JP2006290117A - 車両用シートの補強構造および補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドアの開閉動作に支障を来すことなく、シートバックに入力した前方荷重をドアによって支持できる車両用シートの補強構造を提供する。
【解決手段】 シートバック3に作用する車両前方荷重を車体側に伝達する連結手段6を、シートバック3に設けられる係合部材10と、ドア5に設けられ係合部材10が係合する被係合部材20と、を備えて構成することにより、シート1に過剰な補強構造を施すことなく強度を確保することができる。また、係合部材10と被係合部材20との間に、ドア5の開動によりそれら係合部材10と被係合部材20との係合を解除して相互に分離する係合解除手段30を設けることにより、開閉動作に支障を来すことなくドア5を自由に開けることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、シートバックに入力する過大な前方荷重を車体側で支持することにより、シートの強度を確保する車両用シートの補強構造および補強方法に関する。
従来、車両用シートに設けるシートベルトは、その支持点(アンカーポイント)を車体側に設定するものと、シート側に設定するものがあり、後者のシート側に設定したものではベルトインシートと称して、スライド調整機構によりシートの前後位置を調整した場合にもシートベルトの締付け調整位置が変化するのが防止される。
しかし、ベルトインシートでは、例えば3点式シートベルトなどのショルダーベルトを設けたものでは、ショルダーベルトの上端部をシートバックの側面上部に支持するため、前面衝突によって乗員に車両前方への大きな慣性力が作用した場合に、その慣性力(前方荷重)がシートベルトを介してシートバックの上部に入力するため、シートバック自体の強度は勿論のこと、シートバックとシートクッションとの連結部やシートクッションと車体フロアとの連結部などの強度を大幅に増強する必要がある。
そのため、シートバックの上部に、車両後方かつ上方に延在する長尺のステーを取り付けて、そのステーをセンターピラー上部に設けた受け部材に緊急ロック機構を介して結合することにより、乗員に作用する過大な慣性力をステーを介してセンターピラー側、つまり車体側で支持することにより、シート自体の強度を過剰に高めることなくシートを補強できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−16716号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、かかる従来の車両用シートの補強構造では、ステーがシートバックを車体側に支持する連結部材となっており、このステーはシートバック上部から車両後方かつ上方に向けて突出し、更にはステーの後端部には、シートの前後スライドの調整ストローク分を受け部材よりも車両後方に突出させておく必要があるため、ステーはシートバック上部から車両後方かつ上方に向けて大きく突出してしまい、後席乗員の乗降性や室内の見栄えが損なわれる恐れがある。
そのため、シートバックとその側面が対向する車室側面との間に連結部材を設けることにより、該連結部材がシートバックから車両後方に突出するのを避けることができる。
ところが、シートバックの側面が対向する車室側面部分がドアである場合、連結部材をシートバックとドアの内側面との間に設けることになり、ドアの開閉動作に支障を来す恐れがある。
そこで、本発明は、ドアの開閉動作に支障を来すことなく、シートバックに入力した前方荷重をドアによって支持させることができる車両用シートの補強構造および補強方法を提供することを目的とする。
本発明の車両用シートの補強構造は、シートバックの車幅方向外方側面がドアに対向し、かつ、シートバックに作用する車両前方荷重を車体側に伝達する連結手段が設けられており、その連結手段を、シートバックまたはドアの一方に設けられる係合部材と、シートバックまたはドアの他方に設けられ前記係合部材が係合する被係合部材と、を備えるとともに、これら係合部材と被係合部材との間に、前記ドアの開動によりそれら係合部材と被係合部材との係合を解除する係合解除手段を設けたことを最も主要な特徴とする。
また、本発明の車両用シートの補強方法は、シートバックまたはその車幅方向外方側面が対向するドアの一方に設けた係合部材と、それらシートバックまたはドアの他方に設けた被係合部材と、を係合させてシートバックに作用する車両前方荷重をドア側に伝達するとともに、前記ドアの開動時には、係合部材と被係合部材との係合を解除させることを特徴とする。
