以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる撮影システムは、デジタルカメラ10、デジタルカメラ10を装着した状態で充電するクレードル60、パーソナルコンピュータ80、及びパーソナルコンピュータ80と通信する携帯電話90を含んで構成されている。
クレードル60は、ACアダプタ76により電源コンセント72に接続される。ACアダプタ76は、変圧部76Aと、電源プラグ76Bとを含んでいる。また、パーソナルコンピュータ80は、フィルタアダプタ74により電源コンセント72に接続される。フィルタアダプタ74は、フィルタ部74A、フィルタ部74Aに連結する電源プラグ74B及びUSBコネクタ74Cから構成される。パーソナルコンピュータ80は、USBコネクタ85を備えており、このUSBコネクタ85にUSBコネクタ74Cが接続される。
なお、クレードル60とパーソナルコンピュータ80とは、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを介してUSBケーブルにより接続することもできる。
図2(A)に示すように、デジタルカメラ10の正面には、被写体からの光を撮像デバイスに結像させるレンズ12と、露光に際して被写体が適正な露光光量が得られない低照度の場合に発光されるストロボ30と、撮影する被写体の構図を決定するために使用する光学ファインダ46と、が備えられている。
デジタルカメラ10の上面には、撮影を行う際にユーザにより押下されるシャッタスイッチ44と、電源スイッチ48とが備えられており、デジタルカメラ10の側面には、USBケーブルによりクレードル60と接続するデジタルインタフェース34と、撮影によって得られた画像を記憶するメモリカードなどの可搬型の記録メディアが挿入されるメモリカード挿入部50と、が備えられている。
図2(B)に示すように、デジタルカメラ10の背面には、撮影によって得られた被写体像、各種メニュー、メッセージなどを表示するLCDなどの画像モニタ40と、画像モニタ40の表示領域における上下左右の4方向の移動方向を示す矢印キーが設けられた操作スイッチ42と、メニューを表示させるとき又は設定した処理を実行させるときに押下されるメニュー/実行スイッチ52と、撮影された被写体像を画像モニタ40に表示させるときに押下される表示スイッチ54と、が備えられている。
図3には、デジタルカメラ10の電気系のブロック図を示した。デジタルカメラ10は、被写体を撮像して被写体像を示すアナログ画像信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)を含んで構成された撮像デバイス18を備えている。撮像デバイス18には、レンズ12、赤外線カットフィルター13及びシャッタ・絞り14を通過した被写体からの光線が照射される。赤外線カットフィルター13は、通常撮影時にレンズ12から入射された光のうち赤外線をカットするものであり、シャッタ・絞り14は、撮像デバイス18への光量を制限するものである。
レンズ12、赤外線カットフィルター13、シャッタ・絞り14、撮像デバイス18、及びストロボ30は、各々を駆動するための駆動信号を生成する駆動回路32に接続されている。この駆動回路32は、バス11を介してCPU36に接続されている。
また、撮像デバイス18の出力側は、入力された信号に対して所定のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部20、及び入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器22を介して、入力されたデジタル信号に対して所定のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部24に接続されている。デジタル信号処理部24の出力側は、入力されたデジタル信号を記憶するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などのメモリ26を介して、入力されたデジタルデータをJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などの所定の圧縮形式で圧縮し、入力された圧縮済みのデジタルデータを圧縮形式に応じた伸張形式で伸張する、圧縮伸張部28に接続されている。
アナログ信号処理部20,デジタル変換器22,デジタル信号処理部24,メモリ26,及び圧縮伸張部28の各々は、バス11に接続されている。また、メモリ26は画像モニタ40にも接続され、圧縮伸張部28はメモリカード挿入部50にも接続される。
また、デジタルカメラ10は、後述する制御プログラムを記憶するフラッシュROM(Read Only Memory)などのプログラムメモリ35と、制御プログラムに従って上記の各部を統括制御するCPU(中央演算処理装置)36と、を含んで構成されており、各々バス11に接続される。また、バス11には、デジタルインタフェース34、操作スイッチ42、及びシャッタスイッチ44も接続される。
