JP2006281751A - 追記型光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 追記型光記録媒体における記録再生特性の向上、構成の簡略化を図る。
【解決手段】 基体上に、無機記録膜を構成する酸化物膜3を有する追記型光記録媒体であって、上記酸化物膜3が、ゲルマニウム(Ge)の酸化物Ge(xは原子比)による記録材料よりなり、上記酸化物膜3のGeの組成が、1.0<x<2.0とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、追記型光記録媒体に関する。
追記型光記録媒体、例えば追記型光ディスクは、例えば追記型のCD(Compact Disc)や、追記型のDVD(Digital Versatile Disc)、いわゆるCD−Rや、DVD−Rで広く知られているように、その記録層を構成する記録材料は、有機色素を用いたものが普及している。
一方、無機記録材料を用いる記録媒体の提案も、種々なされている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、現在、記録材料が無機材料による記録媒体(以下無機記録媒体という)に比し、記録材料が有機材料による記録媒体(以下有機記録媒体という)が広く用いられている。
その理由は、無機材料を記録膜とした場合、反射率の自由度が狭いためROM(Read on Memory)との互換性が得られないという不都合があったこと、更に、記録特性や耐久性の向上を図ると、多層膜とせざるを得ず、その製造装置、例えばスパッタ装置への設備投資などが必要となることから、有機材料による場合に比して、コスト高となるなどの問題を有することである。
これに対して有機材料を記録材料とする追記型光記録媒体においては、その記録層はスピンコート法により成膜することができるものであり、これに反射膜の成膜を行えば良い程度であることから、その製造方法は簡単で、製造装置の設備費用も低廉である。
一方、光ディスクの高密度化は、主として光源の波長の短波長化と対物レンズの開口数(N.A.)により実現されてきた。現在は短波長400nm近辺のブルーの半導体レーザが実用化されてきたため、このような波長の光源に適した有機色素の開発が必要となっている。
しかし、短波長光に対する光学的な特性を満たす有機色素は、色素分子のサイズが小さくなる方向であり、分子設計の自由度が小さくなり、結果として、スピンコートが可能でかつ上述した短波長のブルー光源で良好な記録を行うことのできる有機色素は、現在、実用化されるほど開発されていない。
また、次世代光ディスクの規格として商品化されているBlu-ray Discと呼称されるディスクにおいては、N.A.が、0.85であるため、スキューの許容度が小さいなどの問題から、記録層に対する記録再生のブルーレーザ光の照射は、記録層上に形成された厚さ0.1mmの光透過層側からなされる。
そして、Blu-ray Discにおいては、上述したように、光透過層側から光を入射させるという事情から、ランド(Blu-ray Discにおけるいわゆるオン・グルーブ)が記録トラックとして規格化されている。
ところが、有機色素の成膜をスピンコート法によって行うと、基本的にランドよりもグルーブにおいて厚く成膜される。
そこで、スピンコート法による有機色素膜を記録膜とする光記録媒体による場合、特性上有利な、膜厚が大きいグルーブ(Blu-ray Discにおけるいわゆるイン・グルーブ)記録を採ることが望ましいが、この場合、極性が通常と逆となる。
そこで、スピンコートにより成膜した記録媒体においても、ランドに記録することが望まれるが、この場合、上述したように、スピンコートによる成膜によるときは、グルーブ内で記録膜としての有機色素が厚く成膜されるために、記録部のランド間のクロストークが大きくなるという問題が生じる。
このように、有機色素の場合には、グルーブに厚く色素が成膜されることに因る問題がある。これに対して、スパッタが可能な無機記録材料によるときは、無機記録材料の記録媒体が特性的に有利といえる。
更に、CD−RやDVD−Rの光学系においても、同様の理由で無機記録媒体が有機記録媒体より優位となる場合がある。
しかし、例えば相変化型の記録媒体におけるように、スパッタ法によって記録層を形成する光記録媒体にあって、その構成膜数が多層である場合、製造の煩雑さや、コストの問題が生ずる。そこで、この追記型光記録媒体の構成膜数は、3〜4層以下であること望まれる。
特開平11−144316号公報