本発明の車両用シートの補強構造および補強方法によれば、シートバックの側面がドアに対向する場合にも、これらシートバックまたはドアの一方に設けた係合部材と、それらシートバックまたはドアの他方に設けた被係合部材と、を係合して、シートバックに作用する車両前方荷重をドア側に伝達することにより、シートバックに作用する車両前方荷重をドアを介して車体側に支持できる。
このため、シートに過剰な補強構造を施すことなくシートの強度を確保することができ、また、前記係合部材および被係合部材からなる連結部材はシートバックとドアとの間に配置されるため、連結部材が後席乗員の支障となることは無く、また、室内の見栄えにも支障を来すのが避けられる。
また、前記係合部材および被係合部材は、ドアの開動時にそれら両者の係合が解除されるので、開閉動作に支障を来すことなくドアを自由に開けることができる。
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
図1から図6は本発明にかかる車両用シートの補強構造の第1実施形態を示し、図1はシートおよびドアを室内前方から見た斜視図、図2はショルダーアンカおよび係合部材を取り付けたシートバックフレームの斜視図、図3は係合部材の分解斜視図、図4は図2中A−A線に沿った拡大断面図である。
また、図5はドア開動時の係合部材と被係合部材の係合解除の挙動を(a)〜(c)に順を追って示す断面図、図6はシートバックに車両前方荷重が入力した際の係合部材の挙動を(a),(b)に順を追って示す断面図である。
本実施形態の車両用シートの補強構造は前席に適用した場合を例にとって示すものとし、図1に示すようにシート1は、車体フロアBfに設置されるシートクッション2と、このシートクッション2の後端部にリクライニング装置を介して連結されるシートバック3とを備え、シート1はシートベルト装置4を組み込んだベルトインシートを構成する。
前記シートベルト装置4は、ショルダーベルト4aとラップベルト4bからなる3点式シートベルトを構成し、ショルダーベルト4aの上端部はシートバック3の車幅方向外方上部に挿通して、図2に示すようにシートバックフレーム3aの上端部に結合したショルダーアンカ4cで折り返して下方に案内し、その先端部を図外のシートベルトリトラクタに巻き取ってある。
また、図1に示すようにショルダーベルト4aの下端部はタング4dに挿通してラップベルト4bへと連なり、そのラップベルト4bの先端部はシートクッション2の車幅方向外方側部に設けた図外のアンカーに固定してあり、前記タング4dはシートクッションの車幅方向内方側部に設けたインナーバックル4eに係脱可能に係止される。
従って、シート1に着座した図外の乗員が前記シートベルト装置4を着用した状態で車両が前面衝突した場合には、乗員に作用する車両前方への慣性力がシートベルト装置4を介してシート1に入力され、ショルダーベルト4aの上端部を支持するシートバック3の上部には車両前方への過大な荷重が作用することになる。
前記シート1の車幅方向外方(図1中左方)にはフロントドア5が位置しており、本実施形態ではシートバック3の車幅方向外方側面3bが車室側面となるドア5の内側面5aに対向している。
ここで、本実施形態のシート1の補強構造は、前記シートベルト装置4を介してシートバック3に作用する車両前方荷重を車体側に伝達する連結手段6を設けてあり、本実施形態ではその連結手段6を、シートバック3の車幅方向外方側面3bに設けられる係合部材10と、ドア5の内側面5aに設けられ前記係合部材10が係合する被係合部材20とで構成するとともに、これら係合部材10と被係合部材20との間に、前記ドア5の開動によりそれら係合部材10と被係合部材20との係合を解除する係合解除手段30を設けてある。
また、本実施形態のシート1の補強方法は、シートバック3またはその車幅方向外方側面が対向するドア5の一方に設けた係合部材10と、それらシートバック3またはドア5の他方に設けた被係合部材20と、を係合させて、シートバック3に作用する車両前方荷重をドア5側に伝達するとともに、前記ドア5の開動時には、係合部材10と被係合部材20との係合を解除させるようになっている。
前記係合部材10は、図2に示すようにシートバック3の車幅方向外方側部の上下方向に配設した前記シートバックフレーム3aのドア5に対向する側面に取り付けられ、前記被係合部材20に係合するための係合爪11を備えている。
