JP2006282812A - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 積層前の基材の物性を維持したままの積層体を製造することのできる方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の積層体の製造方法は、2枚の基材をエマルジョン型接着剤により接着して積層体を製造する方法であり、(1)エマルジョン型接着剤を単極性に帯電させる帯電工程、(2)前記帯電したエマルジョン型接着剤を少なくとも一方の基材に付与する付与工程、(3)一方の基材のエマルジョン型接着剤付与面が他方の基材と当接するように積層する積層工程、及び(4)エマルジョン型接着剤の作用により接着する接着工程、とを備えている。
【選択図】 なし

Description

本発明は積層体の製造方法に係り、多孔質フィルムと繊維シートとからなる積層体の好適な製造方法であり、本発明によれば、多孔質フィルムの通気性、透湿性を保持した積層体を製造でき、特に、衣料用素材、精密濾過フィルターもしくは電池セパレータとして好適に使用できる積層体を製造することができる。
通気性を有する多孔質フィルム、特にポリオレフィン系微多孔フィルムと繊維シートとを貼り合わせる積層体の製造方法が従来から提案されている。このような構成材料からなる積層体を製造する場合、多孔質フィルムの多孔構造や物性をできるだけ変化させないように、様々な方法が用いられている。
例えば、加熱ロールやエンボス熱ロールを使用してシート全体もしくは一部を熱ラミネート法によって積層する方法(例えば、特許文献1参照)等が提案されてきた。また、多孔質フィルムと繊維シートを接着剤や粘着剤を介して貼り合わせて積層する方法も数多く知られている。この中で接着剤層を形成する方法としては、例えば、グラビアロールを用いて構成材料のいずれか一方に接着剤を塗工して接着剤層を設ける方法や、接着剤として用いる樹脂をホットメルトスプレー法やメルトブロー法等で繊維化した層を設ける方法(例えば、特許文献2参照)、もしくは接着剤として接着樹脂パウダーを付与する方法等が報告されている。
特開平6−234181号公報(段落番号0019〜0021など) 特開2004−330522号公報(段落番号0025〜0028など)
このようにして形成される積層体には、貼り合わせに際して多孔質フィルム層の通気性や透湿性が変化せず、かつ、積層体を構成する材料間の剥離強度が高いことが要求される。しかしながら、上述のような積層体の製造方法では、積層体の剥離強度には優れているものの、貼り合わせの時に多孔質フィルムの多孔構造が破壊されたり、接着剤層を形成する際に孔を閉塞させたりするなど、多孔質フィルムの物性を変化させずに積層体を製造することが困難であるという問題点があった。また、接着樹脂パウダーを付与する方法では、パウダーが凝集しやすく、付与される接着樹脂の粒子径が大きくなってしまうため、孔径の小さな基材を積層する場合には前述と同様に、接着剤による孔の閉塞を引き起こすという問題があった。このような積層によって基材の物性が変化するという問題は、多孔質フィルム以外の基材を用いた場合にも生じる問題であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、積層前の基材の物性を維持したままの積層体を製造することのできる方法を提供するものである。
本発明の請求項1にかかる発明は、「2枚の基材をエマルジョン型接着剤により接着して積層体を製造する方法であり、(1)エマルジョン型接着剤を単極性に帯電させる帯電工程、(2)前記帯電したエマルジョン型接着剤を少なくとも一方の基材に付与する付与工程、(3)一方の基材のエマルジョン型接着剤付与面が他方の基材と当接するように積層する積層工程、及び(4)エマルジョン型接着剤の作用により接着する接着工程、とを備えていることを特徴とする、積層体の製造方法。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「2枚の基材が平均孔径の点で異なる2種類の基材からなることを特徴とする、請求項1記載の積層体の製造方法。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「平均孔径のより小さい基材の構成材料として、平均孔径のより大きい基材の構成材料よりも融点の低い材料を含んでいることを特徴とする、請求項2記載の積層体の製造方法。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「一方の基材の平均孔径が2μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。」である。
