JP2006287078A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】陰極として用いられた上部電極側から発光光を取り出す構成において、有機層の上部電極側が発光光に対して充分な透過率を有すると共に、当該上部電極側から有機層への適正な電子注入効率と正孔ブロック性が確保され、これにより発光強度および発光寿命の向上を図ることが可能な、有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】基板10上に設けられた陽極としての下部電極13と、少なくとも発光層14cを備えて下部電極13上に設けられた有機層14と、有機層14上に設けられた電子注入層16と、電子注入層16上に設けられた透明導電膜からなる上部電極17とを備えている。そして特に、電子注入層16が、有機層14側から順に、バッファ層15と混合層16aと保護層16bを設けた積層構造で構成されていることとする。バッファ層15は、電子注入特性を有する絶縁性の材料からなる。混合層16aは、電子輸送性を有する有機材料と金属材料とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子に関し、特には素子が形成された基板と反対側から発光光を取り出す、いわゆるトップエミッション型に好適な有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子(いわゆる有機エレクトロルミネセンス素子)は、低電圧駆動が可能で低消費電力化に適した発光素子である。このため、表示装置用および照明装置用の発光素子として多用されるようになってきている。このような有機電界発光素子は、通常、基板上に、下部電極、有機正孔輸送層や有機発光層を積層させてなる有機層、および上部電極をこの順に積層した構成となっている。また、有機層を狭持する下部電極と上部電極とは、一方が陽極、他方が陰極として用いられている。
ところで、このような構成の有機電界発光素子を用いた表示装置等では、有機電界発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ等を備えた回路を同一基板上に形成することで、装置の高機能化を図っている。この場合、予め薄膜トランジスタ等を備えた回路が形成された基板上に、当該回路に接続させる状態で有機EL素子が形成されることになる。このため、基板上に形成する有機電界発光素子は、当該基板と反対側から発光光を取り出す、いわゆるトップエミッション型とすることが、その開口率を確保する上で有効になる。
ここで、上記トップエミッション型の有機電界発光素子には、上部電極を半透過性とすることにより素子内で生じた発光光を共振させて取り出す構成がある。また、これと比較して素子設計の簡便化が可能な構成として、上部電極を透明電極として形成することにより、素子内で生じた発光光をそのまま上部電極側から取り出す構成もある。尚、このような上部電極を透明電極とする構成は、下部電極側からも発光光を取り出す両面取り出し型の素子にも適用される。
さて、上部電極を透明電極とする構成のうち、上部電極を陰極(すなわち透明陰極)とする場合、有機層に接する部分には、仕事関数の小さい材料から、特に光透過率の高い材料を選択した電子注入層が設けられる。しかしながら、仕事関数が小さい材料中に、光透過率が充分に高い材料を見出すことは困難である。
そこで、第1の構成として、有機層に接する陰極側の部分に、仕事関数が小さい金属材料からなる超薄膜の電子注入層を配置し、この上部にインジウムチタン酸化膜(Indium−Tin−Oxide:ITO)やインジウム亜鉛酸化膜(Indium−Zinc−Oxide:IZO)等の透明導電膜を設ける構成が提案されている(下記特許文献1、2参照)。
また第2の構成として、上記電子注入層を、仕事関数の小さい金属材料と電子輸送性の有機物との混合層とする構成が提案されている(下記特許文献2参照)。
さらに、第3の構成として、電子注入層を、積層構造とする構成が提案されている。この場合、仕事関数の小さい金属材料からなる金属層と、仕事関数の小さい金属材料と電子輸送性の有機材料との混合層とを、有機層側からこの順に積層して電子注入層としている。そして、この電子注入層は、発光層の上部に直接配置させる(下記特許文献3参照)。
特許第3560375号公報 特開平10−162959号公報 特開2004−296410号公報
しかしながら、上述した第1の構成および第2の構成には、次のような問題点がある。すなわち、上記電子注入層の上部に設けられるITO等の透明導電膜は、通常、酸素雰囲気下においてスパッタリング法により形成される。このため、この透明導電膜の成膜時に、電子注入層を構成するアルカリ金属またはアルカリ土類金属等の仕事関数の小さい金属材料が酸化されてしまう。これにより、電子注入層から有機層への十分な電子注入効率を確保できなくなり、非透明陰極(例えば100nm程度の厚膜のMg−Ag合金、Al等)を用いた素子と比較して、十分な寿命を得ることができない。
一方、第3の構成では、電子注入層が2層構造となっている。このため、透明導電膜の成膜時には、電子注入層の上層を構成する混合層が酸化保護膜となり、有機層に接して設けられた金属層の酸化が防止される。したがって、電子注入効率が損なわれることはない。ところが、この場合、金属層が結果的に酸化されないことにより、金属特有の光吸収等が残存することになるため、光透過性を確保し難くなる。
