JP2006287337A - 無線送信機 - Google Patents

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貴之 加藤
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恵一 山口
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Abstract

【課題】一つの電力増幅器を用いて使用周波数帯の異なる複数の無線通信システムで共用できる無線送信機を提供する。
【解決手段】位相変調情報及び振幅変調情報に従って変調信号を生成する変調信号生成部10−14と、変調信号を増幅する電力増幅器15と、振幅変調情報に従って電力増幅器15に変調信号の振幅に応じた大きさのバイアスを供給するバイアス供給回路19と、電力増幅器15の出力側に設けられ、電力増幅器の出力信号のうち変調信号の周波数成分のみを通過させてアンテナ17を含む高周波回路に供給する高域通過回路16とを有し、電力増幅器15は高周波回路の特性インピーダンスを負荷インピーダンスとして高効率の増幅動作を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、使用周波数帯域の異なる複数の無線通信システムで共用可能な無線送信機に関する。
近年、世界中で様々な無線通信システムが様々な周波数帯で利用されている。同一国内においても、複数の周波数帯で様々な無線通信システムが運用されている。これらの無線通信システムは、使用される周波数帯域が異なるだけでなく、使用される変調方式も異なり、さらには無線送信機に対する出力レベルや雑音レベルなどの要求仕様も異なる。
無線通信システムの例として、GSM(global system for mobile communications)、W−CDMA(wideband code division multiple access)及びPHS(personal handy-phone system)を例に挙げて説明する。GSMでは、変調方式として送信すべき信号に位相変調のみを施すGMSK(Gaussian minimum shift keying)という変調方式を使用している。
GSM用の送信機では振幅変調を行う必要がないために、供給される電圧値に応じて発振周波数が変化する電圧制御発振器(VCO)を用いて信号に変調を施す方法が広く用いられている。VCOの出力する雑音レベルは比較的低いために、VCOを用いる方法は低雑音の変調信号を生成できる。一般に、高周波回路が発生する雑音と消費電流とはトレードオフの関係にあるため、VCOを用いて変調を施す方法では、雑音の少ない位相変調信号を低消費電流で生成できるというメリットがある。
一方、W−CDMAでは、信号の位相と振幅の両方に変調を施すHPSK(hybrid quadrature phase shift keying)という変調方式を使用する。PHSでも同様に信号の位相と振幅の両方に変調を施す変調方式を使用する。このためW−CDMAやPHS用の送信機では、VCOを用いて変調を施す方法ではなく、直交変調器を用いる方式が広く用いられる。直交変調器では、2つの異なるベースバンド信号(Iチャネル信号とQチャネル信号)に対して互いに直交するローカル信号を乗算し、乗算後の信号を足し合わせて変調信号を生成する。
このように位相変調のみが施された変調信号を用いる無線通信システムでは、VCOによって変調を施す方法が用いられ、位相変調と振幅変調の両方の変調が施された変調信号を用いる無線通信システムでは、直交変調器が用いられている。
特開2003−18026号公報(特許文献1)には、VCOを用いて位相変調信号を生成すると共に、電力増幅器のバイアス電圧を振幅変調のための信号に応じて変化させることで、位相変調信号に振幅変調を施して位相変調及び振幅変調が施された変調信号を出力する無線送信機が示されている。特許文献1の無線送信機によれば、VCOを用いつつ位相変調が施された信号のみでなく、振幅変調が施された信号も送信することができる。従って、位相変調のみが施された変調信号を用いる無線通信システムに使用する送信機と、位相変調と振幅変調の両方の変調が施された変調信号を用いる無線通信システムに使用する送信機とを共用することが可能となる。
特開2003−18026号公報
特許文献1の送信機は、高周波回路の持つ周波数特性により送信機の周波数特性が制限されるため、異なる周波数帯を用いる複数の無線通信システムで共用することは困難であるという問題がある。
一般に、電力増幅器は出力負荷のインピーダンスによって動作効率や歪み特性などの諸特性が変化する。このため従来では電力増幅器の出力側に整合回路を設け、電力増幅器の出力側の特性インピーダンス(通常、50Ω)を最適な負荷インピーダンスに変換する必要がある。整合回路はインダクタやキャパシタ及び分布定数線路などの周波数特性を有する素子により構成されるため、ある周波数帯の信号は通過させやすいが、ある周波数帯の信号は通過させにくいという周波数特性を持つことになる。整合回路の周波数特性は、整合回路の回路構成と各素子値に依存するが、特性インピーダンス50Ωをどのような値のインピーダンス(電力増幅器の最適な負荷インピーダンス)に変換させるかで回路構成及び素子値は決定されてしまう。
このように電力増幅器の周波数特性は整合回路の周波数特性によって制限されてしまうため、一つの電力増幅器を複数の周波数帯で共用することは難しい。従って、複数の周波数帯で使用する無線送信機では、各周波数帯に対応した複数の電力増幅器を備えなければならず、送信機が大型になるという問題がある。
