JP2006286063A - 発光パワー取得方法、光ディスク装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の光ピックアップを用いて光ディスクに情報を記録する際の、各光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定する。
【解決手段】(1)試し書き領域への移動、(2)試し書き領域へのテスト用データの記録、(3)テスト用データが記録された領域の先頭位置への移動、(4)テスト用データの再生、(5)適切なパワーの決定、が2つの光ピックアップ装置について、それぞれ並行して行われる。これにより、各光ピックアップ装置の適切な発光パワーが短時間で取得され、その結果として、光ディスクに対して短時間で高い記録品質の記録を行うことが可能となる。
【選択図】図12
【解決手段】(1)試し書き領域への移動、(2)試し書き領域へのテスト用データの記録、(3)テスト用データが記録された領域の先頭位置への移動、(4)テスト用データの再生、(5)適切なパワーの決定、が2つの光ピックアップ装置について、それぞれ並行して行われる。これにより、各光ピックアップ装置の適切な発光パワーが短時間で取得され、その結果として、光ディスクに対して短時間で高い記録品質の記録を行うことが可能となる。
【選択図】図12
Description
本発明は、発光パワー取得方法、光ディスク装置、プログラム及び記録媒体に係り、更に詳しくは、複数の光ピックアップを用いて光ディスクに情報を記録する際の各光ピックアップの適切な発光パワーを取得する発光パワー取得方法、複数の光ピックアップを用いて光ディスクに情報を記録する光ディスク装置、該光ディスク装置で用いられるプログラム及び該プログラムが記録された記録媒体に関する。
光ディスク装置では、情報記録媒体として、例えばCD(compact disc)、DVD(digital versatile disc)などの光ディスクが用いられ、該光ディスクのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光の微小スポットを形成することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。この光ディスク装置には、光ディスクの記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するために、光ピックアップが設けられている。
また、光ディスク装置では、記録に際して、光ディスクの目標位置に目標長さのマーク領域及びスペース領域がそれぞれ形成されるように、情報の記録に先立って、試し書き領域に試し書きを行って、適切な記録パワーを取得している。この処理は、OPC(Optimum Power Control)処理と呼ばれている(例えば、特許文献1参照)。
近年、1枚の光ディスクに記録可能な情報量が増大し、それに伴ってアクセス速度の高速化が要求されている。CDでは1.2m/s、DVDでは3.49m/sが統一規格の線速度であり、これを1倍速とし、光ディスクの回転速度を上げることでアクセス速度の高速化を実現していた。ところで、CDでは50倍速、DVDでは16倍速が限界と考えられている。その理由は回転数が約10000rpmを超えると、回転により生じる振動で光ディスクが強度的に耐えられず破壊につながる可能性があるためである。この回転数限界のため、例えばDVDでは最外周で16倍速が達成できていても、記録を開始する(最も良く使用する)最内周では6倍速程度しか転送速度が得られず、最高16倍速記録と表示された装置であっても、実質的にはずっと低い記録速度しか得られていなかった。
このことは、発振波長が約405nmの青色レーザに対応した次世代光ディスクでも同様であり、アクセス速度の高速化の限界が予想される。記録可能な情報量が増えてもユーザが光ディスク1枚の記録/再生に許容できる待ち時間は従来と変わるものではない。
そこで、複数の光ピックアップを用いることが考案された(例えば、特許文献2参照)。ところで、複数の光ピックアップが用いられる場合には、各光ピックアップで個別に用いられる部品間に部品特性のバラツキが必ず存在する。特に光源として用いられる半導体レーザでは、部品毎にその発振波長やその発光感度(駆動電流と発光パワーとの比)が異なっている。さらに、発光パワーをモニタするためのセンサにもその感度に違いがある。このような部品特性のバラツキは、記録品質に大きく影響する。そこで、特許文献2に開示されている光ディスク装置では何ら言及されていないが、例えば光ピックアップ毎に上記OPC処理をそれぞれ行うことが考えられる。しかしながら、この場合に、例えば光ピックアップが2台あれば、OPC処理に従来の2倍の時間がかかることとなり、記録されるユーザデータのデータ量が少ないときには、複数の光ピックアップを用いるメリットが失われるおそれがあった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、複数の光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定することができる発光パワー取得方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、複数の光ピックアップを用いて、光ディスクに対して短時間で高い記録品質の記録を行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、複数の光ピックアップを備えた光ディスク装置の制御用コンピュータにて実行され、複数の光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定することができるプログラム、及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、複数の光ピックアップを用いて光ディスクに記録するときの、各光ピックアップの適切な発光パワーをそれぞれ取得する発光パワー取得方法において、前記光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、前記書き込み品質取得処理の少なくとも一部が互いに並行して行われるように、前記複数の光ピックアップで前記書き込み品質取得処理をそれぞれ行うことを特徴とする発光パワー取得方法である。
これによれば、光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む書き込み品質取得処理において、複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、書き込み品質取得処理の少なくとも一部が互いに並行して行われるように、複数の光ピックアップで書き込み品質取得処理がそれぞれ行われる。従って、複数の光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定することが可能となる。
