JP2006284921A - 偏光膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な手段で、直線偏光膜を安価に大量に生産できるようにする。
【解決手段】 感光性金属化合物粒子を含むポリマー膜を延伸する工程、およびポリマー膜に光を照射し、感光性金属化合物粒子を金属粒子に変化させる工程により直線偏光膜を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属粒子を含むポリマー膜からなる偏光膜の製造方法に関する。
ヨウ素や二色性染料を含有するポリマーフイルムを延伸することにより、配向させて偏光特性を得た偏光膜が、従来から液晶表示装置に用いられている。しかし、従来の偏光膜は、一般に熱に対する耐久性が弱い。
フッ素化ポリアミック酸に金属塩を溶解し、加熱延伸させることにより、フッ素化ポリイミド中に微細な異方性ナノ金属粒子を延伸方向と長軸方向とが一致するように配向させる偏光膜の製造方法が提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。この偏光膜は、耐久性が高いために光通信の分野への適用が期待されている。
しかし、上記の製造方法は、300度以上の非常に高い温度において加熱する工程を含む。高温処理に付随して、製造装置が複雑、大型化する問題がある。さらに、このような高温度域で利用できる高分子媒体は、300度以上の非常に高いガラス転移点を有するものに限定されている。
ポリマー中にアスペクト比が2以上の棒状ハロゲン化銀粒子または棒状金属粒子を配向させた光学異方性薄膜(例えば、特許文献1、2参照)も提案されている。棒状金属粒子は、棒状ハロゲン化銀粒子を現像して銀粒子を得るか、あるいはカーボンナノチューブのような材料の微細な空孔に金属を注入して形成する。粒子の配向には、リオトロピック液晶の配向(特許文献1)またはポリマーフイルムの延伸処理(特許文献2)を応用する。
特開2002−357718号公報 特開2003−139951号公報 Sho-ichi Matsuda、Shinji Ando, Polymers for Advanced Technologies誌、第14巻、459頁(2003年) 松田祥一,安藤慎治、高分子論文集、第61巻、29頁(2004年)
本発明の課題は、簡易な手段で、偏光膜を安価に大量に生産することである。
本発明の課題は、下記[1]〜[10]により解決された。
[1]感光性金属化合物粒子を含むポリマー膜を延伸する工程;およびポリマー膜に光を照射し、感光性金属化合物粒子を金属粒子に変化させる工程を含む偏光膜の製造方法。
[2]感光性金属化合物粒子が、金属の硝酸塩または金属の有機酸塩からなる[1]に記載の製造方法。
[3]ポリマー膜が、配向制御剤を含む[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]配向制御剤が下記式(I)で表される含窒素ヘテロ環化合物である[3]に記載の製造方法:
Figure 2006284921
[式中、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基または置換アルケニル基であり;RおよびRは、それぞれ独立に、一価の置換基であり;mは0乃至4の整数であり;nは0乃至5の整数であり;式(I)に示されるピリジニウム環またはベンゼン環に、複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合していてもよい;そして、Xは対アニオンである]。
[5]配向制御剤が下記式(II)で表される含窒素ヘテロ環化合物である[3]に記載の製造方法:
Figure 2006284921
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基または置換アルキル基であり;AおよびAは、それぞれ独立に、含窒素ヘテロ環を形成する非金属原子群であり;Lは単結合または2価の連結基であり;Xは対アニオンであり;そして、nは0乃至2の整数であって、nが0または1の場合、分子内塩を形成する]。
[6]配向制御剤が下記式(III)で表される含窒素ヘテロ環化合物である[3]に記載の製造方法:
Figure 2006284921
[式中、AおよびAは、それぞれ独立に、含窒素ヘテロ環を形成する非金属原子群であり;Lは2価の連結基であり;Xは対アニオンであり;そして、nは0乃至2の整数であって、nが0または1の場合、分子内塩を形成する]。
[7]照射する光が紫外光である[1]に記載の製造方法。
[8]照射する光が直線偏光である[1]に記載の製造方法。
[9]ポリマー膜を延伸する工程を実施した後に、ポリマー膜に光を照射する工程を実施する[1]に記載の製造方法。
[10]ポリマー膜を延伸する工程と、ポリマー膜に光を照射する工程とを同時に実施する[1]に記載の製造方法。
[11]照射する光が直線偏光であり、延伸方向と直線偏光の偏光軸の方向とが実質的に平行である[10]に記載の製造方法。
本発明では、大規模な装置を必要とせずに簡便な方法で、ポリマー中に微細な異方性金属粒子を配向させることができる。従って、本発明によれば、偏光膜を安価に大量に生産することができる。
本発明の製造方法は、(3)感光性金属化合物粒子を含むポリマー膜を延伸する工程、および(4)ポリマー膜に光を照射し、感光性金属化合物粒子を金属粒子に変化させる工程の二工程が必須である。(3)の工程と(4)の工程は、同時に実施できる。(3)の工程の後に(4)の工程を実施してもよい。
(3)の工程に使用する感光性金属化合物粒子を含むポリマー膜は、(1)感光性金属化合物とポリマーを含む塗布液を調製する工程、および(2)塗布液を流延してポリマー膜を製造する工程により製造することができる。
以下、(1)〜(4)の工程順に説明する。
(1)感光性金属化合物とポリマーを含む塗布液を調製する工程
[感光性金属化合物]
感光性金属化合物は、光照射により金属に変換できる化合物(例、金属塩、金属錯体、有機金属化合物)を意味する。