また、上記第3の構成が開示されている特許文献3においては、有機層を構成する発光層に接して金属層(電子注入層の)が設けられている。この場合、電子注入層は、本来が果たすべき役割である正孔ブロック性を得ることができない。これにより、発光層中に正孔を充分に閉じ込めておくことができず、発光層内における正孔と電子の再結合確率が減少してしまう。したがって、発光効率が低下してしまう。また、有機層を構成する発光層に接して金属層(電子注入層の)が設けられていることにより、素子中における電子輸送性が大きくなりすぎる。このため、素子中における正孔と電子のバランスが悪化し、輝度半減寿命が十分には得られないと言った問題も生じる。
そこで本発明は、陰極として用いられた上部電極側から発光光を取り出す構成において、有機層の上部電極側が発光光に対して充分な透過率を有すると共に、当該上部電極側から有機層への適正な電子注入効率と正孔ブロック性が確保され、これにより発光強度および発光寿命の向上を図ることが可能な、有機電界発光素子を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、陰極側として設けられた上部電極から発光光を取り出す有機電界発光素子に関する。この有機電界発光素子は、基板上に設けられた下部電極と、少なくとも発光層を備えて当該下部電極上に設けられた有機層と、この有機層上に設けられた透明導電膜からなる上部電極とを備えている。そして特に、有機層と上部電極との間には、有機層側から順に、絶縁性材料からなるバッファ層、電子注入層が積層されている。電子注入層は、電子輸送性を有する有機材料と電子注入特性を有する金属材料とからなる混合層を備えている。
このような構成の有機電界発光素子では、有機層と上部電極との間に、絶縁性材料からなるバッファ層、および有機材料と金属材料とからなる混合層が設けられている。
このうちバッファ層は、絶縁性材料からなるために光透過性を確保し易い。また、混合層は、有機材料と金属材料とからなるため、金属材料が有機材料を還元しながら反応し、電子注入性を確保しながら透明となる。したがって、有機層の上部電極側における光透過性を充分に確保することができる。
また、有機層と接して絶縁材料からなるバッファ層が設けられた構成となっていることにより、このバッファ層が有機層に対して正孔ブロック性を備えることになる。このため、有機層に対して正孔を封じ込めることができる。そして、このバッファ層の上部に、混合層からなる電子注入層を設けており、この電子注入層によって有機層に対する適切な電子注入特性が確保される。
以上説明したように本発明の有機電界発光素子によれば、有機層の上部電極側における光透過性が確保されることにより、陰極として用いられる上部電極側からの、発光強度の向上を図ることが可能になる。またこれと共に、上部電極側から有機層への適度な電子注入効率を確保でき、かつ有機層に対する正孔ブロック性も確保できるため、発光強度および発光寿命の向上を図ることが可能になる。
以下、本発明の有機電界発光素子およびこれを用いた表示装置の構成を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の有機電界発光素子を模式的に示す断面図である。
この図に示す有機電界発光素子11は、基板10の上部に設けられている。すなわち有機電界発光素子13は、基板10上に、下部電極13、有機層14、バッファ層15、電子注入層16、および上部電極17を順次積層してなり、上部電極17側から発光を取り出す構成となっている。尚、この有機電界発光素子11を用いた表示装置においては、同一の基板10上に複数の有機電界発光素子11が画素毎に配列形成されていることとする。
以下、この有機電界発光素子11における各部の詳細な構成を、基板10側から順に説明する。
先ず、基板10は、ガラスのような透明基板や、シリコン基板、さらにはフィルム状のフレキシブル基板等の中から適宜選択して用いられることとする。また、この有機電界発光素子11を用いて構成される表示装置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である場合、基板10として、画素毎にTFTを設けてなるTFT基板が用いられる。この場合、この表示装置は、基板10と反対側からのみ発光光を取り出すトップエミッション型の有機電界発光素子11を用いることが、画素の開口率上有利となる。またこの場合、各有機電界発光素子11は、TFTを用いて駆動する構造となる。尚、この有機電界発光素子11が、基板10側からも発光光を取り出す両面発光型である場合には、この基板10は光透過性を有する材料で構成されることとする。
そして、この基板10上に陽極として用いられる下部電極13は、効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいもの、例えばクロム(Cr)、金(Au)、酸化スズ(SnO2)とアンチモン(Sb)との合金、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金、さらにはこれらの金属や合金の酸化物等を、単独または混在させた状態で用いることができる。
