JP2006283636A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 あらゆるエンジン運転領域でシリンダ内に残留する排気ガスを掃気できるようにし、また、自然吸気式エンジンにおいてもかかる掃気を実行可能とする。
【解決手段】 吸気弁及び排気弁の開弁期間中にオーバーラップ期間OLが設定されたエンジンの制御装置において、吸気弁の上流側の吸気通路に設けられ、吸気通路内を完全閉止可能で且つ吸気弁の開閉と同期して開閉可能な吸気制御弁と、前記オーバーラップ期間中に吸気制御弁を開弁(IC1)させ、オーバーラップ期間中の吸気圧が排気圧より高くなるように吸気制御弁を閉弁(IC2)させる制御手段とを備える。オーバーラップ期間中に吸排気圧力差等を利用して残留ガスを掃気できる。吸気制御弁は任意の運転領域で開閉作動可能なので、あらゆるエンジン運転領域で掃気が可能となる。またこの圧力差は過給機によらないため、自然吸気式エンジンにおいても掃気が可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明はエンジンの制御装置に係り、特に、吸気弁及び排気弁の開弁期間中にオーバーラップ期間が設定されたエンジンの制御装置に関する。
この種のエンジンにおいて、オーバーラップ期間中に吸排気の差圧を利用してシリンダ内に残留する排気ガス(残留ガス)を排気側に掃気し、残留ガス量を減少してその分新気量を増やし、燃焼効率ひいてはエンジン出力の向上を図ることが知られている。
かかる残留ガスの掃気作用は、吸気圧が排気圧より高くなるほど効果が増し、また、オーバーラップ期間が長いほど顕著となる。特許文献1には、アイドリング時のような極低負荷時において、オーバーラップ期間を大きくした状態で敢えて過給機を駆動し、吸気圧を排気圧より高め、残留ガスの掃気を行うことが開示されている。
特開平10−274069号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、過給機を駆動した状態で残留ガスの掃気を行うものであり、逆に言えば過給機を駆動した状態でないと掃気を行うことができない。一般的には、過給機が駆動されるのがエンジンの高負荷側であり、エンジンの低負荷側では掃気を行うことができない。特許文献1では、過給機に機械式(スーパーチャージャ)を用い、敢えて掃気のためにエンジンの低負荷側で過給機を駆動しているが、この場合もやはり機械損失等のエネルギロスは避けられない。このように特許文献1の技術では、実質的に掃気可能な領域が高負荷側に限られてしまい、あらゆる領域で残留ガスを掃気することができない。
また、自然吸気式エンジンの場合、一般的に排気圧よりも吸気圧の方が低いため、このような掃気を行うことができない。たとえオーバーラップ期間を増加させても、残留ガスが増加してノック特性が悪化し、燃焼が悪化してしまう。
そこで本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、広範囲にわたるエンジン運転領域でシリンダ内に残留する排気ガスを排気側に掃気することができ、また、自然吸気式エンジンにおいてもかかる掃気を実行可能なエンジンの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一形態は、吸気弁及び排気弁の開弁期間中にオーバーラップ期間が設定されたエンジンの制御装置において、前記吸気弁の上流側の吸気通路に設けられ、該吸気通路内を閉止可能で且つ前記吸気弁の開閉と同期して開閉可能な吸気制御弁と、前記吸気弁の閉弁前に前記吸気制御弁を閉弁させ、前記オーバーラップ期間中の吸気圧が排気圧より高くなるように前記吸気制御弁を開弁させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
この本発明の一形態によれば、オーバーラップ期間中の吸気圧が排気圧より高くなるように吸気制御弁が開弁され、且つ吸気弁の閉弁前に吸気制御弁が閉弁されるので、オーバーラップ期間中に、吸排気圧力差と吸気の流れとを利用して、シリンダ内の残留ガスを排気側に掃気することができる。吸気制御弁は、任意のエンジン運転領域において開閉作動可能である。従って、広範囲にわたるエンジン運転領域で残留ガスの掃気が可能である。また、この掃気は過給機によって作られた吸排気圧力差によるものではない。よって過給機の無い自然吸気式エンジンにおいても掃気が実行可能である。
吸気弁の閉弁前に吸気制御弁が閉弁されると、吸気制御弁の閉弁時期から吸気弁の閉弁時期までの間の期間において、吸気制御弁と吸気弁との間の吸気通路に負圧が形成される。この負圧は次回、吸気制御弁と吸気弁とのいずれか一方が開くまで保持される。吸気弁が開くと同時かその後に、吸気制御弁が瞬時に開かれると、その直前に形成されていた吸気制御弁の上下流側の圧力差により、吸気がシリンダ内に一気に流入される。このときに吸気圧が排気圧より高くなり、シリンダ内の残留ガスが掃気される。
好ましくは、前記制御手段が、前記オーバーラップ期間中に前記吸気制御弁を開弁させる。
好ましくは、前記制御手段が、前記吸気弁の閉弁前に前記吸気制御弁を閉弁させ、かつ次サイクルの前記吸気弁の開弁前に前記吸気制御弁を開弁させる。
この場合には、吸気弁の閉弁前に吸気制御弁が閉弁することによって、吸気制御弁と吸気弁との間が負圧にされ、次サイクルの吸気行程のための吸気弁の開弁前に吸気制御弁が開弁することによって、吸気制御弁よりも上流側に位置する吸気通路内の空気が、吸気制御弁と吸気弁との間の領域に急激に流れ込み、慣性の作用により、当該領域を一時的に昇圧させることが可能となる。
好ましくは、前記制御手段が、前記吸気弁の開弁前であっても、所定の非開弁条件下では、前記吸気制御弁を少なくとも前記オーバーラップ期間前に開弁させない。
好ましくは、前記吸気制御弁の上流側と下流側との圧力差が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の上流圧が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の下流圧が所定値以下のいずれか一つ以上を含むことを、前記所定の非開弁条件とする。
好ましくは、前記制御手段が、前記吸気制御弁を、前記オーバーラップの期間のうち少なくとも一部で全閉とさせる。
好ましくは、前記吸気制御弁の上流側と下流側との圧力差が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の上流圧が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の下流圧が所定値以下のいずれか一つ以上を含むことを、前記吸気制御弁を前記オーバーラップの期間のうち少なくとも一部で全閉とさせる条件とする。
好ましくは、前記制御手段が、前記バルブオーバーラップの期間のうち前記少なくとも一部の期間内であっても、所定の非閉弁条件下では、前記吸気制御弁を開弁させる。
好ましくは、エンジン運転状態に基づいて目標空気量を決定する目標空気量決定手段と、前記吸気制御弁の上流側の吸気通路に設けられた制御可能な吸気絞り弁とをさらに備え、前記制御手段が、前記吸気絞り弁の開度を所定の基準開度よりも増大させ、その増大された前記吸気絞り弁の開度に対応して目標空気量相当の空気量が得られるように前記吸気制御弁の開弁期間を設定する。
残留ガス掃気時の吸気圧を排気圧よりできるだけ高めるためには、吸気制御弁の上流側の圧力をできるだけ高めるのが好ましい。この好ましい構成によれば、吸気絞り弁の開度が所定の基準開度よりも増大されるので、例えば自然吸気式エンジンの場合にあっては吸気圧を大気圧に近づけることができる。また、その吸気絞り弁開度に対応して目標空気量相当の空気量が得られるように吸気制御弁の開弁期間が設定されるので、実際にシリンダ内に吸入される空気量を適正量とすることができる。
