JP2006279862A - リファレンスフィルタの生成方法 - Google Patents

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【課題】 本発明は、ダミーヘッド固有の影響を排除し、臨場感や残響感を保持したまま音質を向上させるリファレンスフィルタの生成方法を提供することを目的とする。あわせて、定位の向上、臨場感と定位の可変も行うことのできる生成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明に係るリファレンスフィルタの生成方法の代表的な構成は、ダミーヘッドを用いて取得した音データから第1の周波数特性を算出し、前記第1の周波数特性において振幅を周波数について所定間隔で対数平均化処理を行って第2の周波数特性を算出し、前記対数平均化処理された第2の周波数特性と逆の特性を有する一時フィルタを生成し、前記一時フィルタと前記第1の周波数特性とを乗算することにより補正された第3の周波数特性を算出し、前記第3の周波数特性を基にフィルタを生成することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リファレンス環境においてダミーヘッドを用いて採取した音声から生成したフィルタを補正する方法に関する。
一般に、スピーカから出力した音声は再生環境内で複雑に反射や減衰してから、受音点に到達する。このため、フラットな特性を有する基準音(所定範囲の周波数において同等の音圧(dB)を有する音)を録音した場合であっても、周波数によって減衰の度合いが異なり、また遅れ方にも差が生じる。これは、周波数解析した場合に、音圧(dB)のピーク(山)やディップ(谷)、波形の遅れ(ずれ)として定量的に表すことができる。このような、周波数(帯域)に応じた振幅の変化や遅れの度合いを、その環境における周波数特性という。
従来からもこの周波数特性を利用して、例えばコンサートホールなどのリファレンス環境で基準音の採取を行い、その周波数特性を再現するフィルタを生成し、このフィルタを通して音源を再生することにより、家庭などでもあたかもコンサートホールで聞いているような音響効果をもたせることが行われている。以下において、このような特定の(好ましい)環境(音場)における音響をリファレンス音響と称し、その周波数特性を再現するためのフィルタをリファレンスフィルタと称することとする。
リファレンスフィルタとしては、古くから電子回路(ハードウェア)によるイコライザが知られている。近年発達のめざましいデジタルフィルタ(ソフトウェア)としては、再現性が高いが計算負荷も高いFIRフィルタ(Finite Impulse Response Filter) と、再現性が低いが計算負荷は軽いIIRフィルタ(Infinite -duration Impulse Response Filter)とに大別される。
ところで、人間には二つの耳があり、常時音源の位置を感知している。従って、音源までの距離感や、音の拡がり方を再現するためには、二つの耳による聞こえ方を調べる必要がある。このとき2つのマイクを用いることも考えられるが、位置による遅れ(音源から左右の耳の位置までの到達時間の差)のみでなく、両耳が外側に開いているその指向性、音が頬や鼻に当たって回り込む影響、耳たぶや頭部、外耳道の反響や伝達の影響もあわせて考慮する必要がある。そこで、特に耳部を忠実に再現したダミーヘッド(ヘッドトルソ)といわれる人形を用いて、両耳の鼓膜位置にマイクを設置し、サンプリングを行うことが一般的に行われている。
しかし、ダミーヘッドを用いた録音データを基にリファレンスフィルタを生成すると、環境に依存する周波数特性よりも、ダミーヘッドに依存する周波数特性のほうが支配的になってしまい、試聴者によっては著しい音質の劣化を感じてしまう場合がある。ダミーヘッドにとってフラットに聞こえるように音源のフィルタを調整し、そのまま人間が試聴すると、ダミーヘッドに依存する周波数特性とその人間に依存する周波数特性とが重なり合い、フィルタがかかりすぎてしまうのである。例えばダミーヘッドでは低音の減衰が著しいと仮定して、これを補正するよう低音域を増幅したリファレンスフィルタを用いて音源を再生したとき、試聴者が低音のよく聞こえる耳を持っていたとすれば、結果的に低音が大きくなりすぎるのである。