係合爪11は、図3に示すように互いに並設される長い寸法L1の第1係合爪11Aと、短い寸法L2の第2係合爪11Bと、を備え、それぞれの基端部に形成した取付孔11Aa,11Baに挿通する鍔12a付きの取付ピン12を介して基台13に回動可能に取り付けられる。
基台13は、長方形状の基板13aの両側から立設した上下一対の横壁13b1,13b2を備えて断面ほぼU字状に形成され、その基台13および前記係合爪11は図2,図4に示すように両端がエンドプレート14a,14bで閉止された円筒状のケーシング14内に収納される。
前記基台13および前記ケーシング14は、図4に示すように鍔15a付きの管状ボルト15を、シートバックフレーム3aから前記基板13aの中央部および車両内方のエンドプレート14bに貫通させて、その先端部にナット15bを締め付けることにより、シートバックフレーム3aに固定してある。
前記基台13は、これをシートバックフレーム3aに固定した状態で、前記基板13aの長手方向が車両前後方向に配置されるとともに、前記横壁13b1,13b2が車幅方向外方に突出し、一対の横壁13b1,13b2の車両前方側端部(図4中下端部)に形成した前後方向の長穴13cに前記取付ピン12を挿通することにより、前記第1・第2係合爪11A,11Bは、取付ピン12を中心に回動可能となり、かつ、前記長穴13c内で前後移動可能となっている。
尚、前記取付ピン12は、前記長穴13cおよび前記第1・第2係合爪11A,11Bの取付孔11Aa,11Baに貫通した後、鍔12aの反対側先端部にボルト12bが締付け固定される。
また、前記一対の横壁13b1,13b2のそれぞれの外側に配置した一対のコ字状スプリング16によって、前記第1・第2係合爪11A,11Bを前記被係合部材20に係合する方向に回動付勢するとともに、前記取付ピン12を長穴13c内で車両前方に押圧付勢してある。
即ち、前記コ字状スプリング16は、両端部に半円弧状の係止部16a,16bが形成されるとともに、コ字状に折曲される一対の折曲部にはそれぞれの折曲部を拡開する方向に付勢する第1・第2コイル巻回部16c,16dが形成される。
そして、一対のコ字状スプリング16の一方の係止部16aを、第1・第2係合爪11A,11Bの長さ方向ほぼ中央部の外側面に突設した係止突起11Ab,11Bbに係止するとともに、他方の係止部16bを、前記横壁13b1,13b2の前後方向ほぼ中央部の外側面に突設した係止突起13dに係止してある。
また、各コ字状スプリング16の第1コイル巻回部16cを前記取付ピン12に挿通するとともに、第2コイル巻回部16dを前記横壁13b1,13b2の車両前方外側に突設した支持突起13eに取り付けてある。
従って、前記取付ピン12は第2コイル巻回部16dの付勢力により長穴13c内を車両前方に向けて押圧付勢されるとともに、一方の係止部16aを係止した第1・第2係合爪11A,11Bは、第1コイル巻回部16cの付勢力により取付ピン12を中心に車両外方に回動付勢される。
また、前記第1・第2係合爪11A,11Bの自由端部となる車両後方端部には、車両外方に突出して被係合部材20に実質的に係合する鉤部11Ac,11Bcを形成してある。そして、これら鉤部11Ac,11Bcは、図2に示すように前記ケーシング14の車両外方のエンドプレート14aに形成した開口部14cから外方に出没するようになっている。
前記被係合部材20は、図1に示すように全体として車両前方が先細りとなるほぼ三角形状を成す平板状に形成され、この被係合部材20は、ドア5の内側面5aの前記係合部材10に対向する部分に取り付けられる。
被係合部材20には、図4にも示すように一定のピッチpをもって複数の縦溝21が車両前後方向に格子状に形成され、それら縦溝21の1つに前記第1・第2係合爪11A,11Bの一方が入り込んで係合されるようになっている。
即ち、前記縦溝21は、図4に示すように基板22から前記ピッチpをもって突設した複数の縦リブ23間にそれぞれ形成され、前記第1・第2係合爪11A,11Bの鉤部11Ac,11Bcが前記縦リブ23の車両後方面に係止される。
このとき、前記第1・第2係合爪11A,11Bはそれぞれの長さL1,L2が異なるため、それぞれの先端部に形成した鉤部11Ac,11Bcの形成位置が異なり、それら鉤部11Ac,11Bcを車両前後方向に前記ピッチpの半ピッチ分だけ離隔させてある。
