JP2006278753A - 信号ケーブルのケーブル固定構造及び該ケーブル固定構造を備えた電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信号ケーブルを簡易に固定でき、長期にわたり固定状態の維持が可能なケーブル固定構造を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】 固定されるFFC71にケーブル固定穴713を形成し、第1構造形成部11bに設けられた挿入部101に、上記ケーブル固定穴713を挿入することによってFFC71を固定する第1固定構造100と、第2構造形成部201a、201bにケーブル固定穴713が形成されていない部分を挿入することによってFFC71を固定する第2固定構造200と、の二つの固定構造を備えたケーブル固定構造によってFFC71を固定する。これにより、FFC71が外れ難く、該FFC71が外れて振動し、EMIの測定結果に影響を及ぼさないケーブル固定構造を提供する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、信号ケーブルが固定される固定部に部材を設け、該部材によって信号ケーブルを固定するケーブル固定構造に関する。また、本発明は、該ケーブル固定構造を備えた電子機器に関する。
例えば、CD−ROMドライブに使用されている回転テーブル駆動装置は、回転する回転テーブルと、該回転テーブルの真下に配置され、回転テーブルを回転させる駆動用小型モータと、回転テーブルと駆動用小型モータとを搭載し、回転テーブルの回転制御を行う回路基板と、該回路基板を支持する機体固定部材とで略構成されている。さらに、この回路基板と機体固定部材とは、可撓性フラット型平行ケーブルによって接続されている。そして、この可撓性フラット型平行ケーブルは、両面テープによって回路基板上に貼り付けられることにより固定されている。(特許文献1参照)
特開平10−27460号公報
上述した回転テーブル駆動装置では、可撓性フラット型平行ケーブルを回路基板上に、両面テープを使用して貼り付けることにより固定している。しかし、このケーブル固定構造では、固定している両面テープの接着力が経年変化により低下して、固定した可撓性フラット型平行ケーブルが外れる虞がある。さらに、回路基板の表面状態により両面テープを貼り付けることができない場合があり、表面状態を改善する必要があった。
このように、両面テープが剥がれてしまったり固定ができなかった場合、この可撓性フラット型平行ケーブルは、固定されていない自由な状態になり、撓んだり、回転テーブル駆動装置の駆動によって振動してしまう場合があった。そして、外装ケースの組み立て時に該外装ケースによって可撓性フラット型平行ケーブルを挟み込み、該可撓性フラット型平行ケーブルを断線してしまう虞があった。
また、可撓性フラット型平行ケーブルが回転テーブル駆動装置の駆動によって振動してしまうようになるため、該可撓性フラット型平行ケーブルが内部で外装ケース等に衝突してしまう場合があった。これによって、EMIの測定結果にばらつきを生じさせ、場合によってはEMIの測定結果が規格を満たさない虞があった。また、ケーブルを固定する際に、両面テープの保護膜を剥がし、それから両面テープを貼り付ける必要があった。また、回路基板の表面状態により両面テープを貼り付けることができない場合は、表面状態を改善する必要があった。そして、これらにより工数の増加に繋がっていた。
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡易に固定可能であり、長期にわたり固定状態の維持が可能なケーブル固定構造と、及び、当該ケーブル固定構造によって信号ケーブルを固定している電子機器とを提供することにある。
上記目的達成のため、本発明のケーブル固定構造では、電気信号を伝送する信号ケーブルと、前記信号ケーブルを固定する固定部と、を備えたケーブル固定構造であって、前記信号ケーブルもしくは前記固定部の一方に穴を設け、他方に挿入部材を設け、前記穴に前記挿入部材を挿入することによって、前記信号ケーブルを前記固定部に固定することを特徴としている。これにより、信号ケーブルは、構造的に設けた部材によって固定されるので、固定部の状態に左右されずに固定状態を長年にわたって維持することが可能となる。そして、信号ケーブルが、外装ケースを組み立てる際に挟み込まれることを防止することが可能となる。さらに、該信号ケーブルは、穴に挿入部材を挿入するだけで固定することが可能となっているので、信号ケーブルの取り付け工程を簡易化することが可能となり、工数の低減にも繋がる。
また、本発明のケーブル固定構造では、前記穴は、前記信号ケーブルに形成されていることを特徴としている。これにより、本発明のケーブル固定構造は、信号ケーブルに穴が設けられ、固定部に挿入部材が設けられる態様となる。そして、該挿入部材と固定部とを一体に形成することが可能となるので、信号ケーブルを安定した状態で固定部に固定することが可能となる。さらに、外装ケース等に挿入部材を挿入する穴を形成するのが難しい場合でも信号ケーブルを固定することが可能となる。
また、本発明のケーブル固定構造では、前記挿入部材は、前記信号ケーブルの抜け止め構造を備えていることを特徴としている。これにより、穴に挿入部材が挿入された場合、この抜け止め構造によって、上記穴が挿入部材から抜けてしまうことを防止することが可能となる。そのため、この穴に挿入部材を挿入して信号ケーブルを固定した場合、該信号ケーブルは、固定された状態を維持することが可能となり、また、信号ケーブルが振動し、撓んだりした場合にも挿入された状態を維持する可能となる。
また、本発明のケーブル固定構造では、電気信号を伝送する信号ケーブルと、前記信号ケーブルを固定する固定部と、を備えたケーブル固定構造であって、前記信号ケーブルの第1の部分に穴を設け、前記固定部の第1の部分に挿入部材を設け、前記固定部の第2の部分に係止部材を設け、前記信号ケーブルの第1の部分に設けた前記穴を、前記固定部の第1の部分に設けた前記挿入部材に挿入して、前記信号ケーブルの平面方向の動きを規制する第1の固定構造と、前記信号ケーブルの第2の部分を、前記固定部の第2の部分に設けた係止部に係止して、前記信号ケーブルの前記平面方向に対する高さ方向の動きを規制する第2の固定構造と、を備えた事を特徴としている。これにより、2つの固定部によって信号ケーブルは固定されるので、平面方向の撓みや振動が規制されることに加えて上記平面に対する垂直方向への撓みや振動を規制することが可能となる。そのため、信号ケーブルが、振動する電子機器に固定されている場合でも、信号ケーブルの撓みや振動を規制して確実に固定し続けることが可能となっている。