変換により形成される金属粒子の表面プラズモン吸収が300nm以上750nm以下の範囲となる金属を選択することが好ましい。
金属は、銀、金、銅、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、セレン、コバルト、ニッケルおよび鉛が好ましく、銀、金および銅がさらに好ましく、銀が最も好ましい。
感光性金属化合物は、金属塩が好ましい。金属と塩を構成する酸として、無機酸と有機酸のいずれも用いることができる。
無機酸の例は、硝酸、ハロゲン化水素酸(例、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸)、シアン化水素酸を含む。
有機酸の例は、カルボン酸(例、酢酸、酪酸、シュウ酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ラウリン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフルオロ酪酸、アルダル酸)、スルホン酸(例、フェニルジアゾスルホン酸)、スルフィン酸を含む。
金属錯体または有機金属化合物を感光性金属化合物として用いることもできる。金属錯体を構成するキレート剤の例は、テノイルトリフルオロアセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、アセチルアセトナート、ジエチルジチオカルバメート、5−クロロサリチルアルドキシムを含む。上記の金属塩と配位子(例、イミダゾール、ピリジン、フェニルメチルスルフィド)とで銀錯体を形成してもよい。
感光性金属化合物は、金属イオンのハロゲン錯体の酸(例、塩化金酸、塩化白金酸)やアルカリ金属塩(例、塩化金酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム)も含む。
二種類以上の感光性金属化合物を併用してもよい。
感光性金属化合物粒子の平均粒径は、2乃至300nmが好ましく、5乃至150nmがさらに好ましい。
感光性金属化合物粒子の形状は、アスペクト比が2以上の棒状に限らず、アスペクト比が2未満の球状であってもよい。
[ポリマー]
ポリマーは、溶媒(水または有機溶媒)に溶解することが好ましい。
水溶性ポリマーの例は、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸を含む、ポリビニルアルコールが好ましい。
有機溶媒に可溶性のポリマーの例は、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、セルロースアセテート(例、セルローストリアセテート)、セルロースブチレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンアジパミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルおよびそれらの共重合体(例、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体)を含む。ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルが好ましい。
[配向制御剤]
感光性金属化合物およびポリマーに加えて、配向制御剤を用いることができる。本明細書において、配向制御剤とは、感光性金属化合物粒子の金属表面に吸着し、成長の配向および形状を制御する機能を有する化合物を意味する。配向制御剤は、下記式(I)、(II)または(III)で表される含窒素ヘテロ環化合物が好ましい。
Figure 2006284921
式(I)において、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基または置換アルケニル基である。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至20が好ましい。アルキル基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換アルキル基の置換基の例は、下記RおよびRの一価の置換基の例と同様(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を除く)である。
アルケニル基の炭素原子数は、2乃至20が好ましい。アルケニル基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。
置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。置換アルケニル基の置換基の例は、下記RおよびRの一価の置換基の例と同様(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を除く)である。
式(I)において、RおよびRは、それぞれ独立に、一価の置換基である。
置換基の炭素原子数は、20以下であることが好ましい。
置換基の例は、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(例、ピリジル、フリル、イミダゾリル、ピペリジル、モルホリノ)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基、ウレイド基、置換ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル、置換スルファモイル基、カルバモイル基、置換カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、リン酸アミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、ニトロ基、スルフィノ基、アンモニオ基、置換アンモニオ基(例、トリメチルアンモニオ)、ホスホニオ基、ヒドラジノ基を含む。置換アルキル基、置換アミノ基、置換ウレイド基、置換スルファモイル基、置換カルバモイル基、置換アンモニオ基の置換基の例は、上記一価の置換基の例と同様である。
式(I)において、mは0乃至4の整数である。mが2、3または4の場合、複数のRは、互いに異なっていてもよい。
