JPWO2013088602A1 - 光記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

本実施形態の記録再生装置は、記録用光ビームおよび再生用光ビームを光記録媒体(100)に集光し、光記録媒体で反射された光ビームに基づいて信号を生成する光ヘッド装置(2a、2b)と、記録用光ビームによって光記録媒体を照射して光記録媒体に記録マークを形成し、かつ、再生用光ビームによって光記録媒体から前記記録マークを読み出すように光ヘッド装置(2a、2b)を制御する制御部(6)とを備える。光ヘッド装置(2a、2b)は、記録用光ビームによって光記録媒体を照射して光記録媒体に記録マークを形成することを開始した後、記録マークの形成が完了する前に、再生用光ビームで光記録媒体から記録マークを読み出す。

Description

本開示は、光記録媒体上におけるデータの記録・再生あるいは消去を行う光記録再生装置に関し、データ記録時にベリファイを行う光記録再生装置に関する。
現在、クラウドコンピューティングと呼ばれる、ネットワーク上のサーバ、ストレージ等を使って各種サービスを利用することが行われている。クラウドコンピューティングでは、多くの利用者が様々なデータをネットワーク上のストレージに保存するため、そのデータの蓄積量は今後さらに膨大なものとなる。また、これらの膨大なデータを保存する際の確実性、信頼性も要求されている。このような大容量化と高信頼性化に伴い、ストレージとして使用される光記録再生装置においてデータの記録と同時に記録されたデータのベリファイを行うことが必要になってきた。
1つ又は2つ以上の光ヘッド(光ピックアップ)を用いて記録とベリファイを行う光記録再生装置は、例えば、特許文献1に開示されている。記録動作とベリファイのための再生動作とを同時に行う技術は、DRAW(Direct Read after Write)と呼ばれる。
従来のベリファイ方法では、記録媒体に形成された所定単位のデータをリードした際に、「エラー訂正」前のデータ中に存在するエラーの量が予め定められた基準値以上であるかどうかを見ていた。記録媒体に形成された記録マークの形状が適正でないとき、リードエラーが発生する。リードエラーの発生頻度が十分に低いときは、記録マークによって示されるデータをエラー訂正によって復元して再生することが可能である。しかし、リードエラーの発生頻度が高すぎると、エラー訂正を行っても、データを正しく復元して再生することはできなくなる。ベリファイ時におけるリードエラーの発生頻度が基準値以上のとき、そのデータの再記録が必要であると判定される。
特開2007−80407号公報
本開示は、記録開始からベリファイ完了までの時間を短縮し得る光記録再生装置を提供する。
本開示における光記録再生装置は、記録用光ビームおよび再生用光ビームを光記録媒体に集光し、前記光記録媒体で反射された前記光ビームに基づいて信号を生成する光ヘッド装置と、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に記録マークを形成し、かつ、前記再生用光ビームによって前記光記録媒体から前記記録マークを読み出すように光ヘッド装置を制御する制御部とを備える。前記光ヘッド装置は、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に前記記録マークを形成することを開始した後、前記記録マークの形成が完了する前に、前記再生用光ビームで前記光記録媒体から前記記録マークを読み出す。
本開示における光記録再生装置は、記録開始からベリファイ完了までの時間を短縮し得る。
実施形態における光記録再生装置の構成図 光ディスク100およびその一部の模式的に拡大した部分(破線で囲まれた領域)を示す図 トラバース装置20の一例を示す図 光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図 光ヘッド2aと光ヘッド2bとの配置関係の一例を拡大して示す図 光ヘッド2aと光ヘッド2bとの配置関係の他の例を拡大して示す図 トラバース装置の他の例を示す図 光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図 光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係の他の例を示す図 本実施形態における光記録再生装置の回路構成例を示す図 ベリファイ判定に使用する検出信号(変調度)の経時変化を示す特性図 ベリファイ判定に使用する判定閾値の経時変化を示す特性図 ベリファイ判定に使用する検出信号(ジッタ値)の経時変化を示す特性図 光テープの一例を示す斜視図 バッファメモリ8と、バッファメモリ8に記録されるデータの量を示す図 光ヘッド2aと光ヘッド2b、2b’、2b’’との間の物理的距離が一定である場合の光ディスク100のトラックと各ヘッド2a、2b、2b’、2b’’との配置関係を示す図
光ディスクや光テープなどの光記録媒体に記録されているデータは、比較的弱い一定の光量の光ビームを回転または走行する光記録媒体に照射し、光記録媒体から反射された光を検出することによって再生される。例えば再生専用の光ディスクには、光ディスクの製造段階でピットによる情報が予めスパイラル状に記録されている。これに対して、書き換え可能な光ディスクでは、スパイラル状のランドまたはグルーブを有するトラックが形成された基材表面に、光学的にデータの記録/再生が可能な記録材料膜が蒸着等の方法によって堆積されている。書き換え可能な光ディスクにデータを記録する場合は、記録すべきデータに応じて光量を変調した光ビームを光ディスクに照射し、それによって記録材料膜の特性(屈折率および反射率)を局所的に変化させることによってデータの書き込みを行う。
記録材料膜にデータを記録するとき、上述のように光パワーを変調した光ビームを記録材料膜に照射することより、結晶質の記録材料膜に非晶質の記録マークを形成する。この非晶質の記録マークは、記録用光ビームの照射を受けた記録材料膜の一部が融点以上の温度に上昇した後、急速に冷却されることによって形成される。光ビームを記録マークに照射するときの光パワーを低めに設定すると、光ビームが照射された記録マークの温度は融点を超えず、急冷後に結晶質に戻る(記録マークの消去)。こうして、記録マークの書き換えを何度も行うことが可能になる。データを記録するときの光ビームの光パワーの大きさが不適切であると、記録マークの形状が歪み、データを再生することが難しくなることがある。
光記録媒体に対してデータの記録または再生を行うとき、光ビームが目標トラック上で常に所定の集束状態となる必要がある。このためには、「フォーカス制御」および「トラッキング制御」が必要となる。「フォーカス制御」は、光ビームの焦点(集束点)の位置が常に目標トラック上に位置するように対物レンズの位置を光記録媒体の表面に垂直な方向に制御することである。一方、トラッキング制御とは、光ビームのスポットが所定のトラック上に位置するように対物レンズの位置を光記録媒体の表面に平行であってトラックに垂直な方向に制御することである。
上述したフォーカス制御およびトラッキング制御を行うためには、光記録媒体から反射される光に基づいて、フォーカスずれやトラックずれを検知し、そのずれを縮小するように光ビームスポットの位置を調整することが必要である。フォーカスずれおよびトラックずれの大きさは、それぞれ、光記録媒体からの反射光に基づいて生成される「フォーカス誤差(FE)信号」および「トラッキング誤差(TE)信号」によって示される。
なお、ピットの深さ、トラックの深さ、および記録材料膜の厚さは、光記録媒体の基材の厚さに比べて小さい。このため、光記録媒体においてデータが記録されている部分は、2次元的な面を構成しており、「記録面」または「情報面」と称される場合がある。
光記録媒体は、このような情報層を少なくとも1つ有している。なお、1つの情報層が、現実には、相変化材料層や反射層などの複数の層を含んでいてもよい。
光記録媒体からデータを読み出すこと、および/または、前記光記録媒体にデータを書き込むためには、光ヘッドを備える光記録再生装置が用いられる。光ヘッドは、光ビームを出射する光源と、光源から出射された光ビームを光記録媒体上に収束する対物レンズと、光記録媒体を光ビームで照射しているときに光記録媒体から反射された光の強度を測定する光検出器とを備えている。
記録マーク形成のための光照射を行った後、記録材料膜における記録マークの光学特性(屈折率および反射率)または記録マークの形状およびサイズは、時間の経過とともに変化する。前述したように、光照射によって高温に加熱され、その後に自然に冷却される過程で光学特性が変化する。これらの変化が停止し、記録マークが安定するまでに要する時間は、光記録媒体の種類によって異なり、数秒よりも長くなる場合がある。記録マークが不安定な状態にあるとき、ベリファイを行っても、ベリファイの正しい結果を得ることができないと考えられ、従来、ベリファイ(記録マークの再生)は、記録マークが十分に安定してから行われていた。
記録マークの形成後、記録マークが充分に安定化するまでの時間が経過した後にベリファイを行うためには、記録用光ヘッドによる光照射から十分な時間が経過した後に再生用光ヘッドによる読み出しが行われるように記録用光ヘッドと再生用光ヘッドとの距離を設定すればよい。
しかしながら、記録用光ヘッドと再生用光ヘッドとの距離を長くすればするほど、記録からベリファイのための再生までの時間に光記録媒体に記録されるデータの量が多くなる。このようなデータは、ベリファイの結果によっては、再度、光記録媒体に記録されるべきである。このため、光記録再生装置は、図14に示すバッファメモリ8を備えており、このバッファメモリ8にベリファイが完了するまでのデータを一時的に記録しておくことが求められる。図14は、記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間に光記録媒体に記録されるデータの量を模式的に示している。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間が長くなると、バッファメモリ8に記録しておくデータの量が膨大となり得る。