駆動回路32は、図示しないプランジャー等を含む機構を駆動して赤外線カットフィルター13をオンオフさせる機能を有する。駆動回路32は、CPU36から赤外線カットフィルター13をオフするよう指示された場合には、レンズ12を透過した光が赤外線カットフィルター13を介さずに撮像デバイス18に到達するように前記機構を制御し、レンズ12を透過した光が赤外線カットフィルター13を通らない位置に赤外線カットフィルター13を移動させ、CPU36から赤外線カットフィルター13をオンするよう指示された場合には、レンズ12を透過した光が赤外線カットフィルター13を介して撮像デバイス18に到達するように前記機構を制御し、レンズ12を透過した光が赤外線カットフィルター13を通る位置に赤外線カットフィルター13を移動させる。
この赤外線カットフィルター13は、本来通常撮影において画質を良好にするために設けられるものである。このため、通常撮影モードでは赤外線カットフィルター13はオンされる。本実施の形態では、後述する監視モードの撮影時に赤外線カットフィルター13をオフすることができる。
なお、アナログ信号処理部20には、ゲイン切替アンプ21、相関二重サンプリング信号処理部(図示省略)等が含まれる。ゲイン切替アンプ21は、撮像デバイス18から出力された画像信号をCPU36から指定されたゲインで増幅する処理を行うためのものであり、通常撮影モードと監視モードとで異なるゲインに切換可能な構成となっている(詳細後述)。また、相関二重サンプリング処理部は、CCDの1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理であり、熱雑音の低減において効果を発揮し、S/N比(Signal to Noise Ratio)を向上できる。
また、本実施の形態にかかるデジタル信号処理部24で行われる上記所定のデジタル信号処理には、γ(ガンマ)補正処理、高域信号処理、補間処理等が含まれる。ここで、γ補正処理は、各色の画像信号が所望の入出力特性となるように画像信号を補正する処理である。また、高域信号処理は、処理対象とする信号から、例えば、YH・YL法により画素に対応させて垂直方向/水平方向の輝度信号が有する周波数帯域を通常よりも高域に延ばすとともに、垂直方向/水平方向の周波数範囲が重ならないように処理して信号の高品位化を図るものである。また、補間処理は、撮像デバイス18で単板の色分解フィルタが用いられている場合に行われる処理であり、その位置に配した色フィルタの他の2つの色を生成する補間処理を行うものである。この補間処理を行う際には、得られた高域化された輝度信号を用いて三原色R(赤)、G(緑)、B(青)の補間データを算出する。これにより、撮像デバイス18における有効画面領域の各画素に対して三原色R、G、Bのプレーンデータが得られる。
図4(A)に示すように、クレードル60は、その上面にデジタルカメラ10を載置するためのカメラ載置部62を備えている。カメラ載置部62の側方には、デジタルカメラ10のデジタルインタフェース34に対応する接続端子64が備えられている。また、クレードル60の側面にはパーソナルコンピュータ80と接続するためのデジタルインタフェース69Bと、ACアダプタ76によりAC電源と接続するための接続端子69Aと、が備えられている。
クレードル60の正面には、パーソナルコンピュータ80にデジタルカメラ10の画像を取り込むための画像取込ボタン68と、AC電源からデジタルカメラ10の充電が行われている際に赤色点灯、充電が終了した後に緑色点灯する充電ランプ68Aと、デジタルカメラ10とパーソナルコンピュータ80との間で通信が行われている際に点滅するアクセスランプ68Bと、が設けられている。さらに、クレードル60の正面には、侵入者等のように周囲環境の物理的な移動変化を検出するための赤外線センサ66が設けられている。
図4(B)に示すように、クレードル60の底面は、監視モード撮影を開始する際にユーザーにより押下される監視モード撮影開始スイッチ67と、監視モード撮影のエラーを示すエラーランプ67Aと、監視モード撮影が正常に行われていることを示す正常動作ランプ67Bと、を含む。ユーザーは、監視モードで撮影したい場合には、監視モード撮影開始スイッチ67をオンした状態でデジタルカメラ10を載置し、監視モードの撮影を行わない場合には、監視モード撮影開始スイッチ67をオフした状態でデジタルカメラ10を載置する。
