JP2006290646A - 誘電体磁器組成物およびそれを用いた誘電体積層デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】無負荷Q値と機械的強度が高く、かつ焼成温度に対して非常に安定であり、十分な絶縁信頼性を有し、グリーンシートの作製も容易である誘電体磁器組成物を提供する。
【解決手段】誘電体磁器組成物を、組成式xBaO−yCaO−zLiO1/2−wMO5/2(Mは、NbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で、x,y,z,wはx+y+z+w=1、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.12≦z≦0.20、0.30≦w≦0.38で示される値)で表される第一成分と、Si,B,Al,Ba,Ca,Sr,Zn,Ti,LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも二種の元素を含むガラス組成物である第二成分とを含み、第二成分の含有率が2重量%以上50重量%以下であり、さらに第三成分としてCuOを前記第一、第二成分を合わせたものに対して0.2重量部以上5重量部以下含ませた。
【選択図】図2

Description

本発明は、特にマイクロ波、ミリ波帯などの高周波領域における使用に適した誘電体磁器組成物およびそれを用いた誘電体積層デバイスに関するものである。
近年、マイクロ波やミリ波領域において、誘電体共振器及びフィルタ等に誘電体磁器材料が多く使用されている。このような用途で使用される誘電体材料には、無負荷Q(Qu)値が高く、比誘電率(εr)が大きく、共振周波数の温度係数(τf)が小さくかつ任意に変化させ得るということが要求されている。
しかし、誘電体磁器の比誘電率が大きいほど誘電体デバイスは小さくなる。このため、通信システムの高周波化に伴って、誘電体デバイスの加工精度や導体損失を考慮し、比誘電率が比較的小さい誘電体磁器組成物が求められるようになってきた。
またこれと同時に、誘電体磁器組成物と、Agなどの高い導電率を有する導体とを同時に焼成し、低損失で安価な誘電体積層デバイスを実現するために、Agの融点である960℃より低い950℃以下の温度で焼成できる誘電体磁器組成物が求められてきている。このような用途に適する材料として、これまでにCa(Li1/3Nb2/3)O3系磁器にB23およびBi23を添加した(例えば、非特許文献1参照)やCa(Li1/3Nb2/3)O3系磁器にガラスを添加した例(特許文献1)が報告されている。
Peng LIU,他2名,"Low−Temperature Sintering and Microwave Dielectric Properties of Ca(Li1/3Nb2/3)O3−δ Ceramics",Japanese Journal of Applied Physics,Vol.40,2001,pp.5769−5773 特開2004−331478号公報
一般的に、誘電体積層デバイスは、移動体通信の携帯機器などに使用されることが多く、電気的な特性と同時に耐衝撃性が求められる。そのため上記システムに使用される誘電体磁器組成物は、高い機械的強度を有する必要がある。しかしながら、上記従来例の材料の機械的強度は低い。
また、一般的に、誘電体磁器組成物とAgなどの導体とを同時に焼成して誘電体積層デバイスを構成する場合、厚さ数十μm程度の誘電体グリーンシートを用いる。誘電体グリーンシートの厚さがばらつくと誘電体積層デバイスの特性がばらつくため、誘電体グリーンシートの厚みはできるだけ均一であることが望ましい。
しかしながら、上記従来例1に示した材料にはB23そのものが含まれており、これをスラリー化する工程において、B23の架橋反応によるスラリーのゲル化が起こりやすいため、均一な厚さの誘電体グリーンシートを作製することはできない。また、上記従来例2に示した材料は特に、高い無負荷Q(Qu)値や高い機械的強度を得るためには、焼成に925℃〜950℃で5h以上の保持時間を有するといった焼成条件を必要としており、それ以下の温度や焼成保持時間で十分に安定した密度や比誘電率(εr)、高い無負荷Q(Qu)値、機械的強度や絶縁信頼性等を得るには不十分であった。また、実際に生産する際には、焼成炉内の温度ばらつきが設定値に対して±20℃程度あるため、上記温度で焼成を行おうとした場合、特に高温側に温度ばらつきが生じる箇所においてはAgの融点を超えて、Ag電極が部分的に溶融するような場合も起こる。