。従って、機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど、大気圧補正反映係数Kpaが乗算された後の大気圧補正項Hpa(「Hpa・Kpa」)による最終目標床温Ttの低下側への補正が大となり、バーンアップ制御での休止期間Bが長くされる。このため、上述した触媒の失活現象を的確に抑制することができる。また、「Hpa・Kpa」という項による最終目標床温Ttの低下側への補正は、低負荷運転時に機関運転が高負荷運転側に移行するほど、且つ、大気圧が上昇するほど小となる。このため、最終目標床温Ttが上記「Hpa・Kpa」という項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することができる。
(4)バーンアップ制御中においては、機関運転が低負荷運転になるほど排気温度が低下するようになる。また、排気温度は吸気温度低下に伴い低くなる傾向がある。従って、機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。この点、内燃機関10の低負荷運転時には、機関運転が低負荷運転になるほど吸気温補正項Htha がマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttを低下させる側の値となる。更に、上記吸気温補正項Htha による最終目標床温Ttの補正度合いを決定するための吸気温補正反映係数Ktha については、吸気温度が低下するほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。従って、機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が低くなるほど、吸気温補正反映係数Ktha が乗算された後の吸気温補正項Htha (「Htha・Ktha」)による最終目標床温Ttの低下側への補正が大となり、バーンアップ制御での休止期間Bが長くされる。このため、上述した触媒の失活現象を的確に抑制することができる。また、「Htha・Ktha」という項による最終目標床温Ttの低下側への補正は、低負荷運転時に機関運転が高負荷運転側に移行するほど、且つ、吸気温度が上昇するほど小となる。このため、最終目標床温Ttが上記「Htha・Ktha」という項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することができる。
(5)バーンアップ制御中においては、機関運転が低負荷運転になるほど排気温度が低下するようになる。また、排気温度は冷却水温低下に伴い低くなる傾向がある。従って、機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、冷却水温が低くなるほど排気温度が低下し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒の失活現象が生じやすくなる。この点、内燃機関10の低負荷運転時には、機関運転が低負荷運転になるほど水温補正項Hthw がマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttを低下させる側の値となる。更に、上記水温補正項Hthw による最終目標床温Ttの補正度合いを決定するための水温補正反映係数Kthw については、吸気温度が低下するほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。従って、機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、水温が低くなるほど、水温補正反映係数Kthw が乗算された後の水温補正項Hthw (「Hthw・Kthw」)による最終目標床温Ttの低下側への補正が大となり、バーンアップ制御での休止期間Bが長くされる。このため、上述した触媒の失活現象を的確に抑制することができる。また、上記「Hthw・Kthw」という項による最終目標床温Ttの低下側への補正は、低負荷運転時に機関運転が高負荷運転側に移行するほど、且つ、冷却水温が上昇するほど小となる。このため、最終目標床温Ttが上記「Hthw・Kthw」という項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することができる。
(6)バーンアップ制御中において、内燃機関10の高負荷運転時には、燃焼室13での燃料燃焼時の空燃比がリッチ側に変化して排気温度が上昇し、その排気温度の影響を受けて触媒床温Tが過上昇し、触媒の熱劣化が生じやすくなる。こうした触媒の熱劣化を抑制するため、高負荷運転時には、上記休止期間Bの長さが触媒の熱劣化を抑えるのに必要な長さとなるよう、基本目標床温Tbが算出される。このように休止期間Bの長さを調整したとしても、排気温度の上昇を招く環境条件での機関運転がなされると、休止期間Bの長さが触媒床温Tの過上昇及び触媒の熱劣化を抑制するのに足りなくなるおそれがある。しかし、このようなときには、上記休止期間Bが長くなるよう、最終目標床温Ttがより低下側に補正される。そして、その補正後の最終目標床温Tt等に基づき休止期間Bの長さが調整されることで、同休止期間Bの長さを触媒床温Tの過上昇を抑制するのに必要なレベルまで長し、触媒の熱劣化を抑制することが可能になる。
