JP2006288605A - ホルダーおよび粘着式のクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘着式のクリーナにおいて、カッター付きのクリーナを低コストで提供する。
【解決手段】 両持ちのホルダー2において、ロール紙10の両端を支持するためのローラ7aおよび7bのシャフト3aおよび3bにカッター20を装着する。カッター20を回転できるので、カッター20のブレード23がハンドル5の近い位置にセットするとロール紙10のシート12をカットでき、反対側にセットすると、カッター20をスタンドとして使用してロール紙10を含めてホルダー2を床などから支持できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面が粘着面となったシートが巻かれたロール紙をホルダーに装着して清掃する粘着式のクリーナおよびホルダーに関するものである。
表面が粘着面となったロール紙(テープ)を転がしながら、その表面の粘着力を利用してゴミを取る粘着式クリーナ、カーペットクリーナまたはロール紙クリーナと称される清掃用具が知られている。このクリーナにおいては、ロール紙を、その表面がカーペットや床面などの清掃すべき箇所に接し、転がすことにより種々のゴミを除去できる。特に、犬や猫などのペットの毛、髪の毛、糸などの吸引式の掃除機では取り除き難いゴミでも、粘着性の利点を活かして簡単に採取できる。さらに、吸引式の掃除機のように電力も不要なので経済的であり、家庭やオフィスをはじめ多くの場所において手軽に利用されている。
この粘着式のクリーナにおいては、ゴミがある程度、ロール紙に付着すると、ロール紙の表面の粘着力が弱まる。その場合は、ロール状あるいはテープ状に巻かれたシートを1周分だけ剥がして使用済みのシートとして分断することにより、十分な粘着力のある未使用のシートをロール紙の表面にして、リフレッシュできる。この作業により、ロール紙の表面が再び十分な粘着力のある面となるので、再びロール紙表面でゴミを効率良く採取できる。
使用済みのシートを手軽にカットするには、カッターを使用することが望ましい。実開平7−44001号公報には、粘着シートを紙幅方向に真直ぐにカットするカッターを設けた粘着式クリーナが開示されている。この粘着式クリーナにおいては、カッターは、本体、すなわち、手で把持するクリーナの柄の部分に取り付けられ、本体のカッター動作部により操作できるようになっている。
実開平7−44001号公報 特開2002−17650号公報
粘着シートを所望の位置でカットするためにカッターを使用することが望ましい。しかしながら、クリーナにカッターを装着しようとすると、構造が複雑になって、コストアップになる。特に、実開平7−44001号公報に開示されているカッターのように、カッターの刃先をロール紙に押し付けるようにしてカットするタイプのカッターは便利であるが構造が複雑になる。
一方、特開2002−17650号公報には、支持アームにカッターを固定して、粘着ロールから繰り出された粘着シートをカットする刃を備えたものが開示されている。このカッターは刃先を動かさないので構造は簡単であるが、繰り出した粘着シートをカットして、余った粘着シートを再びロールに戻すという作業が必要になり、使いやすいとは言えない。さらに、刃先が把手の方向を向くので安全とは言えない。したがって、カッター付きの粘着クリーナは、未だに普及するに至っていない。
そこで、本発明においては、簡易な機構で、従来の粘着式クリーナの構造を変えずに、簡単に装着できるカッターおよびカッター付きのホルダーを提供することを目的としている。
本発明においては、ロール紙を保持するためのローラのシャフトにカッターを装着したホルダーを提供する。すなわち、本発明のホルダーは、表面が粘着面となったシートが巻かれたロール紙を保持するためのローラと、このローラを、シャフトを介して回転可能に支持するアームと、ローラの両側において、シャフトに装着されたカッターとを有する。ローラの両側でシャフトに装着することにより、カッターをロール紙の近傍に配置できる。それと共に、カッターは、両持ちの形態になるため、ある程度、柔軟な構造であってもロール紙を横断する方向に延ばすことができる。例えば、カッターは、ある程度柔軟な素材、例えばプラスチックによる一体成形品または単独で組み立てられた製品(部品)として提供できる。したがって、カッターがスライドするような機構でなくても手で押しただけで刃の部分が変形してロール紙に付くようにすることができる。