本発明は、従前の追記型光記録媒体によっては得ることができなかった記録再生特性にすぐれた、また、生産性にすぐれ、コストの低廉化を図ることができる追記型光記録媒体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、無機記録膜の構成の特定によって、従来の無機記録膜によって得られない記録再生特性にすぐれた追記型光記録媒体を構成することができることの究明に基いてなされた発明を提供するものである。
本発明による追記型光記録媒体は、無機記録膜を有する追記型光記録媒体であって、上記無機記録膜が、ゲルマニウム(Ge)の酸化物Ge(xは原子比)による酸化物膜を有して成り、上記無機記録膜のGeの組成が、1.0<x<2.0とされたことを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記無機記録膜が、上記酸化物膜に接して形成された金属膜を有して成ることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記金属膜がTiを主たる材料とする金属膜より成ることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記金属膜が、Alを主たる材料とする金属膜より成ることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記金属膜が、Alと、希土類金属のTb,Gd,Dy,Ndのいずれか1種以上との合金膜より成ることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記酸化物膜の一方の面に接して上記金属膜が形成され、該金属膜と接する側とは反対側の面に誘電体膜が形成されて成ることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記誘電体膜が、SiNより成ることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記誘電体膜の膜厚が10nm以上100nm以下であることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記酸化物膜の膜厚が10nm以上35nm以下であることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、ランド・グルーブの凹凸面が形成された基体上に、少なくとも上記酸化物膜が形成されて成ることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体は、上記酸化物膜が、スパッタ膜よりなることを特徴とする。
なお、本発明において、主たる材料とは、他の元素に比べて最も組成比が高いことを指称する。
本発明による追記型光記録媒体は、無機記録膜として、上述したGeで、その組成が、1.0<x<2.0という特定された構成とすることによって、後に詳述するような記録再生特性にすぐれた追記型光記録媒体を構成することができたものである。
また、本発明による追記型光記録媒体においては、膜構成の単純な無機記録膜による、低廉な高密度媒体を提供するものである。
本発明による追記型光記録媒体の実施の形態を例示するが、本発明は、例示する実施の形態例に限定されないことはいうまでもない。
図1は、本発明による追記型光記録媒体10の形態例の概略断面図である。
例えば図1に示すように、グルーブ11G(基体1側に凹をグルーブと呼称する。)およびランド11L(光透過層5側に凸をランドと呼称する。)が形成された凹凸面11を有するポリカーボネート基板等による基体1上に、順次、無機記録膜を構成する金属膜2および酸化物膜3、更に、誘電体膜4が形成され、この上に光透過層5が塗布されて成る。
この場合、記録、再生波長が、405nm±5nm、開口数(N.A.)が0.85±0.01のBD対応の追記型光記録媒体構成とすることができ、この追記型光記録媒体10に対する記録および再生光は、厚さ10μm〜177μmの厚さの光透過層5側から照射される。
しかしながら、後述するように、基板1側からレーザ光入射を行う構成とすることもできる。
本発明による追記型光記録媒体の無機記録膜を構成する酸化物膜3は、Geで、その組成が、1.0<x<2.0とされた構成とされ、その膜厚は、10nm〜35nmとされる。
そして、この場合、無機記録膜が、酸化物膜3に接して金属膜2が形成された構成を有する。