(7)バーンアップ制御中においては、機関運転が高負荷運転になるほど排気温度が上昇するようになる。また、高負荷運転時にはEGR制御を通じてEGRの実行が停止され、その状態では大気圧が低下するほど排気温度が高くなるという傾向がある。従って、機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど排気温度が上昇し、バーンアップ制御での集中的な間欠燃料添加によって触媒床温Tの過上昇及び触媒の熱劣化が生じやすくなる。この点、内燃機関10の高負荷運転時には、機関運転が高負荷運転になるほど大気圧補正項Hpaがマイナス側の値、言い換えれば最終目標床温Ttを低下させる側の値となる。更に、上記大気圧補正項Hpaによる最終目標床温Ttの補正度合いを決定するための大気圧補正反映係数Kpaについては、大気圧が低下するほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。従って、機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど、大気圧補正反映係数Kpaが乗算された大気圧補正項Hpa(「Hpa・Kpa」)による最終目標床温Ttの低下側への補正が大となり、バーンアップ制御での休止期間Bが長くされる。このため、上述した触媒床温Tの過上昇及び触媒の熱劣化を的確に抑制することができる。また、上記「Hpa・Kpa」という項による最終目標床温Ttの低下側への補正は、高負荷運転時に機関運転が低負荷運転側に移行するほど、且つ、大気圧が上昇するほど小となる。このため、最終目標床温Ttが上記「Hpa・Kpa」という項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・吸気温補正項Htha 及び吸気温補正反映係数Ktha をそれぞれ図12及び図13に示す如く推移するように算出してもよい。すなわち、吸気温補正項Htha については、機関負荷(燃料噴射量Q1)が中程度になる運転領域で「0」となり、低負荷運転領域では機関運転が低負荷運転になるほどマイナス側へと小さくされ、高負荷運転領域では機関運転が高負荷運転になるほどマイナス側へと小さくされる。また、吸気温補正反映係数Ktha については、吸気温度が低い状態にあるときには同吸気温度が低くなるほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされるとともに、吸気温度が高い状態にあるときには同吸気温度が高くなるほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。
バーンアップ制御中、内燃機関10の高負荷運転時であって、且つ、吸気温度が高いときには、同機関10の排気温度が高くなり過ぎる環境条件ということになり、このような状況下で集中的な間欠燃料添加を行うと、上記排気温度の関係から触媒床温Tが過上昇し、同触媒の熱劣化を招くおそれがある。しかし、こうした不具合については、上記のように吸気温補正項Htha 及び吸気温補正反映係数Ktha を算出し、高負荷運転時であって吸気温度の高い状態にあるとき、吸気温補正反映係数Ktha を乗算した後の吸気温補正項Htha (「Htha・Ktha」)により最終目標床温Ttを低下側に補正して休止期間Bを長くすることで回避することができる。
なお、「Htha・Ktha」という項による最終目標床温Ttの低下側への補正については、機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が高くなるほど大とされ、休止期間Bが長くされる。このため、上述した触媒床温Tの過上昇及び触媒の熱劣化を的確に抑制することができる。また、上記補正については、高負荷運転時に機関運転が低負荷運転側に移行するほど、且つ、吸気温度が低下するほど小となる。このため、最終目標床温Ttが上記「Htha・Ktha」という項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することができる。
・水温補正項Hthw 及び水温補正反映係数Kthw をそれぞれ図14及び図15に示す如く推移するように算出してもよい。すなわち、水温補正項Hthw については、機関負荷(燃料噴射量Q1)が中程度になる運転領域で「0」となり、低負荷運転領域では機関運転が低負荷運転になるほどマイナス側へと小さくされ、高負荷運転領域では機関運転が高負荷運転になるほどマイナス側へと小さくされる。また、水温補正反映係数Kthw については、吸気温度が低い状態にあるときには同吸気温度が低くなるほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされるとともに、吸気温度が高い状態にあるときには同吸気温度が高くなるほど「1.0」に向けて大きい値となるようにされる。
バーンアップ制御中、内燃機関10の高負荷運転時であって、且つ、冷却水温が高いときには、同機関10の排気温度が高くなり易い環境条件ということになり、このような状況下で集中的な間欠燃料添加を行うと、上記排気温度の関係から触媒床温Tが過上昇し、同触媒の熱劣化を招くおそれがある。しかし、こうした不具合については、上記のように水温補正項Hthw 及び水温補正反映係数Kthw を算出し、高負荷運転時であって吸気温度の高い状態にあるとき、水温補正反映係数Kthw を乗算した後の水温補正項Hthw (「Hthw・Kthw」)により最終目標床温Ttを低下側に補正して休止期間Bを長くすることで回避することができる。
