JP2006248811A - 水素生成装置及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 起動時に速やかな暖機が可能な水素生成装置、及び、起動時に速やかな暖機が行われ、安定した発電性能を発揮し得る燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 触媒を備え、改質用原料が供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料を改質反応させ、燃焼用燃料が供給されたときには前記燃焼用燃料の燃焼反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記燃焼反応とが切り替え可能な反応器112及び114と、改質反応器112又は114から排出された暖機オフガスを他の改質反応器に供給する給排管138A及びBと、改質反応器112及び114への燃焼用燃料の供給を制御し、且つ、改質反応器112に暖機用燃料を供給して暖機運転する際に、暖機運転中の改質反応器112から排出された暖機オフガスを給排管138A及びBを介して改質反応器114に供給する制御手段170と、を備えた水素生成装置110を含む燃料電池システム100。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒を用いた燃料改質反応と触媒を加熱再生する再生反応とを切替えて行なう水素生成装置及びこれを備えた燃料電池システムに関する。
従来の電気自動車は、車両駆動用の電源として燃料電池を搭載すると共に、燃料電池を発電運転させるための燃料である水素又は水素生成用の原燃料を搭載している。
水素自体を搭載する場合、水素ガスを圧縮して高圧ボンベに若しくは液化してタンクに充填し、又は水素吸蔵合金や水素吸着材料を用いて搭載する。しかし、高圧充填による場合は、容器壁厚が厚く大きいわりに内容積に制限があり水素充填量が少ない。また、液体水素とする液化充填による場合には、気化ロスが避けられないほか液化に多大なエネルギーを要する。更に、水素吸蔵合金や水素吸着材料では電気自動車等に必要とされる水素貯蔵密度が不充分であり、水素の吸蔵/吸着等の制御も困難である。
また、原燃料を搭載する場合、燃料を水蒸気改質して水素を得る方法などがある。しかし、改質反応は吸熱的であるために別途熱源が必要であるため、熱源に電気ヒータ等を用いたシステムでは全体のエネルギー効率の向上は図れない。更に、あらゆる環境条件下で安定的に水素量を確保できる点も不可避である。
水素の供給方法については、未だ技術的に確立されていないのが実状であるが、将来的に各種装置における水素利用の増加が予測されることを踏まえると、水素の供給方法の確立が急務とされている。
上記に関連する技術として、触媒を用いて、吸熱反応である燃料の改質反応と、改質反応で低下した触媒温度を再生する再生反応と、を切替えて繰り返し行なう改質装置を有する燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような燃料電池システムを用いる場合、起動時に反応器に備えられた触媒の温度を水蒸気改質反応開始温度又は再生反応開始温度にまで高める必要があり、暖機運転が必要となる。特に車両駆動用等の用途においては、触媒が迅速に昇温することが要求される。また、暖機が十分でないと、水蒸気改質反応を行っていた反応器を再生反応に切り替える際、水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、触媒の温度が起動時よりも低下している場合がある。このため、再生反応により改質開始温度まで上昇させるために時間を要し、再度改質反応に切り替える際に十分に昇温されず、水素生成を安定して行えない場合がある。
また、高温域で発電運転を行なう燃料電池の例として、水素透過性材料を用いた燃料電池が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。上記以外にも、これに関連する技術か種々開示されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
米国特許2004−175326号明細書 特開2004−146337号公報 米国特許2004−170558号明細書 米国特許2004−170559号明細書 米国特許2003−235529号明細書
以上のように、水素を改質生成する改質装置を用いた燃料電池システムについては提案されているものの、起動時において速やかに触媒の温度を高められる技術については未だ提案されていないのが現状である。
本発明は、起動時に速やかな暖機が可能な水素生成装置、及び、起動時に速やかな暖機が行われ、安定した発電性能を発揮し得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、吸熱反応である原料の水蒸気改質反応と、水蒸気改質反応により低下した触媒温度を回復させ触媒上での改質反応性を再生するための燃焼反応(以下、「再生反応」ともいう。)と、を切替えて繰り返す水素生成装置及びこれを用いた燃料電池に関するものである。
前記目的を達成するために、第1の発明である水素生成装置は、触媒を備え、改質用原料が供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料を改質反応させ、燃焼用燃料が供給されたときには前記燃焼用燃料の燃焼反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記燃焼反応とが切り替え可能な複数の改質反応器と、少なくとも一つの前記改質反応器から排出された流体を他の前記改質反応器に供給する供給手段と、前記改質反応器への燃焼用燃料の供給を制御し、且つ、少なくとも一つの前記改質反応器に燃焼用燃料を供給して暖機運転する際に、前記暖機運転中の前記改質反応器から排出された流体を前記供給手段によって他の前記改質反応器に供給する制御手段と、を備えて構成されたものである。
本発明の水素生成装置には、蓄熱を利用した燃料の改質反応と改質反応で低下した蓄熱量を回復させる再生反応とを切替えて行なうことができる少なくとも2基の改質反応器(以下、「PSR(Pressure swing reforming)型改質器」ともいう。)が設けられており、少なくとも1基が燃料の改質反応を行なうと共に、他の少なくとも1基において再生反応を行なわせるように構成することができる(以下、この水素生成装置を「PSR改質装置」ということがある。)。
ここで、本発明における「改質反応」には、下記の吸熱反応である「水蒸気改質反応」の他に発熱反応である「部分酸化反応」が含まれる場合がある。
n2n+2+nH2O → (2n+1)H2+nCO …(1)
n2n+2+(n/2)O2 → (n+1)H2+nCO …(2)
本発明における改質反応においては、主に上記(1)の水蒸気改質反応が主としておこなわれる。
例えば改質反応器が2基である場合、一方を器内の蓄熱を利用して吸熱反応である改質反応させると共に、他方では発熱反応である再生反応が行われる。前記一方の蓄熱量が改質反応の進行により低下したときには、2基の改質反応器への改質用原料の流路及び燃焼用燃料の流路を切替えて、再生反応に切替えると共に、前記他方では再生反応により蓄熱された熱で燃料改質を行なうように再生反応から改質反応へ切替えるように構成することができる。これにより、別途の加熱器等が不要になり、熱エネルギーの利用効率の高い連続的な水素生成が可能である。
第1の本発明によれば、PSR型改質装置の起動時など触媒の温度を高める必要がある際に行われる暖機運転を、少なくとも一つの改質反応器に燃焼用燃料を供給して酸化反応により暖機運転を行い、暖機運転中の改質反応器から排出される気体(以下、「暖機オフガス」ということがある。)を、燃焼性燃料が供給されていない他の改質反応器に供給することで、複数の反応器を効率よく昇温することができる。
暖機運転中の改質反応器から他の改質反応器への暖機オフガスの供給は、暖機運転中の改質反応器から排出される流体(気体又は液体)が他の改質反応器へ供給されるように制御手段が供給手段を制御することで行われる。
本発明において、暖機運転に用いられる燃焼用燃料中の燃料は、一般に用いられる炭化水素燃料(例えばメタンガス、ガソリンなど)などの中から適宜選択して用いられ、前記燃料と空気との混合物を燃焼用燃料として用いることができる。また、改質反応器における再生反応に用いられる燃焼用燃料としても同様のものを用いることができ、更に、例えば、燃料電池のアノード(水素極;以下同様)から排出される水素を含むガス(以下、「アノードオフガス」ということがある。)を用いてもよい。
