JP2006331806A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】反応切り替え時における燃料電池の負荷を抑制し、連続して電力を供給することのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】改質反応と発熱反応とが切り替え可能な反応器112及び114と、前記反応器へ供給される流体の流路、及び、前記改質反応器から排出される流体の流路を切り替えるための三方バルブSV1〜SV7と、を備えた水素生成装置110と、前記水素生成装置から供給された水素含有ガスによって発電する燃料電池120と、前記反応器の一方の反応器で改質反応が行われると共に他方の反応器で発熱反応がおこなわれ、且つ、各反応器の改質反応と発熱反応とが交互に行われるように三方バルブSV1〜SV7を切り替え、更に、前記改質反応及び前記発熱反応の切替に連動して燃料電池120への要求電力を低下させる制御手段170と、を備えた燃料電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒を用いた燃料改質反応と触媒を加熱再生する再生反応とを切り替えて行なう改質反応器と燃料電池とを備えた燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池自動車は、車両駆動用の電源として燃料電池を搭載すると共に、燃料電池を発電運転させるための燃料である水素又は水素生成用の原燃料を搭載している。
水素自体を搭載する場合、水素ガスを圧縮して高圧ボンベに若しくは液化してタンクに充填し、又は水素吸蔵合金や水素吸着材料を用いて搭載する。しかし、高圧充填による場合は、容器壁厚が厚く大きいわりに内容積に制限があり水素充填量が少ない。また、液体水素とする液化充填による場合には、気化ロスが避けられないほか液化に多大なエネルギーを要する。更に、水素吸蔵合金や水素吸着材料では電気自動車等に必要とされる水素貯蔵密度が不充分であり、水素の吸蔵/吸着等の制御も困難である。
また、原燃料を搭載する場合、燃料を水蒸気改質して水素を得る方法などがある。しかし、改質反応は吸熱的であるために別途熱源が必要であるため、熱源に電気ヒータ等を用いたシステムでは全体のエネルギー効率の向上は図れない。更に、さまざまな環境条件下で安定的に水素量を確保できる点も不可避である。
水素の供給方法については、未だ技術的に確立されていないのが実状であるが、将来的に各種装置における水素利用の増加が予測されることを踏まえると、水素の供給方法の確立が急務とされている。
上記に関連する技術として、触媒を用いて、吸熱反応である燃料の改質反応と、改質反応で低下した触媒温度を再生する発熱反応(再生反応)と、を切り替えて繰り返し行なう改質装置を有する燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、高温域で発電運転を行なう燃料電池の例として、水素透過性材料を用いた燃料電池が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。上記以外にも、改質装置を有する燃料電池システムに関連する技術が種々開示されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
米国特許2004−175326号明細書 特開2004−146337号公報 米国特許2004−170558号明細書 米国特許2004−170559号明細書 米国特許2003−235529号明細書
上述のような燃料電池システムを用いる場合、一対の反応器を用いて交互に改質反応と発熱反応とを行い、水素ガスを連続的に供給することが行われている。しかし、このようなシステムでは、反応器の改質/発熱反応を切り替える際に、燃料電池への水素含有ガスの供給量が減少してしまう。このように水素含有ガスの供給量が減少している間に一定電流で燃料電池を発電させると、燃料電池の発電効率が低下する場合がある。また、燃料電池への要求電力に対して水素含有ガスの供給量が少なすぎると、燃料電池が過負荷となり、故障の原因となる恐れもある。
以上のように、改質反応と再生反応(発熱反応)とを切り替えて水素ガスを改質生成する改質装置を用いた燃料電池システムについて提案されているものの、反応切り替え時における上述の諸問題を解決する技術については未だ提案されていないのが現状である。
本発明は、反応切り替え時における燃料電池の負荷を最小限に抑えながら、連続的に電力を供給することのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、吸熱反応である改質用原料と改質用ガスとの水蒸気改質反応と、水蒸気改質反応により低下した触媒温度を回復させ触媒上での改質反応性を再生するための発熱用原料と発熱用ガスとの発熱反応(以下、「再生反応」ともいう。)と、を切り替えて繰り返す水素生成装置及びこれを用いた燃料電池に関するものである。尚、前記発熱反応には、燃焼反応等が含まれる。
前記目的を達成するために、第1の発明である燃料電池システムは、触媒を備え、改質用原料及び改質用ガスが供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料及び前記改質用ガスの改質反応によって水素含有ガスを生成し、発熱用原料及び発熱用ガスが供給されたときには前記発熱用原料及び前記発熱用ガスの発熱反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記発熱反応とが切り替え可能な少なくとも一対の改質反応器と、前記改質反応器へ供給される流体の流路、及び、前記改質反応器から排出される流体の流路を切り替えるための切替手段と、を備えた水素生成装置と、前記水素生成装置から供給された水素含有ガスによって発電する燃料電池と、前記水素生成装置の一対の改質反応器の一方の前記改質反応器で改質反応が行われると共に他方の前記改質反応器で発熱反応がおこなわれ、且つ、前記改質反応器の改質反応と発熱反応とが交互に行われるように前記切替手段を切り替え、更に、前記改質反応及び前記発熱反応の切替に連動して前記燃料電池への要求電力を低下させる制御手段と、を備えたものである。