従って本発明の目的は、一つの電力増幅器を用いて使用周波数帯の異なる複数の無線通信システムで共用できる無線送信機を提供することにある。
本発明の一観点に係る無線送信機は、位相変調情報及び振幅変調情報に従って変調信号を生成する変調信号生成部と、前記変調信号を増幅する電力増幅器と、前記振幅変調情報に従って前記電力増幅器に前記変調信号の振幅に応じた大きさのバイアスを供給するバイアス供給部と、前記電力増幅器の出力側に設けられ、前記電力増幅器の出力信号のうち前記変調信号の周波数成分のみを通過させてアンテナを含む高周波回路に供給する高域通過回路とを備え、前記電力増幅器は前記高周波回路の特性インピーダンスを負荷インピーダンスとして増幅動作を行うことを特徴とする。
本発明の他の観点に係る無線送信機は、前記電力増幅器の出力信号のピーク電圧を検出してピーク電圧検出信号を出力するピーク電圧検出部をさらに備え、前記バイアス供給部は前記振幅変調情報に従って前記電力増幅器に前記変調信号の振幅に応じた大きさのバイアスを供給し、かつ前記ピーク電圧検出信号に応じて前記バイアスの大きさを減少させるように構成される。
本発明によると、電力増幅器の出力側に高域通過回路を介して接続されるアンテナを含む高周波回路の特性インピーダンスを負荷インピーダンスとして増幅動作させることにより、広い周波数帯域で増幅動作が可能な電力増幅器を用いつつ、周波数特性を持つインピーダンス変換用の出力整合回路を排除して、位相変調及び振幅変調が施された変調信号を広い周波数帯域に渡って電力増幅することができる。すなわち、一つの電力増幅器を用いて使用周波数帯の異なる複数の無線通信システムで共用できる広帯域の無線送信機を実現することができる。
また、振幅変調情報に従って電力増幅器に変調信号の振幅に応じた大きさのバイアスを供給することにより高効率の増幅動作を実現すると共に、このようなバイアス供給に伴い前記電力増幅器の出力信号に足し合わされるベースバンド周波数成分を高域通過回路によって除去し、送信に必要な変調信号の周波数成分のみをアンテナを含む高周波回路に供給することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る無線送信機の概略を示している。ベースバンド処理部10は、使用する無線通信システムに応じたVCO切替信号Va、送信すべき変調信号の位相変調情報に対応した周波数制御信号Vb、送信すべき変調信号の振幅変調情報に対応した電力調整信号Vc、及び振幅変調情報とピーク電圧検出回路18からの出力信号に基づくバイアス制御信号Vdを発生する。ここで、位相変調情報とは送信すべき変調信号の位相をどのように変調するか示す情報(すなわち、位相変調に供されるベースバンド信号)であり、振幅変調情報とは変調信号の振幅をどのように変調するかを示す情報(すなわち、振幅変調に供されるベースバンド信号)である。
VCO切替信号Va及び周波数制御信号Vbは、位相変調信号生成回路11に供給される。位相変調信号生成回路11は、この例では発振周波数帯の異なる二つの電圧制御発振器(VCO)12,13を有する。例えば、VCO12の発振周波数帯は900MHz帯であり、VCO13の発振周波数帯は1.9GHz帯である。VCO切替信号Vaによって、送信に使用する無線通信システムに応じてVCO12,13のいずれか一方が動作状態、他方が休止状態(非動作状態)となり、かつVCO12,13のうち動作状態にある方のVCOの発振周波数が周波数制御信号Vaによって制御されることにより、位相変調信号が生成される。
位相変調信号生成回路11により生成された位相変調信号は、電力調整回路14を経て電力増幅器15に入力される。電力調整回路14は、電力調整信号Vcにより制御されることにより位相変調信号に対して振幅変調を施す。この結果、電力調整回路14からは位相と振幅の両方の変調が施された変調信号が出力され、この変調信号が電力増幅器15によって増幅される。なお、位相変調のみが施された変調信号を送信する場合は、電力調整回路14は入力された位相変調信号に対して振幅変調を施さない。電力増幅器15は、例えばGaAsなどの半導体プロセスで作られたバイポーラトランジスタと抵抗器を含んで構成される。
電力増幅器15の出力信号は、高域通過回路16を介してアンテナ17に供給され、アンテナ17から電波が放射される。高域通過回路16は、例えば高キャパシタンスのキャパシタと高インダクタンスのインダクタによって構成されるハイパスフィルタが用いられる。
ピーク電圧検出回路18は、電力増幅器15の出力信号のピーク電圧を検出する回路であり、例えば半導体トランジスタと抵抗器及びキャパシタを用いて作られたダイオード検波器が用いられる。ピーク電圧検出回路18の出力信号は、ベースバンド処理部10に入力される。ベースバンド処理部10は、振幅変調情報とピーク電圧検出回路18からの出力信号に基づいてバイアス制御信号Vdを生成する。ベースバンド処理部10によって生成されるバイアス制御信号Vdは、バイアス制御回路19に入力される。
バイアス制御回路19は例えばDC/DCコンバータであり、バイアス制御信号Vdの電圧を電力増幅器15に適した別の電圧に変換して電力増幅器15に供給する。これによって、電力増幅器15のバイアス(バイアス電圧またはバイアス電流)が制御される。バイアス供給回路19は、例えばS級増幅器とS級増幅器にバイアス電圧を供給する電源及びS級増幅器の出力側に設けられる低域通過フィルタによって構成されてもよい。
