JP2006286471A - 電池の製造方法及び電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の外装部材としてのラミネートフィルムにおいて、金属箔が表面に露出することを防止し金属箔の短絡や腐食を防止する。
【解決手段】貼着する上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212aの周縁部を傾斜面213a及び214aとして形成しておき、例えばこれらが対向するように上部ラミネートフィルム及び下部ラミネートフィルムを配置して、ヒートシーラー301により上下より加圧及び加熱する。これにより、上部ラミネートフィルムと下部ラミネートフィルムは溶着され、溶融樹脂が傾斜面213a及び214aで規定される空間215aに溶出する。これを、型302で押えて、溶融樹脂が傾斜面213a及び214aで規定される空間に充填されるように成形する。これにより、上部ラミネートフィルムと下部ラミネートフィルムが封止されるとともに、その周端面も樹脂216aで被覆され、フィルム内部の金属箔は露出しない。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えば電極板を有する発電要素が外装部材に収容されて封止され、前記外装部材の外周縁から電極端子が導出した薄型二次電池等の電池の製造方法、及び、その電池に関する。
セパレータを介して正極板と負極板とを交互に積層した発電要素を外装部材の内部に収容して封止し、正極板及び負極板に接続された電極端子を外装部材の外周縁から導出させた積層型の薄型電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような薄型電池の外装部材としては、通常、金属箔の表裏両面に樹脂層を形成したラミネートフィルムが用いられる。しかし、中間層として金属箔を有するラミネートフィルムは、切断した際に端面に金属箔が露出することになり、この箇所から金属箔が腐食する恐れがある。そのため、金属箔が切断面に露出していないラミネートフィルムの外周を溶着して発電要素を封止することが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−259859号公報 特開平8−315787号公報
しかしながら、通常、このような電池の外装部材として使用されるラミネートフィルムは、コストや生産効率等の点から、金属箔の表裏両面に樹脂層が形成されたシート状のラミネートフィルムを、電池の大きさ等に合わせて所望の大きさに切断して使用している。そのため、切断した個々のフィルムに金属箔が露出しないような加工を施すことは実質的に困難であり、外装部材としてのラミネートフィルムの金属箔の腐食に係る課題については、有効な解決策が無かった。
また、金属箔が露出していると、これが電池周囲の部材と接触して電気的に短絡し、電池の性能や寿命に悪影響を与える可能性があり、好ましい状態とは言えなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、外装部材として用いるラミネートフィルムの金属箔が表面に露出することを防止し、これによる金属箔の短絡や腐食を防止し、高品質、高性能、長寿命で品質の安定した薄型電池を製造することのできる電池の製造方法及びそのような電池を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係る電池の製造方法は、発電要素と、前記発電要素を収容する外装部材であって、金属箔の表裏両面に樹脂層が形成されたフィルムにより一部又は全部が構成され、複数の前記フィルムのフィルム面を当該フィルムの周縁部において貼着することにより前記発電要素を収容した内部を封止する外装部材とを有する電池の製造方法であって、前記複数のフィルムの周縁部を、当該フィルムの厚み方向において所定の角度で傾斜した傾斜面として形成し、前記複数のフィルムを、前記傾斜面として形成された前記周縁部同士を揃え、当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置し、当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層が溶着するとともに当該樹脂層の一部が前記複数のフィルムの前記周縁部の前記傾斜面を被覆するように、前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から、加圧又は加熱あるいはその両方を作用させ、当該周縁部を封止する。
このような電池の製造方法では、金属箔の端面(断面)を含むフィルムの周端面をフィルムの樹脂により被覆するように、フィルムの貼着部に加圧あるいは加熱している。従って、金属箔の露出を防ぐことができる。また、そのフィルム周縁部を傾斜面として形成しているので、中間層たる金属箔の露出部分は、最先端(最周端)ではなくなり、樹脂層が必ずさらに周縁部に存在することになる。従って、この点においても基本的に短絡の危険性が大幅に減少する。
また、そのようにフィルム周縁部を傾斜面として形成することにより、溶融樹脂の案内や被覆が容易かつ確実になり、安定して高品質の電池が製造できる。
好適には、前記フィルムの前記周縁部の前記傾斜面は、前記複数のフィルムの前記周縁部同士を揃え、当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置した時に、前記各フィルムの、他の前記フィルムと接する前記樹脂層と前記金属箔を挟んで反対側となる外側の前記樹脂層が当該周縁部の最端縁となり、前記各フィルムの、前記他のフィルムと接する内側の前記樹脂層の前記他のフィルムとの接合面が前記最端縁から最も遠い位置となるような傾斜面として形成される。
そのような場合の具体的な一好適例として、前記周縁部の封止は、前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から加圧及び加熱を行い、当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層を溶融させて前記複数のフィルムを溶着させ、前記複数のフィルムの周縁部から溶出した前記接合面の前記樹脂層に係る樹脂が、当該複数のフィルムの前記傾斜面により規定される空間に充填されるように、前記溶出した前記樹脂を押圧して成形することにより行う。
また、そのような場合の具体的な他の一好適例として、前記周縁部の封止は、前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から加圧及び加熱を行い、当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層を溶融させて前記複数のフィルムを溶着させ、前記各フィルムの傾斜面の裏面となる前記各フィルムの前記外側の樹脂層を前記他のフィルム方向に押圧することにより、前記複数のフィルムの前記傾斜面が対向するように前記各フィルムの周縁部を変形し、当該対向するように変形された前記傾斜面の間に、前記複数のフィルムの周縁部から溶出した前記接合面の前記樹脂層に係る樹脂を案内し、当該樹脂により前記傾斜面を被覆すると同時に、前記複数のフィルムの前記傾斜面が対向した状態で維持されるように前記各フィルムの周縁部を前記変形した状態で溶着することにより行う。