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、無負荷Q(Qu)値と機械的強度が高く、比誘電率(εr)が例えば、15〜40程度であり、なおかつ焼成温度に対して非常に安定であって、共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が小さく、920℃以下の低温においても十分に焼成でき、なおかつ初期および高温高湿負荷試験等の寿命試験後においても十分な絶縁信頼性を有し、グリーンシートの作製も容易である誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式xBaO−yCaO−zLiO1/2−wMO5/2で表される第一成分と、第二成分が、Si,B,Al,Ba,Ca,Sr,Zn,Ti,LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも二種の元素の酸化物を含むガラス組成物であり、第二成分の含有率が2重量%以上50重量%以下であり、さらに第三成分としてCuOを第一、第二成分を合わせたものに対して0.2重量部以上5重量部以下とする。ただし、Mは、NbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素であり、前記x,y,z,wは下記式で示される範囲内の数値である。
x+y+z+w=1
0≦x≦0.5
0≦y≦0.5
0.12≦z≦0.20
0.30≦w≦0.38
本発明の誘電体磁器組成物によれば、高い無負荷Q(Qu)値と機械的強度を有し、比誘電率(εr)が15〜40程度で、なおかつ密度やεr等が焼成温度に対して非常に安定であり、さらには共振周波数の温度係数(τf)の絶対値を小さくすることができる。また、920℃以下の低温で焼成でき、なおかつ初期および高温高湿負荷試験等の寿命試験後においても十分な絶縁信頼性を有しており、さらには、誘電体スラリーのゲル化が起こりにくいため、誘電体グリーンシートの作製が容易である誘電体磁器組成物を提供することができる。また、グリーンシート化した上記磁器組成物と高い導電率を有するAgとにより誘電体積層デバイスを構成することにより、マイクロ波やミリ波帯などの高周波領域での使用に適した、低損失で安価なデバイスを安定して提供することができる。
以下、本発明の一実施形態における誘電体磁器組成物について述べる。なお、この誘電体磁器組成物の特性を評価するにあたり、組成式xBaO−yCaO−zLiO1/2−wMO5/2で表される第一成分と、第二成分がSi,B,Al,Ba,Ca,Sr,Zn,Ti,LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも二種の元素の酸化物を含むガラス組成物であり、第三成分としてCuOを含む誘電体磁器組成物(ただし、Mは、NbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素である)を作製する上で、第一成分、第二成分、第三成分を(表1)、(表2)に示されるように条件の異なる誘電体磁器組成物を以下の手順で作製しその特性を確認した。
Figure 2006290646
Figure 2006290646
第一成分の出発原料として、CaCO3,BaCO3,TiO2,Li2CO3,Nb25,V25,B23,Bi23を用い、これらを所定の組成になるよう秤量し、ボールミルを用いて脱イオン水とともに湿式混合した。粉体と水との体積比は約1:2とした。この混合物をボールミルから取り出して、140℃で乾燥させた後、空気中において1000℃の温度で2時間仮焼し、誘電体結晶粉末(第一成分)を得た。
第二成分の出発原料としては、SiO2,B23,Al23,BaO,CaO,SrO,ZnO,TiO2,La23,Nd23を用い、これらを所定の組成になるよう秤量し、ボールミルを用いてエタノールとともに湿式混合した。粉体とエタノールの体積比は約2:3とした。この混合物をボールミルから取り出して、120℃で乾燥させた。さらに、乾燥物を白金製るつぼに入れ、空気中において1300℃〜1400℃の温度で溶融させた後、溶融物を水中に滴下し、急冷した。得られたガラスを混合と同様の方法で粉砕し、乾燥させ、ガラス粉末(第二成分)を得た。