ここで、本発明における「改質反応」には、下記の吸熱反応である「水蒸気改質反応」の他に発熱反応である「部分酸化反応」が含まれる場合がある。
n2n+2+nH2O → (2n+1)H2+nCO …(1)
n2n+2+(n/2)O2 → (n+1)H2+nCO …(2)
CO+H2O ⇔ CO2+H2 …(3)
CO+3H2 ⇔ CH4+H2O …(4)
本発明における改質反応においては、主に上記(1)の水蒸気改質反応が主としておこなわれる。
本発明において、前記改質用原料としては、水蒸気改質などの改質反応により水素及び一酸化炭素の合成ガス(特に水素)を得るための燃料として一般に用いられる炭化水素燃料(例えばメタンガス、ガソリンなど)の中から適宜選択して用いることができる。前記改質用ガスとしては、水蒸気改質に必要な水分を含む水蒸気等を用いることができる。
また、前記発熱用原料としては、一般に用いられる炭化水素燃料(例えばメタンガス、ガソリンなど)などの中から適宜選択して用いることができ、同様に前記発熱用ガスとしては、空気等を用いることができる。
また、前記改質用ガスとしては、例えば、燃料電池のカソード(空気極;以下同様)から排出され、水分を含有するガス(以下、「カソードオフガス」ということがある。)を用いることができる。更に、前記発熱用原料としては、アノード(水素極;以下同様)から排出される水素を含むガス(以下、「アノードオフガス」ということがある。)を用いてもよい。
また、本発明の燃料電池システムは、蓄熱を利用した燃料の改質反応と改質反応で低下した蓄熱量を回復させる発熱反応とを切り替えて行なうことができる改質反応器(以下、「PSR(Pressure swing reforming)型改質器」ともいう。)を一対備えることで、少なくとも1基が燃料の改質反応を行なうと共に、他の少なくとも1基において再生反応を行なわせるように構成することができる(以下、この水素生成装置を「PSR改質装置」ということがある。)。
このため、第1の本発明によれば、前記制御手段が、一対の改質反応器の一方の前記改質反応器で改質反応が行われると共に他方の前記改質反応器で発熱反応がおこなわれ、且つ、前記改質反応器の改質反応と発熱反応とが交互に行われるように前記切替手段を切り替える。
例えば、改質反応器が2基である場合、一方を器内の蓄熱を利用して吸熱反応である改質反応させると共に、他方では発熱反応である再生反応が行われる。また、前記一方の蓄熱量が改質反応の進行により低下したときには、2基の改質反応器への改質用原料の流路及び発熱用原料の流路を切り替える切替手段によって、発熱反応に切り替えると共に、前記他方では発熱反応により蓄熱された熱で燃料改質を行なうように発熱反応から改質反応へ切り替える。これにより、別途の加熱器等が不要になり、熱エネルギーの利用効率の高い連続的な水素生成が可能である。
また、第1の本発明によれば、前記制御手段は、前記改質反応及び前記発熱反応の切替に連動して前記燃料電池の要求電力を低下させる。このため、改質/発熱反応切り替え時において、要求電力に従った発電量に必要な水素含有ガス量よりも供給される水素含有ガス量が少なくなって燃料電池が過負荷状態になるのを抑制することができる。これにより、燃料電池の損傷や発電効率の低下を防止することができる。ここで、「要求電力」とは、制御部から燃料電池に対して要求される発電量を意味する。また、「改質反応及び発熱反応の切替に連動して燃料電池の要求電力を低下させる」とは、改質反応及び発熱反応の切替制御に連動して、要求電力を低下させることを意味する。この際、要求電力の低下は、改質/発熱反応の切替時や切替制御前の要求電力を基準として、係る要求電力よりも低下させるように制御してもよいし、他に閾値などを設定し、閾値よりも低くなるように要求電力を低下させるように制御してもよい。
第1の本発明の燃料電池システムはこれらの作用によって、反応切り替え時における燃料電池の負荷を低減させることができ、連続的に電力の供給を行うことができる。
さらに、本発明の燃料電池システムにおいては、前記燃料電池として、水素透過性金属層と、前記水素透過性金属層の少なくとも片側に配置された電解質層と、を備えたものを用いることができる。
前記水素透過性金属層と電解質層とを備えた燃料電池は、作動温度域が300〜600℃である。この温度域は水蒸気改質反応が進行する反応温度域とほぼ同じであるため、水蒸気改質生成された水素含有ガスが燃料電池の運転温度域で供給されるという利点を有すると共に、アノードオフガスをそのままPSR型改質器に戻して発熱反応に利用することができる。これにより、システム構成上及び熱エネルギーの有効利用の点で特に適している。
本発明によれば、反応切り替え時における燃料電池の負荷を抑えながら連続的に電力を供給することのできる燃料電池システムを提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下、図を用いて、本発明の燃料電池システムの実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明の水素生成装置の詳細についても具体的に説明する。
本実施の形態においては、水素透過性の金属膜の表面にプロトン伝導性のセラミックスが積層されたものを電解質膜(電池膜)として用いた水素分離膜型燃料電池(HMFC)が搭載された燃料電池自動車に本発明の水素生成装置を搭載し、この水素生成装置で改質生成された水素で水素分離膜型燃料電池を発電運転させるように構成した燃料電池システムに関するものである。
本実施の形態においては、水蒸気改質反応により改質する改質用原料としてガソリンが、改質用ガスとして水分を含むカソードオフガスが、再生反応時に燃焼させる発熱用原料として燃料電池の水素極側から排出されたアノードオフガスが、また、発熱用ガスとして空気が用いられる。但し、本発明は係る態様に限定されるものではない。