また、本発明のケーブル固定構造では、前記信号ケーブルは、フレキシブルケーブルであることを特徴としている。これにより、本発明のケーブル固定構造は、電子機器の曲面部で使用することが可能となり、また、駆動体と制御部とを連結する信号ケーブルの固定構造としても利用することが可能となる。
また、本発明のケーブル固定構造では、前記フレキシブルケーブルは、フレキシブルフラットケーブルであって、該フレキシブルフラットケーブルの使用していない導線の一部に前記穴を設けたことを特徴としている。これにより、平面形状のフレキシブルフラットケーブルの使用していない信号線部分に直接穴を設けるので、フレキシブルフラットケーブルを上記固定部に平面形状のまま固定することが可能となる。そして、フレキシブルフラットケーブルの各信号線の平行状態を保つことが可能となっているので、電気信号送信のタイミングや、各信号線に発生する磁界による各信号線への影響を、一定にすることが可能となり、上記電気信号の授受のタイミングの精度を高めることが可能となっている。
上記目的達成のため、本発明に係る電子機器では、前記信号ケーブルを備えた電子機器であって、前記各ケーブル固定構造によって、前記信号ケーブルが固定されていることを特徴としている。これにより、上記各作用効果を奏する電子機器を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態として、電子機器の一つであるインクジェット式記録装置に、ケーブル固定構造を使用した態様を、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット式記録装置1(電子機器)の外観構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。図2は、インクジェット式記録装置1の外装ハウジングを取り外した状態を示す斜視図である。先ず、図1、図2を参照して、インクジェット式記録装置1の概略について説明する。
インクジェット式記録装置1は、プリンタ機能に加えてスキャナ機能を有するいわゆる複合機であって、プリンタ機能を有する装置本体3と、該装置本体3の上方に配設されてスキャナ機能を有するスキャナユニット5と、該スキャナユニット5の後方に配設された給送部7と、装置本体3の正面から見て左側部に配設された主制御基板110とを備える。
装置本体3は主としてインクジェット式プリンタとしてのプリンタ機能を備えた本体部であって、この装置本体3の前面側には、排出される被記録媒体(記録用紙)を受ける排出受け部9が配設されている。この排出受け部9は、プリンタ機能の使用時に手前側(図1に示す矢印Aの方向)にほぼ90度回動した状態で記録後の被記録媒体を受けるようにして使用される。
また、インクジェット式記録装置1の上面左側には、インクジェット式記録装置1の操作部に相当する操作パネル11が配設され、スキャナユニット5を使用したスキャニング機能、装置本体3での記録機能、及び、スキャニングした画像を記録する機能等が、この操作パネル11において操作可能である。
次に、給送部7は、図1に示すように、不使用時には給送カバー19によって閉鎖されているが、給送カバー19を後方側へ回動させることにより、給送部7は開放状態となり、そして、所定の角度倒された状態で固定され、媒体サポートとして機能する。
次に、主制御基板110は、図2に示す第1サイドフレーム61の外側に、第1サイドフレーム61と略平行に配置されている。主制御基板110は、図示を省略したIC、トランジスタ、CPU等の電子部品や、複数のコネクタ88a等を主制御基板110の両面に実装している。これらの電子部品やコネクタ88a等は主制御基板110に形成された図示を省略した電気回路を介して接続されている。
また、図2に示すように、主制御基板110において、インクジェット式記録装置1の前面左側に相当する位置にはカードスロット13a、13b、13cが設けられていて、インクジェット式記録装置1の背面に相当する位置には外部機器(例えば、ホストコンピュータ)との接続を可能とするインタフェース部としてのUSBスロット87が設けられている。そして、カードスロット13a、13b、13cは、図1に示すように、インクジェット式記録装置1の前面左側に形成されたスロットカバー14から、図示しない記憶媒体(カード型の半導体メモリ)を着脱自在に装着可能となっている。これにより、インクジェット式記録装置1は、この記憶媒体から画像データを直接読み出し、記録実行用のデータを生成し、当該データに基づいて被記録媒体に記録を行うことも可能に構成されている。
更に、主制御基板110の上方であってインクジェット式記録装置1の上面に相当する位置には、前述した操作パネル11を構成する操作基板11aが配置され、主制御基板110と図示しない信号ケーブルを介して接続されている。
そして、主制御基板110に実装された電子部品から放射される電磁波や、或いは外部から当該電子部品に入射される電磁波を遮蔽する為に、主制御基板110は、図示しない箱形のシールドカバーにより全体が覆われるようになっている。このシールドカバーは、薄板状の金属製シールド部材が箱形に形成されたもので、主制御基板110に、信号ケーブル等を通過させる穴部を除いて、隙間無く配設されている。このシールドカバーは、導電性を有する金属材料で形成されている。
次に、媒体サポートとしても機能する給送カバー19の下方には、図2に示すように、被記録媒体としての記録用紙Pの側端をガイドする固定エッジガイド25と、同様に記録用紙Pの側端をガイドすると共に記録用紙Pの幅寸法に合わせて移動可能な可動エッジガイド21とが設けられている。給送カバー19が開放状態にある時、給送部7には図示しない給送口が形成され、該給送口に収容された記録用紙Pが図示しない送り機構により一枚ずつ給送口から記録部へ送り出されるようになっている。
また、図2に示すように、キャリッジ37の駆動源となるキャリッジモータ89が、第1サイドフレーム61に隣接するように配設されている。キャリッジ37は、キャリッジモータ89に設けられた図示しない駆動プーリと、自由回転可能に設けられた従動プーリとに巻回された無端ベルト48の一部に固定され、キャリッジモータ89の駆動によって主走査方向に往復移動する。