本実施形態に係る無線送信機は、電力調整回路14、電力増幅器15及びピーク電圧検出回路18にGaAsなどの半導体プロセスを用いたバイポーラトランジスタを用いることにより、これらの回路を一つのICとして集積することが可能である。さらに、VCO12,13も半導体プロセスを用いたトランジスタで実現できるため、VCO12,13に電力調整回路14、電力増幅器15及びピーク電圧検出回路18と同一の半導体プロセスを用いれば、VCO12,13も含めて全ての回路を一つのICに集積することができる。従って、携帯端末のような小型な無線送受信機を実現する上で有利である。
次に、図1に示した本実施形態に係る無線送信機のさらに詳細な構成と動作について説明する。図1の無線送信機は、複数の無線通信システムに対応することが可能である。ここでは、無線送信機は例えば1.9GHz帯の周波数を利用するPHSと、900MHz帯の周波数を利用するGSMの2つの無線通信システムの送信機として動作する場合を例に挙げて説明する。
<PHS信号送信時の動作>
まず、図1の無線送信機がPHS信号を送信する送信機として動作する場合について説明すると、ベースバンド処理部10から位相変調信号生成部11に対して、PHS信号(PHSにおける送信信号である変調信号)のうち位相変調のみが施された1.9GHz帯の信号が出力されるようにVCO切替信号Vaが供給され、さらに周波数制御信号Vbが供給される。位相変調信号生成部11においては、発振周波数帯が900MHz帯であるVCO12と発振周波数帯が1.9GHz帯であるVCO13とがVCO切替信号Vaに従って切り替えられる。
すなわち、1.9GHz帯を使用するPHS方式で送信を行う場合、VCO切替信号VaによってVCO12は休止状態、VCO13は動作状態とされ、周波数制御信号VbによってVCO13が1.9GHz帯の所望の発振周波数で発振するように制御される。一方、900MHz帯を使用するGSM方式で送信を行う場合は、逆にVCO切替信号VaによってVCO12が動作状態、VCO13が休止状態とされ、周波数制御信号VbによってVCO12が900MHz帯の所望の発振周波数で発振するように制御される。
VCO12,13を動作状態と休止状態とに切り替えるためにベースバンド処理部10から出力されるVCO切替信号Vaの一例としては、VCOを構成するトランジスタに供給されるバイアス電圧などが考えられる。例えばVCO切替信号VaとしてトランジスタがON状態となるようなバイアス電圧を供給すれば、VCOは動作状態となり、トランジスタがOFF状態となるようなバイアス電圧を供給すれば、VCOは休止状態となる。さらに、ベースバンド処理部10は例えばVCOの発振周波数と供給電圧との関係をメモリにテーブルとして記憶しており、所望の発振周波数を得るために供給すべき電圧は既知である。ベースバンド処理部10は、このテーブルを用いてVCO12,13を所望の周波数で発振させるための周波数制御信号Vbを発生する。
PHSでは、図2に示されるようなπ/4DQPSK変調信号が用いられる。今、図2において信号点がA点からB点へ遷移したとすると、Ich信号の電圧振幅が0.7[V]から−1.0[V]まで減少すると同時に、Qch信号の電圧振幅が0.7[V]から0[V]まで減少することになる。このように変調信号の信号点の遷移は直交座標系を用いた場合、Ich信号及びQch信号の電圧値の上下によって表現される。信号点の遷移は、極座標系によっても表現できる。極座標系では、信号点は図2中の太い矢印で示されるベクトルの大きさと位相によって表現される。すなわち、A点の大きさが(0.72+0.720.5で位相φのベクトルは、位相がθ回転する間に大きさが変化し、最終的にB点では大きさ1で位相φ+θのベクトルとして表現される。このように極座標系で変調信号を表現した場合、無線周波数帯における送信信号はベクトルの大きさが変調信号の電力レベル、位相回転はキャリア周波数fcを中心として周波数をΔfだけ変化させることに相当する。周波数がΔfだけ大きくなれば、Δfに相当するだけ位相が進み、逆にΔfだけ小さくなれば、Δfに相当するだけ位相が遅れることになる。
すなわち、本実施形態の無線送信機でπ/4DQPSK信号を送信する場合、発振周波数帯が1.9GHz帯であるVCO13の発振周波数を、キャリア周波数fcを中心にして±Δfだけ変化させるような周波数制御信号Vbをベースバンド処理部10から供給する。これによって、位相変調のみが施された信号が位相変調信号生成部11から出力される。こうして位相変調信号生成部11から出力される位相変調信号は、電力調整回路14に入力される。電力調整回路14は、入力される位相変調信号に振幅変調を施すように動作する。
図3は本実施形態における電力調整回路14の具体例であり、エミッタ接地増幅器51、抵抗器52、53、54を含む入力整合回路、抵抗器55、56、57を含む出力整合回路、電圧調整用抵抗器58、直流成分除去用キャパシタ59、5a、チョークインダクタ5b及びコレクタ電圧供給用電源5cを有する。位相変調信号生成部11から電力調整回路14に入力された位相変調信号は、エミッタ接地増幅器51の利得が時間的に変化することにより振幅変調が施される。以下、電力調整回路14における振幅変調動作について詳細に説明する。
エミッタ接地増幅器51は、チョークインダクタ5bを介してコレクタ電圧供給用電源5cより供給されるコレクタバイアス電圧と、電圧調整用抵抗器58を介してベースバンド処理部10から供給される電力制御信号Vcによって与えられるベースバイアス電圧によってバイアスされる。電圧調整用抵抗器58を介してベースバンド処理部10から供給される電力制御信号Vcがエミッタ接地増幅器51のベースバイアス電圧そのものになるため、エミッタ接地増幅器51の利得は電力制御信号Vcに応じて変化する。