本発明の請求項5にかかる発明は、「一方の基材が繊維シートからなることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。」である。
本発明の請求項6にかかる発明は、「繊維シート基材に対してエマルジョン型接着剤を付与することを特徴とする、請求項5記載の積層体の製造方法。」である。
本発明の請求項7にかかる発明は、「エマルジョン型接着剤を構成する接着樹脂の平均一次粒子径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。」である。
本発明の請求項1に係る発明は、エマルジョン型接着剤を単極性に帯電させた後に基材に付与することで、エマルジョン型接着剤が基材表面に集中して点在させることができるので、取り扱いに必要な層間接着力を備え、しかも積層前の基材の物性を維持したままの積層体を製造することができる。
本発明の請求項2に係る発明は、平均孔径が異なる2種類の基材を用いた場合でも、エマルジョン型接着剤を空孔以外の部分に集中させることができ、接着剤によりそれぞれの基材の空孔を塞ぐことがないため、それぞれの基材の孔径による特徴(例えば、通気性、透湿性など)を維持したまま、取り扱い性の優れる積層体を製造することができる。
本発明の請求項3に係る発明は、平均孔径のより小さい基材の構成材料が平均孔径のより大きい基材の構成材料よりも融点の低い材料を含んでいても、平均孔径のより小さい基材の空孔を塞ぐことなく積層体を製造することができる。
本発明の請求項4に係る発明は、一方の基材の平均孔径が2μm以下のような微孔材料でも、その微孔を塞ぐことなく、微孔材料の通気性や濾過性能等の物性を維持した積層体を製造することができる。
本発明の請求項5に係る発明は、一方の基材が繊維シートからなる場合でも、繊維シートの構造を変えることなく積層一体化することができるので、繊維シートの機械的強度等の物性を維持した積層体を製造することができる。
本発明の請求項6に係る発明は、繊維シート基材に対してエマルジョン型接着剤を付与することにより、繊維上にエマルジョン型接着剤粒子が集中し、積層一体化したときに接着剤が皮膜を形成しないので、通気性や風合い等の物性を損なうことなく積層体を製造することができる。
本発明の請求項7に係る発明は、エマルジョン型接着剤を構成する接着樹脂の平均一次粒子径が1μm以下であるので、基材上により集中して点在しやすくなり、極少量の接着剤で積層一体化することができるので、基材の物性を損なうことなく積層体を製造することができる。
本発明の積層体の製造方法は、エマルジョン型接着剤を単極性に帯電させた後に少なくとも一方の基材に付与することで、エマルジョン型接着剤が基材表面に集中して点在させることができるので、取り扱いに必要な層間接着力を備え、しかも積層前の基材の物性を維持したままの積層体を製造することができる。
本発明におけるエマルジョン型接着剤を付与する積層体の製造方法は、(1)エマルジョン型接着剤を単極性に帯電させる帯電工程、(2)前記帯電したエマルジョン型接着剤を少なくとも一方の基材に付与する付与工程、(3)一方の基材のエマルジョン型接着剤付与面が他方の基材と当接するように積層する積層工程、及び(4)エマルジョン型接着剤の作用により接着する接着工程、により製造することができる。
本発明の積層体の製造方法について、本発明の積層体の製造方法を実施できる製造装置の模式的断面図である図1をもとに説明する。
図1における1はエマルジョン型接着剤を後述のノズル2へ供給できる接着剤供給装置である。このエマルジョン型接着剤に用いられる接着樹脂の種類は、熱、圧力等で接着作用を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニルなどを挙げることができ、これら単独もしくは2種類以上の混合物で用いることができる。
また、エマルジョン型接着剤に用いられる分散媒は、上記接着樹脂を均一に分散させることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、水などを挙げることができ、これら単独もしくは2種類以上の混合分散媒を使用することができる。