好ましくは、前記制御手段が、前記目標空気量が所定値未満のときには、前記吸気制御弁の開弁期間を一定とし、且つ前記目標空気量の増加に従って前記吸気絞り弁の開度を所定の最大値まで増加させ、前記目標空気量が所定値以上のときには、前記吸気絞り弁の開度を前記最大値に保持し、且つ前記目標空気量の増加に従って前記吸気制御弁の開弁期間を増加させる。
この好ましい構成によれば、目標空気量が所定値未満のときには、吸気絞り弁の開度の制御により空気量が適正量に制御され、目標空気量が所定値以上のときには、吸気制御弁の開弁期間の制御により空気量が適正量に制御される。
好ましくは、前記オーバーラップ期間を可変にするオーバーラップ可変手段をさらに備え、 該オーバーラップ可変手段が、前記オーバーラップ期間中の所定のタイミングにおける吸気圧が排気圧より所定値以上高いとき、前記オーバーラップ期間を所定の基準期間よりも増大する。
この好ましい構成によれば、オーバーラップ期間中の所定のタイミングにおける吸気圧が排気圧より所定値以上高いとき、オーバーラップ期間が所定の基準期間よりも増大されるので、掃気実行時間を長期化し、掃気量を増大することができる。
好ましくは、燃料を噴射するインジェクタと、該インジェクタによる燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とをさらに備え、該燃料噴射制御手段が、前記吸気制御弁の開弁期間内に燃料噴射期間を設定、或いは、前記吸気制御弁の閉弁以前に燃料噴射期間を終了、或いは、排気弁の閉弁以降に燃料噴射を開始する。
シリンダ内への吸気の流入は、吸気制御弁の開弁時にのみ実質的に可能である。この好ましい構成によれば、吸気制御弁の開弁期間内に燃料噴射期間が設定、或いは、前記吸気制御弁の閉弁以前に燃料噴射期間を終了されるので、燃料を吸気の流れに乗せてシリンダ内に流入させることができ、燃料の微粒化等を促進することができる。また、排気弁が閉弁してから燃料噴射を開始することで、オーバーラップ時に排気系へ燃料が吹き抜けることを防止できる。なお、これらの燃料噴射制御は燃料の移動時間、インジェクタのタイムラグを考慮することが望ましい。
本発明によれば、広範囲にわたるエンジン運転領域でシリンダ内に残留する排気ガスを排気側に掃気することができ、また、自然吸気エンジンにおいてもかかる掃気を実行することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明の好適一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に、本発明の第1実施形態に係るエンジンの制御装置の構成を概略的に示す。本実施形態において、エンジン1は車両用多気筒自然吸気式ガソリンエンジンであり(図では1気筒のみ示す)、ガソリンからなる燃料をインジェクタ10から吸気通路11内に噴射し、これによって形成された混合気をシリンダ12内の燃焼室13で点火プラグ14によって着火させ、排気ガスを排気通路17を通じて排出する構造となっている。
吸気通路11は、知られているように、互いに接続された吸気管、サージタンク、吸気マニホールド及び吸気ポート15によって区画形成される。特にその下流側端部が吸気ポート15によって区画形成され、吸気ポート15の出口が吸気弁16によって開閉される。本実施形態の場合、インジェクタ10は、吸気ポート15内に臨んで吸気通路11に設けられ、吸気ポート15内に向けて燃料を噴射する。排気通路17は、知られているように、互いに接続された排気ポート19、排気マニホールド、排気管及び触媒18によって区画形成される。特にその上流側端部が排気ポート19によって区画形成され、排気ポート19の入口が排気弁20によって開閉される。触媒18は排気管の途中に設けられて排気ガス中のCO、HC、NOx等の有害物質を除去する。なお触媒18は本実施形態では三元触媒であるが、酸化触媒、NOx触媒等であってもよい。触媒18は複数個設けられてもよい。
本実施形態において、吸気弁16及び排気弁20は、クランク軸26の2倍の周期で回転駆動される吸気弁用カムシャフト41及び排気弁用カムシャフト42によってそれぞれ周期的に開閉駆動される。また、図2に示すように、これら吸気弁16及び排気弁20の開弁期間中にはオーバーラップ期間OLが設定される。本実施形態では、オーバーラップ期間OLを可変にするオーバーラップ可変手段が設けられ、このオーバーラップ可変手段は、本実施形態では、吸気弁用カムシャフト41に連結された可変バルブタイミング機構(以下VVTという)43によって構成される。VVT43は、クランク軸26の位相に対する吸気弁用カムシャフト41の位相を相対的に進角又は遅角させ、これにより、全気筒の吸気弁16の開弁期間IN(開弁時期IN1から閉弁時期IN2までの期間)を一斉に進角又は遅角させるものである。この吸気弁16の開弁期間の進角又は遅角によりオーバーラップ期間が増減される。図2には一例として、開弁期間INの進角(破線参照)により基準のオーバーラップ期間OLに対し増加されたオーバーラップ期間がOL+で示されている。なお、吸気弁16の開弁期間INを大きく遅らせることによりオーバーラップ期間をゼロとすることもできる。VVT41の詳細な構成は、例えば特開平8−218823号公報に開示されているような従来のものと同様である
図1に戻って、吸気通路11には、上流側から順にエアフローメータ21、吸気絞り弁22及び吸気制御弁23が設けられている。エアフローメータ21は、これを通過する空気流量に応じた信号を制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUという)100に出力する。このように本実施形態では、エンジンに吸入される空気量をエアフローメータ21により直接検出しているが、例えば吸気圧センサを設けてこれによって検出された吸気圧に基づいて空気量を計算するようにしてもよい。吸気絞り弁22は制御可能であり、本実施形態では電気作動式とされてその開度がECU100によって制御される。吸気制御弁23については後に詳述する。このように、吸気通路11においては、吸気弁16の上流側に吸気制御弁23が設けられ、吸気制御弁23の上流側に吸気絞り弁22が設けられる。また吸気制御弁23の下流側、本実施形態では吸気制御弁23と吸気弁16との間に、インジェクタ10が設けられる。
シリンダ12内にはピストン24が往復動可能に収容されている。ピストン24はコンロッド25を介してクランク軸26に連結される。エンジン始動のためのスタータ27も設けられ、これは、エンジンの始動時に、クランク軸26の端部に設けられたリングギヤに噛み合ってクランク軸26を駆動する。
かかるエンジンの制御装置の電気的構成について述べる。ECU100には、前述のインジェクタ10、点火プラグ14、VVT43、エアフローメータ21、吸気絞り弁22、吸気制御弁23、スタータ27のほか、クランク角センサ28、酸素濃度センサ29、アクセル開度センサ30、ブレーキスイッチ31、車速センサ32が接続されている。
インジェクタ10は、ECU100から出力されるオンオフ信号に基づいて開閉され、これによって燃料噴射を実行・停止する。点火プラグ14は、ECU100から出力される点火信号に基づいて火花を放出する。吸気絞り弁22はバタフライ弁の形式であり、吸気通路11内に配設された弁体37と、弁体37を駆動するロータリソレノイド等の電動アクチュエータ38と、弁体37の開度を検出するセンサ39とを備える。アクセル開度センサ30は、ドライバによるアクセルペダルの操作量(踏み込み量)に応じた信号をECU100に出力する。スタータ27はECU100から出力されるオンオフ信号に基づいてオンオフされる。
クランク角センサ28は、クランク軸26の所定の位相間隔でパルス信号をECU100に出力する。ECU100はこのパルス信号に基づいて、クランク軸26即ちエンジンの位相を検出すると共に、クランク軸26の回転速度即ちエンジン回転速度を演算する。酸素濃度センサ29は、排気ガス中の酸素濃度に応じた信号をECU100に出力する。ブレーキスイッチ31は、ドライバによるフットブレーキ操作に応じたオンオフ信号をECU100に出力する。ブレーキ作動時にはオンである。車速センサ32は、車両の速度(車速)に応じた信号をECU100に出力する。