一般に、エミッタ接地増幅器はベースバイアス電圧が上昇すると利得が上昇し、ベースバイアス電圧が減少すると利得が減少するという特性を有し、このことは図3中のエミッタ接地増幅器51も同様である。振幅変調は信号の振幅を時間的に増減させることであり、エミッタ接地増幅器51の利得が上昇すると、エミッタ接地増幅器51の出力信号の振幅は増加し、逆に利得が減少すると振幅が減少するため、入力された位相変調信号に振幅変調が施されることになる。図4には、信号に振幅変調が施される様子を示す。エミッタ接地増幅器51の時間的に利得が変化することで、信号の振幅レベルが変化して振幅変調が施される。
図3においては、抵抗器52、53、54で構成される入力整合回路によって、位相変調生成部11から出力される位相変調信号が効率的にエミッタ接地増幅器51に入力される。また、抵抗器55、56、57で構成される出力整合回路によって、エミッタ接地増幅器51から出力される信号が効率的に電力増幅器15に入力される。このように入出力整合回路は抵抗器を用いて構成され、インダクタやキャパシタを使用した整合回路のような周波数特性を持たないため、電力調整回路14は900MHz帯及び1.9GHz帯で共用することが可能である。直流成分除去用キャパシタ59、5aは、周波数特性には影響を与えないほど十分大きなキャパシタンスを有する。なお、入出力整合回路は必ずしも抵抗器のみで構成される必要はなく、例えば900MHz帯と1.9GHz帯で所望の特性が得られる範囲内であれば、抵抗器と併せてインダクタ及びキャパシタを併用した整合回路であっても構わない。
図3では電力調整回路14をエミッタ接地増幅器51のような増幅器によって実現しているが、電力調整回路14は信号の電力振幅を増減させる機能を有する回路であればよく、例えば可変抵抗器のように電力振幅を減衰させるものであっても構わない。また、図3ではベースバンド処理部10から供給される電力調整信号Vcが電圧調整用抵抗器58を介してエミッタ接地増幅器51のベースバイアス電圧そのものとなっているが、電力調整信号Vcは振幅変調が施された信号のエンベロープ信号であっても構わない。さらに、電圧調整回路14にDC/DCコンバータの機能を持たせ、ベースバンド処理部10から出力される電力調整信号Vcの電圧を所望の電圧に変換して使用しても構わない。また、電圧調整回路14にエミッタ接地増幅器51用のベースバイアス回路を持たせ、ベースバンド処理部10から出力される電力調整信号Vcの電圧を、そのベースバイアス回路の制御信号として利用し、ベースバイアス回路からエミッタ接地増幅器51に対して供給されるバイアス電圧またはバイアス電流を制御することによってエミッタ接地増幅器51の利得を時間的に変化させてもかまわない。
このように位相変調信号生成部11によって生成された位相変調信号は、電力調整回路14により振幅変調が施されることによってπ/4DQPSK変調信号となり、電力増幅器15に入力される。電力増幅器15では、入力されるπ/4DQPSK変調信号に対して電力増幅が行われる。電力増幅器15の出力信号は、高域通過回路16を介してアンテナ17に供給される。高域通過回路16は後に詳しく説明するように、電力増幅器15の出力信号に含まれるベースバンド周波数成分を除去し、変調信号周波数成分のみを通過させる機能を持つ。
電力増幅器15の出力信号は、ピーク電圧検出回路18にも入力される。ベースバンド処理部10は、バイアス供給回路19に対して振幅変調情報に基づいた信号とピーク電圧検出回路18から供給されるピーク電圧検出信号を基に決定されるバイアス制御信号Vdを出力する。ここで、振幅変調情報に基づいた信号の具体的な一例を挙げると、例えば図5に破線で示された変調信号(ここではPHS信号)の振幅成分の時間変動を表す、実線で表されたエンベロープ信号である。
一方、ベースバンド処理部10にピーク電圧検出回路18から供給されるピーク電圧検出信号は、電力増幅器15の出力信号のピーク電圧に対応した信号であり、バイアス供給回路19から電力増幅器15に供給されるベースバイアス電圧を増減させるために用いられる。ピーク電圧検出回路18からベースバンド処理部10に供給されるピーク電圧検出信号については、後に詳しく説明する。
バイアス供給回路19は例えばDC/DCコンバータであり、ベースバンド処理部10から供給される振幅変調情報に基づく信号(例えば図5のエンベロープ信号)を基に、電力増幅器15が高効率の増幅動作を行うようなバイアス信号(バイアス電圧もしくはバイアス電流)を電力増幅器15へ供給する。ここで、バイアス供給回路19から出力されるバイアス電圧により電力増幅器15が高効率動作を行う原理について詳しく説明する。
図6は、電力増幅器15の具体的な回路例を示している。図6の電力増幅器15は、2段のエミッタ接地増幅器71、72直流成分除去用キャパシタ73、74、75、76、ベースバイアス調整用抵抗器77、78、コレクタバイアス供給用インダクタ79、7a及び段間整合回路用抵抗器7b、7c、7d、7e、7fを有し、さらに電源7g、7hが接続されている。
1段目のエミッタ接地増幅器71は、直流成分除去用キャパシタ73を介して位相変調信号生成部11から電力調整回路14を経て入力される変調信号に対して所望の電力利得を有するように、ベースバイアス調整用抵抗器77を介して電源7gからベースバイアス電圧が供給され、コレクタバイアス供給用インダクタ79を介して電源7hよりコレクタバイアス電圧が供給される。エミッタ接地増幅器71によって増幅された信号は、直流成分除去用キャパシタ74、75及び抵抗器7b、7c、7d、7e、7fにより構成される段間整合回路を介して2段目のエミッタ接地増幅器72へ入力される。ここで、直流成分除去用キャパシタ74、75は電力調整回路14で用いられた直流成分除去用キャパシタと同様に、周波数特性には影響を与えないほど十分大きなキャパシタンスを有する。段間整合回路は抵抗器7b、7c、7d、7e、7fのみで構成されるため、インダクタやキャパシタを用いて構成された整合回路が持つような周波数特性は持たない。なお、電力調整回路14の場合と同様に、900MHz帯と1.9GHz帯で、すなわち変調信号の周波数帯域内で周波数特性の平坦な所望の特性が得られる範囲内であれば、抵抗器と併せてインダクタ及びキャパシタを併用した段間整合回路を用いたとしても構わない。