なお、エマルジョン型接着剤を構成する接着樹脂の平均一次粒子径は、特に限定されるものではないが、基材上に集中して点在しやすく、極少量の接着剤で積層一体化して、基材の物性を損なうことがないように、また、エマルジョンの分散安定性の面から1μm以下であるのが好ましく、0.1μm以下であるのがより好ましい。下限は特に限定するものではない。なお、「平均一次粒子径」はレーザー回折・散乱法により測定して得られた値をいう。
図1における2は供給された前記エマルジョン型接着剤を吐出することのできるノズルである。このノズル2の直径(内径)は特に限定するものではないが、エマルジョン型接着剤を凝集させずに微細に塗布できるように、0.1〜2mmであるのが好ましい。また、ノズル2は金属製であっても、非金属製であっても良い。ノズル2が金属製であればノズル2を一方の電極として使用することができ、ノズル2が非金属製である場合には、ノズル2の内部に電極を設置することにより、吐出したエマルジョン型接着剤を単極性に帯電させることができる。
なお、エマルジョン型接着剤の滴下が生じにくいように、ノズル2からの吐出方向と重力の作用方向とが一致しないようにノズル2が配置しているのが好ましい。特には、重力の作用方向と反対方向又は重力の作用方向と直角方向にノズル2が配置しているのが好ましい。
図1における3は電圧印加装置である。この電圧印加装置3によってノズル2又はノズル2内の電極に電圧を印加することができる。この電圧印加装置3は特に限定されるものではないが、直流高電圧発生装置を使用できるほか、ヴァン・デ・グラフ起電機を用いることもできる。また、印加電圧も特に限定するものではないが、5〜50KVであるのが好ましい。なお、印加電圧の極性はプラスとマイナスのいずれであっても良いが、電圧印加時のコロナ放電を抑制しやすいように、後述のロール状対向電極4を接地し、ノズル2側をプラスに印加して、ノズル2側をプラス電位となるようにするのが好ましい。
図1における4はロール状対向電極である。このロール状対向電極4はアースされているため、前述のノズル2との間に電位差を形成し、ノズル2から吐出したエマルジョン型接着剤を単極性に帯電させることが可能となる。このロール状対向電極4は体積抵抗が10Ω以下の導電性材料(例えば、金属製)から構成されているのが好ましい。なお、ロール状対向電極4は10Ωを超えるような非導電性材料であっても、その内部に電極をロール表面と接触して、又は離間して備えていれば良い。また、図1における対向電極4はロール状であるが、ロール状である必要はなく、平板又はベルト状であっても良い。
図1における5は一方の基材(以下、「基材A」と表記する)を巻き出すことのできる巻き出しロールAである。この巻き出しロールA(5)は後述のニップロール7a、7b等の牽引力によってロール状対向電極4上に基材A(5a)を供給し、基材A(5a)上には単極性に帯電したエマルジョン型接着剤が付与される。
図1における6は他方の基材(以下、「基材B」と表記する)を巻き出すことのできる巻き出しロールBである。この巻き出しロールB(6)は後述のニップロール7a、7b等の牽引力によって、単極性に帯電したエマルジョン型接着剤が付与された基材A(5a)上に基材B(6a)を供給し、積層される。
図1における7a、7bは一対のニップロールであり、巻き出しロールA、B(5、6)から基材A(5a)及び基材B(6a)を巻き出すとともに、基材A(5a)と基材B(6a)とを密着させる作用を奏する。
図1における8は加熱装置であり、積層した基材A、B(5a、6a)をエマルジョン型接着剤の融点未満に加熱し、エマルジョン型接着剤の分散媒を除去することで接着させることができる。この加熱装置8は特に限定されるものではないが、例えば、オーブン、熱風発生装置、電気炉、遠赤外線ヒーター、エンドレスベルトを用いた熱プレス、又は熱カレンダーロールを使用することができる。
図1における9は本発明の製造方法によって製造された積層体であり、接着力が強いため層間剥離しにくく、しかも基材A(5a)及び基材B(6a)の積層前の物性を維持したまま積層一体化された積層体9である。
図1における10は積層体9を巻き取ることのできる巻取りロールである。