記録媒体には、記録マークの安定化に要する時間が数秒以上もかかるものがあり得る。そのような光記録媒体が使用され得る場合、記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間を一律に長く設定する必要があると考えられていた。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間を一律に長くすると、実際には短時間で記録マークが安定化する光記録媒体が装填されている状況でも、無駄に大量のデータをバッファメモリ8に記録し、ベリファイまで長時間をかけることになる。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間が長くなると、データの記録状態(例えば記録用光ビームのパワーなど)が不適当でも、その記録条件の修正が長時間行われないまま、記録動作が継続されてしまう場合がある。データの記録状態(例えば記録用光ビームのパワーなど)を固定していると、ユーザデータを光記録媒体に記録している途中において、記録マークの質が低下することが起こり得る。例えば、光ディスクの中心に近い位置と、光ディスクの周辺部に近い位置では、記録用光ビームのパワーの最適値が異なる可能性がある。従って、記録用光ビームのパワーを一定にしたまま、長時間のデータの記録を続けると、その途中で記録マークが劣化し得る。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間が長くなると、このような記録マークの劣化を検出するまでに要する時間が長くなるという問題がある。
本発明者は、記録マークが安定する前であっても、記録マークの読み出しを行ってベリファイができることを見出した。本開示の実施形態によれば、記録マークの形成が完了する前に再生用光ビームによる記録マークの読み出しを行うことにより、上記のような不都合を回避することが可能になる。
本開示の光記録再生装置は、記録用光ビームおよび再生用光ビームを光記録媒体に集光し、前記光記録媒体で反射された前記光ビームに基づいて信号を生成する光ヘッド装置と、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に記録マークを形成し、かつ、前記再生用光ビームによって前記光記録媒体から前記記録マークを読み出すように光ヘッド装置を制御する制御部とを備える。前記光ヘッド装置は、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に前記記録マークを形成することを開始した後、前記記録マークの形成が完了する前に、前記再生用光ビームで前記光記録媒体から前記記録マークを読み出す。
ある実施形態において、前記光ヘッド装置は、前記記録用光ビームを出射する第1の光ヘッドと、前記再生用光ビームを出射する第2の光ヘッドとを含む。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変化させ得るように前記第1および第2の光ヘッドの位置を制御する。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第1の光ヘッドによる前記光記録媒体への前記記録マークの形成から前記第2の光ヘッドによる前記記録マークの読み出しまでの時間を、環境温度または前記光記録媒体に応じて変化させるように前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変化させる。
ある実施形態において、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を規定する情報を格納しているメモリを備える。
ある実施形態において、前記配置関係を規定する情報は、前記配置関係と環境温度および光記録媒体の種類とを関係づける情報である。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第2の光ヘッドが前記光記録媒体に形成された前記記録マークを読み出することによって得られる検出信号の指標値に応じて、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する。
ある実施形態において、前記検出信号の指標値は、ジッタ値、アシンメトリ値、β値、iMLSE、および変調度を含み、前記制御部は、前記指標値が設定値に達するように前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する。
ある実施形態において、前記制御部は、ユーザデータの記録開始後、前記検出信号の指標値に応じて、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変更する。
ある実施形態において、前記制御部は、ユーザデータの記録開始前に、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する。
ある実施形態において、前記光ヘッド装置は、他の光ヘッドを有する。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドを独立して移動させる機構を有する。
ある実施形態において、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの間の配置関係が固定されている。
ある実施形態において、前記光ヘッド装置は、光を出射する光源と、前記光源からの前記光を前記記録用光ビームおよび前記再生用光ビームを含む複数の光ビームに分岐する光学素子とを含む。
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施形態)
以下、実施形態における光記録再生装置を説明する。ここでは光記録媒体が光ディスクである場合について説明する。
[1−1.構成]
図1は本実施形態の光記録再生装置の構成を示す図である。図1に示されるように、本実施形態の光記録再生装置は、光ディスク100に光学的にアクセスする光ヘッド装置として2つの光ヘッド2a、2bを有している。光ヘッド2aは記録用、光ヘッド2bは再生用に用いられる。なお、これらの光ヘッド2a、2bの各々は、公知の光ヘッドと同様に、光ビームを出射する光源と、光源から出射された光ビームを光記録媒体上に収束する対物レンズと、光記録媒体を光ビームで照射しているときに光記録媒体から反射された光の強度を測定する光検出器とを備えている。光ヘッド2aおよび光ヘッド2bが同じ構成を有する場合、任意の一方を記録用に用い、他方を再生用に用いても良い。また、複数の光ヘッドのうちの一部を再生専用に使用してもよい。その場合、再生専用の光ヘッドは、データを記録するために必要なパワーで光ビームを生成し得る高出力の光源は不要である。
本明細書における「記録用」および「再生用」の用語は、「記録モード」で実行するDRAW(Direct Read after Write)の動作について使用される。光記録媒体に既に記録されているユーザデータを再生する「再生モード」では、DRAWの動作は実行されない。従って、「再生モード」では、複数の光ヘッドのうちの任意の一つ若しくは複数の光ヘッド、または全ての光ヘッドを再生用に使用しても良い。
本実施形態では、光ヘッド2a、2bがそれぞれ独立に、光記録媒体(光ディスク100)の「トラック方向」および「トラックを横切る方向」のいずれか1方向、または2方向に移動し得る。具体的には、光ヘッド2a、2bは、光ヘッド2a、2bの位置を独立して変化させ得るヘッド移動機構によって支持されている。このようなヘッド移動機構は、例えば公知の光ディスク装置に採用されている光ヘッドのトラバース装置を用いて実現され得る。光ヘッドのトラバース装置は、モータによって光ヘッドを光ディスクの半径方向に移動させることができる。2つの光ヘッド2a、2bを、それぞれ、2つのトラバース装置の可動部に搭載すれば、光ディスクの半径方向におけるヘッド2a、2bの位置を、相互に独立して、変化させることができる。
本実施形態における光記録再生装置は、光ヘッド2a、2bに対してそれぞれ、独立にレーザ制御を行う為のレーザ制御部3a、3bと、独立に位置制御を行う為の位置制御部4a、4bと、独立に信号検出を行う為の信号検出部5a、5bとを備える。またこれらレーザ制御部3a、3b、位置制御部4a、4b、信号検出部5a、5bを制御するコントローラ6を備える。コントローラ6は記録用光ヘッド2aから再生用光ヘッド2bまでの距離とベリファイ判定の閾値との関係を決定することができる。本実施形態における光記録再生装置は、ヘッド間の距離および光記録媒体の種類などに基づいてベリファイ判定の閾値を決定するための情報を格納する不揮発性メモリ7を備える。
図2は、光ディスク100およびその一部を模式的に拡大した部分(破線で囲まれた領域)を示す図である。光ディスク100は、スパイラル状または同心円状のトラックを備えている。図2の光ディスク100では、ランド10aおよびグルーブ10bが存在し、データはグルーブ10bに記録される。図2には、光ディスク100に形成された記録マーク30が模式的に示されている。
図3は、2つの光ヘッド2a、2bを、それぞれ、独立して動かすことのできるトラバース装置20の一例を示している。光ヘッド2aはトラバース装置20のガイド22aに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。光ヘッド2bはトラバース装置20のガイド22bに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。
図4は、トラバース装置20を省略し、光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図である。図4の例では、光ヘッド2aが光ヘッド2bに比べて光ディスク100の外周側に位置している。言い換えると、光ヘッド2aが記録用光ビームを照射しているトラックは、光ヘッド2bが再生用光ビームを照射しているトラックよりも外側に位置している。この例では、光ヘッド2aは光ディスク100の最内周に位置するトラックからデータの記録を開始する。光ヘッド2aは、光ディスク100の回転に伴って、一つずつ外側のトラックに移動する。従って、光ヘッド2aによってデータが記録されるトラックは、内周側から外周側に変化する。光ヘッド2bは、光ヘッド2aによってデータが記録されたトラックを遅れて追従する。図4の例では、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2トラックだけ内周側に位置している。言い換えると、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2周だけ遅れて光ディスク100上を移動している。
図5Aおよび図5Bは、光ヘッド2aと光ヘッド2bとの配置関係の例を拡大して示す図である。図5Aに示す例では、光ヘッド2aおよび光ヘッド2bは同一のトラックTr1上にある。光ディスクは、矢印Cの方向に回転している。図5Bに示す例では、光ヘッド2aは外周側(OUT)のトラックTr1上にあり、光ヘッド2bは内周側(IN)のトラックTr3上にある。光ディスク100が1回転すると、光ヘッド2bはトラックTr2上に移動し、光ディスク100が更に1回転すると、光ヘッド2bはトラックTr1上に移動する。
図6は、2つの光ヘッド2a、2bを、それぞれ、独立して動かすことのできるトラバース装置の他の例を示している。この例では、2つのトラバース装置20a、20bが、光ディスク100の回転中心の周りに180°の角度を形成するように離れて配置されている。光ヘッド2aはトラバース装置20aのガイド22aに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。光ヘッド2bはトラバース装置20bのガイド22bに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。