2段目のエミッタ接地増幅器72は、入力された信号を所望の電力利得で増幅し、かつ高効率で動作を行うために、ベースバイアス調整用抵抗器78を介してバイアス供給回路19からベースバイアス電圧が供給され、コレクタバイアス供給用インダクタ7aを介してバイアス供給回路19からコレクタバイアス電圧が供給される。バイアス供給回路19からエミッタ接地増幅器72に対して供給されるバイアス電圧は、送信すべきPHS信号の振幅変調成分に基づいた電圧であり、具体的にはPHS信号の信号振幅が大きいときには、通常の増幅動作に必要とされるコレクタバイアス電圧値であるが、PHS信号の信号振幅が小さくなったときには、消費電力を削減するために低いバイアス電圧値となるように変化する。
図7に、エミッタ接地増幅器72のベース電流Ibb、コレクタ電流Icc及びコレクタ電圧Vccの関係の一例を示す。図5に示したような位相変調及び振幅変調が施されたPHS信号が電力調整回路14から入力され、これに従ってエミッタ接地増幅器72のベース電圧が増減すると、それに伴ってベース電流も増減する。このときバイアス供給回路19からは、入力されたPHS信号の振幅変動に追従して変動するバイアス電圧が供給される。この結果、エミッタ接地増幅器72のベース電流Ibbは図7に示すように変動する。ここで、バイアス供給回路19より供給されるバイアス電圧は、エミッタ接地増幅器72の電力利得が変化しないように、入力されたPHS信号の振幅がクリップされない範囲で変化する。
エミッタ接地増幅器72のベース電流Ibbの変動に伴ってコレクタ電流Iccも変動するため、エミッタ接地増幅器72からは電力増幅器15の出力負荷のインピーダンスに応じたコレクタ電圧が出力される。電力増幅器15の出力負荷は、アンテナ17を含む高周波回路であり、通常、50Ωの特性インピーダンスを持つ。本実施形態では、アンテナ17を含む高周波回路の特性インピーダンスを負荷インピーダンスとして電力増幅器15を増幅動作させる。図7には、両矢印で50Ωの出力負荷線を示している。ここで、図7に示すようにエミッタ接地増幅器72のコレクタバイアス電圧もPHS信号の振幅変動に追従するように変化させる。結果として、図7に示すようなコレクタ電圧Vccが出力負荷に出力される。
一方、本実施形態のように入力信号の振幅レベルに応じてバイアス電圧を減少させる動作を行なわない、従来用いられているようなエミッタ接地増幅器のベース電流Ibb、コレクタ電流Icc及びコレクタ電圧Vccの関係の一例を図8に示す。図8と図7を比較すると分かるように、図7では信号振幅が小さいときにはバイアス電圧及びバイアス電流が低い値になるのに対して、図8では常に高い一定のバイアス値となっている。電力増幅器の動作効率は、供給されるバイアス電力に対する電力増幅器の出力電力の比で表されるため、図7のようにバイアス電圧を低い領域で制御することにより、高効率動作させることが可能となる。
電力増幅器15からの出力信号は高域通過回路16に入力され、電力増幅器15においてバイアス電圧を変化させることにより出力信号に足し合わされたベースバンド周波数成分(PHS信号の振幅変調に使用されるベースバンド帯の信号成分)が除去された後、アンテナ17へ出力される。高域通過回路16は、バイアス電圧を変化させることで出力信号に足し合わされたベースバンド周波数帯の信号成分を除去するためのものであり、ベースバンド周波数帯を超える周波数帯の信号はそのまま通過させる。本実施形態では、PHS信号を例に挙げているため、ベースバンド周波数帯は150kHzである。PHS以外の無線通信システムであっても、振幅変調に使用されるベースバンド周波数帯は、通常、数十MHz以下の周波数であり、電力増幅器15が出力すべき変調信号のキャリア周波数に比べると十分低い周波数である。従って、高域通過回路16は電力増幅器15が出力すべき変調信号の所要の周波数帯を制限するものではない。
図9には、高域通過回路16の具体例を示す。図9の高域通過回路16は、キャパシタ101とインダクタ102からなるハイパスフィルタである。本実施形態の無線送信機はPHS信号とGSM信号を送信するため、高域通過回路16はPHS及びGSMのキャリア周波数である900MHz帯及び1.9GHz帯の信号を通過させ、PHS及びGSMのベースバンド周波数帯である150kHz及び100kHzの信号を除去する特性を有する。
図10及び図11には、本実施形態の高域通過回路16のSパラメータ特性の一例を示す。図10及び図11の特性は、図9におけるキャパシタ101のキャパシタンスが1[μF]、インダクタ102のインダクタンスが1.1258[μH]の場合であり、高域通過回路16の入力及び出力に特性インピーダンス50Ωの信号源を接続して市販の計算機シミュレータを用いて計算した結果である。図10はS21,S12特性、図11はS11,S22特性である。S11,S22特性は、高域通過回路16の入力及び出力インピーダンスを表し、S21,S12特性は高域通過回路16の減衰特性を示す。