なお、「Hthw・Kthw」という項による最終目標床温Ttの低下側への補正については、機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、吸気温度が高くなるほど大とされ、休止期間Bが長くされる。このため、上述した触媒床温Tの過上昇及び触媒の熱劣化を的確に抑制することができる。また、上記補正については、高負荷運転時に機関運転が低負荷運転側に移行するほど、且つ、吸気温度が低下するほど小となる。このため、最終目標床温Ttが上記「Hthw・Kthw」という項によって必要以上に低下側に補正されるのを抑制することができる。
・上記各実施形態では、休止期間Bの長さを調整して添加期間Aと休止期間Bとの比率を調整したが、こうした比率の調整を添加期間Aの長さ調整によって実現してもよい。この場合、触媒床温Tと最終目標床温Ttとの温度差ΔT等に基づき、触媒床温Tの平均値が最終目標床温Ttに制御されるよう添加期間Aの長さ調整が行われる。そして、バーンアップ制御中、内燃機関10を運転する際の環境条件に応じて最終目標床温Ttが低下側に補正されたときには、それに基づき添加期間Aが短くなるよう調整され、添加期間Aと休止期間Bとの比率が上記環境条件に起因した触媒の失活現象及び触媒の熱劣化を抑制し得る値とされる。そして、このときの添加期間Aについては最終目標床温Ttが低下側に補正されるほど短くされる。これにより、当該添加期間Aに対し休止期間Bが長い状態とされるようになり、休止期間Bの長さが上記触媒の失活現象及び熱劣化を抑制するのに必要なレベルの長さとされる。なお、上記のように添加期間Aの長さ調整を行う際、上記環境条件に応じた最終目標床温Ttの低下側への補正に基づく休止期間Bの長さ調整については、行ってもよいし、行わなくてもよい。上記添加期間Aの長さ調整と上記休止期間Bの長さ調整とを同時に行えば、上記(2)〜(7)に記載した効果がより一層顕著に現れるようになる。
・上記環境補正項として、吸気温補正項Htha 、水温補正項Hthw 、及び、大気圧補正項Hpaのうちの一つ或いは二つだけを用いてもよい。この場合、大気圧補正反映係数Kpa、吸気温補正反映係数Ktha 、及び、水温補正反映係数Kthw といった補正反映係数については、上記用いられる環境補正項に対応するものだけが用いられる。
・大気圧については、機関運転状態に基づき推定する代わりに、大気圧を検出する大気圧センサを用いて実測することも可能である。
・上記実施形態のようにPMフィルタ26の排気上流側にNOx触媒が担持されたNOx触媒コンバータ25を設けている場合には、PMフィルタ26にNOx触媒を必ずしも担持する必要はない。
・上記実施形態のようにPMフィルタ26にNOx触媒を担持している場合には、NOx触媒コンバータ25を必ずしもPMフィルタ26の排気上流側に設ける必要はない。
・通常のPM再生制御での触媒への未燃燃料成分の供給を、インジェクタ40から燃焼室13内での燃焼に供される燃料の噴射後に排気行程や膨張行程で行われる副噴射(アフター噴射)により実現してもよい。
本実施形態の排気浄化装置が適用される内燃機関全体を示す略図。 (a)〜(d)は、通常のPM再生制御中における添加弁を駆動するための添加パルスの変化、触媒床温Tの変化、積算値ΣQr,ΣQの推移、及び、添加許可フラグF1の設定態様を示すタイムチャート。 (a)〜(d)は、バーンアップ制御中における添加弁を駆動するための添加パルスの変化、触媒床温Tの変化、積算値ΣQr,ΣQの推移、及び、添加許可フラグF1の設定態様を示すタイムチャート。 バーンアップ制御中における最終目標床温Ttの算出手順を示すフローチャート。 内燃機関における燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に対する基本目標床温Tbの推移傾向を示すグラフ。 内燃機関における燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に対する大気圧補正項Hpaの推移傾向を示すグラフ。 大気圧の変化に対する大気圧補正反映係数Kpaの推移を示すグラフ。 内燃機関における燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に対する吸気温補正項Htha の推移傾向を示すグラフ。 吸気温の変化に対する吸気温補正反映係数Ktha の推移を示すグラフ。 内燃機関における燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に対する水温補正項Hthw の推移傾向を示すグラフ。 冷却水温の変化に対する水温補正反映係数Kthw の推移を示すグラフ。 内燃機関における燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に対する吸気温補正項Htha の推移傾向の他の例を示すグラフ。 吸気温の変化に対する吸気温補正反映係数Ktha の推移の他の例を示すグラフ。 内燃機関における燃料噴射量Q1及び機関回転速度NEの変化に対する水温補正項Hthw の推移傾向の他の例を示すグラフ。 冷却水温の変化に対する水温補正反映係数Kthw の推移の他の例を示すグラフ。
符号の説明
10…内燃機関、11…ターボチャージャ、12…吸気通路、13…燃焼室、14…排気通路、15…エアクリーナ、16…エアフローメータ、17…コンプレッサ、18…インタークーラ、19…吸気絞り弁、20…吸気マニホールド、21…吸気ポート、22…排気ポート、23…排気マニホールド、24…排気タービン、25…NOx触媒コンバータ、26…PMフィルタ、27…酸化触媒コンバータ、28…入ガス温度センサ、29…出ガス温度センサ、30…差圧センサ、31,32…酸素センサ、33…EGR通路、34…EGR触媒、35…EGRクーラ、36…EGR弁、40…インジェクタ、41…高圧燃料供給管、42…コモンレール、43…燃料ポンプ、44…レール圧センサ、45…低圧燃料供給管、46…添加弁、50…電子制御装置、51…NEセンサ、52…アクセルセンサ、53…絞り弁センサ、54…吸気温センサ、55…水温センサ。