また好適には、前記フィルムの前記周縁部の前記傾斜面は、前記複数のフィルムの前記周縁部同士を揃え、当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置した時に、前記各フィルムの、他の前記フィルムと接する内側の前記樹脂層の当該他の前記フィルムとの接合面が当該周縁部の最端縁となり、前記各フィルムの、前記内側の前記樹脂層と前記金属箔を挟んで反対側となる外側の前記樹脂層が前記最端縁から最も遠い位置となるような傾斜面として形成される。
そのような場合の具体的な一好適例として、前記周縁部の封止は、前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から加圧及び加熱を行い、当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層を溶融させて前記複数のフィルムを溶着させ、前記複数のフィルムの周縁部から溶出した前記接合面の前記樹脂層に係る樹脂を、当該複数のフィルムの前記傾斜面に沿った形状の型により当該傾斜面に沿って層状に案内し、当該傾斜面を被覆する樹脂層として成形することにより行う。
また、本発明に係る電池は、発電要素と、前記発電要素を収容する外装部材であって、金属箔の表裏両面に樹脂層が形成されたフィルムにより一部又は全部が構成され、複数の前記フィルムのフィルム面を当該フィルムの周縁部において貼着することにより前記発電要素を収容した内部を封止している外装部材とを有する電池あって、前記複数のフィルムの前記周縁部の端面は、当該フィルムの厚み方向において所定の角度で傾斜した傾斜面として形成されており、前記傾斜面として形成された前記複数のフィルムの前記周縁部同士が揃えられ、当該周縁部近傍のフィルム面が接合されて、当該接合された複数のフィルムの接合面の前記樹脂層により当該フィルム同士が溶着されており、前記接合された複数のフィルムの周縁部の端面の前記傾斜面が、前記樹脂層の樹脂により被覆されている。
本発明によれば、外装部材として用いるラミネートフィルムの金属箔が表面に露出することを防止し、これによる金属箔の短絡や腐食を防止し、高品質、高性能、長寿命で品質の安定した薄型電池を製造することのできる電池の製造方法及びそのような電池を提供することができる。
第1実施形態
本発明の第1実施形態の薄型電池について、図1〜図8を参照して説明する。
まず、その薄型電池の全体構成について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、その薄型電池10の全体斜視図であり、図2は、その薄型電池10の上面図(平面図)であり、図3は、図2のII−II線に沿った断面図であり、図4は、図3のIII−III線に沿った断面図である。
図1〜図4に示す薄型電池10は、リチウム系の平板状積層タイプの薄型二次電池である。この薄型電池10を単位電池とし、これを所望の数だけ複数積層することにより、所望の出力電圧で所望の容量の組電池が構成される。
薄型電池10は、図3及び図4に示すように、3枚の正極板101、5枚のセパレータ102、3枚の負極板103、正極端子104、負極端子105(正極端子104及び負極端子105は図3にのみ示す)、上部外装部材106、下部外装部材107及び図示しない電解質を有する。なお、以下の説明において、このうち正極板101、セパレータ102及び負極板103を積層したものを電極群109と称し、さらに、電極群109と電解質とを含めて発電要素108と称する。
正極板101は、正極端子104まで伸びている正極側集電体101aと、正極側集電体101aの一部の両主面にそれぞれ形成された正極層101b、101cとを有する。なお、正極板101の正極層101b、101cは、正極側集電体101aの全体の両主面に亘って形成されているのではなく、図3に示すように、セパレータ102に重なる部分のみに形成される。
正極板101の正極側集電体101aは、例えばアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔又はニッケル箔等の電気化学的に安定した金属箔で形成される。また、正極板101の正極層101b、101cは、例えばニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)又はコバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物等の正極活物質と、カーボンブラック等の導電剤と、ポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョン等の接着剤とを混合したものを、正極側集電体101aの一部の両主面に塗布し、乾燥及び圧延することにより形成されている。
発電要素108を構成する負極板103は、負極端子105まで伸びている負極側集電体103aと、当該負極側集電体103aの一部の両主面にそれぞれ形成された負極層103b、103cとを有する。なお、負極板103の負極層103b、103cは、負極側集電体103aの全体の両主面に亘って形成されているのではなく、図3に示すように、セパレータ102に重なる部分のみに形成される。
負極板103の負極側集電体103aは、例えばニッケル箔、銅箔、ステンレス箔又は鉄箔等の電気化学的に安定した金属箔で形成される。また、負極板103の負極層103b、103cは、例えば非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素又は黒鉛等のような正極活物質のリチウムイオンを吸蔵及び放出する負極活物質に、有機物焼成体の前駆体材料としてのスチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンを混合し、乾燥し、粉砕し、炭素粒子表面に炭化したスチレンブタジエンゴムを担持させたものを主材料とする。負極板103b、103cは、これにアクリル樹脂エマルジョン等の結着剤をさらに混合し、この混合物を負極側集電体103aの一部の両主面に塗布し、乾燥及び圧延させることにより形成される。
負極活物質として非晶質炭素や難黒鉛化炭素を用いると、急激な出力低下が無いので、電気自動車の電源として用いると有利である。
発電要素108のセパレータ102は、正極板101と負極板103との短絡を防止するもので、電解質を保持する機能を備えていてもよい。このセパレータ102は、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって層の空孔が閉塞され電流を遮断する機能も有する。
なお、セパレータ102は、ポリオレフィン等の単層膜に限られず、ポリプロピレン膜をポリエチレン膜で挟持して形成した3層構造の膜や、ポリオレフィン微多孔膜と有機不織布等を積層した膜等を用いることもできる。このようにセパレータ102を複層化することで、過電流の防止機能、電解質保持機能及びセパレータの形状維持(剛性向上)機能等の諸機能を付与することができる。