特許文献1(特開平6−147968)には、ダミーヘッド(ヘッドトルソシミュレータ)の周波数特性回析波の逆特性を有するイコライザを準備し、ダミーヘッドから上記イコライザを介して録音し、再生側のイコライザ(フィルタ)を最適化する構成が記載されている。特許文献1では、このようにして得られた再生側のイコライザは、聴感上バランスの取れた周波数特性を得るために最適なイコライザとなると述べている。なお特許文献1は、特定環境(車両内)での音の聞こえ方をフラットにすることを目的としており、リファレンスフィルタを生成する目的ではないが、ダミーヘッド固有の影響を排するという共通の要素を有している。
特開平6−147968号公報 0016、0023〜0025、図4
上記した如く、近年はデジタルフィルタの発達が著しく、再現性の高いFIRフィルタを用いることが可能となっている。FIRフィルタを用いることにより、コンサートホールなど周波数特性の再現性も高くなり、また音質の補正の品質、自由度も極めて向上させることができる。またFIRフィルタを用いることにより、クロストークキャンセル(CTC:例えば右のスピーカから出て左の耳に入る音を、左のスピーカから逆位相の音を発して打ち消すこと)も可能となる。
しかし、FIRフィルタを用いて、ダミーヘッド固有の周波数特性を回避しようと逆特性のフィルタを生成した場合、FIRフィルタの再現性が高いが故に、ダミーヘッドの影響と共に環境依存の周波数特性をも排除することとなってしまう。
すなわち、FIRフィルタを用いた高い再現性の利益を享受しつつ、両耳の位置や、外側に向いた指向性、顔や頭を回り込む回折など、ダミーヘッドの外部に依存する影響は再現し、かつ、外耳道での反射、頭部内の反響や共鳴など、ダミーヘッドの内部に依存する影響は排除したい要請がある。
なお、特許文献1においてはダミーヘッド固有の影響を排除するために、反響音或いは残響音が全くない理想的な自由音場において録音することにより、ダミーヘッドの周波数特性を取得するとしている(特許文献1の段落0009、0011)。しかしそのような理想的な環境の構築は困難であると共に、これに近い環境にホールなどの音源を再現することもまた困難である。さらに、そのような自由音場とホールなどの特定環境とでは音の伝わり方が異なるため、ダミーヘッド内から生じる影響もまた異なるはずであり、自由音場で録音した音データでは、特定環境におけるダミーヘッドの影響を排除しきれないおそれがある。
そこで本発明は、ダミーヘッド固有の影響を排除し、臨場感や残響感を保持したまま音質を向上させるリファレンスフィルタの生成方法を提供することを目的とする。あわせて、定位の向上、臨場感と定位の可変も行うことのできる生成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るリファレンスフィルタの生成方法の代表的な構成は、ダミーヘッドを用いて取得した音データから第1の周波数特性を算出し、前記第1の周波数特性において振幅を周波数について所定間隔で対数平均化処理を行って第2の周波数特性を算出し、前記対数平均化処理された第2の周波数特性と逆の特性を有する一時フィルタを生成し、前記一時フィルタと前記第1の周波数特性とを乗算することにより補正された第3の周波数特性を算出し、前記第3の周波数特性を基にフィルタを生成することを特徴とする。
前記フィルタは、FIRフィルタであることが好ましい。
前記リファレンスフィルタは、少なくともダミーヘッドから取得した音データに基づいて生成した左側および右側のフィルタを備え、前記左側のフィルタと前記右側のフィルタとの増幅レベルを左右独立して設定することが好ましい。
前記リファレンスフィルタは、少なくともダミーヘッドから取得した音データに基づいて生成した左側および右側のフィルタを備え、前記左側のフィルタと前記右側のフィルタとの遅延時間を左右独立して設定することが好ましい。特に、左右のレベルおよび遅延時間は、一致させることが好ましい。
少なくとも左右一対の音源からそれぞれ発した音をダミーヘッドの左右の耳から取得し、左右一方側の音源から他方側の耳に到達した音データに基づいてクロストークフィルタをそれぞれ生成し、前記他方側の音源から該他方側の耳に到達した音データに基づいてフィルタをそれぞれ生成し、前記フィルタに前記クロストークフィルタを加算する際に、加算する割合を左右独立して設定可能であることが好ましい。
本発明によれば、ダミーヘッド固有の影響を排除し、臨場感や残響感を保持したまま音質を向上させたリファレンスフィルタを得ることができる。また、左右のレベルと遅延を左右個別に設定可能とすることにより、音源の定位を安定させることができる。また、左右のクロストークのレベルを左右個別に設定することにより、臨場感と定位を可変とすることができる。