この場合において、請求項2に記載の発光パワー取得方法の如く、前記試し書き領域が、前記複数の光ピックアップに対応して複数の部分領域に分割されている場合に、前記書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップはそれぞれの対応する部分領域を使用することとすることができる。
上記請求項1に記載の発光パワー取得方法において、請求項3に記載の発光パワー取得方法の如く、前記光ディスクの内周部と外周部とにそれぞれ試し書き領域が設けられている場合に、前記書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップの一部は前記内周部の試し書き領域を使用し、残りの光ピックアップは前記外周部の試し書き領域を使用することとすることができる。
上記請求項1〜3に記載の各発光パワー取得方法において、請求項4に記載の発光パワー取得方法の如く、前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの記録であることとすることができる。
上記請求項1〜4に記載の各発光パワー取得方法において、請求項5に記載の発光パワー取得方法の如く、前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの再生であることとすることができる。
上記請求項1に記載の発光パワー取得方法において、請求項6に記載の発光パワー取得方法の如く、前記複数の光ピックアップが、第1の光ピックアップ及び第2の光ピックアップを含む場合に、前記書き込み品質取得処理において、前記第1の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第2の光ピックアップによる再生準備とが並行して行われることとすることができる。
この場合において、請求項7に記載の発光パワー取得方法の如く、前記書き込み品質取得処理において、前記第2の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第1の光ピックアップによる再生準備とが、更に並行して行われることとすることができる。
上記請求項6及び7に記載の各発光パワー取得方法において、請求項8に記載の発光パワー取得方法の如く、前記書き込み品質取得処理において、前記試し書き領域を1回の試し書きで使用される大きさ毎に複数の部分領域に分割し、物理アドレスの大きい部分領域から順に使用することとすることができる。
請求項9に記載の発明は、光ディスクに対して情報の記録が可能な光ディスク装置であって、複数の光ピックアップと;前記光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、前記書き込み品質取得処理の少なくとも一部が互いに並行して行われるように、前記複数の光ピックアップで前記書き込み品質取得処理をそれぞれ行い、各光ピックアップの適切な発光パワーをそれぞれ取得する取得手段と;前記複数の光ピックアップを前記取得されたそれぞれの適切な発光パワーで発光させ、前記光ディスクに情報を記録する処理装置と;を備える光ディスク装置である。
これによれば、取得手段により、光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む書き込み品質取得処理において、複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、書き込み品質取得処理の少なくとも一部が互いに並行して行われるように、複数の光ピックアップで書き込み品質取得処理がそれぞれ行われ、各光ピックアップの適切な発光パワーがそれぞれ取得される。そして、処理装置により複数の光ピックアップはそれぞれの適切な発光パワーで発光され、光ディスクに情報が記録される。すなわち、各光ピックアップの適切な発光パワーが短時間で取得される。従って、複数の光ピックアップを用いて、光ディスクに対して短時間で高い記録品質の記録を行うことが可能となる。
この場合において、請求項10に記載の光ディスク装置の如く、前記試し書き領域が前記複数の光ピックアップに対応して複数の部分領域に分割されている場合に、前記取得手段は、光ピックアップ毎に、該光ピックアップに対応する部分領域をそれぞれ使用して前記書き込み品質取得処理を行うこととすることができる。
上記請求項9に記載の光ディスク装置において、請求項11に記載の光ディスク装置の如く、前記光ディスクの内周部と外周部とにそれぞれ試し書き領域が設けられている場合に、前記取得手段は、前記複数の光ピックアップの一部に前記内周部の試し書き領域を使用し、残りの光ピックアップに前記外周部の試し書き領域を使用して前記書き込み品質取得処理を行うこととすることができる。
上記請求項9〜11に記載の各光ディスク装置において、請求項12に記載の光ディスク装置の如く、前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの記録であることとすることができる。
上記請求項9〜12に記載の各光ディスク装置において、請求項13に記載の光ディスク装置の如く、前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの再生であることとすることができる。
上記請求項9に記載の光ディスク装置において、請求項14に記載の光ディスク装置の如く、前記複数の光ピックアップが、第1の光ピックアップ及び第2の光ピックアップを含む場合に、前記取得手段は、前記書き込み品質取得処理において、前記第1の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第2の光ピックアップによる再生準備とを並行して行うこととすることができる。
この場合において、請求項15に記載の光ディスク装置の如く、前記取得手段は、前記書き込み品質取得処理において、前記第2の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第1の光ピックアップによる再生準備とを、更に並行して行うこととすることができる。
上記請求項14及び15に記載の各光ディスク装置において、請求項16に記載の光ディスク装置の如く、前記取得手段は、前記書き込み品質取得処理において、前記試し書き領域を1回の試し書きで使用される大きさ毎に複数の部分領域に分割し、物理アドレスの大きい部分領域から順に使用することとすることができる。