従って、前記両鉤部11Ac,11Bcのいずれか一方が前記縦溝21に入り込む状態となるため、ドア5を閉止した状態では、コ字状スプリング16によって車両外方に回動付勢された第1・第2係合爪11A,11Bのいずれか一方が前記被係合部材20に係合される状態となり、また、このように半ピッチ離隔した鉤部11Ac,11Bcの一方が前記縦溝21に係合するため、係合部材10と被係合部材20とが係合する車両前後方向の相対位置間隔を短くすることができる。
ところで、本実施形態では前記縦リブ23は、その先端側が車両後方に向けて全体的に傾斜しており、これに伴って前記鉤部11Ac,11Bcの係止面となる車両前方面も同方向に傾斜する。
前記係合解除手段30は、係合部材10と被係合部材20との係合部分、つまり、互いに係合した鉤部11Ac,11Bcと縦リブ23との間に、図5(b)に示すようにドア開動方向の荷重Fが作用した際に、係合部材10の係合部分である係合爪11を前記縦リブ23により係合解除方向に押し退けて移動させる第1空振り機構31で構成してある。
前記第1空振り機構31は、第1・第2係合爪11A,11Bの取付ピン12を前後移動自在に支持する前記長穴13cと、取付ピン12を車両前方に押圧付勢する前記コ字状スプリング16と、によって構成される。
即ち、前記第1空振り機構31は、図5(a)に示すドア5の閉止状態から図5(b)に示すように係合部材10と被係合部材20との間にドア開動方向の荷重Fが作用すると、被係合部材20の縦リブ23がこれに係合した第1係合爪11Aまたは第2係合爪11Bの鉤部11Ac,11Bcを車両後方に押圧し、この押圧力により第1・第2係合爪11A,11Bは、図5(c)に示すように前記コ字状スプリング16の付勢力に抗して前記取付ピン12が長穴13c内を移動しつつ車両後方に逃げるため、前記縦リブ23は前記鉤部11Ac,11Bcを後方に押しやりつつ係合を解除できるようになっている。
尚、ドア5は図5(b),(c)に示すようにドアヒンジDhを中心にして開閉され、前記ドア開動方向の荷重Fは係合爪11A,11Bと縦リブ23との係合方向に対してほぼ直角方向となる。
また、本実施形態では前記連結手段6には、係合部材10と被係合部材20との係合部分、つまり係合爪11と縦リブ23との係合部分間に、前面衝突によりシートバック3を車両前方に移動させる過大荷重が作用した際に、その係合部材10の係合部分としての係合爪11が係合解除方向に移動するのを阻止する解除阻止手段40を設けてある。
即ち、前記解除阻止手段40は、シートバック3を車両前方に移動させる荷重によって、係合部材10の係合部分である係合爪11がシートバック3(シートバックフレーム3a)に対して相対的に移動して、その係合爪11の係合解除阻止側となる車両内側面11Ad,11Bdをストッパー41A,41Bに係止させるストッパー係止機構41として構成してある。
前記ストッパー41A,41Bは、図3に示すように基台13の横壁13b1,13b2を車両後方に延長して、基板13aの車両後側に立設した後側壁13b1′,13b2′の外側端に形成してある。
前記後側壁13b1′,13b2′は、それぞれの突出高さを第1・第2係合爪11A,11Bの車両内側面11Ad,11Bd位置に対応させて形成するとともに、第1係合爪11Aに対応する後側壁13b1′と第2係合爪11Bに対応する後側壁13b2′とは、係合爪11A,11Bの長さの差分dだけ車両前後方向にずらせてある。
勿論、前記後側壁13b1′,13b2′は、図4に示すように第1・第2係合爪11A,11Bの取付ピン12がコ字状スプリング16の付勢力で車両前方位置にある場合に、第1係合爪11Aは一方の後側壁13b1′の内側に、第2係合爪11Bは他方の後側壁13b2′の内側に入り込むことができるようになっている。
ところで、前述したように前記係合部材10の基台13およびケーシング14は管状ボルト15およびナット15bを介してシートバックフレーム3aに固定されるが、図3,図4に示すようにその管状ボルト15の内部には第1・第2係合爪11A,11Bの係合解除状態を維持する係合解除ワイヤー50が挿通される。
前記係合解除ワイヤー50の先端部には係止鍔51が設けられる一方、前記第1・第2係合爪11A,11Bの対向面11Ae,11Beの車両前後方向ほぼ中央部には、それぞれ前記係止鍔51の半分づつを係止する半円弧状の座面52A,52Bと、それらの中心部に係合解除ワイヤー50を挿通する半円凹部53A,53Bと、が形成される。
