JP2006282457A - 水素生成装置及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸素含有率の少ない水素含有ガスを供給できる水素生成装置、及び、安定した電力を供給することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 触媒を備え、炭化水素燃料等の改質用原料及び燃料電池のカソードオフガス等の水分を含有するガス等の改質用ガスが供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料及び改質用ガスの改質反応によって水素含有ガスを生成し、炭化水素あるいは水素を含むアノードオフガス等の発熱用燃料及び空気等の発熱用ガスが供給されたときにはその発熱反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記発熱反応とに供給される流体及び排出される流体を切り替え、且つ、発熱反応が行われている反応器内の反応を発熱反応から改質反応に切替える際に、反応器内の酸素残存率を低減させた後に反応器内の反応を発熱反応から改質反応に切替える制御手段を備えた水素生成装置110を含む燃料電池システム100。
【選択図】 図1
【解決手段】 触媒を備え、炭化水素燃料等の改質用原料及び燃料電池のカソードオフガス等の水分を含有するガス等の改質用ガスが供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料及び改質用ガスの改質反応によって水素含有ガスを生成し、炭化水素あるいは水素を含むアノードオフガス等の発熱用燃料及び空気等の発熱用ガスが供給されたときにはその発熱反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記発熱反応とに供給される流体及び排出される流体を切り替え、且つ、発熱反応が行われている反応器内の反応を発熱反応から改質反応に切替える際に、反応器内の酸素残存率を低減させた後に反応器内の反応を発熱反応から改質反応に切替える制御手段を備えた水素生成装置110を含む燃料電池システム100。
【選択図】 図1
Description
本発明は、触媒を用いた燃料改質反応と触媒を加熱再生する再生反応とを切替えて行なう水素生成装置及びこれを備えた燃料電池システムに関する。
従来の電気自動車は、車両駆動用の電源として燃料電池を搭載すると共に、燃料電池を発電運転させるための燃料である水素又は水素生成用の原燃料を搭載している。
水素自体を搭載する場合、水素ガスを圧縮して高圧ボンベに若しくは液化してタンクに充填し、又は水素吸蔵合金や水素吸着材料を用いて搭載する。しかし、高圧充填による場合は、容器壁厚が厚く大きいわりに内容積に制限があり水素充填量が少ない。また、液体水素とする液化充填による場合には、気化ロスが避けられないほか液化に多大なエネルギーを要する。更に、水素吸蔵合金や水素吸着材料では電気自動車等に必要とされる水素貯蔵密度が不充分であり、水素の吸蔵/吸着等の制御も困難である。
また、原燃料を搭載する場合、燃料を水蒸気改質して水素を得る方法などがある。しかし、改質反応は吸熱的であるために別途熱源が必要であるため、熱源に電気ヒータ等を用いたシステムでは全体のエネルギー効率の向上は図れない。更に、あらゆる環境条件下で安定的に水素量を確保できる点も不可避である。
水素の供給方法については、未だ技術的に確立されていないのが実状であるが、将来的に各種装置における水素利用の増加が予測されることを踏まえると、水素の供給方法の確立が急務とされている。
上記に関連する技術として、触媒を用いて、吸熱反応である燃料の改質反応と、改質反応で低下した触媒温度を再生する発熱反応(再生反応)と、を切替えて繰り返し行なう改質装置を有する燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような燃料電池システムを用いる場合、再生反応から改質反応に切替える際、再生反応で用いられなかった酸素含有ガスが改質反応器内に残留してしまう。一方、改質反応で生成した水素含有ガスは、改質反応器から燃料電池のアノードに供給されることとなる。このため、改質反応器内に酸素含有ガスが残留すると、水素含有ガスが燃料電池のアノードに供給される際に酸素含有ガスも燃料電池のアノードに供給されてしまう。このように、アノードに酸素含有ガスが供給されると、アノードにおいて水素と酸素とが発熱反応を起こしてしまい、燃費低下の原因となってしまう。
また、高温域で発電運転を行なう燃料電池の例として、水素透過性材料を用いた燃料電池が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。上記以外にも、これに関連する技術か種々開示されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
米国特許2004−175326号明細書
特開2004−146337号公報
米国特許2004−170558号明細書
米国特許2004−170559号明細書
米国特許2003−235529号明細書
以上のように、改質反応と再生反応(発熱反応)とを切替えて水素を改質生成する改質装置を用いた燃料電池システムについて提案されているものの、反応切替え時における燃費低下を抑制する技術については未だ提案されていないのが現状である。
本発明は、酸素含有率の少ない水素含有ガスを供給できる水素生成装置、及び、安定した電力を供給することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、吸熱反応である改質用原料と改質用ガスとの水蒸気改質反応と、水蒸気改質反応により低下した触媒温度を回復させ触媒上での改質反応性を再生するための発熱用燃料と発熱用ガスとの発熱反応(以下、「再生反応」ともいう。)と、を切替えて繰り返す水素生成装置及びこれを用いた燃料電池に関するものである。尚、発熱反応には燃焼反応等が含まれる。
前記目的を達成するために、第1の発明である水素生成装置は、触媒を備え、改質用原料及び改質用ガスが供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料及び改質用ガスの改質反応によって水素含有ガスを生成し、発熱用燃料及び発熱用ガスが供給されたときには前記発熱用燃料及び前記発熱用ガスの発熱反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記発熱反応とが切り替え可能な改質反応器と、前記改質反応器へ供給される流体の流路、及び、前記改質反応器から排出される流体の流路を切替えるための切替手段と、前記改質反応器の改質反応と発熱反応とが交互に行われるように、前記切替手段を切り替えて、前記改質反応器に供給される流体及び前記改質反応器から排出される流体を切り替え、且つ、前記改質反応器を発熱反応から改質反応に切替える際に、前記改質反応器内の酸素残存率を低減させた後に前記改質反応器を前記発熱反応から前記改質反応に切替える制御手段と、を備えたものである。
ここで、本発明における「改質反応」には、下記の吸熱反応である「水蒸気改質反応」の他に発熱反応である「部分酸化反応」が含まれる場合がある。
CnH2n+2+nH2O → (2n+1)H2+nCO …(1)
CnH2n+2+(n/2)O2 → (n+1)H2+nCO …(2)
CO+H2O → CO2+H2 …(3)
CH4+3H2 → CH4+H2O …(4)
CnH2n+2+(n/2)O2 → (n+1)H2+nCO …(2)
CO+H2O → CO2+H2 …(3)
CH4+3H2 → CH4+H2O …(4)
本発明における改質反応においては、主に上記(1)の水蒸気改質反応が主としておこなわれる。
第1の本発明によれば、制御手段は、発熱反応(再生反応)から改質反応に切替える際、改質反応器内の酸素残存率を低減させた後に、切替え手段により、改質反応器へ供給される流体を切替えて発熱反応から改質反応へと切替えることで、改質反応器から排出される水素含有ガス内に混入するのを防止することができる。これにより、酸素含有率の少ない水素含有ガスを供給することができる。
ここで、「改質反応器内の酸素残存率」とは、改質反応器内に単位体積当たりに残存する酸素の割合を意味する。