次に、スキャナユニット5は、後方側に設けられた図示しない回動軸を中心に上方(図1に示す矢印Bの方向)へ回動することにより開閉可能な蓋体15を備え、蓋体15の下側にはスキャニングを行う際に対象となる印刷物等を載置する図示しないガラス載置面が形成されている。更に、ガラス載置面の下方には読み取りヘッド69(図2参照)が設けられている。なお、スキャナユニット5は、それ自体が全体として回動軸17を中心に上方(図1に示す矢印Bの方向)へ回動することで装置本体3の上部が開放され、記録部を構成するキャリッジ等の内部機構のメンテナンス作業等を容易に行うことが可能となっている。
次に、読み取りヘッド69は、図2に示す本実施形態の特徴的なケーブル固定構造で固定されているフレキシブル・フラット・ケーブル(以下、「FFC」という)71によって主制御基板110と電気的に連結されている。この読み取りヘッド69は、第1サイドフレーム61側をホームポジションとし(図2に示す状態)、キャリッジ37と同様に、主走査方向に往復移動するように構成されている。FFC71は、読み取りヘッド69のホームポジション側に位置する主制御基板110から第2サイドフレーム63の側へと延び、そして略U字形の形状をなすように折り返して、読み取りヘッド69に接続され、読み取りヘッド69の往復移動に追従して変形するようになっている。次に本実施形態の特徴的なケーブル固定構造について図を用いて詳細に説明する。
図3は、本実施形態のケーブル固定構造によって、FFC71(信号ケーブル)が固定されている状態を示す図である。なお、図3には、ケーブル固定構造が形成された装置本体3の一部と操作パネル11とを、一点鎖線にて示しており、また、主制御基板11、スキャナ読み取りユニット69、FFC71以外の部材は、省略している。
ケーブル固定構造は、図3に示すように、主制御基板110とスキャナユニット5の読み取りヘッド69とを電気的に接続しているFFC71を装置本体3に固定するための固定構造であり、第1固定構造100(第1の固定構造)と、第2固定構造200(第2の固定構造)との二つの固定構造を有している。第1固定構造100は、操作パネル11の裏面に当たる第1構造形成部11b(固定部の第1の部分)に形成されたFFC71を固定するための固定リブ(挿入部材)101を有している。そして、この第1固定構造100は、第1構造形成部11bに形成されている固定リブ101を、FFC71に形成されているケーブル固定穴(穴)713(後述図4参照)に挿入することにより、FFC71を固定する固定構造である。また、第2固定構造200は、装置本体3の内部側面に当たる第2構造形成部3b(固定部の第2の部分)に形成されたFFC71を固定するための係止リブ(係止部材)201a、201bを有している。この第2固定構造200は、第2構造形成部3bに形成されている係止リブ201a、201bにFFC71を差し込むことにより、FFC71を固定する固定構造である。なお、この第1固定構造100と第2固定構造200ついては後述する図を用いて詳細に説明する。
そして、このケーブル固定構造によって固定されたFFC71は、一端が主制御基板110に設けられた基板接続部111と接続され、他端が読み取りヘッド69に設けられたヘッド接続部692と接続される。さらに、FFC71は、読み取りヘッド69の主制御基板110から見て左側部に設けられた貫通孔であるヘッドケーブル支持孔691を通過しており、ヘッドケーブル支持孔691により下部が支持された状態で本実施形態のケーブル固定構造によって固定されている。これにより、FFC71は、読み取りヘッド69が駆動している場合でも、上記ケーブル支持孔691によって支持されている位置より垂れ下がらず、撓まないようになっている。次に、本実施形態のケーブル固定構造によって固定されるFFC71について図4を用いて詳細に説明する。
図4は、FFC71を示す図である。なお、図4では、FFC71のケーブル固定穴713が形成されている端部のみを示し、他端部については図示しない。図4に示すFFC71は、複数の信号線710と接続コネクタ711とによって略構成されており、信号線710を平行に並べて皮膜で覆い、板状にした信号ケーブルのことである。さらに、このFFC71は、自由に折り曲げることが可能な信号ケーブルである。また、FFC71は、信号線710の一部の線をケーブル不使用線部712としており、該ケーブル不使用線部712にケーブル固定穴713が形成されている。
信号線710は、FFC71を構成する信号線であり、該FFC71では、複数平行に並べられた状態で皮膜によって覆われ、板状に形成されている。そして、信号線710は、主制御基板110と読み取りヘッド69との間の電気信号の授受を行うための電気的経路として使用される。この信号線710の両端部は、接続コネクタ711と接続している。
接続コネクタ711は、信号線710の両端部に接続された略直方体形状の接続部材であり、全ての信号線710が接続されている。そして、この接続コネクタ711は、図3に示すように、読み取りヘッド接続部692や基板接続部111に差し込むための接続部材である。この接続コネクタ711を差し込むことによりFFC71は、読み取りヘッド69と主操作基板110とを、電気的に接続している。
ケーブル不使用線部712は、信号線710の一部の線で、電気信号の授受に使用しない信号線の事である。そのため、ケーブル不使用線部712は、電気信号の授受には使用されず、また、読み取りヘッド69と主制御基板110は、このケーブル不使用線部712の信号線を使用せずに、読み取りヘッド69の駆動を行うことが可能な態様となっている。そして、このケーブル不使用線部712には、ケーブル固定穴713が形成されている。
なお、このケーブル不使用線部712の信号線の数は、本実施形態では2本としているが、これに限定するものではない。例えばケーブル不使用線部の信号線は、1本でも、3本以上でも構わない。
ケーブル固定穴713は、ケーブル不使用線部712上に直接開けられ、形成された略矩形状の穴である。このケーブル固定穴713は、固定リブ101が挿入されるための穴であり、このケーブル固定穴713に、固定リブ101が挿入されることにより、FFC71を第1構造形成部11bに固定することが可能となっている。また、このケーブル固定穴713は、穴形状が固定リブ101の底面形状より、僅かに大きい形状をしていることを特徴としている。これにより、ケーブル固定穴713が固定リブ101へと挿入された場合、該固定リブ101とケーブル固定穴713との間の隙間が小さくなり、第1構造形成部11bに固定されたFFC71の振動を規制する際に効果がある。次に、固定リブ101について、図5を用いて詳細に説明する。
