JP2006289633A - 加飾用樹脂積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コア層及び該層を挟むスキン層の少なくとも3層からなり、該コア層に光沢顔料を分散して含有し、該顔料の少なくとも1部が片側又は両側のスキン層に移行して分散含有されてなる本発明の加飾用樹脂積層体は、光沢顔料を含有し、コア層となる溶融した樹脂組成物を、光沢顔料を含有せず、スキン層となる溶融樹脂で挟み、積層体にした後、該積層体をTダイでシート成形する製造方法により得ることができる。
【選択図】 図1
Description
光沢顔料を含む樹脂フィルム、或いは当該樹脂フィルムと着色樹脂フィルムとの積層されたフィルムが記載されている(特許文献2参照)。そして、光沢顔料を含む樹脂フィルムを、溶剤を含む液状の樹脂組成物に光沢顔料を配合した原料を基材上に塗布した後、該溶剤を揮発させて樹脂塗膜を得、次いでこの塗膜を基材から剥離して製造する方法が記載されている。フィルム成形時に、光沢顔料の割れ防止と共に配向を容易にするためであると記載されている。
また、光沢顔料を所定量混入したポリオレフィン樹脂をコア層とし、着色したポリオレフィン樹脂を着色層とし、そして、透明な熱可塑性樹脂を被覆層として、押出成形された各層を積層して円筒ボトル形状の多層構造成形品が記載されている(例えば、特許文献3参照)しかし、この光沢性カラー付き多層構造成形品について、共押出したシートをロールに挟持して積層して製造することが明細書に記載されていない。この構造成形品は、ある程度の光輝性は認められるものの、成形品の外側である被覆層に光沢顔料が含まれていないため、十分な光輝感を有するものとは言えない。
すなわち、
本発明の加飾用樹脂積層体は、コア層及び該層を挟むスキン層の少なくとも3層からなり、該コア層に光沢顔料を分散して含有し、該顔料の少なくとも1部が片側又は両側のスキン層に移行して分散含有されてなることを特徴とする。
光沢顔料としては、メタリック顔料が好適に用いられる。
また、メタリック顔料は、平均厚さ20μm以下で、平均粒径が10〜300μmのフレーク状ガラスの表面を、金属又は金属酸化物の層で被覆したものが好ましい。
さらに、本発明は、光沢顔料を含有し、コア層となる溶融した樹脂組成物を、光沢顔料を含有せず、スキン層となる溶融樹脂で挟み、積層体にした後、該積層体をTダイでシート成形することを特徴とする上記の加飾用樹脂積層体の製造方法である。
前記メタリック顔料を光沢顔料として用いることができる。この場合、メタリック顔料は、平均厚さ20μm以下で、平均粒径が10〜300μmのフレーク状ガラスの表面を、金属又は金属酸化物の層で被覆したものが好適に用いられる。例えば、日本板硝子社製メタシャイン(商品名)が挙げられる。
メタリック顔料の含有量は、好ましくは、樹脂組成物に対して0.01〜0.5重量%である。
また、上記の加飾用樹脂積層体を真空・圧空成形して得られる樹脂成形品も本発明に含まれる。
そして、加飾用樹脂積層体の表面のスキン層に光沢顔料を分散できるため、奥行き感、高級感があり、強い光輝性を有効に呈し、しかも、高価な光沢顔料のコア層に添加する量を多く必要とせず、この積層体から、著しく美粧性に優れ、ディスプレイ時のアイキャッチ性に優れ、光沢性のある樹脂成形品を容易に得ることができる。
本発明の加飾用樹脂積層体は、スキン層に表面光沢性、機械的強度の向上、接着性等の他光輝性を持たせ、コア層に光輝性等の機能を持たせた構造を有する。一方のスキン層に、光沢顔料以外の着色剤を分散させ隠蔽性、遮光性等の機能をもたせることができる。
本発明の加飾用樹脂積層体の厚みは、使用される樹脂の種類や積層体の用途に応じて適宜選択することができるが、通常は200〜500μmである。この範囲であれば、良好な積層体を成形でき、安定した生産が可能となり、また、良好な樹脂成形品等の2次加工が実現できる。
そして、積層体を構成する各層の厚みは、共押出しして積層できる範囲であり、通常、コア層は、分散した光沢顔料から輝く光を有効に反射させるため、30〜400μmの厚みを有することが好ましい。また、スキン層は、光沢顔料を分散した状態で、しかも、スキン層の表面に露出させないために、30〜100μmの厚みを有することが好ましい。
また、各層となるシートに要求される機能を具体的に示すと、例えば、スキン層に機械的強度を向上させ、及び表面光沢性を高めるため、PET樹脂、PBT樹脂、ポリアミド樹脂やエチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物などを使用することが好ましい。
コア層及びスキン層として使用する樹脂は、それぞれの層に要求される機能や特性を有しているとともに、共押出し性、共加工性に富み、かつ良好な接着性を備えていることが好ましく、それぞれが異なる種類であってもよい。
