JP2006286407A - 燃料電池システムとその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】急激な負荷変動による耐久性低下を抑制することのできる燃料電池システムとその制御方法を提供する。
【解決手段】 ガス供給を受けて発電を行う燃料電池スタックを備えた燃料電池システムの制御方法において、負荷要求に応じて燃料電池スタックの負荷電流を第1電流値j1から第2電流値j2に変化させる場合に、負荷電流値およびガス流量値をステップ的に増加または減少させ、このときの負荷電流値及びガス流量値の各ステップ変動率Δj/j、ΔQair(j)/Qair(j)、ΔQfuel(j)/Qfuel(j)が10%以下となるように制御する。
【選択図】 図3
【解決手段】 ガス供給を受けて発電を行う燃料電池スタックを備えた燃料電池システムの制御方法において、負荷要求に応じて燃料電池スタックの負荷電流を第1電流値j1から第2電流値j2に変化させる場合に、負荷電流値およびガス流量値をステップ的に増加または減少させ、このときの負荷電流値及びガス流量値の各ステップ変動率Δj/j、ΔQair(j)/Qair(j)、ΔQfuel(j)/Qfuel(j)が10%以下となるように制御する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ガス供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムとその制御方法に関し、特に、急激な負荷変動に対する燃料電池の耐久性低下の抑制に有効な技術に関する。
ガス供給を受けて発電を行う燃料電池スタックを備えた燃料電池システムにおいては、負荷変動が起きている運転モードで特に顕著にスタックの性能劣化が発生することがわかっている。負荷変動による性能劣化が起きる原因の一つは、負荷変動に際してのスタック電流の変化、それに連動する空気流量、燃料流量の変化が急激に生じ、燃料電池スタックのセル内に設けられた膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )内の含水状態が乱れることにあると考えられる。例えば特許文献1には、負荷変動に伴う供給ガス流量の設定方法が開示されている。
特開平9−147893号公報
急激な負荷変動時に、MEA内の含水状態の乱れ、すなわち、MEA内に水分不足または水分過剰な状態が生じたときに、水分不足による電解質膜の乾き、または水分過剰による拡散層、触媒層内の水詰まりがMEA内の電流集中を引き起こす。これによってガスのクロスオーバー量が増え、空気極の異常電位の発生、電流集中による熱スポットの発生が予想される。
この結果、燃料電池触媒層、電解質膜の劣化が発生し、触媒Ptの凝集、溶出、担体カーボンの酸化が起こる。上記特許文献1に開示のガス流量の制御方法では、急激な負荷変動に伴い供給ガス流量も急激に変化してしまうため、MEAの湿潤状態が悪化し、燃料電池の耐久性低下を招く虞がある。一方、MEAの含水状態は、負荷変動に応じて変化するため、一定に保つには煩雑な制御が必要となる。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、急激な負荷変動による耐久性低下を抑制することができる燃料電池システムとその制御方法を提供することを目的とする。
本発明においては、上記の課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係る燃料電池システムの制御方法は、ガス供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムの制御方法において、負荷要求に応じて前記燃料電池の負荷電流を第1電流値から第2電流値に変化させる場合に、前記燃料電池の負荷電流及び前記燃料電池に供給するガス流量の変動率が所定値以下となるように、前記負荷電流および前記ガス流量をステップ的に増加または減少させる。