さらに、カッターが柔構造であると、ローラの両側においてカッターを支持しても、ローラに対してロール紙を着脱できる。ロール紙を両方のローラで挟みこむように保持する、いわゆる、両持ちのホルダーであれば、ロール紙を両方のローラに着脱するときにアームを曲げて両方のローラの距離を開ける必要があり、カッターが柔構造であればアームと共に曲げることができる。ローラがアームに片持ち支持されたシャフトで連結されている、いわゆる、片持ちのホルダーであれば、カッターの少なくとも一部を曲げることにより、反支持側がシャフトから外れて、ローラにロール紙をセットすることができる。
本発明のホルダーにおいて、カッターは、ローラのシャフトに取り付けるタイプなので、両持ちのホルダーに対しても、片持ちのホルダーに対しても取り付けでき、さらに、既存のホルダーのデザインを変更しなくてもカッターを取り付けることができる。したがって、カッターを別部品として供給し、ホルダーを組み立てるときにシャフトに装着することができる。また、シャフトの部分が簡単に分解組立できるのであれば、本発明のカッターを市販することにより、ユーザが既存のホルダーに組み付けることも可能である。
本発明のカッターは、独立した部品として提供でき、独立した部品として装着できる。したがって、ホルダーのデザインを変更する必要がないので低コストにカッティング機能を備えたホルダーを提供できる。さらに、ホルダーと同じプラスチックあるいは他の弾性のある素材でカッターを製造できるので、カッター自身も低コストで供給できる。
ローラの両側においてシャフトに装着可能なカッターの1つの形態は、シャフトに取り付けられた左右の支持部を具備するフレームと、ロール紙を横断するように延びた刃先を具備するブレードであって、フレームに対し弾性部材を介して支持され、押されると刃先がロール紙に付くブレードとを備えているものである。ローラの左右に装着される支持部は、ローラとアームとの間に装着できるようなプレート状であることが望ましい。ローラが、ロール紙に対し両側から取り付けられる左右のローラ部分に分かれており、アームは、左右のローラ部分を、左右のシャフトを介してそれぞれ支持する左右の先端部分を備えている、両持ちタイプのホルダーにおいては、カッターの左右の支持部は、左右のシャフトに取り付けられる。また、ローラがアームに片持ち支持されている、片持ちタイプのホルダーにおいては、カッターの左右の支持部の内、反支持側の支持部は、シャフトに対して着脱可能に取り付けられる。
本発明のカッターのフレームの最も簡単な構成は、左右の支持部であり、左右の支持部から板ばね状、蛇腹状などの弾性部材を介してブレードを支持できる。ブレードと平行に左右の支持部を接続する構造体を設けて強度を上げることも可能である。フレームとブレードとを接続する弾性部材を利用して、ブレードを指先で押したときだけ、刃先がロール紙の表面に接し、ブレードから指先を離すと刃先が離れる機能を持たせることができる。
さらに、本発明のカッターは、シャフトに装着されるので、シャフトを中心に回転できるという大きな特徴を備えている。したがって、本発明のカッターは、ロール紙のカッティングのみならず、ロール紙を、その表面が接地しないように床などに対して支持するスタンドとしても使用できる。すなわち、本発明のホルダーにおいて、フレームの支持部は、シャフトに対して回転可能に装着されることが望ましく、さらに、支持部は、ロール紙をカットするためのカット位置で、アームと係合して停止することが望ましい。
カット位置以外の適当な角度、例えば、ハンドルに対して90度の位置に支持部を回転させれば、支持部をスタンドとして機能させることができる。支持部が、カット位置のほぼ反対側の位置は、アーム、および、アームの先に繋がったハンドルも含めてホルダー全体を支持できるのでスタンド位置として好適である。したがって、この位置で支持部がアームと係合して停止し、さらに、接地することによりロール紙を浮かした状態で支持するスタンド部分を備えていることが望ましい。また、ロール紙を回転させて掃除をするときには邪魔にならず、スタンド位置で、スタンド部分を拡幅できる機構を備えていることが望ましい。