以上の発電要素108は、セパレータ102を介して正極板101と負極板103とが交互に積層されている。そして、3枚の正極板101は、正極側集電体101aを介して、金属箔製の正極端子104にそれぞれ接続される。また、3枚の負極板103は、負極側集電体103aを介して、同様に金属箔製の負極端子105にそれぞれ接続される。
なお、発電要素108の正極板101、セパレータ102及び負極板103の枚数は、上記の枚数に限定されない。例えば、1枚の正極板101、3枚のセパレータ102及び1枚の負極板103でも発電要素108を構成することができ、必要に応じて正極板、セパレータ及び負極板の枚数を選択して構成することができる。
正極端子104も負極端子105も電気化学的に安定した金属材料であれば特に限定されないが、正極端子104としては、上述の正極側集電体101aと同様に、例えばアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔又はニッケル箔等を挙げることができる。また、負極端子105としては、上述の負極側集電体103aと同様に、例えばニッケル箔、銅箔、ステンレス箔又は鉄箔等を挙げることができる。
また、本実施形態では、電極板101、103の集電体101a、103aを構成する金属箔自体を電極端子104、105まで延長することにより、電極板101、103を電極端子104、105に直接接続しているが、電極板101、103の集電体101a,103aと、電極端子104、105とを、集電体101a、103aを構成する金属箔とは別の材料や部品により接続してもよい。
発電要素108は、上部外装部材106及び下部外装部材107(外装部材)に収容されて封止されている。
本実施形態における上部外装部材106及び下部外装部材107は、例えばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン又はアイオノマー等の耐電解液性及び熱溶着性に優れた樹脂により形成された内側層としての溶着樹脂シートと、例えばアルミニウム等の金属箔と、例えばナイロン等のポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂により形成された外側層としての表面樹脂シートとの3層構造のラミネートフィルムである。
この上部外装部材106及び下部外装部材107に適用されるラミネートフィルムの製造方法を図5に示す。
図5(A)に示すように、ラミネートフィルム200は、これを構成する溶着樹脂シート201、金属箔202及び表面樹脂シート203が各々ドラムから引き出され、層状に重ねられ、ローラーヒータによって溶着されることにより形成される。この際、金属箔202と溶着樹脂シート201又は表面樹脂シート203との間に接着剤を塗布しておくようにしてもよい。
また、1枚のフィルム上に形成されたラミネートフィルム200は、図5(B)に示すように適宜所望の大きさに裁断されて、上部外装部材106又は下部外装部材107として使用される。本発明に係る薄型電池10及びその製造方法は、このラミネートフィルム200の裁断方法にも特徴を有するものであるが、これについては後に上部外装部材106及び下部外装部材107の封止方法の説明の際に詳述する。
外装部材が、樹脂層に加えて金属層を具備することにより、外装部材自体の強度向上を図ることが可能となる。また、外装部材の内側層を、例えばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン又はアイオノマー等の樹脂で構成することにより、金属製の電極端子との良好な溶着性を確保することが可能となる。
次に、このような構成の薄型電池10の全体の製造方法の概略について、図6を参照して説明する。
まず、電解質を除く発電要素108、すなわち正極板101、セパレータ102及び負極板103を図3に示したように積層する(工程S1)。前述したように、積層したものが電極群109である。
次に、積層した電極群109に正極端子104及び負極端子105を溶接する(工程S2)。
次に、凹形状に形成した上部外装部材106に正極端子104及び負極端子105を溶接した電極群109を収容する(工程S3)。
次に、上部外装部材106の開口側に下部外装部材107を合わせることにより、発電要素108、正極端子104の一部及び負極端子105の一部を上部外装部材106及び下部外装部材107により包み込む(工程S4)。
そして、外装部材106、107により形成される空間に有機液体溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウムや六フッ化リン酸リチウム等のリチウム塩を溶質とした液体電解質を注入しながら、外装部材106、107により形成される空間を吸引して真空状態とし、外装部材106、107の外周縁を熱プレスにより熱溶着して封止する(工程S5)。
なお、封止された外装部材106、107の一方の端部から正極端子104を導出し、他方の端部から負極端子105を導出するため、電極端子104、105の厚さ分だけ上部外装部材106と下部外装部材107との溶着部に隙間が生じる。そこで、薄型電池10内部の封止性を維持するために、電極端子104、105と外装部材106、107とが接触する部分に、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等から構成されたシールフィルムを介在させるのも好適である。このシールフィルムは、正極端子104及び負極端子105のいずれにおいても、外装部材106、107を構成する樹脂と同系統の樹脂で構成することが熱溶着性の観点から好ましい。
また、有機液体溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)やメチルエチルカーボネート等のエステル系溶媒を挙げることができるが、本発明の有機液体溶媒はこれに限定されること無く、エステル系溶媒に、γ−ブチラクトン(γ−BL)、ジエトシキエタン(DEE)等のエーテル系溶媒その他を混合、調合した有機液体溶媒を用いることもできる。
次に、このような薄型電池10における、本発明に係る上部外装部材106及び下部外装部材107の外周溶着部及びその溶着方法について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、第1実施形態に係る薄型電池10の上部外装部材106及び下部外装部材107としてのラミネートフィルム200a(200)の裁断時の端面の形状を示す図である。
また図8は、上部外装部材106及び下部外装部材107の溶着工程及び溶着された薄型電池10の周縁部を示す図である。
第1実施形態の薄型電池10においては、上部外装部材106及び下部外装部材107としてのラミネートフィルム200aの周縁部を、図7に示すような形状に裁断する。すなわち、ラミネートフィルム200aの厚み方向(断面方向)において、表面樹脂シート203aの側から溶着樹脂シート201aの側に向かうにつれてラミネートフィルム200aの周縁部から内部方向(発電要素108が収容される方向)に切れ込むように傾斜した形状に裁断する。なお、この裁断は、前述したラミネートフィルム200の製造工程において、特に図5(B)に示したラミネートフィルム200の裁断工程において行う。