吸気制御弁23は、吸気通路11内に配設された弁体33と、弁体33を駆動するロータリソレノイド等の電動アクチュエータ34とを備える。なお弁体33の開度を検出するセンサをさらに備えてもよい。吸気制御弁23は、吸気絞り弁22と異なり、その全閉時に吸気通路11を気密に閉止し、吸気の通過を遮断する構造となっている。これに対し吸気絞り弁22は、その全閉時に吸気通路11を最大に絞るだけで、吸気の通過を許容する。また吸気制御弁23の電動アクチュエータ34は、吸気絞り弁22の電動アクチュエータ38よりも遥かに高速で作動可能であり、応答性が高く、弁体33を例えば2、3msec以内に、エンジン回転が2000rpmではクランク角の単位で10°CA程度のオーダーで、開閉可能である。これにより、吸気制御弁23は吸気弁16の開閉と同期して開閉可能である。本実施形態では吸気制御弁23がバタフライ弁形式となっているが、例えばシャッター弁等の他の形式であってもよい。
この吸気制御弁23は、ECU100から電動アクチュエータ34に出力される開度信号に応じて、全開から全閉まで、その開度が制御される。またこの吸気制御弁23は各気筒毎に設けられ、各気筒が複数の吸気通路11(特に吸気ポート15)を有する場合、これら吸気通路11毎に、気筒毎あるいは吸気ポート15毎に吸気制御弁23が設けられる。このように複数設けられた吸気制御弁23は、各気筒毎、各吸気通路11毎に個別に制御可能である。本実施形態では個々の気筒を単位として吸気制御弁23が制御される。
さて、本実施形態に係るエンジンの制御装置においては、この吸気制御弁23を利用して、シリンダ12内に残留する排気ガス(残留ガス)をオーバーラップ期間中に排気通路17に掃気し、残留ガス量を減少して燃焼効率等の向上を図るようにしている。以下これについて説明する。
2には、吸気弁16及び排気弁20のバルブリフトを示し、併せて、吸気制御弁23の開弁期間ICと燃料噴射期間FIとをそれぞれ示している。吸気弁16及び排気弁20の開弁時期をそれぞれIN1及びEX1で示し、吸気弁16及び排気弁20の閉弁時期をそれぞれIN2及びEX2で示す。各弁について、開弁時期IN1,EX1から閉弁時期IN2,EX2までの期間が開弁期間IN,EXである。また、吸気弁16の開弁時期IN1から排気弁20の閉弁時期EX2までの期間がオーバーラップ期間OLである。吸気制御弁23の開弁時期及び閉弁時期をそれぞれIC1及びIC2で示し、燃料噴射の開始時期及び終了時期をそれぞれFI1及びFI2で示す。吸気上死点をTDCで示す。
吸気制御弁23はオーバーラップ期間OL中に開弁される。言い換えれば、吸気制御弁23の開弁時期IC1はオーバーラップ期間OL内に設定される。開弁時期IC1の最も進角側の時期は図示されるような吸気弁の開弁時期IN1、その最も遅角側の時期は排気弁の閉弁時期EX2である。他方、吸気制御弁23は、オーバーラップ期間OL中の吸気圧が排気圧より高くなるように閉弁される。吸気制御弁23は吸気弁16の閉弁前に閉弁され、より具体的には吸気制御弁23の閉弁時期IC2は吸気弁16の閉弁時期IN2より前に設定される。なお、本実施形態において吸気制御弁23の開弁、閉弁といった場合、吸気制御弁23がそれぞれ全開、全閉になることをいう。ここでの吸気制御弁23と吸気絞り弁22とに対する全開、全閉とは、通過空気に対する絞りの影響(効果)をさすものであり、例えば、吸気制御弁23が機械的に全開でなくても、吸気制御弁23により空気流量の減少がなければ「全開」な状態としている。
こうすると、吸気制御弁23の閉弁時期IC2から吸気弁16の閉弁時期IN2までの間の期間では、図3(a)に示すように、ピストン24の下降により、吸気弁16と吸気制御弁23との間の吸気通路11(以下これを弁間通路35という)に負圧が形成される。この後、吸気弁16の閉弁時期IN2が到来して吸気弁16が全閉となると、その負圧は弁間通路35に閉じ込められる。この状態は次に吸気弁16が開くまで継続される。エンジンが自然吸気式なので、吸気絞り弁22が一定以上の開度であれば、閉弁状態の吸気制御弁23の上流側は大気圧であり、他方吸気制御弁23の下流側の弁間通路35は大気圧より低い負圧である。この状態で、仮に吸気弁16のみが開くと、シリンダ12内の残留排気ガスは一旦弁間通路35に吸い込まれる。しかしながら、図3(b)に示すように、吸気弁16が開くと同時かそれより遅れて吸気制御弁23が瞬時に全開とされると、吸気制御弁23の上下流側の差圧により吸気が一気にシリンダ12内に流れ込み、一種の慣性過給効果により吸気圧は排気圧より高くなる。この吸気の圧力上昇を利用して、残留ガスを低減することができる。
図4は、各エンジン形態における吸排気圧を比較した表で、通常の自然吸気式エンジンの場合を「NA」で、通常の過給式エンジンの場合を「過給」で、本実施形態に係る吸気制御弁23を有した自然吸気式エンジンの場合を「吸気制御+NA」で、また本実施形態において吸気制御弁23による過給と通常の過給との両者を行った場合を「吸気制御+通常の過給」でそれぞれ示す。見られるように、通常の自然吸気式エンジンの場合、吸気圧が排気圧より低く、上記のようなオーバーラップ中の残留ガス掃気は行えない。一方、本実施形態の場合、吸気圧を排気圧よりも高めることができ、自然吸気式エンジンでも、また通常の過給を併せて行う場合にも、容易にオーバーラップ中の残留ガス掃気を行うことができる。
上記のメカニズムから考察するに、残留ガス掃気効果を高めるためには、オーバーラップ期間OLと、吸気制御弁23の開弁期間ICとの重複期間をできるだけ長くするのが好ましい。よって吸気制御弁23の開弁時期IC1は図2に示す如く吸気弁16の開弁時期IN1と同時期又はその前に設定するのが好ましい。また、吸気制御弁23の閉弁時期IC2は、排気弁20の閉弁時期EX2と同時又はその後とするのが好ましい。ただし残留ガス掃気効果を高めるためには、弁間通路35に維持される負圧を大きくするのが好ましく、そのためには、吸気制御弁23の閉弁時期IC2は吸気弁16の閉弁時期IN2よりできるだけ前であるのが好ましい。ただし、後に説明するが、吸気制御弁23の閉弁時期IC2ないしは開弁期間ICに応じてシリンダ内に流入する空気量をコントロールするため、この点も考慮して吸気制御弁23の開弁時期IC1及び閉弁時期IC2を決定する必要がある。
また、残留ガス掃気効果を高めるためには、吸気制御弁23の開弁直前における吸気制御弁23の上流側の圧力を高め、その上下流側の圧力差を大きくすることや、オーバーラップ期間OLを長期化し、吸気制御弁23の開弁期間ICとの重複期間をできるだけ長くとれるようにすることなども好適である。本実施形態では、以上の観点に基づき、次のような制御を行っている。
まず、本実施形態におけるエンジン制御の概要を、図5に示されるメインルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンはECU100によって燃料噴射サイクル毎に実行される。
まず最初のステップS101では、クランクセンサ28及びアクセル開度センサ30の出力信号に基づいてそれぞれ演算及び検出されたエンジン回転速度及びアクセル開度が読み込まれる。次のステップS102では、読み込まれたアクセル開度の値から、エンジンに要求されるトルク即ち目標トルクが演算決定される。当然、アクセル開度が大きくなるほど目標トルクは大きくなる。
次に、ステップS103において、読み込まれたエンジン回転速度と決定された目標トルクとから目標空気量が決定される。目標空気量とは、エンジンに吸入される空気量(吸入空気量)の目標値である。この目標空気量の決定は、図6に示すような目標空気量マップを使用して行われる。
この後ステップS104において、決定された目標空気量から負荷率(%)が演算決定される。この負荷率とは、目標空気量を、エンジン回転速度とエンジンの1回転当たりの排気量との積で除した値である。