さらに、誘電体粉末(第一成分)とガラス粉末(第二成分)とCuO(第三成分)を所定の割合で配合し、脱イオン水とともに上記ボールミル中で湿式粉砕した後、ボールミルから取り出して乾燥させた。
第一成分と第二成分、第三成分の混合粉末に、バインダーとして濃度6%のポリビニルアルコール溶液を10重量%添加して混合し、32メッシュのふるいを通して整粒した。整粒粉体を、金型と油圧プレスを用いて成形圧力100MPaで直径13mm、厚さ約6mmの円板に成形し、電気的特性評価用の成形体を得た。
また、上記第一成分と第二成分と第三成分の混合粉末に対し、70重量%の酢酸ブチルおよび8重量%のポリビニルブチラールと5重量%のフタル酸ジnブチルを添加し、上記ボールミル中で混合した。得られた誘電体スラリーを用いてシート成形(ドクターブレード法)を行い、厚さ約70μmの誘電体グリーンシートを作製した。この誘電体グリーンシートを積層し、油圧プレスを用いて成形圧力500MPaで成形した後、長さ40mm、幅4mmに切断して機械的強度評価用の成形体を得た。
これらの成形体を高純度のマグネシアさや鉢の中に入れ、空気中において500℃の温度で4時間保持してバインダーアウトを行った後、空気中において800〜950℃の温度で4時間保持して焼成し、誘電体磁器を得た。
誘電体磁器の電気的特性の評価には、ネットワークアナライザを用い、導体空洞型誘電体円柱共振器法による測定から、fQ積(Qu値と共振周波数との積)と比誘電率(εr)を求めた。共振周波数の温度係数(τf)は−25℃から85℃の範囲で求めた。なお、共振周波数は4〜10GHzの範囲であった。
誘電体磁器の機械的強度の評価は、上部スパン10mm、下部スパン30mmの4点曲げ試験法により抗折強度を求めた。また、誘電体グリーンシートの厚み精度は、1辺70mmの正方形に切り出した誘電体グリーンシートの厚みを10ヵ所測定し、(最大値−最小値)/平均値として求めた。
そして、このようにして評価した誘電体磁器組成物の結果を(表3)、(表4)、(表5)に示す。
Figure 2006290646
Figure 2006290646
Figure 2006290646
(表3)に示すように、*印を付した組成式xBaO−yCaO−zLiO1/2−wMO5/2で表される第一成分においてx,y,z,wの条件がx+y+z+w=1、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.12≦z≦0.20、0.30≦w≦0.38の範囲外であるか、第二成分の含有率が、2重量%以上50重量%以下の範囲外であるか、第三成分を前記第一、第二成分を合わせたものに対して0.2重量部以上5重量部以下の範囲外である誘電体磁器組成物である試料では、焼成温度が初期の目標である920℃以下を達成できなかったり、fQ値が4000より低くなったり、抗折強度が150MPaより低くなった。
また、ガラス組成物としてではなく、B23およびBi23そのものを添加した試料番号1,2(非特許文献1参照)の比較例では、誘電体スラリーがゲル化し、誘電体グリーンシートが作製できないかまたは誘電体グリーンシートの厚み精度が極めて悪い。試料番号3(非特許文献2参照)の比較例では焼成温度が925℃と高く、(表4)に示したように焼成温度に対する誘電率の安定性も乏しい。さらに、同温度(900℃)で焼成したものどうしを比較すると、(表5)に示したように高温高湿負荷試験後においても十分な絶縁性を確保することが困難である。
一方、*印を付した組成式xBaO−yCaO−zLiO1/2−wMO5/2で表される第一成分においてx,y,z,wの条件がx+y+z+w=1、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.12≦z≦0.20、0.30≦w≦0.38の範囲内であり、第二成分の含有率が2重量%以上50重量%以下の範囲内であり、第三成分を第一、第二成分を合わせたものに対して0.2重量部以上5重量部以下の範囲内である誘電体磁器組成物である試料は、920℃以下という低い焼成温度で、4000以上の高いfQ積、15〜33程度の比誘電率(εr)、絶対値で40ppm/℃以下の小さな温度係数(τf)、および、150MPa以上の高い抗折強度を得ることができた。また、誘電体グリーンシートの厚み精度は10%以内であった。
以上より、この誘電体磁器組成物がマイクロ波やミリ波帯などの高周波領域での使用に適した低損失な誘電体積層デバイスとして使用できることが確認された。