前記改質用原料としては、水蒸気改質などの改質反応により水素及び一酸化炭素の合成ガス(特に水素)を得るための燃料として一般に用いられる炭化水素燃料(例えばメタンガス、ガソリンなど)の中から適宜選択して用いることができ、前記燃料と水蒸気との混合物を改質用原料として用いることができる。
第一の本発明によれば、前記制御手段が、前記燃焼用燃料の完全酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうように構成することができる。このように、暖機運転を完全酸化反応によりおこなうことで改質反応器の昇温速度を高めることができる。
また、第一の本発明によれば、前記制御手段が、前記燃焼用燃料の部分酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうように構成することができる。このように、暖機運転を部分酸化反応により行うことで、部分酸化反応により生じた水素含有ガスを、暖機運転を行っていない側の改質反応器に供給することができる。係る水素含有ガスの存在により、他の改質反応器の昇温速度を高めることができる。
前記制御手段による、全部/部分酸化反応の制御は、例えば、燃焼用燃料に含まれる空気の割合を燃料に対して小さくすることで行うことができる。
第2の本発明である燃料電池システムは、触媒を備え、改質用原料が供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料を改質反応させ、燃焼用燃料が供給されたときには前記燃焼用燃料の燃焼反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記燃焼反応とが切り替え可能な複数の改質反応器と、少なくとも一つの前記改質反応器から排出された流体を他の前記改質反応器に供給する供給手段と、前記改質反応器への燃焼用燃料の供給を制御し、且つ、少なくとも一つの前記改質反応器に燃焼用燃料を供給して暖機運転する際に、前記暖機運転中の前記改質反応器から排出された流体を前記供給手段によって他の前記改質反応器に供給する制御手段と、前記改質反応器で改質生成された水素含有ガスの供給により発電する燃料電池と、を備えて構成することができる。
第2の本発明によれば、PSR型改質装置の起動時など触媒の温度を高める必要がある際に行われる暖機運転を、少なくとも一つの改質反応器に燃焼用燃料を供給して酸化反応により暖機運転を行い、暖機オフガスを、他の燃焼性燃料が供給されていない他の改質反応器に供給することで、複数の反応器を始めとするシステム全体を効率よく昇温することできる。
また、第2の本発明においても、前記制御手段が、前記燃焼用燃料の完全酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうように構成することができる。
同様に、第2の本発明においても、前記制御手段が、前記燃焼用燃料の部分酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうように構成することができる。
第2の本発明は、前記暖機運転中の前記改質反応器から排出された気体を前記燃料電池のアノードを通過させた後、前記他の改質反応器に供給するように構成することができる。
第2の本発明によれば、暖機オフガスを前記他の改質反応器に供給する前に、燃料電池のアノードを通過させることで、燃料電池の温度が低い場合であっても効率的に昇温することができる。これによりシステム全体の暖機効率を向上することができる。
第2の本発明は、前記燃料電池として、水素透過性金属層と、前記水素透過性金属層の少なくとも片側に配置された電解質層と、を備えたものを用いることができる。
前記水素透過性金属層と電解質層とを備えた燃料電池は、作動温度域が300〜600℃である。この温度域は水蒸気改質反応が進行する反応温度域とほぼ同じであるため、水蒸気改質生成された水素リッチガスが燃料電池の運転温度域で供給されるという利点を有すると共に、アノードオフガスをそのままPSR型改質器に戻して再生反応に利用することができる。これにより、システム構成上及び熱エネルギーの有効利用の点で特に適している。
また、第1及び第2の本発明においては、暖機運転の際に他の改質反応器から排出される暖機オフガスを再び暖機運転中の改質反応器に供給するように構成することで、暖機段階から水蒸気改質段階への移行をスムーズに行うことができる。
本発明によれば、起動時に速やかな暖機が可能な水素生成装置、及び、起動時に速やかな暖機が行われ、安定した発電性能を発揮し得る燃料電池システムを提供することができる。
以下、図を用いて、本発明の燃料電池システムの実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明の水素生成装置の詳細についても具体的に説明する。
本実施の形態においては、水素透過性の金属膜の膜面にプロトン伝導性のセラミックスが積層されたものを電解質膜として用いた水素分離膜型燃料電池(HMFC)が搭載された電気自動車に本発明の水素生成装置を搭載し、この水素生成装置で改質生成された水素で水素分離膜型燃料電池を発電運転させるように構成した燃料電池システムに関するものである。
本実施の形態においては、水蒸気改質反応により改質する改質用原料としてガソリン及び水蒸気の混合ガスを、再生反応時に燃焼させる燃焼用燃料として燃料電池の水素極側から排出されたアノードオフガスを、再生反応時における補助燃料及び暖機運転時における暖機用燃料として、ガソリンと空気との混合ガスが用いられる。但し、本発明は係る態様に限定されるものではない。
まず、図1を用いて本発明の燃料電池システムの基本的構成について説明する。図1は、本発明の燃料電池システムの通常運転状態を説明するための概略図である。図1において、本発明の燃料電池システム100は、反応器112(PSR1)及び反応器114(PSR2)を備えた水素生成装置110と、水素分離膜型の燃料電池120(HMFC)と、を備え、水素生成装置110で改質生成された水素を燃料電池120に供給することで発電運転を行なうように構成される。
図1に示す反応器112及び反応器114には、各々触媒及び噴射装置が設けられており、改質反応と再生反応とを切替えて行うことが可能なように構成されている。改質反応と再生反応との切替は、改質用原料の供給流路、燃焼用燃料の供給流路、及び、改質生成された水素リッチガスの排出流路、並びに、再生反応させた反応器から排出される再生オフガスの流路を複数のバルブ(バルブV1〜V11及び三方バルブSV1〜SV11)を制御することで行なえるようになっている。ここで、バルブV1〜V11は、その開閉によりガスの通過及び遮断が切替えられるバルブである。また、三方バルブSV1〜SV11には3つの管が連結されており、バルブの駆動により、3つの管のうち任意の2つの管を連通させるバルブである。
本発明の燃料電池システム100は、一方の反応器において水蒸気改質反応を行うとともに、他方の反応器において再生反応を行うように構成されている。また、水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、水蒸気改質反応を行っている反応器の温度をモニタリングし、反応器内の温度が一定温度よりも低下した場合には、2つの反応器に供給される燃料を切替えて、それぞれの改質・再生反応を反転させる。即ち、改質反応を行っていた反応器においては、改質用原料に替えて燃焼用燃料を供給して、改質反応を再生反応に切替え、また、再生反応を行っていた反応器においては燃焼用燃料に替えて改質用原料を供給することで、再生反応から改質反応にシフトさせる。この際、改質用原料と燃焼用燃料との供給は、反応器内の温度勾配を考慮し、それぞれ対向する側から行われるように構成されている。
本発明の燃料電池システム100の運転時においては、各反応器の改質・再生反応の切り替えが繰り返しおこなわれるが、本実施の形態においては便宜上、反応器112において改質反応を行い、また、反応器114において再生反応を行う場合について説明する。
本発明の燃料電池システムの基本構造について説明する。図1に示すように反応器112及び反応器114の一方の側(以下、「改質側」ということがある。)には、燃料供給管130Aと三方バルブSV1を介して連結される燃料供給管130B及び燃料供給管130Cがそれぞれ連結されており、これらを通して改質用原料又は暖機用燃料が供給されるように構成されている。また、反応器112及び反応器114の改質側には、空気供給管132Aと三方バルブSV2を介して連結される空気供給管132B及び空気供給管132Cがそれぞれ連結されており、これらを介して暖機運転用の空気が供給されるように構成されている。また、空気供給管132B及び空気供給管132Cには、それぞれバルブV1及びバルブV6が備えられている。更に、反応器112及び反応器114には、それぞれに各反応器内の温度を検出するための温度センサ116と温度センサ118とが備えられている。