まず、図1を用いて本発明の燃料電池システムの基本的構成について説明する。図1は、第1の実施の形態の燃料電池システムの構成を示す概略図である。図1において、本発明の燃料電池システム100は、反応器112(PSR1)及び反応器114(PSR2)を備えた水素生成装置110と、水素分離膜型の燃料電池120(HMFC)と、制御部(CPU)170とを備え、水素生成装置110で改質生成された水素を燃料電池120に供給することで発電運転を行なうように構成される。
図1に示す反応器112及び反応器114には、各々触媒及び噴射装置が設けられており、改質反応と発熱反応とを切り替えて行うことが可能なように構成されている。改質反応と発熱反応との切替は、ガソリン(改質用原料)及びカソードオフガス(改質用ガス)の供給流路、アノードオフガス(発熱用原料)及び燃焼用空気(発熱用ガス)の供給流路、及び、改質生成された水素含有ガスの排出流路、並びに、再生反応させた反応器から排出される再生オフガスの流路を複数のバルブ(バルブV1〜V8及び三方バルブSV1〜SV7)を制御することで行なえるように構成されている。ここで、バルブV1〜V8は、その開閉によりガスの通過及び遮断が切り替えられるバルブである。また、三方バルブSV1〜SV7には3つの管が連結されており、バルブの駆動により、3つの管のうち任意の2つの管を連通させるバルブである。各バルブ、ポンプおよび燃料電池120は、制御部170によってその駆動が制御されている。
本発明の燃料電池システム100は、一方の反応器において水蒸気改質反応を行うとともに、他方の反応器において再生反応を行うように構成されている。また、水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、水蒸気改質反応を行っている反応器の温度をモニタリングし、反応器内の温度が一定温度よりも低下した場合には、2つの反応器に供給される燃料を切り替えて、それぞれの改質・再生反応を反転させる。即ち、改質反応を行っていた反応器においては、改質用原料及び改質用ガスに替えて発熱用原料及び発熱用ガスを供給して、改質反応を発熱反応に切り替え、また、発熱反応を行っていた反応器においては発熱用原料及び発熱用ガスに替えて改質用原料及び改質用ガスを供給することで、発熱反応から改質反応にシフトさせる。この際、改質用原料及び改質用ガスと発熱用原料及び発熱用ガスとの供給は、反応器内の温度勾配を考慮し、それぞれ対向する側から行われるように構成されている。
本実施の形態においては、各バルブ・ポンプ及び燃料電池120は、制御部170と電機的に連結されており、各々の駆動が制御されている。
尚、本発明の燃料電池システム100の運転時においては、各反応器の改質・再生反応の切り替えが繰り返しおこなわれるが、本実施の形態においては便宜上、反応器112において改質反応を行い、また、反応器114において再生反応を行う場合について説明する。
本発明の燃料電池システムの基本構造について説明する。図1に示すように反応器112及び反応器114の一方の側(以下、「改質側」ということがある。)には、燃料供給管130Aと三方バルブSV1を介して連結される燃料供給管130B及び燃料供給管130Cがそれぞれ連結されており、これらを通して改質用原料が供給されるように構成されている。燃料供給管130AにはポンプP1が備えられており、ポンプP1の駆動により、改質用原料であるガソリンが反応器112に供給される。また、燃料供給管130B及び130CにはそれぞれバルブV1及びV5が備えられている。更に、反応器112及び反応器114には、それぞれに各反応器内の温度を検出するための温度センサ116と温度センサ118とが備えられている。
反応器112及び反応器114の他方の側(以下、「再生側」ということがある。)には、それぞれ水素含有ガス排出管134Aの一端と水素含有ガス排出管134Bの一端とが連結されており、これら水素含有ガス排出管134A及び水素含有ガス排出管134Bの他端はそれぞれ三方バルブSV2に連結されている。また、三方バルブSV2には、更にアノード供給管136の一端が接続されており、バルブの切り替えによってアノード供給管136と水素含有ガス排出管134A及び134Bのどちらかとを連通できるように構成されている。
アノード供給管136の他端は燃料電池120のアノードと連結されており、係る管を介して水素含有ガスがアノードに供給される。燃料電池120のアノードには、その入口側にアノード供給管136の他端が連結されると共に、出口側にはアノード排管138Aの一端が連結されている。燃料電池120のアノードに供給されたガスは、すべてこのアノード排管138Aを介して排出される。アノード排管138Aの他端には三方バルブSV3が連結されており、三方バルブSV3の切り替えによってアノード排管138B及びアノード排管138Cのいずれかと連通されるように構成されている。
アノード排管138Cは他端で反応器114の再生側に連結されており、燃料電池120から排出されるアノードオフガス等を供給できるように構成されている。また、アノード排管138Cには、燃焼エアー供給管140Bと連結した混合器139が備えられている。燃焼エアー供給管140Bの他端には三方バルブSV7が連結され、三方バルブSV7を介してポンプP2を備えた燃焼エアー供給管140Aと連結される。更に、三方バルブSV7には混合器141と他端で連結する燃焼エアー供給管140Cが連結されており、弁の駆動で燃焼エアー供給管140Aと、燃焼エアー供給管140B及び140Cのいずれかとを連通できるように構成されている。三方バルブSV7は、燃焼エアー供給管140B及び140Cのいずれかのうち、再生反応を行う反応器と連通する供給管と燃焼エアー供給管140Aとを連結させるように制御される。