ロール紙をカッターで切断するときは、無駄を省くために一周分を精度良くカットできることが望ましい。ブレードに、ロール紙に設けられた穴または凹みと係合してロール紙の回転を停止できるストッパを設けることにより、常に同じ位置(角度)でロール紙の回転を止めることができるので、その位置でカットすることで一周分を精度良く除去できる。一方、ストッパは、穴または凹みのないロール紙には無効であり、カットするときに邪魔になる。したがって、ストッパを退避できる構造を設けておくことが望ましい。ブレードに、ストッパを左右の少なくともいずれかに旋回して刃先から離す機構を設けることによりストッパを退避できる。さらに、退避したストッパの先端をロール紙の先端を剥がすために使用することができる。
このように、本発明においては、低コストで使い勝手が良く、既存のデザインのホルダーに装着できるカッターを提供している。さらに、このカッターはシャフトに対して回転するので、スタンドとしても機能し、ロール紙を使用しないときに適当な場所にホルダーを立てておくことができる。したがって、本発明のカッターを採用することにより、カッター付きのホルダーにロール紙を保持した、使いやすい粘着式のクリーナを提供できる。
図1に、本発明に係るクリーナ1を、ロール紙10とホルダー2とに分けた状態で示してある。このクリーナ1は、粘着性の表面11を備えたロール紙10をホルダー2に装着し、ロール紙10を転がしながら移動することにより、ごみを粘着させて除去する粘着式のクリーナである。ロール紙10には、粘着性の表面11を備えたシート12が円筒状の芯13に巻かれており、ごみが付着したシート12を一周分だけ剥がして捨てることにより、新しい粘着性の表面11をロール紙10の表に出すことができる。
ホルダー2は、棒状のハンドル5と、ハンドル5の前方5aが2股に分かれて略T字型に左右に先端が別れたアーム6aおよび6bとを備えており、全体がT字型またはY字型になっている。このホルダー2は、いわゆる、両持ちと称されるホルダーであり、左右に分かれたアームの先端6aおよび6bには、左右のシャフト3aおよび3bにより、円筒状のローラ7aおよび7bが向かい合うように回転可能に取り付けられている。ホルダー2は、これらのローラ7aおよび7bをロール紙10の両端に挿入し、左右のシャフト3aおよび3bによりロール紙10の両端を回転可能に保持する。
ホルダー2は、全体が弾性のあるプラスチックにより成形されている。したがって、左右のアーム6aおよび6bを外側に曲げるように変形させて、ローラ7aおよび7bを外側に旋回し、ローラ7aおよび7bの距離を開けることによりロール紙10を交換できる。ローラ7aおよび7bをロール紙10の両端に挿入したまま、ローラ7aおよび7bをアーム6aおよび6bから外すようにして、ロール紙10をホルダー2に対して着脱し、取替えできるようにすることも可能である。さらに、ホルダー2の左右のシャフト3aおよび3bには、アーム6aおよび6bと同様に変形できる程度に柔軟な構造に、プラスチックを用いて成形されたカッター20が装着されている。
図2に、ホルダー2からカッター20を外した状態を示してある。カッター20を取り除いたホルダー本体2aは、粘着式のロール紙10を両持ちで保持するために市販されているホルダーと共通する構成である。そして、本例のカッター20は、ホルダー本体2aのシャフト3aおよび3bを用いて装着できる。したがって、本例のカッター20は、ローラ7aおよび7bを組み立てるときに、ホルダー本体2aに取り付けでき、簡単にカッター付きのホルダーを製造できる。さらに、市販されているホルダーのローラ7aおよび7bが簡単に着脱できるようであれば、市販されたカッター20をユーザが購入して、シャフト3aおよび3bに取り付けることが可能である。