反応器112及び反応器114の他方の側(以下、「再生側」ということがある。)には、それぞれ給排管134Aの一端と給排管134Bの一端とが連結されており、これら給排管134A及び給排管134Bの他端はそれぞれ三方バルブSV3に連結されている。また、三方バルブSV3には、更にアノード供給管136Aの一端が接続されており、これら3つの配管のうち任意の2つを連通できるように構成されている。
アノード供給管136Aの他端は三方バルブSV4と連結されており、三方バルブSV4を介してアノード供給管136Bに連結可能なように構成されている。アノード供給管136Bは、燃料電池120のアノードと連結されており、係る管を介して水素リッチガスや暖機オフガスがアノードに供給される。
燃料電池120のアノードには、その入口側にアノード供給管136Bの他端が連結されると共に、出口側にはアノード排管138Aの一端が連結されている。燃料電池120のアノードに供給されたガスは、すべてこのアノード排管138Aを介して排出される。アノード排管138Aの他端には三方バルブSV5が連結されており、三方バルブSV5の切替えによってアノード排管138B及びアノード排管138Cのいずれかと連通されるように構成されている。
アノード排管138Cは他端で反応器114の再生側に連結されており、燃料電池120から排出されるアノードオフガス等を供給できるように構成されている。また、アノード排管138CにはバルブV7が備えられている。アノード排管138Cには更に、補助燃料供給管140が連結されており、バルブV8の開閉で、反応器114への補助燃料の供給が可能なように構成されている。
反応器114の改質側には、排出管142が接続されており、酸化反応後のガスをシステム外に排出することができる。更に、反応器114の改質側には、暖機オフガスや再生オフガスを排出し、燃料電池120又は反応器112に供給するためのガス供給管144Aの一端が連結されている。また、反応器114の改質側に連結されるガス供給管144A、排出管142、燃料供給管130C、及び、空気供給管132Cには、それぞれバルブV3〜V6が備えられている。
アノード排管138Bは他端で三方バルブSV11に連結されており、三方バルブSV11には更にガス供給管152Aとガス供給管152Bとが連結されている。また、ガス供給管152AにはバルブV2が備えられており、更にその他端において反応器112の再生側と連結されている。
燃料電池120のカソード(酸素極;以下同様)の入口側には、カソード供給管146Aと三方バルブSV6を介して連結されるカソード供給管146Bの一端が連結されており、カソード供給管146Aから供給される空気等をカソードに供給可能なように構成されている。また、燃料電池120のカソードの出口側には、ガス供給管148Aの一端が連結されており、カソードオフガスを排出できるようになっている。
ガス供給管148Aの他端には三方バルブSV7が連結されており、三方バルブSV7には更にガス供給管148B及び排出管150の一端が連結されている。ガス供給管148Bの他端は、反応器112の改質側に連結されており、H2Oを含むガス等を反応器112に挿通できるように構成されている。また、排出管150は、ガス供給管148Aから供給されるガスをシステム外に排出するために用いられる。
また、燃料電池120の内部には、大気中から吸気した冷却用エア(Cooling Air)を挿通させるための冷却管が設けられており、熱交換により電池内部を冷却できるように構成されている。前記冷却管は、冷却管154A、冷却管154B及び冷却管154Cがそれぞれ三方バルブSV8及び三方バルブSV9を介して連結されて構成されており、これらが三方バルブSV8及び三方バルブSV9の切替えによって連通されることで、冷却管154Aから供給される冷却媒体を冷却管154Bを介して冷却管154Cから排出できるようになっている。
また、三方バルブSV9には、ガス供給管156Aの一端が連結されており、冷却管154Bと連結可能なように構成されている。また、ガス供給管156Aの他端側にはバルブV10が備えられており、その他端において三方バルブSV11に連結されるガス供給管152Bの他端と、バルブV9を備えたガス供給管156Bの一端とで3つの管が連結されている。
一方、反応器114に連結するガス供給管144Aの他端には、三方バルブSV10を介してガス供給管144B及びガス供給管144Cが連結されている。ガス供給管144Bは途中、ガス供給管144Dの一端と連結されるとともに、その他端において三方バルブSV6を介してカソード供給管146Bに連結されている。また、ガス供給管144Dは一端においてガス供給管144Bに連結すると共に、その他端において三方バルブSV4を介して、アノード供給管136Bと連結している。更に、ガス供給管144Dの途中には、ガス供給管144Eの一端が連結されており、分岐した形状を有している。ガス供給管144Eの他端には三方バルブSV8が連結されており、その切替えによって、冷却管154Bと連結できるように構成されている。
ガス供給管144Cの他端は、ガス供給管148AにバルブV11を介して連結されており、反応器114からのオフガスを反応器112に供給できるように構成されている。
次に反応器112及び反応器114について、反応器112を例にその構成を説明する。図2は、反応器の構成を説明するための概略図である。反応器112は、図2に示すように、両端が閉塞された断面円形の筒状体160と、筒状体160の内壁面に担持された触媒(触媒担持部)162とで構成されており、筒状体160は反応を行なうための空間を形成すると共に、触媒担持体として機能を担っている。
筒状体160は、セラミックスハニカムを用いて直径10cmの断面円形の筒型に成形し、筒の長さ方向の両端を閉塞した中空体である。断面形状やサイズは、目的等に応じて、円形以外の矩形、楕円形などの任意の形状、サイズを選択することができる。
触媒162は、筒状体内壁の曲面のうち、筒状体の長さ方向両端から筒内方向に向かう筒の中央付近、すなわち長さ方向の両端からそれぞれ所定距離Aの領域を、触媒を担持しない触媒非担持部として残し、触媒非担持部を除く全面に担持されている。触媒162には、Pd、Ni、Pt、Rh、Ag、Ce、Cu、La、Mo、Mg、Sn、Ti、Y、Zn等の金属を用いることができる。
触媒162により改質反応を行った場合、改質生成された水素リッチガスは該ガスの排出方向下流側の触媒非担持部で冷却され、水素リッチガスを燃料電池120の運転温度に近づけて供給できる。また、逆に改質反応から再生反応に切替えられた場合には、触媒非担持部は水素リッチガスとの熱交換により昇温した状態にあり、水素リッチガスの排出方向とは逆向きに供給された燃焼用燃料は触媒非担持部で予熱された後触媒162に供給されるようになっている。これにより、触媒162が担持された筒状体160の中央付近ほど、蓄熱量が高くなる温度分布が形成され、係る温度分布は反応性の点で有利である。なお、筒状体160には、触媒の温度を計測するための温度センサ116が取付けられている。
筒状体160の改質側の壁面には、燃料供給管130Bと空気供給管132Bとガス供給管148Bとが接続されており、燃料供給管130Bの先端部には噴射装置164が備えられている。また、筒状体160の再生側の壁面には、給排管134Aとガス供給管152Aとが接続されている。
噴射装置164は、通常運転時に反応器112にて水蒸気改質反応を行う場合にはガソリン及び水蒸気の混合ガス(改質用原料)を広角に噴射し筒状体160に内装された触媒162上への供給、反応を行なうことができるようになっている。この場合、水蒸気改質反応によって生成した水素リッチガスは、給排管134Aから排気され、燃料電池120に供給される。また、暖機運転時にはガソリンと空気との混合ガス(暖機用燃料)がいずれかの反応器に改質側から供給される。
また、通常運転時に反応器112にて再生反応を行う場合には、アノードオフガス(及び必要によりガソリンや水素含有ガス等)を供給することにより、筒状体160に内装された触媒162上へのアノードオフガスを供給し、酸化反応を行なうことができる。アノードオフガスの酸化反応により発生したH2O等は図示を省略した排出口からシステム外に排出される。