Claims (9)

  1. 排気中の微粒子を捕集するフィルタ、及び、排気中の未燃燃料成分の酸化反応を促進させる触媒が排気系に設けられる内燃機関に適用され、前記触媒への未燃燃料成分の供給を通じて触媒床温を目標床温まで上昇させて排気系に堆積した微粒子を燃焼させるPM再生制御を行う内燃機関の排気浄化装置において、
    前記PM再生制御の終期に、前記排気系の触媒上流への集中的な間欠燃料添加及び同燃料添加の停止を繰り返すとともに、前記集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率を触媒床温と目標床温との温度差に基づき調整して前記触媒床温の平均値を前記目標床温に近づけるバーンアップ制御を実行する制御手段と、
    前記バーンアップ制御での前記集中的な間欠燃料添加の実行期間と停止期間との比率を、低負荷運転での前記触媒の失活現象、及び、高負荷運転での前記触媒の熱劣化を抑えるのに必要な比率とすべく、前記バーンアップ制御中の目標床温を算出する算出手段と、
    前記バーンアップ制御の実行中、内燃機関の排気温度に影響を与える環境条件に基づき算出される環境補正項によって、前記目標床温を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記制御手段は、前記触媒床温が前記目標床温に対し高い状態にあるほど、前記集中的な間欠燃料添加の実行期間に対し停止期間が長い状態となるよう、それら実行期間と停止期間との比率を調整するものであって、
    前記補正手段は、内燃機関の低負荷運転時、排気温度が低下する環境条件であることに基づき、前記目標床温をより低い値へと補正する値として前記環境補正項を算出する
    請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記内燃機関は、高負荷運転時にEGRの実行を停止し、それ以外のときはEGRを実行するものであり、
    前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される大気圧補正項である
    請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の吸気温度が低くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される吸気温補正項である
    請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が低負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の冷却水温が低くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される水温補正項である
    請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記制御手段は、前記触媒床温が前記目標床温に対し高い状態にあるほど、前記集中的な間欠燃料添加の実行期間に対し停止期間が短い状態となるよう、それら実行期間と停止期間との比率を調整するものであって、
    前記補正手段は、内燃機関の高負荷運転時、排気温度が上昇する環境条件であることに基づき、前記目標床温をより低い値へと補正する値として前記環境補正項を算出する
    請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記内燃機関は、高負荷運転時にEGRの実行を停止し、それ以外のときにはEGRを実行するものであり、
    前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、大気圧が低下するほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される大気圧補正項である
    請求項6記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の吸気温度が高くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される吸気温補正項である
    請求項6記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 前記環境補正項は、内燃機関の機関運転が高負荷運転になるほど、且つ、内燃機関の冷却水温が高くなるほど、前記目標床温を低下側に補正する値となるように算出される水温補正項である
    請求項6記載の内燃機関の排気浄化装置。
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JP2011231645A (ja) * 2010-04-26 2011-11-17 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置

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