本例のカッター20は、左右のローラ7aおよび7bの外側(アーム6aおよび6bの側)において、左右のシャフト3aおよび3bに取り付けられ、ローラ7aおよび7bの半径方向に延びた左右の支持プレート21aおよび21bを備えている。カッター20は、これらの支持プレート21aおよび21bをフレーム22とし、支持プレート21aおよび21bに板ばね状の連結部材29を介して両端がそれぞれ支持されたブレード23を備えている。ブレード23は、ロール紙10を横断するように延び、ロール紙10に面した側が刃先24となっている。そして、ブレード23を、連結部材29の弾性に逆らうように指で押すと、ロール紙10の表面11に刃先24が接する位置へ移動し、指を離すと刃先24が表面11から離れた位置へ戻るようになっている。
ブレード23の右側の端には、ロール紙に設けられた穴と係合してロール紙の回転を停止できるストッパ25が取り付けられている。ブレード23にはストッパ25を旋回するための溝26が設けられており、ストッパ25が不要な場合は、右側に旋回して刃先24から離すことができるようになっている。
このカッター20は、支持プレート21aおよび21bが、シャフト3aおよび3bに対し、それぞれシャフト3aおよび3bを中心に回転できるように装着されている。支持プレート21aおよび21bは、アームの左右の先端6aおよび6bと係合する位置で止まり、カッター20がハンドル5に近いカット位置と、カット位置とは反対側のスタンド位置に固定できる。
図3に、カッター20をカット位置にセットした状態のクリーナ1を示してある。クリーナ1では、カッター20を備えたホルダー2のローラ7aおよび7bに、ロール紙10がセットされている。図4には、カッター20が取り付けられたシャフト3aおよび3bの周辺をホルダー2の構造を拡大して断面で示してある。左右のアームの先端6aおよび6bは左右のシャフト3aおよび3bが取り付けられ、これらのシャフト3aおよび3bにより、対峙する左右のローラ7aおよび7bが回転可能に支持されている。これらのローラ7aおよび7bにより、ロール紙10のコア13の両端を挟み込むことにより、ロール紙10をホルダー2に回転可能に保持できる。左右のシャフト3aおよび3bには、左右のアームの先端6aおよび6bとローラ7aおよび7bとの間に、支持プレート21aおよび21bがそれぞれ回転可能に取り付けられている。
支持プレート21aおよび21bは、アームの先端6aおよび6bと係合することにより幾つかの位置で止まる。支持プレート21aおよび21bが停止する1つの位置は、ブレード23がホルダー2のハンドル5から操作しやすいカット位置である。このホルダー2においては、ハンドル5からT字状にアーム6aおよび6bが伸びており、支持プレート21aおよび21bがアームの先端6aおよび6bと略平行になる位置で止めると、ハンドル5の近傍のカット位置でブレード23をセットできる。このカット位置では、ユーザは、ハンドル5を握った状態で親指を伸ばしてカッター20のブレード23を押すことにより、刃先24をロール紙10の表面に付けることができる。
支持プレート21aおよび21bが止まる他の位置の1つはスタンド位置である。カッター20は、図4に、破線で示すように、カット位置に対して約180度回転させると、支持プレート21aおよび21bは、アームの先端6aおよび6bと再び略平行になり、その位置で停止できる。図5に示すように、このスタンド位置では、支持プレート21aおよび21bは、ホルダー2のハンドル5とほぼ一直線になる。したがって、支持プレート21aおよび21bの先端21cを床9に接地することにより、ロール紙10に加えて、ホルダー2のハンドル5を含めて支持プレート21aおよび21bにより床9から支持することができる。この状態でクリーナ1を立てて置くと、ユーザがクリーナ1を使いたいときは、上に向いているハンドル5を簡単に把持することができる。また、クリーナ1は、ハンドル5が上方に伸びた状態で立てて収納できるので、スペースを取らず、卓上にも置きやすい。
支持プレート21aおよび21bは、シャフト3aおよび3bを中心に旋回できるので、カット位置から外した他の位置でもスタンドとして使用することができる。例えば、カット位置から約90度回すと、ハンドル5に対してほぼ垂直になるので、ハンドル5と、支持プレート21aおよび21bによりロール紙10が床9に着かないように支持できる。