このように裁断したラミネートフィルム200aの溶着工程について、図8を参照して説明する。
まず、図8(A)に示すように、凹部に電極群109を収容した上部外装部材106としてのラミネートフィルム(上部ラミネートフィルム211a)と下部外装部材107としてのラミネートフィルム(下部ラミネートフィルム212a)とを重ね合わせて配置し(図6工程S4参照)、その周縁部(シール部)をヒートシーラー301間に配置する。その際、上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212aの各周縁部の傾斜裁断面213a及び214aが対向するように上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aとを合わせて配置する。換言すれば、上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aとを発電要素108(電極群109)を包み込むようにして合わせた時に、各フィルムの溶着樹脂部205a及び206a(各々ラミネートフィルム200aの溶着樹脂シート201a)が接触面となり、各フィルムの周縁部の傾斜面が対向するように、ラミネートフィルムの裁断工程において予め上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212aを裁断しておく。
なお、上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aとをこのように配置することにより、その傾斜面213a及び214aとの間には、三角形形状の空間215aが形成される。
上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aとを合わせて配置したら、図8(B)に示すように、ヒートシーラー301による加圧及び加熱を開始する。
ヒートシーラー301による加圧及び加熱を開始すると、図8(C)に示すように、上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aの接触面に配置されている各フィルムの溶着樹脂部205a及び206aが軟化し、薄く変形して、端面の外側の上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aとの間の空間215aに押し出される(押し出された樹脂を溶融樹脂216a又は単に樹脂216aと称する)。このような状態になり始めた時点で、図8(C)に示すようにヒートシーラー301の間に型302を挿入する。なお、型302はヒートシーラー301による加圧及び加熱を開始する図8(B)の時点で挿入しておいてもよい。
その後、ヒートシーラー301による加熱を継続し、空間215aにある程度の樹脂が溶け出した時点で、図8(D)に示すように、型302を上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212a方向に移動させて、溶融樹脂216aを空間215aに沿った形状に成形する。その結果、溶融樹脂216aは上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aの周縁端面をほぼ被覆した状態となる。また、これにより、上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212aの金属箔202aの端面も、溶融樹脂216aにより被覆された状態となり、外部には露出しない状態となる。
最終的に、ヒートシーラー301及び型302を取り外すことにより、上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aとを接合した薄型電池10の周面シール部の周縁部は、図8(E)に示すように、その端面が樹脂216aにより被覆された状態に加工される。
このように上部外装部材106及び下部外装部材107としての各ラミネートフィルムの周縁面を加工することにより、ラミネートフィルムの中間層を形成する金属箔が表面に露出することを防止することができる。その結果、金属箔が外部の部材と接触して電気的に短絡する等の事態を防止することができる。また、金属箔が腐食し、薄型電池10の外装部材106及び107が劣化する等の事態を防止することができる。これにより、高品質、高性能、長寿命で品質の安定した薄型電池10を提供することができる。
また、特に第1実施形態の薄型電池10においては、上部外装部材106と下部外装部材107の接合部(シール部)の周縁部の上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aの周縁部の傾斜部213a及び214aを対向させることにより、上部ラミネートフィルム211aと下部ラミネートフィルム212aとの間に空間215aを形成し、ここに溶融樹脂216aを案内して型302により成形している。すなわち、溶融樹脂216aを収容し成形する領域が予め規定されており、溶融樹脂216aによる上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212aの封止に際して無理な力が上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212aに作用することが無い。従って、上部ラミネートフィルム211a及び下部ラミネートフィルム212aの封止を含むこれらの周縁部の加工処理を、高い歩留まりで、すなわち欠陥が少なく高品質かつ安定して行うことができる。
第2実施形態
本発明の第2実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。
第2実施形態の薄型電池の全体構成及び全体の製造方法は、前述した第1実施形態の薄型電池の構成及び製造方法とほぼ同じである。従って、ここではその説明は省略する。但し、図1〜図6及びこれらの図面で使用した符号は、第1実施形態と同一の構成及び対応する構成について適宜同じ符号を用いる。
第2実施形態の薄型電池も、第1実施形態と同じ構造のラミネートフィルム200(図5等参照)を用いて発電要素108(図6等参照)を被覆、収容した構成の電池である。しかし、第2実施形態の薄型電池は、上部外装部材106及び下部外装部材107としての各ラミネートフィルム200の電池外周での溶着部(シール部)の構成及びその溶着方法が、第1実施形態の薄型電池とは異なる。
以下、第2実施形態の薄型電池の上部外装部材106と下部外装部材107の溶着部の構成及び溶着方法について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、第2実施形態に係る薄型電池の上部外装部材106及び下部外装部材107として用いるラミネートフィルム200bの裁断時の端面の形状を示す図である。
また図10は、上部外装部材106及び下部外装部材107としての上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの溶着工程及び溶着された薄型電池の周縁部を示す図である。