請求項17に記載の発明は、複数の光ピックアップを用いて光ディスクに情報の記録が可能な光ディスク装置に用いられるプログラムであって、前記複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、前記光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む処理の少なくとも一部を互いに並行して行う手順を前記光ディスク装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
これによれば、本発明のプログラムが所定のメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、光ディスク装置の制御用コンピュータは、複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む処理の少なくとも一部を互いに並行して行う。従って、複数の光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定することが可能となる。
この場合において、請求項18に記載のプログラムの如く、前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの記録であることとすることができる。
上記請求項17及び18に記載の各プログラムにおいて、請求項19に記載のプログラムの如く、前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの再生であることとすることができる。
上記請求項17に記載のプログラムにおいて、請求項20に記載のプログラムの如く、前記複数の光ピックアップは、第1の光ピックアップ及び第2の光ピックアップを含み、前記並行して行う手順として、前記第1の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第2の光ピックアップによる再生準備とを並行して行う手順を前記制御用コンピュータに実行させることとすることができる。
この場合において、請求項21に記載のプログラムの如く、前記第2の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第1の光ピックアップによる再生準備とを並行して行う手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることとすることができる。
請求項22に記載の発明は、請求項17〜21のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによれば、請求項17〜21のいずれか一項に記載のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、複数の光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13(B)に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するスピンドルモータ22、2つの光ピックアップ装置(23a、23b)、2つのシークモータ(21a、21b)、2つのレーザ制御回路(24a、24b)、2つのエンコーダ(25a、25b)、モータ駆動制御回路26、2つのサーボ制御回路(27a、27b)、2つの再生信号処理回路(28a、28b)、光ピックアップ制御回路50、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。すなわち、光ディスク装置20は、いわゆるマルチヘッドの光ディスク装置である(図2参照)。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてDVD+RWの規格(例えばECMA−337参照)に準拠する情報記録媒体が光ディスク15として用いられるものとする。
シークモータ21aは、光ピックアップ装置23aをスレッジ方向に駆動するモータである。シークモータ21bは、光ピックアップ装置23bをスレッジ方向に駆動するモータである。
モータ駆動制御回路26は、CPU40の指示に基づいて、スピンドルモータ22及び各シークモータを駆動するための駆動信号をそれぞれ生成する。ここで生成された各モータの駆動信号は、それぞれスピンドルモータ22及び各シークモータに出力される。
バッファRAM34には、光ディスク15に記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスク15から再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納される。このバッファRAM34へのデータの入出力は、前記バッファマネージャ37によって管理されている。
光ピックアップ装置23aは、光ディスク15の記録面にレーザ光を集光するとともに、その記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23aは、波長が約660nmのレーザ光を出射する半導体レーザ(LDaとする)、該半導体レーザLDaから出射された光束を光ディスク15の記録面に集光する対物レンズ、前記記録面で反射された戻り光束を受光する受光器(PDaとする)、及び前記対物レンズを駆動するための駆動系(フォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータ)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。前記受光器PDaは複数の受光素子(又は受光領域)を有し、各受光素子(又は受光領域)での受光量に応じた信号(光電変換信号)を再生信号処理回路28aに出力する。
光ピックアップ装置23bは、光ディスク15の記録面にレーザ光を集光するとともに、その記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23bは、波長が約660nmのレーザ光を出射する半導体レーザ(LDbとする)、該半導体レーザLDbから出射された光束を光ディスク15の記録面に集光する対物レンズ、前記記録面で反射された戻り光束を受光する受光器(PDbとする)、及び前記対物レンズを駆動するための駆動系(フォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータ)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。前記受光器PDbは複数の受光素子(又は受光領域)を有し、各受光素子(又は受光領域)での受光量に応じた信号(光電変換信号)を再生信号処理回路28bに出力する。