支持プレート21aおよび21bと、アームの先端6aおよび6bとを係合する方法はいくつかある。カッター20およびホルダー2は共にプラスチックの成形品なので相互にある程度弾性的に変形する。したがって、支持プレート21aおよび21bの外側の寸法を、アームの先端6aおよび6bの間の寸法よりも、若干プラス公差で成形し、支持プレート21aおよび21bをアーム6aおよび6bの間に押し込むようにしてカッター20を固定しても良い。支持プレート21aおよび21bの外側に、アームの先端6aおよび6bの内側と部分的に係合するような凹凸を設けておくと、弱い力で確実にカッター20を固定できる。支持プレート21aおよび21bを適当な部材で繋いでフレーム20の強度を向上する場合は、その部材にアームの先端あるいは他の部分と係合する構造を設けても良い。
図6から図9に、カッター20を使う様子を示してある。なお、これらの図は、図3に示すクリーナ1を右側から見た状態を示しているが、右側の支持プレート21bの動きが分かり易いように、右側のアーム6bを除いた状態で示してある。図6は、カッター20のブレード23をハンドル5に近い位置(カット位置)にセットした状態を示してある。この位置で、支持プレート21aおよび21bを、アームの先端6aおよび6bと係合させて止めることができる。ユーザは、ハンドル5を把持した状態で親指などを伸ばせばブレード23を押すことができる。ブレード23を押さなければ、板ばね状の連結部分29の弾性によりカッター20の刃先24はロール紙10の表面11から離れている。したがって、ハンドル5を持ってロール紙10を床などに接して回転させることにより、床のごみをロール紙10の表面に付着させて除去できる。本例のカッター20の支持プレート21bは、折りたたみ式の脚部28を備えており、折り畳んだ状態であれば、支持プレート21bの幅はアーム6bの幅とほぼ同じであり、ロール紙10を転がして清掃する際に支持プレート21bが邪魔になることはない。反対側の支持プレート21aにおいても同様であり、以降においても特に記載しないかぎり、左側の支持プレート21aは右側の支持プレート21bと同様の構成である。
図7は、ブレード23を押して粘着シート12をカットする状態を示している。ブレード23を押しながら、ロール紙10の粘着シート12の端を持って引いてロール紙10を回転させると、ブレード23から下方に突き出たストッパ25がロール紙10の表面11に接し、カッターの刃先24は浮いた状態でロール紙10が回転する。ストッパ25の位置に、ロール紙10に予め設けられた穴15が来ると、ストッパ25が穴15に入り、ロール紙10の回転が止まる。それと共に、カッター20の刃先24がロール紙10の表面11に押し付けられるので、その位置で、カッター20の刃先24を使ってロール紙10のシート12をカットできる。ストッパ25とロール紙の穴15とが噛み合う位置で必ずカットできるので、ロール紙10の表面11にごみが付いたときにロール紙10の一周分のシート12をコンスタントにカットすることができ、経済的である。さらに、カッター20でシート12をカットできるので、途中でシート12が斜めに裂けたり、シート12の表面だけが剥離したりすることはない。また、ロール紙10の側にミシン目や切れ込みなどを入れておく必要はないので、低コストのロール紙を使用して、無駄なくロール紙を使い切ることができる。
ストッパ25は、ロール紙10からシート12を剥がすときにシート12の先端を探すときにも使用できる。ブレード23を押しながら、ロール紙10を床などにつけて回転させると、上記と同様にロール紙10の穴15にストッパ25が入った位置でロール紙10が停止する。そのときのカッターの刃先24の下がシート12を前回切断したときの先端になっている。したがって、ブレード23を離してロール紙10を若干逆回しすることにより、シート12の先端を簡単に探しだし、シート12をロール紙10から引き剥がすことができる。