図10及び図11から分かるように、高域通過回路16はfc=2π(LC)2(Lは図9のインダクタ102のインダクタンス、Cは図9のキャパシタ101のキャパシタンス)なる遮断周波数を有し、fc=150kHz以下の周波数成分(ベースバンド周波数成分)を減衰させ、150kHzを超える周波数成分(変調信号の周波数成分)を通過させている。さらに、PHS信号及びGSM信号のキャリア周波数である1.9GHz帯及び900MHz帯における入出力インピーダンスは50Ωであり、高域通過回路16は出力側に接続される負荷(例えばアンテナ17)の特性インピーダンス50Ωをインピーダンス変換する機能を有していないことが分かる。
次に、電力増幅器15の出力負荷であるアンテナ17などの高周波回路の特性インピーダンスが負荷変動により規定値である50Ωよりも低いインピーダンスになってしまった場合の動作について説明する。この場合、ピーク電圧検出回路18により検出されたピーク電圧に基づく信号に従って、ベースバンド処理部10から出力されるバイアス制御信号Vdが制御されることにより、電力増幅器15を保護することができる。
図12に、ピーク電圧検出回路18の一例を示す。ピーク電圧検出回路18は、抵抗器121、123、124、ダイオード122及びキャパシタ125、126からなる。電力増幅器15の出力信号電圧に応じてダイオード122に整流された電流が流れ、この電流に応じた電圧が抵抗124とキャパシタ125により平滑化されて出力される。ピーク電圧検出回路18からの出力信号は、ベースバンド処理部10に入力される。
電力増幅器15の負荷インピーダンスが50Ωである場合、図13に示すように電力増幅器15の出力信号電圧(図6中の2段目のエミッタ接地増幅器72のコレクタ電圧)Vccは、ブレークダウン電圧以下の電圧値となっている。負荷インピーダンスが50Ωよりも低いインピーダンスとなった場合には、電力増幅器15の負荷線は図14の実線の両矢印で示される低抵抗負荷線になり、電力増幅器15の出力信号電圧Vccはブレークダウン電圧を超える電圧となってしまう。この結果、最悪の場合には電力増幅器15が破壊される可能性がある。
このような場合、電力増幅器15の2段目のエミッタ接地増幅器72のベースバイアス電圧を減少させ、図14の破線の両矢印で示されるような負荷線で動作させることにより、ブレークダウン電圧を超える電圧が印加されることを防ぐことができる。本実施形態では、上記のように電力増幅器15の負荷インピーダンスが低くなった場合に、ブレークダウン電圧を超える電圧が電力増幅器15に印加されないようにするため、電力増幅器15の出力信号のピーク電圧をピーク電圧検出回路18により検出し、その検出結果をベースバンド処理部10に入力する。ベースバンド処理部10は、ピーク電圧検出回路18により検出されたピーク電圧に基づき、バイアス供給回路19から電力増幅器15に供給されるベースバイアス電圧を下げるような制御信号Veをバイアス供給回路19に出力する。これによって電力増幅器15のエミッタ接地増幅器72は、図14の波線両矢印で示す負荷線で動作することにより、電力増幅器15の出力信号電圧Vccがブレークダウン電圧を超える電圧になることが防止される。
<GSM信号送信時の動作>
次に、図1の無線送信機がGSM信号を送信する送信機として動作する場合について説明する。この場合には、ベースバンド処理部10から位相変調生成部11に対して、GSM信号の位相変調が施された900MHz帯の信号が出力されるようにVCO切替信号Vaと周波数制御信号Vbが出力される。位相変調信号生成部11においては、VCO切替信号Vaによって発振周波数帯が900MHz帯であるVCO12が動作状態、発振周波数帯が1.9GHz帯であるVCO13が休止状態となり、かつ周波数制御信号Vbによって発振周波数帯が900MHz帯のVCO13が所望の発振周波数で発振するように制御される。
GSMでは、図15に示すように同心円上を信号点が遷移するGMSKと呼ばれる変調信号が用いられる。すなわち、図15中の太い矢印で示されるベクトルがAのように位相が進むか、Bのように位相が遅れるかによって情報を伝える。ベクトルの大きさが変化しないことから分かるように、GSMでは振幅変調は施されずに位相変調のみが施される。従って、ベースバンド処理部10からはPHSの場合と同様に、キャリア周波数fcを中心に±Δfだけ発振周波数を変化させるような電圧値の周波数制御信号Vbを発振周波数帯が900MHz帯であるVCO12に対して供給することで、位相変調が施された信号が得られる。
位相変調信号生成部11から出力された位相変調信号は、電力調整回路14に入力される。前に述べたようにGSMは振幅変調が施されない変調方式であるため、本実施形態ではGSM信号を送信する場合、ベースバンド処理部10から電力調整回路14に対して一定の利得となるような電力調整信号Vcが出力される。
電力調整回路14の出力信号は、電力増幅器15に入力される。電力増幅器15には、ベースバンド処理部10から出力されるバイアス制御信号Vdに応じたバイアス電圧がバイアス供給回路19より供給される。GSM信号は振幅変調が施されていないために、PHS信号を送信する場合のように、振幅変調に応じてバイアス電圧を増減させるような制御は行われず、電力増幅器15にはバイアス供給回路19からある一定のバイアス電圧が供給されるようにベースバンド処理部10から制御信号Vdが送られる。ただし、負荷変動により電力増幅器15にブレークダウン電圧を超える電圧が印加されそうな場合には、電力増幅器15に供給するベースバイアス電圧を減少させるように、ピーク電圧検出回路18からの信号に基づきベースバンド処理部10からバイアス供給回路19に対して制御信号Vdが供給される。