なお、第二成分の含有率は、3重量%以上25重量%以下の範囲であるのがより好ましいものであり、以下に第二成分の好ましい具体例を挙げる。
(1)30重量%以上60重量%以下のSiO2、2重量%以上15重量%以下のB23、2重量%以上10重量%以下のAl23および20重量%以上50重量%以下のQOからなるガラス組成物。
(2)30重量%以上60重量%以下のSiO2、2重量%以上10重量%以下のB23、2重量%以上10重量%以下のAl23、20重量%以上50重量%以下のQOおよび5重量%以上15重量%以下のLa23からなるガラス組成物。
(3)40重量%以上60重量%以下のSiO2、2重量%以上10重量%以下のB23、2重量%以上10重量%以下のAl23、20重量%以上50重量%以下のQOおよび1重量%以上5重量%以下のZnOからなるガラス組成物。
(4)15重量%以上30重量%以下のSiO2、5重量%以上20重量%以下のBaO、5重量%以上15重量%以下のRO、10重量%以上25重量%以下のZnO、10重量%以上30重量%以下のTiO2および10重量%以上30重量%以下のT23からなるガラス組成物。
ここで、QはBaおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素であり、RはCaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素であり、また、TはLaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素である。
また、第三成分のより好ましい範囲としては0.5重量部以上3重量部以下である。
なお、上述した誘電体磁器組成物の出発原料としては特に制限されず、各成分元素の酸化物、炭酸塩、水酸化物、塩化物、アルコキシドなどを用いればよい。原料粉体の混合方法としては、ボールミル中で水もしくは有機溶媒と共に混合する湿式混合法や、ミキサー等で混合したり、溶媒を用いないボールミル中で混合する乾式混合法などを用いればよい。また、出発原料に応じて、アルコキシド法や共沈法を用いてもよい。混合方法の中では、工程が比較的複雑でないこと、均質な混合物を得やすいことなどから、溶媒を用いてボールミル中で混合する方法が好ましい。なお、粉体の分散性を高めるために分散剤を用いたり、pH調整を行ってもよい。
混合物の仮焼は、組成により異なるが、通常800〜1100℃程度で1〜8時間程度とすればよい。第二成分をガラス化するには、加熱して溶媒した混合物を急冷すればよい。急冷は、溶媒混合物を水中に滴下したり、金属板に滴下することにより行うことができる。仮焼物またはガラス化合物の粉砕方法としては、ボールミル、高速回転式粉砕機、媒体攪拌ミル、気流粉砕機などを用いる方法があるが、いずれを用いてもよい。
また、成形には通常プレス成形が適用されるもので、特に限定されないがプレス成形における圧力は、50〜200MPa程度が好適である。成形の際に用いるバインダーとしては、セラミックスの成形の際に用いられるバインダーであれば特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコール系バインダー、ポリビニルブチラール系バインダー、アクリル樹脂系バインダー、ワックス系バインダーなどが挙げられる。バインダーの使用量も特に制限されないが、通常、固形分換算で全体の0.05〜1重量%程度が好適である。
焼成については、特に限定されないが、400〜700℃程度で1〜24時間程度加熱してバインダーを除去した後、800〜950℃程度で2〜5時間程度焼成するとよい。
なお、上記第三成分のCuO添加のタイミングについては、仮焼前に第一成分の出発原料を混合する際に、同時に混合することが好ましい。このことにより、さらに仮焼温度を50℃程度低くすることができ、仮焼温度を低く設定した場合においても、仮焼後に得られる粉末の結晶性を安定して高く保つことが可能となる。
また、第三成分のCuOを第二成分の出発原料とともに混合した後、白金製るつぼに入れ、空気中において1300℃〜1400℃の温度で溶融させ、この溶融物を水中に滴下し、急冷することによりガラス化しておくことにおいても仮焼温度を50℃程度低くすることができ、仮焼温度を低く設定した場合においても、仮焼後に得られる粉末の結晶性を安定して高く保つことが可能となる。