式(I)において、nは0乃至5の整数である。nが2、3、4または5の場合、複数のRは、互いに異なっていてもよい。
式(I)に示されるピリジニウム環またはベンゼン環に、複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合していてもよい。縮合環の例は、キノリン環、イソキノリン環、アクリジン環、ナフタレン環を含む。
式(I)において、Xは対アニオンである。対アニオンの例は、ハライドイオン(例、塩素イオン、臭素イオン)、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、トリフロロメタンスルホン酸イオンを含む。
以下に、式(I)で表される含窒素ヘテロ環化合物の例を示す。
Figure 2006284921
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Figure 2006284921
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式(II)において、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基または置換アルキル基である。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、4乃至10がさらに好ましい。アルキル基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換アルキル基の置換基の例は、式(I)におけるRおよびRの一価の置換基の例と同様(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を除く)である。
式(II)において、AおよびAは、それぞれ独立に、含窒素ヘテロ環を形成する非金属原子群である。含窒素ヘテロ環は、他のヘテロ原子(例、他の窒素原子、酸素原子、硫黄原子)を含むことができる。含窒素ヘテロ環に他の環(例、ベンゼン環)が縮合してもよい。
含窒素ヘテロ環は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、式(I)におけるRおよびRの一価の置換基の例と同様である。
式(II)において、Lは単結合または2価の連結基である。2価の連結基は、炭素原子数が1乃至18のアルキレン基、炭素原子数が6乃至18のアリーレン基、炭素原子数が2乃至18のアルケニレン基、−SO−、−SO−、−O−、−S−、−CO−、−NR−(Rは、アルキル基、アリール基または水素原子)、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。Lは炭素原子数が1乃至18のアルキレン基または炭素原子数が2乃至18のアルケニレン基であることがさらに好ましい。
式(II)において、Xは対アニオンである。対アニオンの例は、ハライドイオン(例、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン)、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホナートイオン、オギザラートイオンを含む。
式(II)において、nは0乃至2の整数であって、nが0または1の場合、分子内塩を形成する。
以下に、式(II)で表される含窒素ヘテロ環化合物の例を示す。
Figure 2006284921
Figure 2006284921
Figure 2006284921
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Figure 2006284921
Figure 2006284921
式(III)において、AおよびAは、それぞれ独立に、含窒素ヘテロ環を形成する非金属原子群である。含窒素ヘテロ環については、式(II)と同様である。
式(III)において、Lは2価の連結基である。2価の連結基については、式(II)と同様である。
式(III)において、Xは対アニオンである。対アニオンの例は、式(II)と同様である。
式(III)において、nは0乃至2の整数であって、nが0または1の場合、分子内塩を形成する。
以下に、式(III)で表される含窒素ヘテロ環化合物の例を示す。
Figure 2006284921
Figure 2006284921
Figure 2006284921
2種類以上の配向制御剤を併用してもよい。
[塗布液]
塗布液は、感光性金属化合物、ポリマーおよび任意の成分(例、配向制御剤)を溶媒(水または有機溶媒)に溶解または分散することにより調製する。
感光性金属化合物は、ポリマー100質量部に対して0.01乃至20質量部が好ましく、0.1乃至10質量部がさらに好ましい。ポリマー100質量部に対して、感光性金属化合物が0.01質量部未満になると、偏光膜としての機能が低下する場合がある。ポリマー100質量部に対して、感光性金属化合物が20質量部を超えると、均一な偏光膜を製造することが難しくなる。
配向制御剤の量は、ポリマー100質量部に対して0.01乃至20質量部が好ましく、0.1乃至10質量部がさらに好ましい。
塗布液は、不純物あるいは不溶物を除去するために濾過を行ってから使用することが好ましい。
有機溶媒は、感光性金属化合物とポリマーの種類に応じて決定する。有機溶媒は、ポリマーを溶解することが好ましい。有機溶媒は、感光性金属化合物を溶解するか、感光性金属化合物粒子を良好に分散できることが好ましい。
有機溶媒の例は、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、ハロゲン化炭化水素(例、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素)、エステル(例、酢酸エチル、酢酸メチル)、エーテル(例、エチルエーテル、イソプロピルエーテル)、炭化水素(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン)を含む。