また、本発明の燃料電池システムは、ガス供給を受けて発電を行う燃料電池と、負荷要求に応じて前記燃料電池の発電状態を制御する制御装置と、前記燃料電池の負荷電流を検出する負荷電流検出部と、前記燃料電池に供給するガス流量を検出するガス流量検出部と、前記負荷電流を制御する負荷電流制御手段と、前記ガス流量を制御するガス流量制御手段とを備えた燃料電池システムであって、前記制御装置は、前記負荷要求に対応する前記燃料電池の要求負荷電流値及び前記燃料電池に対する要求ガス流量値を求めるとともに、前記負荷電流制御手段を制御することにより、前記負荷電流検出部で検出された現状負荷電流値から前記要求負荷電流値に向かう変動率が所定値以下となるように、前記燃料電池の負荷電流をステップ的に増加または減少させる一方、前記ガス流量制御手段を制御することにより、前記ガス流量検出部で検出された現状ガス流量値から前記要求ガス流量値に向かう変動率が所定値以下となるように、前記燃料電池に供給するガス流量をステップ的に増加または減少させる。
燃料電池の負荷電流やガス流量の変動率が所定値を超えて大きく増減すると、セル内での相対湿度ひいてはセル面内の含水状態が大きく変動し、これに起因して上記課題の欄に記載した様々な問題を引き起こすところ、上記の構成からなる燃料電池システムとその制御方法によれば、負荷電流とガス流量を増減させる際の変動率(変動幅)を所定値以下に抑えることで、煩雑な制御を行わずとも、急激な負荷変動に対するセル面内での含水状態の変化を抑制することができる。
本発明の燃料電池システムとその制御方法においては、前記負荷電流及び前記ガス流量の変動率を、現状電流値及び現状ガス流量値の10%以下、より好ましくは5%以下に設定することができる。
本発明の発明者は、急激な負荷変動に対するセル面内での含水状態の変化をいかにして抑制するかについて鋭意研究を進めてきた結果、セル内での相対湿度が5%よりも大きく変動すると、セル面内の含水状態が大きく変動すること、及び相対湿度の変動を5%以下に抑えるには、燃料電池の負荷電流及びガス流量の変動率を10%以下に抑えればよいことを見出した。したがって、上記の構成からなる燃料電池システムとその制御方法によれば、急激な負荷変動に対するセル面内の含水状態の変化をより確実に抑制することが可能となる。
本発明によれば、燃料電池の負荷電流およびガス流量をステップ的に変動(増減)させ、かつ各ステップの変動率(変動幅)を所定値以下に抑えることで、急激な負荷変動に対してもセル面内の含水状態の変化を抑制することができる。したがって、水分不足による電解質膜の乾き、または水分過剰による拡散層、触媒層内の水詰まりを抑え、燃料電池の耐久性能を向上させることができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムとその制御方法の一実施の形態を説明する。以下、この燃料電池システムとその制御方法を燃料電池車両の車載発電システムに適用した場合について説明するが、本発明はこのような適用例に限らず、例えば燃料電池が建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムへの適用も可能である。
図1は本実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示しており、酸化ガス(供給ガス)としての空気は、空気供給路71を介して燃料電池スタック20の空気供給口に供給される。空気供給路71には、空気から微粒子を除去するエアフィルタA1、空気を加圧するコンプレッサA3、供給空気圧を検出する圧力センサP4、及び空気に所要の水分を加える加湿器A21が設けられている。
コンプレッサA3は、モータ(補機)によって駆動される。このモータは、後述の制御装置50によって駆動制御される。なお、エアフィルタA1には空気流量を検出する図示省略のエアフローメータ(流量計)が設けられる。
燃料電池スタック20から排出される空気オフガスは、排気路72を経て外部に放出される。排気路72には、排気圧を検出する圧力センサP1、圧力調整弁A4、及び加湿器A21の熱交換器が設けられている。圧力センサP1は、燃料電池スタック20の空気排気口近傍に設けられている。圧力調整弁(減圧弁)A4は、燃料電池スタック20への供給空気の圧力(空気圧)を設定する調圧器として機能する。
圧力センサP4,P1の図示しない検出信号は、制御装置50に送られる。制御装置50は、コンプレッサA3及び圧力調整弁A4を調整することによって、燃料電池スタック(燃料電池)20への供給空気圧や供給空気流量を設定する。
燃料ガス(供給ガス)としての水素ガスは、水素供給源30から燃料供給路74を介して燃料電池スタック20の水素供給口に供給される。水素供給源30は、例えば高圧水素タンクが該当するが、いわゆる燃料改質器や水素吸蔵合金等であっても良い。