反応器114で発熱反応を行う場合、アノードオフガスは、混合器139において、燃焼エアー供給管140Aに備えられたポンプP2の駆動及び燃焼エアー供給管140Bに備えられたバルブV2の開閉によって供給される燃焼エアーと混合されて、反応器114へと供給されるように構成されている。また、アノード排管138CにはバルブV3が備えられている。
反応器114の改質側には、排出管142Aが接続されており、三方バルブSV4及び排出管142Bを介して酸化反応後のガスをシステム外に排出することができる。また、反応器114の改質側に連結される排出管142A、燃料供給管130Cには、それぞれバルブV4及びV5が備えられている。
排出管142Aは、三方バルブSV4を介して、排出管142B又は142Cと連通できるように構成されている。また、排出管142Cの他端は三方バルブSV5に連結されている。
アノード排管138BにはバルブV6及び混合器141が備えられており、更にその他端において反応器112の再生側と連結されている。反応器112で再生反応を行う場合には、燃料電池120からアノード排管138Bを介して排出されるアノードオフガスが、混合器141にて燃焼エアーと混合され、その後反応器112に供給される。この際、三方バルブSV7は、燃焼エアー供給管140A及び140Cを連通させるように制御される。また、燃焼エアー供給管140CにはバルブV8が備えられている。
燃料電池120のカソード(酸素極;以下同様)の入口側には、ポンプP3を備えたカソード供給管144の一端が連結されており、カソード供給管144から供給される空気等をカソードに供給可能なように構成されている。また、燃料電池120のカソードの出口側には、ガス供給管146Aの一端が連結されており、カソードオフガスを排出できるようになっている。
ガス供給管146Aの他端には三方バルブSV5が備えられており、三方バルブSV5を介して、ガス供給管146Bと連通されている。また、三方バルブSV5には、排出管142Cの他端が連結されており、排出管142C及びガス供給管146Bのいずれかと連通可能なように構成されている。
ガス供給管146Bの他端には三方バルブSV6が連結されており、三方バルブSV6には更にバルブV7を備えたガス供給管146C及び排出管148の一端が連結されている。ガス供給管146Cの他端は、反応器112の改質側に連結されており、H2Oを含むカソードオフガスを反応器112に挿通できるように構成されている。また、排出管148は、三方バルブSV6の切り替えによりガス供給管146Bから供給されるガスをシステム外に排出するために用いられる。
また、燃料電池120の内部には、大気中から吸気した冷却用エア(Cooling Air)を挿通させるための冷却管150が設けられており、熱交換により電池内部を冷却できるように構成されている。
また、制御部(CPU)170は、反応器112及び反応器114で交互に改質/発熱反応が行われるように、センサ116及びセンサ118によってモニタリングした温度に基づいて各ポンプ、三方バルブ及びバルブを切り替える。また、制御部170は、改質/発熱反応を切り替える際に燃料電池120の要求電力を低下させる。
次に反応器112及び反応器114について、反応器112を例にその構成を説明する。図2は、反応器の構成を説明するための概略図である。反応器112は、図2に示すように、両端が閉塞された断面円形の筒状体160と、筒状体160の内壁面に担持された触媒(触媒担持部)162とで構成されており、筒状体160は反応を行なうための空間を形成すると共に、触媒担持体として機能を担っている。
筒状体160は、セラミックスハニカムを用いて直径10cmの断面円形の筒型に成形し、筒の長さ方向の両端を閉塞した中空体である。断面形状やサイズは、目的等に応じて、円形以外の矩形、楕円形などの任意の形状、サイズを選択することができる。
触媒162は、筒状体内壁の曲面のうち、筒状体の長さ方向両端から筒内方向に向かう筒の中央付近、すなわち長さ方向の両端からそれぞれ所定距離Aの領域を、触媒を担持しない触媒非担持部として残し、触媒非担持部を除く全面に担持されている。触媒162には、Pd、Ni、Pt、Rh、Ag、Ce、Cu、La、Mo、Mg、Sn、Ti、Y、Zn等の金属を用いることができる。
触媒162により改質反応を行った場合、改質生成された水素含有ガスは該ガスの排出方向下流側の触媒非担持部で冷却され、水素含有ガスを燃料電池120の運転温度に近づけて供給できる。また、逆に改質反応から再生反応に切り替えられた場合には、触媒非担持部は水素含有ガスとの熱交換により昇温した状態にあり、水素含有ガスの排出方向とは逆向きに供給された発熱用原料は触媒非担持部で予熱された後触媒162に供給されるようになっている。これにより、触媒162が担持された筒状体160の中央付近ほど、蓄熱量が高くなる温度分布が形成され、係る温度分布は反応性の点で有利である。なお、筒状体160には、触媒の温度を計測するための温度センサ116が取付けられている。
筒状体160の改質側の壁面には、燃料供給管130Bとガス供給管146Cとが接続されており、燃料供給管130Bの先端部には噴射装置164が備えられている。また、筒状体160の再生側の壁面には、水素含有ガス排出管134Aとアノード排管138Bとが接続されている。
噴射装置164は、通常運転時に反応器112にて水蒸気改質反応を行う場合にはガソリン(改質用原料)を広角に噴射しカソードオフガス中に含まれる水分と共に筒状体160に内装された触媒162上への供給、反応を行なうことができるようになっている。この場合、水蒸気改質反応によって生成した水素含有ガスは、水素含有ガス排出管134Aから排気され、燃料電池120に供給される。
また、改質反応から切り替えて反応器112にて再生反応を行う場合には、アノードオフガス(及び必要によりガソリンや水素含有ガス等)を供給することにより、筒状体160に内装された触媒162上へのアノードオフガスを供給し、酸化反応を行なうことができる。