金属膜2は、Tiを主たる材料とし、例えばさらに高い反射膜としての機能を必要とするときは、Alを添加することができる。そのほかの添加物としては、Alのほかに、Ag,Cu,Pd,Ge,Si,Sn,Ni,Fe,Mg,V,C,Ca,B,Cr,Nb,Zr,S,Se,Mn,Ga,Mo,W,Tb,Dy,Gd,Nd,Zn,Taを用いることができる。
また、誘電体膜4は、無機記録膜3上に接して形成され、無機記録膜3の光学的、機械的保護、すなわち耐久性の向上や、記録時の無機記録膜の変形、すなわちふくらみの抑制等を行う。この誘電体膜4は、例えばSiNによって構成され、その膜厚は、10nm〜100nmとする。
光透過層5は、例えば紫外線硬化樹脂によって、例えばBlu-ray Discを構成する場合においては、例えば0.1mmの厚さに塗布することによって形成することができる。
また、この光透過層5は、紫外線硬化樹脂の代わりに、PCシートをPSA(感圧性粘着シート、Pressure Sensitive Adhesive)により接着して形成することもできる。
次に本発明による追記型光記録媒体の実施例を挙げて説明する。
[実施例1]
この実施例においては、開口数(N.A.)0.85の2群対物レンズを通じて、波長405nmの青紫色半導体レーザ光源からの光ディスク記録再生装置によるBlu-ray Disc(以下BDという)対応の実施例である。
図2は、この実施例による追記型光記録媒体10の構成を示す凹凸面を省略した膜構成の模式的断面図である。
この追記型光記録媒体10を作製する成膜装置は、Unaxis製Cubeを用いた。このときのターゲットサイズは、直径φ200mmである。
基板1は、ポリカーボネート樹脂を用いて射出成型形によってその1主面にランド・グルーブによる上述した凹凸面11がディスク基体1の成型と同時に成型された構成とすることができる。
このランド・グルーブのピッチ、すなわちトラックピッチは、0.32μm(BD仕様)であり、グルーブ11Gの深さは20nmである。
光透過層5は、UVレジン(紫外線硬化樹脂)をスピンコート法により形成した。
この場合、先ず、ディスク基体1上に、Tiを膜厚30nmにスパッタして金属膜2を成膜した。このスパッタ時のAr(アルゴン)ガス流量は、24sccmとし、スパッタパワーは1.0kWとした。
次に、Geターゲットを用い、Arガスを24sccm、O2ガスを9sccm流した状態で反応性スパッタリングして無機記録膜3を20nmの厚さに成膜した。この組成は、原子数比で1:1.8であった。この組成比はラザフォード後方散乱分光法(RBS)により測定した実測値である。
この酸化物膜3上に誘電体膜4を保護膜として、SiNを厚さ60nmに成膜することによって形成した。この誘電体膜4の成膜は、Siターゲットを用い、ArガスとN2ガスの混合ガスにより、反応性スパッタリングによって成膜した。このSiNの組成は、原子比で3:4であり、屈折率が2.0、吸収係数が0の膜となっている。
このようにして得た追記型光記録媒体10について、パルステック製DDU-1000を用いて、線速度5.28m/s、チャンネルビット長80.0nmで特性評価した。
これらは、BDの23.3GB密度の規格にのっとったものである。
変調方式は17PPで、最短マーク長は2T(0.16μm)、最長マーク長は8T(0.64μm)である。C/N評価にはTakeda Riken製TR4171を用いた。
この実施例による追記型光記録媒体10を上述した記録再生評価したところ、8TマークのC/Nは、61dBという高い値を示した。また、2Tマークについても45dBを超える値を得ることができた。
因みに、およその実用レベルとしては、2TマークのC/Nが43dB以上、8TマークのC/Nは55dB以上が目安となる。
また、変調度は80%であり、きわめて良好な記録再生特性を示した。
なお、この変調度の定義は、8Tマークのスペース部分の戻り光量をI8H、マーク部分の戻り光量をI8Lとしたとき、(I8H−I8L)/I8Hである。
この実施例では、反射率は10%であった。
そして、より高い反射率が必要である場合は、金属膜2として、TiにAlを添加することで、20%以上の反射率が得られた。
また、Tiを主たる材料とすれば基本的に記録特性は良好であり、このように、最適化を図って光学特性を高め、耐久性を向上するため、あるいは、記録感度を向上させるための添加物として、Al,Ag,Cu,Pd,Ge,Si,Sn,Ni,Fe,Mg,V,C,Ca,B,Cr,Nb,Zr,S,Se,Mn,Ga,Mo,W,Tb,Dy,Gd,Nd,Zn,Taを用いることができる。