図5には、クレードル60の概略ブロック図を示した。クレードル60は、監視モードによる撮影を制御する監視モード制御回路として機能するカメラインタフェース回路61を備えている。このカメラインタフェース回路61は通常の撮影画像転送を制御する通常モード制御回路としても機能することができる。カメラインタフェース回路61には、赤外線センサ66,監視モード撮影開始スイッチ67,エラーランプ67A,正常動作ランプ67B,画像取込ボタン68,充電ランプ68A,アクセスランプ68Bが接続されている。また、カメラインタフェース回路61には、接続端子64,及びAC重畳回路65ACを介して69Aに接続される。AC重畳回路65ACは、交流電源の電源ラインに信号を重畳するためのものである(詳細後述)。
また、クレードル60は、デジタルカメラ10の充電を行う充電回路を含む電源回路63を備えており、電源回路63は接続端子69A及び接続端子64に接続される。この電源回路63は、カメラインタフェース回路61,及びAC重畳回路65ACに電力を供給する。
なお、クレードル60は、通信回路65を設けることができる。通信回路65は、カメラインタフェース回路61からの信号をデジタルインタフェース69B用の信号に変換したりデジタルインタフェース69Bからの信号をカメラインタフェース回路61用の信号に変換したりする通信回路である。本実施形態では、デジタルカメラ10との間の通信をAC重畳回路65ACを用いて行うため、通信回路65は省略可能である。
なお、本実施形態の接続端子64は、本発明の接続手段に対応し、赤外線センサ66は、本発明の検出手段に対応する。また、カメラインタフェース回路61、通信回路65,AC重畳回路65ACを含む構成は、本発明の通信制御手段に対応する。また、カメラインタフェース回路61において画像信号を受信することは本発明の通信制御手段における受信手段の機能に対応し、カメラインタフェース回路61から出力する画像信号をAC重畳回路65ACで電源ラインに重畳することは通信制御手段における送信手段の機能に対応する。また、電源回路63は充電手段に対応し、AC重畳回路65ACは重畳手段に対応する。また、監視モード撮影開始スイッチ67は、監視モード設定手段に対応する。
図6には、パーソナルコンピュータ80の概略構成を示した。パーソナルコンピュータ80は、バス89に接続されてパーソナルコンピュータ80全体の動作を司るCPU82を備えている。バス89には、USBコネクタ85を有してUSB接続を可能とする構成のデジタルインタフェース84と、各種プログラムや画像などを記憶するハードディスク86と、画像などを一時的に記憶するメモリ87と、携帯電話90と通信するための通信回路88と、画像およびアプリケーション画面などを表示するディスプレイ81と、起動、エラーなどを音声により報知するスピーカ83と、が接続される。
なお、パーソナルコンピュータ80と携帯電話90との通信は、例えばワイヤレスLAN、Bluetooth等のインタフェースを通信回路88に含むように構成して直接通信したり、例えばADSLモデムを通信回路88に含むように構成して、契約しているプロバイダ経由でインターネット回線を介してメール等により通信するようにしてもよい。
図7には、パーソナルコンピュータ80に接続するフィルタアダプタ74の概略構成を示した。フィルタアダプタ74は、回路に電力供給をするための電源回路92を備えており、電源回路92は電源プラグ74Bが連結されるACコネクタ91に接続される。このACコネクタ91と電源回路92の間に電源ラインには、フィルタ回路96が接続される。フィルタ回路96は交流電源の電源ラインに重畳された信号を抽出する回路である。このフィルタ回路96によりの抽出信号が、USBデータに変換して出力するUSBインタフェース回路94、及びUSBコネクタ95、USBコネクタ74Cを介してパーソナルコンピュータ80へ入力されるようになっている。
USBインタフェース回路94には、電源コンセント72に接続したときに点灯する電源ランプ92A,及び電源ラインから信号を抽出したときに点灯する動作ランプ92Bが接続される。なお、本実施形態では、監視モードでパーソナルコンピュータ80を作動させるときに、第三者に電源ラインからの信号抽出を悟られたくない場合は、これら、電源ランプ92Aや動作ランプ92Bは不要である。このため、省略してもよく、または動作を禁止するスイッチを設けて点灯を禁止可能にしてもよい。
次に、本実施形態の作用を説明する。ここでは、クレードル60、デジタルカメラ10、及びパーソナルコンピュータ80の構成による撮影システムとして作動する、クレードル60、デジタルカメラ10、及びパーソナルコンピュータ80で実行される処理ルーチンについて図8乃至図10に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、クレードル60で実行される監視モード撮影処理について説明する。なお、図8に示すクレードル60で行われる監視モード撮影処理は、ユーザにより監視モード撮影開始スイッチ67が押下されることにより開始される。