図7は、トラバース装置20a、20bを省略し、光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図である。図7の例では、光ヘッド2aと光ヘッド2bとが光ディスク100の同一トラック上に位置している。光ヘッド2bは、光ヘッド2aによってデータが記録されたトラックを半周遅れて追従する。
図8は、光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係の他の例を示す図である。この例では、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2トラックだけ内周側に位置している。言い換えると、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2.5周だけ遅れて光ディスク100上を移動している。
光ディスク100の回転中心を基準にすると、図4の配置例では、光ヘッド2aは光ヘッド2bに対して、約2×360°=約720°の角度だけ先行している。図7の配置例では、光ヘッド2aは光ヘッド2bに対して、180°だけ先行している。図8の配置例では、光ヘッド2aは光ヘッド2bに対して、2.5×360°=900°の角度だけ先行している。光ヘッド2aが光ヘッド2bに対して先行する角度は任意である。言い換えると、図6に示す2つのトラバース装置20aのガイド22aとトラバース装置20bのガイド22bとがなす角度は、0°または180°に限定されず、任意である。
本明細書におけるヘッド間の「距離」とは、光記録媒体におけるトラックに沿っての距離を意味する。言い換えると、記録用光ヘッド2aによる記録マーク形成の開始から、その記録マークが再生用光ヘッド2bによって読み出されるまでの間に、記録用光ヘッド2aによる光ビームが光ディスク上を移動した距離である。この「距離」は、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの配置関係を変更すれば、変化する。例えば、図15に示すように、記録用光ヘッド2aを中心とする円200の円周上で、記録用光ヘッド2aより後方側に再生用光ヘッド2bを配置した場合、ヘッド2aとヘッド2bとの間の物理的な距離、ヘッド2aとヘッド2b’との間の物理的な距離、ヘッド2aとヘッド2b’’との間の物理的な距離は、各々同じであっても、ヘッドの距離は異なる。即ち、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの間の物理的な距離が一定であっても、2つのヘッド2a、2bの配置を回転させるだけで、ヘッドの距離を変化させることも可能である。
次に図9を参照して、本実施形態における光記録再生装置の回路構成例を説明する。
図9に示す構成例では、光ヘッド2a、2bの出力がフロントエンド信号処理部1306を介してエンコーダ/デコーダ1308に送られる。エンコーダ/デコーダ1308は、再生モードにおいて、光ヘッド2a、2bによって得られる信号に基づいて光ディスク100に記録されているデータを復号する。記録モードでは、エンコーダ/デコーダ1308はデータを符号化し、光ディスク100に書き込むべき信号を生成し、レーザ制御部3a、3bに送出する。レーザ制御部3a、3bは、光ヘッド2a、2bのパワーを検出して、目標パワーとなるように制御する。さらに記録モードでは、エンコーダ/デコーダ1308の出力に応じて、光ヘッド2a、2bのレーザーパワーを制御する。
フロントエンド信号処理部1306は、光ヘッド2a、2bの出力に基づいて再生信号を生成するだけではなく、フォーカス誤差信号FEやトラッキング誤差信号TEを生成する。フォーカス誤差信号FEやトラッキング誤差信号TEは、サーボ制御部1310に送出される。サーボ制御部1310は、ドライバアンプ1304を介してモータ107を制御する一方、光ヘッド2a、2b内の各レンズアクチュエータを介して対物レンズの位置を制御する。また、図は省略したが、サーボ制御部1310は、光ヘッド2a、2bの各トラバース装置の位置も制御する。エンコーダ/デコーダ1308およびサーボ制御部1310、レーザ制御部3a、3bなどの構成要素は、CPU1309によって制御される。
図1に示す位置制御部4a、4bはサーボ制御部1310によって実現される。信号検出部5a、5bはフロントエンド信号処理部1306によって実現される。コントローラ6はCPU1309によって実現される。
[1−2.動作]
以上のように構成された光記録再生装置について、その動作を以下説明する。具体的には、本光記録再生装置を用いて記録用光ヘッド2aで形成した記録マークを再生用(ベリファイ用)光ヘッド2bで読取り、ベリファイする動作を説明する。
図10は、記録マークから得られる検出信号(変調度)のレベルと、記録マーク形成開始時刻T0からの経過時間tとの間にある関係の例を示すグラフである。図10には、変調度の経時変化を示す曲線A、Bが示されている。経過時間tが充分に長く(t>Ts)、記録マークが安定化した状態でベリファイが実施される従来技術では、曲線Aの記録マークについてはベリファイがOKとなる。しかし、曲線Bの記録マークについてはベリファイがNGである。同じ光記録媒体であっても、記録マークを形成するための光ビームの照射条件が異なると、曲線A、曲線Bに示されるように変調度の経過時間依存性が変化する。また、光ビームの照射条件が同じであっても、光記録媒体の種類によって変調度の経過時間依存性は変化し得る。なお、経過時間は、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離に対応している。記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離を短くすると、経過時間は短くなる。
光ビームの照射によって回転する光ディスクの記録膜を局所的に溶融すると、溶融部分は光ビームの照射位置から離れた後、自然に冷却されて固化する。このように溶融してから固化した部分が非晶質の記録マークになる。記録マークの状態、すなわち光学特性(屈折率および反射率)は、冷却過程の途中および冷却後も、変化し得る。図10に示す曲線A、曲線Bは、このような記録マークの光学特性の経時変化を示している。
光記録媒体が有する記録膜の種類や性質によって、記録マークが安定するまでの要する時間は大きく異なる。本実施形態には、記録マークの安定に要する時間が極めて長くなるような(例えば10分を超えるような)記録材料を採用して光記録媒体の記録膜を形成することが可能になるという利点もある。
本開示によれば、記録マークの形成開始時T0からの経過時間tが記録マークの安定化には不十分な時に信号検出を実行してベリファイの判定を行う。本実施形態では、この判定を行うため、事前に、記録マークの形成開始時T0からの経過時間tと検出信号レベルの判定閾値との関係を求め、メモリ内に記録しておく。
経過時間がt秒のときにおける判定閾値をTh(t)とする。図11には、Th(t)の一例が示されている。経過時間tが例えば0.01秒であれば、その時の判定閾値はTh(0.01)で表現され得る。この場合、t=0.01秒における変調度がTh(0.01)以上であれば、ベリファイはOKである。これに対し、t=0.01秒における変調度がTh(0.01)未満であれば、ベリファイはNGである。
検出信号として変調度を採用する場合、図11に示すように、記録マークが安定するまでは、経過時間tの増加に伴って判定閾値Th(t)は増加する傾向にある。ある経過時間tにおいてベリファイを実行し、得られた変調度のレベルが判定閾値Th(t)以上であれば、ベリファイはOKと判定される。逆に、得られた変調度のレベルが判定閾値Th(t)未満であれば、ベリファイはNGと判定される。従って、図11に示すTh(t)の曲線よりも上の領域はベリファイがOKの領域であり、Th(t)の曲線よりも下の領域はベリファイがNGの領域である。経過時間tと判定閾値Th(t)との関係が既知であれば、様々の経過時間tにおいて、ベリファイを実行することができる。
なお、検出信号としてジッタ値を採用する場合は、図12に示すように、記録マークが安定するまでは、経過時間tの増加に伴って判定閾値Th(t)は低下する傾向にある。
経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、数式によって近似的に表現されていてもよい。その場合、その数式に含まれるtに、具体的な経過時間を代入すれば、判定閾値Th(t)が得られる。また、経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、1つまたは複数の経過時間tと、その経過時間tにおける判定閾値Th(t)とを関連づけるテーブルによって規定されていても良い。このようなテーブルは、例えばt0、t1、・・・tN(Nは1以上の整数)が、Th(t0)、Th(t1)、・・・Th(tN)に関連づけられたデータである。
図11の例では、t=t0では、有効な判定が不能であり、t=t1で初めて有効な判定が可能になる。また、図11の例では、t=tNとなる経過時間がTsよりも長い。これらは、単なる一例である。
Nが1の場合は、特定の経過時間txと、その経過時間txにおける判定閾値Th(tx)とが定められる。この場合、ベリファイは特定の経過時間txに実行される。ベリファイを行うべき経過時間は、このように1つに固定されていても良い。
経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、記録媒体の種類および/または環境温度によって異なり得る。このため、経過時間tが同じでも、ベリファイがOKとなる判定閾値は、記録媒体の種類に応じて異なり得る。そのため、経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、記録媒体の種類に応じて事前に決定され得る。光記録再生装置に装填された記録媒体の種類が特定されたならば、その種類に基づいて、判定閾値Th(t)が決められる。つまり、記録媒体の種類と判定閾値Th(t)との関係を示すテーブルがメモリに記録され得る。このメモリは、図1の不揮発性メモリ7であり得る。ベリファイ時には、このメモリ内のテーブルを参照し、ベリファイに用いる判定閾値Th(t)を得る。ベリファイを実行する経過時間tの値は、記録媒体の種類によらず固定されていても良いし、異なっていても良い。例えば、他の記録媒体に比べて短時間で記録マークが安定する記録媒体に対しては、他の記録媒体に比べて短い経過時間tでベリファイを行っても良い。
光記録再生装置の製造段階において、記録媒体毎に判定閾値Th(t)を求め、判定閾値の決定からベリファイ動作までの各ステップを実行するソフトウェアを光記録再生装置に実装しても良い。