次に、ステップS105において、吸気絞り弁22が目標開度に制御され、ステップS106において、吸気制御弁23の開弁期間が設定される。そしてステップS107では、オーバーラップ期間OLを制御するオーバーラップ制御が実行され、ステップS108では目標点火時期が決定される。これらについては後に説明する。
次いで、ステップS109において吸気制御弁23の開弁・閉弁制御が実行され、ステップS110において燃料噴射量制御が実行される。これらについても後に説明する。そして、ステップS111において点火プラグ14による点火が実行され、本ルーチンが終了する。
まず、ステップS105及びS106における吸気絞り弁22の制御及び吸気制御弁23の開弁期間の設定について説明する。これについては、図7に示されるようなマップが使用される。上段の(a)図は吸気絞り弁開度THについてのマップであり、下段の(b)図は吸気制御弁開弁期間ICについてのマップである。これらマップには、目標空気量Gaと吸気絞り弁開度TH及び吸気制御弁開弁期間ICとの関係がそれぞれ入力されている。従ってECU100は、ステップS103で得られた目標空気量Gaからマップを使用して吸気絞り弁開度TH及び吸気制御弁開弁期間ICを決定することとなる。なお、図示される関係はあるエンジン回転速度に対してのものであり、各マップは目標空気量に加えエンジン回転速度をもパラメータとするものである。
これらマップに実線で示されるように、目標空気量Gaが所定値Ga1未満のときには、吸気制御弁開弁期間ICが一定値IC1とされ、且つ目標空気量Gaの増加に従って吸気絞り弁開度THが初期値(例えば40%)から全開(100%)まで増加される。また、目標空気量が所定値Ga1以上のときには、吸気絞り弁開度THが全開(100%)に保持され、且つ目標空気量Gaの増加に従って吸気制御弁開弁期間ICが所定の最大値ICmaxまで増加される。吸気絞り弁開度THが全開で吸気制御弁開弁期間ICが最大のときの最大空気量はGamaxである。
以下これを具体的に説明する。例えば、吸気制御弁23が無い或いは常に全開であると仮定した場合、空気量は吸気絞り弁開度のみに依存する(ここで簡略化のためエンジン回転速度等の他のパラメータは無視する)。吸気絞り弁開度THと空気量との関係は、(a)図に破線で示す如く比例の関係となり、吸気絞り弁開度THが全閉のとき空気量最小で、吸気絞り弁開度THが増すに従い空気量も増加していき、吸気絞り弁開度THが全開のとき空気量は最大となる。このように、あるエンジン回転速度において最大に得ることのできる空気量がGamaxである。またここで、かかる吸気絞り弁開度THと空気量との関係を得られるような吸気絞り弁開度を基準開度とする。
ところで、前述したように、残留ガスの掃気のためには、吸気制御弁23の上流側の圧力をできるだけ高めておくのが好ましい。よって吸気絞り弁22の開度はできるだけ大きいのが好ましい。そこで、目標空気量Gaが所定値Ga1未満のとき、(a)図に破線で示されるような基準開度よりも吸気絞り弁22の開度を増大(増大量をΔTHで示す)させた値を初期値TH1とし、吸気制御弁23の上流側の圧力を高めるようにしている。なお本実施形態の場合、自然吸気式エンジンなので、吸気制御弁23の上流側の圧力を大気圧に近づけるようにしている。
ところで、こうすると、吸気制御弁23が無い或いは全開状態であるならば、基準状態より多くの空気がシリンダ内に導入されてしまう。そこで、その増大された吸気絞り弁開度に対応して吸気制御弁23の開弁期間ICが設定されている。即ち、この場合には吸気制御弁23の開弁期間ICを調節し、空気量を調節するのである。空気の導入は吸気制御弁23の開弁期間にのみ実質的に行われるので、この開弁期間の設定次第で空気量を調節でき、たとえ吸気絞り弁22が多めに開いていても吸気制御弁23の開弁期間を短めに設定することで空気量が過剰になるのを防止できる。
従って、吸気絞り弁開度THが一定である所定の目標空気量Ga1未満のときには、目標空気量Gaの増加に従って吸気絞り弁の開度THを全開(100%)まで増加させる。
吸気絞り弁22の開度が100%に達すると、もはや吸気絞り弁22の開度の増加により空気量を増加するのは不可能である。よって、その開度が100%に達した以降は、吸気制御弁開弁期間ICが最大値ICmaxまで増加されて空気量が増加される。つまり、こんどは吸気制御弁23によって空気量制御がなされることになる。この最大値ICmaxとは、吸気絞り弁開度THが所定開度TH1であるという前提の下で最大の空気量が得られるような値である。例えば、吸気制御弁23の開弁時期IC1を適切に固定した状態で吸気制御弁23の閉弁時期IC2を遅らせていって空気量を増加していくような場合、吸気制御弁23の閉弁時期IC2が吸気弁16の閉弁時期IN2に一致したとき、開弁期間ICを最大値ICmaxとすることができる。或いは、吸気制御弁23を吸気弁16と同期して開閉作動させないで全開保持する場合を開弁期間の最大値ICmaxとすることもできる。本実施形態ではこの吸気制御弁23を全開保持する場合を採用する。
ECU100は、図7のマップに従って、目標空気量Gaに対応する吸気絞り弁開度TH及び吸気制御弁開弁期間ICを決定する。そして、吸気絞り弁22のセンサ39で検出される実際の開度がそのような吸気絞り弁開度THとなるように、吸気絞り弁22の電動アクチュエータ38を制御する。一方、ECU100は、決定された吸気制御弁開弁期間ICを、後のステップにおける吸気制御弁開閉制御のために一時記憶しておく。このような吸気制御弁23及び吸気絞り弁22の制御により、残留ガスの掃気作用を促すことができる。
なお、変形例として、全目標空気量において吸気絞り弁開度THを全開値とし、図7(b)に破線で示す如く、吸気制御弁の開弁期間制御のみによって空気量を制御することも考えられる。
次に、図5のステップS107におけるオーバーラップ制御について説明する。この制御の具体的なルーチンが図8に示される。このルーチンもECU100によって実行される。
まず、最初のステップS201では、エンジン回転速度と負荷率とから基本オーバーラップ期間が決定される。この決定は、図9に示すような基本オーバーラップ期間マップを使用して行われる。基本オーバーラップ期間は、中回転中負荷率のある領域で最大となり、その領域から外れていくに従って少なくなる傾向を示す。このマップ中の基本オーバーラップ期間にはゼロやマイナスの値も含まれる。
次に、ステップS202では、吸気制御弁23の開弁期間ICが最大値ICmaxか否かが判断される。吸気制御弁23の開弁期間ICが最大値ICmaxの場合とは、図7(b)に示したように、目標空気量Gaが最大値Gamaxの場合である。
開弁期間ICが最大値ICmaxである場合、ステップS208に進んでオーバーラップ拡大フラグがオフされる。このオーバーラップ拡大フラグは、オーバーラップ期間OLを増大させる場合にオンとされ、オーバーラップ期間OLを増大させない場合にオフとされる。
開弁期間ICが最大値ICmaxでない場合、ステップS203〜S206が実行された後、ステップS207においてオーバーラップ拡大フラグがオンされる。まずステップS203では、エンジン回転速度と負荷率とから吸気圧が推定される。ここでいう吸気圧とは、吸気上死点TDCのタイミングにおける、吸気弁16の直上流側の位置における圧力のことをいう。この推定は、図10に示すような吸気圧推定マップを使用して行われる。ここで推定される吸気圧は、負荷率の増大につれ大きくなる傾向を示す。
ステップS204では、エンジン回転速度と負荷率とから排気圧が推定される。ここでいう排気圧も、吸気圧同様、吸気上死点TDCのタイミングにおける、排気弁20の直下流側の位置における圧力のことをいう。この推定は、図11に示すような排気圧推定マップを使用して行われる。
ステップS205では、これら推定された吸気圧及び排気圧に基づき吸排気圧力差が演算される。吸排気圧力差は、吸気圧から排気圧を減じて求められる値である。