図8は、穴15のないロール紙10aをカッター20によりカットする状態を示してある。上述したように、ブレード23にはストッパ25を右側に旋回できるように円弧状の溝26を設けてある。ストッパ25を右側に旋回することにより、ストッパ25は刃先24から離れてブレード23の根元側に退避し、刃先24をロール紙10aの表面11に接する際に障害にならない。したがって、穴15のないロール紙10aであっても、本例のカッター20により、ユーザの希望する位置でカットすることができる。
本例のストッパ25は、右側へ旋回させて退避する量を調整することにより、ブレード23を押したときに、ロール紙10aの表面11の右端に接するようにできる。ロール紙10aの端は、シート12に粘着性がなく、剥がれやすいようになっている。したがって、ブレード23を押しながらロール紙10aを回転させると、ストッパ25が爪の機能を果たし、シート12の先端を引っ掛けて剥がすことができる。したがって、穴15のないロール紙10aであってもシート12の先端を簡単に探すことができる。
図9は、カッター20をスタンド位置に旋回してセットし、スタンドとして利用した状態を示してある。支持プレート21bは、図6に示したカット位置からほぼ180度旋回することにより、再び、アームの先端6bと係合する。したがって、その位置(スタンド位置)でロール紙10およびホルダー2を床9などから支持できる。支持プレート21bは、折りたたみ式(旋回式)の脚部28を備えている。したがって、脚部28を拡げることにより、支持プレート21bの先端21cのスタンド部の幅を広げることができ、より安定した状態でロール紙10およびホルダー2を支持することができる。また、脚部28を折り畳むことにより、ロール紙10を回転して清掃する際には邪魔にならないことは上述したとおりである。
このように、本例のカッター20は、ホルダー2に対して独立した部品として提供できる。さらに、ホルダー2のシャフト3aおよび3bに旋回可能に取り付けられるようになっており、上述したホルダー2に限らず、両持ちタイプと言われるホルダーであればどのようなホルダーであっても装着できる。したがって、従来のホルダーの設計を変えることなく、さらに、従来のホルダーの型を変更する必要もなく、カッター付きのホルダーとして組み立てて提供することができる。このため、低コストでカッター付きのホルダーを実現できる。さらに、ローラの部分が簡単に取り外しできるようであれば、ユーザサイドでカッターを購入してカッター付きに変更できる。したがって、カッター自体を市販することも有効である。
さらに、カッター20は、ロール紙10を支持するローラ7aおよび7bの両側のシャフト3aおよび3bに装着するタイプなので、カッター20をロール紙10の近傍に配置することが極めて容易である。それと共に、カッター20は、支持プレート21aおよび21bによる両持ちの形態になるため、ある程度、柔軟な構造あるいは柔軟な部材を用いても、ロール紙10を横断する方向に延びたブレード23を支持できる。したがって、ローラ7aおよび7bにロール紙10を装着するときにアーム6aおよび6bと共に曲げられる程度の柔軟性を持たせることができ、ロール紙10の近傍に配置しても、ロール紙10の着脱に邪魔にならないカッター20を提供できる。さらに、カッター20は、ある程度柔軟な素材、本例では、弾性がある樹脂あるいはプラスチックにより一体で、または複数の部品に分けて組み立てられた製品として提供されており、カッター自身の弾性を利用して、手で押しただけで刃がロール紙に付いたり離れたりするような構造を実現できる。
また、このカッター20は、シャフト3aおよび3bに装着されるので、シャフト3aおよび3bを中心に回転できる。したがって、上述したように、カッター20を旋回することにより、カッティングのみならず、スタンドとして使用することができる。そして、両支持プレート21aおよび21bを接続するブレード23、さらには、デザインによってはフレーム22の一部としてブレード23と平行して両支持プレート21aおよび21bを接続する部材を備えている。したがって、それらの両支持プレート21aおよび21bを接続する部材により両支持プレート21aおよび21bは一括で回転するので、カッター20のいずれか一箇所を操作するだけで、簡単に、カッター20をカッターとしても、スタンドとしても使用できる。また、ロール紙10によりクリーニングしているときは、このカッター20をスタンド位置からカット位置にすることにより、カッター20はクリーニングの邪魔にならないのみならず、カッターとして機能する。