そして、係合解除ワイヤー50の先端部を第1・第2係合爪11A,11Bの前記半円凹部53A,53Bに挿通して、係止鍔51が前記座面52A,52Bのいずれか一方、つまり、第1・第2係合爪11A,11Bのうち車両外方に回動して被係合部材20に係合状態にある方の座面52A,52Bに係止され、この状態で係合解除ワイヤー50を引っ張ることによりその係合状態を解除できるようになっている。
以上の構成により本実施形態の車両用シートの補強構造および補強方法によれば、ドア5の閉止状態では、シートバック3に設けた係合部材10の第1・第2係合爪11A,11Bの一方が、ドア5の内側面5aに設けた被係合部材20の縦リブ23に係合するため、シートバック3の側面がドア5に対向する場合にも、前面衝突などによりシートベルト装置4を介してシートバック3に作用する車両前方荷重を、前記係合部材10および前記被係合部材20からなる連結手段6を介してドア5に伝達することができる。
従って、このようにシートバック3に作用する車両前方荷重をドア5を介して車体側に支持できるため、シート1に過剰な補強構造を施すことなくそのシート1の強度を確保することができ、また、前記連結部材6はシートバック3とドア5との間に配置されるため、連結部材6が後席乗員の支障となることは無く、また、室内の見栄えにも支障を来すのが避けられる。
また、前記連結部材6は、図5(a)〜(c)に示すようにドア5の開動時には、係合解除手段30によって係合部材10および前記被係合部材20の係合が解除されるので、ドア5の開閉動作に支障を来すことなくドア5を自由に開けることができる。
更に、本実施形態では前記係合解除手段30を、係合部材10と被係合部材20との係合部分にドア開動方向の荷重Fが作用した際に、係合部材10の係合部分である係合爪11を被係合部材である縦リブ23により係合解除方向に移動させる第1空振り機構31で構成したので、ドアを開動させる際に余分な操作を必要とすることなく、係合部材10と被係合部材20との係合をスムーズに自動解除することができる。
更にまた、図6(a),(b)に示すように前記連結手段6に、係合部材10と被係合部材20との係合部分にシートバック3を車両前方に移動させる荷重が作用した際に、その係合部材10の係合爪11が係合解除方向に移動するのを阻止する解除阻止手段40を設けたので、係合部材10と被係合部材20との係合をより確実なものとして、シートバック3が乗員とともに車両前方に移動するのを阻止することができる。
また、前記解除阻止手段40を、シートバック3を車両前方に移動させる荷重によって係合部材10の係合爪11をシートバック3に対して相対的に移動して、その係合爪11の車両内側面11Ad,11Bdをストッパー41A,41Bに係止させるストッパー係止機構41として構成したので、ストッパー41A,41Bにより係合爪11の係合解除を、簡単な構造にして確実に阻止することができる。
図7,図8は本発明の第2実施形態を示し、前記第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図7は被係合部材の分解斜視図、図8は係合部材と被係合部材の作動を(a)〜(c)にそれぞれ示す説明図である。
本実施形態の車両用シートの補強構造は、基本的に第1実施形態の補強構造と同様となり、図8に示すように連結手段6を係合部材10Aと被係合部材20Aとで構成するとともに、これら係合部材10Aと被係合部材20Aとの間に、ドア5の開動によりそれら係合部材10Aと被係合部材20Aとの係合を解除する係合解除手段30を設けてある。
また、前記係合部材10Aは係合爪11を備えるとともに、被係合部材20Aは格子状に形成した複数の縦溝21を備え、それら縦溝21間の縦リブ23に係合爪11が係合可能となっている。
ここで、本実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、図7に示すように被係合部材20Aを、格子状に複数の縦溝21を形成した格子状部材60と、この格子状部材60の上下両側に配置される一対のガイドプレート61とを備え、これらガイドプレート61間に前記格子状部材60を前後移動自在に取り付けることにより構成される。
前記格子状部材60は、上下両端にドア内側面5aにほぼ直角となる一対のガイド面60aを形成してある。
