JP2006283307A - 金属製ドレイン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防食処理とプライマー処理とを順に施した後、塩化ビニル系樹脂で表面を全面被覆した金属製ドレインB1,B2である。上記金属製ドレインの上面に、塩化ビニル系樹脂製防水シートを溶着接合し、該塩化ビニル系樹脂製防水シート端末周囲と金属製ドレインとを塩化ビニル系樹脂製シーリング剤で溶着密封処理をしたドレイン廻りの防水工法とした。さらに、上記金属製ドレイン下端筒部と塩化ビニル系樹脂製排水管を塩化ビニル系樹脂製シーリング剤で溶着接合するドレイン廻りの防水工法である。
【選択図】図1
Description
しかし、上記工法は防水シートとストレーナー又はシート押え具との圧着シロの大きさにバラツキが生じたり、シーリング剤の注入量にバラツキがあったり、ストレーナー又はシート押え具の締め付けが不均一になったりすると、ドレインと防水シートの間から漏水する危険がある。さらに、上記不具合に加えて、防水シートの収縮、表面塗装の劣化・剥離があると、さらに漏水の危険が増大する。
また、メンテナンス等でストレーナー又はシート押え具を取外し、ストレーナー又はシート押え具を再締め付けする際に、締め付けが不均一になり、漏水が発生することもある。
さらには、ドレインと塩化ビニル系樹脂製排水管とを接着剤で接着しているため、接着剤が熱、水の影響を受け経年劣化をおこして耐久性に問題が生じ、構成も複雑となり従来に比べコスト高となり利便性にも欠けることになる。
また、金属製ドレインと塩化ビニル系樹脂製排水管との接合についても、上記同様に同素材の塩化ビニル系樹脂製シーリング剤で溶着接合でき水密耐久性が向上する。さらには、ドレイン表面全面を塩化ビニル系樹脂で被覆しているために、ドレインの防食耐久性も向上し、ドレイン点検時にストレーナーを取外して、再取付けしても圧着不具合による漏水の心配もなく清掃等の点検作業も容易に実施できるようになる。
本発明に使用する金属製ドレインの金属は特に限定されないが、ドレイン形状を考えれば、金属製ドレインの形成方法は、鋳型による成型法が経済的に向いている。一般的な鋳型による成型品には鋳鉄の鋳物、アルミダイキャストなどがあり、中でもアルミダイキャストは軽量で成型精度、成型品外観が優れていることから好ましい。
プライマー処理に用いるプライマーは、塩化ビニル系樹脂被覆層と塩化ビニル系樹脂製防水シートを溶着接合する際に、熱溶着の場合に熱風溶接機の熱風温度250〜350℃の熱で剥離しない耐熱密着性を得るために行うのもであり、液溶着の場合に液溶着に使用するテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル等の溶剤でフクレ又は剥離しない密着性を得るために行うものである。プライマーとしては、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系等のプライマーが挙げられ、塩化ビニル系樹脂との密着性を考えればウレタン系、エポキシ系プライマーが好ましい。
粉末焼結法では、予め170〜200℃に余熱した金属製ドレインに塩化ビニル系樹脂粉末を接触させて、金属製ドレイン表面に塩化ビニル系樹脂粉末を付着させた後、加熱ゲル化することにより、同様に金属製ドレイン表面全面を塩化ビニル系樹脂で被覆することができる。
金属製ドレイン表面に被覆する塩化ビニル系樹脂の厚みは限定するものではないが、熱溶着や液溶着を考慮すると、0.1〜2mmの範囲内で任意に設定すればよい。
また、金属製ドレイン表面に被覆する塩化ビニル系樹脂を軟質にすると、衝撃等による傷、剥離が生じ難く、溶着性が向上するため好ましい。
ドレイン廻りの施工方法について、図面をもとに詳しく説明する。
予め、塩化ビニル系樹脂で表面を全面被覆した金属製ドレインの下端筒部B1と塩化ビニル系樹脂製排水管Dを塩化ビニル系樹脂製シーリング剤J1で溶着接合し、図1に示すように、建物屋上、ベランダ等の躯体の所定の位置にビスFで固定する。
次に、塩化ビニル系樹脂製防水シートGを建物屋上、ベランダ等の平場部に敷設しドレイン廻りを残し、機械的固定工法、接着剤による接着工法などの工法により施工する。
ドレインの上面に位置する塩化ビニル系樹脂製防水シートGをドレインの排水孔の径より大きめにカッター、はさみ等で丸く切り抜き、塩化ビニル系樹脂製防水シートGの切り抜いた孔の周縁部分と金属製ドレイン上面の防水シート接合部B2とを、溶剤としてテトラヒドロフランを使用して溶着接合する。或いは、熱風溶接機を使用してドレイン上面の防水シート接合部B2と防水シートGとを加熱し熱溶着してもよい。さらに図1に図示するように、塩化ビニル系樹脂製防水シートGの切り抜いた端部を塩化ビニル系樹脂製シーリング剤J1で溶着密封処理する。