次に、燃料電池120について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態における燃料電池を説明するための断面図である。水素分離膜型の燃料電池(HMFC)120は、図3に示すように、水素透過性金属を用いた緻密な水素透過膜を有する電池膜174と、電池膜174を狭持する酸素極(O2極)176及び水素極(H2極)178とで構成されており、水素生成装置110で改質生成された水素含有ガスが供給されると水素を選択的に透過させて発電運転が行なえるようになっている。
酸素極176と電池膜174との間には、酸化剤ガスとして空気(Air)を通過、すなわち給排するためのエア流路180が形成されており、水素極178と電池膜174との間には、水素リッチな燃料ガス(ここでは、改質生成された水素含有ガス)を通過、すなわち給排するための燃料流路182が形成されている。酸素極176及び水素極178は、カーボン(例えば、白金又は白金と他の金属とからなる合金を担持したカーボン粉)や電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社製のNafion Solution)など種々の材料を用いて形成可能である。
電池膜174は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材(水素透過性金属からなる緻密な水素透過膜)184を含む4層構造となっている。パラジウム(Pd)層(水素透過性材料からなる緻密な水素透過膜)186,188は、基材184を両側から挟むようにして配置されており、一方のPd層186の基材184と接する側と逆側の面には、更にBaCeO3(固体酸化物)からなる電解質層190が薄膜状に設けられている。
基材184は、バナジウム(V)以外に、ニオブ、タンタル、及びこれらの少なくとも一種を含む合金を用いて好適に形成することができる。これらは、高い水素透過性を有すると共に、比較的安価であるためコスト面で有利である。
電解質層(BaCeO3膜)190は、BaCeO3以外にSrCeO3系のセラミックスプロトン伝導体などを用いて構成することができる。
前記水素透過性金属には、パラジウム以外に、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタル及びこれらの少なくとも一種を含む合金、並びにパラジウム合金などが挙げられる。これらを用いた緻密膜を設けることで電解質層を保護できる。
前記水素透過性金属からなる緻密膜(被膜)については、酸素極176側では、一般に水素透過性が高く比較的安価である点で、例えば、バナジウム(バナジウム単体及び、バナジウム−ニッケル等の合金を含む。)、ニオブ、タンタル及びこれらの少なくとも一種を含む合金のいずれかを用いるのが好ましい。これらは水素極側での適用も可能であるが、水素脆化を回避する点で酸素極176側に用いることが望ましい。また、水素極178側では、水素透過性が比較的高く水素脆化しにくい点で、例えば、パラジウム又はパラジウム合金を用いるのが好ましい。
図3に示すように、Pd層186/基材184/Pd層188の3層からなるサンドウィッチ構造膜、すなわち異種金属(水素透過性材料からなる緻密膜)からなる2層以上の積層構造を有してなる場合、異種金属の接触界面の少なくとも一部に該異種金属同士の拡散を抑制する金属拡散抑制層を設けるようにしてもよい(例えば、後述の図9及び図10参照)。また、金属拡散抑制層については、特開2004−146337号公報の段落番号[0015]〜[0016]に記載されている。
上述のサンドウィッチ構造膜の層構成としては、パラジウム(Pd)/バナジウム(V)/Pdで構成する以外に、Pd/タンタル(Ta)/V/Ta/Pd等の5層構造などにすることも可能である。既述のように、VはPdよりプロトン又は水素原子の透過速度が速く安価であるが、水素分子をプロトン等に解離する能力が低い。このため、水素分子をプロトン化する能力の高いPd膜をV膜の片側又は両側の面に設けることで、水素透過性能を向上させることができる。この場合に、金属膜間に金属拡散抑制層を設けることで、異種金属同士の相互拡散を抑え、水素透過性能の低下、ひいては燃料電池の起電力の低下を抑制することができる。
また、電解質層190は固体酸化物からなり、Pd層186との界面の一部に、電解質層190中の酸素原子とPdとの反応を抑制する反応抑制層を設けてもよい(例えば後述の図10の反応抑制層210)。この反応抑制層については、特開2004−146337号公報の段落[0024]〜[0025]に記載されている。
電池膜174は、緻密な水素透過性材料であるバナジウム基材と燃料電池120のカソード側に成膜された無機質の電解質層とで構成することで電池膜の薄膜化が可能となり、これを一般に用いられる高温型の固体酸化物型燃料電池(SOFC)に適用すると、作動温度を300〜600℃の温度域に低温化することができる。これにより、燃料電池から排出されたカソードオフガスを直接、改質反応させるPSR型改質器に供給する本発明の燃料電池システムを好適に構成することが可能である。
水素分離膜型の燃料電池120は、燃料流路182に水素(H2)密度の高い水素含有ガスが供給され、エア流路180に酸素(O2)を含む空気が供給されると、下記式(1)〜(3)で表される電気化学反応(電池反応)を起こして外部に電力を供給する。なお、式(1) 、式(2)は各々アノード側、カソード側での反応を示し、式(3)は燃料電池での全反応である。
2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
2+(1/2)O2 → H2O …(3)
また、燃料電池120は、制御部170から指示される要求電力に従って、その発電量が決定される。