第2実施形態の薄型電池においては、前述したラミネートフィルム200bの周縁部を図9に示すような形状に裁断する。すなわち、ラミネートフィルム200bの厚み方向(断面方向)において、溶着樹脂シート201の側から表面樹脂シート203の側に向かうにつれて、裁断面がラミネートフィルム200bの周縁部から内部方向(発電要素108が収容される方向(図4等参照))に切れ込むように傾斜した形状となるように裁断する。なお、この裁断は、前述したラミネートフィルム200bの製造工程において、特に図5(B)に示したラミネートフィルム200bの裁断工程において行う。
このように裁断したラミネートフィルム200bの溶着工程について、図10を参照して説明する。
まず、図6に工程S4として示したように、凹部に電極群109を収容した上部外装部材106としてのラミネートフィルム(上部ラミネートフィルム211b(図10))と下部外装部材107としてのラミネートフィルム(下部ラミネートフィルム212b(図10))とを重ね合わせて配置し、その周縁部(シール部)を、図10(A)に示すように、ヒートシーラー301間に配置する。その際、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bとは、上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの各周縁部の傾斜裁断面213b及び214bが互いに反対方向を指向するように、すなわち、各々自フィルムを加圧するヒートシーラー301方向を指向するように、重ね合わせて配置する。
換言すれば、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bとを発電要素108(電極群109)を包み込むようにして合わせた時に、各フィルムの溶着樹脂部205b及び206b(各々ラミネートフィルム200の溶着樹脂シート201)が接触面となり、各フィルムの周縁部の傾斜面が外側(反対方向)を指向するように、裁断工程において予め上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bを裁断しておく。
上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bとを重ね合わせて配置したら、図10(B)に示すように、ヒートシーラー301による加圧及び加熱を開始する。
ヒートシーラー301による加圧及び加熱を開始すると、図10(C)に示すように、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bの接触面に配置されている各フィルムの溶着樹脂部205b及び206bが軟化し、薄く変形して、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bとの間から外側に押し出される(押し出された樹脂を溶融樹脂216b又は単に樹脂216bと称する)。
このような状態になり始めた時点で、図10(C)に示すようにヒートシーラー301の間に型303を挿入する。本実施形態で使用する型303は、厚み方向の形状が、図10(C)に示すように、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bとの接合面の端部(先端部)を底部とし、上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの傾斜面(裁断面)にほぼ沿った傾斜した側面を有するV字形状の断面を有する型である。なお、電池面(平面)内においては、型303は、ヒートシーラー301とともに薄型電池の外周に沿って配置される。
なお、型302はヒートシーラー301による加圧及び加熱を開始する図10(B)の時点で挿入しておいてもよい。
その後、ヒートシーラー301による加熱を継続し、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bとの接合部からある程度の樹脂216bが溶け出した時点で、図10(D)に示すように、型303を上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212b方向に移動させて、溶融樹脂216bにより上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの厚み方向の周端面(傾斜裁断面)が被覆される状態とする。すなわち、溶融樹脂216bによる層を、型303に沿った形状で上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bの接合部の周端面に形成する。
溶融樹脂216bをこのように形成するためには、型303を上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの周端面からわずかに離した位置に配置し、上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bと型303との間に間隙を形成し、ここに溶融樹脂216bを案内するようにすればよい。あるいはまた、型303のV字溝(型)の傾斜面の角度を、上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの傾斜面の角度と若干異ならせておくことにより、型303をラミネートフィルム211b及び212bにほぼ接触させた時に上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの各傾斜面と型303との間に間隙が生じるようにしておき、この間隙に溶融樹脂216bを案内するようにしてもよい。
いずれにしても、このような型303により溶融樹脂216bを成形し、最終的にヒートシーラー301及び型303を取り外すことにより、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bとを接合した薄型電池の周面シール部の周縁部は、図10(E)に示すように、その周端面が樹脂216bにより被覆された状態に加工される。また、これにより、上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの金属箔202bの端面も、溶融樹脂216bにより被覆された状態となり、外部には露出しない状態となる。
このように上部外装部材106及び下部外装部材107としての各ラミネートフィルム211b及び212bの周縁面を加工することにより、第1実施形態と同様に、ラミネートフィルムの中間層を形成する金属箔が表面に露出することを防止することができる。その結果、金属箔が外部の部材と接触して電気的に短絡する等の事態を防止することができる。また、金属箔が腐食し、薄型電池の外装部材106及び107が劣化する等の事態を防止することができる。これにより、高品質、高性能、長寿命で品質の安定した薄型電池を提供することができる。
また、特に第2実施形態の薄型電池においては、上部ラミネートフィルム211bと下部ラミネートフィルム212bの周端面の傾斜部213b及び214bが相互に外側を指向するように配置されており、その結果、これら上下のフィルムの接触面となる各フィルムの溶着樹脂部205b及び206bが最も周縁部に突出した状態となっている。その結果、裁断面に露出した金属箔202bも、外側を指向していることになり、これらが相互に短絡しにくくなるという利点がある。