図8のステップ702では、クレードル60にデジタルカメラ10及びパーソナルコンピュータ80が接続されているか否かが判断される。デジタルカメラ10及びパーソナルコンピュータ80の何れかが接続されていないと判断された場合には、エラーランプ67Aを点灯し、処理は終了する。
なお、ステップ702の判断は、少なくともデジタルカメラ10との接続判断のみでもよい。例えば、パーソナルコンピュータ80へ画像信号を送信することなく、監視モード時の画像をデジタルカメラ10で記録のみ行う場合には、デジタルカメラ10とクレードル60の接続のみでよい。本実施の形態では、好ましい撮影システムとして作動する場合において、パーソナルコンピュータ80の接続判断も行う場合を説明する。
デジタルカメラ10はクレードル60に載置することにより、クレードル60に接続することができる。詳細には、図4(A)に示すように、デジタルカメラ10を、底面を下向きとして矢印A方向に挿入した後、矢印B方向にスライドさせると、デジタルカメラ10のデジタルインタフェース34の接続端子が接続端子64に接続される。
パーソナルコンピュータ80とクレードル60との接続は、交流電源の電源ライン接続により行われる。すなわち、AC重畳回路65ACにより電源ラインに重畳される信号によって、クレードル60とパーソナルコンピュータ80とが電気信号的に接続状態となる。なお、パーソナルコンピュータ80からの信号をAC重畳回路65ACでフィルタリング(抽出)するようにしてもよい。これにより、パーソナルコンピュータ80からの指示やデータをクレードル60で受け取ることができる。
ステップ702で、接続と判断された場合には、正常動作ランプ67Bを点灯させ、ステップ704で、監視モード撮影を行うための設定指示を示す信号を、デジタルインタフェース64を介してデジタルカメラ10へ、AC重畳回路65AC及びフィルタ部74Aを介してパーソナルコンピュータ80へ送信する。これらの設定は、撮影を行っていない外観を保ちながら、撮影を行うためのものであり、詳細は、後述する。
クレードル60は、充電ランプ68Aを点灯させ、アクセスランプ68Bを消灯する。これにより、クレードル60は、デジタルカメラ10の充電を行ってはいるが、デジタルカメラ10による撮影、および、デジタルカメラ10とパーソナルコンピュータ80との間の画像の送受信は行われていない外観が保たれる。これにより、デジタルカメラ10が監視カメラとして動作していることを悟られるのを防止することができる。このように、クレードル60、デジタルカメラ10、パーソナルコンピュータ80の外観は撮影を行っていない状態に保たれるが、ユーザは、正常動作ランプ67Bの点灯により、監視モード撮影が正常に開始されたことを知ることができる。
次に、ステップ706では、赤外線センサ66の検出信号により侵入者等のように周囲環境の物理的な移動変化が検知されたか否かを判断する。判断基準の一例は、赤外線センサ66の検出信号の変動幅が所定値を超えた場合や赤外線センサ66の検出信号が所定値を超えた場合などがある。ステップ706では、肯定判断されるまで、否定判断を繰り返し、肯定判断されるとステップ708へ進み、デジタルカメラ10に撮影指示を示す指示信号を送信する。
次のステップ710では、上記指示信号に対応して被写体を撮影した画像がデジタルカメラ10から受信されるまで否定判断を繰り返し、肯定判断された場合には、ステップ712へ進み、受信した画像をパーソナルコンピュータ80に送信する。ここでは、AC重畳回路65ACにおいて撮像画像の画像信号を電源ラインに重畳することで送信する。
次のステップ714では、終了指示があるか否かが判断される。終了指示は、再度、監視モード撮影開始スイッチ67がユーザにより押下されることにより行われる。終了指示があるまで、ステップ706〜714の処理が繰り返される。
終了指示があることが判断されると、デジタルカメラ10およびパーソナルコンピュータ80に終了指示信号を送信して、クレードル60は監視モード撮影処理を終了する。詳細は後述するが、これにより、デジタルカメラ10およびパーソナルコンピュータ80の外観は通常動作の状態に戻る。
次に、デジタルカメラ10で実行される監視モード撮影処理について説明する。この処理は、デジタルカメラ10がクレードル60に載置され、デジタルカメラ10のデジタルインタフェース34の接続端子が接続端子64に接続されたことを検出すると実行される。
まず、図9に示すように、ステップ802では、クレードル60からの監視モード撮影を行うための設定指示を示す信号を受信したか否かを判断する。肯定判断されると、ステップ804へ進み、監視モード撮影を行うための設定、すなわち、デジタルカメラ10の外観を撮影していない状態に保つための設定や、赤外線カットフィルター13の駆動、そしてアナログ信号処理部20のゲイン切替アンプ21によるゲインの設定を行う。