判定閾値は記録速度(倍速)に応じて変更しても良い。これは記録速度に応じて記録パワーやディスクの回転数が変化し、その結果、光ビームによって記録媒体に注入されるエネルギーの量も変化し得るからである。すなわち、記録速度に応じてベリファイがOKとなる判定閾値は異なり得る。
なお、記録媒体の種類に応じて異なる判定閾値を事前に不揮発性メモリ内に記録しておかなくても、記録開始前に判定閾値を求める学習を行っても良い。未知の種類の記録媒体であっても、実際にベリファイに使用する検出信号の経時特性を調べれば、記録マークが安定する前の段階におけるベリファイOKの判定閾値を設定することができる。
手順1として、本光記録再生装置は、記録開始前に以下の前処理(試し書きによる学習)を行う。例えば、図1の光ディスク装置は、記録用光ヘッド2aで光ディスク1上に記録マークを形成した後に、再生用光ヘッド2bで読み出された該記録マークからの信号に対して信号検出部5bで検出信号のレベルを検出する。ここで、位置制御部4bを用いて再生用光ヘッド2bを記録用光ヘッド2aに対して後方側に配置する位置を、図5Aに示すように同一トラック上で変更したり、図5Bに示すように記録用光ヘッド2aが位置するトラックと別のトラックに変更することにより、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離を様々に設定する。こうして、記録マーク形成開始からベリファイまでの経過時間を変更することができる。異なる経過時間(t=t0、t1、・・・、tN)のもとで、再生用光ヘッド2bから出力される信号に対して信号検出部5bで検出信号のレベルを測定すれば、図10に示すように記録マークから検出される検出信号のレベルを経過時間に対して測定することができる。すなわち、検出信号レベルの経過時間依存性が求められる。記録マークの形成条件(例えば、光ビームのパワー、記録媒体の走行速度、記録媒体の種類など)を変更することにより、記録マークが安定した後の検出信号のレベルがベリファイOKかNGが求まる。その結果、記録マークが安定するまでの判定閾値の経過時間依存性(例えば図11の曲線)が求められる。
本実施形態では、上記のようにして、記録マークが安定する前の状態においてベリファイがOKである検出信号のレベルを示す判定閾値を、その経過時刻に対応する記録用光ヘッド2aとベリファイ用光ヘッド2bの距離とともに決定する。これら決定された閾値と距離を光ディスク装置の不揮発性メモリなどに記録する。
このような前処理は、記録開始前に限らず、装置の出荷前にも実施することも可能である。装置出荷前に、図1に示すような装置を用いて種々の光記録媒体について判定閾値Th(t)が求められている場合、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離が固定された光ディスク装置を用いても、記録マーク安定化前のベリファイを実行することができる。ベリファイ動作そのものは、判定閾値Th(t)が既知であれば、記録マーク形成開始時からの経過時間を1つに固定していても可能だからである。記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離を可変にする目的は、判定閾値Th(t)を求めるためである。
手順2として、記録用光ヘッド2aによるユーザデータの記録動作を行う。光ディスク1上に記録マークを形成し、ベリファイ用光ヘッド2bは、手順1で決定された判定閾値を用いて、その判定閾値に対応する距離だけ、記録用光ヘッド2aから離して位置させる。記録マークが安定する前の状態で信号を読取り、信号検出部5bが記録のベリファイを行う。このベリファイ処理は判定基準として手順1で求めた判定閾値を不揮発性メモリから読出し、この閾値を用いることで実施する。
本実施形態によれば、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとが近い場合でも、記録マーク安定化前の信号からベリファイがOKとなるかNGとなるかを判断することができ、従来に比べてベリファイの速度を速くできる。
上記の例では、検出信号の指標値は変調度であるが、アシンメトリ値、β値、ジッタ値、iMLSEなどの指標値を使用してもよい。各検出信号の指標値の経時変化の特性はメディアや環境温度などによっても異なる。なお、iMLSEは、例えばPRML(Partial Response Maximum Likelihood)によるビット検出方式を採用する再生システムで用いられるエラーレートの評価値であり、特開2011−141936号公報などに記載されている。
1個の光ヘッドでデータの記録とベリファイとを順次実行する場合は、ベリファイ動作は連続せず、間欠的に行われる。例えば、約200ミリ秒間隔でベリファイ動作が実行され得る。しかし、本実施形態の光記録再生装置は、再生用光ヘッド2bを備えているため、ベリファイ動作は任意の間隔で実行できる。
上記の実施形態では、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bの距離を可変にしているが、上述したように、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bの距離は固定されていても良い。また、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bの最適な距離は、ジッタ値、アシンメトリ値、β値、変調度などの検出信号に基づいて、記録マーク安定化後のベリファイ結果を予測できる時間が確保できればよい。図11の例では、経過時間t=t0ではなく、高い確度でベリファイ結果を予測できないため、ベリファイは経過時間tをt1以上に設定して行う。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施形態では、記録マークが安定化する前の段階でベリファイを行うため、記録マーク形成からベリファイまでの期間を相対的に短く設定できる。従って、何らかの理由から記録エラーが生じたとしても、相対的に短い時間でそのエラーを検知して、早期に記録条件を修正することが可能になる。
ベリファイによって記録エラーを検知した場合、記録に失敗したデータは光記録媒体のスペア領域にあらためて記録される。再生モードでは、書き込みに失敗した部分を含むデータを、スペア領域に記録されたデータで交替する。記録マーク形成からベリファイまでの期間を短く設定すると、記録エラーが発生するたびにスペア領域に記録されるデータの量を少なくすることができる。スペア領域を広く確保しようとすると、その分、ユーザデータを記録する領域を削る必要がある。本実施形態によれば、1回の記録エラー検知のたびにスペア領域に記録するデータの量を低減することができるため、限られた大きさのスペア領域を効率的に利用できる。
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施形態をまとめて説明する。
実施形態では、光記録媒体が光ディスクであるが、光記録媒体は、これに限定されない。光記録媒体は、例えば図13に示されるような光テープであっても良い。図13は、光テープ105の一部を模式的に拡大して示す斜視図である。この例における光テープ105は、例えばベースフィルム204a、ベースフィルム204aの裏面に張り付けられたバックコート層204b、およびベースフィルム204aに支持されたインプリント層204cを含む。インプリント層204cの上面には、ランド204dおよびグルーブ204eが形成されている。図面には記載されていないが、インプリント層204cの上面を覆うように反射膜および記録材料膜が積層されている。光テープ105は、長尺方向Lに沿って延びており、例えば数百mの長さを有している。幅Wは、例えば数mmから数cmの範囲内に設定され得る。厚さは、数μmから数十μm程度であり得る。
図13のスケールは、現実の光テープ105のサイズを忠実に反映してない。実際の光テープ105には、数百本またはそれ以上の本数のランド204dおよびグルーブ204eが形成され得る。ある実施形態では、データがランド204dおよびグルーブ204eの一方に記録される。
なお、記録用の光ヘッドと再生用の光ヘッドを備える代わりに、1つの光ヘッドから記録用光ビームと再生用光ビームとを出射する構成を採用しても良い。例えば1つの光源から光学素子による回折で光ビームを複数本の光ビームに分岐し、記録用光ビームおよび再生用光ビームを形成しても良い。このような1つの光ヘッドを備える光記録再生装置でも、判定閾値Th(t)が既知であれば、安定化前の記録マークからの信号に基づいてベリファイを実行することが可能である。
本開示にかかる光記録再生装置は、これを複数個含む大容量情報記憶システムに用いられ得る。本開示の実施形態は、膨大な情報を保存する際の確実性、信頼性とともに高速性も実現する記録再生装置として有用である。
100 光記録媒体
1a、1b メディア
2a、2b、2b’、2b’’ 光ヘッド
3a、3b レーザ制御部
4a、4b 位置制御部
5a、5b 信号検出部
6 コントローラ
7 不揮発性メモリ
8 バッファメモリ
10a、10b トラック
30 記録マーク
20、20a、20b トラバース装置
22a、22b ガイド
105 光テープ
107 モータ
1304 ドライバアンプ
1306 フロンドエンド信号処理部
1308 エンコーダ/デコーダ
1309 CPU
1310 サーボ制御部
204a ベースフィルム
204b バックコート層
204c インプリント層
204d、204e トラック
本開示は、光記録媒体上におけるデータの記録・再生あるいは消去を行う光記録再生装置に関し、データ記録時にベリファイを行う光記録再生装置に関する。
現在、クラウドコンピューティングと呼ばれる、ネットワーク上のサーバ、ストレージ等を使って各種サービスを利用することが行われている。クラウドコンピューティングでは、多くの利用者が様々なデータをネットワーク上のストレージに保存するため、そのデータの蓄積量は今後さらに膨大なものとなる。また、これらの膨大なデータを保存する際の確実性、信頼性も要求されている。このような大容量化と高信頼性化に伴い、ストレージとして使用される光記録再生装置においてデータの記録と同時に記録されたデータのベリファイを行うことが必要になってきた。
1つ又は2つ以上の光ヘッド(光ピックアップ)を用いて記録とベリファイを行う光記録再生装置は、例えば、特許文献1に開示されている。記録動作とベリファイのための再生動作とを同時に行う技術は、DRAW(Direct Read after Write)と呼ばれる。
従来のベリファイ方法では、記録媒体に形成された所定単位のデータをリードした際に、「エラー訂正」前のデータ中に存在するエラーの量が予め定められた基準値以上であるかどうかを見ていた。記録媒体に形成された記録マークの形状が適正でないとき、リードエラーが発生する。リードエラーの発生頻度が十分に低いときは、記録マークによって示されるデータをエラー訂正によって復元して再生することが可能である。しかし、リードエラーの発生頻度が高すぎると、エラー訂正を行っても、データを正しく復元して再生することはできなくなる。ベリファイ時におけるリードエラーの発生頻度が基準値以上のとき、そのデータの再記録が必要であると判定される。