本発明において、前記改質用原料としては、水蒸気改質などの改質反応により水素及び一酸化炭素の合成ガス(特に水素)を得るための燃料として一般に用いられる炭化水素燃料(例えばメタンガス、ガソリンなど)の中から適宜選択して用いることができる。前記改質用ガスとしては、水蒸気改質に必要な水分を含む水蒸気等を用いることができる。
また、前記発熱用燃料としては、一般に用いられる炭化水素燃料(例えばメタンガス、ガソリンなど)などの中から適宜選択して用いることができ、同様に前発熱用ガスとしては、空気を用いることができる。
また、前記改質用ガスとしては、例えば、燃料電池のカソード(空気極;以下同様)から排出され、水分を含有するガス(以下、「カソードオフガス」ということがある。)を用いることができる。更に、前記発熱用燃料としては、アノード(水素極;以下同様)から排出される水素を含むガス(以下、「アノードオフガス」ということがある。)を用いてもよい。
また、第一の本発明によれば、前記制御手段が、前記改質反応器内の酸素含有ガスを前記改質反応器から排出した後に、前記改質反応器を前記発熱反応から前記改質反応に切替えるように構成することができる。このように、前記改質反応器から酸素含有ガスを排出することで、改質反応器内の酸素残存率を低減することができる。
第一の本発明によれば、前記改質反応器内にパージガスを供給して前記改質反応器内から前記酸素含有ガスを排出するように構成することができる。このように、パージガスを改質反応器内に供給して、改質反応器内の酸素含有ガスを、反応器外に押し出すことで、改質反応器内の酸素残存率を低減することができる。
また、第一の本発明によれば、前記制御手段が、前記改質反応器への前記発熱用燃料の供給を維持しつつ、前記改質反応器への前記発熱用ガスの供給を停止することで、前記改質反応器内の酸素含有ガスを前記改質反応器から排出するように構成することができる。このように、発熱用ガスの供給を停止すると共に酸素含有量の少ない発熱用燃料を供給することで、発熱用燃料を上述のパージガスのように用いることができ、改質反応器内の酸素残率を低減させることができる。
第一の本発明によれば、前記制御手段は、前記改質反応器内の酸素を酸化反応によって消費した後に前記改質反応器を前記発熱反応から前記改質反応に切替えるように構成することができる。このように、改質反応器内の酸素を酸化反応によって消費することで、改質反応器内の酸素残存率を低減させることができる。
また、第一の本発明によれば、前記制御手段が、前記改質反応器内における前記発熱用燃料と前記発熱用ガスとの混合比率を理論空燃比以下とすることで、前記改質反応器内の酸素を酸化反応によって消費するように構成することができる。このように、改質反応器内で理論空燃比以下で酸化反応(燃焼反応)を行うことによって、理論上改質反応器内の酸素の全てが酸化反応によって消費されるため、改質反応器内の酸素残存率を低減させることができる。
また、第一の本発明の水素生成装置は、前記改質反応器を少なくとも一対備え、前記制御手段が、前記一対の改質反応器の改質反応及び発熱反応をそれぞれ交互に切替えて、一方の前記改質反応器が改質反応を行うと共に他方の前記改質反応器が発熱反応をおこうなうように構成することができる。このように、蓄熱を利用した燃料の改質反応と改質反応で低下した蓄熱量を回復させる再生反応とを切替えて行なうことができる改質反応器(以下、「PSR(Pressure swing reforming)型改質器」ともいう。)を一対備えることで、少なくとも1基が燃料の改質反応を行なうと共に、他の少なくとも1基において再生反応を行なわせるように構成することができる(以下、この水素生成装置を「PSR改質装置」ということがある。)。
例えば改質反応器が2基である場合、一方を器内の蓄熱を利用して吸熱反応である改質反応させると共に、他方では発熱反応である再生反応が行われる。前記一方の蓄熱量が改質反応の進行により低下したときには、2基の改質反応器への改質用原料の流路及び発熱用燃料の流路を切替える切替手段によって、再生反応に切替えると共に、前記他方では再生反応により蓄熱された熱で燃料改質を行なうように再生反応から改質反応へ切替えることができる。これにより、別途の加熱器等が不要になり、熱エネルギーの利用効率の高い連続的な水素生成が可能である。
第2の本発明である燃料電池システムは、上述の本発明の水素生成装置と、前記改質反応器で改質生成された水素含有ガスの供給により発電する燃料電池と、を備えて構成することができる。
第2の本発明によれば、酸素含有率の少ない水素含有ガスを燃料電池に供給することができる。これにより、燃料電池のアノードにおける酸素と水素との酸化反応が防止され安定した電力を供給することができる。
また、第2の本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池として、水素透過性金属層と、前記水素透過性金属層の少なくとも片側に配置された電解質層と、を備えたものを用いることができる。
前記水素透過性金属層と電解質層とを備えた燃料電池は、作動温度域が300〜600℃である。この温度域は水蒸気改質反応が進行する反応温度域とほぼ同じであるため、水蒸気改質生成された水素含有ガスが燃料電池の運転温度域で供給されるという利点を有すると共に、アノードオフガスをそのままPSR型改質器に戻して再生反応に利用することができる。これにより、システム構成上及び熱エネルギーの有効利用の点で特に適している。
本発明によれば、酸素含有率の少ない水素含有ガスを供給できる水素生成装置、及び、安定した電力を供給することができる燃料電池システムを提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下、図を用いて、本発明の燃料電池システムの実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明の水素生成装置の詳細についても具体的に説明する。
以下、図を用いて、本発明の燃料電池システムの実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明の水素生成装置の詳細についても具体的に説明する。
本実施の形態においては、水素透過性の金属膜の表面にプロトン伝導性のセラミックスが積層されたものを電解質膜として用いた水素分離膜型燃料電池(HMFC)が搭載された電気自動車に本発明の水素生成装置を搭載し、この水素生成装置で改質生成された水素で水素分離膜型燃料電池を発電運転させるように構成した燃料電池システムに関するものである。
本実施の形態においては、水蒸気改質反応により改質する改質用原料としてガソリンが、改質用ガスとして水分を含むカソードオフガスが用いられる。また、本実施の形態においては発熱反応として燃焼反応が利用され、再生反応時に燃焼させる燃焼用燃料(発熱用燃料)として燃料電池の水素極側から排出されたアノードオフガスが、また、燃焼用ガス(発熱用ガス)として空気が用いられる。但し、本発明は係る態様に限定されるものではない。
まず、図1を用いて本発明の燃料電池システムの基本的構成について説明する。図1は、第1の実施の形態の燃料電池システムの構成を示す概略図である。図1において、本発明の燃料電池システム100は、反応器112(PSR1)及び反応器114(PSR2)を備えた水素生成装置110と、水素分離膜型の燃料電池120(HMFC)と、を備え、水素生成装置110で改質生成された水素を燃料電池120に供給することで発電運転を行なうように構成される。
図1に示す反応器112及び反応器114には、各々触媒及び噴射装置が設けられており、改質反応と再生反応とを切替えて行うことが可能なように構成されている。改質反応と再生反応との切替は、ガソリン(改質用原料)及びカソードオフガス(改質用ガス)の供給流路、アノードオフガス(燃焼用燃料)及び燃焼用空気(燃焼用ガス)の供給流路、及び、改質生成された水素含有ガスの排出流路、並びに、再生反応させた反応器から排出される再生オフガスの流路を複数のバルブ(バルブV1〜V8及び三方バルブSV1〜SV7)を制御することで行なえるように構成されている。ここで、バルブV1〜V8は、その開閉によりガスの通過及び遮断が切替えられるバルブである。また、三方バルブSV1〜SV7には3つの管が連結されており、バルブの駆動により、3つの管のうち任意の2つの管を連通させるバルブである。