本発明に係るリファレンスフィルタの生成方法の実施例について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本実施例におけるリファレンスフィルタを生成するためのシステムを説明する概略構成図である。当該システムは、リファレンスフィルタを作成するための特定環境、例えばコンサートホールなどに設置されているものとする。
図1(a)に示すように、音源として左スピーカLと、右スピーカRが設置されている。音源と対向する位置には、ダミーヘッド1が設置されている。ダミーヘッド1の左右の鼓膜位置にはマイク2L、2Rが取り付けられており、録音部3へと接続されている。録音部には演算部4が接続されており、さらにデータや演算結果を記録するための記録部5、これらをシートまたは画面上に出力するための出力部6、各種操作やデータ入力のための操作入力部7が備えられている。
録音(サンプリング)は、左右のスピーカL、Rのそれぞれ一方のみからパルス波を出力し、ダミーヘッド1の左右のマイク2L、2Rからそれぞれ録音する。図1(b)に示すように、左のスピーカLから出力して左のマイク2Lに入力したパターンをC11、左のスピーカLから出力して右のマイク2Rに入力したパターンをC12、右のスピーカRから出力して左のマイク2Lに入力したパターンをC21、右のスピーカRから出力して右のマイク2Rに入力したパターンをC22とする。
本実施例においては、上記4パターンのサンプリングから、その特定環境の周波数特性を再現するためのリファレンスフィルタを作成する。以下の説明において、一般的なフィルタの生成方法およびクロストークフィルタの生成方法については詳細な説明は省略し、本発明の特徴となる補正の方法を中心に説明する。
[ダミーヘッドの影響を排除する補正]
まず、ダミーヘッドの影響を排除する補正について、図2を用いて説明する。本補正は上記C11、C12、C21、C22の4パターンで取得した音データについてそれぞれ行う。そこで本実施例では、図2を用いてC11のパターンの場合のみについて説明する。
図2(a)は出力する基準音の波形を示している。基準音は周波数特性がフラットな音を短時間出力するものであって、いわゆるインパルス応答のサンプリングである。
図2(b)はこれを録音したときの音データの例を示している。時間と振幅のグラフからは、音の伝達の様子、すなわち残響(反射)によって音が伸びて届き、また減衰していく様子が示されている。周波数と音圧(dB)のグラフは第1の周波数特性(Impulse Response)を示しており、周波数によってよく届く音(ピーク)と、減衰してしまう音(ディップ)があることがわかる。なお周波数特性は、インパルス応答の波形をフーリエ変換することによって算出することができる。
ところで、音には波長があるため、反射位置が遠い(遅延時間が長い)ときには変動が細かくなり、反射位置が近い(遅延時間が短い)ときには変動が緩やかになる。すなわち、図2(b)のうち周波数と音圧のグラフを参照すれば、細かな波と大きな波とを感じることができるが、細かな波は主として遠い壁からの反射によるもの(環境に依存するもの)であり、大きな波は主としてダミーヘッド内の影響によるものと捉えることができる。従って、細かな変動を残しつつ大きな変動を排除すれば、環境に依存する臨場感や残響感を保持したまま、ダミーヘッド固有の影響を排除することができることになる。なお、実際にはさらにスピーカやマイクの周波数特性も考慮すべきであるが、本実施例では説明の簡便のために省略する。
そこで、図2(c)に示すように、周波数特性について所定の間隔で対数平均化処理をして、第2の周波数特性(Impulse Response Average)を算出する。対数平均とは自然対数をとった値の平均である。ここで平均は振幅のみについて行い、位相情報は残したままとする。位相情報もあわせて平均化してしまうと、波形が著しく減衰してしまうからである。
所定の間隔とは、適宜調整すべき値である。すなわち、間隔を広げるほどに対数平均化処理された波形は変動がゆるやかとなり、よりダミーヘッド内の影響のみに依存し、環境依存の波形を残すこととなる。しかしあまり緩やかにするとダミーヘッド内の影響をも再現することができなくなってしまい、本来の作用効果を奏しなくなってしまう。そこでシステムの感度や目的とするリファレンスフィルタの精度を鑑みて、適宜設定する必要がある。