特に、この有機電界発光素子11が、トップエミッション型の場合は、下部電極13を高反射率材料で構成することで、高反射率効果で外部への光取り出し効率を改善することが可能となる。このような電極材料には、例えばAl、Ag等を主成分とする電極を用いることが好ましい。これらの高反射率材料層上に、例えばITOのような仕事関数が大きい透明電極材料層を設けることで電荷注入効率を高めることも可能である。
尚、この有機電界発光素子11を用いて構成される表示装置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である場合、下部電極13は、TFTが設けられている画素毎にパターニングされていることとする。そして、下部電極13の上層には、ここでの図示を省略した絶縁膜が設けられ、この絶縁膜の開口部から、各画素の陽極13表面を露出させていることとする。
一方、この有機電界発光素子11が両面発光型の場合には、下部電極13を、例えばITOのような透明電極材料を用いて構成すれば良い。
そして、このような下部電極13上に設けられた有機層14は、下部電極13側から順に、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14c、および電子輸送層14dを積層してなる。これらの各層を構成する材料に限定条件はなく、各層を構成する材料として一般的に用いられる材料を用いて良い。
例えば、正孔輸送層14bであれば、ベンジジン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの正孔輸送材料を用いることができる。また、発光層14cであれば、ベリレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン系色素、トリフェニルアミン誘導体等の有機物質を、ホスト材料に対して微量にドーピングしても良いさらに、電子輸送層14dであれば、Alq(キノリノールアルミ錯体)、フェナントロリン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体等の電子輸送材料が用いられる。
また、以上の各層14a〜14dは、それぞれの層が他の要件を備えても良い。例えば発光層14dは、電子輸送性発光層であっても良く、また正孔輸送性発光層であっても良い。この場合、電子輸送層14dや正孔輸送層14bを特別に設けず、層構成を単純化しても良い。また、各層14a〜14dのそれぞれ積層構造になることも可能である。例えば発光層14cが青色発光部位と緑色発光部位と赤色発光部位とから形成される白色発光素子であっても良い。さらに、例えば正孔注入層14a、正孔輸送層14bが、それぞれが複数層からなる積層構造であっても良い。
尚、以上の有機層14を構成する各層14a〜14dは、例えば真空蒸着法や、例えばスピンコート法などの他の方法によって形成される。
次に、以上のような有機層14上に設けられたバッファ層15は、絶縁性材料からなる。このバッファ層15は、電子注入特性を有していることとする。このような絶縁性材料として、電子注入特性を有する金属材料の酸化物、複合酸化物、珪酸化物、炭酸化物、複合酸化物、ハロゲン化物が用いられ、さらにはこれらの混合物として安定性を高めて用いても良い。そして、このような絶縁性材料の中から、光透過性の良好な材料を選択して用いることが重要である。
ここで、上述した電子注入特性を有する金属材料としては、電子注入特性の高い(すなわち仕事関数の小さい)金属、例えば仕事関数が4.2V以下の金属が適しており、具体例としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)等が好適に用いられる。またこの他にも、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イッテルビウム(Yb)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)などが挙げられる。
そして、以上のようなバッファ層15を構成する絶縁性材料の具体例としては、リチウム(Li)の酸化物であるLi2O、セシウム(Cs)の酸化物であるCs2O、さらにはこれらの酸化物の混合物を用いることができる。他にも、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、さらにはインジウム(In)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)等の仕事関数の小さい金属、さらにはこれらの金属のフッ化物、酸化物、珪酸化物、炭酸化物等の複合酸化物等が例示される。中でも、LiFは、電子注入特性が良好で、かつ光透過性も高いため、好ましく用いられる。
また、このバッファ層15は、絶縁性材料を用いて超薄膜で成膜されることにより、本来の絶縁性ではなく良好な電子注入性を発揮するため、1nm以下の膜厚であることが好ましい。
次に、このようなバッファ層15上に形成された電子注入層16は、バッファ層15側から順に、混合層16aおよび保護層16bを積層してなる。