ステップS206では、その求められた吸排気圧力差とエンジン回転速度とに基づいてオーバーラップが拡大可能か否かが判断される。この判断は、図12に示すようなマップを使用して行われる。マップにおいては、各エンジン回転速度に対して圧力差のしきい値OLJが設定されており、ある実際のエンジン回転速度に対して、求められた圧力差がしきい値OLJ以上であればオーバーラップ拡大可能、求められた圧力差がしきい値OLJ未満であればオーバーラップ拡大不可と判断される。
オーバーラップ拡大不可と判断された場合、ステップS208に進んでオーバーラップ拡大フラグがオフされる。他方、オーバーラップ拡大可能と判断された場合、ステップS207に進んでオーバーラップ拡大フラグがオンされる。
こうして、ステップS207、S208でオーバーラップ拡大フラグのオンオフが確定したならば、次に、ステップS209において、オーバーラップ拡大フラグがオンか否かが判断される。
オーバーラップ拡大フラグがオフの場合、ステップS212に進み、オーバーラップ期間OLが、ステップS201で決定された基本オーバーラップ期間に設定される。なおこのオーバーラップ期間が基本オーバーラップ期間である場合とは、VVT43における進角量がゼロの場合に相当する。
他方、オーバーラップ拡大フラグがオンの場合、ステップS210、S211において、基準期間即ち基本オーバーラップ期間よりも増加されたオーバーラップ期間が求められる。まずステップS210では、エンジン回転速度と、ステップS205で求められた吸排気圧力差とに基づき、オーバーラップ期間の増加量である増加オーバーラップ期間が決定される。この決定は、図13に示すような増加オーバーラップ期間マップを使用して行われる。ここで、圧力差が大きければ残留ガスの掃気量が増えるので、増加オーバーラップ期間は短くされる。またエンジンが高回転になるほど、単位クランク角当たりの時間が短くなるので、増加オーバーラップ期間(クランク角の単位である)は増大される。
そして次にステップS211において、増加オーバーラップ期間が基本オーバーラップ期間に加算されて最終的なオーバーラップ期間が算出される。
こうしてステップS211、S212においてオーバーラップ期間が求められたら、次に、ステップS213において、吸気弁16の開弁時期IN1が決定される。ここでは、所定の排気弁閉弁時期EX2(これは一定値である)からオーバーラップ期間OLを減じて吸気弁開弁時期IN1が求められる。なおここでは遅角側が+である。
次のステップS214では、VVT43における目標進角量が決定される。VVT43の目標進角量は、VVT43の進角量ゼロの場合の基準の吸気弁開弁時期IN1bから、ステップS213で決定された吸気弁開弁時期IN1を減じることで求められる。
こうしてVVT43における目標進角量が決定されたら、次にステップS215に進み、VVT43における実際の進角量が目標進角量になるようにVVT43が制御される。なお、VVT43の実際の進角量はVVT43に設けられたセンサにより検出される。以上でオーバーラップ制御が終了される。
このように本実施形態の場合、吸気圧が排気圧より所定値以上高いとき(ステップS206:YES)、オーバーラップ期間が所定の基準期間よりも増大されるので、残留ガスの掃気量を増大させることができる。図18には本実施形態と通常の自然吸気式エンジン(NA)との比較を示す。自然吸気式エンジンの場合、排気圧より吸気圧の方が低いので、オーバーラップ量を増大させると残留ガス量が多くなる。これに対し本実施形態の場合、吸気圧が排気圧より高いので、オーバーラップ量を増大させるほどに残留ガス量を少なくすることができる。
次に、図5のステップS108における目標点火時期の決定方法について説明する。この決定のための具体的なルーチンが図14に示される。このルーチンもECU100によって実行される。
まず、最初のステップS301では、エンジン回転速度と負荷率とから基本点火時期(単位はBTDC)が決定される。この決定は、図15に示すような基本点火時期マップを使用して行われる。次に、ステップS302では、推定値としての残留ガス掃気量が算出される。残留ガス掃気量は、オーバーラップ時間と、図8のステップS205で求められた吸排気圧力差との積である。ここで、オーバーラップ時間は、図8のステップS211、S212で求められたオーバーラップ期間とは異なる。即ち、エンジン回転速度の影響をなくすため、クランク角の単位であるオーバーラップ期間ではなく、時間の単位であるオーバーラップ時間が用いられる。オーバーラップ時間は次式により求められる。
オーバーラップ時間(s)
=オーバーラップ期間(CA)/エンジン回転速度(rps)/360(CA)
次に、ステップS303において、残留ガス掃気量に基づいて点火時期補正量(単位はBTDC)が算出される。この算出は、図16に示すような点火時期補正量マップを使用して行われる。見られるように、残留ガス掃気量が多くなるほど点火時期補正量は大きくなり、点火時期は進角される。なお、一定以上残留ガスを掃気すると、残留ガスがなくなるので、点火時期補正量は変化しなくなる。
次に、ステップS304において、最終的な点火時期である目標点火時期(単位はBTDC)が算出される。目標点火時期は、基本点火時期に点火時期補正量を加算して求められる。以上により本ルーチンが終了される。
次に、図5のステップS109における吸気制御弁23の開弁・閉弁制御について説明する。図7に基づいて説明したように、この時点で既に吸気制御弁23の開弁期間ICは決まっている。また、本実施形態では、オーバーラップ期間OLと吸気制御弁開弁期間ICとの重複期間をできるだけ長くする観点から、吸気制御弁23の開弁時期IC1を図2に示す如く吸気弁16の開弁時期IN1と同時期に設定している。よって、開弁時期IC1に開弁期間ICを加えることにより、吸気制御弁23の閉弁時期IC2が求められる。ECU100は、実際のクランク位相が開弁時期IC1に達すると同時に、吸気制御弁23を開弁し、実際のクランク位相が閉弁時期IC2に達すると同時に、吸気制御弁23を閉弁する。
次に、図5のステップS110における燃料噴射量制御について説明する。この制御のための具体的なルーチンが図17に示される。このルーチンもECU100によって実行される。
まず、最初のステップS401では、エアフローメータ21により検出された実際の空気量が読み込まれる。この空気量は、図7に関連して説明した目標空気量Gaに近い値となるはずである。
次に、ステップS402では、インジェクタ10から噴射すべき燃料噴射量を決定する。燃料噴射量は、実際の空気量を所定の空燃比で除することにより求められる。ここで所定の空燃比とは、予めECU100に記憶された一定値、或いはエンジン運転状態に応じてマップから求められる値である。例えば、理論空燃比(約14.7)に等しい値や、リーンバーン制御を行うような場合には理論空燃比より大きい値である。
次に、ステップS403に進んで、燃料噴射量に基づき燃料噴射期間FIが算出される。燃料噴射期間FIは、燃料噴射量を、所定の定数であるインジェクタ噴射係数で除することにより求められる。
次に、ステップS404において、図8のステップS202同様、吸気制御弁23の開弁期間ICが最大値ICmaxか否かが判断される。
開弁期間ICが最大値ICmaxでない場合、ステップS405に進んで、オーバーラップがあるか否か、即ち、図8のステップS211,S212で求められたオーバーラップ期間がゼロより大きいか否かが判断される。ここで、図8のオーバーラップ制御において、ステップS201で決定される基本オーバーラップ期間がゼロ又はマイナスの場合、オーバーラップはなくなる場合がある。
このステップS405においてオーバーラップありと判断された場合、ステップS406において燃料噴射開始時期FI1が決定される。この燃料噴射開始時期FI1は、排気弁閉弁時期EX2から所定の燃料到達期間ΔFIを減じることで求められる(図2参照)。この燃料到達期間ΔFIは、インジェクタ10から噴射された燃料が吸気通路11(弁間通路35)を通過してシリンダ12内に到達するまでの時間に相当する期間であり、本実施形態では一定値とされているが、エンジン運転状態に応じてマップから求めるようにしてもよい。