また、前記一対のガイドプレート61は断面L字状のアングル材でそれぞれ形成され、それらガイドプレート61を上下方向に所定間隔をおいて図8に示すようにドア内側面5aにボルト62によって結合するとともに、上・下ガイドプレート61の支持面61a間に前記格子状部材60のガイド面60aを相対移動自在に配置してある。
一方、前記ガイドプレート61の支持面61aには、車両前後方向に延びる長穴63を前後方向に所定間隔をおいて複数形成するとともに、前記格子状部材60のガイド面60aに、前記長穴63にそれぞれ対応させてピン挿通孔60bを形成し、前記長穴63と前記ピン挿通孔60bに、一端に鍔部64aを形成した支持ピン64を挿通するとともに、その下端にボルト64bを締付け固定することにより、前記格子状部材60を一対のガイドプレート61間に前後移動自在に取り付けてある。
つまり、格子状部材60は支持ピン64と一体となっており、その支持ピン64がガイドプレート61の長穴63内を移動することにより、格子状部材60の前後移動が許容される。
また、前記格子状部材60はその後端とドア内側面との間に張設したスプリング70により車両後方に牽引付勢されており、通常状態では図8(a)に示すように支持ピン64が長穴63の車両後方端に位置している。
そして、ドア5の開動時には、図8(b)に示すように係合爪11と縦リブ23との間にドア開動方向の荷重Fが作用すると、格子状部材60は前記スプリング70の付勢力に抗して、支持ピン64が長穴63内を移動することにより車両前方に逃げつつ係合を解除できるようになっている。
従って、本実施形態では長穴63により格子状部材60を前後移動自在に配置し、かつ、スプリング70により格子状部材60を車両後方に牽引付勢することにより第2空振り機構65を構成し、この第2空振り機構65を前記係合解除手段30としてある。
尚、本実施形態では前記係合爪11はシートバック3に対して前後移動させる必要がなく、車両内外方向に回動可能に取り付けて、図外のスプリングにより車両外方、つまり格子状部材60に係合する方向に回動付勢されている。
また、前記長穴63の車両前方端部には、車両前方かつ車両内方に傾斜して連続する傾斜穴66を形成してあり、それら長穴63と傾斜穴66との境界部分には幅狭となるノッチ67が突設される。
従って、前面衝突によってシートベルト装置4を介してシートバック3に車両前方へ過大な荷重が作用した時には、図8(c)に示すように係合爪11がシートバック3とともに車両前方に移動すると、その係合爪11とともにそれに係合した格子状部材60が車両前方に移動する。
すると、格子状部材60とともに移動する支持ピン64は、入力する過大荷重によりノッチ67を押し潰しつつ傾斜穴66に入り込み、格子状部材60を係合爪11との係合方向、つまり車両内方に更に移動させるようになっており、前記傾斜穴66およびノッチ67を設けることによって係合促進機構68を構成し、この係合促進機構68を解除阻止手段40としてある。
以上の構成により本実施形態の車両用シートの補強構造によれば、第1実施形態と同様にシートバック3に作用する車両前方荷重をドア5を介して車体側に支持できるため、シート1に過剰な補強構造を施すことなくそのシート1の強度を確保することができ、また、連結部材6はシートバック3とドア5との間に配置されるため、その連結部材6が後席乗員の支障となることは無く、また、室内の見栄えにも支障を来すのが避けられる。
また、本実施形態では係合解除手段30を、長穴63により格子状部材60を前後移動自在に配置し、かつ、スプリング70により格子状部材60を車両後方に牽引付勢した第2空振り機構65で構成したので、ドア5の開閉動作に支障を来すことなくドア5を自由に開けることができるとともに、前記第2空振り機構65ではドアを開動させる際に余分な操作を必要とすることなく、係合部材10Aと被係合部材20Aとの係合をスムーズに自動解除することができる。
更に、解除阻止手段40を、長穴63に傾斜穴66およびノッチ67を設けることによって構成した係合促進機構68としたので、シートバック3に車両前方の過大荷重が作用した時には、格子状部材60を係合爪11との係合方向に更に移動させて係合を更に確実なものとし、係合爪11の係合解除を簡単な構造にして確実に阻止することができる。
ところで、本発明は前記第1・第2実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができ、例えば、係合部材と被係合部材の取付け側を逆にして、シートバック3側に被係合部材20,20Aを設け、ドア5側に係合部材10,10Aを設けることもできる。