暖機運転時においては、噴射装置164からガソリンが広角に噴射されるとともに、空気供給管132Bから空気が供給され、触媒162の作用によって酸化反応が起こる。この際、ガソリンと空気との量を規定することで、係る酸化反応を完全酸化反応とすることもできるし、部分酸化反応とすることもできる。完全酸化反応による暖機運転は、発熱量が多いことから、暖機運転の初期などの大量の熱が必要な場合に適している。また、部分酸化反応による暖機運転は、酸化反応と共に水素が生じることから、例えば、暖機運転から通常運転(改質反応)にシフトする前などの場合に特に有効である。
暖機運転時に筒状体160内で発生したガスは、暖機オフガスとして他方の反応器である反応器114に送られ、反応器114の暖機や燃料電池120の暖機等に用いられる。
次に、燃料電池120について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態における燃料電池を説明するための断面図である。水素分離膜型燃料電池(HMFC)120は、図3に示すように、水素透過性金属を用いた緻密な水素透過膜を有する電解質膜174と、電解質膜174を狭持する酸素極(O2極)176および水素極(H2極)178とで構成されており、水素生成装置110で改質生成された水素リッチガスが供給されると水素を選択的に透過させて発電運転が行なえるようになっている。
酸素極176と電解質膜174との間には、酸化剤ガスとして空気(Air)を通過、すなわち給排するためのエア流路180が形成されており、水素極178と電解質膜174との間には、水素リッチな燃料ガス(ここでは、改質生成された水素リッチガス)を通過、すなわち給排するための燃料流路182が形成されている。酸素極176および水素極178は、カーボン(例えば、白金または白金と他の金属とからなる合金を担持したカーボン粉)や電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社製のNafion Solution)など種々の材料を用いて形成可能である。
電解質膜174は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材(水素透過性金属からなる緻密な水素透過膜)184を含む4層構造となっている。パラジウム(Pd)層(水素透過性材料からなる緻密な水素透過膜)186,188は、基材184を両側から挟むようにして設けられており、一方のPd層186の基材184と接する側と逆側の面には、更にBaCeO3(固体酸化物)からなる電解質層190が薄膜状に設けられている。
基材184は、バナジウム(V)以外に、ニオブ、タンタル、およびこれらの少なくとも一種を含む合金を用いて好適に形成することができる。これらは、高い水素透過性を有すると共に、比較的安価であるためコスト面で有利である。
電解質層(BaCeO3膜)190は、BaCeO3以外にSrCeO3系のセラミックスプロトン伝導体などを用いて構成することができる。
前記水素透過性金属には、パラジウム以外に、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタルおよびこれらの少なくとも一種を含む合金、並びにパラジウム合金などが挙げられる。これらを用いた緻密膜を設けることで電解質層を保護できる。
前記水素透過性金属からなる緻密膜(被膜)については、酸素極176側では、一般に水素透過性が高く比較的安価である点で、例えば、バナジウム(バナジウム単体および、バナジウム−ニッケル等の合金を含む。)、ニオブ、タンタルおよびこれらの少なくとも一種を含む合金のいずれかを用いるのが好ましい。これらは水素極側での適用も可能であるが、水素脆化を回避する点で酸素極176側に用いることが望ましい。また、水素極178側では、水素透過性が比較的高く水素脆化しにくい点で、例えば、パラジウムまたはパラジウム合金を用いるのが好ましい。
図3に示すように、Pd層186/基材184/Pd層188の3層からなるサンドウィッチ構造膜、すなわち異種金属(水素透過性材料からなる緻密膜)からなる2層以上の積層構造を有してなる場合、異種金属の接触界面の少なくとも一部に該異種金属同士の拡散を抑制する金属拡散抑制層を設けるようにしてもよい(例えば、後述の図10及び図11参照)。また、金属拡散抑制層については、特開2004−146337号公報の段落番号[0015]〜[0016]に記載されている。
上述のサンドウィッチ構造膜の層構成としては、パラジウム(Pd)/バナジウム(V)/Pdで構成する以外に、Pd/タンタル(Ta)/V/Ta/Pd等の5層構造などすることも可能である。既述のように、VはPdよりプロトンまたは水素原子の透過速度が速く安価であるが、水素分子をプロトン等に解離する能力が低い。このため、水素分子をプロトン化する能力の高いPd膜をV膜の片側または両側の面に設けることで、水素透過性能を向上させることができる。この場合に、金属膜間に金属拡散抑制層を設けることで、異種金属同士の相互拡散を抑え、水素透過性能の低下、ひいては燃料電池の起電力の低下を抑制することができる。
また、電解質層190は固体酸化物からなり、Pd層186との界面の一部に、電解質層190中の酸素原子とPdとの反応を抑制する反応抑制層を設けてもよい(例えば後述の図10の反応抑制層210)。この反応抑制層については、特開2004−146337号公報の段落[0024]〜[0025]に記載されている。
電解質膜174は、緻密な水素透過性材料であるバナジウム基材と燃料電池120のカソード側に成膜された無機質の電解質層とで構成することで電解質膜の薄膜化が可能となり、これを一般に用いられる高温型の固体酸化物型燃料電池(SOFC)に適用すると、作動温度を300〜600℃の温度域に低温化することができる。これにより、燃料電池から排出されたカソードオフガスを直接、改質反応させるPSR型改質器に供給する本発明の燃料電池システムを好適に構成することが可能である。
水素分離膜型燃料電池120は、燃料流路182に水素(H2)密度の高い水素リッチガスが供給され、エア流路180に酸素(O2)を含む空気が供給されると、下記式(1)〜(3)で表される電気化学反応(電池反応)を起こして外部に電力を供給する。なお、式(1) 、式(2)は各々アノード側、カソード側での反応を示し、式(3)は燃料電池での全反応である。
2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
2+(1/2)O2 → H2O …(3)
図4を用いて、各バルブの切替えについて説明する。図4は、バルブ制御を説明するための構成図である。図4に示すように、バルブV1〜V11、三方バルブSV1〜SV11は、制御部(CPU)170に接続されており、その開閉及び切替えが制御部170によって制御されている。また、制御部170は温度センサ116及び温度センサ118に接続されており、反応器112及び反応器114内の温度をモニタリングすることができる。制御部170は、反応器112及び反応器114内の温度に従ってバルブを制御し、暖機運転から通常運転へのシフト等を行うことができる。更に、制御部170は、図示を省略するポンプを制御することにより、改質用原料、暖機用燃料及び補助燃料等の供給量を制御することができる。
次に水蒸気改質反応により生じた水素含有ガスを燃料電池120に供給する通常運転時(通常運転モード)におけるガスの流れについて図1を用いて説明する。図1において、太線で示された排管は、通常運転モードにおいて使用される管を示し、白抜きで示された排管は、通常運転モードにおいて使用されていない管を示す。また、図1に示されるバルブV1〜V11のうち、白抜きで示されたバルブは開状態であることを意味し、黒塗りで示されたバルブは閉状態であることを意味する。
通常運転時においては、まず改質用原料が燃料供給管130Aから供給されると、三方バルブSV1によって燃料供給管130Aと連通された130Bを通じて、反応器112に供給される。ここで、改質用原料中の水分は、システム外からガソリンと共に供給してもよいし、例えば、カソードオフガスに含まれる水分などシステム内の水分を用いてもよい。
改質用原料が供給された反応器112内では水蒸気改質反応により水素リッチガスが発生し、給排管134Aに排出される。この際、三方バルブSV3は給排管134Aとアノード供給管136Aとが連通するように調整されており、更に、三方バルブSV4は、アノード供給管136Aとアノード供給管136Bとが連通するように調整されている。このため、反応器112から排出された水素リッチガスは、給排管134A、アノード供給管136A及びアノード供給管136Bを介して、燃料電池120のアノードに供給され、燃料電池120の発電に使用される。