次に、ステップS407において燃料噴射終了時期FI2が決定される。この燃料噴射終了時期FI2は、燃料噴射開始時期FI1に燃料噴射期間FIを加えることで求められる。
他方、ステップS404で吸気制御弁23の開弁期間ICが最大値ICmaxであると判断された場合、又はステップS405でオーバーラップなしと判断された場合、ステップS408において燃料噴射終了時期FI2が決定される。ここでの燃料噴射終了時期FI2は、吸気弁開弁時期IN1より前である所定時期、例えば60°BTDCである。つまりここでは、吸気弁開弁前に燃料噴射が終了するように燃料噴射終了時期FI2が設定される。この後ステップS409に進み、燃料噴射開始時期FI1が決定される。燃料噴射開始時期FI1は、燃料噴射終了時期FI2から燃料噴射期間FIを減じることで求められる。
ステップS407,S409の次のステップS410では、燃料噴射終了時期FI2に燃料到達期間ΔFIを加えた時期(これを最遅角噴射終了時期FI2maxという)が、吸気制御弁閉弁時期IC2より前か否かが判断される。
最遅角噴射終了時期FI2maxが吸気制御弁閉弁時期IC2より前であると判断された場合、ステップS413に進んで燃料噴射が実行される。即ち、燃料噴射開始時期FI1の到来と同時に、インジェクタ10がオンされ、燃料噴射が開始され、燃料噴射終了時期FI2の到来と同時に、インジェクタ10がオフされ、燃料噴射が終了される。これにより、燃料噴射期間FIだけインジェクタ10が通電され、燃料噴射量に等しい量の燃料が実際に噴射される。
他方、ステップS410で最遅角噴射終了時期FI2maxが吸気制御弁閉弁時期IC2より前でないと判断された場合、ステップS411に進んで燃料噴射終了時期FI2が再設定される。即ち、燃料噴射終了時期FI2は、吸気制御弁閉弁時期IC2から燃料到達期間ΔFIを減じて得られる時期に再設定される(図2参照)。
そしてステップS412に進み、燃料噴射開始時期FI1も再設定される。即ち、燃料噴射開始時期FI1は、再設定された燃料噴射終了時期FI2から燃料噴射期間FIを減じて得られる時期に再設定される。
こうして燃料噴射開始時期FI1及び燃料噴射終了時期FI2が再設定された後、ステップS413に進み、前記同様に燃料噴射が実行される。以上により本ルーチンが終了される。
以上の燃料噴射制御において、燃料到達期間ΔFIを考慮する理由は次の通りである。燃料噴射を行う場合、噴射された燃料が残留ガスと一緒に掃気されないようにしなければならず、且つ、可能な限り、吸気制御弁23の開弁によってできた空気流に乗せて燃料をシリンダ内に送り込むのが好ましい。従って、燃料噴射可能な最も早い時期は、排気弁閉弁時期EX2から燃料到達期間ΔFIを減じて得られる時期である。これがステップS406で燃料到達期間ΔFIを考慮した理由である。他方、燃料噴射可能な最も遅い時期は、吸気制御弁閉弁時期IC2から燃料到達期間ΔFIを減じて得られる時期である。これがステップS410、S411で燃料到達期間ΔFIを考慮した理由である。
このように本実施形態では、燃料噴射の開始時期FI1又は終了時期FI2のいずれか一方が、燃料噴射可能な最も早い時期又は遅い時期に設定される。しかしながら、このような例に限らず、上述の条件を満たす範囲で燃料噴射の開始時期FI1又は終了時期FI2は任意に設定することができる。
以上説明したように、本発明に係るエンジンの制御装置によれば、たとえ自然吸気式エンジンであっても、吸気圧を排気圧より高めてオーバーラップ期間中にシリンダ内の残留ガスを掃気することができる。これによって、残留ガス量を減少すると共に筒内温度を低下させられ、燃焼速度の向上により燃焼効率ひいてはエンジン出力を向上することができる。また、ノック特性を改善し、点火時期の進角により燃焼効率の改善を図れる。
本発明の場合、吸気の過給とは無関係なので、あらゆる運転領域、特に過給が困難となるような領域(例えば低回転低負荷側)でも掃気を実行することができる。もっとも、本発明は過給式エンジンにも好適である。なぜなら、元々吸気圧を排気圧より高くできる過給式エンジンに本発明を適用すれば、さらなる掃気作用を得ることができるからである。当然、過給機はターボ過給機や機械式といった種別を問わない。
また、本実施形態によれば、吸排気圧力差を大きくするために吸気絞り弁22を基準開度よりも大きくしたり(図7参照)、吸排気圧力差が一定以上ある場合にオーバーラップ期間を増大させたり(図8参照)している。これによっても残留ガスの掃気を一層促すことができる。また、最適な燃料噴射期間が設定されるので(図2及び図17参照)、かかる残留ガス掃気に伴う燃料の吹き抜けを防止できると共に、空気流に乗せた燃料噴射を行って燃料の微粒化、均質化等を促進することができる。
なお、本発明は、吸気制御弁の下流側に燃料噴射弁としてのインジェクタを備えたエンジンであればどのようなエンジンにも適用できる。ガソリンエンジンの場合、本実施形態のような吸気通路噴射用インジェクタを備えたものに限らず、筒内噴射用インジェクタを備えたいわゆる直噴式のエンジンや、これら両方のインジェクタを備えたいわゆるデュアル噴射式のエンジンにも適用できる。また、ディーゼルエンジン等の他の型式のエンジンにも適用可能であり、燃料としてアルコールやLPG等の液化天然ガスなど代替燃料を用いるエンジンにも適用可能である。筒内噴射の場合、圧縮行程で燃料噴射を行うようにすれば、燃料噴射の開始時期及び終了時期は吸気制御弁の開閉状態やオーバーラップと無関係になるので、図17で説明したものよりも単純な方法で設定することができる。
本実施形態では、オーバーラップ可変手段が、吸気弁側に設けられてその開弁期間を変更するVVTによって構成されたが、他の機構又は装置によってオーバーラップ可変手段を構成してもよい。例えば、排気弁側に設けられたVVTや、吸気弁側と排気弁側との両方に設けられたVVTによってオーバーラップ可変手段を構成してもよい。或いは、各吸気弁及び(又は)各排気弁に設けられ、各弁の開閉作動を任意の時期に行える吸気弁アクチュエータ及び(又は)排気弁アクチュエータによってオーバーラップ可変手段を構成してもよい。
図8のステップS205における吸排気圧力差の算出に関し、本実施形態では、吸気上死点のタイミングにおける吸気圧及び排気圧を推定してこれらから求めるようにした。しかしながら、かかる推定値ではなく、実測値であっても構わない。この場合、吸排気圧力差を検出するためのセンサが設けられる。また、吸排気圧ないしはその圧力差の推定値又は検出値を得るタイミングは、オーバーラップ期間中の任意のタイミングとすることができ、吸気上死点付近のタイミングとすることもできる。
また、本実施形態におけるマップは演算式に置換することもできる。
なお、本実施形態ではECU100が目標空気量決定手段及び燃料噴射制御手段を構成する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、吸気弁16の閉弁前に吸気制御弁23が閉弁し、かつ次サイクルにおいて吸気弁16の開弁前に吸気制御弁23が開弁するように、ECU100によって吸気制御弁23の開弁時期IC1および閉弁時期IC2が設定される。ここで、吸気行程における吸気制御弁23の開弁から吸気弁16の開弁までの先行開弁期間ΔOP(図19参照)は、エンジン回転数と負荷とに基づいて、図20のような特性の先行開弁期間マップの参照によって設定される。図20中の曲線は設定される先行開弁期間ΔOPの値が等しい点を結んだ線であり、エンジン回転数Neが大きく、また負荷が大きい場合ほど、先行開弁期間ΔOPの値が大きく設定される。なお、第2実施形態の残余の構成は上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
第2実施形態の動作について説明する。図19に示されるように、ECU100の制御によって、吸気制御弁23は、吸気弁16の閉弁(IN2)より前に閉弁される(t12)。このため、吸気制御弁23の閉弁後の吸気弁16の開期間の間、弁間通路35が減圧され、且つ、これに続く吸気弁16の閉弁によって、弁間通路35の減圧後の圧力が、次サイクルまでの間じゅう保持される。