燃料供給路74には、水素供給源30から水素を供給しあるいは供給を停止する遮断弁H100、水素供給源30からの水素ガスの供給圧力を検出する圧力センサP6、燃料電池スタック20への水素ガスの供給圧力を減圧して調整する水素調圧弁H9、水素調圧弁H9の下流の水素ガス圧力を検出する圧力センサP9、燃料電池スタック20の水素供給口と燃料供給路74間を開閉する遮断弁H21、及び水素ガスの燃料電池スタック20の入口圧力を検出する圧力センサP5が設けられている。
水素調圧弁H9としては、例えば機械式の減圧を行う調圧弁を使用することが可能であるが、これに限らず、パルスモータで弁の開度がリニア(あるいは連続的)に調整される弁であっても良い。圧力センサP5,P6,P9の図示しない検出信号は、制御装置50に供給される。
燃料電池スタック20で消費されなかった水素ガスは、水素オフガスとして水素循環路75に排出され、燃料供給路74の水素調圧弁H9の下流側に戻される。水素循環路75には、水素オフガスの温度を検出する温度センサT31、燃料電池スタック20と循環路75を連通/遮断する遮断弁H22、水素オフガスから水分を回収する気液分離器H42、回収した生成水を循環路75外の図示しないタンク等に回収する排水弁H41、水素オフガスを加圧する水素ポンプH50及び逆流阻止弁H52が設けられている。
遮断弁H21,H22は燃料電池のアノード側を閉鎖する。温度センサT31の図示しない検出信号は、制御装置50に供給される。水素ポンプH50は、制御装置50によって動作が制御される。
水素オフガスは燃料供給路74で水素ガスと合流し、燃料電池スタック20に供給されて再利用される。逆流阻止弁H52は、燃料供給路74の水素ガスが水素循環路75側に逆流することを防止する。遮断弁H100,H21,H22は、制御装置50からの信号で駆動される。
水素循環路75は排出制御弁(パージ弁)H51を介してパージ流路76によって排気路72に接続される。排出制御弁H51は電磁式の遮断弁であり、制御装置50からの指令によって作動することにより水素オフガスを外部に排出(パージ)する。このパージ動作を間欠的に行うことによって、水素オフガスの循環が繰り返されて燃料極側の水素ガスの不純物濃度が増加することによるセル電圧の低下を防止することができる。
更に、燃料電池スタック20の冷却水出入口には、冷却水を循環させる冷却路73が設けられる。冷却路73には、燃料電池スタック20から排水される冷却水の温度を検出する温度センサT1、冷却水の熱を外部に放熱するラジエータ(熱交換器)C2、冷却水を加圧して循環させるポンプC1、及び燃料電池スタック20に供給される冷却水の温度を検出する温度センサT2が設けられている。ラジエータC2には、モータによって回転駆動される冷却ファンC13が設けられている。
燃料電池スタック20は燃料電池セル(単位セル)が所要数積層されたものであり、燃料電池スタック20が発生した電力は図示しないパワーコントロールユニットに供給される。パワーコントロールユニットは、車両の駆動モータを駆動するインバータと、コンプレッサモータや水素ポンプ用モータなどの各種の補機類を駆動するインバータと、二次電池への充電や二次電池からのモータ類への電力供給を行うDC−DCコンバータなど備えている。
制御装置50は、図示しない車両のアクセル信号などの負荷要求や燃料電池システムの各部のセンサ(圧力センサ、温度センサ、流量センサ、出力電流計、出力電圧計等)から制御情報を受け取り、システム各部の弁類やモータ類の運転を制御する。制御装置50は、図示しない制御コンピュータシステムによって構成される。制御コンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース、及びディスプレイなどの公知構成から成り、市販されている制御用コンピュータシステムによって構成される。
制御装置50と接続されたセンサ類,弁類等の装置群のうち、本実施形態の制御に関係する構成について図2に示した。同図のように、燃料電池スタック20の負荷電流を検出する負荷電流検出部2と、燃料電池スタック20の空気供給量を検出する空気流量検出部(ガス流量検出部)3と、水素ガス供給量を検出する燃料流量検出部(ガス流量検出部)4と、燃料電池スタック20の負荷電流を制御する負荷電流制御手段5と、燃料電池スタック20に対する空気供給量を制御する空気流量制御手段(ガス流量制御手段)6と、燃料電池スタック20に対する水素ガス供給量を制御する燃料流量制御手段(ガス流量制御手段)7が設けられている。