再生信号処理回路28aは、受光器PDaの出力信号(複数の光電変換信号)に基づいて、サーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)、アドレス情報、同期信号、及びRF信号などを取得する。また、再生信号処理回路28aは、ウォブル信号から記録用クロック信号を生成する。さらに、再生信号処理回路28aは、RF信号に対して復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとする。再生信号処理回路28aで取得あるいは生成された各種信号、情報及び再生データは光ピックアップ制御回路50に出力される。
再生信号処理回路28bは、受光器PDbの出力信号(複数の光電変換信号)に基づいて、サーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)、アドレス情報、同期信号、及びRF信号などを取得する。また、再生信号処理回路28bは、ウォブル信号から記録用クロック信号を生成する。さらに、再生信号処理回路28bは、RF信号に対して復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとする。再生信号処理回路28bで取得あるいは生成された各種信号、情報及び再生データは光ピックアップ制御回路50に出力される。
サーボ制御回路27aは、再生信号処理回路28aで取得されたサーボ信号に基づいて、光ピックアップ装置23aの対物レンズの位置ずれを補正するための駆動信号を生成する。ここで生成された駆動信号は光ピックアップ装置23aの駆動系に出力される。これにより、光ピックアップ装置23aにおけるトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。
サーボ制御回路27bは、再生信号処理回路28bで取得されたサーボ信号に基づいて、光ピックアップ装置23bの対物レンズの位置ずれを補正するための駆動信号を生成する。ここで生成された駆動信号は光ピックアップ装置23bの駆動系に出力される。これにより、光ピックアップ装置23bにおけるトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。
エンコーダ25aは、光ピックアップ制御回路50の指示に基づいて、記録用データに対してデータの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24aに出力される。
エンコーダ25bは、光ピックアップ制御回路50の指示に基づいて、記録用データに対してデータの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24bに出力される。
レーザ制御回路24aは、半導体レーザPDaの発光パワーを制御する。例えば記録の際には、エンコーダ25aからの書き込み信号、記録条件及び半導体レーザPDaの発光特性などに基づいて、半導体レーザPDaの駆動信号がレーザ制御回路24aにて生成される。なお、半導体レーザPDaから出射されるレーザ光の一部はモニタ用の受光素子(不図示)で受光され、その受光量に応じた光電変換信号(以下では「モニタ信号」ともいう)がレーザ制御回路24aに入力されるようになっている。そして、レーザ制御回路24aは、そのモニタ信号に基づいて半導体レーザPDaの駆動信号を補正する。
レーザ制御回路24bは、半導体レーザPDbの発光パワーを制御する。例えば記録の際には、エンコーダ25bからの書き込み信号、記録条件及び半導体レーザPDbの発光特性などに基づいて、半導体レーザPDbの駆動信号がレーザ制御回路24bにて生成される。なお、半導体レーザPDbから出射されるレーザ光の一部はモニタ用の受光素子(不図示)で受光され、その受光量に応じたモニタ信号がレーザ制御回路24bに入力されるようになっている。そして、レーザ制御回路24bは、そのモニタ信号に基づいて半導体レーザPDbの駆動信号を補正する。
光ピックアップ制御回路50は、CPU50a、フラッシュメモリ50b、及びRAM50cを有している。フラッシュメモリ50bには、CPU50aにて解読可能なコードで記述された本発明に係るプログラムを含む各種プログラム、記録パワーや記録ストラテジ情報を含む記録条件、及び各半導体レーザの発光特性などが格納されている。CPU50aは、CPU40の指示、及びフラッシュメモリ50bに格納されているプログラムに従って各エンコーダ、各レーザ制御回路を制御するとともに、制御に必要なデータ及び各再生信号処理回路からのデータなどをRAM50cに保存する。また、CPU50aは、再生時には、各再生信号処理回路からの再生データを一旦RAM50cに格納した後、それらをつなぎ合わせて、前記バッファマネージャ37を介して前記バッファRAM34に格納する。
インターフェース38は、上位装置90(例えば、パソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
前記フラッシュメモリ39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された各種プログラムなどが格納されている。
前記CPU40は、フラッシュメモリ39に格納されているプログラムに従って光ディスク装置20の全体を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34に保存する。
ここで、光ディスク15のディスクレイアウトについて、図3を用いて簡単に説明する。
ユーザデータは、データ・ゾーン(Data Zone)に記録される。このデータ・ゾーンよりもディスク内周側には複数のゾーンが設けられている。そのうち、インナ・ドライブ・テスト・ゾーン(Inner Drive Test Zone)が試し書き領域である。また、データ・ゾーンよりもディスク外周側にも複数のゾーンが設けられている。そのうち、アウタ・ドライブ・テスト・ゾーン(Outer Drive Test Zone)が試し書き領域である。すなわち、光ディスク15は、2つの試し書き領域を有している。以下では便宜上、インナ・ドライブ・テスト・ゾーンを「内周OPC領域」ともいい、アウタ・ドライブ・テスト・ゾーンを「外周OPC領域」ともいう(図4参照)。なお、光ディスク15では、ディスク内周部から外周部に向かって物理アドレスが増加しているものとする。
次に、上記のようにして構成された光ディスク装置20における記録処理について図5を用いて説明する。図5のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。上位装置90から記録要求コマンドを受信すると、フラッシュメモリ39に格納されている図5のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、記録処理がスタートする。