本発明の第1実施形態でシートおよびドアを室内前方から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態でショルダーアンカおよび係合部材を取り付けたシートバックフレームの斜視図である。 本発明の第1実施形態における係合部材の分解斜視図である。 図2中A−A線に沿った拡大断面図である。 本発明の第1実施形態でドア回動時の係合部材と被係合部材の係合解除時の挙動を(a)〜(c)に順を追って示す断面図である。 本発明の第1実施形態でシートバックに車両前方荷重が入力した際の係合部材の挙動を(a),(b)に順を追って示す断面図である。 本発明の第2実施形態における被係合部材の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態で係合部材と被係合部材の作動を(a)〜(c)にそれぞれ示す説明図である。
符号の説明
1 シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 シートベルト装置
5 ドア
6 連結手段
10,10A 係合部材
11 係合爪(係合部分)
20,20A 被係合部材
30 係合解除手段
31 第1空振り機構
40 解除阻止手段
41A,41B ストッパー
41 ストッパー係止機構
60 格子状部材
65 第2空振り機構
68 係合促進機構

Claims (8)

  1. シートバックの車幅方向外方側面がドアに対向し、かつ、シートバックに作用する車両前方荷重を車体側に伝達する連結手段が設けられた車両用シートの補強構造において、
    前記連結手段は、シートバックまたはドアの一方に設けられる係合部材と、シートバックまたはドアの他方に設けられ前記係合部材が係合する被係合部材と、を備え、
    これら係合部材と被係合部材との間に、前記ドアの開動によりそれら係合部材と被係合部材との係合を解除する係合解除手段を設けたことを特徴とする車両用シートの補強構造。
  2. 被係合部材は車両前後方向に所要のピッチをもって形成された複数の縦溝を備えている一方、係合部材はスプリングにより前記縦溝と係合する方向に付勢されて、該縦溝に係合する係合爪を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの補強構造。
  3. 係合解除手段は、係合部材と被係合部材との係合部分にドア開動方向の荷重が作用した際に、係合部材の係合部分を被係合部材により係合解除方向に押し退けて移動させる第1空振り機構であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シートの補強構造。
  4. 係合解除手段は、係合部材と被係合部材との係合部分にドア開動方向の荷重が作用した際に、被係合部材の係合部分を係合部材により係合解除方向に移動させる第2空振り機構であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シートの補強構造。
  5. 連結手段は、係合部材と被係合部材との係合部分にシートバックを車両前方に移動させる荷重が作用した際に、それら係合部材の係合部分または被係合部材の係合部分が係合解除方向に移動するのを阻止する解除阻止手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用シートの補強構造。
  6. 解除阻止手段は、シートバックを車両前方に移動させる荷重によって係合部材の係合部分をシートバックに対して相対的に移動して、その係合部分の係合解除阻止側をストッパーに係止させるストッパー係止機構であることを特徴とする請求項5に記載の車両用シートの補強構造。
  7. 解除阻止手段は、シートバックを車両前方に移動させる荷重によって被係合部材の係合部分を係合部材との係合方向に更に移動する係合促進機構であることを特徴とする請求項5に記載の車両用シートの補強構造。
  8. シートバックまたはその車幅方向外方側面が対向するドアの一方に設けた係合部材と、それらシートバックまたはドアの他方に設けた被係合部材と、を係合させてシートバックに作用する車両前方荷重をドア側に伝達するとともに、前記ドアの開動時には、係合部材と被係合部材との係合を解除させることを特徴とする車両用シートの補強方法。
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