特開2007−80407号公報
本開示は、記録開始からベリファイ完了までの時間を短縮し得る光記録再生装置を提供する。
本開示における光記録再生装置は、記録用光ビームおよび再生用光ビームを光記録媒体に集光し、前記光記録媒体で反射された前記光ビームに基づいて信号を生成する光ヘッド装置と、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に記録マークを形成し、かつ、前記再生用光ビームによって前記光記録媒体から前記記録マークを読み出すように光ヘッド装置を制御する制御部とを備える。前記光ヘッド装置は、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に前記記録マークを形成することを開始した後、前記記録マークの形成が完了する前に、前記再生用光ビームで前記光記録媒体から前記記録マークを読み出す。
本開示における光記録再生装置は、記録開始からベリファイ完了までの時間を短縮し得る。
実施形態における光記録再生装置の構成図 光ディスク100およびその一部の模式的に拡大した部分(破線で囲まれた領域)を示す図 トラバース装置20の一例を示す図 光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図 光ヘッド2aと光ヘッド2bとの配置関係の一例を拡大して示す図 光ヘッド2aと光ヘッド2bとの配置関係の他の例を拡大して示す図 トラバース装置の他の例を示す図 光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図 光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係の他の例を示す図 本実施形態における光記録再生装置の回路構成例を示す図 ベリファイ判定に使用する検出信号(変調度)の経時変化を示す特性図 ベリファイ判定に使用する判定閾値の経時変化を示す特性図 ベリファイ判定に使用する検出信号(ジッタ値)の経時変化を示す特性図 光テープの一例を示す斜視図 バッファメモリ8と、バッファメモリ8に記録されるデータの量を示す図 光ヘッド2aと光ヘッド2b、2b’、2b’’との間の物理的距離が一定である場合の光ディスク100のトラックと各ヘッド2a、2b、2b’、2b’’との配置関係を示す図
光ディスクや光テープなどの光記録媒体に記録されているデータは、比較的弱い一定の光量の光ビームを回転または走行する光記録媒体に照射し、光記録媒体から反射された光を検出することによって再生される。例えば再生専用の光ディスクには、光ディスクの製造段階でピットによる情報が予めスパイラル状に記録されている。これに対して、書き換え可能な光ディスクでは、スパイラル状のランドまたはグルーブを有するトラックが形成された基材表面に、光学的にデータの記録/再生が可能な記録材料膜が蒸着等の方法によって堆積されている。書き換え可能な光ディスクにデータを記録する場合は、記録すべきデータに応じて光量を変調した光ビームを光ディスクに照射し、それによって記録材料膜の特性(屈折率および反射率)を局所的に変化させることによってデータの書き込みを行う。
記録材料膜にデータを記録するとき、上述のように光パワーを変調した光ビームを記録材料膜に照射することより、結晶質の記録材料膜に非晶質の記録マークを形成する。この非晶質の記録マークは、記録用光ビームの照射を受けた記録材料膜の一部が融点以上の温度に上昇した後、急速に冷却されることによって形成される。光ビームを記録マークに照射するときの光パワーを低めに設定すると、光ビームが照射された記録マークの温度は融点を超えず、急冷後に結晶質に戻る(記録マークの消去)。こうして、記録マークの書き換えを何度も行うことが可能になる。データを記録するときの光ビームの光パワーの大きさが不適切であると、記録マークの形状が歪み、データを再生することが難しくなることがある。
光記録媒体に対してデータの記録または再生を行うとき、光ビームが目標トラック上で常に所定の集束状態となる必要がある。このためには、「フォーカス制御」および「トラッキング制御」が必要となる。「フォーカス制御」は、光ビームの焦点(集束点)の位置が常に目標トラック上に位置するように対物レンズの位置を光記録媒体の表面に垂直な方向に制御することである。一方、トラッキング制御とは、光ビームのスポットが所定のトラック上に位置するように対物レンズの位置を光記録媒体の表面に平行であってトラックに垂直な方向に制御することである。
上述したフォーカス制御およびトラッキング制御を行うためには、光記録媒体から反射される光に基づいて、フォーカスずれやトラックずれを検知し、そのずれを縮小するように光ビームスポットの位置を調整することが必要である。フォーカスずれおよびトラックずれの大きさは、それぞれ、光記録媒体からの反射光に基づいて生成される「フォーカス誤差(FE)信号」および「トラッキング誤差(TE)信号」によって示される。
なお、ピットの深さ、トラックの深さ、および記録材料膜の厚さは、光記録媒体の基材の厚さに比べて小さい。このため、光記録媒体においてデータが記録されている部分は、2次元的な面を構成しており、「記録面」または「情報面」と称される場合がある。
光記録媒体は、このような情報層を少なくとも1つ有している。なお、1つの情報層が、現実には、相変化材料層や反射層などの複数の層を含んでいてもよい。
光記録媒体からデータを読み出すこと、および/または、前記光記録媒体にデータを書き込むためには、光ヘッドを備える光記録再生装置が用いられる。光ヘッドは、光ビームを出射する光源と、光源から出射された光ビームを光記録媒体上に収束する対物レンズと、光記録媒体を光ビームで照射しているときに光記録媒体から反射された光の強度を測定する光検出器とを備えている。
記録マーク形成のための光照射を行った後、記録材料膜における記録マークの光学特性(屈折率および反射率)または記録マークの形状およびサイズは、時間の経過とともに変化する。前述したように、光照射によって高温に加熱され、その後に自然に冷却される過程で光学特性が変化する。これらの変化が停止し、記録マークが安定するまでに要する時間は、光記録媒体の種類によって異なり、数秒よりも長くなる場合がある。記録マークが不安定な状態にあるとき、ベリファイを行っても、ベリファイの正しい結果を得ることができないと考えられ、従来、ベリファイ(記録マークの再生)は、記録マークが十分に安定してから行われていた。
記録マークの形成後、記録マークが充分に安定化するまでの時間が経過した後にベリファイを行うためには、記録用光ヘッドによる光照射から十分な時間が経過した後に再生用光ヘッドによる読み出しが行われるように記録用光ヘッドと再生用光ヘッドとの距離を設定すればよい。
しかしながら、記録用光ヘッドと再生用光ヘッドとの距離を長くすればするほど、記録からベリファイのための再生までの時間に光記録媒体に記録されるデータの量が多くなる。このようなデータは、ベリファイの結果によっては、再度、光記録媒体に記録されるべきである。このため、光記録再生装置は、図14に示すバッファメモリ8を備えており、このバッファメモリ8にベリファイが完了するまでのデータを一時的に記録しておくことが求められる。図14は、記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間に光記録媒体に記録されるデータの量を模式的に示している。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間が長くなると、バッファメモリ8に記録しておくデータの量が膨大となり得る。
記録媒体には、記録マークの安定化に要する時間が数秒以上もかかるものがあり得る。そのような光記録媒体が使用され得る場合、記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間を一律に長く設定する必要があると考えられていた。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間を一律に長くすると、実際には短時間で記録マークが安定化する光記録媒体が装填されている状況でも、無駄に大量のデータをバッファメモリ8に記録し、ベリファイまで長時間をかけることになる。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間が長くなると、データの記録状態(例えば記録用光ビームのパワーなど)が不適当でも、その記録条件の修正が長時間行われないまま、記録動作が継続されてしまう場合がある。データの記録状態(例えば記録用光ビームのパワーなど)を固定していると、ユーザデータを光記録媒体に記録している途中において、記録マークの質が低下することが起こり得る。例えば、光ディスクの中心に近い位置と、光ディスクの周辺部に近い位置では、記録用光ビームのパワーの最適値が異なる可能性がある。従って、記録用光ビームのパワーを一定にしたまま、長時間のデータの記録を続けると、その途中で記録マークが劣化し得る。記録マークの形成開始時刻T1からベリファイの時刻T2までの期間が長くなると、このような記録マークの劣化を検出するまでに要する時間が長くなるという問題がある。
本発明者は、記録マークが安定する前であっても、記録マークの読み出しを行ってベリファイができることを見出した。本開示の実施形態によれば、記録マークの形成が完了する前に再生用光ビームによる記録マークの読み出しを行うことにより、上記のような不都合を回避することが可能になる。
本開示の光記録再生装置は、記録用光ビームおよび再生用光ビームを光記録媒体に集光し、前記光記録媒体で反射された前記光ビームに基づいて信号を生成する光ヘッド装置と、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に記録マークを形成し、かつ、前記再生用光ビームによって前記光記録媒体から前記記録マークを読み出すように光ヘッド装置を制御する制御部とを備える。前記光ヘッド装置は、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に前記記録マークを形成することを開始した後、前記記録マークの形成が完了する前に、前記再生用光ビームで前記光記録媒体から前記記録マークを読み出す。
ある実施形態において、前記光ヘッド装置は、前記記録用光ビームを出射する第1の光ヘッドと、前記再生用光ビームを出射する第2の光ヘッドとを含む。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変化させ得るように前記第1および第2の光ヘッドの位置を制御する。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第1の光ヘッドによる前記光記録媒体への前記記録マークの形成から前記第2の光ヘッドによる前記記録マークの読み出しまでの時間を、環境温度または前記光記録媒体に応じて変化させるように前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変化させる。