最初のステップ401では、所定の線速度(又は角速度)で光ディスク15が回転するようにモータ駆動制御回路26に指示するとともに、上位装置90から記録要求コマンドを受信した旨をCPU50aに通知する。
次のステップ403では、OPC処理の実施をCPU50aに指示する。なお、OPC処理はCPU50aの管理下で実施される。このOPC処理の詳細は後述する。
次のステップ405では、OPC処理が完了するまで待機する。CPU50aからOPC処理の完了通知があると、ここでの判断は肯定され、ステップ407に移行する。
このステップ407では、バッファRAM34に蓄積されている記録用データ(ユーザデータ)が所定量を超えたことを確認すると、CPU50aにユーザデータの書き込み許可を通知する。光ディスク15へのユーザデータの書き込みはCPU50aの管理下で実施される。この書き込み処理の詳細は後述する。
次のステップ409では、光ディスク15へのユーザデータの書き込みが完了するまで待機する。CPU50aから書き込み完了通知があると、ここでの判断は肯定され、記録処理を終了する。
次に、上記記録処理中での光ピックアップ制御回路50の処理(以下では便宜上、「記録時処理」という)について図6を用いて説明する。図6のフローチャートは、CPU50aによって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。CPU40から記録要求コマンドの受信通知があると、フラッシュメモリ50bに格納されている図6のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU50aのプログラムカウンタにセットされ、記録時処理がスタートする。
なお、本実施形態では、一例として、内周OPC領域のみがOPC処理で使用されるものとする。そして、一例として図7(A)に示されるように、内周OPC領域の未記録領域を二等分し、内周側を光ピックアップ装置23a用のOPC領域(以下、「OPC領域A」ともいう)、外周側を光ピックアップ装置23b用のOPC領域(以下、「OPC領域B」ともいう)とする。
また、本実施形態では、一例として、1回のOPC処理で1ECCブロック(=16セクタ)の領域が使用されるものとする。さらに、OPC領域A及びOPC領域Bのいずれにおいても、最も物理アドレスの大きいECCブロックから順に使用されるものとする。従って、初めてOPC処理を行うときには、OPC領域Aでは、一例として図7(B)に示されるように、該領域の最後のECCブロックAra1の先頭位置ada1がOPC開始位置となり、OPC領域Bでは、一例として図7(C)に示されるように、該領域の最後のECCブロックArb1の先頭位置adb1がOPC開始位置となる。
最初のステップ501では、CPU40からOPC処理の指示があるまで待機する。CPU40からOPC処理の指示があると、ここでの判断は肯定され、ステップ503に移行する。
このステップ503では、光ピックアップ装置をOPC開始位置に移動させる。ここでは、OPC開始位置ada1への光ピックアップ装置23aの移動、及びOPC開始位置adb1への光ピックアップ装置23bの移動を、モータ駆動制御回路26に指示する。これにより、モータ駆動制御回路26は、シークモータ21a及びシークモータ21bに、それぞれの駆動信号をほぼ同時に出力する。従って、各光ピックアップ装置はほぼ同時にシーク動作を開始する。
なお、光ピックアップ装置23aがOPC開始位置に到達したか否かは、再生信号処理回路28aから所定のタイミング毎に通知されるアドレス情報から判断される。同様に、光ピックアップ装置23bがOPC開始位置に到達したか否かは、再生信号処理回路28bから所定のタイミング毎に通知されるアドレス情報から判断される。
そして、光ピックアップ装置がOPC開始位置に到達すると、一例として図8に示されるように、状態信号を再生状態(ロー(L)レベル)から記録状態(ハイ(H)レベル)に変化させるとともに、タイミング信号として2セクタ毎にパルス信号を出力する。状態信号及びタイミング信号は、光ピックアップ装置に対応するエンコーダ及びレーザ制御回路に出力される。なお、各光ピックアップ装置はほぼ同時にそれぞれのOPC開始位置に到達する。
次のステップ505では、試し書きを行う。すなわち、発光パワーを変更しつつ所定のテスト用データを記録する。ここでは、光ピックアップ装置23aを用いてAra1に記録し、光ピックアップ装置23bを用いてArb1に記録する。本実施形態では、一例として2セクタ毎に発光パワーを変更するものとする。従って、8段階の発光パワーで試し書きが行われる。また、記録時の発光パワーは、一例として図9に示されるように、3種類のパワー(バイアスパワーPb、イレーズパワーPe、及びライトパワーPw)で規定されており、ここでは、ライトパワーPwを変更し、それに対応してイレーズパワーPeも変更している。
そして、試し書きが完了すると、状態信号を記録状態から再生状態に変化させる。なお、試し書きは、各光ピックアップ装置でほぼ同時に完了する。
次のステップ507では、光ピックアップ装置をOPC開始位置に移動する。すなわち、光ピックアップ装置をOPC開始位置に戻す。
次のステップ509では、上記ステップ505にて試し書きされた領域を再生する。ここでは、光ピックアップ装置23aを用いてAra1を再生し、光ピックアップ装置23bを用いてArb1を再生する。一例として図10に示されるように、2セクタ毎にRF信号の振幅が変化する。なお、再生は、各光ピックアップ装置でほぼ同時に行われる。
次のステップ511では、光ピックアップ装置毎に、適切な発光パワーを決定する。ここでは、一例として図11に示されるように、発光パワーとアシンメトリ(最小振幅平均/最大振幅平均)との関係を求め、適切なアシンメトリに対応する発光パワーを適切な発光パワーとする。
次のステップ513では、光ピックアップ装置23aにおける適切な発光パワーをレーザ制御回路24aに出力し、光ピックアップ装置23bにおける適切な発光パワーをレーザ制御回路24bに出力する。
本実施形態では、図12に示されるように、各光ピックアップ装置での処理が、ほぼ同時に行われるため、OPC処理に要する時間は、光ピックアップ装置が1つの場合とほとんど変わらない。
次のステップ515では、OPC処理の完了をCPU40に通知する。
次のステップ517では、CPU40から書き込み許可があるまで待機する。CPU40から書き込み許可があると、ここでの判断は肯定され、ステップ519に移行する。
このステップ519では、モータ駆動制御回路26に、それぞれの記録開始位置に対応する目標位置への各光ピックアップ装置の移動を指示する。