また、試料番号9および24と同様の誘電体磁器組成物およびAgペーストを用い、図1に示すような誘電体積層デバイスの一例である誘電体フィルタを作製した。この誘電体フィルタ1は、図2に示すように高周波回路となるフィルタ回路を形成する内部電極4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gとしてAgペーストを塗布した誘電体磁器組成物からなる未焼成シート3a,3b,3c,3d,3eを積層し、さらにこの積層体3の表面に端子電極2a,2b,2c,2dとしてAgペーストを塗布して焼成して得たものである。焼成条件も上記と同様とした。この誘電体フィルタの性能を評価したところ、従来の誘電体フィルタ(Al23にガラス添加)と比較して、挿入損失が1/2以下であり、中心周波数(およそ5GHz)の温度係数は1/10以下であった。
なお、(表3)に示す試料番号9と同様の誘電体磁器組成物および、Agを主成分としこのAg粉体の表面にAg以上の融点を有する金属酸化物により表面をコーティングされたAgペーストを用い、図1に示すような誘電体フィルタを作製し性能を評価したところ、従来の誘電体フィルタと比較して、挿入損失が1/2以下であった。さらに、上記導体ペーストを用いることにより、Agペーストの場合と比較して耐熱性が大きく向上するため、920℃以上での焼成も可能となり、Ag電極の溶融といった現象が高温でも起こりにくくなるため、高温長時間焼成したときのデバイスとしての信頼性を改善できる。なお、これらの積層型誘電体デバイスは、上記のように、誘電体磁器組成物とAgペーストなどの電極材料とを同時に焼成することにより作製できるため、極めて効率よく製造できる。
以上のように本発明にかかる誘電体磁器組成物は、高い無負荷Q(Qu)値と機械的強度を有し、比誘電率(εr)が15〜40程度で、なおかつ密度やεr等が焼成温度に対して非常に安定であり、さらには共振周波数の温度係数(τf)の絶対値を小さくすることができる。また、900℃以下の低温で焼成でき、なおかつ初期および高温高湿負荷試験等の寿命試験後においても十分な絶縁信頼性を有しており、さらには、誘電体スラリーのゲル化が起こりにくいため、誘電体グリーンシートの作製が容易である。
本発明の誘電体磁器組成物を用いた誘電体デバイスの斜視図 同誘電体デバイスの分解斜視図
符号の説明
1 誘電体積層デバイス(誘電体フィルタ)
3 積層体
4a〜4g 内部電極

Claims (2)

  1. 組成式xBaO−yCaO−zLiO1/2−wMO5/2で表される第一成分と、第二成分がSi,B,Al,Ba,Ca,Sr,Zn,Ti,LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも二種の元素でガラス化されたガラス組成物であり、このガラス組成物の含有率が2重量%以上50重量%以下であり、さらに第三成分としてCuOを前記第一、第二成分を合わせたものに対して0.2重量部以上5重量部以下含むことを特徴とした誘電体磁器組成物。
    ただし、前記Mは、NbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素であり、前記x,y,z,wは下記式で示される範囲内の数値である。
    x+y+z+w=1
    0≦x≦0.5
    0≦y≦0.5
    0.12≦z≦0.20
    0.30≦w≦0.38
  2. 誘電体磁器組成物からなる積層体と、前記積層体の内層部分に設けられて所定の高周波回路を形成する内部電極とを備え、前記誘電体磁器組成物は組成式xBaO−yCaO−zLiO1/2−wMO5/2で表される第一成分と、第二成分がSi,B,Al,Ba,Ca,Sr,Zn,Ti,LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも二種の元素でガラス化されたガラス組成物であり、このガラス組成物の含有率が2重量%以上50重量%以下であり、さらに第三成分としてCuOを前記第一、第二成分を合わせたものに対して0.2重量部以上5重量部以下含むことを特徴とした誘電体積層デバイス。
    ただし、前記Mは、NbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素であり、前記x,y,z,wは下記式で示される範囲内の数値である。
    x+y+z+w=1
    0≦x≦0.5
    0≦y≦0.5
    0.12≦z≦0.20
    0.30≦w≦0.38
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