図5(A)は図3に示す固定リブ101を、拡大して側面から見た図であり、図5(B)は、図5(A)に示す固定リブ101の側面図である。図に示すように、固定リブ101は、第1構造形成部11bに形成された略直方体形状の挿入部材であり、第1構造形成部11bから突き出すように一体に形成されている。また、固定リブ101は、面取りが施されており、該固定リブ101がFFC71のケーブル固定穴713に挿入する際に、固定リブ101にケーブル固定穴713が引っかからないようになっている。また、固定リブ101は、底面形状が、上述したようにケーブル固定穴713より僅かに小さい形状となっている。
また、固定リブ101は、直方体の中央が僅かに凹んだ鼓状となっている。そして、この固定リブ101の先端部は、その頂面が、ケーブル固定穴713より僅かに大きい形状となっている。そのため、この固定リブ101の先端部は、該固定リブ101にFFC71が挿入されて固定された状態時に、該FFC71が抜けるのを防ぐための抜け止め構造として作用する。そして、本実施形態では、固定リブ101の先端部を抜け止め部(抜け止め構造)102としている。
なお、本実施形態では固定リブ101は、直方体の中央が僅かに凹んだ鼓状となっていたが、この形状でなくても構わない。例えば固定リブ101は、抜け止め部102のない直方体でも棒状でも構わない。次に、第1固定構造100を使用したFFC71の特徴的な固定態様について図5、図6を用いて詳細に説明する。
図6(A)は、図1に示す操作パネル11を裏返し、第1構造形成部11bを上から見た時の図であり、図6(B)は、FFC71が固定リブ101に挿入されて固定されている状態の図である。図6(A)に示すように、第1固定構造100は、FFC71のケーブル固定穴713に、第1構造形成部11bに形成された固定リブ101が挿入されることによって、FFC71を第1構造形成部11bに固定する固定構造である。上述したように、固定リブ101は、その底面形状がケーブル固定穴713とより僅かに小さく、掛け止め部102では、頂面の形状がケーブル固定穴713より僅かに大きくなっている。そのため、図6(B)に示すように、第1固定構造100は、FFC71が、ケーブル固定穴713に固定リブ101を挿入されて固定された場合、FFC71を固定リブ101に、該FFC71の平面形状を保ったまま、第1構造形成部11bに平面が接した状態で固定することが可能となっている。さらに、掛け止め部102が、ケーブル固定穴713より大きいので、外力などの負荷によりFFC71が撓んだりした場合でも、固定リブ101より抜け落ちてしまうことを防ぐことが可能となっている。
また、第1固定構造100は、FFC71を固定している場合、図6(B)に示すように固定リブ101がケーブル固定穴713と当接して、FFC71のX1、X2方向、Y1、Y2方向への振動を規制することが可能となっている。そのため、FFC71の該FFC71平面上でのほぼ全ての、例えば、FFC71がX1、X2方向とY1、Y2方向との双方に同時に振動しても、その振動を規制することが可能となっている。次に、第2固定構造200の係止リブ201a、201bについて図7を用いて詳細に説明する。
図7(A)は、図3に示す第2構造形成部3bを主制御基板110側から見た図であり、図7(B)は、図7(A)に示す矢視Q−Q線図である。また、図7(A)、図7(B)は、本実施形態の第2固定構造200を構成する部材のみを抜きだして図示した図であり、主制御基板100等の部材は省略している。
本実施形態の第2固定構造200の係止リブ201a、201bは、装置本体3の内部側面にある第2構造形成部3bに二つ形成された係止部材であり、装置本体3と一体に形成されている。そして、図7(B)に示すように、係止リブ201a、201bは、直方体状の部材の一部が切り取られたL字状の部材である。また、係止リブ201a、201bは、L字の縦棒部分と第2構造形成部3bとが当接せず、係止リブ201a、201bのL字の縦棒部分と第2構造形成部3bとの間に平行な隙間を形成することが可能な態様で形成されている。そして、第2固定構造200では、上述する隙間にFFC71を挿入して係止し、その状態でFFC71を固定ことが可能となっている。また、上述する隙間は、FFC71の約2枚分の厚さになるように形成されており、FFC71は、平面形状を保った状態でFFC71の平面を第2構造形成部3bに当接して、固定されることが可能な態様となっている。
係止リブ201aは、L字状の係止部材であり、図7(A)に示すように第2構造形成部3bの上部、USBスロット87(図2参照)の近傍に形成されている。また、係止リブ201aは、図7(B)に示すように、係止リブ201aのL字の縦棒の部分と第2構造形成部3bとで形成する隙間に、FFC71が装置本体3の下方側(図3参照)から挿入可能となるように形成されている。さらに、係止リブ201aは、装置本体3の図示しない底面に対して垂直になるように形成されている。
係止リブ201bは、L字状の係止部材であり、図7(A)に示すように第2構造形成部3bのほぼ中央、円盤状スケール77の上方(図2参照)に形成されている。また、係止リブ201bは、図7(B)に示すように、係止リブ201aのL字の縦棒の部分と第2構造形成部3bとで形成する隙間に、FFC71が装置本体3の上方側(図3参照)から挿入可能となるように形成されている。さらに、係止リブ201aは、装置本体3の図示しない底面に対して垂直になるように形成されている。
なお、本実施形態では係止リブ201a、201bは、L字状の部材で、二つ形成されており、装置本体3の底面に対して垂直に形成されている態様となっているが、この態様は本実施形態の第2固定構造200を限定するものではない。例えば、本実施形態の第2固定構造の係止リブは、1つでも、また、3つ以上あっても構わないし、形状もL字ではなく、C字でもV字でもU字でも構わない。また、係止リブは、装置本体の底面に対して垂直に取り付けられていたが、これも底面に対して1〜180度までの間で角度を与えて取り付けても構わない。また、係止リブ201a、201bと第2構造形成部3bとが形成する隙間は、本実施形態ではFFC71の2枚分の厚さとしてが、これも、別に何枚分の隙間でも構わない。例えば、1枚でも良いし、3枚以上でも良い。次に、第2固定構造200での、FFC71の固定態様について図8を用いて説明する。