図4を用いて、各装置の制御の切り替えについて説明する。図4は、各装置の制御の切り替えを説明するための構成図である。図4に示すように、バルブV1〜V8、三方バルブSV1〜SV7は、ポンプP1〜P3、及び燃料電池120は、制御部(CPU)170に接続されており、その開閉及び切り替え並びに発電量が制御部170によって制御されている。また、制御部170は温度センサ116及び温度センサ118に接続されており、反応器112及び反応器114内の温度をモニタリングすることができる。制御部170は、反応器112及び反応器114内の温度に従ってバルブ及びポンプを制御し、各反応器の改質反応から再生反応(発熱反応)へとシフトすることができる。更に、制御部170は、ポンプP1〜P3を制御することにより、ガソリン(改質用原料)、カソードガス、燃焼エアー(発熱用ガス)の供給量を制御することができる。これと共に、制御部170は、燃料電池120に対して要求電力を指示し、燃料電池120の発電量を制御することができる。更に、制御部170は要求電力の変更処理に必要な各値がマッピングされたテーブル172を参照可能なように構成されており、反応切り替え時に、テーブル172を参照して燃料電池への要求電力を低下させる。テーブル172には、後述する図7に示すような内部マップが格納されている。
次に本実施の形態における燃料電池システム100のガスの流れ及びその制御について図1を用いて説明する。図1において、太線で示された排管は、反応器112において改質反応を行い、反応器114において再生反応(発熱反応)を行う場合において使用される管を示し、白抜きで示された排管は、かかる場合に使用されていない管を示す。また、図1に示されるバルブV1〜V8のうち、白抜きで示されたバルブは開状態であることを意味し、黒塗りで示されたバルブは閉状態であることを意味する。
図1においては、まずポンプP1の駆動によりガソリンが燃料供給管130Aから供給されると、三方バルブSV1によって燃料供給管130Aと連通された130Bを通じて、反応器112へと供給される。ここで、本実施の形態においては、改質反応に用いられる水分を燃料電池120からのカソードオフガスにより供給する循環型の形態としたが、必要に応じてシステム外からガソリンと共に又はガソリンと別に水分をシステム内に供給できるように構成することができる。
ガソリンとカソードオフガスに含まれる水分とが供給された反応器112内では水蒸気改質反応により水素が発生し、水素含有ガスが水素含有ガス排出管134Aに排出される。この際、三方バルブSV2は水素含有ガス排出管134Aとアノード供給管136とが連通するように調整されている。反応器112から排出された水素含有ガスは、水素含有ガス排出管134A及びアノード供給管136を介して燃料電池120のアノードに供給され、燃料電池120の発電に使用される。
燃料電池120のアノードにおいてプロトン化しなかった余剰水素を含むアノードオフガスは、アノード排管138Aから排出される。この際、三方バルブSV3は、アノード排管138Aとアノード排管138Cとが連通するように調整されており、アノード排管138Aに排出されたアノードオフガスが、アノード排管138Cに送られるように構成されている。アノード排管138Cに送られたアノードオフガスは、これを通じてまず混合器139に供給される。
この際、三方バルブSV7は、燃焼エアー供給管140A及び140Bとが連通されるように制御されている。混合器139に供給されたアノードオフガスは、燃焼エアー供給管140A及び140Bを通じて供給される燃焼エアーと混合された後、反応器114に供給される。この際、バルブV3は開状態となるように制御されている。また、本発明においては、別途補助燃料用の配管を設け、アノードオフガスと共に再生反応を補助するガソリン等の補助燃焼を供給可能なように構成してもよい。
反応器114に供給されたアノードオフガスは、再生反応による発熱に用いられ、その後排出管142A及び142Bを介してシステム外に排出される。この際、排出管142に設けられたバルブV4は開状態になるように制御されると共に、燃料供給管130Cに備えられたバルブV5は閉状態になるように制御されている。
一方、燃料電池120のカソード側では、ポンプP3の駆動によりカソード供給管144を通じて、酸化剤となる空気が燃料電池120のカソードに供給される。カソードに供給された空気中の酸素は、電解質膜(電池膜)を通じてきたプロトンと、図を省略する外部回路を通じてきた電子と反応し、水を生成する。この水を含んだカソードオフガスは、ガス供給管146Aに排出される。
三方バルブSV5及びSV6は、ガス供給管146Aとガス供給管146Bとガス供給管146Cとが連通するように制御されており、燃料電池120のカソードから送られてきたカソードオフガスは、ガス供給管146A〜146Cを通じて反応器112に供給される。このように、燃料電池120からのカソードオフガスを、改質反応を行う反応器112に送ることで、カソードオフガスに含まれる水分を反応器112における水蒸気改質反応に利用することができる。これにより、例えば、システム外から供給する水分の量を低減することができ、効率的なシステムを構成することができる。
また、通常運転時においては、冷却管150に冷却用エアが供給されており、冷却管150を通じて熱交換により燃料電池120内部を冷却するように構成されている。
反応器112で改質反応を行う場合には、以上のようにして水素生成装置110において生成した水素含有ガスが燃料タンク120を介して燃料電池120に供給される。
次に、反応器112及び反応器114における改質/発熱反応の変換制御について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施の形態における改質/発熱反応の変換制御を示す流れ図である。図5において制御手段170は、まず、反応器112(PSR1)内で改質反応を行うために、反応器112にガソリンとカソードオフガスとを供給し、反応器114(PSR2)内で再生反応を行うために、反応器114にアノードオフガスと燃焼エアーを供給する(ステップS101)。制御手段170は、各反応器に原料ガスを供給しながら、改質反応が行われている反応器112内の温度を温度センサ116によってモニタリングし、反応器112内の温度T1を検出する(ステップS102)。