2種類以上の溶媒を混合してもよい。
(2)塗布液を流延してポリマー膜を製造する工程
[支持体]
塗布液を支持体上に流延し、乾燥後、得られたポリマーフイルムを支持体から剥ぎ取ることにより、感光性金属化合物を含むポリマーフイルムを製造できる。
支持体には、ドラムやバンドも含まれる。
支持体は、塗布液に溶解せず、加熱処理温度に対する耐熱性がある材料で構成する。支持体の材料の例は、ガラス、金属、繊維、ポリマー(プラスチック)、紙、木材を含む。
支持体は、ガラス板、金属板またはポリマーフイルムが好ましい。ポリマーフイルムを用いる場合、感光性金属化合物を含むポリマーフイルムに融着(あるいは密着)せずに剥離できるポリマーを用いる必要がある。
[塗布液の流延]
支持体上へ塗布液を流延する方法は、公知の方法(例、ベーカーアプリケーター法、ドクターブレード法、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
塗布は、暗室で行うことが好ましい。
[乾燥、剥ぎ取り]
溶媒を乾燥により蒸発させ、得られたポリマーフイルムを剥ぎ取ることにより、感光性金属化合物を含むポリマーフイルムを得ることができる。必要に応じて、高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させる方法も採用できる。ポリマーフイルムの剥ぎ取りは一般的な方法を用いることができる。簡易的には得られたポリマーフイルム末端に粘着テープを密着させ、支持体から剥ぎ取る方法が採用できる。
剥ぎ取り時にはポリマーフイルム中に残留溶媒が含まれていてもよい。なお、微量の残留溶媒が含まれている方が得られる膜質の観点で好ましい。微量の残留溶媒の量はポリマーに対して3質量%以下が好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。その後、必要に応じて再度乾燥を行ってもよい。
(3)感光性金属化合物粒子を含むポリマー膜を延伸する工程
ポリマーフイルムの延伸は応力下で一軸延伸することが好ましい。延伸には、加熱延伸法、調湿延伸法、あるいは調湿下における加熱延伸法を用いることができるが、加熱延伸法が好ましい。延伸率は1.5から20が好ましく、3から10がさらに好ましい。加熱延伸を施す場合には、加熱温度はポリマーフイルムのガラス転移点(Tg)以上に加熱することが好ましい。
(4)ポリマー膜に光を照射し、感光性金属化合物粒子を金属粒子に変化させる工程
光照射には、一般的な光源であるランプ(例、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ)、レーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザー)、発光ダイオード、陰極線管が使用できる。
露光波長は、可視光、近紫外光、近赤外光が一般的である。ただし、X線や電子ビームを用いてもよい。
照射する光は、偏光であってもよい。偏光は、直線偏光であることが好ましい。直線偏光を照射する場合は、ポリマーフイルムの延伸軸と偏光の偏光軸の方向を実質的に平行にして偏光を照射することが好ましい。ここで、実質的に平行とは、延伸軸と偏光の偏光軸が成す角が25度以内であることを意味する。
偏光照射には一般的な方法、例えば前記の光源とヨウ素、二色性色素、ワイヤーグリッドなどの各種偏光板を用いる方法、ブリュースター角を利用した偏光透過フィルターを用いる方法、グラン−トムソンプリズムを用いる方法、あるいは偏光性を有するレーザー光を用いる方法を採用することができる。
[実施例1]
下記の成分からなる塗布液を調製した。
────────────────────────────────────
塗布液
────────────────────────────────────
酪酸銀 0.2g
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ製) 20g
水 100g
────────────────────────────────────
塗布液をベーカーアプリケーター(塗布厚500μm、ヨシミツ精機製)によって、75μmの厚みの透明なポリエチレンテレフタレートフイルム上に均一に塗布し、温度80℃、湿度45%RHの条件で乾燥した。粘着テープを用いてポリエチレンテレフタレートフイルムから得られた酪酸銀を含有するポリビニルアルコールフイルムを剥離した。次に、温風で加熱しながら応力を加え一軸にフイルムの長さを5倍に延伸した後、応力を加えた延伸下で紫外線照射装置(EXECURE3000、HIYA−SCOTT製)を用いて紫外光(150mW)を5分間照射し、偏光膜を製造した。
[実施例2]
下記の成分からなる塗布液を調製した。調製した塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に偏光膜を製造した。
────────────────────────────────────
塗布液
────────────────────────────────────
硝酸銀 0.2g
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ製) 20g
水 100g
────────────────────────────────────
[実施例3]
下記の成分からなる塗布液を調製した。調製した塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に偏光膜を製造した。
────────────────────────────────────
塗布液
────────────────────────────────────
メチルスルホン酸銀 0.2g
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ製) 20g
水 100g
────────────────────────────────────
[実施例4]
下記の成分からなる塗布液を調製した。調製した塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に偏光膜を製造した。