燃料電池120のアノードにおいてプロトン化しなかった余剰水素を含むアノードオフガスは、アノード排管138Aから排出される。この際、三方バルブSV5は、アノード排管138Aとアノード排管138Cとが連通するように調整されており、アノード排管138Aに排出されたアノードオフガスが、アノード排管138Cに送られるように構成されている。アノード排管138Cに送られたアノードオフガスは、これを通じて反応器114に供給される。この際、バルブV7は開状態となるように制御されている。また、本実施の形態においては、バルブV8の開閉により、補助燃料供給管140を通じて補助燃料が反応器114に供給可能なように構成されている。
反応器114に供給されたアノードオフガスは、再生反応による発熱に用いられ、その後排出管142からシステム外に排出される。この際、反応器114の改質側に接続された排管に備えられた各バルブは、バルブV4を除いて全て閉状態になるように制御されている。
一方、燃料電池120のカソード側では、三方バルブSV6の調整により連通されたカソード供給管146A及びカソード供給管146Bを通じて、酸化剤となる空気が燃料電池120のカソードに供給される。カソードに供給された空気中の酸素は、電解質膜を通じてきたプロトンと、図を省略する外部回路を通じてきた電子と反応し、水を生成する。この水を含んだカソードオフガスは、ガス供給管148Aに排出される。
ガス供給管148Aの末端に結合する三方バルブSV7は、ガス供給管148Aとガス供給管148Bとを連通するように調整されており、燃料電池120のカソードから送られてきたカソードオフガスは、ガス供給管148A及びガス供給管148Bを通じて反応器112に供給される。このように、燃料電池120からのカソードオフガスを、改質反応を行う反応器112に送ることで、カソードオフガスに含まれる水分を反応器112における水蒸気改質反応に再利用することができる。これにより、例えば、システム外から供給する水分の量を低減することができ、効率的なシステムを構成することができる。
また、通常運転時においては、冷却管154Aから冷却用エアが供給されており、冷却管154B及び154Cを通じて熱交換により燃料電池120内部を冷却するように構成されている。この際、三方バルブSV8及び三方バルブSV9は冷却管154Aと冷却管154Bと冷却管154Cとが連通するように調整されている。
また、反応器112において改質反応を行う場合には、空気供給管132Aからの空気供給は停止されており、バルブV1、バルブV2、バルブV9、バルブV10及びバルブV11は閉じられた状態とされる。また、温度センサ116により検出された反応器112内の温度が一定以下と判断された場合には、バルブV4、バルブV7及びバルブV8が閉じられ、また、バルブV2及びバルブV5が開かれると共に、三方バルブSV1、三方バルブSV3、三方バルブSV5、三方バルブSV6が反応器114側で水蒸気改質反応を行うように調整され、このような反応器112と反応器114とにおける改質・再生の反転が繰り返される。
次に、図5を用いて燃料電池システム100の起動時における第1の暖機運転(第1の暖機運転モード)について説明する。図5は、第1の暖機運転時におけるガスの流れを説明するための説明図である。第1の暖機運転は、燃料電池システム100の起動直後における初期段階の暖機運転であり、反応器112に暖機用燃料(ガソリン+空気)を供給することで完全酸化反応により反応器112を加熱し、更に、反応器112からの暖機オフガスを反応器114に供給することで、システム全体の効率的な暖機が図ることができる。尚、図5において、太線で示された排管は、第1の暖機運転モードにおいて使用される管を示し、白抜きで示された排管は、通常運転モードにおいて使用されていない管を示す。また、図5に示されるバルブV1〜V11のうち、白抜きで示されたバルブは開状態であることを意味し、黒塗りで示されたバルブは閉状態であることを意味する。
図5において、三方バルブSV1は燃料供給管130Aと燃料供給管130Bとが連結されるように調整されており、燃料供給管130Aに供給されたガソリンが燃料供給管130Bを通じて反応器112に供給される。また、空気供給管132Aと空気供給管132Bとが連通されるように三方バルブSV2は調整されており、空気供給管132Aに供給された空気が空気供給管132Bを通じて反応器112に供給される。この際、暖機用燃料中における空気の供給量は、〔(ガソリン中の水素量)×1/2+(ガソリン中の炭素量)×2〕/0.21で算出される量が好ましい。
燃料供給管130B及び空気供給管132Bからガソリン及び空気(暖機用燃料)を供給された反応器112内では、完全酸化反応が生じており、反応器112内の触媒が加熱される。反応器112内の完全酸化反応により生じた暖機オフガスは、給排管134Aから排出される。この際、三方バルブSV3は、給排管134Aと給排管134Bとが連通するように調整されており、給排管134A及び給排管134Bを通じて、暖機オフガスが反応器114に供給されるように構成される。このように、反応器112の暖機運転により発生した暖機ガスをもう一方の反応器である反応器114に供給することで、反応器114までもを効率的に昇温することができる。また、反応器112内の温度は温度センサ116を通じて制御部によりモニタリングされている。
反応器114の改質側に接続されている排出管142、燃料供給管130C及び空気供給管132Cにそれぞれ備えられたバルブV4〜V6、並びに、反応器114の再生側に接続されたアノード排管138Cに備えられたバルブV7は全て閉状態となっており、反応器114に供給された暖機オフガスは、熱交換により反応器114内を加熱しながら通過し、ガス供給管144Aから排出される。
ガス供給管144Aの一端と結合した三方バルブSV10は、ガス供給管144Aとガス供給管144Bとが連通するように調整されており、反応器114から排出された暖機オフガスは、ガス供給管144Bを通じて、燃料電池の各々の箇所に供給される。まず、三方バルブSV6はガス供給管144Bとカソード供給管146Bとが連通するように調整されており、反応器114から排出された暖機オフガスが、ガス供給管144Aとガス供給管144Bとカソード供給管146Bとを通じて燃料電池120のカソードに供給されるように構成されている。カソード供給された暖機オフガスは、熱交換によりカソードを加熱しながらカソード内を通過し、ガス供給管148Aから排出される。
また、ガス供給管144Bとガス供給管144Dとは連結していることから、ガス供給管144Aから送られてきた暖機オフガスの一部は、ガス供給管144Dに送られる。この際、三方バルブSV4は、ガス供給管144Dとアノード供給管136Bとが連通するように調整されていることから、暖機オフガスがガス供給管144Bからガス供給管144D及びアノード供給管136Bを通過して、燃料電池120のアノードに供給される。アノードに供給された暖機オフガスは、アノード内を熱交換により加熱しながら、アノード排管138Aに排出される。この際、三方バルブSV5はアノード排管138Aとアノード排管138Bとを連通するように調整され、また、三方バルブSV11はアノード排管138Bとガス供給管152Bとを連通するように調整されている。更に、バルブV9は開状態に制御されており、アノードから排出された暖機オフガスは、アノード排管138A、アノード排管138B、ガス供給管152B及びガス供給管156Bを通じて、ガス供給管148Aに合流する。
三方バルブSV7は、ガス供給管148Aと排出管150とが連通するように調整されており、燃料電池120のアノード及びカソードから排出された暖機オフガスは、ガス供給管148Aを通じて排出管150からシステム外に排気される。
一方、ガス供給管144Dとガス供給管144Eとは枝分かれ状に連結していることから、ガス供給管144Aから送られてきた暖機オフガスの一部は、ガス供給管144Eに送られる。この際、三方バルブSV8は、ガス供給管144Eと冷却管154Bとが連通するように調整されていることから、ガス供給管144Dからガス供給管144E及び三方バルブSV8を通過して、暖機オフガスが燃料電池120の通常運転時における冷却ラインである冷却管154Bに供給される。冷却管154Bに供給された暖機オフガスは、熱交換により外部から燃料電池120を加熱した後、三方バルブSV9を介して冷却管154Cからシステム外部に排出される。
このように、第1の暖機運転においては、反応器112の完全酸化反応により生じた暖機オフガスを、反応器114から燃料電池120の順に通過させることで、起動時直後における燃料電池システム100の暖機を速やかに効率良くおこなうことができる。また、第1の暖機運転モードは上述の流れに限定させることなく、暖機用燃料を供給を反応器112と反応器114との交互に入れ替えながらおこなってもよい。