次いで制御手段170は、温度センサ116によって検出した温度T1と閾値T0(例えば、約600℃)とを比較し、温度T1が閾値T0未満であるか否かを判断する(ステップS103)。制御手段170が、温度T1が閾値T0以上であると判断した場合は(ステップS103否定)、引き続きステップS101に戻り、現状のまま各反応器に原料ガスを供給しつづける。
一方、制御手段170が、温度T1が閾値未満であると判断した場合は(ステップS103肯定)、テーブル172を参照して燃料電池120への要求電力を低下させる(ステップS104)。次いで、制御部170は、各反応器への原料ガスの供給を停止し、原料ガスの供給停止後、各反応器の改質/発熱反応を切り替えるために各バルブを切り替える(ステップS105)。
次いで、制御手段170は、反応器112にアノードオフガス及び燃焼用ガスを供給して反応器112内の反応を発熱反応に切り替えると共に、反応器114にガソリン及びカソードオフガスを供給して、反応器114内の反応を改質反応に切り替え、反応器114において生成された水素含有ガスを燃料電池120に供給し(ステップS106)、その後要求電力を復元する(ステップS107)。以上のように、本実施の形態においては、各反応器における改質/発熱反応の切り替えが繰り返し行われる。
反応切り替え時における燃料電池120に対する要求電力の低下は、例えば、現在の要求電力をPa[kW]、低下時の要求電力をPb[kW]とすると、各反応器の切り替えのスイッチタイミングで、要求電力Paに基づいてテーブル172を参照して要求電力Pbを求め、一定時間要求電力Pbに維持し、その後再び要求電力を要求電力Paに復元する。また、要求電力Paは、アクセル動作や2次バッテリーのSOC等に連動して決定される。
次に、反応切り替え時における要求電力の切り替えについて説明する。図6及び図7を用いて説明する。図6は、反応切り替え時における要求電力の制御を説明するための流れ図である。また、図7は、テーブル172に格納された内部マップを説明するための説明図である。
図6に示すように、まず、制御部170がセンサ116によってモニタリングした反応器112の温度が閾値よりも低いと判断した場合、制御部170は燃料電池120への要求電力を低下させるためにテーブル172を参照する(ステップS120)。
次いで、制御部170はテーブル172を参照して要求電力Pbを求める(ステップS121)。具体的な要求電力Pbの求め方については後述する。
さらに、制御部170は、テーブル172に格納された要求電力Paと変動開始時間及び維持時間との関係を示す内部マップ(図7(A))を参照して、要求電力Paに基づいて、反応の切り替え開始から燃料電池120への水素供給量が変動し始めるまでの変動開始時間S1と、要求電力Pbの維持時間S2と、を求める(ステップS122)。
次いで、制御部170は、変動開始時間S1経過後に要求電力Paを要求電力Pbに変更する(ステップS123)。次いで、制御部170は、維持時間S2が経過するまで要求電力Pbを維持する(ステップS124)。制御部170は、要求電力を切替えてから維持時間S2が経過した後再び要求電力を要求電力Pbから要求電力Paに変更し(ステップS125)、切り替え時における処理を終了する。
次に、要求電力Pbの具体的な求め方の例について説明する。例えば、仮に、現在の要求電力Pa=20[kW]、現在の電流Ia=143[A]、現在の単セル平均電圧Va=0.7[V]であり、燃料電池120が200枚のスタックを有しているとすると、まず、全体の電圧が0.7×200=140[V]となり、20[kW]=140[V]×143[A]が成立する。
まず、制御部170は、テーブル172に格納された要求電力Paと燃料電池への水素流量低下率との関係を示す内部マップ(図7(B))を参照して、要求電力Paから燃料電池120に供給される水素含有ガスの低下率を求める。この場合、要求電力Paが20kWであることから、水素流量低下率は50%となる。燃料電池120での水素利用率が変わらないとすると、供給水素量の低下に伴う適正な電流Ibは、Ib=(1−0.5)×電流Iaから、71.5[A]となる。
次いで、制御部170は、図7(C)(内部I−Vテーブル)を参照して、単セルの平均電圧Vbを算出する。この場合、Ibに対応する単セル平均電圧Vbは、0.8[V]であることから、変更後の要求電力Pbは、0.8[V]×200×71.5[A]=11.44[kW]となる。この際、水素流量低下率が50%であるのに対し要求電力Pbは要求電力Paの50質量%以上となっているが、これは、要求電力Pbにおける電池効率が要求電力Paにおける電池効率よりも高いためである。
以上のように、水素含有ガスの供給量の低下に伴う適正な要求電力Pbを求めることで燃料電池120が破損するのを防止すると共に、電池効率の低下を防止することができる。
また、上述においては要求電力Pbとして水素含有ガスの供給量の低下に伴う適正な要求電力を求めたが、電池効率は低下するが発電可能である電力を要求電力Pbとしてもよい。
更に、図8に示すように、制御部170は、反応切替え時における反応器のスイッチタイミングに合わせて要求電力を低下させるが、切替例Aのように反応器の切替えによる水素生成量の低下と燃料電池120への水素供給量の低下とのタイムラグを考慮して、要求電力を低下する時期をシフトしてもよい。図8における切替例Bのように、燃料電池の急激な負荷変化を抑制するために勾配をつけて要求電力を低下させてもよい。図8は、反応の切り替え時における各反応器の水素生成量、燃料電池の発電量、及び、要求電力の変動の関係を示す説明図である。
尚、上述においては、現在の要求電力を予め定め、燃料電池の発電量を制御する態様を説明したが、反応切り替え時における燃料電池の電流及び電圧から現在の要求電力Paを求める態様であってもよい。