このうち混合層16aは、電子輸送性を有する有機材料と、電子注入特性を有する金属材料とからなる。このうち、電子輸送性を有する有機材料は、上述した有機層14における電子輸送層14dを構成する材料と同様の材料が用いられる。中でも、適正な電子注入性を持ち、十分な発光効率及び輝度半減寿命が得られる組み合わせとして、上述した電子輸送層14dおよび当該混合層16a用の有機材料としてAlqを用ることが好ましい。また、電子注入特性を有する金属材料としては、上述した仕事関数が小さい金属材料のうちの少なくとも1つが好適に用いられる。
ここで、この混合層16aは、金属材料の濃度が0.1〜10重量%程度であることが好ましく。このように、金属材料の濃度を有機分子濃度に対して低く抑えることにより、金属固有の光吸収や光反射を抑え、素子全体の透過率を高くして高い発光効率を得る。
また、保護層16bは、電荷輸送性を有する材料で構成されていることとする。このような保護層16bは、電子輸送層16を構成する層でもあるため、上述した電子注入特性を有する金属材料(特に上述した仕事関数が小さい金属材料)のうちの少なくとも1つを用いて構成されることとする。中でもMgは安価で取り扱いも容易であるため、特に好ましく用いられる。
このような保護層16bは、上記の金属材料を単体で用いても良く、合金として用いても良い。また上記の金属材料の酸化物やハロゲン化物であっても良い。さらには、仕事関数が小さい金属材料のうちの少なくとも1つと共に、有機材料を用いた混合層としても良い。
例えば金属材料の合金からなる保護層16bであれば、MgAgを用いることができる。ただし、金属材料の単体または合金によって保護層16bを構成する場合、光透過性が確保出きる程度の超薄膜とすることが重要である。例えば、例示したMgAgを用いて保護層16bを形成する場合、保護層16bの膜厚を3nm以下、好ましくは2nm程度に抑えることとする。これにより、保護層16bにおける光透過性を確保することとする。尚、保護層16b中には、上述した仕事関数の小さい金属材料を95重量%以上含むことが好ましい。これは、仕事関数が小さいMgなどの金属材料は、非常に酸化され易く、成膜された後に酸化され、結果的に光透過性が確保されやすいためである。したがって、MgAgを用いる場合には、Agに対してMgを95%以上含有させることにより、より光透過性の高い保護層16bが得られるのである。
また、仕事関数が小さい金属材料と有機材料との混合層からなる保護膜15cであれば、仕事関数が小さい金属材料として、上述したように単体、合金、酸化物、ハロゲン化物として用いて良い。ただし、上述したように、この保護層16bは、電子注入層16を構成するものでもあるため、ある程度の電子注入性を確保することが好ましい。したがって、10%以下程度の電子注入特性を有する金属材料がドープされていることとする。
この保護層16bに用いられる有機材料としては、電子輸送性のものに限定されることはない。つまり、この有機電界発光素子11において、有機層14における発光層14cに対する電子注入の主体は、有機層14における電子輸送層14dおよび混合層16aである。このため、保護層16bに用いられる有機材料は正孔輸送性であっても、電子輸送性であっても良いのである。
このうち、保護層16bを構成する有機材料として、電子輸送性を持つ材料を用いる場合には、有機電界発光素子11の低電圧化の観点から、高い電子輸送性を持つ材料を用いることが好ましい。つまり、上述したようにこの混合層16aが発光層14cに対する電子注入の主体とはならないことから、電子輸送性の高い有機材料を用いて混合層16aを構成した場合であっても、発光層14cに対する正孔と電子の注入バランスが崩れることはない。したがって、保護層16bを構成する有機材料として、電子輸送層14dよりも電子移動度の高い材料を用いることもでき、これにより有機電界発光素子11の低電圧化が達成されるのである。
このような高い電子輸送性を持つ有機材料として、フェナントロリン誘導体が好適に用いられる。尚、フォナントロリン誘導体は、電子輸送性が高いことにより、電子輸送層として用いた場合には、上述した注入バランスが崩れて大幅な輝度半減寿命の低下をもたらす。
また、保護層16bを構成する有機材料としては、一般的な発光層14cのホスト材料や正孔輸送性材料が用いられる。ホスト材料としては、ADN(anthracene dinaphtyl)が例示される。また正孔輸送材料としては、α−NPD(α−naphtyl phenil diamine)が例示される。このような材料を用いた場合であっても、有機電界発光素子11に十分な発光効率、輝度半減寿命を持たせることができる。
そして、保護層16bを構成するの有機材料として、正孔輸送性を持つ材料を用いる場合には、下記式(1)の材料およびその誘導体が好適に用いられる。
Figure 2006287078