このような製造装置を用いて、本発明の製造方法を実施する場合、まず、エマルジョン型接着剤をノズル2へ供給し、ノズル2からエマルジョン型接着剤を吐出するとともに、電圧印加装置3によってノズル2に印加し、ロール状対向電極4をアースしていることによって形成される電界によって、エマルジョン型接着剤を単極性に帯電させる(帯電工程)。この電界は、ノズル2とロール状対向電極4との距離、エマルジョン型接着剤の分散媒、エマルジョン型接着剤の粘度などによって変化するため、特に限定するものではないが、0.2〜5kV/cmであるのが好ましい。電界値の増加に応じてエマルジョン型接着剤の液滴が細かくなる傾向があるが、5kV/cmを超えると、空気の絶縁破壊が生じやすく、また、0.2kV/cm未満になると、微細な液滴となりにくいためである。なお、図1においては、ノズル2に電圧を印加するとともにロール状対向電極4をアースすることによって電位差を設けているが、ロール状対向電極4に電圧を印加するとともにノズル2をアースして電位差を設けることもできる。また、エマルジョン型接着剤の帯電極性は特に限定するものではないが、帯電極性がエマルジョン型接着剤付与の安定性に影響を与えることから、既知の帯電列に照合して、ロール状対向電極4の材質に対してエマルジョン型接着剤を構成する接着樹脂が帯電しやすい極性に帯電させるのが好ましい。
このように帯電したエマルジョン型接着剤は電界の作用によってロール状対向電極4へ向かって飛翔し、ロール状対向電極4上に供給された基材A(5a)上に付与される(付与工程)。この付与工程においては、エマルジョン型接着剤は単極性に帯電されているため、互いに反撥しあい、点在させることができる。そのため、本発明の付与工程では、溶液型接着剤を使用した場合に見られるような水掻き状の皮膜が形成されず、積層前の基材A、B(5a、6a)の物性を維持した積層体9を製造することができる。なお、図1の製造装置によると、基材A(5a)のみにエマルジョン型接着剤を付与しているが、基材B(6a)にもエマルジョン型接着剤を付与しても良い。
この付与されるエマルジョン型接着剤量は特に限定されるものではないが、積層一体化後の積層体9の柔軟性を損なわないように5g/m以下であるのが好ましく、2g/m以下であるのがより好ましく、1g/m以下であるのが更に好ましい。付与されるエマルジョン型接着剤量の下限は、接着後の積層体9の取扱い時に剥離が生じないように、0.01g/m程度が適当である。
次いで、基材A(5a)のエマルジョン型接着剤付与面が基材B(6a)と当接するように積層する(積層工程)。なお、図1の製造装置においては、付与工程に続いて積層工程を連続して行っているが、エマルジョン型接着剤を付与した基材を一旦製造した後に、他方の基材と積層しても良い。また、基材B(6a)もエマルジョン型接着剤が付与されている場合には、基材B(6a)のエマルジョン型接着剤付与面が基材A(5a)のエマルジョン型接着剤付与面と当接するように積層する。
そして、この積層された基材A(5a)及び基材B(6a)は加熱装置8へ送られ、エマルジョン型接着剤の分散媒が除去され、接着樹脂の接着作用が発現し、基材A(5a)と基材B(6a)とが接着されて積層体9が形成される(接着工程)。この加熱装置8においては、エマルジョン型接着剤の融点未満に加熱することで接着させることができる。
本発明の積層体9の製造方法で使用できる基材(以下、単に「基材」と表記する場合は、基材Aと基材Bの両方を含む)基材は多孔質であっても非多孔質であっても良い。例えば、微多孔膜又は繊維シート(不織布、織物、編物、ネット等)などの多孔質であっても良いし、フィルム等の非多孔質であっても良い。特に、基材が繊維シートからなる場合でも、繊維シートの構造を変えることなく積層一体化することができるので、繊維シートの機械的強度等の物性を維持した積層体9を製造することができる。また、基材として繊維シートを使用し、繊維シートに対してエマルジョン型接着剤を付与した場合には、繊維上にエマルジョン型接着剤粒子が集中し、積層一体化したときに接着剤が皮膜を形成しないので、通気性や風合い等の物性を損なうことなく積層体9を製造できるため、好ましい実施態様である。
なお、基材構成材料は特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンサルファイド、ポリビニルアルコール、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、セルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなどの生分解性高分子、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマーなどを挙げることができ、これら単独もしくは2種類以上の混合物であることができる。