ある実施形態において、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を規定する情報を格納しているメモリを備える。
ある実施形態において、前記配置関係を規定する情報は、前記配置関係と環境温度および光記録媒体の種類とを関係づける情報である。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第2の光ヘッドが前記光記録媒体に形成された前記記録マークを読み出することによって得られる検出信号の指標値に応じて、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する。
ある実施形態において、前記検出信号の指標値は、ジッタ値、アシンメトリ値、β値、iMLSE、および変調度を含み、前記制御部は、前記指標値が設定値に達するように前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する。
ある実施形態において、前記制御部は、ユーザデータの記録開始後、前記検出信号の指標値に応じて、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変更する。
ある実施形態において、前記制御部は、ユーザデータの記録開始前に、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する。
ある実施形態において、前記光ヘッド装置は、他の光ヘッドを有する。
ある実施形態において、前記制御部は、前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドを独立して移動させる機構を有する。
ある実施形態において、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの間の配置関係が固定されている。
ある実施形態において、前記光ヘッド装置は、光を出射する光源と、前記光源からの前記光を前記記録用光ビームおよび前記再生用光ビームを含む複数の光ビームに分岐する光学素子とを含む。
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施形態)
以下、実施形態における光記録再生装置を説明する。ここでは光記録媒体が光ディスクである場合について説明する。
[1−1.構成]
図1は本実施形態の光記録再生装置の構成を示す図である。図1に示されるように、本実施形態の光記録再生装置は、光ディスク100に光学的にアクセスする光ヘッド装置として2つの光ヘッド2a、2bを有している。光ヘッド2aは記録用、光ヘッド2bは再生用に用いられる。なお、これらの光ヘッド2a、2bの各々は、公知の光ヘッドと同様に、光ビームを出射する光源と、光源から出射された光ビームを光記録媒体上に収束する対物レンズと、光記録媒体を光ビームで照射しているときに光記録媒体から反射された光の強度を測定する光検出器とを備えている。光ヘッド2aおよび光ヘッド2bが同じ構成を有する場合、任意の一方を記録用に用い、他方を再生用に用いても良い。また、複数の光ヘッドのうちの一部を再生専用に使用してもよい。その場合、再生専用の光ヘッドは、データを記録するために必要なパワーで光ビームを生成し得る高出力の光源は不要である。
本明細書における「記録用」および「再生用」の用語は、「記録モード」で実行するDRAW(Direct Read after Write)の動作について使用される。光記録媒体に既に記録されているユーザデータを再生する「再生モード」では、DRAWの動作は実行されない。従って、「再生モード」では、複数の光ヘッドのうちの任意の一つ若しくは複数の光ヘッド、または全ての光ヘッドを再生用に使用しても良い。
本実施形態では、光ヘッド2a、2bがそれぞれ独立に、光記録媒体(光ディスク100)の「トラック方向」および「トラックを横切る方向」のいずれか1方向、または2方向に移動し得る。具体的には、光ヘッド2a、2bは、光ヘッド2a、2bの位置を独立して変化させ得るヘッド移動機構によって支持されている。このようなヘッド移動機構は、例えば公知の光ディスク装置に採用されている光ヘッドのトラバース装置を用いて実現され得る。光ヘッドのトラバース装置は、モータによって光ヘッドを光ディスクの半径方向に移動させることができる。2つの光ヘッド2a、2bを、それぞれ、2つのトラバース装置の可動部に搭載すれば、光ディスクの半径方向におけるヘッド2a、2bの位置を、相互に独立して、変化させることができる。
本実施形態における光記録再生装置は、光ヘッド2a、2bに対してそれぞれ、独立にレーザ制御を行う為のレーザ制御部3a、3bと、独立に位置制御を行う為の位置制御部4a、4bと、独立に信号検出を行う為の信号検出部5a、5bとを備える。またこれらレーザ制御部3a、3b、位置制御部4a、4b、信号検出部5a、5bを制御するコントローラ6を備える。コントローラ6は記録用光ヘッド2aから再生用光ヘッド2bまでの距離とベリファイ判定の閾値との関係を決定することができる。本実施形態における光記録再生装置は、ヘッド間の距離および光記録媒体の種類などに基づいてベリファイ判定の閾値を決定するための情報を格納する不揮発性メモリ7を備える。
図2は、光ディスク100およびその一部を模式的に拡大した部分(破線で囲まれた領域)を示す図である。光ディスク100は、スパイラル状または同心円状のトラックを備えている。図2の光ディスク100では、ランド10aおよびグルーブ10bが存在し、データはグルーブ10bに記録される。図2には、光ディスク100に形成された記録マーク30が模式的に示されている。
図3は、2つの光ヘッド2a、2bを、それぞれ、独立して動かすことのできるトラバース装置20の一例を示している。光ヘッド2aはトラバース装置20のガイド22aに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。光ヘッド2bはトラバース装置20のガイド22bに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。
図4は、トラバース装置20を省略し、光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図である。図4の例では、光ヘッド2aが光ヘッド2bに比べて光ディスク100の外周側に位置している。言い換えると、光ヘッド2aが記録用光ビームを照射しているトラックは、光ヘッド2bが再生用光ビームを照射しているトラックよりも外側に位置している。この例では、光ヘッド2aは光ディスク100の最内周に位置するトラックからデータの記録を開始する。光ヘッド2aは、光ディスク100の回転に伴って、一つずつ外側のトラックに移動する。従って、光ヘッド2aによってデータが記録されるトラックは、内周側から外周側に変化する。光ヘッド2bは、光ヘッド2aによってデータが記録されたトラックを遅れて追従する。図4の例では、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2トラックだけ内周側に位置している。言い換えると、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2周だけ遅れて光ディスク100上を移動している。
図5Aおよび図5Bは、光ヘッド2aと光ヘッド2bとの配置関係の例を拡大して示す図である。図5Aに示す例では、光ヘッド2aおよび光ヘッド2bは同一のトラックTr1上にある。光ディスクは、矢印Cの方向に回転している。図5Bに示す例では、光ヘッド2aは外周側(OUT)のトラックTr1上にあり、光ヘッド2bは内周側(IN)のトラックTr3上にある。光ディスク100が1回転すると、光ヘッド2bはトラックTr2上に移動し、光ディスク100が更に1回転すると、光ヘッド2bはトラックTr1上に移動する。
図6は、2つの光ヘッド2a、2bを、それぞれ、独立して動かすことのできるトラバース装置の他の例を示している。この例では、2つのトラバース装置20a、20bが、光ディスク100の回転中心の周りに180°の角度を形成するように離れて配置されている。光ヘッド2aはトラバース装置20aのガイド22aに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。光ヘッド2bはトラバース装置20bのガイド22bに沿って光ディスク100の半径方向に移動する。
図7は、トラバース装置20a、20bを省略し、光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係を示す図である。図7の例では、光ヘッド2aと光ヘッド2bとが光ディスク100の同一トラック上に位置している。光ヘッド2bは、光ヘッド2aによってデータが記録されたトラックを半周遅れて追従する。
図8は、光ヘッド2a、2bと光ディスク100のトラックとの配置関係の他の例を示す図である。この例では、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2トラックだけ内周側に位置している。言い換えると、光ヘッド2bは光ヘッド2aよりも2.5周だけ遅れて光ディスク100上を移動している。
光ディスク100の回転中心を基準にすると、図4の配置例では、光ヘッド2aは光ヘッド2bに対して、約2×360°=約720°の角度だけ先行している。図7の配置例では、光ヘッド2aは光ヘッド2bに対して、180°だけ先行している。図8の配置例では、光ヘッド2aは光ヘッド2bに対して、2.5×360°=900°の角度だけ先行している。光ヘッド2aが光ヘッド2bに対して先行する角度は任意である。言い換えると、図6に示す2つのトラバース装置20aのガイド22aとトラバース装置20bのガイド22bとがなす角度は、0°または180°に限定されず、任意である。
本明細書におけるヘッド間の「距離」とは、光記録媒体におけるトラックに沿っての距離を意味する。言い換えると、記録用光ヘッド2aによる記録マーク形成の開始から、その記録マークが再生用光ヘッド2bによって読み出されるまでの間に、記録用光ヘッド2aによる光ビームが光ディスク上を移動した距離である。この「距離」は、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの配置関係を変更すれば、変化する。例えば、図15に示すように、記録用光ヘッド2aを中心とする円200の円周上で、記録用光ヘッド2aより後方側に再生用光ヘッド2bを配置した場合、ヘッド2aとヘッド2bとの間の物理的な距離、ヘッド2aとヘッド2b’との間の物理的な距離、ヘッド2aとヘッド2b’’との間の物理的な距離は、各々同じであっても、ヘッドの距離は異なる。即ち、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの間の物理的な距離が一定であっても、2つのヘッド2a、2bの配置を回転させるだけで、ヘッドの距離を変化させることも可能である。