上記式(1)中において、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、アリールアミノ基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニルエステル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルキル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルケニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルコキシル基、炭素数30以下の置換あるいは無置換のアリール基、炭素数30以下の置換あるいは無置換の複素環基、ニトリル基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれる置換基であることとする。尚、隣接するRm(m=1〜6)は環状構造を通じて互いに結合してもよい。また式(1)中において、X1〜X6はそれぞれ独立に炭素もしくは窒素原子であることとする。
以上のような式(1)に示される有機材料の具体的な一例としては、下記式(2)の材料が例示される。
Figure 2006287078
以上のような式(1)の有機材料、または一般的な発光層14cのホスト材料や正孔輸送性材料と、低仕事関数の金属材料との混合層を用いて保護層16bを構成することで、特に有機電界発光素子の発光効率の向上が図られると共に、長寿命化が達成される。
尚、以上のような各層15a〜15dからなる電子注入層16は、波長帯域440〜700nmにおける透過率が85%以上となるように、各層15a〜15dの膜厚が設定されていることとする。また、以上のような各層15a〜15dは、通常の蒸着法や、有機材料と金属材料との共蒸着法などの製法に得ることができる。
次に、以上のような電子注入層16上に設けられる上部電極17は、いわゆる透明導電膜で構成される。このような透明導電膜としては、酸化インジウムスズ(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化インジウム(In23)と酸化亜鉛(ZnO)との混合物(Indium−Zinc−Oxide:IZO出光商標)に代表される透明導電膜であり、例えば、膜厚50nm程度のIZOで形成される。
このような透明導電膜からなる上部電極17は、酸素雰囲気下においてスパッタリング法により形成される。
以上説明した本実施形態の有機電界発光素子11では、有機層14と上部電極17との間に、絶縁性材料からなるバッファ層15,電子注入層16としての混合層16aおよび保護層16bがこの順に積層された構成となっている。
このうちバッファ層15は、絶縁性材料であるために光透過性を確保し易い。また、混合層16aは、有機材料と金属材料とからなるため、金属材料が有機材料を還元しながら反応し、電子注入性を確保しながら透明となる。さらに、保護層16bは、超薄膜の金属材料のみで構成されている場合には、上部電極17の形成時にこれが酸化されて光透過性となる。一方、保護膜15cが有機材料と金属材料とからなる場合には、混合層16aと同様に、もともと光透過性が確保された構成となり、またさらにこれが上部電極17の成膜時に酸化されて光透過性が向上する。
したがって、有機層14の上部電極17側における光透過性を充分に確保することができる。
また、有機層14と接して絶縁性材料からなるバッファ層15が設けられた構成となっていることにより、このバッファ層15が有機層14に対して正孔ブロック性を備えることになる。このため、有機層14に対して正孔を封じ込めることができる。
そして、バッファ層15の上部に設けた混合層16aが、電子注入特性を有する金属材料を用いて構成されているため電子注入の主体となる。この混合層16aの上部には、電荷輸送性を有する保護層16bが設けられている。これにより、この上部に透明導電膜からなる上部電極17を成膜形成する際の酸化性雰囲気において、この保護膜15cが、電子注入の主体となる混合層16aの酸化を防止するための保護膜となる。したがって、混合層15cの酸化による電子注入効率の低下が防止される。
以上のことから、電子注入層16から有機層14に対しての電子注入効率を適設な値に維持することが可能である。
この結果、上述した構成の有機電界発光素子11によれば、有機層14の上部電極17側における光透過性が確保されることにより、陰極として用いられる上部電極側からの、発光強度の向上を図ることが可能になる。またこれと共に、上部電極17側から有機層14への適度な電子注入効率を確保でき、かつ有機層14に対する正孔ブロック性も確保できるため、発光強度および発光寿命の向上を図ることが可能になる。
尚、上述した構成の有機電界発光素子11においては、保護層16bが金属材料と有機材料との混合層からなる場合、用いられる有機材料の選択肢を広げることができる。つまり、保護層16bとしては、ある程度の電子注入性を確保する必要があるため、10%以下程度の電子注入特性を有する金属材料をドープする必要はある。しかしながら、上述したように、発光層14cに電子注入を主体的に行うのが保護層16bの下にある混合層16aである。このため、媒体となる有機材料は正孔輸送性であっても、電子輸送性であっても、また両方の電荷を輸送するものであっても良いからである。したがって、有機層14への電子および正孔の注入バランスを考慮せずに、高い電子輸送性をもつ有機材料を媒体として保護層16bを構成することが可能になり、駆動電圧を低下する効果を得ることもできる。
そして、以上のように保護層16bが構成されていることにより、この下部に設けた混合層16aには、発光層14に注入される電子の量を適正にすることのみを考慮して最適に選択された有機材料を用いることができる。