また、そのように(例えば図10(A)に示すように)上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bを配置した時点で、既に樹脂216bがラミネートフィルムの接合面から飛び出した状態となっており、上下のラミネートフィルム211b及び212bの周端面を封止するための樹脂の供給が容易である。すなわち、ヒートシーラー301により無理に加圧すること無く、ある程度の樹脂216bが供給されることになり好適である。
また、上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの周端面の封止は、上部ラミネートフィルム211b及び下部ラミネートフィルム212bの傾斜面に沿った形状の型303を用いており、傾斜面に沿った薄い層により封止を行っている。従って、この点でも封止に必要な樹脂の量が少なくてすむという利点もある。
第3実施形態
本発明の第3実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。
第3実施形態の薄型電池の全体構成及び全体の製造方法も、前述した第1実施形態の薄型電池の構成及び製造方法とほぼ同じである。従って、ここではその説明は省略する。但し、第2実施形態と同様に、図1〜図6及びこれらの図面で使用した符号は、第1実施形態と同一の構成及び対応する構成について適宜同じ符号を用いる。
第3実施形態の薄型電池も、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構造のラミネートフィルム200(図5等参照)を用いて発電要素108(図6等参照)を被覆、収容した構成の電池である。しかし、第3実施形態の薄型電池は、上部外装部材106及び下部外装部材107としての各ラミネートフィルム200cの電池外周での溶着部(シール部)の構成及びその溶着方法が、第1実施形態及び第2実施形態の薄型電池とは異なる。
以下、第3実施形態の薄型電池の上部外装部材106と下部外装部材107の溶着部の構成及び溶着方法について、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、第3実施形態に係る薄型電池の上部外装部材106及び下部外装部材107としての上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの溶着工程及び溶着された薄型電池の周縁部を示す図である。
また図12は、上部外装部材106と下部外装部材107との溶着に用いるヒートシーラーの形状を示す図である。
第3実施形態の薄型電池においては、前述したラミネートフィルム200cの周縁部を、第1実施形態の薄型電池の場合と同じく図7に示すような形状に裁断する。すなわち、ラミネートフィルム200cの厚み方向(断面方向)において、表面樹脂シート203の側から溶着樹脂シート201の側に向かうにつれて、裁断面がラミネートフィルム200cの周縁部から内部方向(発電要素108が収容される方向(図4等参照))に切れ込むように傾斜した形状となるように裁断する。なお、この裁断は、前述したラミネートフィルム200cの製造工程において、特に図5(B)に示したラミネートフィルム200の裁断工程において行う。
このように裁断したラミネートフィルム200cの溶着工程について、図11を参照して説明する。
まず、図6に工程S4として示したように、凹部に電極群109を収容した上部外装部材106としてのラミネートフィルム(上部ラミネートフィルム211c(図10))と下部外装部材107としてのラミネートフィルム(下部ラミネートフィルム212c(図10))とを重ね合わせて配置し、その周縁部(シール部)を、図10(A)に示すように、ヒートシーラー304間に配置する。その際、上部ラミネートフィルム211cと下部ラミネートフィルム212cとは、上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの各周縁部の傾斜裁断面213c及び214cが互いに反対方向を指向するように、すなわち、各々自フィルムを加圧するヒートシーラー304方向を指向するように、重ね合わせて配置する。
ここで、前述した第1実施形態及び第2実施形態においては、ヒートシーラー301は、図8及び図10に示したように、平板面により上部ラミネートフィルム211aあるいは211b、及び、下部ラミネートフィルム212aあるいは212bを加圧し、加熱した。しかし、本実施形態においては、図12に示すように端部が傾斜して凸形状に出っ張った形状のヒートシーラー304により、上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの周縁の封止部分を、加圧及び加熱し封止する。
図12において、(A)はそのヒートシーラー304の形状を示す図であり、(B)は(A)の領域Cの拡大図である。
この際、上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cは、図11(A)に示すように、その上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの傾斜裁断面213c及び214cの範囲にヒートシーラー304の傾斜面305が配置され、傾斜裁断面213c及び214cの先端部(上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの周端部)が、ヒートシーラー304の凸面306側の傾斜開始位置にほぼ等しい位置となるように配置される。
このような状態に上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cを配置したら、図11(B)に示すように、ヒートシーラー304による加圧及び加熱を開始する。ヒートシーラー304による加圧及び加熱を開始すると、上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの傾斜裁断面213c及び214cの背面、すなわち各フィルム211c及び212cの表面樹脂シート203側がヒートシーラー304の傾斜面305に接触し、その傾斜面305により押されて、図11(B)に示すように傾斜面305に沿った形状に変形される。
そして、さらに加圧及び加熱を継続すると、図11(C)に示すように、上部ラミネートフィルム211cと下部ラミネートフィルム212cの接触面に配置されている各フィルムの溶着樹脂部205c及び206cが軟化し、薄く変形して、上部ラミネートフィルム211cと下部ラミネートフィルム212cとの間から外側に押し出される(押し出された樹脂を溶融樹脂216c又は単に樹脂216cと称する)。押し出された溶融樹脂216は、ヒートシーラー304により変形された上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの各傾斜裁断面213c及び214c、及び、上下のヒートシーラー304の凸面306により形成された空間215cに徐々に放出される。