本発明の燃料電池システム100は、一方の反応器において水蒸気改質反応を行うとともに、他方の反応器において再生反応を行うように構成されている。また、水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、水蒸気改質反応を行っている反応器の温度をモニタリングし、反応器内の温度が一定温度よりも低下した場合には、2つの反応器に供給される燃料を切替えて、それぞれの改質・再生反応を反転させる。即ち、改質反応を行っていた反応器においては、改質用原料及び改質用ガスに替えて燃焼用燃料及び燃焼用ガスを供給して、改質反応を再生反応に切替え、また、再生反応を行っていた反応器においては燃焼用燃料及び燃焼用ガスに替えて改質用原料及び改質用ガスを供給することで、再生反応から改質反応にシフトさせる。この際、改質用原料及び改質用ガスと燃焼用燃料及び燃焼用ガスとの供給は、反応器内の温度勾配を考慮し、それぞれ対向する側から行われるように構成されている。
本実施の形態においては、再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際に、燃焼用ガスである燃焼エア(空気)の供給を停止した後、一定時間燃焼用燃料であるアノードオフガスを反応器に供給し続け、反応器中の酸素残存率を低下させた後に、バルブを切替えることによって、各反応器に供給される原料及びガス等を切替え、改質反応/再生反応を切替えるように構成されている。
尚、本発明の燃料電池システム100の運転時においては、各反応器の改質・再生反応の切り替えが繰り返しおこなわれるが、本実施の形態においては便宜上、反応器112において改質反応を行い、また、反応器114において再生反応を行う場合について説明する。
本発明の燃料電池システムの基本構造について説明する。図1に示すように反応器112及び反応器114の一方の側(以下、「改質側」ということがある。)には、燃料供給管130Aと三方バルブSV1を介して連結される燃料供給管130B及び燃料供給管130Cがそれぞれ連結されており、これらを通して改質用原料が供給されるように構成されている。燃料供給管130AにはポンプP1が備えられており、ポンプP1の駆動により、改質用原料であるガソリンが反応器112に供給される。また、燃料供給管130B及び130CにはそれぞれバルブV1及びV5が備えられている。更に、反応器112及び反応器114には、それぞれに各反応器内の温度を検出するための温度センサ116と温度センサ118とが備えられている。
反応器112及び反応器114の他方の側(以下、「再生側」ということがある。)には、それぞれ水素含有ガス排出管134Aの一端と水素含有ガス排出管134Bの一端とが連結されており、これら水素含有ガス排出管134A及び水素含有ガス排出管134Bの他端はそれぞれ三方バルブSV2に連結されている。また、三方バルブSV2には、更にアノード供給管136の一端が接続されており、バルブの切り替えによってアノード供給管136と水素含有ガス排出管134A及び134Bのどちらかとを連通できるように構成されている。
アノード供給管136の他端は燃料電池120のアノードと連結されており、係る管を介して水素含有ガスがアノードに供給される。燃料電池120のアノードには、その入口側にアノード供給管136の他端が連結されると共に、出口側にはアノード排管138Aの一端が連結されている。燃料電池120のアノードに供給されたガスは、すべてこのアノード排管138Aを介して排出される。アノード排管138Aの他端には三方バルブSV3が連結されており、三方バルブSV3の切替えによってアノード排管138B及びアノード排管138Cのいずれかと連通されるように構成されている。
アノード排管138Cは他端で反応器114の再生側に連結されており、燃料電池120から排出されるアノードオフガス等を供給できるように構成されている。また、アノード排管138Cには、燃焼エアー供給管140Bと連結した混合器139が備えられている。燃焼エアー供給管140Bの他端には三方バルブSV7が連結され、三方バルブSV7を介してポンプP2を備えた燃焼エアー供給管140Aと連結される。更に、三方バルブSV7には混合器141と他端で連結する燃焼エアー供給管140Cが連結されており、弁の駆動で燃焼エアー供給管140Aと、燃焼エアー供給管140B及び140Cのいずれかとを連通できるように構成されている。三方バルブSV7は、燃焼エアー供給管140B及び140Cのいずれかのうち、再生反応を行う反応器と連通する供給管と燃焼エアー供給管140Aとを連結させるように制御される。
反応器114で再生反応を行う場合、アノードオフガスは、混合器139において、燃焼エアー供給管140Aに備えられたポンプP2の駆動及び燃焼エアー供給管140Bに備えられたバルブV2の開閉によって供給される燃焼エアーと混合されて、反応器114へと供給されるように構成されている。また、アノード排管138CにはバルブV3が備えられている。
反応器114の改質側には、排出管142Aが接続されており、三方バルブSV4及び排出管142Bを介して酸化反応後のガスをシステム外に排出することができる。また、反応器114の改質側に連結される排出管142A、燃料供給管130Cには、それぞれバルブV4及びV5が備えられている。
排出管142Aは、三方バルブSV4を介して、排出管142B又は142Cと連通できるように構成されている。また、排出管142Cの他端は三方バルブSV5に連結されている。
アノード排管138BにはバルブV6及び混合器141が備えられており、更にその他端において反応器112の再生側と連結されている。反応器112で再生反応を行う場合には、燃料電池120からアノード排管138Bを介して排出されるアノードオフガスが、混合器141にて燃焼エアーと混合され、その後反応器112に供給される。この際、三方バルブSV7は、燃焼エアー供給管140A及び140Cを連通させるように制御される。また、燃焼エアー供給管140CにはバルブV8が備えられている。
燃料電池120のカソード(酸素極;以下同様)の入口側には、ポンプP3を備えたカソード供給管144の一端が連結されており、カソード供給管144から供給される空気等をカソードに供給可能なように構成されている。また、燃料電池120のカソードの出口側には、ガス供給管146Aの一端が連結されており、カソードオフガスを排出できるようになっている。
ガス供給管146Aの他端には三方バルブSV5が備えられており、三方バルブSV5を介して、ガス供給管146Bと連通されている。また、三方バルブSV5には、排出管142Cの他端が連結されており、排出管142C及びガス供給管146Bのいずれかと連通可能なように構成されている。
ガス供給管146Bの他端には三方バルブSV6が連結されており、三方バルブSV6には更にバルブV7を備えたガス供給管146C及び排出管148の一端が連結されている。ガス供給管146Cの他端は、反応器112の改質側に連結されており、H2Oを含むカソードオフガスを反応器112に挿通できるように構成されている。また、排出管148は、三方バルブSV6の切替えによりガス供給管146Bから供給されるガスをシステム外に排出するために用いられる。
また、燃料電池120の内部には、大気中から吸気した冷却用エア(Cooling Air)を挿通させるための冷却管150が設けられており、熱交換により電池内部を冷却できるように構成されている。
次に反応器112及び反応器114について、反応器112を例にその構成を説明する。図2は、反応器の構成を説明するための概略図である。反応器112は、図2に示すように、両端が閉塞された断面円形の筒状体160と、筒状体160の内壁面に担持された触媒(触媒担持部)162とで構成されており、筒状体160は反応を行なうための空間を形成すると共に、触媒担持体として機能を担っている。
筒状体160は、セラミックスハニカムを用いて直径10cmの断面円形の筒型に成形し、筒の長さ方向の両端を閉塞した中空体である。断面形状やサイズは、目的等に応じて、円形以外の矩形、楕円形などの任意の形状、サイズを選択することができる。
触媒162は、筒状体内壁の曲面のうち、筒状体の長さ方向両端から筒内方向に向かう筒の中央付近、すなわち長さ方向の両端からそれぞれ所定距離Aの領域を、触媒を担持しない触媒非担持部として残し、触媒非担持部を除く全面に担持されている。触媒162には、Pd、Ni、Pt、Rh、Ag、Ce、Cu、La、Mo、Mg、Sn、Ti、Y、Zn等の金属を用いることができる。