詳細には、画像モニタ40、図示されない電源ONを示すランプ、メモリカードへのアクセスを示すランプ、エラー音、シャッター音などを発生するスピーカ、などをオフにする。さらに、周囲の明るさに応じてストロボ30を発光させるオートストロボ機能をオンにする。ただし、充電中であることを示すランプはオンにされる。これにより、監視カメラとして動作していることを悟られるのを防止することができる。
また、暗い部屋でも被写体を良好に撮影することができるように、赤外線カットフィルター13をオフする。または、アナログ信号処理部20のゲイン切替アンプ21のゲインを通常撮影モードよりも高い値に設定する。これらの赤外線カットフィルター13をオフすることと、ゲイン切替アンプ21のゲインを設定することは、何れか一方でもよく、両方行っても良い。これにより、暗闇でも明るく撮影することができる。
次のステップ806では、クレードル60からの撮影指示信号が受信されたか否かが判断される。撮影指示信号が受信された場合には、ステップ808において、CPU36により駆動回路32を制御し、シャッタ・絞り14を駆動することにより、被写体を撮影する。このとき、赤外線カットフィルター13のオフによる感度増加やゲイン切替アンプ21のゲイン設定による高感度で被写体を撮影することができ、暗い部屋でも良好に撮影することができる。撮影された画像はメモリカード挿入部50に装着されているメモリカードに記憶される。なお、シャッタスピードは被写体の変化を確実に捕らえることができる所定値以上のシャッタスピードに設定することが好ましい。
次のステップ810では、メモリカードに記憶された画像がパーソナルコンピュータ80に送信され、この後のステップ812においてクレードル60からの終了指示信号を受信したか否かが判断される。終了指示信号が受信されない場合は、ステップ806〜812の処理が繰り返される。終了指示信号が受信された場合は、監視モード撮影の設定を解除し、すなわち、画像モニタ40、各種ランプ、スピーカなどをONにし、デジタルカメラ10の外観を通常の動作状態に戻し、監視モード撮影処理を終了する。
次に、パーソナルコンピュータ80で実行される監視モード撮影処理について説明する。なお、この処理は、例えばユーザーがこの処理を実行するよう指示したときに実行される。
図10に示すように、ステップ902では、クレードル60からの監視モード撮影を行うための設定指示を示す信号を受信するまで否定判断を繰り返し、肯定判断されると、ステップ904において監視モード撮影を行うための設定がなされる。この設定は、パーソナルコンピュータ80の外観を動作していない状態に保つための設定である。詳細には、ディスプレイ81、スピーカ83、図示されない電源オンを示すランプ、ハードディスク86へのアクセスを示すランプ、などをオフにする。これにより、パーソナルコンピュータ80が動作していることを悟られるのを防止することができる。なお、フィルタ部74Aにおいても、同様に設定することが好ましい。すなわち、少なくとも動作ランプ92Bをオフにすることで、動作していることを悟られるのを防止することができる。なお、電源ランプ92Aをオフにするようにしてもよい。
次に、ステップ906では、クレードル60から画像を受信したか否かが判断される。すなわち、フィルタ部74Aのフィルタ回路96において画像信号が抽出されたときに画像信号がデジタルインタフェース84から入力されたか否かが判断される。ステップ906で肯定されると、受信された画像はメモリ87に一時的に記憶され、ステップ914へ進み、当該画像をハードディスク86に記憶する。次のステップ916では、通信回路88により、予め設定されているメールアドレスを用いて、ユーザの携帯電話90に当該画像を添付したメールを送信する。これにより、携帯電話90を所有するユーザは即時に異常を知ることができる。なお、画像を添付せずに、変化発生を報知するメッセージのみを送信してもよい。
このように、異常を検知した場合にのみ画像をハードディスク86に記憶するので、ハードディスク86の記憶容量を低減することができるとともに、異常があると判断された際に撮影された被写体の画像を容易に取得することができる。
ステップ918では、クレードル60からの終了指示信号を受信したか否かが判断され、否定された場合は、ステップ906へ戻る。一方、肯定された場合は、監視モード撮影の設定を解除、すなわち、ディスプレイ81、スピーカ83、各種ランプなどをオンにし、パーソナルコンピュータ80の外観を通常の動作状態に戻し、監視モード撮影処理を終了する。
なお、本実施の形態では、クレードル60のカメラインタフェース回路61が監視モード撮影処理の制御を行うものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、クレードル60は、監視モード制御回路61の代わりに信号生成回路のみを有することができる。この場合、デジタルカメラ10のCPU36が制御を行う。詳細には、監視モード撮影開始スイッチ67がユーザにより押下されると、信号生成回路は監視モード撮影開始を指示する信号を生成し、デジタルカメラ10に送信する。CPU36は、監視モード撮影開始を指示する信号にもとづいて、デジタルカメラ10を外観上撮影していない状態に設定することにより撮影を行うように制御する。