次に図9を参照して、本実施形態における光記録再生装置の回路構成例を説明する。
図9に示す構成例では、光ヘッド2a、2bの出力がフロントエンド信号処理部1306を介してエンコーダ/デコーダ1308に送られる。エンコーダ/デコーダ1308は、再生モードにおいて、光ヘッド2a、2bによって得られる信号に基づいて光ディスク100に記録されているデータを復号する。記録モードでは、エンコーダ/デコーダ1308はデータを符号化し、光ディスク100に書き込むべき信号を生成し、レーザ制御部3a、3bに送出する。レーザ制御部3a、3bは、光ヘッド2a、2bのパワーを検出して、目標パワーとなるように制御する。さらに記録モードでは、エンコーダ/デコーダ1308の出力に応じて、光ヘッド2a、2bのレーザーパワーを制御する。
フロントエンド信号処理部1306は、光ヘッド2a、2bの出力に基づいて再生信号を生成するだけではなく、フォーカス誤差信号FEやトラッキング誤差信号TEを生成する。フォーカス誤差信号FEやトラッキング誤差信号TEは、サーボ制御部1310に送出される。サーボ制御部1310は、ドライバアンプ1304を介してモータ107を制御する一方、光ヘッド2a、2b内の各レンズアクチュエータを介して対物レンズの位置を制御する。また、図は省略したが、サーボ制御部1310は、光ヘッド2a、2bの各トラバース装置の位置も制御する。エンコーダ/デコーダ1308およびサーボ制御部1310、レーザ制御部3a、3bなどの構成要素は、CPU1309によって制御される。
図1に示す位置制御部4a、4bはサーボ制御部1310によって実現される。信号検出部5a、5bはフロントエンド信号処理部1306によって実現される。コントローラ6はCPU1309によって実現される。
[1−2.動作]
以上のように構成された光記録再生装置について、その動作を以下説明する。具体的には、本光記録再生装置を用いて記録用光ヘッド2aで形成した記録マークを再生用(ベリファイ用)光ヘッド2bで読取り、ベリファイする動作を説明する。
図10は、記録マークから得られる検出信号(変調度)のレベルと、記録マーク形成開始時刻T0からの経過時間tとの間にある関係の例を示すグラフである。図10には、変調度の経時変化を示す曲線A、Bが示されている。経過時間tが充分に長く(t>Ts)、記録マークが安定化した状態でベリファイが実施される従来技術では、曲線Aの記録マークについてはベリファイがOKとなる。しかし、曲線Bの記録マークについてはベリファイがNGである。同じ光記録媒体であっても、記録マークを形成するための光ビームの照射条件が異なると、曲線A、曲線Bに示されるように変調度の経過時間依存性が変化する。また、光ビームの照射条件が同じであっても、光記録媒体の種類によって変調度の経過時間依存性は変化し得る。なお、経過時間は、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離に対応している。記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離を短くすると、経過時間は短くなる。
光ビームの照射によって回転する光ディスクの記録膜を局所的に溶融すると、溶融部分は光ビームの照射位置から離れた後、自然に冷却されて固化する。このように溶融してから固化した部分が非晶質の記録マークになる。記録マークの状態、すなわち光学特性(屈折率および反射率)は、冷却過程の途中および冷却後も、変化し得る。図10に示す曲線A、曲線Bは、このような記録マークの光学特性の経時変化を示している。
光記録媒体が有する記録膜の種類や性質によって、記録マークが安定するまでの要する時間は大きく異なる。本実施形態には、記録マークの安定に要する時間が極めて長くなるような(例えば10分を超えるような)記録材料を採用して光記録媒体の記録膜を形成することが可能になるという利点もある。
本開示によれば、記録マークの形成開始時T0からの経過時間tが記録マークの安定化には不十分な時に信号検出を実行してベリファイの判定を行う。本実施形態では、この判定を行うため、事前に、記録マークの形成開始時T0からの経過時間tと検出信号レベルの判定閾値との関係を求め、メモリ内に記録しておく。
経過時間がt秒のときにおける判定閾値をTh(t)とする。図11には、Th(t)の一例が示されている。経過時間tが例えば0.01秒であれば、その時の判定閾値はTh(0.01)で表現され得る。この場合、t=0.01秒における変調度がTh(0.01)以上であれば、ベリファイはOKである。これに対し、t=0.01秒における変調度がTh(0.01)未満であれば、ベリファイはNGである。
検出信号として変調度を採用する場合、図11に示すように、記録マークが安定するまでは、経過時間tの増加に伴って判定閾値Th(t)は増加する傾向にある。ある経過時間tにおいてベリファイを実行し、得られた変調度のレベルが判定閾値Th(t)以上であれば、ベリファイはOKと判定される。逆に、得られた変調度のレベルが判定閾値Th(t)未満であれば、ベリファイはNGと判定される。従って、図11に示すTh(t)の曲線よりも上の領域はベリファイがOKの領域であり、Th(t)の曲線よりも下の領域はベリファイがNGの領域である。経過時間tと判定閾値Th(t)との関係が既知であれば、様々の経過時間tにおいて、ベリファイを実行することができる。
なお、検出信号としてジッタ値を採用する場合は、図12に示すように、記録マークが安定するまでは、経過時間tの増加に伴って判定閾値Th(t)は低下する傾向にある。
経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、数式によって近似的に表現されていてもよい。その場合、その数式に含まれるtに、具体的な経過時間を代入すれば、判定閾値Th(t)が得られる。また、経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、1つまたは複数の経過時間tと、その経過時間tにおける判定閾値Th(t)とを関連づけるテーブルによって規定されていても良い。このようなテーブルは、例えばt0、t1、・・・tN(Nは1以上の整数)が、Th(t0)、Th(t1)、・・・Th(tN)に関連づけられたデータである。
図11の例では、t=t0では、有効な判定が不能であり、t=t1で初めて有効な判定が可能になる。また、図11の例では、t=tNとなる経過時間がTsよりも長い。これらは、単なる一例である。
Nが1の場合は、特定の経過時間txと、その経過時間txにおける判定閾値Th(tx)とが定められる。この場合、ベリファイは特定の経過時間txに実行される。ベリファイを行うべき経過時間は、このように1つに固定されていても良い。
経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、記録媒体の種類および/または環境温度によって異なり得る。このため、経過時間tが同じでも、ベリファイがOKとなる判定閾値は、記録媒体の種類に応じて異なり得る。そのため、経過時間tと判定閾値Th(t)との関係は、記録媒体の種類に応じて事前に決定され得る。光記録再生装置に装填された記録媒体の種類が特定されたならば、その種類に基づいて、判定閾値Th(t)が決められる。つまり、記録媒体の種類と判定閾値Th(t)との関係を示すテーブルがメモリに記録され得る。このメモリは、図1の不揮発性メモリ7であり得る。ベリファイ時には、このメモリ内のテーブルを参照し、ベリファイに用いる判定閾値Th(t)を得る。ベリファイを実行する経過時間tの値は、記録媒体の種類によらず固定されていても良いし、異なっていても良い。例えば、他の記録媒体に比べて短時間で記録マークが安定する記録媒体に対しては、他の記録媒体に比べて短い経過時間tでベリファイを行っても良い。
光記録再生装置の製造段階において、記録媒体毎に判定閾値Th(t)を求め、判定閾値の決定からベリファイ動作までの各ステップを実行するソフトウェアを光記録再生装置に実装しても良い。
判定閾値は記録速度(倍速)に応じて変更しても良い。これは記録速度に応じて記録パワーやディスクの回転数が変化し、その結果、光ビームによって記録媒体に注入されるエネルギーの量も変化し得るからである。すなわち、記録速度に応じてベリファイがOKとなる判定閾値は異なり得る。
なお、記録媒体の種類に応じて異なる判定閾値を事前に不揮発性メモリ内に記録しておかなくても、記録開始前に判定閾値を求める学習を行っても良い。未知の種類の記録媒体であっても、実際にベリファイに使用する検出信号の経時特性を調べれば、記録マークが安定する前の段階におけるベリファイOKの判定閾値を設定することができる。
手順1として、本光記録再生装置は、記録開始前に以下の前処理(試し書きによる学習)を行う。例えば、図1の光ディスク装置は、記録用光ヘッド2aで光ディスク1上に記録マークを形成した後に、再生用光ヘッド2bで読み出された該記録マークからの信号に対して信号検出部5bで検出信号のレベルを検出する。ここで、位置制御部4bを用いて再生用光ヘッド2bを記録用光ヘッド2aに対して後方側に配置する位置を、図5Aに示すように同一トラック上で変更したり、図5Bに示すように記録用光ヘッド2aが位置するトラックと別のトラックに変更することにより、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離を様々に設定する。こうして、記録マーク形成開始からベリファイまでの経過時間を変更することができる。異なる経過時間(t=t0、t1、・・・、tN)のもとで、再生用光ヘッド2bから出力される信号に対して信号検出部5bで検出信号のレベルを測定すれば、図10に示すように記録マークから検出される検出信号のレベルを経過時間に対して測定することができる。すなわち、検出信号レベルの経過時間依存性が求められる。記録マークの形成条件(例えば、光ビームのパワー、記録媒体の走行速度、記録媒体の種類など)を変更することにより、記録マークが安定した後の検出信号のレベルがベリファイOKかNGが求まる。その結果、記録マークが安定するまでの判定閾値の経過時間依存性(例えば図11の曲線)が求められる。
本実施形態では、上記のようにして、記録マークが安定する前の状態においてベリファイがOKである検出信号のレベルを示す判定閾値を、その経過時刻に対応する記録用光ヘッド2aとベリファイ用光ヘッド2bの距離とともに決定する。これら決定された閾値と距離を光ディスク装置の不揮発性メモリなどに記録する。