負荷電流検出部2は例えば電流センサにより構成され、空気流量検出部3は例えば上記エアフローメータにより構成されている。また、空気流量制御手段6は図1におけるコンプレッサA3及び圧力調整弁A4により構成され、燃料流量制御手段7は同図における水素調圧弁H9及び水素ポンプH50により構成される。また、負荷電流制御手段5は、上記パワーコントロールユニットのインバータにより構成される。
制御装置50は、後述するように、アクセル信号などの負荷要求に応じて、上記二次電池との間の充放電を考慮した燃料電池スタック20への要求出力電力を求め、更にこの要求出力電力に相当する要求負荷電流値及び要求ガス流量値を求め、これらの要求値に基づいて、負荷電流制御手段5を制御することにより、燃料電池スタック20の負荷電流をステップ的に増加または減少させる一方、空気流量制御手段6及び燃料流量制御手段7を制御することにより、燃料電池スタック20に対するガス流量(水素ガス流量及び空気流量)を、ステップ的に増加または減少させる。
以下に、負荷要求が変動した場合に行われる、制御装置50による負荷電流及びガス流量の制御内容について、詳細に説明する。
(1)負荷電流を引き上げる場合
燃料電池スタック20の負荷電流をj1(第1電流値)からj2(第2電流値)(j2>j1)に引き上げていく場合は、後述のフロー(図4)で示すように、ガス流量および負荷電流をステップ的に増加させる。このとき、空気流量のステップ変動率s/air、水素ガス流量のステップ変動率s/fuel、及び負荷電流のステップ変動率s/currentをいずれも10%以下に抑えるようにする。
(1)負荷電流を引き上げる場合
燃料電池スタック20の負荷電流をj1(第1電流値)からj2(第2電流値)(j2>j1)に引き上げていく場合は、後述のフロー(図4)で示すように、ガス流量および負荷電流をステップ的に増加させる。このとき、空気流量のステップ変動率s/air、水素ガス流量のステップ変動率s/fuel、及び負荷電流のステップ変動率s/currentをいずれも10%以下に抑えるようにする。
これらのステップ変動率は、式[1]〜[3]で定義される。これらの式中、jは負荷電流値,Qair(j)は空気流量値,Qfuel(j)は水素ガス流量値であり、また、Δjは負荷電流値のステップ変動幅,ΔQair(j)は空気流量値のステップ変動幅,ΔQfuel(j)は水素ガス流量値のステップ変動幅である。
したがって、負荷要求の変動に伴う水素ガスおよび空気のガス流量の変動がセル面内の水分布に与える影響を抑えるため、水素ガス流量、空気流量、及び負荷電流の変動率を好ましくは10%以下に抑えることにより、急激な負荷変動に対してもセル面内の含水状態の変化を抑制することができる、との理由による。これら変動率は、5%以下に抑えることが好ましい。
このようなステップ変動率s/air,s/fuel,s/currentを導入したことにより、ガス流量および負荷電流は、図3に示したように、段階的(ステップ的)に増加する。なお、図3においては、空気流量値Qair(j)のみ図示したが、水素ガス流量値Qfuel(j)についても同様に変化する。
次に、制御部50による負荷電流引き上げ時における負荷電流及びガス流量の制御動作について説明する。制御部50は、図示しない主制御プログラムにおいて、所定周期毎に、又は上記制御動作を指令する命令の発令あるいはフラグが設定された(イベント発生)ことを判別すると、図4に示されるプログラムを実行する。
まず、ステップST1では、アクセル信号等の負荷要求に対応する燃料電池スタック20の要求出力電力を求め、この要求出力電力と当該燃料電池スタック20のI-P特性とから燃料電池スタック20の要求負荷電流値(第2電流値)j2を求める。続くステップST2では、現状負荷電流値(第1電流値)j1並びに現状水素ガス流量値Qfuel(j1)及び現状空気流量値Qair(j1)を負荷電流検出部2並びに空気流量検出部3及び燃料流量検出部4より検出する。
次いで、ステップST3においては、まず、現状空気流量値Qair(j1)に対するステップ増加後の空気流量値のステップ変動率s/airが10%以下となるような空気流量値Qair(j)を求める。つまり、式[1]において、ΔQair(j)=空気流量値Qair(j)−現状空気流量値Qair(j1)、Qair(j)=現状空気流量値Qair(j1)としたときに、式[1]の不等式を満たす空気流量値Qair(j)を求める。本実施形態では、ステップ変動率s/airが10%となる空気流量値Qair(j)をステップ増加後の空気流量値に決定する。