触媒162により改質反応を行った場合、改質生成された水素含有ガスは該ガスの排出方向下流側の触媒非担持部で冷却され、水素含有ガスを燃料電池120の運転温度に近づけて供給できる。また、逆に改質反応から再生反応に切替えられた場合には、触媒非担持部は水素含有ガスとの熱交換により昇温した状態にあり、水素含有ガスの排出方向とは逆向きに供給された燃焼用燃料は触媒非担持部で予熱された後触媒162に供給されるようになっている。これにより、触媒162が担持された筒状体160の中央付近ほど、蓄熱量が高くなる温度分布が形成され、係る温度分布は反応性の点で有利である。なお、筒状体160には、触媒の温度を計測するための温度センサ116が取付けられている。
筒状体160の改質側の壁面には、燃料供給管130Bとガス供給管146Cとが接続されており、燃料供給管130Bの先端部には噴射装置164が備えられている。また、筒状体160の再生側の壁面には、水素含有ガス排出管134Aとアノード排管138Bとが接続されている。
噴射装置164は、通常運転時に反応器112にて水蒸気改質反応を行う場合にはガソリン(改質用原料)を広角に噴射しカソードオフガス中に含まれる水分と共に筒状体160に内装された触媒162上への供給、反応を行なうことができるようになっている。この場合、水蒸気改質反応によって生成した水素含有ガスは、水素含有ガス排出管134Aから排気され、燃料電池120に供給される。
また、改質反応から切替えて反応器112にて再生反応を行う場合には、アノードオフガス(及び必要によりガソリンや水素含有ガス等)を供給することにより、筒状体160に内装された触媒162上へのアノードオフガスを供給し、酸化反応を行なうことができる。
次に、燃料電池120について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態における燃料電池を説明するための断面図である。水素分離膜型の燃料電池(HMFC)120は、図3に示すように、水素透過性金属を用いた緻密な水素透過膜を有する電解質膜174と、電解質膜174を狭持する酸素極(O2極)176及び水素極(H2極)178とで構成されており、水素生成装置110で改質生成された水素含有ガスが供給されると水素を選択的に透過させて発電運転が行なえるようになっている。
酸素極176と電解質膜174との間には、酸化剤ガスとして空気(Air)を通過、すなわち給排するためのエア流路180が形成されており、水素極178と電解質膜174との間には、水素リッチな燃料ガス(ここでは、改質生成された水素含有ガス)を通過、すなわち給排するための燃料流路182が形成されている。酸素極176及び水素極178は、カーボン(例えば、白金又は白金と他の金属とからなる合金を担持したカーボン粉)や電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社製のNafion Solution)など種々の材料を用いて形成可能である。
電解質膜174は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材(水素透過性金属からなる緻密な水素透過膜)184を含む4層構造となっている。パラジウム(Pd)層(水素透過性材料からなる緻密な水素透過膜)186,188は、基材184を両側から挟むようにして配置されており、一方のPd層186の基材184と接する側と逆側の面には、更にBaCeO3(固体酸化物)からなる電解質層190が薄膜状に設けられている。
基材184は、バナジウム(V)以外に、ニオブ、タンタル、及びこれらの少なくとも一種を含む合金を用いて好適に形成することができる。これらは、高い水素透過性を有すると共に、比較的安価であるためコスト面で有利である。
電解質層(BaCeO3膜)190は、BaCeO3以外にSrCeO3系のセラミックスプロトン伝導体などを用いて構成することができる。
前記水素透過性金属には、パラジウム以外に、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタル及びこれらの少なくとも一種を含む合金、並びにパラジウム合金などが挙げられる。これらを用いた緻密膜を設けることで電解質層を保護できる。
前記水素透過性金属からなる緻密膜(被膜)については、酸素極176側では、一般に水素透過性が高く比較的安価である点で、例えば、バナジウム(バナジウム単体及び、バナジウム−ニッケル等の合金を含む。)、ニオブ、タンタル及びこれらの少なくとも一種を含む合金のいずれかを用いるのが好ましい。これらは水素極側での適用も可能であるが、水素脆化を回避する点で酸素極176側に用いることが望ましい。また、水素極178側では、水素透過性が比較的高く水素脆化しにくい点で、例えば、パラジウム又はパラジウム合金を用いるのが好ましい。
図3に示すように、Pd層186/基材184/Pd層188の3層からなるサンドウィッチ構造膜、すなわち異種金属(水素透過性材料からなる緻密膜)からなる2層以上の積層構造を有してなる場合、異種金属の接触界面の少なくとも一部に該異種金属同士の拡散を抑制する金属拡散抑制層を設けるようにしてもよい(例えば、後述の図12及び図13参照)。また、金属拡散抑制層については、特開2004−146337号公報の段落番号[0015]〜[0016]に記載されている。
上述のサンドウィッチ構造膜の層構成としては、パラジウム(Pd)/バナジウム(V)/Pdで構成する以外に、Pd/タンタル(Ta)/V/Ta/Pd等の5層構造などにすることも可能である。既述のように、VはPdよりプロトン又は水素原子の透過速度が速く安価であるが、水素分子をプロトン等に解離する能力が低い。このため、水素分子をプロトン化する能力の高いPd膜をV膜の片側又は両側の面に設けることで、水素透過性能を向上させることができる。この場合に、金属膜間に金属拡散抑制層を設けることで、異種金属同士の相互拡散を抑え、水素透過性能の低下、ひいては燃料電池の起電力の低下を抑制することができる。
また、電解質層190は固体酸化物からなり、Pd層186との界面の一部に、電解質層190中の酸素原子とPdとの反応を抑制する反応抑制層を設けてもよい(例えば後述の図12の反応抑制層210)。この反応抑制層については、特開2004−146337号公報の段落[0024]〜[0025]に記載されている。
電解質膜174は、緻密な水素透過性材料であるバナジウム基材と燃料電池120のカソード側に成膜された無機質の電解質層とで構成することで電解質膜の薄膜化が可能となり、これを一般に用いられる高温型の固体酸化物型燃料電池(SOFC)に適用すると、作動温度を300〜600℃の温度域に低温化することができる。これにより、燃料電池から排出されたカソードオフガスを直接、改質反応させるPSR型改質器に供給する本発明の燃料電池システムを好適に構成することが可能である。
水素分離膜型の燃料電池120は、燃料流路182に水素(H2)密度の高い水素含有ガスが供給され、エア流路180に酸素(O2)を含む空気が供給されると、下記式(1)〜(3)で表される電気化学反応(電池反応)を起こして外部に電力を供給する。なお、式(1) 、式(2)は各々アノード側、カソード側での反応を示し、式(3)は燃料電池での全反応である。
H2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
図4を用いて、各バルブの切替えについて説明する。図4は、バルブ制御を説明するための構成図である。図4に示すように、バルブV1〜V8、三方バルブSV1〜SV7は、及びポンプP1〜P3は制御部(CPU)170に接続されており、その開閉及び切替えが制御部170によって制御されている。また、制御部170は温度センサ116及び温度センサ118に接続されており、反応器112及び反応器114内の温度をモニタリングすることができる。制御部170は、反応器112及び反応器114内の温度に従ってバルブ及びポンプを制御し、各反応器の改質反応から再生反応(燃焼反応)へとシフトすることができる。更に、制御部170は、ポンプP1〜P3を制御することにより、ガソリン(改質用原料)、カソードガス、燃焼エアー(燃焼用ガス)の供給量を制御することができる。