そして、同じく図2(c)に示すように、対数平均化処理された波形(Impulse Response Average)に対し、位相を逆転させることにより逆フィルタ(Inverse Filter)(一時フィルタ)を生成する。この逆フィルタと最初に求めた第1の周波数特性とを乗算(畳み込み積分)することにより、第1の周波数特性を補正し、第3の周波数特性を生成する。
図2(d)は、補正された音データの波形と周波数特性を示している。ここで周波数と音圧のグラフを参照すれば、第3の周波数特性においては大きな変動はなくなり、全体的な特性がフラットになっていることがわかる。そして、細かな変動は環境に依存する変動を示しているのである。この周波数特性をフーリエ変換したものが、時間と振幅のグラフに示されている。
さて、図2(a)に示したような基準音を発しようとしたときに、図2(d)の時間と振幅のグラフに示されるような音を発するように変換すれば、例えばヘッドホンで聴いているときにも、あたかもコンサートホールで聞いているような感覚を再現することができる。そこで第3の周波数特性を基に、これを再現するフィルタをFIRフィルタによって生成し、このリファレンスフィルタを介して再生することにより、上記の音響効果を得ることができる。
ここで、FIRフィルタを用いることにより、極めて精緻な再現性を有するリファレンスフィルタとすることができる。そして上述した如く、FIRフィルタを生成する前処理として全体的な周波数特性をフラットにしたことにより、ダミーヘッド固有の影響を排除し、臨場感や残響感を保持したまま音質を向上させるリファレンスフィルタとすることができる。
また、上記生成方法によれば、ダミーヘッド固有の影響を排除するために、ダミーヘッドを特別な無反響空間などに設置して別途サンプリングを行う必要がなく、リファレンスフィルタを得たい特定環境に設置してサンプリングするのみで足りる。従って、サンプリング作業の労力が軽減されると共に、実際の環境でダミーヘッドに届く音を用いて影響排除することができるため、より適切にダミーヘッド固有の影響を排除することができる。
[増幅レベルと遅延時間の補正]
次に、増幅レベルと遅延時間の補正について、図3を用いて説明する。本補正は上記C11、C12、C21、C22の4パターンで取得した音データについて、それぞれの増幅レベルと遅延時間を補正するものである。
図3に示すように、リファレンスフィルタ8は、C11、C12、C21、C22にそれぞれ対応するフィルタR11、R12、R21、R22を備えている。それぞれのフィルタはFIRフィルタにて構成されている。
ダミーヘッド1を用いて基準音のサンプリングを行う場合、スピーカL、Rと測定位置の位置関係、壁からの反射の状況により、図3の「インパルス応答」の欄に示すように、左右のマイク2L、2Rの信号レベルと遅延時間に差が生じる場合がある。これらが均等になるまで取り直しをすることも考えられるが、サンプリング作業の負担が増大するという問題がある。
信号レベルおよび遅延時間に差が生じたままでリファレンスフィルタ8を生成すると、後にこのフィルタを用いて再生した音にも、同様の差が再現されてしまう。すると、音源の定位を試聴者の前方に設定したいところが、ずれて聞こえてしまうのである。
そこで本実施例においては、振幅波形における正方向の最初のピークを第1パスと称すると、C11〜C22の全ての第1パスの増幅レベルが一致するように補正する。さらに、C11とC22の第1パスの開始時間が一致するように補正する。ここでC12のC11に対する遅延時間d1、C21のC22に対する遅延時間d2は、そのまま保持する。そして補正後のインパルス応答を基に、リファレンスフィルタ8の個々のフィルタR11〜R22を生成する。すなわち、各フィルタR11〜R22は、増幅レベルおよび遅延時間について左右独立して設定する。
具体的な方法としては、例えば、取得した音データをあらかじめ補正してからフィルタR11〜R22を生成する方法が考えられる。すなわちまず振幅波形のデータを基に音データのレベルを一致させるようにゲインを調節し、また遅延を補正した上で、フィルタR11〜R22を生成する。また他の方法として、とりあえず音データのレベルと遅延はそのままに各フィルタを生成し、その後にフィルタの増幅レベルと遅延時間を補正することでもよい。
上記の如く構成したことにより、音源の定位を試聴者の前方に設定することができるため、試聴者は安定感をもって音を聞くことができる。またクロストークの遅延時間を保持するように構成したことにより、臨場感(広がり感)を保持することができる。
[クロストークのレベルと遅延時間の補正]