次に、図6を用いて燃料電池システム100の起動時における第2の暖機運転(第2の暖機運転モード)について説明する。図6は、第2の暖機運転時におけるガスの流れを説明するための説明図である。第2の暖機運転は、燃料電池システム100の起動直後の第1の暖機運転において、ある程度システムが昇温した後の中期〜後期段階の暖機運転である。また、第2の暖機運転モードは、「〔(ガソリン中の水素量)×1/2+(ガソリン中の炭素量)×2〕/0.21>空気の供給量」を満たすようにガソリンと空気とを反応器112に供給することで、部分酸化反応により反応器112を加熱し、更に、反応器112からの暖機オフガスを反応器114に供給することで、システム全体の効率的な暖機を図りながら水蒸気改質が行われる通常運転モードへの移行を図るためのモードである。
本実施の形態において、第1の暖機運転モードから第2の暖機運転モードへの移行は、温度センサ116により検出した反応器112内の温度が一定値以上であると制御部170が判断した際に、バルブV10、三方バルブSV1及び三方バルブSV9を切替えることで行われる。
尚、図6において、太線で示された排管は、第2の暖機運転モードにおいて使用される管を示し、白抜きで示された排管は、通常運転モードにおいて使用されていない管を示す。また、図6に示されるバルブV1〜V11のうち、白抜きで示されたバルブは開状態であることを意味し、黒塗りで示されたバルブは閉状態であることを意味する。
第1の暖機運転モードから第2の暖機運転モードにシフトされると、まず、燃料供給管130A及び空気供給管132Bを通じて反応器112に供給されるガソリンと、空気供給管132Aと空気供給管132Bとを通じて空気供給管132Bを通じて反応器112に供給される空気との量が調整される。具体的には、反応器112内において部分酸化反応が行われるように暖機用燃料中に占める空気の割合が低下される。
次いで、燃料供給管130B及び空気供給管132Bからガソリン及び空気(暖機用燃料)を供給された反応器112内では、部分酸化反応が生じており、反応器112内の触媒が加熱される。この際、反応器112内の温度は温度センサ116を通じて制御部によりモニタリングされている。また、反応器112から排出される暖機オフガスには、部分酸化反応により生じた水蒸気と水素リッチガスとが含まれている。
反応器112から排出された暖機オフガスは、給排管134A及び給排管134Bを通じて、反応器114に供給される。このように、水素リッチガスを含む暖機オフガスを反応器114に供給すると、暖機オフガスの熱により反応器114が加熱されると共に、反応器114内で再生反応が行われ、更に効率的に反応器114及び暖機オフガスを昇温することができる。
尚、反応器114の改質側に接続されている排出管142、燃料供給管130C及び空気供給管132Cにそれぞれ備えられたバルブV4〜V6、並びに、反応器114の再生側に接続されたアノード排管138Cに備えられたバルブV7は全て閉状態となっており、反応器114内の暖機オフガスはガス供給管144Aから排出される。
反応器114から排出された暖機オフガスは、ガス供給管144Bを通じて、燃料電池の各々の箇所に供給される。まず、暖機オフガスは、ガス供給管144Aとガス供給管144Bとカソード供給管146Bとを通じて燃料電池120のカソードに供給されるように構成されている。カソード供給された暖機オフガスは、熱交換によりカソードを加熱しながらカソード内を通過し、ガス供給管148Aから排出される。
また、ガス供給管144Bとガス供給管144Dとは連通していることから、ガス供給管144Aから送られてきた暖機オフガスの一部は、ガス供給管144Dに送られる。ガス供給管144Bからガス供給管144Dに送られた暖機オフガスはアノード供給管136Bを通過して、暖機オフガスが燃料電池120のアノードに供給される。アノードに供給された暖機オフガスは、アノード内を熱交換により加熱しながら、アノード排管138Aに排出される。アノードから排出された暖機オフガスは、アノード排管138A、アノード排管138B、ガス供給管152B及び156Bを通じて、ガス供給管148Aに合流する。
ここで、第2の暖機運転モードにおいては、第1の暖機運転モードと異なり、三方バルブSV7は、ガス供給管148Aとガス供給管148Bとが連通するように調整される。これは、ガス循環によりシステム内の水分を有効利用するためであり、具体的には、反応器112及び反応器114における酸化反応で生成した水分が再び反応器112に供給にされるように三方バルブSV7が調整されている。このため、燃料電池120のアノード及びカソードから排出された暖機オフガスは、ガス供給管148A及びガス供給管148Bを通じて再び反応器112に供給される。
また、ガス供給管144Dとガス供給管144Eとは連通していることから、ガス供給管144Aから送られてきた暖機オフガスの一部は、ガス供給管144Eに送られる。暖機オフガスは、ガス供給管144Dからガス供給管144E及び三方バルブSV8を通過して、通常運転時における冷却ラインである冷却管154Bに供給され、熱交換により外部から燃料電池120を加熱する。第2の暖機運転モードにおいては、移行段階において三方バルブSV9が冷却管154B及びガス供給管156Aを連通するように調整されるとともに、バルブV10が開状態にされている。これにより、暖機オフガスに含まれる水素含有ガスや水分をガス供給管156A及びガス供給管156Bを通じてガス供給管148Aから反応器112に再び供給することができ、通常運転モードへの移行をスムーズに行うことが出来る。
このように、第2の暖機運転モードにおいては、反応器112の部分酸化反応により生じた暖機オフガスを、反応器114から燃料電池120の順に通過させることで、起動時直後における燃料電池システム100の暖機を速やかに効率良くおこなうと共に、部分酸化反応により生じた水素や水分を循環させることで、暖機運転モードから通常運転モードへの移行をスムーズに行うことが出来る。また、第2の暖機運転モードは上述の流れに限定されることなく、暖機用燃料の供給を反応器112と反応器114との交互に入れ替えながらおこなってもよい。
第2の暖機運転モードにおいては、反応器112の昇温と共に徐々に反応器112に供給される空気の割合を低下させることで、反応器112における水素リッチガス発生量を高めて燃料電池120のアノードに供給される水素リッチガスの量を増加させることができる。このように第2の暖機運転モードによれば、燃料電池120の発電量を増やし、更に係る発電量の増加に伴うカソードオフガス中の水蒸気量を増加させながら進行され、反応器112内の温度や水素発生量が一定値以上に達した場合に、各バルブを制御して第2の暖機運転モードから通常運転モードへとシフトすることができる。尚、燃料電池120を発電させる際には別途三方バルブSV6を解放し、燃料電池120のカソードに空気を供給するように構成してもよい。
暖機運転時における別の態様(第3の暖機運転モード)について図7を用いて説明する。図7は、第3の暖機運転時におけるガスの流れを説明するための説明図である。第3の暖機運転は、燃料電池システム100の起動直後における第1及び第2の暖機運転モードに転換可能なモードである。第3の暖機運転は、反応器112に暖機用燃料(ガソリン+空気)を供給することで完全若しくは部分酸化反応を生じさせ、係る酸化反応により反応器112を加熱し、更に、反応器112からの暖機オフガスを燃料電池120のアノードを通過させた後に反応器114に供給する態様である。第3の暖機運転モードによっても、システム全体の効率的な暖機を図ることができ、システム内の水素含有ガス及び水分を有効利用することで第3の暖機運転モードから通常運転モードへの移行をスムーズに行うことができる。
尚、図7において、太線で示された排管は、第1の暖機運転モードにおいて使用される管を示し、白抜きで示された排管は、通常運転モードにおいて使用されていない管を示す。また、図7に示されるバルブV1〜V11のうち、白抜きで示されたバルブは開状態であることを意味し、黒塗りで示されたバルブは閉状態であることを意味する。
図7において、三方バルブSV1は燃料供給管130Aと燃料供給管130Bとが連結されるように調整されており、燃料供給管130Aに供給されたガソリンが燃料供給管130Bを通じて反応器112に供給される。また、空気供給管132Aと空気供給管132Bとが連通されるように三方バルブSV2が調整されており、空気供給管132Aに供給された空気が空気供給管132Bを通じて反応器112に供給される。