図8(A)は、係止リブ201a、201bを使用してFFC71を固定した図であり、図8(B)は、図8(A)の側面図である。また、図8(A)、図8(B)は、図7同様、第2固定構造200を構成する部材とFFC71のみを抜きだして図示した図である。図8(A)、図8(B)に示すように、第2固定構造200は、係止リブ201a、201bと第2構造形成部3bとで形成した隙間に、FFC71を差し込むことによって該FFC71を係止し、固定する固定構造である。まず、FFC71のケーブル固定穴713が形成されていない部分を、係止リブ201aと第2構造形成部3bとの間にある隙間に、下方側から挿入する。次に、FFC71のケーブル固定穴713が形成されていない部分を、係止リブ201bと第2構造形成部3bとの間にある隙間に、上方側から挿入する。
そして、FFC71の平面は、第2構造形成部3bと係止リブ201a、201bのL字状の縦棒部分とで当接し、FFC71の側部は係止リブ201a、201bのL字状の下棒部分とで当接する。これにより、第2固定構造200では、図8(B)に示すY1、Y2方向へのFFC71の振動を、係止リブ201a、201bのL字状の縦棒部分と第2構造形成部3bとで規制することが可能となっている。そして、図8(A)に示すZ1、Z2方向へのFFC71の振動を、係止リブ201a、201bのL字状の下棒部分で規制することが可能となっている。よって、第2固定構造200は、第2構造形成部3bにFFC71を係止して固定することが可能となっている。次に、本実施形態のケーブル固定構造について図9を用いて説明する。
図9は、第1固定構造100と、第2固定構造200とを備えた本実施形態のケーブル固定構造を主制御基板110側から見た斜視図である。なお、図9は、第1固定構造100と第2固定構造200を構成する部材のみを抜き出して図示した斜視図であり、他の部材については省略している。
本実施形態のケーブル固定構造は、第1固定構造100と、第2固定構造200とを備え、この二つの固定構造によりFFC71を第1構造形成部11bと、第2構造形成部3bに固定する固定構造である。そして、このケーブル固定構造は、第1固定構造100で、図9に示すX1、X2方向、Y1、Y2方向へのFFC71の振動を規制し、第2固定構造200で、図9に示すY1、Y2方向、Z1、Z2方向へのFFC71の振動を規制することが可能となっている。これにより、本実施形態のケーブル固定構造は、第1固定構造100と、第2固定構造200という二つの固定構造を備えることによって、FFC71の全方位への振動を規制した状態で、FFC71を固定することが可能となっている。さらに、第1固定構造100の固定リブ101に掛け止め部102が形成されているため、FFC71が大きく撓んだ場合でも、FFC71の固定状態を維持することが可能となっている。そのため、図3に示すスキャナユニット5の読み取りヘッド69が駆動した場合にも、該読み取りヘッド69による振動を規制し、FFC71の撓みによる固定リブ101から抜けることを防止することが可能となっている。
以上、上述した各構成を備えた本実施形態のケーブル固定構造は、スキャナユニット5の読み取りヘッド69(図2参照)のような駆動する装置と主制御基板110(図2参照)とを接続するFFC71を、装置の駆動による振動や撓みを規制した状態で固定しておくことが可能となっている。これにより、複数の電気信号の授受を同時に行う必要のある駆動装置と制御基板とを接続する信号ケーブルの固定方法として使用することが可能となっている。
さらに、本実施形態のケーブル固定構造では、折り曲げ自在なFFC(フレキシブルフラットケーブル)71を固定することが可能となっている。そのため、FFC71の平面をインクジェット式記録装置1の内壁面に当接させて固定することが可能となっている。これにより、狭いスペースでも、FFC71を引き回して固定することが可能となっており、インクジェット式記録装置1の小型化に貢献することが可能となる。
また、本実施形態のケーブル固定構造では、FFC71は、信号線710の一部をケーブル不使用線部712として、該ケーブル不使用線部712に固定リブ101の底面形状より僅かに大きいケーブル固定穴713を形成している。これにより、FFC71を第1構造形成部11bに平面形状を保ったまま、固定することが可能となっている。これにより、FFC71は、信号線710のそれぞれの距離を均一に保つことが可能となり、さらにFFC71の各信号線に発生する磁界が、他の各信号線に与える影響を一定にすることが可能となる。そのため、電気信号の授受のタイミングを一定に保つことが可能となっている。
また、本実施形態のケーブル固定構造では、本実施形態のケーブル固定構造では、第1構造形成部11b、第2構造形成部3bに一体に形成された固定リブ101、係止リブ201a、201bによってFFC71を固定している。これにより、FFC71の振動を規制するだけではなく、FFC71の振動によってFFC71が外れることを防止することが可能となっている。そのため、従来のようにFFC71を両面テープで内壁面に貼り付けて固定する場合に比べて、振動や、経年変化によってFFC71の固定状態が変化することを防止することが可能となる。
また、本実施形態のケーブル固定構造では、固定リブ101にケーブル固定穴713を挿入させ、係止リブ201a、201bにFFC71を挿入することによって、該FFC71を固定することが可能となっている。そのため、FFC71を両面テープで貼り付けて固定する場合に比べて、簡易に固定することが可能であり、両面テープ分のコスト低減、両面テープの保護紙を剥がして貼り付けるという工数の削減を行うことが可能となっている。
さらに、本実施形態のケーブル固定構造では、両面テープのように表面状態が接着に適さない場合に改善する必要があるが、本実施形態のケーブル固定構造は、固定部の表面状態によって固定できないという事が無いので、表面形状の改善を行う必要がない。これにより、表面状態を改善するための工数を削減することが可能となっている。
そして、本実施形態のケーブル固定構造では、上記固定リブ101、係止リブ201a、201bがそれぞれ第1構造形成部11b、第2構造形成部3bと一体に形成されていることから、金型による一体成型によって形成することが可能となっており、量産品などに使用する場合は、コストを削減することも可能となる。