このように、本実施の形態によれば、各反応器における改質/発熱反応切り替え時における、燃料電池の負荷を低減させることができる。これにより、連続的に電力を供給することが可能な燃料電池システムを構成することができる。また、本発明の燃料電池システムは、車両搭載用途等の非定着型や、発電所及び家庭用発電システム等の定着型として用いることができる。
次に、上述の第1〜3の実施の形態における燃料電池システムにおける燃料電池120に転用可能な水素分離膜型燃料電池の他の具体例について、図9〜図10を用いて説明する。なお、他の具体例についての詳細については特開2004−146337号公報の記載を参照することができる。
図9は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材212を含む5層構造の電池膜202と、電池膜202を狭持する酸素極(O2極)204及び水素極(H2極)206とで構成され、金属拡散抑制層及び反応抑制層を備えた水素分離膜型燃料電池200を示したものである。電池膜202は、基材212の水素極(アノード)206側の面に該面側から順に緻密体の金属拡散抑制層214とパラジウム(Pd)層216とを備える。また、基材212の酸素極(カソード)204側の面に該面側から順に緻密体の反応抑制層(例えばプロトン伝導体や混合伝導体、絶縁体の層)210と、固体酸化物からなる薄膜の電解質層(例えばペロブスカイトの1つである金属酸化物SrCeO3膜など)208とを備えている。反応抑制層210は、電解質層208中の酸素原子と基材(V)212との反応を抑制する機能を担うものである。なお、酸素極204又は水素極206と電池膜202との間には上記同様に、各々エア流路180、燃料流路182が形成されている。金属拡散抑制層及び反応抑制層の詳細については既述の通りである。
図10は、水素透過性金属を用いた緻密な水素透過膜を有する電池膜302と、電池膜302を狭持する酸素極(O2極)304及び水素極(H2極)306とで構成された固体高分子型の水素分離膜型燃料電池300を示したものである。電池膜302は、例えば、ナフィオン(登録商標)膜などの固体高分子膜からなる電解質層312の両側の面を、水素透過性の緻密な金属膜で挟んだ多層構造となっており、電解質層312の水素極(アノード)306側の面にパラジウム(Pd)層(緻密膜)314を備え、電解質層312の酸素極(カソード)304側の面に該面側から順に、基材となるバナジウム−ニッケル合金(V−Ni)層(緻密膜)310とPd層(緻密膜)308とを備えている。なお、酸素極304又は水素極306と電池膜302との間には上記同様に、各々エア流路180、燃料流路182が形成されている。燃料電池120においてもまた、V−Ni層310とPd層308との間には金属拡散抑制層を設けることができ、V−Ni層310又はPd層314と電解質層312との間には反応抑制層を設けることができる。
図10に示す固体高分子型の燃料電池では、含水電解質層を挟むようにして水素透過性金属を用いた水素透過膜が形成された構成とすることにより、高温での電解質層の水分蒸発及び膜抵抗増大の抑制が可能で、一般に低温型の固体高分子型燃料電池(PEFC)の作動温度を300〜600℃の温度域に向上させることができる。これにより、燃料電池から排出されたカソードオフガスを直接、改質反応させるPSR型改質器に供給する本発明の燃料電池システムの構成に好適である。
第1の実施の形態の燃料電池システムの構成を示す概略図である。 反応器の構成を説明するための概略図である。 第1の実施の形態における燃料電池を説明するための断面図である。 各装置の制御の切り替えを説明するための構成図である。 第1の実施の形態における反応器114の再生反応から改質反応への移行制御を示す流れ図である。 反応切り替え時における要求電力の制御を説明するための流れ図である。 テーブル172に格納された内部マップを説明するための説明図である。 反応の切り替え時における各反応器の水素生成量、燃料電池の発電量、及び、要求電力の変動の関係を示す説明図である。 本発明における燃料電池の他の例を説明するための断面図である。 本発明における燃料電池の他の例を説明するための断面図である。
符号の説明
100 燃料電池システム
110 水素生成装置
112,114 反応器
120,200,300 燃料電池
170 制御部
184,212 基材
186,188,216,314,308 パラジウム(Pd)層
190,208,312 電解質層
310 バナジウム−ニッケル合金(V−Ni)層
P1〜P3 ポンプ
V1〜V8 バルブ
SV1〜SV7 三方バルブ

Claims (2)

  1. 触媒を備え、改質用原料及び改質用ガスが供給されたときには加熱された前記触媒上で前記改質用原料及び前記改質用ガスの改質反応によって水素含有ガスを生成し、発熱用原料及び発熱用ガスが供給されたときには前記発熱用原料及び前記発熱用ガスの発熱反応によって前記触媒を加熱し、前記改質反応と前記発熱反応とが切り替え可能な少なくとも一対の改質反応器と、前記改質反応器へ供給される流体の流路、及び、前記改質反応器から排出される流体の流路を切り替えるための切替手段と、を備えた水素生成装置と、
    前記水素生成装置から供給された水素含有ガスによって発電する燃料電池と、
    前記水素生成装置の前記一対の改質反応器の一方の前記改質反応器で改質反応が行われると共に他方の前記改質反応器で発熱反応がおこなわれ、且つ、前記改質反応器の改質反応と発熱反応とが交互に行われるように前記切替手段を切り替え、更に、前記改質反応及び前記発熱反応の切替に連動して前記燃料電池への要求電力を低下させる制御手段と、
    を備えた燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池が、水素透過性金属層と、前記水素透過性金属層の少なくとも片側に配置された電解質層と、を備えた請求項1に記載の燃料電池システム。
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