燃料供給管130B及び空気供給管132Bからガソリン及び空気(暖機用燃料)を供給された反応器112内では、完全酸化反応が生じており、反応器112内の触媒が加熱される。反応器112内の完全酸化反応により生じた暖機オフガスは、給排管134Aから排出される。第3の運転モードにおいては、三方バルブSV3が給排管134Aとアノード供給管136Aとが連通するように調整されると共に、三方バルブSV4がアノード供給管136Aとアノード供給管136Bとが連通するように調整されている。反応器112から排出された暖機オフガスは、給排管134Aとアノード供給管136Aとアノード供給管136Bとを通じて燃料電池120のアノードに供給される。アノードに供給された暖機オフガスはアノードの加熱に寄与した後、アノード排管138Aから排出される。この際、三方バルブSV5が、アノード排管138Aとアノード排管138Cとが連通するように制御されており、また、バルブV7は開状態にされている。
燃料電池120のアノードから排出された暖機オフガスは、アノード排管138A及びアノード排管138Cを通じて反応器114に供給される。また、第3の暖機運転モードにおいては、補助燃料供給管140に備えられたバルブV8を開閉することで、補助燃料が反応器114に供給可能なように構成されている。
反応器114においては、反応器114に供給された暖機オフガスにより反応器114内が加熱されると共に、補助燃料供給管140から補助燃料が供給されるため、再生反応が同時に行われる。尚、反応器114の改質側に接続されている排出管142、燃料供給管130C及び空気供給管132Cにそれぞれ備えられたバルブV4〜V6は全て閉状態にされている。
第3の暖機運転モードにおいては、ガス供給管144Aの一端と結合した三方バルブSV10が、ガス供給管144Aとガス供給管144Cとが連通するように調整されると共に、三方バルブSV11が開状態に調整されており、反応器114から排出された暖機オフガス(再生オフガスを含む)が、ガス供給管144Cを通じてガス供給管148Aに供給されるように構成されている。ここで、第3モードにおいては、第2の暖機運転モードと同様に、三方バルブSV7が、ガス供給管148Aとガス供給管148Bとが連通するように調整されており、ガス循環によりシステム内の水分を有効利用するために反応器114から排出された暖機オフガスが、ガス供給管148A及びガス供給管148Bを通じて再び反応器112に供給されるように構成されている。
このように、第3の暖機運転モードにおいては、反応器112の酸化反応により生じた暖機オフガスを、燃料電池120から反応器114の順に通過させることで、起動時直後における燃料電池システム100の暖機を速やかに効率良くおこなうと共に、部分酸化反応により生じた水素や水分を循環させることで、暖機運転モードから通常運転モードへの移行をスムーズに行うことが出来る。
また、第3の暖機運転モードにおいては、反応器112及び反応器114内における酸化反応では水が生成されることから、システム中における水分量の増加と反応器112及び反応器114の昇温とに伴って反応器112に供給される空気の量を低減すると共にカソード供給管146Aから燃料電池120のカソードに空気を供給することで、反応器112において生成した水素リッチガスによって燃料電池120を発電させながら暖機運転を行うことも出来る。この際、カソードオフガスを、ガス供給管148Aを通じて反応器112に供給されるように構成してもよい。
このように、第3の暖機運転モードにおいては、燃料電池120の発電量を増やし、更に係る発電量の増加に伴うカソードオフガス中の水蒸気量を増加させながら第3の暖機運転モードを進行させることで、反応器112内の温度や水素発生量が一定値以上に達した場合に、各バルブを制御して第3の暖機運転モードから通常運転モードへと速やかにシフトすることができる。
次に、暖機運転モードから通常運転モードへの移行制御について図8を用いて説明する。図8は、暖機運転モードから通常運転モードへの移行制御を示す流れ図である。図8において、まずイグニッションスイッチ等のONにより、燃料電池システム100の運転が開始されると、制御部170は、燃料電池システム100を第1の暖機運転モードになるように各バルブV1〜11及び三方バルブSV11を調整する(ステップS100)。
次いで、制御部170は図示を省略するポンプにより反応器112にガソリンと空気とを供給(暖機用燃料を供給)し、反応器112において完全酸化反応を生じさせながら、暖機オフガスを反応器114及び燃料電池120の順に通過させ、システム全体の昇温を行う(ステップS101)。
制御部170は、第1の暖機運転中に、温度センサ116により反応器112内の温度T0をモニタリング(検出)しており(ステップS102)、検出された温度T0が閾値T1(例えば、200℃)以上であるか否かを判断する(ステップS103)。温度センサ116において検出された温度T0について制御部170が閾値T1未満であると判断した場合(ステップS103否定)には、第1の暖機運転を続行し、同様の処理が繰り返される。
制御部170が、温度センサ116において検出された温度T0が閾値T1以上であると判断した場合(ステップS103肯定)には、制御部170は、反応器112の空気供給量を低減させると共に、バルブV10、三方バルブSV1及び三方バルブSV9を切替え、燃料電池システム100を第1の暖機運転モードから第2の運転モードに移行させる(ステップS104)。
制御部170は、暖機用燃料を供給して反応器112において部分酸化反応を生じさせながら、暖機オフガスを反応器114及び燃料電池120の順に通過させて、システム全体の昇温を行う第2の暖機運転を進行させる(ステップS105)。この際、温度センサ116により反応器112内の温度T0を検出し(ステップS106)、制御部170は検出された温度T0に応じて、図示を省略するポンプを制御して徐々に反応器112に供給する空気量を低減させる(ステップS107)。次いで、制御部170は、燃料電池システム100を第2の暖機運転モードから通常運転モードへ移行させるために、検出された温度T0が閾値T2(例えば、350℃)以上であるか否かを判断する(ステップS108)。温度センサ116において検出された温度T0について制御部170が閾値T2未満であると判断した場合(ステップS108否定)には、第2の暖機運転を続行し、同様の処理が繰り返される。
制御部170が、温度センサ116において検出された温度T0が閾値T2以上であると判断した場合(ステップS108肯定)には、制御部170は、反応器112の空気供給を停止すると共に、バルブV1〜V11及び三方バルブSV1〜SV11を切替え、燃料電池システム100を第2の暖機運転モードから通常モードに移行させ(ステップS109)、暖機運転から通常運転への移行処理を終了させる。
図8においては、イグニッションスイッチをONした際に、第1の暖機運転モードから第2の暖機運転モードを通じて、通常運転モードに移行する制御について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、反応器112において生じた暖機オフガスを燃料電池のアノードに供給した後に、反応器114に供給する第3の暖機運転モードを、第1の暖機運転モード及び/又は第2の暖機運転モードに代えておこなうこともできる。
上述のように、本発明の燃料電池システム100は、第1〜3の暖機運転モードを行うことで、速やかで効率的な水素生成装置及びシステム全体の暖機を行うことができる共に、システム内の水分等を有効に利用することで、暖機運転から通常運転への切替えを速やかに行うことができる。
尚、以上においては、改質用原料としてガソリンを使用した場合を説明したが、ガソリン以外の他の炭化水素燃料を使用した場合も同様の構成とすることができる。
また、本実施の形態における水素生成装置110は、図9に示すように、熱容量の小さい空気供給管132B、空気供給管132C、燃料供給管130B及び燃料供給管130Cの構成部品を、構成部品を熱容量の大きい反応器112及び反応器112等の構成部品で囲むように構成することが望ましい。図9は、本発明における水素生成装置の概略断面図である。