さらに、本実施形態のケーブル固定構造を使用したインクジェット式記録装置1は、装置本体3や操作パネル11を組み立てる前に、FFC71を第1固定構造100、第2固定構造200によって固定して、それから装置本体3や操作パネル11の組み立てを行う。そのため、組み立て途中にFFC71が外れてしまう虞がなく、よって該FFC71を、装置本体3や操作パネル11等の外装ケースによって挟み込む虞を低減することが可能となっている。
また、本実施形態のケーブル固定構造は、FFC71の振動によって、第1固定構造100、第2固定構造200からFFC71が外れることを防止しているので、EMI等の試験でも、FFC71が外れてしまい、該FFC71の振動による試験結果への悪影響を低減することが可能となっている。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、第2の実施形態では、ケーブル固定構造の第1の実施形態とは異なる、本実施形態の特徴的な部分である第1固定構造1100に係る部分についてのみ説明するものとする。また、上述した第1の実施形態と重複する構成については、同一番号を付し説明を省略する。まず、第2の実施形態のケーブル固定構造によって固定されるFFC1071について図10を用いて説明する。
図10は、第2の実施形態のケーブル固定構造によって固定されるFFC1071(信号ケーブル)を示す図である。なお、図10に示すFFC1071は、第1構造形成部1100(第1の固定構造)によって固定されるFFC1071のケーブル固定穴1713が形成されている端部のみを示し、他端部については図示しない。図10に示すFFC1071は、複数の信号線1710と接続コネクタ1711とによって略構成されており、信号線1710を平行に並べて皮膜で覆い、板状にした信号ケーブルのことである。さらに、このFFC1071は、自由に折り曲げることが可能な信号ケーブルである。また、FFC1071は、該FFC1071の一部をスリット形成部1712(信号ケーブルの第1の部分)としており、該スリット形成部1712にケーブル固定スリット1713(穴)が形成されている。
信号線1710は、FFC1071を構成する信号線であり、該FFC1071では、複数平行に並べられた状態で皮膜によって覆われ、板状に形成されている。そして、信号線1710は、図3に示す主制御基板110と読み取りヘッド69との間の電気信号の授受を行うための電気的経路として使用される。この信号線1710の両端部は、接続コネクタ1711と接続している。
接続コネクタ1711は、信号線1710の両端部に接続された略直方体形状の接続部材であり、全ての信号線1710が接続されている。そして、この接続コネクタ1711は、図3に示すように、読み取りヘッド接続部692や基板接続部111に差し込むための接続部材である。この接続コネクタ1711を差し込むことによりFFC1071は、読み取りヘッド69と主操作基板110とを、電気的に接続している。
スリット形成部1712は、FFC1071の一部分で、信号線1710と信号線1710の間にあるケーブル固定スリット1713が形成されている皮膜の部分である。このスリット形成部1712に形成されている後述するケーブル固定スリット1713は、スリット形成部1712に隣接している信号線1710が電気信号の授受に使用可能となる態様で形成されている。
ケーブル固定スリット1713は、スリット形成部1712上に形成されたスリットである。このケーブル固定スリット1713は、固定リブ(挿入部材)1101(後述する図11)が挿入されるためのスリットであり、このケーブル固定スリット1713に、固定リブ1101が挿入されることにより、FFC1071を第1構造形成部1011bに固定することが可能となっている。また、このケーブル固定スリット1713は、固定リブ1101のリブ本体1102(後述する図11参照)が挿入可能な大きさとなっており、おかつリブ本体1102の底部に対して、ややきつく挿入される大きさに形成されている。次に、固定リブ1101について、図11を用いて詳細に説明する。
図11(A)は、固定リブ1101を拡大して側面から見た図であり、図11(B)は、図11(A)に示す固定リブ1101の側面図である。なお、図11(A)、図11(B)は、固定リブ1101の断面形状を説明するために、一点鎖線F−Fで該挿入部1101の一部を切り取ってあり、図11(B)は、F−F断面図である。
図に示すように、固定リブ1101は、第1構造形成部1011bに形成された略長屋状の挿入部材であり、第1構造形成部1011bから突き出すように一体に形成されている。この固定リブ1101は、リブ本体1102と、屋根部1103(掛け止め構造)とによって略構成されており、該屋根部1103には、当接部1104が形成されている。
リブ本体1102は、FFC1071のケーブル固定スリット1713に挿入され、FFC1071と直接当接して該FFC1071を第1構造形成部1011bに固定する為の固定部材である。このリブ本体1102は、平面の断面形状が第1構造形成部1011bから、リブ本体1102の先端に向けて小さくなるように形成されている。また、リブ本体1102は、底部の形状がケーブル固定スリット1713に挿入した際に、ややきつく挿入される大きさに形成されている。これにより、固定リブ1101がケーブル固定スリット1713に挿入された場合、固定リブ1101の底部で、FFC1071が固定される態様となっている。また、リブ本体1102は、先端部に屋根部1103が形成されている。
屋根部1103は、図11(B)に示すように、本体リブ1102の先端部に一体に形成された長屋の屋根状の部材であり、該本体リブ1102がケーブル固定スリット1713に挿入された際に、リブ本体1102からFFC1071が抜けるのを防ぐための抜け止め構造である。この屋根部1103は、部材の周囲に面取りが施されており、ケーブル固定スリッド1713に挿入される際に、屋根部1103の角にケーブル固定スリット1713が引っかからないようになっている。また、この屋根部1103は、弾性変形可能に形成されており、該屋根部1103に対してリブ本体1102側へと押す力が働くと、該挿入本体部1102側に撓む態様となっている。そして、屋根部1103の先端には、当接部1104が形成されている。