同様に、現状水素ガス流量値Qfuel(j1)に対するステップ増加後の水素ガス流量値のステップ変動率s/fuelが10%以下となるような水素ガス流量値Qfuel(j)を求める。つまり、式[2]において、ΔQfuel(j)=水素ガス流量値Qfuel(j)−現状水素ガス流量値Qfuel(j1)、Qfuel(j)=現状水素ガス流量値Qfuel(j1)としたときに、式[2]の不等式を満たす水素ガス流量値Qfuel(j)を求める。本実施形態では、ステップ変動率s/fuelが10%となる水素ガス流量値Qfuel(j)をステップ増加後の水素ガス流量値に決定する。
そして、ステップST4において、燃料電池スタック20に供給する空気流量値及び水素ガス流量値がステップST3で決定した空気流量値Qair(j)及び水素ガス流量値Qfuel(j)となるように、空気流量制御手段6及び燃料流量制御手段7を制御して燃料電池スタック20への供給ガス流量を調整する。
さらに、ステップST5においては、ガス利用率一定の条件下、上記ステップST3で決定した空気流量値Qair(j)及び水素ガス流量値Qfuel(j)に見合う負荷電流値jを決定する。このとき、式[3]において、Δj=負荷電流値j−現状負荷電流値j1、j=現状負荷電流値j1としたときに、式[3]の不等式を満たすことが条件となる。
そして、ステップST6において、燃料電池スタック20の負荷電流がステップST5で決定した負荷電流値jとなるように、負荷電流制御手段5を制御して燃料電池スタック20の負荷電流を調整する。
なお、図4の制御フローにおいては、ステップST3でガス流量値を決定し、ステップST4でガス流量を一つステップ増加させてから、ステップST5,6で負荷電流値を一つステップ増加させる処理を行っているが、これらステップST5,6の処理は、空気流量検出部3及び燃料流量検出部4による空気流量及び水素ガス流量の実測値がステップST3で決定した各ガス流量値になったことを確認してから行われる。
その結果、図3に示すように、符号Aで示したガス流量のステップ増加の後に続いて、これに対応して符号Bで示した負荷電流のステップ増加が行われることになる。
次いで、ステップST7において、ステップST1で求めた要求負荷電流値j2と、ステップST5,6によるステップ増加後の負荷電流値jとを比較し、少なくともj=j2となるまで、つまり、ステップ増加後の負荷電流値jが要求負荷電流値j2に達するまで、ステップST2以降の処理を繰り返す。そして、j=j2となった場合、つまり、ステップ増加後の負荷電流値jが要求負荷電流値j2に達したら、本制御フローの処理を終了する。
(2)負荷電流を引き下げる場合
燃料電池スタック20の負荷電流をj1(第1電流値)からj2(第2電流値)(j2<j1)に引き下げていく場合は、後述のフロー(図6)で示すように、負荷電流およびガス流量をステップ的に減少させる。このときも、空気流量のステップ変動率s/air、水素ガス流量のステップ変動率s/fuel、及び負荷電流のステップ変動率s/currentをいずれも10%以下に抑えるようにする。これらのステップ変動率についても、上述の式[1]〜[3]で定義される。
(2)負荷電流を引き下げる場合
燃料電池スタック20の負荷電流をj1(第1電流値)からj2(第2電流値)(j2<j1)に引き下げていく場合は、後述のフロー(図6)で示すように、負荷電流およびガス流量をステップ的に減少させる。このときも、空気流量のステップ変動率s/air、水素ガス流量のステップ変動率s/fuel、及び負荷電流のステップ変動率s/currentをいずれも10%以下に抑えるようにする。これらのステップ変動率についても、上述の式[1]〜[3]で定義される。
このようなステップ変動率s/air,s/fuel,s/currentを導入したことにより、負荷電流およびガス流量は、図5に示したように、段階的(ステップ的)に減少する。なお、図5においては、空気流量値Qair(j)のみ図示したが、水素ガス流量値Qfuel(j)についても同様に変化する。
次に、制御部50による負荷電流引き下げ時における負荷電流及びガス流量の制御動作について説明する。制御部50は、図示しない主制御プログラムにおいて、所定周期毎に、又は上記制御動作を指令する命令の発令あるいはフラグが設定された(イベント発生)ことを判別すると、図6に示されるプログラムを実行する。
まず、ステップST11では、アクセル信号等の負荷要求に対応する燃料電池スタック20の要求出力電力を求め、この要求出力電力と当該燃料電池スタック20のI-P特性とから燃料電池スタック20の要求負荷電流値(第2電流値)j2を求める。続くステップST12では、現状負荷電流値(第1電流値)j1並びに現状水素ガス流量値Qfuel(j1)及び現状空気流量値Qair(j1)を負荷電流検出部2並びに空気流量検出部3及び燃料流量検出部4より検出する。