次に本実施の形態における燃料電池システム100のガスの流れ及びその制御について図1を用いて説明する。図1において、太線で示された排管は、反応器112において改質反応を行い、反応器114において再生反応(燃焼反応)を行う場合において使用される管を示し、白抜きで示された排管は、かかる場合に使用されていない管を示す。また、図1に示されるバルブV1〜V8のうち、白抜きで示されたバルブは開状態であることを意味し、黒塗りで示されたバルブは閉状態であることを意味する。
図1においては、まずポンプP1の駆動によりガソリンが燃料供給管130Aから供給されると、三方バルブSV1によって燃料供給管130Aと連通された130Bを通じて、反応器112へと供給される。ここで、本実施の形態においては、改質反応に用いられる水分を燃料電池120からのカソードオフガスにより供給する循環型の形態としたが、必要に応じてシステム外からガソリンと共に又はガソリンと別に水分をシステム内に供給できるように構成することができる。
ガソリンとカソードオフガスに含まれる水分とが供給された反応器112内では水蒸気改質反応により水素が発生し、水素含有ガスが水素含有ガス排出管134Aに排出される。この際、三方バルブSV2は水素含有ガス排出管134Aとアノード供給管136とが連通するように調整されている。反応器112から排出された水素含有ガスは、水素含有ガス排出管134A及びアノード供給管136を介して燃料電池120のアノードに供給され、燃料電池120の発電に使用される。
燃料電池120のアノードにおいてプロトン化しなかった余剰水素を含むアノードオフガスは、アノード排管138Aから排出される。この際、三方バルブSV3は、アノード排管138Aとアノード排管138Cとが連通するように調整されており、アノード排管138Aに排出されたアノードオフガスが、アノード排管138Cに送られるように構成されている。アノード排管138Cに送られたアノードオフガスは、これを通じてまず混合器139に供給される。
この際、三方バルブSV7は、燃焼エアー供給管140A及び140Bとが連通されるように制御されている。混合器139に供給されたアノードオフガスは、燃焼エアー供給管140A及び140Bを通じて供給される燃焼エアーと混合された後、反応器114に供給される。この際、バルブV3は開状態となるように制御されている。また、本発明においては、別途補助燃料用の配管を設け、アノードオフガスと共に再生反応を補助するガソリン等の補助燃焼を供給可能なように構成してもよい。
反応器114に供給されたアノードオフガスは、再生反応による発熱に用いられ、その後排出管142A及び142Bを介してシステム外に排出される。この際、排出管142に設けられたバルブV4は開状態になるように制御されると共に、燃料供給管130Cに備えられたバルブV5は閉状態になるように制御されている。
一方、燃料電池120のカソード側では、ポンプP3の駆動によりカソード供給管144を通じて、酸化剤となる空気が燃料電池120のカソードに供給される。カソードに供給された空気中の酸素は、電解質膜を通じてきたプロトンと、図を省略する外部回路を通じてきた電子と反応し、水を生成する。この水を含んだカソードオフガスは、ガス供給管146Aに排出される。
三方バルブSV5及びSV6は、ガス供給管146Aとガス供給管146Bとガス供給管146Cとが連通するように制御されており、燃料電池120のカソードから送られてきたカソードオフガスは、ガス供給管146A〜146Cを通じて反応器112に供給される。このように、燃料電池120からのカソードオフガスを、改質反応を行う反応器112に送ることで、カソードオフガスに含まれる水分を反応器112における水蒸気改質反応に利用することができる。これにより、例えば、システム外から供給する水分の量を低減することができ、効率的なシステムを構成することができる。
また、通常運転時においては、冷却管150に冷却用エアが供給されており、冷却管150を通じて熱交換により燃料電池120内部を冷却するように構成されている。
次に、反応器114内の反応を再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際の各バルブ及びポンプの制御について、図5及び図6を用いて説明する。まず、図5を用いて、反応器114におけるアノードオフガス(燃焼用燃料)、燃焼エアー(燃焼用ガス)、ガソリン(改質用原料)及びカソードオフガス(改質用ガス)の供給タイミングと供給量との関係について説明する。図5は、第1の実施の形態におけるアノードオフガス、燃焼エアー、ガソリン及びカソードオフガスの供給タイミング及び供給量の関係を示す説明図である。
図5において、紙面右側から左側への矢印が示す方向は時間の経過を示し、各基準軸から紙面上方に伸びる矢印が示す方向は各原料及びガスの供給量を示す。また、図5は、反応器114における各原料及びガスの供給タイミング及び供給量の関係を示しており、第1周期及び第3周期においては反応器114内で再生反応が行われており、第2周期及び第4周期においては改質反応が行われている。本発明の燃料電池システムにおいては、この改質/再生反応が繰り返し行われる。
図5に示すように、第1周期においては、反応器114にアノードオフガス及び燃焼エアーが供給されており、再生反応(燃焼反応)が行われている。尚、本実施の形態においては、燃焼エアーの供給量は、反応器114内における燃焼用燃料と燃焼エアーとの混合比率が理論空燃比(例えばガソリンの場合には、(ガソリン:空気)=1:14〜1:15(1:14.5)))以上となるように供給されている。
図5における第1周期中、制御手段170は、温度センサ116により改質反応を行っている反応器112内の温度をモニタリングしており、検出した温度が所定の温度以下に低下したと判断すると、まず、反応器114への燃焼エアーの供給を停止する(図5中、A点)。この燃焼エアーの停止によって、反応器114へと新たに追加される酸素の供給が停止される。また、燃焼エアーの停止後も一定時間反応器114にはアノードオフガスが供給されており、反応器114内の残存酸素は、アノードオフガスと反応して消費されるか又は、酸素含有ガスとして反応器114から排出される。これにより、反応器114内の酸素残存率を減少させることができる。
次いで、制御手段170は反応器114へのアノードオフガスの供給を停止すると共に(図5中、点B)、反応器114に、ガソリン及びカソードオフガスを供給するように各バルブ及びポンプを切替える。この切替えにより、反応器114内の反応が再生反応から改質反応へと切替えられ、図5に示す第1周期から第2周期へとシフトされる。
図5における第2周期においては、反応器114内では、反応器114内の温度が所定の温度以下になるまで改質反応が行われる。制御手段170によって反応器114内の温度が所定の温度以下であると判断されると再び、反応器114内の反応を再生反応に切替えるために、各バルブが切替えられ、第2周期から第3周期へと移行し、その後この改質/再生反応の繰り返しが、第3周期、第4周期、…第n周期へと継続される。この際、再生反応を行う第3周期等においては、第1周期と同様の処理が行われ、反応器114内の残存酸素率を低減した後、次の周期へとシフトする。
次に、反応器114における再生反応から改質反応への移行制御について図6を用いて説明する。図6は、第1の実施の形態における反応器114の再生反応から改質反応への移行制御を示す流れ図である。図6において制御手段170は、まず反応器114(PSR2)内で再生反応を行うために、反応器114にアノードオフガスと燃焼エアーを供給する(ステップS101)。制御手段170は、アノードオフガス及び燃焼エアーを反応器114に供給しながら、改質反応が行われている反応器112内の温度を温度センサ116によってモニタリングし、反応器112内の温度T1を検出する(ステップS102)。
次いで制御手段170は、温度センサ116によって検出した温度T1と閾値T0(例えば、約600℃)とを比較し、温度T1が閾値T0未満であるか否かを判断する(ステップS103)。制御手段170が、温度T1が閾値T0以上であると判断した場合は(ステップS103否定)、引き続きステップS101に戻り、反応器114にアノードオフガス及び燃焼エアーを供給する。