メタリック顔料は、フレーク状ガラスの表面を、金属、又は金属酸化物の層で被覆した鱗片状粒子を特徴とする。フレーク状ガラスの被覆に使用される金属としては、金、銀、真鍮、チタン、ニッケル、またはそれらの合金等が挙げられる。被覆に使用される金属酸化物としては、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄が挙げられる。メタリック顔料として、フレーク状ガラスの表面にフレーク状ガラスの屈折率よりも高い屈折率を有する金属酸化物で被覆されている鱗片状粒子は、極めて強い反射光を発するために好ましい。
更に、メタリック顔料と樹脂成分との接着性を向上させるために、必要に応じて光沢顔料の上記の被覆した表面をカップリング剤などの表面処理剤で処理しても良い。
本発明の加飾用樹脂積層体を製造する方法としては、コア層となるシートとコア層の両側のスキン層となるシートをそれぞれTダイから押出し成形した後、加熱し、境界面の熱融着により積層せしめるラミネーション法、境界面に接着性の層を設けて積層せしめるラミネーション法等の方法、あるいは、3層を共押出して3層ダイスから出てきた溶融シートを直接接触させ、積層せしめる方法がある。
冷却ロールにて押圧することにより、スキン層は表面光沢性を有し、総合的に奥行きのある強い光輝性を有する積層体が得られる。
そして、押出しする樹脂の組合わせにおいて、例えば、溶融状態のコア層の樹脂組成物の粘度と、各スキン層の樹脂組成物の粘度に差異をつけることにより、コア層からスキン層に移行する光沢顔料量を変化させることができ、その結果、光沢顔料をコア層の両側のスキン層、または片側のみのスキン層に分散することができる。
また、本発明の樹脂積層体を真空・圧空成形することにより樹脂成形品を得ることができる。
ポリエステル(Hualon社製)と光沢顔料(日本板硝子社製、商品名「メタシャイン」(金属コートシリーズ(MC5090PS))を含み、光沢顔料の含有量が0.3重量%である樹脂組成物と、ポリエステル(Hualon社製)を、それぞれ2軸混練押出し機(日本製鋼所製、商品名「TEX」)から押出し、フィードブロックを取付けた共押出3層Tダイに供給した。
フィードブロックにて、ポリエステルを2分割し、2分割したそれぞれのポリエステルで樹脂組成物を挟んで層状にするように合流させ3層とした後、Tダイから積層したシートを押出した。
得られた積層体を、冷却ロールで冷却し、巻取り、コア層が300μm、各スキン層が50μm、厚さ400μmの加飾用樹脂積層体を得た。
得られた加飾用樹脂積層体の断面を電子顕微鏡で観察した結果、光沢顔料は両スキン層に含まれていた。図1に、加飾用樹脂積層体の断面図を示す。
また、加飾用樹脂積層体の表面を目視観察して、光沢顔料の分散性は良好で、強い反射光によるゴールド色を呈し、奥行き感に優れ、キラキラと輝く外観を得た。また、両スキン層の表面には、Tダイによるダイラインの発生がなく、光沢顔料の露出は観察されなかった。
B:樹脂成形品
1:コア層
2:スキン層
3:光沢顔料
Claims (8)
- コア層及び該層を挟むスキン層の少なくとも3層からなり、該コア層に光沢顔料を分散して含有し、該顔料の少なくとも1部が片側又は両側のスキン層に移行して分散含有されてなる加飾用樹脂積層体。
- 光沢顔料がメタリック顔料である請求項1記載の加飾用樹脂積層体。
- メタリック顔料が、平均厚さ20μm以下で、平均粒径が10〜300μmのフレーク状ガラスの表面を、金属又は金属酸化物の層で被覆したものである請求項2に記載の加飾用樹脂積層体。
- 光沢顔料を含有し、コア層となる溶融した樹脂組成物と、光沢顔料を含有せず、スキン層となる溶融樹脂とを層状に組合わせた後、Tダイでシート状に押出し成形することを特徴とする請求項1記載の加飾用樹脂積層体の製造方法。
- 光沢顔料がメタリック顔料である請求項4記載の加飾用樹脂積層体の製造方法。
- メタリック顔料が、平均厚さ20μm以下で、平均粒径が10〜300μmのフレーク状ガラスの表面を、金属又は金属酸化物の層で被覆したものである請求項4記載の加飾用樹脂積層体の製造方法。
- 光沢顔料を含有する樹脂組成物が、メタリック顔料を0.01〜0.5重量%含有する樹脂組成物である請求項4記載の加飾用樹脂積層体の製造方法。
- 請求項1記載の加飾用樹脂積層体を真空・圧空成形して得られる樹脂成形品。
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CN110724406A (zh) * | 2019-11-27 | 2020-01-24 | 九牧厨卫股份有限公司 | 一种改性片状二氧化硅、耐刮擦易洁手感涂料及其制备方法 |
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