次いで、ステップST13においては、現状負荷電流値j1に対するステップ増加後の負荷電流値のステップ変動率s/currentが10%以下となるような負荷電流値jを求める。つまり、式[3]において、Δj=負荷電流値j−現状負荷電流値j1、j=現状負荷電流値j1としたときに、式[3]の不等式を満たす負荷電流値jを求める。本実施形態では、ステップ変動率s/currentが10%となる負荷電流値jをステップ増加後の負荷電流値に決定する。
次いで、ステップST14において、燃料電池スタック20の負荷電流がステップST13で決定した負荷電流値jとなるように、負荷電流制御手段5を制御して燃料電池スタック20の負荷電流を調整する。
そして、ステップST15においては、ガス利用率一定の条件下、上記ステップST13で決定した負荷電流値jに対応する空気流量値Qair(j)及び水素ガス流量値Qfuel(j)を決定する。このとき、式[1]においては、ΔQair(j)=空気流量値Qair(j)−現状空気流量値Qair(j1)、Qair(j)=現状空気流量値Qair(j1)としたときに、式[1]の不等式を満たし、式[2]においては、ΔQfuel(j)=水素ガス流量値Qfuel(j)−現状水素ガス流量値Qfuel(j1)、Qfuel(j)=現状水素ガス流量値Qfuel(j1)としたときに、式[2]の不等式を満たすことが条件となる。
そして、ステップST16において、燃料電池スタック20に供給する空気流量値及び水素ガス流量値がステップST15で決定した空気流量値Qair(j)及び水素ガス流量値Qfuel(j)となるように、空気流量制御手段6及び燃料流量制御手段7を制御して燃料電池スタック20への供給ガス流量を調整する。
このように、負荷電流を引き下げる場合には、ステップST13で負荷電流値を決定し、ステップST14で負荷電流を一つステップ減少させてから、ステップST15,16で空気流量及び水素ガス流量を一つステップ減少させる処理を行っているが、これらステップST15,16の処理は、負荷電流検出部2による負荷電流の実測値がステップST13で決定した負荷電流値になったことを確認してから行われる。
その結果、図5に示すように、符号Cで示した負荷電流のステップ減少の後に続いて、これに対応して符号Dで示したガス流量のステップ減少が行われることになる。
次いで、ステップST17において、ステップST11で求めた要求負荷電流値j2と、ステップST13,14によるステップ減少後の負荷電流値jとを比較し、少なくともj=j2となるまで、つまり、ステップ減少後の負荷電流値jが要求負荷電流値j2に達するまで、ステップST12以降の処理を繰り返す。そして、j=j2となった場合、つまり、ステップ減少後の負荷電流値jが要求負荷電流値j2に達したら、本制御フローの処理を終了する。
以上説明したとおり、本実施形態の燃料電池システムとその制御方法によれば、燃料電池スタック20の負荷電流およびガス流量をステップ的に変動(増減)させ、かつ各ステップ変動率s/air,s/fuel,s/currentを10%以下に抑えることで、セル面内での含水状態の変動が抑制される。したがって、水分不足による電解質膜の乾き、または水分過剰による拡散層、触媒層内の水詰まりを抑え、燃料電池の耐久性能を向上させることができる。
<他の実施形態>
上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれに限定するものではなく、その要旨を逸脱しない限り各種構成部品を適宜設計することができる。例えば、負荷電流及びガス流量の各ステップ変動率が10%以下であれば、上記実施形態のようにステップ変動率Δj/j,ΔQair(j)/Qair(j),ΔQfuel(j) /Qfuel(j)を終始一定にする、言い換えれば、ステップ変動幅Δj,ΔQair(j),ΔQfuel(j)が変化する構成でもよいし、ステップ変動幅Δj,ΔQair(j),ΔQfuel(j)を終始一定にする、言い換えれば、ステップ変動率Δj/j,ΔQair(j)/Qair(j),ΔQfuel(j) /Qfuel(j)が変化する構成でもよい。
<他の実施形態>