次いで、ストレーナーCを、塩化ビニル系樹脂製防水シートGを挟むように金属製ドレインBに被せてビスEで金属製ドレインBに固定するか、ステンレス製等の留めバネ板付きストレーナーをドレインに差込みそのバネ圧でストレーナーを固定することもできる。
エポキシ樹脂で電着塗装し防食処理を施したアルミダイキャスト製ドレインにウレタン系プライマー処理を施し、下記配合の塩化ビニル系樹脂ペーストに浸漬後、取出して220℃で10分間加熱ゲル化させることにより、表面を全面塩化ビニル系樹脂で被覆されたアルミダイキャスト製ドレインを得た。
[塩化ビニル系樹脂ペースト配合]
乳化重合法塩化ビニル系樹脂 100重量部
可塑剤(DOP) 50重量部
Ba−Zn系液状安定剤 3重量部
着色剤 1重量部
得られたドレインの下端筒部B1外側に塩化ビニル系樹脂排水管を塩化ビニル樹脂系シーリング剤で溶着し、塩化ビニル系樹脂排水管付きドレインを得た。また、得られたドレインと防水シートを熱溶着で接合し、水密性(ドレインと防水シート)の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
アクリル樹脂焼付き塗装したアルミダイキャスト製ドレインを使用し、塩化ビニル系樹脂排水管をウレタン樹脂接着剤で接着接合した。また、上記ドレイン上面と防水シートの間にブチル系のシーリング剤を注入し、ストレーナーをビスでドレインに締め付けて、水密性(ドレインと防水シート)の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
プライマー処理を施さないこと以外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂排水管付きアルミダイキャスト製ドレインを得た。また、ドレインと防水シートを熱溶着で接合し、水密性(ドレインと防水シート)の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
<評価方法及び評価基準>
[密着性(ドレイン本体と表面被覆層)]
ドレインを3時間煮沸し、ドレイン本体と被覆層との密着性を目視にて判定した。
○:異常なし。
×:フクレ、ハガレがある。
[耐熱性]
防水シートとドレインとを熱溶着機(熱風温度:300℃)で溶着し、ドレイン被覆層のフクレを目視にて判定した。
○:フクレなし。
×:フクレがある。
[衝撃性]
ドレインを50cmの高さから落下させて、ドレイン被覆層の外観を目視にて判定した。
○:異常なし。
×:欠け、ワレがある。
[水密性(ドレインと防水シート)]
図4に示すように、予めエンドキャップを施したドレインと防水シートをそれぞれの方法で接合し、防水シート上にドレイン径より大きな内径のパイプを水密的に接合し、水面の高さが1mになるようにパイプに水をいれて接合部に圧力を掛ける。雰囲気温度60℃で6ヶ月間静置し、接合部から漏水してくる水を確認する。
○:漏水なし。
×:漏水がある。
[密着性(ドレインと塩化ビニル系樹脂排水管)]
ドレインと塩化ビニル系樹脂排水管をそれぞれの方法で接合し、温水(60℃)中に6ヶ月間浸し、接合部の劣化具合を判定した。
○:異常なし。
×:接合部が劣化し排水管が外れやすくなる。
B:金属製ドレイン
B1:下端筒部
B2:上面の防水シート接合部
C:ストレーナー
D:塩化ビニル系樹脂排水管
E:ストレーナー固定用ビス
F:ドレイン固定用ビス
G:塩化ビニル樹脂製防水シート
H:塩化ビニル系樹脂被覆鋼板
I:ウレタン樹脂接着剤
J:シーリング剤
J1:塩化ビニル樹脂系シーリング剤
J2:ブチル系シーリング剤
J3:シリコーン系シーリング剤
K:エンドキャップ
L:金属製ドレインと塩化ビニル樹脂製防水シートの接合部
M:水
Claims (3)
- 塩化ビニル系樹脂製排水管と接続する下端筒部を備えた金属製ドレインであって、防食処理とプライマー処理とを順に施した後、塩化ビニル系樹脂で表面を全面被覆したことを特徴とする金属製ドレイン。
- 請求項1に記載の金属製ドレインの上面に、塩化ビニル系樹脂製防水シートを溶着接合し、該塩化ビニル系樹脂製防水シート端末周囲と上記金属製ドレインとを塩化ビニル系樹脂製シーリング剤で溶着密封処理をしたことを特徴とするドレイン廻りの防水工法。
- 請求項1に記載の金属製ドレイン下端筒部と塩化ビニル系樹脂製排水管を塩化ビニル系樹脂製シーリング剤で溶着接合することを特徴とするドレイン廻りの防水工法。
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2005
- 2005-03-31 JP JP2005101662A patent/JP2006283307A/ja active Pending
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