次に、次サイクルの吸気行程の開始前、すなわち次サイクルの吸気弁16の開弁(IN1)より前に、吸気制御弁23が開弁される(t11)。これによって、先行開弁期間ΔOPに、吸気制御弁23よりも上流側に位置する吸気通路11内の空気が、吸気制御弁23と吸気弁16との間の弁間通路35に急激に流れ込み、慣性の作用により、当該弁間通路35が一時的に昇圧させられる。その結果、当該吸気経路11における弁間通路35が、当該燃焼室の排気ポート19よりも高圧にされる。そして、この昇圧された状態で吸気弁16が開かれて、オーバーラップ期間が開始されることになる。
以上のとおり、第2実施形態では、吸気弁16の閉弁前に吸気制御弁23が閉弁し、かつ次サイクルにおいて吸気弁16の開弁前に吸気制御弁23が開弁するように、ECU100が吸気制御弁23の作動を制御する。したがって本実施形態では、弁間通路35が当該燃焼室の排気ポート19よりも高圧になるようにされ、オーバーラップ期間中の残留ガスの逆流が抑制される。
なお、第2実施形態の制御において、吸気弁16の開弁前であっても、所定の非開弁条件下、例えば吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が所定値以下のときには、吸気制御弁23が少なくともバルブオーバーラップ前、場合によってはオーバーラップ終了までは、開弁しないように、ECU100が吸気制御弁23の作動を制御してもよい。吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が小さいときには、吸気弁16の開弁前における吸気制御弁23の開弁によっても残留ガスを掃気する効果が発揮できず、逆に残留ガスが増加してしまうおそれがある。したがって、吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が所定値以下であることを条件として、吸気弁16の開弁前における吸気制御弁23の開弁を抑制することにより、そのような場合の残留ガスを低減することができる。なお、吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が所定値以下であることに代えて、吸気制御弁23の上流側或いは下流側の圧力が所定値以下であることを、このような非開弁条件としてもよい。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、吸気行程における吸気弁16の閉弁前に吸気制御弁23が閉弁し、かつ次サイクルにおいて吸気弁16の開弁前に吸気制御弁23が開弁するように、ECU100によって吸気制御弁23の開弁時期IC1および閉弁時期IC2が設定される点において、上記第2実施形態と同様である。しかしながら、この第3実施形態では、吸気制御弁23が、バルブオーバーラップの期間の少なくとも一部で全閉となるように、ECU100が吸気制御弁23の開弁時期IC1および閉弁時期IC2を設定し、その作動を制御する。なお、第3実施形態の残余の構成は上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
第3実施形態の動作について説明する。図21に示されるように、ECU100の制御によって、吸気制御弁23は、吸気弁16の閉弁(IN2)より前に閉弁される(t22)。このため、吸気制御弁23の閉弁後の吸気弁16の開期間の間、弁間通路35が減圧され、且つ、これに続く吸気弁16の閉弁によって、弁間通路35の減圧後の圧力が、次サイクルまでの間じゅう保持される。
次に、次サイクルの吸気行程の開始前、すなわち次サイクルの吸気弁16の開弁(IN1)より前に、吸気制御弁23が開弁される(t21)。これによって、吸気制御弁23よりも上流側に位置する吸気通路11内の空気が、吸気制御弁23と吸気弁16との間の弁間通路35に急激に流れ込み、慣性の作用により、当該弁間通路35が一時的に昇圧させられる。その結果、当該吸気経路11における弁間通路35が、当該燃焼室の排気通路31よりも高圧にされる。そして、この昇圧された状態で吸気弁16が開かれて、オーバーラップ期間が開始されることになる。以上の動作は、上記第3実施形態におけるt11〜IN2の動作と同様である。
ここで、本実施形態では、ECU100の制御により、吸気制御弁23が、バルブオーバーラップの期間(IN1〜EX2)の少なくとも一部で全閉とされる。そして、所定の全閉期間ΔCLの経過後に、吸気制御弁23が再び開弁される(t30)。
以上のとおり、本実施形態では、吸気弁16の閉弁前に吸気制御弁23が閉弁し、かつ次サイクルにおいて吸気弁16の開弁前に吸気制御弁23が開弁するように、ECU100が吸気制御弁23の作動を制御する。したがって本実施形態では、弁間通路35が当該燃焼室の排気ポート19よりも高圧になるようにされ、オーバーラップ期間中の残留ガスの逆流が抑制される。そして、吸気制御弁23が、バルブオーバーラップの期間の少なくとも一部で全閉とされるので、弁間通路35の昇圧が不十分でバルブオーバーラップ期間の全体にわたり弁間通路35の圧力が排気ポート19の圧力より高い状態を維持できないような場合にも、残留ガスの逆流を抑制することができる。
また、吸気を早めに終えると、気筒内に吸入された空気が暖められる時間が増加するため筒内温度が上昇しノック特性が悪化するおそれがあるが、第3実施形態では吸気制御弁23を二度に分けて開閉することとしたので、一度目の吸気によって弁間通路35内の昇圧による残留ガスの低減が図れるうえ、一度目の吸気に係る混合気は気筒内を吹き抜けるため筒内温度の上昇に寄与せず、また二度目の吸気に係る混合気については気筒内における滞留時間を短縮できる。また、二度目の開弁時には吸気制御弁23の前後の圧力差が大きいため、特に吸気ポートにインジェクタ10を設置したポート噴射式エンジンの場合には、二度目の開弁時に燃料を噴射することで燃料の粒径を小さくすることができる。
なお、第3実施形態における全閉期間ΔCLは、昇圧時の弁間通路35の圧力、または当該圧力と吸気制御弁23よりも上流側の吸気通路11内の圧力との圧力差に応じて異なる値に設定するのが好適である。この場合の昇圧時の弁間通路35の圧力、および/または当該圧力と吸気制御弁23よりも上流側の吸気通路11内の圧力は、例えばエンジン回転数、負荷、および/または前サイクルの吸気制御弁の閉弁時期(t22)と吸気弁の閉弁時期(IN2)との時間差に応じて推定してもよく、また、弁間通路35、および吸気制御弁23よりも上流側の吸気通路11内の圧力のうちの少なくとも一方は、各領域に圧力センサを設置することによって検出することとしてもよい。
また、第3実施形態では、全閉期間ΔCLをオーバーラップ期間より短くしたが、全閉期間ΔCLは、オーバーラップ期間と一致していてもよく、また、オーバーラップ期間よりも長くてもよい。また、第3実施形態では全閉期間ΔCLをオーバーラップ期間の開始と同時に開始することとしたが、全閉期間ΔCLの開始はオーバーラップ期間の開始と異なる時点であってもよく、また全閉期間ΔCLはオーバーラップ期間の後半に設けられていてもよい。また、第3実施形態では全閉期間ΔCLはオーバーラップ期間の間で1回だけ設定されることとしたが、複数回に分けて設定してもよい。