次のステップ521では、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34から記録用データを取り出し、光ピックアップ装置23aで書き込まれるデータと光ピックアップ装置23bで書き込まれるデータとに分ける。
次のステップ523では、光ピックアップ装置23aで書き込まれるデータをエンコーダ25aに出力し、光ピックアップ装置23bで書き込まれるデータをエンコーダ25bに出力する。これにより、各エンコーダで書き込み信号が生成される。
次のステップ525では、各再生信号処理回路からのアドレス情報を参照し、書き込み可能となった光ピックアップ装置に対応するエンコーダ及びレーザ制御回路に対して、状態信号を再生状態から記録状態に変更するとともに、前記記録用クロック信号を出力する。これにより、記録用データが光ディスク15に書き込まれる。なお、書き込みは、各光ピックアップ装置でほぼ同時に行われる。
次のステップ527では、バッファRAM34に蓄積されている記録用データのデータ量を参照し、すべての記録用データが書き込まれたか否かを判断する。書き込まれていない記録用データが残っていれば、ここでの判断は否定され、前記ステップ521に戻る。一方、すべての記録用データが書き込まれていれば、ここでの判断は肯定され、ステップ529に移行する。
このステップ529では、書き込み処理の完了をCPU40に通知する。そして、記録時処理を終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU50a及び該CPU50aにて実行されるプログラムとによって、取得装置及び処理装置がそれぞれ実現されている。なお、CPU50aによるプログラムに従う処理によって実現した各装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
また、本実施形態では、記録媒体としてのフラッシュメモリ50bに記録されているプログラムのうち、図6に対応するプログラムによって、本発明に係るプログラムが実行されている。
そして、上記記録時処理にて、本発明に係る発光パワー取得方法が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置20によると、(1)試し書き領域への移動、(2)試し書き領域へのテスト用データの記録、(3)テスト用データが記録された領域の先頭位置への移動、(4)テスト用データの再生、(5)適切なパワーの決定、が2つの光ピックアップ装置について、それぞれ並行して行われている。従って、各光ピックアップ装置の適切な発光パワーが短時間で取得される。そして、その結果として、光ディスク15に対して短時間で高い記録品質の記録を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、試し書き領域は、光ピックアップ装置に対応して2つに分割されている。これにより、OPC処理を光ピックアップ装置毎に独立して行うことが可能となる。
また、本実施形態では、OPC処理において、物理アドレスが大きい領域から順に使用している。これにより、次にOPC処理を行う際に、前回のOPC処理で使用された領域に、大きな発光パワーで試し書きされて溝の形状が変形し、サーボ信号やウォブル信号が正しく検出できない領域が存在しても、その領域を参照することはなく、予定した試し書き領域の開始位置を正しく検出することができる(図13(A)参照)。なお、物理アドレスが小さい領域から順に使用すると、予定した試し書き領域を見つけるために前回のOPC処理で使用された領域を参照しなければならず、このとき、溝の形状が変形し、サーボ信号やウォブル信号が正しく検出できない領域が存在すると、サーボ外れや、クロック同期外れを生じるおそれがある(図13(B)参照)。また、予定した試し書き領域以外の領域に書き込みが行われ、既記録データを破壊することも考えられる。
なお、上記実施形態では、OPC処理において、アシンメトリを用いて適切な発光パワーを求める場合について説明したが、これに限らず、例えばRF信号の振幅(モジュレーション)を用いても良い。この場合には、一例として図14に示されるように、モジュレーションの傾きと発光パワーとの関係を求め、適切な傾き(γt)に対応する発光パワー(Pt)を取得する。そして、その発光パワー(Pt)に予め設定されている係数を乗算した値を適切な発光パワーとする。
また、上記実施形態では、OPC処理において内周OPC領域のみを使用する場合について説明したが、これに限らず、例えば図15に示されるように、内周OPC領域と外周OPC領域の両方を使用し、内周OPC領域を光ピックアップ装置23a用、外周OPC領域を光ピックアップ装置23b用としても良い。この場合には、内周OPC領域と外周OPC領域周とでは線速度が異なるので、内周OPC領域で得られた適切な発光パワーと外周OPC領域で得られた適切な発光パワーとが異なる可能性がある。しかしながら、線速度の差を考慮した換算式を用いることにより、特定の線速度での適切な発光パワーが既知であれば、他の線速度での適切な発光パワーを算出することが可能である。
なお、上記換算式が不明な場合について説明する。(1)内周OPC領域の線速度が所定の値となるように光ディスクの回転を制御する。(2)光ピックアップ装置23aの試し書きを内周OPC領域で行う。(3)試し書き終了後、外周OPC領域の線速度が所定の値となるように光ディスクの回転を制御する。(4)光ピックアップ装置23bの試し書きを外周OPC領域で行うと同時に、光ピックアップ装置23aで内周OPC領域を再生する。(5)光ピックアップ装置23bで外周OPC領域を再生する。この場合には、光ピックアップ装置23aは本来の線速度とは異なる線速度で再生信号を取り込むことになるが、記録時と異なり、再生においては線速度によって信号が変化することはないので、所定の線速度で検出したのと同じ情報を得ることができる。その上、光ピックアップ装置23aでの再生と、光ピックアップ装置23bでの試し書きとをほぼ同時に行っている、すなわち、一部の動作がほぼ同時に行われているので、個別にOPC処理を行う場合に比べて、OPC処理に要する時間を短縮することができる。
また、上記実施形態では、2つの光ピックアップ装置を備える場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば3つの光ピックアップ装置を備えていても良い。但し、この場合には、シークモータ、再生信号処理回路、エンコーダ、及びレーザ制御回路は、それぞれ3つ備えることとなる。
また、上記実施形態では、OPC処理においてライトパワーPwとともにイレーズパワーPeも変更しているが、ライトパワーPwのみを変更しても良い。この場合に、イレーズパワーPeも適切な発光パワーを見つける必要があれば、イレーズパワーPeのみを変化させるOPC処理を付加しても良い。