このようにして電力増幅器15から出力されるGSM信号は、高域通過回路16により100kHzのベースバンド周波数帯の信号が除去された後アンテナ17に供給され、アンテナ17より電波として出力される。
以上説明したように、本実施形態の無線送信機によると、電力増幅器15の負荷インピーダンスがアンテナ17を含む高周波回路の特性インピーダンス50Ωであっても、高効率に増幅動作が可能となる。また、電力増幅器15がアンテナ17を含む高周波回路の特性インピーダンス50Ωそのものを負荷インピーダンスとして増幅動作を行うことによって、従来用いられていた、無線送信機の周波数帯域を制限するようなインピーダンス整合回路が不要となり、900MHz帯のGSM信号と1.9GHz帯のPHS信号の両信号の送信を行うことができる。
なお、本実施形態ではバイアス供給回路19からエミッタ接地増幅器72に供給されるバイアス電圧値がPHS信号の振幅変動に追従する理想的な信号である場合を例にあげて説明したが、バイアス供給回路19の出力電圧を変化させる性能に依存して、信号の振幅値の変動に基づいてある限られた範囲内で緩やかに追従するようなバイアス電圧が供給される場合であっても、本実施形態で説明したような高効率動作は実現される。
また、本実施形態ではベースバンド処理部10からバイアス供給回路19に供給されるバイアス制御信号Vdが変調信号の振幅変調成分であるエンベロープ信号である場合を例に挙げて説明したが、エンベロープ信号そのものではなく、振幅変調に基づく別の信号であっても構わない。
また、本実施形態では電力増幅器15と振幅変調を施す電力調整回路14が別々の回路としている場合を例に挙げているが、電力増幅器15が利得可変の機能を有することで電力調整回路14の機能を併せ持つ構成であっても構わない。
さらに、無線送信機の送信電力を信号伝播路の状況に応じて変化させる送信電力制御については、電力増幅器15が送信電力制御のための利得可変機能を有することで実現することができる。
本発明の他の実施形態として、バイアス供給回路19がベースバンド処理部10から出力される振幅変調情報に基づいたバイアス制御信号Vdを基に電力増幅器15のコレクタ電圧のみを制御してもよい。これにより無線送信機の電力効率は低下するが、バイアス供給回路19がより簡単となる。本実施形態の無線送信機の構成は図1と同様であり、動作に関してはバイアス供給回路19から電力増幅器15に対して供給されるバイアス電圧がコレクタバイアス電圧のみとなる。従って、本実施形態における無線送信機の動作はバイアス供給回路19と電力増幅器15の動作のみ先の実施形態と異なるため、バイアス供給回路19と電力増幅器15の動作について先の実施形態との相違点のみ説明する。
本実施形態と先の実施形態との動作の違いが現れるのは、PHS信号を送信する場合であるため、以下の説明ではPHS信号を送信する場合を例に挙げて説明する。ベースバンド処理部10からの出力されるVCO切替信号Va、周波数制御信号Vb及び電力調整信号Vcに従って、位相変調信号生成部11及び電力調整回路14を介してPHS信号が生成され、電力増幅器15に入力されるまでの動作、及びベースバンド処理部10からPHS信号の振幅変調情報に基づいたバイアス制御信号Vdがバイアス供給回路19に出力されるまでの動作は、先の実施形態と同様である。
本実施形態におけるバイアス供給回路19は、ベースバンド処理部10から出力されるPHS信号の振幅変調情報に基づいたバイアス制御信号Vdに応じて、電力増幅器15に対して振幅変調情報に応じて時間的に変化するコレクタバイアス電圧を供給する。
図16に、電力増幅器15に含まれるエミッタ接地増幅器72のベース電流Ibb、コレクタ電流Icc及びコレクタ電圧Vccの関係の一例を示す。図5に示したような位相変調及び振幅変調が施されたPHS信号が電力調整回路14から入力され、エミッタ接地増幅器72のベース電圧が増減すると、それに伴ってベース電流も増減する。このときバイアス供給回路19からは先の実施形態と同様に、入力された信号の振幅変動に追従するように変動するコレクタバイアス電圧Vccが供給される。結果的に、エミッタ接地増幅器72から出力負荷に対して出力されるコレクタ電圧は、図16に示すように変動する。
図16と図8に示した従来の電力増幅器の特性を比較して明らかなように、信号振幅の小さいときにはコレクタバイアス電圧が小さな値となるために、電力増幅器15の動作効率が向上していることが分かる。
さらに、ピーク電圧検出回路18により電力増幅器15の出力信号のピーク電圧を検出し、ベースバンド処理部10からバイアス制御回路19にピーク電圧に関するバイアス制御信号Vdを供給することで、バイアス供給回路19から電力増幅器15に対して出力されるベースバイアス電圧が制御されることにより、電力増幅器15が負荷変動による過電圧印加により破壊されることを防止する動作に関しては、先の実施形態と同様である。