────────────────────────────────────
塗布液
────────────────────────────────────
メチルスルホン酸銀 0.2g
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ製) 20g
配向制御剤(130) 35mg
水 100g
メタノール 70g
────────────────────────────────────
得られた偏光膜を透過型電子顕微鏡で観察し、微細な異方性銀粒子の生成を確認した。透過型電子顕微鏡写真を図1に示す。
[実施例5]
下記の成分からなる塗布液を調製した。
────────────────────────────────────
塗布液
────────────────────────────────────
メチルスルホン酸銀 0.2g
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ製) 20g
水 100g
メタノール 70g
配向制御剤(130) 35mg
────────────────────────────────────
塗布液をベーカーアプリケーター(塗布厚500μm、ヨシミツ精機製)によって、75μmの厚みの透明なポリエチレンテレフタレートフイルム上に均一に塗布し、温度80℃、湿度45%RHの条件で乾燥した。粘着テープを用いてポリエチレンテレフタレートフイルムから得られたメチルスルホン酸銀を含有するPVAフイルムを剥離した。次に、温風で加熱しながら応力を加え一軸にフイルムの長さを5倍に延伸した後、一定の応力を加えた状態で偏光紫外線照射装置(ニコン技術工房製)を用いて紫外光(50mW)を延伸軸と偏光軸を実質的に平行にして15分間照射し、偏光膜を製造した。
[比較例1]
特開2003−139951号公報の段落番号0026〜0028に記載の実施例1の方法で、棒状(異方性)ハロゲン化銀粒子を含む偏光膜を製造した。
(偏光膜の評価)
薄膜偏光板の物性を評価する目的で、実施例1〜実施例5、比較例1により得られた偏光板の偏光透過スペクトルを分光光度計(UV−2400PC、Simadzu製)の光路中に偏光板を挿入して測定し、その透過二色比を算出した。
結果を第1表に示す。
第1表
────────────────────────────────────
偏光膜 二色比(測定波長)
────────────────────────────────────
実施例1 38 (440nm)
実施例2 35 (440nm)
実施例3 20 (440nm)
実施例4 40 (440nm)
実施例5 55 (440nm)
比較例1 2.0(440nm)
────────────────────────────────────
本発明により製造される金属粒子を含む偏光膜は、光通信やディスプレイ用途の偏光板に利用できる。また、本発明の方法は、偏光膜の作成に光照射を採用しているため、パターニングが容易である。
実施例4で製造した偏光膜の透過型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 微細な異方性銀粒子

Claims (11)

  1. 感光性金属化合物粒子を含むポリマー膜を延伸する工程;およびポリマー膜に光を照射し、感光性金属化合物粒子を金属粒子に変化させる工程を含む偏光膜の製造方法。
  2. 感光性金属化合物粒子が、金属の硝酸塩または金属の有機酸塩からなる請求項1に記載の製造方法。
  3. ポリマー膜が配向制御剤を含む請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 配向制御剤が下記式(I)で表される含窒素ヘテロ環化合物である請求項3に記載の製造方法:
    Figure 2006284921
    [式中、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基または置換アルケニル基であり;RおよびRは、それぞれ独立に、一価の置換基であり;mは0乃至4の整数であり;nは0乃至5の整数であり;式(I)に示されるピリジニウム環またはベンゼン環に、複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合していてもよい;そして、Xは対アニオンである]。
  5. 配向制御剤が下記式(II)で表される含窒素ヘテロ環化合物である請求項3に記載の製造方法:
    Figure 2006284921
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基または置換アルキル基であり;AおよびAは、それぞれ独立に、含窒素ヘテロ環を形成する非金属原子群であり;Lは単結合または2価の連結基であり;Xは対アニオンであり;そして、nは0乃至2の整数であって、nが0または1の場合、分子内塩を形成する]。
  6. 配向制御剤が下記式(III)で表される含窒素ヘテロ環化合物である請求項3に記載の製造方法:
    Figure 2006284921
    [式中、AおよびAは、それぞれ独立に、含窒素ヘテロ環を形成する非金属原子群であり;Lは2価の連結基であり;Xは対アニオンであり;そして、nは0乃至2の整数であって、nが0または1の場合、分子内塩を形成する]。
  7. 照射する光が紫外光である請求項1に記載の製造方法。
  8. 照射する光が直線偏光である請求項1に記載の製造方法。
  9. ポリマー膜を延伸する工程を実施した後に、ポリマー膜に光を照射する工程を実施する請求項1に記載の製造方法。
  10. ポリマー膜を延伸する工程と、ポリマー膜に光を照射する工程とを同時に実施する請求項1に記載の製造方法。
  11. 照射する光が直線偏光であり、延伸方向と直線偏光の偏光軸の方向とが実質的に平行である請求項10に記載の製造方法。
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