一方、制御手段170が、温度T1が閾値未満であると判断した場合は(ステップS103肯定)、反応器114への燃焼エアーの供給を停止する(ステップS104)。制御手段170は、燃焼エアーの供給停止後、引き続きアノードオフガスを反応器114に供給し続けており、これにより反応器114内の残存酸素率は低減される。
次いで、制御手段170は、燃焼エアーの供給停止から一定時間(例えば、2秒)経過したか否かを判断し(ステップS105)、一定時間経過していないと判断した場合にはアノードオフガスの供給を継続する(ステップS105否定)。
一方、制御手段170が燃焼エアーの供給停止から一定時間経過したと判断した場合(ステップS105肯定)には、反応器114へのアノードオフガスの供給を停止し、各反応器の改質/再生反応を切替えるため各バルブを切替える(ステップS106)。
次いで、制御手段170は、反応器114にガソリン及びカソードオフガスを供給して、反応器114内の反応を改質反応に切替え、反応器114において生成された水素含有ガスを燃料電池120に供給する(ステップS107)。
尚、上記説明においては、反応器114における再生反応から改質反応への切替え制御のみについて説明したが、反応器112における再生反応から改質反応への切替え時にも同様の制御が行われる。
以上のように、本実施の形態においては、再生反応から改質反応に切替える際に、燃焼エアーの供給停止をアノードオフガスの供給停止よりも先におこない、一定時間アノードオフガスのみを供給することによって、反応器内の残存酸素率を低減し、改質反応時に燃料電池に供給する水素含有ガスに酸素が含まれるのを防止することができる。これにより、燃料電池のアノードにおいて水素と酸素とが反応することに起因する発電量の低下等を防止することができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成の燃料電池システムおいて、改質反応器内の反応を再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際に、燃焼エアーの供給量を低下させ、燃焼用燃料と燃焼用ガスとの混合比率を理論空燃比以下で一定時間供給する。これにより、改質反応器内ではストイキ運転状態となり、改質反応器に供給される酸素が、燃焼用燃料との酸化反応で消費される酸素の量よりも少なくなるため、改質反応器内の残存酸素率を低減することができる。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成の燃料電池システムおいて、改質反応器内の反応を再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際に、燃焼エアーの供給量を低下させ、燃焼用燃料と燃焼用ガスとの混合比率を理論空燃比以下で一定時間供給する。これにより、改質反応器内ではストイキ運転状態となり、改質反応器に供給される酸素が、燃焼用燃料との酸化反応で消費される酸素の量よりも少なくなるため、改質反応器内の残存酸素率を低減することができる。
図7及び8を用いて、第2の実施の形態における再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際の各バルブ及びポンプの制御について説明する。まず、図7を用いて、反応器114におけるアノードオフガス(燃焼用燃料)、燃焼エアー(燃焼用ガス)、ガソリン(改質用原料)及びカソードオフガス(改質用ガス)の供給タイミング及び供給量との関係について説明する。図7は、第2の実施の形態におけるアノードオフガス、燃焼エアー、ガソリン及びカソードオフガスの供給タイミング及び供給量の関係を示す説明図である。
図7において、紙面右側から左側への矢印が示す方向は時間の経過を示し、各基準軸から紙面上方に伸びる矢印が示す方向は各原料及びガスの供給量を示す。また、図7は、反応器114における各原料及びガスの供給タイミング及び供給量の関係を示しており、第1周期及び第3周期においては反応器114内で再生反応が行われており、第2周期及び第4周期においては改質反応が行われている。本発明の燃料電池システムにおいては、この改質/再生反応が繰り返し行われる。
図7に示すように、第1周期においては、反応器114にアノードオフガス及び燃焼エアーが供給されており、再生反応(燃焼反応)が行われている。この際、燃焼エアーの供給量は、反応器114内における燃焼用燃料と燃焼エアーとの混合比率が理論空燃比(約(例えばガソリンの場合には、(ガソリン:空気)=1:14〜1:15(1:14.5)))以上となるように供給されている。
図7における第1周期中、制御手段170は、温度センサ116により改質反応を行っている反応器112内の温度をモニタリングしており、検出した温度が所定の温度以下に低下したと判断すると、まず、反応器114への燃焼エアーの供給量を、燃焼エアーとアノードオフガスとの混合比が理論空燃比となるまで減少させる(図7中、C点)。この燃焼エアー供給量の減少によって、反応器114内ではアノードオフガスと燃焼エアーとの反応がストイキ状態となり、反応器114へと供給される酸素の量は、反応器114内で反応により消費される酸素の量よりも少なくなる。これにより、反応器114内の酸素残存率を減少させることができる。
次いで、制御手段170は反応器114へのアノードオフガス及び燃焼エアーの供給を停止すると共に(図7中、点D)、反応器114に、ガソリン及びカソードオフガスを供給するように各バルブ及びポンプを切替える。この切替えにより、反応器114内の反応が再生反応から改質反応へと切替えられ、図7に示す第1周期から第2周期へとシフトされる。
図7における第2周期においては、反応器114内では、反応器114内の温度が所定の温度以下になるまで改質反応が行われる。制御手段170によって反応器114内の温度が所定の温度以下であると判断されると再び、反応器114内の反応を再生反応に切替えるために、各バルブが切替えられ、第2周期から第3周期へと移行し、その後この改質/再生反応の繰り返しが、第3周期、第4周期、…第n周期へと継続される。この際、再生反応を行う第3周期等においては、第1周期と同様の処理が行われ、反応器114内の残存酸素率を低減した後、次の周期へとシフトする。
次に、反応器114における再生反応から改質反応への移行制御について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施の形態における反応器114の再生反応から改質反応への移行制御を示す流れ図である。図8において制御手段170は、まず反応器114(PSR2)内で再生反応を行うために、反応器114にアノードオフガスと燃焼エアーを供給する(ステップS111)。制御手段170は、アノードオフガス及び燃焼エアーを改質反応が行われている反応器112内の温度を温度センサ116によってモニタリングし、反応器112内の温度T1を検出する(ステップS112)。
次いで制御手段170は、温度センサ116によって検出した温度T1と閾値T0(例えば、約600℃)とを比較し、温度T1が閾値T0未満であるか否かを判断する(ステップS113)。制御手段170が、温度T1が閾値T0以上であると判断した場合は(ステップS113否定)、引き続きステップS111に戻り、反応器114にアノードオフガス及び燃焼エアーを供給する。
一方、制御手段170が、温度T1が閾値未満であると判断した場合は(ステップS113肯定)、反応器114への燃焼エアーの供給量を低減し、反応器114内においてストイキ運転を行う(ステップS114)。この、反応器114内のストイキ運転によって、反応器114内の残存酸素率は低減される。
次いで、制御手段170は、ストイキ運転起動時から一定時間(例えば、2秒)経過したか否かを判断し(ステップS115)、一定時間経過していないと判断した場合にはストイキ運転を継続する(ステップS115否定)。
一方、制御手段170がストイキ運転起動時から一定時間経過したと判断した場合(ステップS115肯定)には、反応器114へのアノードオフガス及び燃焼エアーの供給を完全に停止し、各反応器の改質/再生反応を切替えるため各バルブを切替える(ステップS116)。
次いで、制御手段170は、反応器114にガソリン及びカソードオフガスを供給して、反応器114内の反応を改質反応に切替え、反応器114において生成された水素含有ガスを燃料電池120に供給する(ステップS117)。