これにより、自由度の高い選択範囲において、混合層16aおよび保護層16bに使用する有機材料を選択することで、十分な発光効率と輝度半減寿命を確保しつつも、電子輸送性の高い保護層16bを用いて駆動電圧の低減を図るといった、素子特性の最適化を行うことが可能になる。しかも、素子自体の光透過性が損なわれることも無い。
尚、以上の実施形態で説明した有機電界発光素子11は、発光層14cを有する有機層14のユニット(発光ユニット)を積層してなるタンデム型の有機電界発光素子に適用することも可能である。例えば、特開2003−272860に示されるように、各発光ユニットが絶縁性の電荷発生層で仕切られている有機電界発光素子とすることもできる。この場合、最上部の発光ユニットの上部に、上述した積層構造の電子注入層16を介して透明導電膜からなる上部電極17を陰極として設けた構成となる。
また、以上の実施形態においては、電子注入層16が3層構造である有機電界発光素子11の構成を説明した。しかしながら、本発明の有機電界発光素子にいては、電子注入層16が、バッファ層15と混合層16aとの積層構造であれば良く、保護層16bが設けられていない構成であっても良い。このような場合であっても、混合層16aの下層のバッファ層15が電子注入特性を備えた金属を用いて構成されることにより、電子注入の機能を果たすため、ある程度の電子注入効率を確保することができる。また、光透過性および正孔ブロック性も確保することができる。
次に、本発明の具体的な実施例1〜6、およびこれらの実施例に対する比較例1,2の有機電界発光素子の製造手順を図1を参照しつつ説明し、その後これらの評価結果を説明する。尚、各実施例および比較例においては、バッファ層14および電子注入層16がそれぞれの層構成を有する有機電界発光素子を作製した。
<実施例1>
ここでは、電子注入層16が2層構造の有機電界発光素子を形成した。
先ず、30mm×30mmのガラス板からなる基板10上に、Ag−Pd−Cu層を形成し、この上部にITO層を形成しすることにより、2層構造の下部電極13を陽極として形成した。その後、SiO2をスパッタリングにより成膜し、リソグラフィーによりパターニングし、2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜(図示省略)でマスクした有機電界発光素子用のセルを作製した。
次に、正孔注入層14aとして2−TNATA[4,4≡,4≡−tris(2−naphtylphenylamino)triphenylamine]を15nm(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec)の膜厚で蒸着成膜した。
次いで、正孔輸送層14bとしてα−NPD(α−naphtyl phenil diamine)を15nm(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec)の膜厚で蒸着成膜した。
さらに、発光層14cとして、ADN(anthracene dinaphtyl)をホスト材料に、BD−052x(出光興産株式会社)をドーパントとし、ドーパント濃度5.0重量%となるように、合計32nmの膜厚で蒸着成膜した。
最後に電子輸送層14dとして、Alq3(8−hydroxy quinorine alminum)を10nmの膜厚で蒸着成膜した。
次に、バッファ層15としてLiFを0.1nmの膜厚で蒸着成膜した。
続いて、混合層16aとして100:5の重量比のAlqとMgとを5nmの膜厚で共蒸着により成膜した。さらに、保護層16bとして、下記式(2)に示す材料とMgとを100:5の重量比で5nmの膜厚で真空蒸着法により共蒸着により成膜した。これにより、混合層16aおよび保護層16bの2層からなる電子注入層16を形成した。
Figure 2006287078
次いで、上部電極17として、膜厚50nmのIZOをスパッタリング法により形成した。
以上により、透明導電膜を陰極となる上部電極17として備えた、トップエミッション型の有機電界発光素子を作製した。
<実施例2>
実施例1の製造手順において、電子注入層16における保護層16bを、Mg−Ag合金としたこと以外は、同様にして有機電界発光素子を作製した。尚、保護層16bの形成においては、Mg−Ag合金をMg:Ag=100:5の重量比で2nmの膜厚に共蒸着した。
<実施例3>
実施例1の製造手順において、電子注入層16における保護層16bを、正孔輸送性材料であるα−NPDとMgとの混合層としたこと以外は、同様にして有機電界発光素子を作製した。尚、保護層16bの形成においては、α−NPDとMgとをα−NPD:Mg=100:5の重量比で5nmの膜厚に共蒸着した。
<実施例4>
実施例1の製造手順において、電子注入層16における保護層16bを、発光層のホストとして通常用いられるADNとMgとの混合層としたこと以外は、同様にして有機電界発光素子を作製した。尚、保護層16bの形成においては、ADNとMgとをADN:Mg=100:5の重量比で5nmの膜厚に共蒸着した。
<実施例5>
実施例1の製造手順において、電子注入層16における保護層16bを、電子輸送性の非常に高いフェナントロリン誘導体の1つである、BCP(バソクプロイン)とMgとの混合層としたこと以外は、同様にして有機電界発光素子を作製した。尚、保護層16bの形成においては、BCPとMgとをBCP:Mg=100:5の重量比で5nmの膜厚に共蒸着した。