当接部1104は、屋根部1103の先端に該屋根部1103と一体に形成された逆鉤状の部材である。この当接部1104は、FFC1071がリブ本体1102に挿入されて固定される場合、FFC1071の平面で当接して屋根部1103の抜け止めを補助する補助部材である。また、この当接部1104は、屋根部1103がリブ本体1102側へと押されて撓んだ際に、リブ本体1102と当接して屋根部1103の撓み量を規制するための部材でもある。そのため、当接部1104の、FFC1071と当接する面は、第1構造形成部1011bに対して平行となるように形成されている。次に、第1固定構造1100を使用したFFC1071の固定態様について図12を用いて詳細に説明する。
図12(A)は、図1に示す操作パネル11を裏返し、第1構造形成部1011bを上から見た時の図であり、図12(B)は、挿入部1101がケーブル固定スリット1713に挿入される時の図であり、図12(C)は、FFC1071が挿入部1101に挿入されて固定されている状態の図である。図12(A)に示すように、第1固定構造1100は、FFC1071のケーブル固定スリット1713に、第1構造形成部1011bに形成された固定リブ1101が挿入されることによって、FFC1071を第1構造形成部1011bに固定する固定構造である。
この第1固定構造1100では、まず、図12(B)に示すように、FFC1071のケーブル固定スリッド1713にX3、X4方向へと張力を与える。すると、FFC1071は、フレキシブルフラットケーブルなので大きく変形し、それに伴ってケーブル固定スリッド1713も張力を与えられた方向へと拡張する。この状態のケーブル固定スリット1713が、固定リブ1101へと挿入される。
次に、屋根部1103は、挿入本体部1102側へ押す力が与えられると、該挿入本体部1102側へと撓む態様となっている。よって、上述した拡張した状態のケーブル固定スリット1713が、固定リブ1101へと挿入される際に屋根部1103に当接した場合、該屋根部1103は、リブ本体1102側へと押す力がケーブル固定スリット1713から与えられリブ本体1102側へと撓む。これにより、第1固定構造1100の固定リブ1101は、FFC1017が挿入しやすい態様へと変化することが可能となっている。そのため、ケーブル固定スリット1713が小さくても、固定リブ1101へと挿入してFFC1071を固定することが可能となっている。
そして、図12(C)に示すように、FFC1071のケーブル固定スリット1713をリブ本体1102の底部まで挿入し固定した場合、ケーブル固定スリット1713から屋根部1103に与えられていた押す力が無くなるので、該屋根部1103は、リブ本体1102から離間するように動き、図11(B)に示す通常状態へと戻る。そのため、FFC1071を、ケーブル固定スリット1713に固定リブ1101に挿入して第1構造形成部1011bへと固定した状態では、屋根部1103の先端部に形成された当接部1104が、FFC1071と当接する態様となっている。これにより、固定リブ1101は、FFC71が外力などにより撓んだり振動した場合でも、当接部1104がFFC1071と当接して撓みや振動を規制するため、FFC1071が固定リブ1101より抜け落ちてしまうことを防ぐことが可能となっている。
また、第1固定構造1100は、FFC1071を固定している場合、図12(C)に示すように、固定リブ1101がケーブル固定スリット1713と当接して、FFC1071のX3、X4方向、Y3、Y4方向への振動を規制することが可能となっている。
そのため、FFC1071の該FFC1071平面上でのほぼ全ての、例えば、FFC1071がX3、X4方向とY3、Y4方向との双方に同時に振動しても、その振動を規制することが可能となっている。さらに、FFC1071の平面部と屋根部1103の先端部に形成された当接部1104とが当接するので、図12(C)に示すZ3方向へのFFC1071の撓みと振動を規制することが可能となっている。
上述した第1固定構造1100と、第1の実施形態の第2固定構造200と同様の固定構造を備えることにより、第2の実施形態のケーブル固定構造では、第1の実施形態と同等の効果を得ることが可能となる。さらに、第2の実施形態では、FFC1071に穴ではなくケーブル固定スリット1713を形成し、該ケーブル固定スリット1713を固定リブ1101に挿入することによりFFC1071を固定しているため、ケーブル不使用線部712を必要としない。このため、FFC1071の全ての信号線1710を使用することが可能となる。
上述したように、本発明のケーブル固定構造の第1の実施形態と第2の実施形態では、それぞれに特長があり、求める仕様により第1固定構造100、1100のどちらの固定構造を使用するか、選択することが可能である。
なお、第2の本実施形態では、屋根部1103は、撓む態様となっていたが、この屋根部の中空部分を排除し、略三角柱の部材として、FFCのスリットを撓ませて挿入し、FFCを固定しても構わない。また、第2の実施形態では屋根部1103は、リブ本体1102に一体に形成されていたが、本実施形態のケーブル固定構造では、屋根部は、リブ本体に一体に形成していなくも構わない。例えば、リブ本体を円筒形に部材とし、該リブ本体の先端に屋根部を回動可能に取り付けても構わない。
さらに、本実施形態のケーブル固定構造は、スキャナユニットの読み取りヘッドと主制御基板とを連結しているFFCを固定していたが、本実施形態のケーブル固定構造は、この態様に限定されるものではない。例えば、モータのような駆動源と主制御基板を接続する信号ケーブルを固定するのに用いてもよい。また、装置の底面に信号ケーブルを固定する場合、装置の底面に固定リブを設けて、該固定リブに信号ケーブルを固定してもよい。
また、本実施形態のケーブル固定構造では、第1固定構造は、FFCに直接穴を設け、第1構造形成部に挿入部材を設けていたが、本発明の第1固定構造は、この態様に限定されない。例えば、FFCに穴を有する装着部材を装着し、第1構造形成部の挿入部に挿入することによって、該FFCを固定する第1固定構造でも構わない。また、固定部に穴を設け、挿入部を有する装着部材をFFCに取り付けることによって、該FFCを固定する第1固定構造でも構わない。
さらに、本実施形態のケーブル固定構造では、第1固定構造は、FFCを第1構造形成部に接触されることによってFFCを固定していたが、本発明の第1固定構造は、この態様に限定されない。例えば、FFCを第1構造形成部に設けた挿入部の先端部のみに、ケーブル固定穴等を挿入し、FFCを固定する構造でも構わない。この場合、第1構造形成部に設けた挿入部の近傍に基板等を配置することが可能となり、装置本体の小型化に効果がある。