図10に、本発明に係るクリーナの異なる例を示してある。このクリーナ31は、片持ちタイプのホルダー32にロール紙10を装着したものである。ホルダー32は、棒状のハンドル35(把手)と、ハンドル35の前方35aからC字形あるいはフック状に延びたアーム36と、このアーム36に片持ちで支持され、ハンドル35と直交する方向に延びたシャフト33と、このシャフト33に回転可能に取り付けられたローラ37とを備えている。さらに、シャフト33のローラ37の両側にカッター20が装着されている。
図11に、ホルダー32からカッター20を外した状態を示してある。ホルダー32は、カッター20を除くと、粘着式のロール紙10を片持ちで保持するために市販されているホルダーと共通する構成である。すなわち、ホルダー32は、プラスチック製のハンドル35に対し、ロール紙を片持ち状態で保持するアーム36およびシャフト33が金属製のパイプにより一体で取り付けられた本体部分32aと、プラスチック製のローラ37とを備えている。シャフト33にローラ37をはめ込むことによりホルダー32を構成できるので、低コストで製造できる。本例のカッター20は、シャフト33に装着するタイプなので、ローラ37と共にシャフト33に簡単に取り付けることができる。さらに、ローラ37が簡単に着脱できるタイプのホルダーにおいては、カッター20をユーザが購入して、ユーザがシャフト33に取り付けることができる。
このホルダー32に取り付けられたカッター20は、上述したカッターと同様の構成であり、シャフト33に回転できるように装着されたフレーム22と、刃先24を具備するブレード23とを備えている。したがって、上記のホルダー2を備えたクリーナ1と同様に、本例のクリーナ31も、カッター20を使用して、所望の位置でロール紙10からシート12をカットできる。さらに、カッター20を回転することによりスタンドとして使用することができる。
さらに、フレーム22を構成する左右の支持プレート21aおよび21bの内、支持側の支持プレート21aの外側(ローラ7と反対側)に、アーム36と接触あるいは係合して支持プレート21aの位置を固定するための位置決めリング21dが取り付けられている。また、反対側の支持プレート21bには、内側(ローラ7の側)にシャフト33の反支持側となる先端33bに支持プレート21bを装着するためのキャップ21eが取り付けられている。このキャップ21eは、シャフト33の先端33bに着脱可能なサイズとなっている。本例のカッター20も、両側の支持プレート21aおよび21bがシャフト33に取り付けられた構造であり、樹脂またはプラスチックで成形され、ある程度の柔軟性を備えている。このため、ロール紙10をローラ37に着脱するときは、カッター20を曲げて、アーム36に対して反支持側の支持プレート21bをシャフト33の先端33bから容易に外すことができる。
本発明のカッターの構成は上記に限定されるものではない。図12に示したクリーナ51は両持ちタイプのホルダー2に異なるタイプのカッター60を装着している。このカッター60も、シャフト3aおよび3bに回転可能に取り付けられたフレーム22と、そのフレーム22により支持されたブレード23とを備えている。このフレーム22は、支持プレート21aおよび21bと、これらの支持プレート21aおよび21bを接続するビーム62とを備えており、ブレード23はビーム62に対して板ばね29により連結されている。また、支持プレート21aおよび21bには、不図示のアームと係合するための突起63が設けられている。ブレード23は、実線で示したカット位置においてはブレード23を操作する部分となり、破線で示すスタンド位置においてスタンドとして機能する脚部68を備えている。このカッター60を片持ちタイプのホルダー32に取り付けることも可能である。また、カッターの刃先の形状も様々に変形できる。例えば、シートを斜めにカットしたり、山形にカットする刃先を備えたカッターであっても良い。