<実施例6>
実施例1の製造手順において、電子注入層16を混合層16aのみからなる単層構造としたこと以外は、実施例1と同様の手順で有機電界発光素子を作製した。すなわち、実施例1の製造手順において、混合層16aを形成した後、保護層16bを形成せずに上部電極17を形成した。
<比較例1>
実施例6の製造手順において、バッファ層15の形成を省略したこと以外は、実施例6と同様の手順にてトップエミッション型の有機電界発光素子を作製した。
<比較例2>
実施例6の製造手順において、混合層16aを構成する有機材料としてAlqに換えてBCPを用いたこと以外は、実施例6と同様の手順で有機電界発光素子を作製した。すなわち、混合層16aを構成する有機材料が、有機層14における電子輸送層14d(Alq)よりも電子輸送性が高い例となる。尚、混合層16aの形成においては、BCPとMgとをBCP:Mg=100:5の重量比で5nmの膜厚に共蒸着した。
≪評価結果≫
上述のようにして作製した実施例1〜6および比較例1、2の有機電界発光素子について、発光効率、駆動電圧、および透過率を測定した。下記表1には、各有機電界発光素子の電子注入層の層構成と共に、この評価結果を示す。尚、有機電界発光素子の発光効率(cd/A)は、10mA/cm2の電流密度印加時に測定された値である。
Figure 2006287078
表1に示す結果から、本発明のバッファ層15と、混合層16aを備えた電子注入層16との積層構造を有する実施例1〜6の有機電界発光素子は、このような積層構造の電子注入層を備えていない比較例1の有機電界発光素子と比較して、発光効率の向上と駆動電圧の低下が図られることが確認された。また、光透過率についても、実施例1〜6は、有機層14と電子注入層16との間にバッファ層15を設けているにもかかわらず、85%上と充分な値が確保できることが確認された。
図2には、実施例1,2および比較例1の有機電界発光素子について、駆動時間(Operating Time)−駆動電圧(Voltage)を測定した結果を示す。この結果からも、本発明の構成である実施例1,2の有機電界発光素子が、比較例1の有機電界発光素子と比較して低電圧化されていることが分かる。
また、電子注入層16に保護層16bを設けた実施例1〜実施例5の有機電界発光素子では、保護層16bを設けていない実施例6の有機電界発光素子と比較して、発光効率の向上と駆動電圧の低下が図られることが確認された。これにより、保護層16bを設けることで、混合層16aの酸化が防止され、当該混合層16aにおける電子注入性を維持できる効果が確認された。
次に、図3には、各実施例1〜6および比較例1,2の構成の有機電界発光素子について、駆動時間(Operating Time)−相対輝度(Relative Luminance)を測定した結果を示す。この結果から、本発明のバッファ層15と、混合層16aを備えた電子注入層16との積層構造を有する実施例1〜6の有機電界発光素子は、このような積層構造を備えていない比較例1の有機電界発光素子よりも、発光寿命の向上が図られることが確認された。
また、電子注入層16の混合層16a上に保護層16bを設けた実施例1〜5の有機電界発光素子では、保護層16bを設けていない実施例6の有機電界発光素子と比較して、発光寿命の向上が図られることが確認された。このことからも、保護層16bを設けることで、混合層16aの酸化が防止され、当該混合層16aにおける電子注入性を維持できる効果が確認された。
また、図3に見られるように、保護層16bをそれぞれの材料で構成した実施例1〜5の有機電界発光素子においては、相対輝度の低下率がほぼ同一であった。このことから、発光寿命に関しては、保護層15に用いる有機材料の種類は発光寿命にはほとんど影響せず、電子注入層の酸化を防いだことによる長寿命化効果が支配的であることがわかった。これに対して、保護膜15cを設けていない実施例6については、電子輸送性が相対的に低いAlq−Mg混合層16aを直接、酸素雰囲気下にさらしたことが影響し、実施例1〜5と比較して大幅に寿命が短くなる結果となった。
ここで、比較例2に示した、電子注入層16にBCP−Mg混合層16aを用いた有機電界発光素子であるが、表1に示す結果からは、発光効率および駆動電圧については、最も有利な結果となり、また充分な透過率が得られることも確認された。尚、透過率については、上部電極17のスパッタリング成膜時に酸素雰囲気下にさらされることにより、結果的に透過率が向上したためである。しかしながら、図3に示すように、この比較例2については、十分な発光寿命が得られていない。これは、非常に電子輸送性が非常に高いBCP−Mgを混合層16aとして、電子輸送層14d近くに配置したことにより、正孔と電子のバランスが適正ではなくなり素子寿命は大幅に悪化した結果である。
そして以上の結果から、電子注入性を主体的に支配する混合層16aと、上部電極17のスパッタリング成膜時に混合層16aを酸化から防ぐ保護層16bを適正に組み合わせることにより、有機電界発光素子11に求められる素子特性の全て、つまり発光効率、駆動電圧、発光寿命を十分に確保できることが確認された。