次に、クロストークのレベルと遅延時間の補正について、図4を用いて説明する。図4に示すように、それぞれのフィルタR11、R12、R21、R22のうち、左のスピーカLから出力して右のマイク2Rに入力したC12の音データから生成したフィルタR12、および右のスピーカRから出力して左のマイク2Lに入力したC21の音データから生成したフィルタR21は、クロストークフィルタである。
クロストークについて概略を説明すれば、左右一方側(例えば左)の音源から他方側(例えば右)の耳に到達する音のことをクロストークという。このクロストークに用いられるフィルタを、本実施例ではクロストークフィルタと称する。すなわち、クロストークフィルタは、対角のスピーカとマイクとの間で取得された音データを基に生成したフィルタR12、R21である。
図3を用いた説明にあっては、クロストークフィルタR12、R21はフィルタR11、R22とレベルを同一とし、遅延時間は保持したままとした。しかし、さらにクロストークのレベルと遅延時間を変化させることにより、異なる音響効果を得ることができる。具体的には、クロストークのレベルを強くすれば臨場感が増大し、レベルを小さくすれば定位が向上する。また左右のクロストークの遅延時間を調整することにより、定位の位置を調整することができる。
そこで本実施例では、クロストークフィルタを加算する際の割合レベル(ゲイン)および遅延時間について、それぞれを左右独立に設定可能としている。図4においてGのブロックはゲインの調整手段を示し、dのブロックは遅延の調整手段を示している。
上記の如く構成したことにより、臨場感と定位も設定可能なリファレンスフィルタを生成することができる。なお、クロストークフィルタのレベルと遅延時間の設定は、リファレンスフィルタの生成時に行うことでもよいが、再生時に動的にパラメータを変更することが可能なように構成してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、リファレンス環境においてダミーヘッドを用いて採取した音声からリファレンスフィルタを生成する方法として利用することができる。
リファレンスフィルタを生成するためのシステムを説明する概略構成図である。 ダミーヘッドの影響を排除する補正の方法について説明する図である。 増幅レベルと遅延時間の補正について説明する図である。 クロストークのレベルと遅延時間の補正について説明する図である。
符号の説明
L …左スピーカ
R …右スピーカ
1 …ダミーヘッド
2 …マイク
3 …録音部
4 …演算部
5 …記録部
6 …出力部
7 …操作入力部
8 …リファレンスフィルタ

Claims (5)

  1. ダミーヘッドを用いて取得した音データから第1の周波数特性を算出し、
    前記第1の周波数特性において振幅を周波数について所定間隔で対数平均化処理を行って第2の周波数特性を算出し、
    前記対数平均化処理された第2の周波数特性と逆の特性を有する一時フィルタを生成し、
    前記一時フィルタと前記第1の周波数特性とを乗算することにより補正された第3の周波数特性を算出し、
    前記第3の周波数特性を基にフィルタを生成することを特徴とするリファレンスフィルタの生成方法。
  2. 前記フィルタは、FIRフィルタであることを特徴とする請求項1記載のリファレンスフィルタの生成方法。
  3. 前記リファレンスフィルタは、少なくともダミーヘッドから取得した音データに基づいて生成した左側および右側のフィルタを備え、
    前記左側のフィルタと前記右側のフィルタとの増幅レベルを左右独立して設定することを特徴とする請求項1記載のリファレンスフィルタの生成方法。
  4. 前記リファレンスフィルタは、少なくともダミーヘッドから取得した音データに基づいて生成した左側および右側のフィルタを備え、
    前記左側のフィルタと前記右側のフィルタとの遅延時間を左右独立して設定することを特徴とする請求項1記載のリファレンスフィルタの生成方法。
  5. 少なくとも左右一対の音源からそれぞれ発した音をダミーヘッドの左右の耳から取得し、
    左右一方側の音源から他方側の耳に到達した音データに基づいてクロストークフィルタをそれぞれ生成し、
    前記他方側の音源から該他方側の耳に到達した音データに基づいてフィルタをそれぞれ生成し、
    前記フィルタに前記クロストークフィルタを加算する際に、加算する割合を左右独立して設定可能であることを特徴とする請求項1記載のリファレンスフィルタの生成方法。
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