尚、上記説明においては、反応器114における再生反応から改質反応への切替え制御のみについて説明したが、反応器112における再生反応から改質反応への切替え時にも同様の制御が行われる。
以上のように、本実施の形態においては、再生反応から改質反応に切替える際に、燃焼エアーの供給量を低減して、一定時間改質反応器内で理論空燃比によるストイキ運転を行うことで、反応器内の残存酸素率を低減し、改質反応時に燃料電池に供給する水素含有ガスに酸素が含まれるのを防止することができる。これにより、燃料電池のアノードにおいて水素と酸素とが反応することに起因する発電量の低下等を防止することができる。
尚、第1及び第2の実施の形態においては燃焼エアーとして燃料電池冷却用の冷却用エアのオフガスを利用することも可能である。この場合、冷却用エアーを改質反応器への供給とシステム外への排気とに分配制御するためのバルブによって、再生反応を行う改質反応器に供給される燃焼エアーの供給量が制御可能であり、再生反応から改質反応に切替える際は、このバルブによって改質反応器に供給される燃焼エアー量が調整され、供給停止される。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成の燃料電池システムおいて、パージガスとして水蒸気を各改質反応器に供給するポンプ及び配管を設けたシステムである。第3の実施の形態によれば、改質反応器内の反応を再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際に、燃焼用燃料と燃焼エアーとの供給を停止した後に、パージガスを再生側から改質反応器に供給することで、改質反応器内に残存した酸素含有ガスを反応器内から排出することができるため、改質反応器内の残存酸素率を低減することができる。
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成の燃料電池システムおいて、パージガスとして水蒸気を各改質反応器に供給するポンプ及び配管を設けたシステムである。第3の実施の形態によれば、改質反応器内の反応を再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際に、燃焼用燃料と燃焼エアーとの供給を停止した後に、パージガスを再生側から改質反応器に供給することで、改質反応器内に残存した酸素含有ガスを反応器内から排出することができるため、改質反応器内の残存酸素率を低減することができる。
まず、図9を用いて、第3の実施の形態における燃料電池システム301について説明する。図9は、第3の実施の形態における燃料電池システムの構成を示す説明図である。尚、図9において図1と共通する部位については、図1と同様の番号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、燃料電池システム301においては、ポンプP4を備えたパージガス供給管302Aと、パージガス供給管302Aと三方バルブSV8を介して連結されるパージガス供給管302B及びパージガス供給管302Cとが備えられている。また、パージガス供給管302B及び302Cの他端は、各々、反応器114及び112の再生側に連結されており、パージガスとして供給される水蒸気を任意の反応器に再生側から供給できるように構成されている。このように、再生反応から改質反応に切替える際、アノードオフガス及び燃焼エアーの供給を停止した後に、再生側から反応器内にパージガスとして水蒸気を供給することで、反応器内に残存する酸素含有ガスを反応器の改質側へと排出することができる。これにより、反応器内の酸素残存率を低減することができ、改質反応時に水素含有ガスに酸素が混在するのを防止することができる。また、図示を省略するが、三方バルブSV8及びポンプP4は制御部170に接続されており、その駆動が制御されている。
次に、図10及び11を用いて、第3の実施の形態における再生反応(燃焼反応)から改質反応に切替える際の各バルブ及びポンプの制御について説明する。まず、図10を用いて、反応器114におけるアノードオフガス(燃焼用燃料)、燃焼エアー(燃焼用ガス)、水蒸気(パージガス)、ガソリン(改質用原料)及びカソードオフガス(改質用ガス)の供給タイミング及び供給量との関係について説明する。図10は、第3の実施の形態におけるアノードオフガス、燃焼エアー、水蒸気、ガソリン及びカソードオフガスの供給タイミング及び供給量の関係を示す説明図である。
図10において、紙面右側から左側への矢印が示す方向は時間の経過を示し、各基準軸から紙面上方に伸びる矢印が示す方向は各原料及びガスの供給量を示す。また、図10は、反応器114における各原料及びガスの供給タイミング及び供給量の関係を示しており、第1周期及び第3周期においては反応器114内で再生反応が行われており、第2周期及び第4周期においては改質反応が行われている。本発明の燃料電池システムにおいては、この改質/再生反応が繰り返し行われる。
図10に示すように、第1周期においては、反応器114にアノードオフガス及び燃焼エアーが供給されており、再生反応(燃焼反応)が行われている。
図10における第1周期中、制御手段170は、温度センサ116により改質反応を行っている反応器112内の温度をモニタリングしており、検出した温度が所定の温度以下に低下したと判断すると、まず、反応器114へのアノードオフガスと燃焼エアーとの供給を停止させる(図10中、E点)。次いで、制御手段170は反応器内に水蒸気(パージガス)を供給し反応器114内に残存する酸素含有ガスをシステム外に排出する。その後、水蒸気(パージガス)の供給を停止し(図10中、点F)、反応器114に、ガソリン及びカソードオフガスを供給するように各バルブ及びポンプを切替える。この切替えにより、反応器114内の反応が再生反応から改質反応へと切替えられ、図10に示す第1周期から第2周期へとシフトされる。
図10における第2周期においては、反応器114内では、反応器114内の温度が所定の温度以下になるまで改質反応が行われる。制御手段170によって反応器114内の温度が所定の温度以下であると判断されると再び、反応器114内の反応を再生反応に切替えるために、各バルブが切替えられ、第2周期から第3周期へと移行し、その後この改質/再生反応の繰り返しが、第3周期、第4周期、…第n周期へと継続される。この際、再生反応を行う第3周期等においては、第1周期と同様の処理が行われ、反応器114内の残存酸素率を低減した後、次の周期へとシフトする。
次に、反応器114における再生反応から改質反応への移行制御について図11を用いて説明する。図11は、第3の実施の形態における反応器114の再生反応から改質反応への移行制御を示す流れ図である。図11において制御手段170は、まず反応器114(PSR2)内で再生反応を行うために、反応器114にアノードオフガスと燃焼エアーを供給する(ステップS121)。制御手段170は、アノードオフガス及び燃焼エアーを反応器114に供給しながら、改質反応が行われている反応器112内の温度を温度センサ116によってモニタリングし、反応器112内の温度T1を検出する(ステップS122)。
次いで制御手段170は、温度センサ116によって検出した温度T1と閾値T0(例えば、約600℃)とを比較し、温度T1が閾値T0未満であるか否かを判断する(ステップS123)。制御手段170が、温度T1が閾値T0以上であると判断した場合は(ステップS123否定)、引き続きステップS121に戻り、反応器114にアノードオフガス及び燃焼エアーを供給する。
一方、制御手段170が、温度T1が閾値未満であると判断した場合は(ステップS123肯定)、反応器114へのアノードオフガス及び燃焼エアーの供給を停止する(ステップS124)。
次いで、制御手段170は、一定量の水蒸気をパージガスとして反応器114に供給し、反応器114内の酸素含有ガスを反応器114外へ排出する(ステップS125)。本実施の形態においては、この水蒸気の供給により、反応器114内の残存酸素率を低減することができる。
パージガス供給後、制御手段170は、各反応器の改質/再生反応を切替え、反応器114にガソリン及びカソードオフガスを供給して、反応器114内の反応を改質反応に切替える(ステップS126)。