このような前処理は、記録開始前に限らず、装置の出荷前にも実施することも可能である。装置出荷前に、図1に示すような装置を用いて種々の光記録媒体について判定閾値Th(t)が求められている場合、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離が固定された光ディスク装置を用いても、記録マーク安定化前のベリファイを実行することができる。ベリファイ動作そのものは、判定閾値Th(t)が既知であれば、記録マーク形成開始時からの経過時間を1つに固定していても可能だからである。記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとの距離を可変にする目的は、判定閾値Th(t)を求めるためである。
手順2として、記録用光ヘッド2aによるユーザデータの記録動作を行う。光ディスク1上に記録マークを形成し、ベリファイ用光ヘッド2bは、手順1で決定された判定閾値を用いて、その判定閾値に対応する距離だけ、記録用光ヘッド2aから離して位置させる。記録マークが安定する前の状態で信号を読取り、信号検出部5bが記録のベリファイを行う。このベリファイ処理は判定基準として手順1で求めた判定閾値を不揮発性メモリから読出し、この閾値を用いることで実施する。
本実施形態によれば、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bとが近い場合でも、記録マーク安定化前の信号からベリファイがOKとなるかNGとなるかを判断することができ、従来に比べてベリファイの速度を速くできる。
上記の例では、検出信号の指標値は変調度であるが、アシンメトリ値、β値、ジッタ値、iMLSEなどの指標値を使用してもよい。各検出信号の指標値の経時変化の特性はメディアや環境温度などによっても異なる。なお、iMLSEは、例えばPRML(Partial Response Maximum Likelihood)によるビット検出方式を採用する再生システムで用いられるエラーレートの評価値であり、特開2011−141936号公報などに記載されている。
1個の光ヘッドでデータの記録とベリファイとを順次実行する場合は、ベリファイ動作は連続せず、間欠的に行われる。例えば、約200ミリ秒間隔でベリファイ動作が実行され得る。しかし、本実施形態の光記録再生装置は、再生用光ヘッド2bを備えているため、ベリファイ動作は任意の間隔で実行できる。
上記の実施形態では、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bの距離を可変にしているが、上述したように、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bの距離は固定されていても良い。また、記録用光ヘッド2aと再生用光ヘッド2bの最適な距離は、ジッタ値、アシンメトリ値、β値、変調度などの検出信号に基づいて、記録マーク安定化後のベリファイ結果を予測できる時間が確保できればよい。図11の例では、経過時間t=t0ではなく、高い確度でベリファイ結果を予測できないため、ベリファイは経過時間tをt1以上に設定して行う。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施形態では、記録マークが安定化する前の段階でベリファイを行うため、記録マーク形成からベリファイまでの期間を相対的に短く設定できる。従って、何らかの理由から記録エラーが生じたとしても、相対的に短い時間でそのエラーを検知して、早期に記録条件を修正することが可能になる。
ベリファイによって記録エラーを検知した場合、記録に失敗したデータは光記録媒体のスペア領域にあらためて記録される。再生モードでは、書き込みに失敗した部分を含むデータを、スペア領域に記録されたデータで交替する。記録マーク形成からベリファイまでの期間を短く設定すると、記録エラーが発生するたびにスペア領域に記録されるデータの量を少なくすることができる。スペア領域を広く確保しようとすると、その分、ユーザデータを記録する領域を削る必要がある。本実施形態によれば、1回の記録エラー検知のたびにスペア領域に記録するデータの量を低減することができるため、限られた大きさのスペア領域を効率的に利用できる。
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施形態をまとめて説明する。
実施形態では、光記録媒体が光ディスクであるが、光記録媒体は、これに限定されない。光記録媒体は、例えば図13に示されるような光テープであっても良い。図13は、光テープ105の一部を模式的に拡大して示す斜視図である。この例における光テープ105は、例えばベースフィルム204a、ベースフィルム204aの裏面に張り付けられたバックコート層204b、およびベースフィルム204aに支持されたインプリント層204cを含む。インプリント層204cの上面には、ランド204dおよびグルーブ204eが形成されている。図面には記載されていないが、インプリント層204cの上面を覆うように反射膜および記録材料膜が積層されている。光テープ105は、長尺方向Lに沿って延びており、例えば数百mの長さを有している。幅Wは、例えば数mmから数cmの範囲内に設定され得る。厚さは、数μmから数十μm程度であり得る。
図13のスケールは、現実の光テープ105のサイズを忠実に反映してない。実際の光テープ105には、数百本またはそれ以上の本数のランド204dおよびグルーブ204eが形成され得る。ある実施形態では、データがランド204dおよびグルーブ204eの一方に記録される。
なお、記録用の光ヘッドと再生用の光ヘッドを備える代わりに、1つの光ヘッドから記録用光ビームと再生用光ビームとを出射する構成を採用しても良い。例えば1つの光源から光学素子による回折で光ビームを複数本の光ビームに分岐し、記録用光ビームおよび再生用光ビームを形成しても良い。このような1つの光ヘッドを備える光記録再生装置でも、判定閾値Th(t)が既知であれば、安定化前の記録マークからの信号に基づいてベリファイを実行することが可能である。
本開示にかかる光記録再生装置は、これを複数個含む大容量情報記憶システムに用いられ得る。本開示の実施形態は、膨大な情報を保存する際の確実性、信頼性とともに高速性も実現する記録再生装置として有用である。
100 光記録媒体
1a、1b メディア
2a、2b、2b’、2b’’ 光ヘッド
3a、3b レーザ制御部
4a、4b 位置制御部
5a、5b 信号検出部
6 コントローラ
7 不揮発性メモリ
8 バッファメモリ
10a、10b トラック
30 記録マーク
20、20a、20b トラバース装置
22a、22b ガイド
105 光テープ
107 モータ
1304 ドライバアンプ
1306 フロンドエンド信号処理部
1308 エンコーダ/デコーダ
1309 CPU
1310 サーボ制御部
204a ベースフィルム
204b バックコート層
204c インプリント層
204d、204e トラック

Claims (14)

  1. 記録用光ビームおよび再生用光ビームを光記録媒体に集光し、前記光記録媒体で反射された前記光ビームに基づいて信号を生成する光ヘッド装置と、
    前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に記録マークを形成し、かつ、前記再生用光ビームによって前記光記録媒体から前記記録マークを読み出すように光ヘッド装置を制御する制御部と、
    を備え、
    前記光ヘッド装置は、前記記録用光ビームによって前記光記録媒体を照射して前記光記録媒体に前記記録マークを形成することを開始した後、前記記録マークの形成が完了する前に、前記再生用光ビームで前記光記録媒体から前記記録マークを読み出す、光記録再生装置。
  2. 前記光ヘッド装置は、
    前記記録用光ビームを出射する第1の光ヘッドと、
    前記再生用光ビームを出射する第2の光ヘッドと、
    を含む、請求項1に記載の光記録再生装置。
  3. 前記制御部は、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変化させ得るように前記第1および第2の光ヘッドの位置を制御する、請求項2に記載の光記録再生装置。
  4. 前記制御部は、前記第1の光ヘッドによる前記光記録媒体への前記記録マークの形成から前記第2の光ヘッドによる前記記録マークの読み出しまでの時間を、環境温度または前記光記録媒体に応じて変化させるように前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変化させる、請求項3に記載の光記録再生装置。
  5. 前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を規定する情報を格納しているメモリを備える、請求項3に記載の光記録再生装置。
  6. 前記配置関係を規定する情報は、前記配置関係と環境温度および光記録媒体の種類とを関係づける情報である、請求項5に記載の光記録再生装置。
  7. 前記制御部は、前記第2の光ヘッドが前記光記録媒体に形成された前記記録マークを読み出することによって得られる検出信号の指標値に応じて、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する、請求項3に記載の光記録再生装置。
  8. 前記検出信号の指標値は、ジッタ値、アシンメトリ値、β値、iMLSE、および変調度の何れかであり、
    前記制御部は、前記指標値が設定値に達するように前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する、請求項7に記載の光記録再生装置。
  9. 前記制御部は、ユーザデータの記録開始後、前記検出信号の指標値に応じて、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を変更する、請求項8に記載の光記録再生装置。
  10. 前記制御部は、ユーザデータの記録開始前に、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの配置関係を決定する、請求項3に記載の光記録再生装置。
  11. 他の光ヘッドを有する、請求項2に記載の光記録再生装置。
  12. 前記制御部は、前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドを独立して移動させる機構を有する、請求項3に記載の光記録再生装置。
  13. 前記光ヘッド装置において、前記第1の光ヘッドと前記第2の光ヘッドとの間の配置関係が固定されている、請求項2に記載の光記録再生装置。
  14. 前記光ヘッド装置は、
    光を出射する光源と、
    前記光源からの前記光を前記記録用光ビームおよび前記再生用光ビームを含む複数の光ビームに分岐する光学素子と、
    を含む、請求項1に記載の光記録再生装置。
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