このように本実施形態に係る無線送信機によれば、電力増幅器15の出力負荷がアンテナなどの高周波回路の特性インピーダンス50Ωであっても高効率に増幅動作が可能となり、かつ電力増幅器15を出力負荷の特性インピーダンス50Ωそのもので増幅動作させることで、送信機の周波数帯域を制限するようなインピーダンス整合回路が不要となり、900MHz帯を使用したGSM信号と1.9GHz帯を使用したPHS信号の両信号を送信することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る送信機のブロック図 π/4DQPSK信号の信号遷移の説明図 図1中の電力調整回路の一例を示す回路図 本発明の一実施形態における、電力調整回路を用いて送信信号に振幅変調を施す様子を示す図 PHS信号の振幅成分の時間変動を表すエンベロープを示す図 図1中の電力増幅器の一例を示す回路図 図6の電力増幅部に含まれるエミッタ接地増幅器のベース電流、コレクタ電流及びコレクタ電圧の関係の一例を示す図 バイアス電圧が一定値であるエミッタ接地増幅器のベース電流、コレクタ電流及びコレクタ電圧の関係の一例を示す図 図1中の高域通過回路の一例を示す回路図 高域通過回路のS21,S12特性の一例を示す図 高域通過回路のS11,S22特性の一例を示す図 図1中のピーク電圧検出回路の一例を示す回路図 図6の電力増幅部に含まれるエミッタ接地増幅器の出力負荷が50Ωである場合のベース電流、コレクタ電流及びコレクタ電圧の関係の一例を示す図 図6の電力増幅器に含まれるエミッタ接地増幅器の出力負荷が50Ωよりも低いインピーダンスとなった場合のベース電流、コレクタ電流及びコレクタ電圧の関係の一例を示す図 GMSK信号の信号遷移の説明図 図6の電力増幅器に含まれるエミッタ接地増幅器のコレクタバイアス電圧を制御した場合のベース電流、コレクタ電流及びコレクタ電圧の関係の一例を示す図
符号の説明
10…ベースバンド処理部;
11…位相変調信号生成回路;
12,13…VCO;
14…電力調整回路;
15…電力増幅器;
16…高域通過回路;
17…アンテナ;
18…ピーク電圧検出回路;
19…バイアス制御回路;
Va…VCO切替信号;
Vb…周波数制御信号;
Vc…電力調整信号;
Vd…バイアス制御信号

Claims (10)

  1. 位相変調情報及び振幅変調情報の少なくとも一方に従って変調信号を生成する変調信号生成部と、
    前記変調信号を増幅する電力増幅器と、
    前記振幅変調情報に従って前記電力増幅器に前記変調信号の振幅に応じたバイアスを供給するバイアス供給部と、
    前記電力増幅器の出力側に設けられ、前記電力増幅器の出力信号のうち前記変調信号の周波数成分のみを通過させてアンテナを含む高周波回路に供給する高域通過回路とを具備し、前記電力増幅器は前記高周波回路の特性インピーダンスを負荷インピーダンスとして増幅動作を行う無線送信機。
  2. 位相変調情報及び振幅変調情報に従って変調信号を生成する変調信号生成部と、
    前記変調信号を増幅する電力増幅器と、
    前記電力増幅器の出力信号のピーク電圧を検出してピーク電圧検出信号を出力するピーク電圧検出部と、
    前記振幅変調情報に従って前記電力増幅器に前記変調信号の振幅に応じた大きさのバイアスを供給し、かつ前記ピーク電圧検出信号に従って前記ピーク電圧の大きさに応じて前記バイアスの大きさを減少させるバイアス供給部と、
    前記電力増幅器の出力側に設けられ、前記電力増幅器の出力信号のうち前記変調信号の周波数成分のみを通過させてアンテナを含む高周波回路に供給する高域通過回路とを具備し、前記電力増幅器は前記高周波回路の特性インピーダンスを負荷インピーダンスとして増幅動作を行う無線送信機。
  3. 前記変調信号生成部は、前記位相変調情報に従って位相変調が施された第1の変調信号を生成する位相変調信号生成部と、前記位相変調信号に対し前記振幅変調情報に従って振幅変調を施して位相変調及び振幅変調が施された第2の変調信号を生成する電力調整部とを有し、前記電力増幅器は前記第1の変調信号及び第2の変調信号のいずれか一方を選択的に増幅する請求項1または2のいずれか1項に記載の無線送信機。
  4. 前記位相変調信号生成部は、異なる発振周波数帯を持つ少なくとも第1及び第2の電圧制御発振器と、前記第1及び第2の電圧制御発振器のいずれか一方を動作状態とし、他方を休止状態とする手段と、前記第1及び第2の電圧制御発振器のうち動作状態にある方の発振周波数を前記位相変調情報に応じて変化させる手段とを有する請求項3に記載の無線送信機。
  5. 前記位相変調信号生成部は、異なる発振周波数帯を持つ少なくとも第1及び第2の電圧制御発振器と、前記第1及び第2の電圧制御発振器のいずれか一方を動作状態とし、他方を休止状態とする切替信号、及び前記第1及び第2の電圧制御発振器のうち動作状態にある方の発振周波数を前記位相変調情報に応じて変化させるための周波数制御信号を発生するベースバンド処理部とを有する請求項3に記載の無線送信機。
  6. 前記電力増幅器は、複数の増幅段と、各増幅段の間に挿入された、少なくとも前記変調信号の周波数帯域内で平坦な周波数特性を持つ段間整合回路とを有する請求項1または2のいずれか1項に記載の無線送信機。
  7. 前記バイアス供給部は、前記負荷インピーダンスの変動により前記電力増幅器にブレークダウン電圧を超える電圧がかかることを防止するために前記ピーク電圧検出信号に応じて前記バイアスの大きさを減少させる請求項2に記載の無線送信機。
  8. 前記ベースバンド処理部は、前記バイアス供給部が前記振幅変調情報に従って前記電力増幅器に前記変調信号の振幅に応じた大きさのバイアスを供給し、かつ前記ピーク電圧検出信号に応じて前記バイアスの大きさを減少させるためのバイアス制御信号をさらに発生する請求項3に記載の無線送信機。
  9. 前記バイアス供給部は、前記バイアス制御信号の電圧を別の電圧に変換して前記バイアスを生成するDC/DCコンバータを含む請求項8に記載の無線送信機。
  10. 前記高域通過回路は、前記バイアス供給部が前記電力増幅器に前記変調信号の振幅に応じた大きさのバイアスを供給することにより前記電力増幅器の出力信号に足し合わされたベースバンド周波数成分を除去する請求項1または2のいずれか1項に記載の無線送信機。
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