また、本発明のカッターは、ホルダーと同程度の強度を備えたプラスチックの成形品として提供することが適している。製造コストが安く、また、ホルダーのアームを広げてロール紙をセットするときにも障害とならない。他の部材、例えば、アルミニウムなどの金属によりカッターを製造することも可能である。
クリーナの構成を示す平面図である。 図1のクリーナのホルダーからカッターを外した状態を示す図である。 カッターをカット位置にした状態を示す図である。 カット位置のシャフトの付近の構造を拡大して示す断面図である。 カッターをスタンド位置にした状態を示す図である。 カッターの刃先が離れている状態を示す図である。 カッターによりシートをカットする状態を示す図である。 ストッパを退避させた状態を示す図である。 スタンドとして使用した状態を示す図である。 異なるクリーナの構成を示す図である。 図10に示すクリーナのホルダーからカッターを外した状態を示す平面図である。 さらに異なるクリーナの構成を示す側面図である。
符号の説明
1、31、51 クリーナ、 2、32 ホルダー
3a、3b、33 シャフト
5、35 ハンドル、 6a、6b、36 アーム
7a、7b、37 ローラ
10 ロール紙、 11 ロール紙の表面、 12 粘着シート
20、60 カッター、 21a、21b 支持プレート
23 ブレード、 24 刃先、 25 ストッパ
28 脚部、 29 ブレードと支持プレートとの連結部

Claims (10)

  1. 表面が粘着面となったシートが巻かれたロール紙を保持するためのローラと、
    前記ローラを、シャフトを介して回転可能に支持するアームと、
    前記ローラの両側において、前記シャフトに装着されたカッターとを有するホルダー。
  2. 請求項1において、前記カッターは、前記シャフトに取り付けられた左右の支持部を具備するフレームと、
    前記ロール紙を横断するように延びた刃先を具備するブレードであって、前記フレームに対し弾性部材を介して支持され、押されると前記刃先が前記ロール紙に付くブレードとを備えている、ホルダー。
  3. 請求項2において、前記ローラは、前記ロール紙に対し両側から取り付けられる左右のローラ部分に分かれ、
    前記アームは、前記左右のローラ部分を、左右の前記シャフトを介してそれぞれ支持する左右の先端部分を備えており、
    前記左右の支持部は、前記左右のシャフトに取り付けられている、ホルダー。
  4. 請求項2において、前記ローラは、前記アームに片持ち支持されており、
    前記左右の支持部の内、反支持側の支持部は、前記シャフトに対して着脱可能に取り付けられている、ホルダー。
  5. 請求項2において、前記支持部は前記シャフトに対し回転可能に取り付けられており、前記ロール紙をカットするためのカット位置で、前記アームと係合して停止する、ホルダー。
  6. 請求項5において、前記支持部は、前記カット位置のほぼ反対側のスタンド位置で、前記アームと係合して停止し、さらに、接地することにより前記ロール紙を浮かした状態で支持するスタンド部分を具備する、ホルダー。
  7. 請求項2において、前記ブレードは、前記ロール紙に設けられた穴または凹みと係合して前記ロール紙の回転を停止できるストッパを具備する、ホルダー。
  8. 請求項7において、前記ブレードは、前記ストッパを左右の少なくともいずれかに旋回して前記刃先から離す機構を備えている、ホルダー。
  9. 表面が粘着面となったシートが巻かれたロール紙を保持するためのローラと、前記ローラを、シャフトを介して回転可能に支持するアームとを有するホルダーの、前記ローラの両側において、前記シャフトに装着されるカッターであって、
    前記シャフトに対し回転可能に取り付けられた左右の支持部を具備するフレームと、
    前記ロール紙を横断するように延びた刃先を具備するブレードであって、前記フレームに対し弾性部材を介して支持され、押されると前記刃先が前記ロール紙に付くブレードとを有するカッター。
  10. 請求項1に記載のホルダーと、前記ホルダーに保持された前記ロール紙とを有する粘着式のクリーナ。
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