また特に、電子輸送層14dの上に設ける電子注入層16の層構成を、電子輸送層14dと同程度の電子輸送性を有する混合層16aと、これよりも電子輸送性が高い保護像16bを積層した構成とすることで、初期効率、駆動電圧、発光寿命全てに関して良好な有機電界発光素子11が得られることが確認された。
実施形態の有機電界発光素子の構成を示す断面模式図である。 実施例1,2および比較例1の有機電界発光素子における駆動時間−駆動電圧の関係を示すグラフである。 各実施例および比較例の有機電界発光素子における駆動時間−相対輝度の関係を示すグラフである。
符号の説明
10…基板、11…有機電界発光素子、13…下部電極、14…有機層、14c…発光層、15…電子注入層16a…バッファ層、15b…混合層、15c…保護層、16…上部電極

Claims (10)

  1. 基板上に設けられた下部電極と、少なくとも発光層を備えて当該下部電極上に設けられた有機層と、当該有機層上に設けられた透明導電膜からなる上部電極とを備えた有機電界発光素子において、
    前記有機層と上部電極との間には、
    絶縁性材料からなるバッファ層と、
    電子輸送性を有する有機材料と電子注入特性を有する金属材料とからなる混合層を備えた電子注入層と、
    が前記有機層側から順に積層されている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記バッファ層は、電子注入特性を有する金属材料を含有する
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記バッファ層は、LiFからなる
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  4. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記混合層を構成する有機材料は、前記有機層における発光層の上部に設けられた電子輸送層を構成する有機材料と同程度の電子輸送性を備えている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  5. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記電子注入層は、前記混合層と前記上部電極との間に、さらに電荷輸送性を有する保護層を設けてなる
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  6. 請求項5記載の有機電界発光素子において、
    前記保護層は、電子注入特性を有する金属材料を用いて構成されている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  7. 請求項5記載の有機電界発光素子において、
    前記保護層は、電子注入特性を有する金属材料と共に、有機材料を用いて構成されている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  8. 請求項7記載の有機電界発光素子において、
    前記保護層を構成する有機材料は、前記混合層を構成する有機材料よりも電子輸送性が高い
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  9. 請求項7記載の有機電界発光素子において、
    前記保護層に含有される有機材料は、下記式(1)に示す有機材料である
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2006287078
    [ただし、式(1)中において、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、アリールアミノ基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニルエステル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルキル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルケニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルコキシル基、炭素数30以下の置換あるいは無置換のアリール基、炭素数30以下の置換あるいは無置換の複素環基、ニトリル基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれる置換基であり、隣接するRm(m=1〜6)は環状構造を通じて互いに結合してもよい。またX1〜X6はそれぞれ独立に炭素もしくは窒素原子である。]
  10. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記バッファ層および前記電子注入層は、波長帯域440〜700nmにおける透過率が85%以上となるように各層の膜厚が設定されている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
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