上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれに限定するものではなく、その要旨を逸脱しない限り各種構成部品を適宜設計することができる。例えば、負荷電流及びガス流量の各ステップ変動率が10%以下であれば、上記実施形態のようにステップ変動率Δj/j,ΔQair(j)/Qair(j),ΔQfuel(j) /Qfuel(j)を終始一定にする、言い換えれば、ステップ変動幅Δj,ΔQair(j),ΔQfuel(j)が変化する構成でもよいし、ステップ変動幅Δj,ΔQair(j),ΔQfuel(j)を終始一定にする、言い換えれば、ステップ変動率Δj/j,ΔQair(j)/Qair(j),ΔQfuel(j) /Qfuel(j)が変化する構成でもよい。
また、セル面内での含水状態を抑制するためには、図3及び図5における一のステップ変動を実施してから次のステップ変動を実施するまでの時間間隔(以下、W)も重要と考えることができるので、Δj/W,ΔQair(j)/W,ΔQfuel(j) /Wで表現されるステップ変動の傾斜をも加味して負荷電流制御及びガス流量制御を行ってもよい。
2…負荷電流検出部、3…空気流量検出部(ガス流量検出部)、4…燃料流量検出部(ガス流量検出部)、5…負荷電流制御手段、6…空気流量制御手段(ガス流量制御手段)、7…燃料流量制御手段(ガス流量制御手段)、20…燃料電池スタック、50…制御装置、A3…コンプレッサ(ガス流量制御手段)、A4…圧力調整弁(ガス流量制御手段)、H9…水素調圧弁(ガス流量制御手段)、H50…水素ポンプ(ガス流量制御手段)
Claims (4)
- ガス供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムの制御方法において、
負荷要求に応じて前記燃料電池の負荷電流を第1電流値から第2電流値に変化させる場合に、前記燃料電池の負荷電流及び前記燃料電池に供給するガス流量の変動率が所定値以下となるように、前記負荷電流および前記ガス流量をステップ的に増加または減少させる、燃料電池システムの制御方法。 - 前記負荷電流及び前記ガス流量の変動率を10%以下とする、請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法。
- ガス供給を受けて発電を行う燃料電池と、負荷要求に応じて前記燃料電池の発電状態を制御する制御装置と、前記燃料電池の負荷電流を検出する負荷電流検出部と、前記燃料電池に供給するガス流量を検出するガス流量検出部と、前記負荷電流を制御する負荷電流制御手段と、前記ガス流量を制御するガス流量制御手段とを備えた燃料電池システムであって、
前記制御装置は、前記負荷要求に対応する前記燃料電池の要求負荷電流値及び前記燃料電池に対する要求ガス流量値を求めるとともに、
前記負荷電流制御手段を制御することにより、前記負荷電流検出部で検出された現状負荷電流値から前記要求負荷電流値に向かう変動率が所定値以下となるように、前記燃料電池の負荷電流をステップ的に増加または減少させる一方、
前記ガス流量制御手段を制御することにより、前記ガス流量検出部で検出された現状ガス流量値から前記要求ガス流量値に向かう変動率が所定値以下となるように、前記燃料電池に供給するガス流量をステップ的に増加または減少させる、燃料電池システム。 - 前記負荷電流及び前記ガス流量の変動率が10%以下である、請求項3に記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005104868A JP2006286407A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 燃料電池システムとその制御方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012059443A (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-22 | Toto Ltd | 固体電解質型燃料電池 |
JP2013149601A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-08-01 | Honda Motor Co Ltd | 燃料利用システム |
-
2005
- 2005-03-31 JP JP2005104868A patent/JP2006286407A/ja active Pending
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