また、本発明の製造方法による積層体9に用いられる2枚の基材(基材A、基材B)は、組成や形状が同じでも良いし、異なっていても良いが、それぞれの基材の機能性を発揮できるように、2枚の基材が組成及び/又は形状の点で異なる基材であるのがより好ましい。より具体的には、2種類の基材が平均孔径の点で異なる2種類の基材からなることにより、孔径のより小さい基材に通気性や透湿性等の性能を持たせ、孔径のより大きい基材に機械的強度や耐熱性を持たせた積層体9を製造することができるため、好適な組み合わせである。このように平均孔径が異なる2種類の基材を用いた場合でも、エマルジョン型接着剤を空孔以外の部分に集中させることができ、接着剤によりそれぞれの基材の空孔を塞ぐことがないため、それぞれの基材の孔径による特徴を維持したまま、取り扱い性の優れる積層体9を製造することができる。このような平均孔径の点で異なる2種類の基材を用いる場合、接着剤はどちらの基材に付与しても良いが、エマルジョン型接着剤粒子による基材の空孔の閉塞をより防ぐために、平均孔径がより大きい基材の方にエマルジョン型接着剤を付与するのが好ましい。
このように平均孔径の点で異なる2種類の基材からなる場合、平均孔径のより小さい基材の構成材料として、平均孔径のより大きい基材の構成材料よりも融点の低い材料を含んでいる場合であっても、本発明の製造方法によれば、平均孔径のより小さい基材の空孔を塞ぐことなく積層体9を製造することができる。つまり、平均孔径のより大きい基材の熱融着性を利用して積層一体化しようとした場合には、平均孔径のより小さい基材が熱の影響を受けて孔径が小さくなりやすいが、本発明の製造方法によれば、エマルジョン型接着剤を適宜選択することによって、熱の影響を排除することができるため、平均孔径のより小さい基材の空孔を塞ぐことなく積層体9を製造することができる。なお、濾過性能等に優れるように、基材として平均孔径が2μm以下(より好ましくは1μm以下)のもの(例えば、微多孔膜)を使用するのが好ましい場合があるが、このような平均孔径が2μm以下の基材であっても、付与工程や接着工程において、エマルジョン型接着剤によって空孔部分を閉塞させることがほとんどないため、平均孔径が2μm以下の基材の物性を維持したまま積層体9を製造することができる。なお、「平均孔径」はポロメータ(コールター社製)を用いてミーンフローポイント法により測定される平均流量孔径をいい、「融点」は示差走査熱量計を用い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエチレン−メチルメタクリレート共重合体粉体(三井デュポンポリケミカル社製、平均一次粒子径:0.02μm、融点:90℃)に、45.7%エタノール水溶液を加え、固形分濃度を12.5mass%としたエマルジョン型接着剤(粘度:13.5mPa・s)を調製した。
また、シリンジにポリテトラフルオロエチレン製チューブを接続し、更に前記チューブの先端に、内径が0.6mmのステンレス製ノズル2を取り付けて、接着剤供給装置1とした。次いで、前記ノズル2に高電圧電源(電圧印加装置3)を接続した。更に、前記ノズル2と対向し、10cm離れた位置に、ステンレス製ドラム(接地、対向電極4)を設置した。
次いで、ポリエチレン(融点:138℃)を鞘とし、ポリプロピレン(融点:165℃)を芯とする芯鞘型繊維とポリプロピレン繊維(融点:165℃)とからなるポリオレフィン製不織布(基材A(5a)、目付:10g/m、平均孔径:7μm)を、一定速度(表面速度:2m/分)で回転する前記ステンレス製ドラムへ供給するとともに、前記エマルジョン型接着剤を前記シリンジに入れ、マイクロフィーダーを用いて、重力の作用方向と直角方向へ吐出(吐出量:0.5g/時間)、及び前記高電圧電源からノズル2に+20kVの電圧を印加し、吐出したエマルジョン型接着剤をプラス極性に帯電させるとともに電界を作用させて、前記ドラム方向へ飛翔させ、前記不織布上に付与した。なお、前記ノズル2はドラムの回転方向と直角方向に一定速度(移動速度:2cm/分)で往復揺動させた。また、不織布におけるエマルジョン型接着剤の付与量は0.5g/mとした。
続いて、エマルジョン型接着剤を付与した前記不織布の接着剤付与面と当接するように、ポリエチレン製微多孔膜(基材B(6a)、目付:15g/m、平均孔径:0.3μm、融点:135℃)を供給し、不織布と微多孔膜とを積層した後、温度を87℃に設定したオーブン(加熱装置8)で5秒間加熱することにより接着一体化して積層体9を製造した。この積層体9の物性は表1に示す通りであった。
(実施例2)
エマルジョン型接着剤の付与量を0.125g/mにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層体9を製造した。この積層体9の物性は表1に示す通りであった。
(比較例1)