また、本実施の形態では、撮影システムは、デジタルカメラ10、クレードル60、パーソナルコンピュータ80、携帯電話90により構成されるが、本発明はこれに限定されず、例えば、デジタルカメラ10、クレードル60だけで構成されてもよいし、デジタルカメラ10、クレードル60、パーソナルコンピュータ80により構成されてもよい。また、端末装置として、携帯電話90を使用したが、本発明はこれに限定されず、例えば、PDA、パーソナルコンピュータなどであってもよい。
監視モード撮影開始スイッチ67は、クレードル60の底面にあるものとしたが、監視モード撮影開始スイッチ67は認識が困難な部分にあればよく、例えば、クレードル60の背面にあってもよい。
ステップ812、および、ステップ918において、終了指示信号を受信した場合、デジタルカメラ10およびパーソナルコンピュータ80は、外観を通常動作の状態に戻して、監視モード撮影処理を終了するものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、デジタルカメラ10、パーソナルコンピュータ80のすべての機能をオフにして終了してもよい。また、監視モード撮影処理において、デジタルカメラ10は電力を消費するため、監視モード撮影処理を行う間、クレードル60に接続されているAC電源、もしくはパーソナルコンピュータ80から電源の供給を受けることが好ましい。
なお、本実施の形態では、被写体を撮影して静止画像を生成するものとしたが、動画像を生成するようにしてもよい。また、本実施の形態のデジタルカメラ10は、室内への不法侵入者の顔を撮影することができるように、例えば、部屋の扉付近の高さ1.5〜1.8メートル付近にレンズ12を向けて配置されることが好ましいが、窓の外に向けて配置することもできる。これにより、室外の車両やオートバイ、もしくは徘徊者の監視に使用することもできる。
本実施の形態では、クレードル60とデジタルカメラ10とをUSBインタフェースにより接続したが、本発明はこれに限定されない。例えば、イーサネット(登録商標)、RS232Cなどのインタフェースにより接続されてもよい。また、クレードル60とパーソナルコンピュータ80との接続は、交流電源の電源ラインに信号を重畳することで接続した場合を説明したが、例えば、USBインタフェースにより接続してもよく、イーサネット(登録商標)、RS232Cなどのインタフェースにより接続されてもよく、またワイヤレスLAN、Bluetoothなどによるワイヤレス接続であってもよい。
このように本実施の形態の撮影システムは、監視カメラではなく一般に普及しているデジタルカメラ10と、当該デジタルカメラ10を充電するクレードル60と、を含み、当該デジタルカメラに監視モード撮影を行わせるようにしているので、本発明は、外観上監視カメラであることが明らかでない、撮影システムを提供することができる。これによれば、別途、監視カメラを購入する必要がないため、経費を低減することができる。
また、クレードル60とパーソナルコンピュータ80との接続を、電源ラインに画像信号を重畳したり電源ラインに重畳した信号抽出したりすることで行っているので、外観上接続関係が明らかでない、撮影システムを提供することができる。
なお、本実施形態では、監視モード撮影において赤外線カットフィルター13をオフすることと、ゲインを上げて高感度で撮影することとの何れかによる動作で可能としているが、明るさを検知するセンサーをさらに設けて周囲の明るさを検知したり、撮影した画像に基づいて明るさを検知し、検知した明るさが所定値以下、すなわち通常の撮影では画像が暗すぎる場合に、赤外線カットフィルター13をオフしたりゲインを上げて高感度で撮影したりするようにしてもよい。これにより、周囲の明るさに応じて良好に撮影することができる。
また、本実施の形態では、デジタルカメラ10がクレードル60に載置されるものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、デジタルカメラ10が充電装置の内部または下部に装着されるような形態であってもよい。
なお、本実施形態では、異常を検知した場合にユーザの携帯電話90に画像を添付したメールを送信するようにしたが、これに限らず、侵入者に対して警告するようにしてもよい。具体的には、デジタルカメラ10のストロボ30を発光させたり、デジタルカメラ10又はクレードル60にスピーカーを設けて音声で警告したり、デジタルカメラ10又はクレードル60に設けられた各種ランプを点滅させる等してもよい。また、この警告を行う前又は後に、通常撮影モードに戻ってストロボ30を発光させて良好に画像を撮影し、この画像を添付してユーザの携帯電話90に送信するようにしてもよい。