尚、上記説明においては、反応器114における再生反応から改質反応への切替え制御のみについて説明したが、反応器112における再生反応から改質反応への切替え時にも同様の制御が行われる。
以上のように、本実施の形態においては、再生反応から改質反応に切替える際に、アノードオフガス及び燃焼エアーの供給停止後にパージエアーとして水蒸気を供給することで、反応器内の残存酸素率を低減し、改質反応時に燃料電池に供給する水素含有ガスに酸素が含まれるのを防止することができる。これにより、燃料電池のアノードにおいて水素と酸素とが反応することに起因する発電量の低下等を防止することができる。
尚、以上においては、改質用原料としてガソリンを使用した場合を説明したが、ガソリン以外の他の炭化水素燃料を使用した場合も同様の構成とすることができる。
次に、上述の第1〜3の実施の形態における燃料電池システムにおける燃料電池120に転用可能な水素分離膜型燃料電池の他の具体例について、図12〜図13を用いて説明する。なお、他の具体例についての詳細については特開2004−146337号公報の記載を参照することができる。
図12は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材212を含む5層構造の電解質膜202と、電解質膜202を狭持する酸素極(O2極)204及び水素極(H2極)206とで構成され、金属拡散抑制層及び反応抑制層を備えた水素分離膜型燃料電池200を示したものである。電解質膜202は、基材212の水素極(アノード)206側の面に該面側から順に緻密体の金属拡散抑制層214とパラジウム(Pd)層216とを備える。また、基材212の酸素極(カソード)204側の面に該面側から順に緻密体の反応抑制層(例えばプロトン伝導体や混合伝導体、絶縁体の層)210と、固体酸化物からなる薄膜の電解質層(例えばペロブスカイトの1つである金属酸化物SrCeO3膜など)208とを備えている。反応抑制層210は、電解質層208中の酸素原子と基材(V)212との反応を抑制する機能を担うものである。なお、酸素極204又は水素極206と電解質膜202との間には上記同様に、各々エア流路180、燃料流路182が形成されている。金属拡散抑制層及び反応抑制層の詳細については既述の通りである。
図13は、水素透過性金属を用いた緻密な水素透過膜を有する電解質膜302と、電解質膜302を狭持する酸素極(O2極)304及び水素極(H2極)306とで構成された固体高分子型の水素分離膜型燃料電池300を示したものである。電解質膜302は、例えば、ナフィオン(登録商標)膜などの固体高分子膜からなる電解質膜312の両側の面を、水素透過性の緻密な金属膜で挟んだ多層構造となっており、電解質膜312の水素極(アノード)306側の面にパラジウム(Pd)層(緻密膜)314を備え、電解質膜312の酸素極(カソード)304側の面に該面側から順に、基材となるバナジウム−ニッケル合金(V−Ni)層(緻密膜)310とPd層(緻密膜)308とを備えている。なお、酸素極304又は水素極306と電解質膜302との間には上記同様に、各々エア流路180、燃料流路182が形成されている。燃料電池120においてもまた、V−Ni層310とPd層308との間には金属拡散抑制層を設けることができ、V−Ni層310又はPd層314と電解質膜312との間には反応抑制層を設けることができる。
図13に示す固体高分子型の燃料電池では、含水電解質膜を挟むようにして水素透過性金属を用いた水素透過膜が形成された構成とすることにより、高温での電解質膜の水分蒸発及び膜抵抗増大の抑制が可能で、一般に低温型の固体高分子型燃料電池(PEFC)の作動温度を300〜600℃の温度域に向上させることができる。これにより、燃料電池から排出されたカソードオフガスを直接、改質反応させるPSR型改質器に供給する本発明の燃料電池システムの構成に好適である。
100,301 燃料電池システム
110 水素生成装置
112,114 反応器
120,200,300 燃料電池
170 制御部
184,212 基材
186,188,216,308,314 パラジウム(Pd)層
190,208,302 電解質層
310 バナジウム−ニッケル合金(V−Ni)層
P1〜P4 ポンプ
V1〜V8 バルブ
SV1〜SV8 三方バルブ
110 水素生成装置
112,114 反応器
120,200,300 燃料電池
170 制御部
184,212 基材
186,188,216,308,314 パラジウム(Pd)層
190,208,302 電解質層
310 バナジウム−ニッケル合金(V−Ni)層
P1〜P4 ポンプ
V1〜V8 バルブ
SV1〜SV8 三方バルブ
Claims (9)
- 触媒を備え、改質用原料及び改質用ガスが供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料及び改質用ガスの改質反応によって水素含有ガスを生成し、発熱用燃料及び発熱用ガスが供給されたときには前記発熱用燃料及び前記発熱用ガスの発熱反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記発熱反応とが切り替え可能な改質反応器と、
前記改質反応器へ供給される流体の流路、及び、前記改質反応器から排出される流体の流路を切替えるための切替手段と、
前記改質反応器の改質反応と発熱反応とが交互に行われるように、前記切替手段を切り替えて、前記改質反応器に供給される流体及び前記改質反応器から排出される流体を切り替え、且つ、前記改質反応器を発熱反応から改質反応に切替える際に、前記改質反応器内の酸素残存率を低減させた後に前記改質反応器を前記発熱反応から前記改質反応に切替える制御手段と、
を備えた水素生成装置。 - 前記制御手段は、前記改質反応器内の酸素含有ガスを前記改質反応器から排出した後に、前記改質反応器を前記発熱反応から前記改質反応に切替える請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御手段は、前記改質反応器内にパージガスを供給して前記改質反応器内から前記酸素含有ガスを排出する請求項2に記載の水素生成装置。
- 前記制御手段は、前記改質反応器への前記発熱用燃料の供給を維持しつつ、前記改質反応器への前記発熱用ガスの供給を停止することで、前記改質反応器内の酸素含有ガスを前記改質反応器から排出する請求項2に記載の水素生成装置。
- 前記制御手段は、前記改質反応器内の酸素を酸化反応によって消費した後に前記改質反応器を前記発熱反応から前記改質反応に切替える請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御手段は、前記改質反応器内における前記発熱用燃料と前記発熱用ガスとの混合比率を理論空燃比以下とすることで、前記改質反応器内の酸素を酸化反応によって消費する請求項5に記載の水素生成装置。
- 前記改質反応器を少なくとも一対備え、前記制御手段は、前記一対の改質反応器の改質反応及び発熱反応をそれぞれ交互に切替えて、一方の前記改質反応器が改質反応を行うと共に他方の前記改質反応器が発熱反応をおこなうようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の水素生成装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の水素生成装置と、
前記改質反応器で改質生成された水素含有ガスの供給により発電する燃料電池と、
を備えた燃料電池システム。 - 前記燃料電池は、水素透過性金属層と、前記水素透過性金属層の少なくとも片側に配置された電解質層と、を備えた請求項8に記載の燃料電池システム。
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JP2005105082A JP2006282457A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 水素生成装置及び燃料電池システム |
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- 2005-03-31 JP JP2005105082A patent/JP2006282457A/ja active Pending
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