また、誘電体膜4としては、この他にZnS−SiO,AlN,Al,SiO,TiO、SiC等を用いることもできる。
上述した実施例1においては、金属膜2、酸化物膜3、誘電体膜4の3層のみで高密度記録ができる追記型光記録媒体を構成することから、この追記型光記録媒体は、工業的に有利な追記型光記録媒体である。
上述した実施例においては、無機記録膜として、Geによる酸化物膜3に接してTiによる金属膜2を配置した場合であるが、これら膜間に他の膜を介在させた構造とした場合を比較例1として示す。
[比較例1]
実施例1のTi金属膜2とGeによる酸化物膜3との間に、SiNによる誘電体膜を5nmの厚さで成膜し、実施例1と同様の記録再生実験を行った。
このように、5nmの薄さの誘電体の介在では、熱的・光学的特性に与える影響は殆どない。しかし、この誘電体膜は、Ti層による金属膜2とGeによる酸化物膜3とを隔離する。
その結果、記録感度はほぼ同じながら、記録後の反射率が記録前よりも高い、いわゆるlow to high記録となり、変調度は−13%という実施例1に比して、きわめて小さな値となった。
また、マーク長8TのC/Nは、44dB、マーク長2TのC/Nは、31dBとなり、記録特性が悪化した。つまり、Ti膜とGeとは実施例1におけるように互いに接している必要がある。具体的には、GeとTiとが界面で反応していることが記録原理であると考えられる。したがって、Geに隣接して活性の高い金属材料や金属酸化物等があった場合に良好な記録が行われるものであり、比較例1におけるように、Geの両面を安定な材料の誘電体膜で保護した構成とする場合、良好な記録が行われないことがわかった。
更に、断面TEMで記録前後の膜厚分布を調べたところ、Ti層の膜厚に変化は見られず、Ge層が酸素richな層とGe richな層に分離しており、Ti層側に酸素richな層が形成されていることがわかった。したがって、本発明は金属を酸化させることを記録原理とする前記特許文献1とは全く異なる、新規の記録原理を用いるものである。
[実施例2]
この実施例においては、図3に構成図を示すように、金属膜2として、Alを用い、誘電体膜4のSiNの厚さを20nmとした場合である。その他の成膜条件、評価方法は実施例1と同一とした。
この場合、誘電体膜4の膜厚が実施例1の場合より薄くしたのは、光学的理由による。すなわち、金属膜2として用いたAlはTiとは光学定数が大きく異なるためにSiNによる多重干渉の効果が違うため、SiNの膜厚の最適化により所望の反射率が得られるよう調整したものである。
この実施例の追記型光記録媒体10は、実施例1と同様に記録した結果、記録マークの戻り光は記録前よりも高くなった。いわゆるlow to high記録である。しかし、8TのC/Nは、55dBであり、2TのC/Nも42dBであり、記録特性自体は良好であった。
この構成条件では、BDの規格を満たさないが、高密度記録が実現できている。
したがって、BDの規格によることがない追記型光記録媒体として充分使用可能であり、また、製造条件の選定によってBDの規格にあわせることも可能であることは、充分推測できるものである。
そして、この構成による場合、Al金属膜によることによって、耐久性が向上した。また、この場合においても、金属膜2、酸化物膜3、誘電体膜4の3層のみで高密度記録ができるという点でも、また、SiN誘電体膜の膜厚が薄いという点でも、工業的に有利な追記型光記録媒体である。
[実施例3]
この実施例においては、金属膜2として、Alと希土類金属のGdとの合金、AlGd合金を用いた場合で、他は実施例2と同様の構成とした。この例では、AlGdの組成は、Al:Gd(原子数比)でおよそ7:3とした。図4は、この実施例の膜構成の模式的断面図である。
希土類金属は、酸化されやすい材料であり、また、熱伝導率が低いが、希土類金属をAlと合金化することにより記録感度も調整することができるものである。
希土類金属としては、Gdの他にTb,Dy, Ndが上げられるが、これらの特性は非常に類似しており、この実施例はこれらの希土類金属を用いてもほぼ同じ特性が得られる。
また、酸化されやすい他の材料としては、Fe,Mg,V,Ca,B,Nb,Zr,S,Se,Mn,Ga,Mo,Wがあげられ、同様の効果が得られる。これらは熱伝導率を下げて記録感度を向上させる効果があり、かつ、材料によっては耐久性の向上に寄与する。