実施例1と同様のエマルジョン型接着剤に、実施例1と同様の不織布を浸漬した後、接着剤樹脂固形分が0.5g/mとなるようにラバーマングルを用いて絞った後、温度70℃の熱風乾燥機で乾燥して接着剤付与不織布を製造した。
次いで、この接着剤付与不織布と実施例1と同様のポリエチレン製微多孔膜とを積層させた後、温度87℃に設定したオーブンで5秒間加熱することにより積層体を製造した。この積層体の物性は表1に示す通りであった。
(比較例2)
実施例1と同様のエマルジョン型接着剤に、実施例1と同様の不織布を浸漬した後、接着剤樹脂固形分が3g/mとなるようにラバーマングルを用いて絞った後、温度70℃の熱風乾燥機で乾燥して接着剤付与不織布を製造した。
次いで、この接着剤付与不織布と実施例1と同様のポリエチレン製微多孔膜とを積層させた後、温度87℃に設定したオーブンで5秒間加熱することにより積層体を製造した。この積層体の物性は表1に示す通りであった。
(比較例3)
ポリエチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂を、メルトブロー法により平均繊維径が3μmとなるように繊維シート化した接着シート(樹脂量:2g/m)を製造した。
次いで、この接着シートを、実施例1と同様のポリオレフィン製不織布とポリエチレン製微多孔膜の間に挟んで積層させた後、温度87℃に設定したオーブンで5秒間加熱することにより積層体を製造した。この積層体の物性は表1に示す通りであった。
(積層体の透気抵抗度の測定)
JIS P−8117に規定されたガーレー試験機法に準じて、実施例及び比較例の積層体の透気抵抗度を測定した。この結果は表1に示す通りであった。
(積層体の層間接着力の測定)
JIS C−2111に規定された層間剥離強さに準じて、実施例及び比較例の積層体の層間接着力を測定した。この結果は表1に示す通りであった。なお、層間接着力が5N以上あれば、層間接着性に優れており、巻取り、巻き出し、及び折り加工等の際に積層体が剥離することなく取扱うことができる。
Figure 2006282812
1)ポリエチレン製微多孔膜を100とした場合の指数値
この表1の結果から明らかなように、本発明の製造方法により製造した積層体は、取扱いに必要な層間接着力を備えた上で、微多孔膜の空孔の閉塞や構造を破壊していないものであった。このことから、本発明の製造方法によれば、基材がもつ透気性や濾過性能などの物性を損なうことなく、層間接着力を備えた積層体を製造できることがわかった。
積層体製造装置の模式的断面図
符号の説明
1 接着剤供給装置
2 ノズル
3 電圧印加装置
4 ロール状対向電極
5 巻き出しロールA
5a 基材A
6 巻き出しロールB
6a 基材B
7a、7b ニップロール
8 加熱装置
9 積層体
10 巻取りロール

Claims (7)

  1. 2枚の基材をエマルジョン型接着剤により接着して積層体を製造する方法であり、
    (1)エマルジョン型接着剤を単極性に帯電させる帯電工程、
    (2)前記帯電したエマルジョン型接着剤を少なくとも一方の基材に付与する付与工程、
    (3)一方の基材のエマルジョン型接着剤付与面が他方の基材と当接するように積層する積層工程、及び
    (4)エマルジョン型接着剤の作用により接着する接着工程、
    とを備えていることを特徴とする、積層体の製造方法。
  2. 2枚の基材が平均孔径の点で異なる2種類の基材からなることを特徴とする、請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 平均孔径のより小さい基材の構成材料として、平均孔径のより大きい基材の構成材料よりも融点の低い材料を含んでいることを特徴とする、請求項2記載の積層体の製造方法。
  4. 一方の基材の平均孔径が2μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  5. 一方の基材が繊維シートからなることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  6. 繊維シート基材に対してエマルジョン型接着剤を付与することを特徴とする、請求項5記載の積層体の製造方法。
  7. エマルジョン型接着剤を構成する接着樹脂の平均一次粒子径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
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