ヒートシーラー304による加圧及び加熱を継続し、上部ラミネートフィルム211cと下部ラミネートフィルム212cとの接合部からある程度の樹脂216cが溶け出すと、この溶融樹脂216は、図11(D)に示すように、上部ラミネートフィルム211c、下部ラミネートフィルム212c及び上下のヒートシーラー304の凸面306により形成された空間215cに充填された状態となる。この時点で、ヒートシーラー304により変形された上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの各傾斜裁断面213c及び214cは、溶融樹脂216により溶着され、また各フィルムの表面樹脂シート203間は、表面樹脂シート203及び溶融樹脂216により封止された状態となる。
そして、最終的にヒートシーラー304を取り外すことにより、上部ラミネートフィルム211cと下部ラミネートフィルム212cとを接合した薄型電池の周面シール部の周縁部は、図11(E)に示すように、その周端面が樹脂216cにより封止された状態に加工される。また、これにより、上部ラミネートフィルム211c及び下部ラミネートフィルム212cの金属箔202cの端面も、溶融樹脂216cにより被覆された状態となり、外部には露出しない状態となる。
このように上部外装部材106及び下部外装部材107としての各ラミネートフィルム211c及び212cの周端面を加工することにより、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、ラミネートフィルムの中間層を形成する金属箔が表面に露出することを防止することができる。その結果、金属箔が外部の部材と接触して電気的に短絡する等の事態を防止することができる。また、金属箔が腐食し、薄型電池の外装部材106及び107が劣化する等の事態を防止することができる。これにより、高品質、高性能、長寿命で品質の安定した薄型電池を提供することができる。
また、特に第3実施形態の薄型電池においては、上部ラミネートフィルム211cと下部ラミネートフィルム212cの周端面の傾斜部213c及び214cが相互に対向する(内側を指向する)ように配置されており、その結果、これら上下のフィルムの表面樹脂部(表面樹脂シート203)が周端部においてもこれらシール部の表面のほとんどの部分を形成することとなる。表面樹脂シート203は、本来薄型電池の表面の露出面となることを想定されて形成された部材であり、腐食等による劣化に強い。従って、上部外装部材106及び下部外装部材107の内部金属箔202が外部と短絡し難くなり、腐食等に対する耐性の強い薄型電池を提供することができる。
なお、本実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
例えば、本実施形態の薄型電池10は、外装部材として、上下から発電要素108を被覆して収容する上部外装部材106及び下部外装部材107を有するものであったが、外装部材の形態は任意である。例えば、1枚のラミネートフィルムを袋状に形成して開口部を封止したような構成や、一部が樹脂等の容器により構成されているような外装部材であってもよい。そのような構成であっても、少なくともいずれかの箇所において、ラミネートフィルムを貼着して封止するような箇所があれば、本発明は適用可能である。
また、前述した実施形態においては、車載用として好ましいリチウム系二次電池を例示したが、その他の任意の電池に対しても適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態の薄型電池の全体斜視図である。 図2は、図1に示した薄型電池の平面図である。 図3は、図1に示した薄型電池の図2のII−IIにおける断面図である。 図4は、図1に示した薄型電池の図2のIII−IIIにおける断面図である。 図5は、図1に示した薄型電池の上部外装部材及び下部外装部材として用いるラミネートフィルムの製造方法を説明するための図である。 図6は、図1に示した薄型電池の製造方法の概略を説明するための図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係る外装部材としてのラミネートフィルムの周縁部の裁断形状を示す図である。 図8は、本発明の第1実施形態としての薄型電池の製造方法における、上部外装部材と下部外装部材の封止方法を示す図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係る外装部材としてのラミネートフィルムの周縁部の裁断形状を示す図である。 図10は、本発明の第2実施形態としての薄型電池の製造方法における、上部外装部材と下部外装部材の封止方法を示す図である。 図11は、本発明の第3実施形態としての薄型電池の製造方法における、上部外装部材と下部外装部材の封止方法を示す図である。 図12は、本発明の第3実施形態としての薄型電池の製造工程において使用するヒートシーラーの形状を説明するための図である。
符号の説明
10…薄型電池
101…正極板
101a…正極側集電体
101b、101c…正極層
102…セパレータ
103…負極板
103a…負極側集電体
103b、103c…負極層
104…正極端子
105…負極端子
106…上部外装部材
107…下部外装部材
108…発電要素
109…電極群
200…ラミネートフィルム
201…溶着樹脂シート
202…金属箔
203…表面樹脂シート
211…上部ラミネートフィルム
212…下部ラミネートフィルム
213,214…傾斜面
215…空間
216…溶融樹脂(樹脂)
301,304…ヒートシーラー
302,303…型
305…傾斜面
306…凸面

Claims (12)

  1. 発電要素と、前記発電要素を収容する外装部材であって、金属箔の表裏両面に樹脂層が形成されたフィルムにより一部又は全部が構成され、複数の前記フィルムのフィルム面を当該フィルムの周縁部において貼着することにより前記発電要素を収容した内部を封止する外装部材とを有する電池の製造方法であって、
    前記複数のフィルムの周縁部を、当該フィルムの厚み方向において所定の角度で傾斜した傾斜面として形成し、
    前記複数のフィルムを、前記傾斜面として形成された前記周縁部同士を揃え、当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置し、
    当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層が溶着するとともに当該樹脂層の一部が前記複数のフィルムの前記周縁部の前記傾斜面を被覆するように、前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から、加圧又は加熱あるいはその両方を作用させ、当該周縁部を封止する
    ことを特徴とする電池の製造方法。