また、第3実施形態の制御において、前記バルブオーバーラップの期間のうち前記少なくとも一部の期間内であっても、所定の非閉弁条件下、例えば吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が所定値以上のときには、吸気制御弁23が開弁するように、ECU100が吸気制御弁23の作動を制御してもよい。吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が小さいときには、吸気弁16の開弁前における吸気制御弁23の開弁によっても残留ガスを掃気する効果が発揮できず、逆に残留ガスが増加してしまうおそれがある。したがって、吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が所定値以上であることを条件として、オーバーラップ期間のうち前記少なくとも一部の期間内であっても、吸気制御弁23が開弁することにより、そのような場合の残留ガスを低減することができる。なお、吸気制御弁23の上流側と下流側との圧力差が所定値以上であることに代えて、吸気制御弁23の下流側の圧力が所定値以上であることを、このような抑制制御の条件としてもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、また、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本実施形態に係るエンジンの制御装置の構成を概略的に示すシステム図である。 第1実施形態に係る吸排気弁の開弁期間、吸気制御弁の開弁期間、及び燃料噴射期間を示す図である。 本実施形態の作用を示す図である。 各エンジン形式における吸排気圧の比較のための図である。 本実施形態に係るエンジン制御のメインルーチンのフローチャートである。 目標空気量マップである。 (a)は吸気絞り弁開度マップ、(b)は吸気制御弁開弁期間マップである。 本実施形態に係るオーバーラップ制御のフローチャートである。 基本オーバーラップ期間マップである。 吸気圧マップである。 排気圧マップである。 オーバーラップ拡大可否の判定用マップである。 増加オーバーラップ期間マップである。 本実施形態に係る点火時期決定ルーチンのフローチャートである。 基本点火時期マップである。 点火時期補正量マップである。 本実施形態に係る燃料噴射制御のフローチャートである。 残留ガス量の比較を示すためのグラフである。 第2実施形態に係る吸排気弁の開弁期間及び吸気制御弁の開弁期間を示す図である。 先行開弁期間マップである。 第3実施形態に係る吸排気弁の開弁期間及び吸気制御弁の開弁期間を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
11 吸気通路
15 吸気ポート
10 インジェクタ
12 シリンダ
13 燃焼室
14 点火プラグ
16 吸気弁
17 排気通路
18 触媒
19 排気ポート
20 排気弁
22 吸気絞り弁
23 吸気制御弁
27 スタータ
33 弁体
34 アクチュエータ
35 弁間通路
31 ブレーキスイッチ
32 車速センサ
41 吸気弁用カムシャフト
42 排気弁用カムシャフト
43 可変バルブタイミング機構(VVT)
100 電子制御ユニット(ECU)
IN 吸気弁の開弁期間
IN1 吸気弁の開弁時期
IN2 吸気弁の閉弁時期
IC 吸気制御弁の開弁期間
IC1 吸気制御弁の開弁時期
IC2 吸気制御弁の閉弁時期
Ga 目標空気量
Ga1 目標空気量の所定値
TH 吸気絞り弁開度
TH1 吸気絞り弁の所定開度
FI 燃料噴射期間
OL オーバーラップ期間

Claims (12)

  1. 吸気弁及び排気弁の開弁期間中にオーバーラップ期間が設定されたエンジンの制御装置
    において、
    前記吸気弁の上流側の吸気通路に設けられ、該吸気通路内を閉止可能で且つ前記吸気弁の開閉と同期して開閉可能な吸気制御弁と、
    前記吸気弁の閉弁前に前記吸気制御弁を閉弁させ、前記オーバーラップ期間中の吸気圧が排気圧より高くなるように前記吸気制御弁を開弁させる制御手段と
    を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記制御手段が、前記オーバーラップ期間中に前記吸気制御弁を開弁させることを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記制御手段が、前記吸気弁の閉弁前に前記吸気制御弁を閉弁させ、かつ次サイクルの前記吸気弁の開弁前に前記吸気制御弁を開弁させることを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記制御手段が、前記吸気弁の開弁前であっても、所定の非開弁条件下では、前記吸気制御弁を少なくとも前記オーバーラップ期間前に開弁させないことを特徴とする請求項3記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記吸気制御弁の上流側と下流側との圧力差が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の上流圧が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の下流圧が所定値以下のいずれか一つ以上を含むことを、前記所定の非開弁条件としたことを特徴とする請求項4記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記制御手段が、前記吸気制御弁を、前記オーバーラップの期間のうち少なくとも一部で全閉とさせることを特徴とする請求項2又は3記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記吸気制御弁の上流側と下流側との圧力差が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の上流圧が所定値以下、或いは前記吸気制御弁の下流圧が所定値以下のいずれか一つ以上を含むことを、前記吸気制御弁を前記オーバーラップの期間のうち少なくとも一部で全閉とさせる条件としたことを特徴とする請求項6記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記制御手段が、前記バルブオーバーラップの期間のうち前記少なくとも一部の期間内であっても、所定の非閉弁条件下では、前記吸気制御弁を開弁させることを特徴とする請求項6又は7記載のエンジンの制御装置。
  9. エンジン運転状態に基づいて目標空気量を決定する目標空気量決定手段と、
    前記吸気制御弁の上流側の吸気通路に設けられた制御可能な吸気絞り弁とをさらに備え、
    前記制御手段が、前記吸気絞り弁の開度を所定の基準開度よりも増大させ、その増大された前記吸気絞り弁の開度に対応して目標空気量相当の空気量が得られるように前記吸気制御弁の開弁期間を設定することを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記制御手段が、前記目標空気量が所定値未満のときには、前記吸気制御弁の開弁期間を一定とし、且つ前記目標空気量の増加に従って前記吸気絞り弁の開度を所定の最大値まで増加させ、前記目標空気量が所定値以上のときには、前記吸気絞り弁の開度を前記最大値に保持し、且つ前記目標空気量の増加に従って前記吸気制御弁の開弁期間を増加させることを特徴とする請求項9記載のエンジンの制御装置。
  11. 前記オーバーラップ期間を可変にするオーバーラップ可変手段をさらに備え、
    該オーバーラップ可変手段が、前記オーバーラップ期間中の所定のタイミングにおける吸気圧が排気圧より所定値以上高いとき、前記オーバーラップ期間を所定の基準期間よりも増大することを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載のエンジンの制御装置。
  12. 燃料を噴射するインジェクタと、
    該インジェクタによる燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とをさらに備え、
    該燃料噴射制御手段が、前記吸気制御弁の開弁期間内に燃料噴射期間を設定、或いは、前記吸気制御弁の閉弁以前に燃料噴射期間を終了、或いは、排気弁の閉弁以降に燃料噴射を開始することを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載のエンジンの制御装置。
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