そして、記録再生の結果、記録後の反射率が記録前よりも低い、いわゆるhigh to low記録になった。記録前の反射率は約10%、変調度は50%であった。Alを用いて、光学的にhigh to low記録である必要がある場合は、このように、添加元素を加えることが有効であることがわかる。
また、AlやTi金属膜2の耐久性向上のための添加物としては、Cu,Pd,Si,Ni, C,Cr,などが有効である。
[実施例4]
この実施例においては、実施例1と同一の膜構成で、Geの酸素組成xを変えた各追記型光記録媒体を構成した。
この場合、Geの成膜時の酸素ガス流量を6sccm〜9sccmの範囲で変化させて、酸化物膜3を、その膜厚が20nmになるようにスパッタ時間を調整して成膜した。その他の成膜条件は実施例1と全く同一とした。
その実験結果を図5に示す。この図5では、横軸は実際の酸素の組成であるが、これはRBS(Rutherford Backscattering)分析法により測定した実測値である。
この図から、x=1.84までの範囲では酸素の組成が多いほど変調度が大きく、x<2.0の範囲まで2TのC/Nも高いことがわかる。また、xが1.0以下では2TのC/Nが40dB以下となり、また、変調度も40%程度に低下するため、記録特性に明らかな劣化が見られる。
また、x≧2.0の範囲で成膜したところ、急激に記録感度が悪くなり、記録が行えなくなった。これは、Geが安定な組成であるためと考えられる。
つまり、Geとして好ましい酸素組成の範囲は、1.0<x<2.0であるが、より好ましくは、1.3<x<1.8である。
[実施例5]
この実施例は、実施例1と同じ膜構成で、Ge1.8の無機記録膜3の膜厚を変化させた。この膜厚を変化させた以外のパラメータ、成膜方法等はすべて実施例1と同一とした。その結果を図6に示す。
これによると、膜厚20nm付近が最も変調度および8Tと2Tの各C/Nが高く、これよりも厚い場合、もしくは薄い場合には低下していることがわかる。
そして、10nm以下では、変調度が40%を下回り、また、2TのC/Nが40dB未満となり、記録特性が劣化してくる。また、2TのC/Nについては、35nmまでは、40dB以上である。したがって、Ge1.8の膜厚は、10nmより大で、35nm以下に選定する。なお、8TのC/Nは、測定した全膜厚範囲で50dB以上であった。
すなわち、Ge1.8.の層の膜厚は20nmが最適であり、10nm以上35nm以下であれば本発明の効果が得られる。
[比較例2]
この比較例においては、誘電体膜4を10nmとした以外は、図3に示した実施例2と同様の構成とした。
この追記型光記録媒体について、実施例2と同様の記録を行ったところ、記録ノイズが大きく上昇し、8TのC/Nが40dB程度に低下した。これは誘電体膜4の剛性が不足したためと考えられる。したがって、誘電体膜4の膜厚は、10nm以上であることが好ましい。
また、この誘電体膜4は、酸化物膜3の保護膜としても機能しているため、保護の観点からはなるべく厚い方が好ましいが、量産性の観点からは100nm以下であることが好ましく、また、本発明の効果はこの膜厚範囲で得られるものである。
しかし、最適な誘電体膜4の膜厚は、金属膜2の材料、誘電体膜4の材料によって変わるものであり、一意的には決定されない。
例えば実施例1の場合は、60nmが最適膜厚であり、実施例2の場合には、20nmが最適膜厚であった。更に、誘電体膜4がSiOであった場合、屈折率がディスク基板や光透過層5とほぼ同じであるため、光学的には膜厚はどの厚さでも構わず、耐久性、量産性、記録特性の観点のみから最適化することが可能である。
また、誘電体膜4は、単一層である必要は無く、たとえばSiN/SiOやZnS−SiO/SiNのように2層以上に分けることも可能であり、この場合にも本発明の効果が全く同様に得られる。
[実施例6]
この場合、波長650nm、レンズ開口数(N.A.)が0.6の光学系を用いた評価機による例を示す。
この場合、図7に膜構成の模式的断面図を示すように、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板による基体1側から光が入射されるものであり、この場合、基体1上に、順次厚さ20nmのSiN誘電体膜4、厚さ12nmのGe(x=1.8)酸化物膜3、厚さ30nmのTi金属膜2、厚さ0.05mmのUVレジンをスピンコートした保護層15を形成した膜構成を有する。
基体1は、トラックピッチ0.74μm、グルーブ深さ40nmの凹凸面を有する構成とした。