  2. 前記フィルムの前記周縁部の前記傾斜面は、前記複数のフィルムの前記周縁部同士を揃え、当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置した時に、前記各フィルムの、他の前記フィルムと接する前記樹脂層と前記金属箔を挟んで反対側となる外側の前記樹脂層が当該周縁部の最端縁となり、前記各フィルムの、前記他のフィルムと接する内側の前記樹脂層の前記他のフィルムとの接合面が前記最端縁から最も遠い位置となるような傾斜面として形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池の製造方法。
  3. 前記周縁部の封止は、
    前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から加圧及び加熱を行い、当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層を溶融させて前記複数のフィルムを溶着させ、
    前記複数のフィルムの周縁部から溶出した前記接合面の前記樹脂層に係る樹脂が、当該複数のフィルムの前記傾斜面により規定される空間に充填されるように、前記溶出した前記樹脂を押圧して成形する
    ことにより行うことを特徴とする請求項2に記載の電池の製造方法。
  4. 前記周縁部の封止は、
    前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から加圧及び加熱を行い、当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層を溶融させて前記複数のフィルムを溶着させ、
    前記各フィルムの傾斜面の裏面となる前記各フィルムの前記外側の樹脂層を前記他のフィルム方向に押圧することにより、前記複数のフィルムの前記傾斜面が対向するように前記各フィルムの周縁部を変形し、
    当該対向するように変形された前記傾斜面の間に、前記複数のフィルムの周縁部から溶出した前記接合面の前記樹脂層に係る樹脂を案内し、
    当該樹脂により前記傾斜面を被覆すると同時に、前記複数のフィルムの前記傾斜面が対向した状態で維持されるように前記各フィルムの周縁部を前記変形した状態で溶着する
    ことにより行うことを特徴とする請求項2に記載の電池の製造方法。
  5. 前記フィルムの前記周縁部の前記傾斜面は、前記複数のフィルムの前記周縁部同士を揃え、当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置した時に、前記各フィルムの、他の前記フィルムと接する内側の前記樹脂層の当該他の前記フィルムとの接合面が当該周縁部の最端縁となり、前記各フィルムの、前記内側の前記樹脂層と前記金属箔を挟んで反対側となる外側の前記樹脂層が前記最端縁から最も遠い位置となるような傾斜面として形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池の製造方法。
  6. 前記周縁部の封止は、
    前記複数のフィルムの前記周縁部及び前記周縁部近傍に当該フィルムの厚み方向から加圧及び加熱を行い、当該複数のフィルムの接合面の前記樹脂層を溶融させて前記複数のフィルムを溶着させ、
    前記複数のフィルムの周縁部から溶出した前記接合面の前記樹脂層に係る樹脂を、当該複数のフィルムの前記傾斜面に沿った形状の型により当該傾斜面に沿って層状に案内し、当該傾斜面を被覆する樹脂層として成形する
    ことにより行うことを特徴とする請求項5に記載の電池の製造方法。
  7. 発電要素と、
    前記発電要素を収容する外装部材であって、金属箔の表裏両面に樹脂層が形成されたフィルムにより一部又は全部が構成され、複数の前記フィルムのフィルム面を当該フィルムの周縁部において貼着することにより前記発電要素を収容した内部を封止している外装部材と
    を有する電池あって、
    前記複数のフィルムの前記周縁部の端面は、当該フィルムの厚み方向において所定の角度で傾斜した傾斜面として形成されており、
    前記傾斜面として形成された前記複数のフィルムの前記周縁部同士が揃えられ、当該周縁部近傍のフィルム面が接合されて、当該接合された複数のフィルムの接合面の前記樹脂層により当該フィルム同士が溶着されており、
    前記接合された複数のフィルムの周縁部の端面の前記傾斜面が、前記樹脂層の樹脂により被覆されている
    ことを特徴とする電池。
  8. 前記フィルムの前記周縁部の前記傾斜面は、前記複数のフィルムの前記周縁部同士を揃え、当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置した時に、前記各フィルムの、他の前記フィルムと接する前記樹脂層と前記金属箔を挟んで反対側となる外側の前記樹脂層が当該周縁部の最端縁となり、前記各フィルムの、前記他のフィルムと接する内側の前記樹脂層の前記他のフィルムとの接合面が前記最端縁から最も遠い位置となるような傾斜面として形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の電池。
  9. 前記複数のフィルムの前記傾斜面により規定される空間に、前記複数のフィルムの接合面の前記樹脂層に係る樹脂が充填されることにより、前記傾斜面が樹脂により被覆され、前記外装部材が封止されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
  10. 前記複数のフィルムの前記傾斜面が対向するように前記各フィルムの前記周縁部が変形され、当該対向するように変形された前記傾斜面の間に、前記複数のフィルムの接合面の前記樹脂層に係る樹脂が充填されることにより、前記傾斜面が樹脂により被覆され、前記外装部材が封止されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
  11. 前記フィルムの周縁の前記傾斜面は、複数の前記フィルムの前記周縁部同士を揃え当該周縁部近傍のフィルム面を接合して配置した時に、前記各フィルムの、他の前記フィルムと接する内側の前記樹脂層の当該他の前記フィルムとの接合面が当該周縁部の最端縁となり、前記各フィルムの、前記内側の前記樹脂層と前記金属箔を挟んで反対側となる外側の前記樹脂層が前記最端縁から最も遠い位置となるような傾斜面として形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の電池。
  12. 前記複数のフィルムの接合面の前記樹脂層に係る樹脂により、前記傾斜面を被覆する層状の樹脂層が、前記傾斜面に沿って形成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載の電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101501364B1 (ko) * 2012-08-07 2015-03-12 주식회사 엘지화학 2차전지 외장재 및 그 제조방법
KR101772057B1 (ko) 2014-05-30 2017-08-28 주식회사 엘지화학 파우치 케이스 실링 장치 및 방법
WO2022164273A1 (ko) * 2021-01-28 2022-08-04 주식회사 엘지에너지솔루션 전지셀 제조 장치 및 전지셀 제조 방법

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