また、上記実施形態では、光ディスクがDVD+RWの規格に準拠する情報記録媒体の場合について説明したが、これに限らず、例えばDVD+Rの規格に準拠する情報記録媒体であっても良い。この場合には、発光波形は上記実施形態とは異なるものとなる(図16(A)及び図16(B)参照)。また、波長が約405nmの光に対応する次世代の情報記録媒体であっても良い。
また、上記実施形態では、OPC処理において発光パワーを段階的に増加させる場合について説明したが、これに限らず、発光パワーを段階的に減少させても良い。
また、上記実施形態では、OPC処理において1ECCブロックを8分割する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図17に示されるように、最初の4セクタは、発光パワーを安定化させるのに使用し、残りの12セクタを6分割しても良い。この場合には、発光パワーは6段階に変化されることとなる。
また、上記実施形態では、内周OPC領域を2分割しているが、例えば3分割しても良い。そして、2つの領域を各光ピックアップ装置で上記実施形態と同様にして使用し、残りの1つの領域を予備のOPC領域としても良い。この場合に、例えば2つの光ピックアップ装置を用いた追記を何度も繰り返し、各光ピックアップ装置用のOPC領域を使い切ると、残りの追記又は書き換え回数が少なくなったことをユーザに通知するとともに、使用する光ピックアップ装置をいずれかに限定し、予備のOPC領域を使用して追記又は書き換えを継続することもできる。
また、上記実施形態では、OPC処理において各光ピックアップ装置が互いに離れたOPC領域に試し書きを行う場合について説明したが、連続したOPC領域に試し書きを行うことも可能である。この場合について図18(A)〜図18(H)を用いて説明する。ここでは、図18(A)に示されるように、光ディスク15は、紙面内で反時計方向に回転しているものとする。また、円周の1/4が1ECCブロック長であるものとする。さらに、図18(B)に示されるように、今回の試し書き領域Ao1の開始位置をad1、次回の試し書き領域Ao2の開始位置をad2とする。
(1)光ピックアップ装置23aでad1から試し書きを行う(図18(C)参照)。
(2)光ピックアップ装置23bで試し書き領域Ao1を再生する(図18(D)参照)。
(3)各光ピックアップ装置を内周側に隣接するトラックに移動する(図18(E)参照)。
(4)光ピックアップ装置23bでad2から試し書きを行う(図18(F)参照)。
(5)光ピックアップ装置23aで試し書き領域Ao2を再生する(図18(G)参照)。
(6)次の試し書きを待つ(図18(H)参照)。
(1)光ピックアップ装置23aでad1から試し書きを行う(図18(C)参照)。
(2)光ピックアップ装置23bで試し書き領域Ao1を再生する(図18(D)参照)。
(3)各光ピックアップ装置を内周側に隣接するトラックに移動する(図18(E)参照)。
(4)光ピックアップ装置23bでad2から試し書きを行う(図18(F)参照)。
(5)光ピックアップ装置23aで試し書き領域Ao2を再生する(図18(G)参照)。
(6)次の試し書きを待つ(図18(H)参照)。
この場合には、図19に示されるように、光ピックアップ装置23aでのテスト用データの記録と、そこで記録されるテスト用データの光ピックアップ装置23bによる再生準備とが並行して行われる。また、光ピックアップ装置23bでのテスト用データの記録と、そこで記録されるテスト用データの光ピックアップ装置23aによる再生準備とが並行して行われる。
以上のように、各光ピックアップ装置を連携させることにより、書き込みから再生までの間に待ち時間をほとんど生じることなく、連続した領域に試し書きを行うことができる。この場合には、上記実施形態よりもOPC処理に要する時間は長くなるが、個別にOPC処理を行う場合に比べると、OPC処理に要する時間を短縮することができる。
以上説明したように、本発明の発光パワー取得方法によれば、複数の光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定するのに適している。また、本発明の光ディスク装置によれば、複数の光ピックアップを用いて、光ディスクに対して短時間で高い記録品質の記録を行うのに適している。また、本発明のプログラム及び記録媒体によれば、複数の光ピックアップを備えた光ディスク装置の制御用コンピュータに、複数の光ピックアップの適切な発光パワーを短時間で決定させるのに適している。
15…光ディスク、20…光ディスク装置、23a…光ピックアップ装置(複数の光ピックアップの一部)、23b…光ピックアップ装置(複数の光ピックアップの一部)、50a…CPU(取得装置、処理装置)、50b…フラッシュメモリ(記録媒体)。
Claims (22)
- 複数の光ピックアップを用いて光ディスクに記録するときの、各光ピックアップの適切な発光パワーをそれぞれ取得する発光パワー取得方法において、
前記光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、前記書き込み品質取得処理の少なくとも一部が互いに並行して行われるように、前記複数の光ピックアップで前記書き込み品質取得処理をそれぞれ行うことを特徴とする発光パワー取得方法。 - 前記試し書き領域は、前記複数の光ピックアップに対応して複数の部分領域に分割され、
前記書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップはそれぞれの対応する部分領域を使用することを特徴とする請求項1に記載の発光パワー取得方法。 - 前記光ディスクには、内周部と外周部とにそれぞれ試し書き領域が設けられ、
前記書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップの一部は前記内周部の試し書き領域を使用し、残りの光ピックアップは前記外周部の試し書き領域を使用することを特徴とする請求項1に記載の発光パワー取得方法。 - 前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの記録であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光パワー取得方法。
- 前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの再生であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光パワー取得方法。
- 前記複数の光ピックアップは、第1の光ピックアップ及び第2の光ピックアップを含み、