図9に示すように、水素生成装置110は、これらの構成部品を、一部に感圧解放部191が設けられた円筒状の断熱材193で覆うように構成することができる。このように、冷えやすい熱容量の小さい構成部品を中心側に配置し、その周りを冷えにくい熱容量の大きな構成部品で囲むように配置することで、燃料電池システムの停止後から再起動までの燃料改質装置の温度低下を抑制することができるため、起動時における燃料電池システムの起動性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、水素生成装置110を構成するそれぞれの構成部品を図9に示すように同心円状に配置することで、放熱量の縮減により起動性や熱効率が向上できると共に、装置容積の減縮を図ることができ、水素生成装置110の搭載性を向上させることができる。更に、感圧解放部202の周辺に可燃性燃料の排管やガス検出手段を設けることで、可燃性燃料やガスの滞留による危険を早期に発見することができる。また、断熱材200に解放部及びガス検出手段を設けて、可燃性ガス漏洩誤検出確率の低下を図り、装置の稼働率を向上させるように構成してもよい。
図10〜図11を用いて本発明の燃料電池システムを構成する水素分離膜型燃料電池の他の具体例について説明する。なお、他の具体例についての詳細については特開2004−146337号公報の記載を参照することができる。
図10は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材212を含む5層構造の電解質膜202と、電解質膜202を狭持する酸素極(O2極)204および水素極(H2極)206とで構成され、金属拡散抑制層および反応抑制層を備えた水素分離膜型燃料電池200を示したものである。電解質膜202は、基材212の水素極(アノード)206側の面に該面側から順に緻密体の金属拡散抑制層214とパラジウム(Pd)層216とを備える。また、基材212の酸素極(カソード)204側の面に該面側から順に緻密体の反応抑制層(例えばプロトン伝導体や混合伝導体、絶縁体の層)210と、固体酸化物からなる薄膜の電解質層(例えばペロブスカイトの1つである金属酸化物SrCeO3膜など)208とを備えている。反応抑制層210は、電解質層208中の酸素原子と基材(V)212との反応を抑制する機能を担うものである。なお、酸素極204または水素極206と電解質膜202との間には上記同様に、各々エア流路180、燃料流路182が形成されている。金属拡散抑制層および反応抑制層の詳細については既述の通りである。
図11は、水素透過性金属を用いた緻密な水素透過膜を有する電解質膜302と、電解質膜302を狭持する酸素極(O2極)304および水素極(H2極)306とで構成された固体高分子型の水素分離膜型燃料電池300を示したものである。電解質膜302は、例えば、ナフィオン(登録商標)膜などの固体高分子膜からなる電解質層312の両側の面を、水素透過性の緻密な金属膜で挟んだ多層構造となっており、電解質層312の水素極(アノード)306側の面にパラジウム(Pd)層(緻密膜)314を備え、電解質膜312の酸素極(カソード)304側の面に該面側から順に、基材となるバナジウム−ニッケル合金(V−Ni)層(緻密膜)310とPd層(緻密膜)308とを備えている。なお、酸素極304または水素極306と電解質膜302との間には上記同様に、各々エア流路180、燃料流路182が形成されている。燃料電池120においてもまた、V−Ni層310とPd層308との間には金属拡散抑制層を設けることができ、V−Ni層310またはPd層314と電解質層312との間には反応抑制層を設けることができる。
図11に示す固体高分子型の燃料電池では、含水電解質膜を挟むようにして水素透過性金属を用いた水素透過膜が形成された構成とすることにより、高温での電解質膜の水分蒸発および膜抵抗増大の抑制が可能で、一般に低温型の固体高分子型燃料電池(PEFC)の作動温度を300〜600℃の温度域に向上させることができる。これにより、燃料電池から排出されたカソードオフガスを直接、改質反応させるPSR型改質器に供給する本発明の燃料電池システムの構成に好適である。
本発明の燃料電池システムの通常運転状態を説明するための概略図である。 反応器の構成を説明するための概略図である。 第1の実施の形態における燃料電池を説明するための断面図である。 バルブ制御を説明するための構成図である。 第1の暖機運転時におけるガスの流れを説明するための説明図である。 第2の暖機運転時におけるガスの流れを説明するための説明図である。 第3の暖機運転時におけるガスの流れを説明するための説明図である。 暖機運転モードから通常運転モードへの移行制御を示す流れ図である。 本発明における水素生成装置の概略断面図である。 本発明における燃料電池の他の例を説明するための断面図である。 本発明における燃料電池の他の例を説明するための断面図である。
符号の説明
100 燃料電池システム
110 水素生成装置
112 反応器
114 反応器
120 燃料電池
134A,134B 給排管
150 排出管
170 制御部
174 電解質膜
176 酸素極
178 水素極
186,188,216,308,314 パラジウム(Pd)層
190,208,312 電解質層
V1〜V11 バルブ
SV1〜SV11三方バルブ

Claims (8)

  1. 触媒を備え、改質用原料が供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料を改質反応させ、燃焼用燃料が供給されたときには前記燃焼用燃料の燃焼反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記燃焼反応とが切り替え可能な複数の改質反応器と、
    少なくとも一つの前記改質反応器から排出された流体を他の前記改質反応器に供給する供給手段と、
    前記改質反応器への燃焼用燃料の供給を制御し、且つ、少なくとも一つの前記改質反応器に燃焼用燃料を供給して暖機運転する際に、前記暖機運転中の前記改質反応器から排出された流体を前記供給手段によって他の前記改質反応器に供給する制御手段と、
    を備えた水素生成装置。
  2. 前記制御手段が、前記燃焼用燃料の完全酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうようにした請求項1に記載の水素生成装置。
  3. 前記制御手段が、前記燃焼用燃料の部分酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうようにした請求項1に記載の水素生成装置。
  4. 触媒を備え、改質用原料が供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料を改質反応させ、燃焼用燃料が供給されたときには前記燃焼用燃料の燃焼反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記燃焼反応とが切り替え可能な複数の改質反応器と、
    少なくとも一つの前記改質反応器から排出された流体を他の前記改質反応器に供給する供給手段と、
    前記改質反応器への燃焼用燃料の供給を制御し、且つ、少なくとも一つの前記改質反応器に燃焼用燃料を供給して暖機運転する際に、前記暖機運転中の前記改質反応器から排出された流体を前記供給手段によって他の前記改質反応器に供給する制御手段と、
    前記改質反応器で改質生成された水素含有ガスの供給により発電する燃料電池と、
    を備えた燃料電池システム。
  5. 前記制御手段が、前記燃焼用燃料の完全酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうようにした請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段が、前記燃焼用燃料の部分酸化反応によって前記改質反応器の暖機運転をおこなうようにした請求項4に記載の燃料電池システム。
  7. 前記暖機運転中の前記改質反応器から排出された気体を前記燃料電池のアノードを通過させた後、前記他の改質反応器に供給するようにした請求項4〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池は、水素透過性金属層と、前記水素透過性金属層の少なくとも片側に配置された電解質層と、を備えた請求項4〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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JP2017004979A (ja) * 2007-01-22 2017-01-05 エルジー フューエル セル システムズ インクLg Fuel Cell Systems Inc. 多段燃焼器及び燃料電池システムを始動するための方法

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