評価機はパルステック社製DDU−1000を用いた。これにより、DVD−Rと同一のパラメータで記録を行った結果、変調度50%、EFM+(Eight to Fourteen Modulation +)における8TマークのC/Nとして55dBが得られ、良好な記録が行われた。また、金属膜2としてTiAl(Alの原子組成比が30%)を用いた場合、反射率が若干上昇した。
このように、本発明は特定の光波長や対物レンズの開口数に限定されるものではなく、また、光入射側が基板側に対してどちら側であっても同様に効果の認められるものであることが確認された。
例えば波長400nmで、開口数(N.A.)0.6〜0.8の範囲による場合や、CD−Rの光学系にも適用することができるものである。
上述したように、本発明構成によれば、無機記録膜とすることにより、スパッタ膜構成とすることができることから、前述したように、スピンコートによる場合におけるグルーブの膜厚が大となることに基くROMとの互換性の問題を解決することができる。
また、上述したように、本発明構成によれば、記録特性、耐久性にすぐれた追記型光記録媒体が得られる。
また、金属膜2、酸化物膜3、誘電体膜4の3層というきわめて少ない膜層数で、良好な記録特性が得られることから、量産性にすぐれ、また、層数が少ないことから、不良品の発生率を低減できるなどコストの低減化を図ることができる。
このように、本発明においては、基本的には、上述した3層を設けることによって、良好な記録再生が良好に行われるが、使用態様、目的応じて反射率を更に上げる場合や、耐久性を上げるなどの理由により、この3層以外にも金属膜、誘電体膜を設けることもできるなど上述した例に限定されるものではなく、本発明構成において、種々の変更を行うことができる。
本発明による追記型光記録媒体の一例の概略断面図である。 本発明の追記型光記録媒体の一実施例の膜構成の模式的断面図である。 本発明の追記型光記録媒体の一実施例の膜構成の模式的断面図である。 本発明の追記型光記録媒体の一実施例の膜構成の模式的断面図である。 本発明による追記型光記録媒体のC/Nおよび変調度の、無機記録膜を構成する酸化物膜の酸素組成依存性を示す図である。 本発明による追記型光記録媒体のC/Nおよび変調度の、無機記録膜を構成する酸化物膜の膜厚依存性を示す図である。 本発明の追記型光記録媒体の一実施例の膜構成の模式的断面図である。
符号の説明
1・・・基体、2・・・金属膜、3・・・酸化物膜、4・・・誘電体膜、5・・・光透過層、10・・・追記型光記録媒体、11・・・凹凸面、11G・・・グルーブ、11L・・・ランド、15・・・保護層

Claims (10)

  1. 無機記録膜を有する追記型光記録媒体であって、
    上記無機記録膜が、ゲルマニウム(Ge)の酸化物Ge(xは原子比)による酸化物膜を有して成り、
    上記無機記録膜のGeの組成が、1.0<x<2.0とされたことを特徴とする追記型光記録媒体。
  2. 上記無機記録膜が、上記酸化物膜に接して形成された金属膜を有して成ることを特徴とする請求項1に記載の追記型光記録媒体。
  3. 上記金属膜がTiを主たる材料とする金属膜より成ることを特徴とする請求項2に記載の追記型光記録媒体。
  4. 上記金属膜が、Alを主たる材料とする金属膜より成ることを特徴とする請求項2に記載の追記型光記録媒体。
  5. 上記金属膜が、Alと、希土類金属のTb,Gd,Dy,Ndのいずれか1種以上との合金膜より成ることを特徴とする請求項2に記載の追記型光記録媒体。
  6. 上記酸化物膜の一方の面に接して上記金属膜が形成され、該金属膜と接する側とは反対側の面に誘電体膜が形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の追記型光記録媒体。
  7. 上記誘電体膜が、SiNより成ることを特徴とする請求項6に記載の追記型光記録媒体。
  8. 上記誘電体膜の膜厚が10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の追記型光記録媒体。
  9. 上記酸化物膜の膜厚が10nm以上35nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の追記型光記録媒体。
  10. ランド・グルーブの凹凸面が形成された基体上に、少なくとも上記酸化物膜が形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の追記型光記録媒体。
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