前記書き込み品質取得処理において、前記第1の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第2の光ピックアップによる再生準備とが並行して行われることを特徴とする請求項1に記載の発光パワー取得方法。 - 前記書き込み品質取得処理において、前記第2の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第1の光ピックアップによる再生準備とが、更に並行して行われることを特徴とする請求項6に記載の発光パワー取得方法。
- 前記書き込み品質取得処理において、前記試し書き領域を1回の試し書きで使用される大きさ毎に複数の部分領域に分割し、物理アドレスの大きい部分領域から順に使用することを特徴とする請求項6又は7に記載の発光パワー取得方法。
- 光ディスクに対して情報の記録が可能な光ディスク装置であって、
複数の光ピックアップと;
前記光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む書き込み品質取得処理において、前記複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、前記書き込み品質取得処理の少なくとも一部が互いに並行して行われるように、前記複数の光ピックアップで前記書き込み品質取得処理をそれぞれ行い、各光ピックアップの適切な発光パワーをそれぞれ取得する取得手段と;
前記複数の光ピックアップを前記取得されたそれぞれの適切な発光パワーで発光させ、前記光ディスクに情報を記録する処理装置と;を備える光ディスク装置。 - 前記試し書き領域は、前記複数の光ピックアップに対応して複数の部分領域に分割され、
前記取得手段は、光ピックアップ毎に、該光ピックアップに対応する部分領域をそれぞれ使用して前記書き込み品質取得処理を行うことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク装置。 - 前記光ディスクには、内周部と外周部とにそれぞれ試し書き領域が設けられ、
前記取得手段は、前記複数の光ピックアップの一部に前記内周部の試し書き領域を使用し、残りの光ピックアップに前記外周部の試し書き領域を使用して前記書き込み品質取得処理を行うことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク装置。 - 前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの記録であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
- 前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの再生であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
- 前記複数の光ピックアップは、第1の光ピックアップ及び第2の光ピックアップを含み、
前記取得手段は、前記書き込み品質取得処理において、前記第1の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第2の光ピックアップによる再生準備とを並行して行うことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク装置。 - 前記取得手段は、前記書き込み品質取得処理において、前記第2の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第1の光ピックアップによる再生準備とを、更に並行して行うことを特徴とする請求項14に記載の光ディスク装置。
- 前記取得手段は、前記書き込み品質取得処理において、前記試し書き領域を1回の試し書きで使用される大きさ毎に複数の部分領域に分割し、物理アドレスの大きい部分領域から順に使用することを特徴とする請求項14又は15に記載の光ディスク装置。
- 複数の光ピックアップを用いて光ディスクに情報の記録が可能な光ディスク装置に用いられるプログラムであって、
前記複数の光ピックアップのうちの少なくとも2つの光ピックアップで、前記光ディスクに設けられている試し書き領域へのテスト用データの記録及び再生を含む処理の少なくとも一部を互いに並行して行う手順を前記光ディスク装置の制御用コンピュータに実行させるプログラム。 - 前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの記録であることを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
- 前記並行して行われる処理は、前記テスト用データの再生であることを特徴とする請求項17又は18に記載のプログラム。
- 前記複数の光ピックアップは、第1の光ピックアップ及び第2の光ピックアップを含み、
前記並行して行う手順として、前記第1の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第2の光ピックアップによる再生準備とを並行して行う手順を前記制御用コンピュータに実行させることを特徴とする請求項17に記載のプログラム。 - 前記第2の光ピックアップでの記録と、そこで記録されるテスト用データの前記第1の光ピックアップによる再生準備とを並行して行う手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
- 請求項17〜21のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005102668A JP2006286063A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 発光パワー取得方法、光ディスク装置、プログラム及び記録媒体 |
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JP2013016223A (ja) * | 2011-07-04 | 2013-01-24 | Funai Electric Co Ltd | 光ディスク記録装置 |
JPWO2013088602A1 (ja) * | 2011-12-13 | 2015-04-27 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光記録再生装置 |
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- 2005-03-31 JP JP2005102668A patent/JP2006286063A/ja active Pending
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