また、本実施形態のケーブル固定構造では、固定する信号ケーブルもFFCに限定するものではなく、通常の信号ケーブルや、フラットケーブルでも固定することが可能となっている。例えば、通常の信号ケーブルの場合は、ケーブルの中間に二股に分かれた穴部を作成し、そこに挿入部を挿入して信号ケーブルを固定しても構わない。
以上、本発明の実施形態1、2について説明したが、本発明のケーブル固定構造では、電気信号を伝送するFFC71、1071と、上記FFC71、1071を固定する第1構造形成部11b、1011bと、を備えたケーブル固定構造であって、上記FFC71、1071もしくは上記第1構造形成部11b、1011bの一方にケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713を設け、他方に固定リブ101、1101を設け、上記ケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713に上記固定リブ101、1101を挿入することによって、上記FFC71、1071を上記1構造形成部11b、1011bに固定することを特徴としている。これにより、FFC71、1071は、構造的に設けた固定リブ101、1101によって固定されるので、第1構造形成部11b、1011bの状態に左右されずに固定状態を長年にわたって維持することが可能となる。そして、FFC71、1071が、装置本体3を組み立てる際に挟み込まれることを防止することが可能となる。さらに、該FFC71、1071は、ケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713に固定リブ101、1101を挿入するだけで固定することが可能となっているので、FFC71、1071の取り付け工程を簡易化することが可能となり、工数の低減にも繋がる。
また、本発明のケーブル固定構造では、上記ケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713は、上記FFC71、1071に形成されていることを特徴としている。これにより、本発明のケーブル固定構造は、FFC71、1071にケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713が設けられ、第1構造形成部11b、1011bに固定リブ101、1011が設けられる態様となる。そして、該固定リブ101、1101と第1構造形成部11b、1011bとを一体に形成することが可能となるので、FFC71、1071を安定した状態で第1構造形成部11b、1011bに固定することが可能となる。さらに、操作パネル11、1011等の外装ケースにケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713を形成して固定リブ101、1101を挿入するのが難しい場合でもFFC71、1071を固定することが可能となる。
また、本発明のケーブル固定構造では、上記固定リブ101、1101は、上記FFC71、1071の逆止部102、屋根部1103を備えていることを特徴としている。これにより、ケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713に固定リブ101、1101が挿入された場合に、この抜け止め部102、屋根部1103によって、上記ケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713が上記固定リブ101、1101から抜けてしまうことを防止することが可能となる。そのため、このケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713に固定リブ101、1101を挿入してFFC71、1071を固定した場合、該FFC71、1071は、固定された状態を維持することが可能となり、また、FFC71、1071が振動し、撓んだりした場合にも挿入された状態を維持する可能となる。
また、本発明のケーブル固定構造では、電気信号を伝送するFFC71、1071と、上記FFC71、1071を固定する第1構造形成部11b、1011b、第2構造形成部3bと、を備えたケーブル固定構造であって、上記FFC71、1071のケーブル不使用線部712、スリット形成部1712にケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713を設け、上記第1構造形成部11b、1011bに固定リブ101、1101を設け、上記第2構造形成部3bに係止部201a、201bを設け、上記FFC71、1071のケーブル不使用線部712、スリット形成部1712に設けた上記ケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713を、上記第1構造形成部11b、1011bに設けた上記固定リブ101、1101に挿入して、上記FFC71、1071の平面方向の動きを規制する第1固定構造100と、上記FFC71、1071のケーブル固定穴713、ケーブル固定スリット1713が形成されていない部分を、上記第2構造形成部3bに設けた係止部201a、201bに係止して、上記FFC71、1071の上記平面方向に対する高さ方向の動きを規制する第2固定構造200と、を備えた事を特徴としている。これにより、第1構造形成部11b、1011bと第2構造形成部3bとによってFFC71、1071は固定されるので、平面方向の撓みや振動が規制されることに加えて上記平面に対する垂直方向への撓みや振動を規制することが可能となる。そのため、FFC71、1071が振動する駆動体を有するインクジェット式記録装置1に固定されている場合でも、FFC71、1071の撓みや振動を規制して確実に固定し続けることが可能となっている。
上記目的達成のため、本発明に係るインクジェット式記録装置1では、上記FFC71、1071を備えたインクジェット式記録装置1であって、上記第1固定構造100、1100、第2固定構造200によって、上記FFC71、1071が固定されていることを特徴としている。これにより、上記各作用効果を奏するインクジェット式記録装置1を提供することが可能となる。
信号ケーブルを備えた電子機器であれば、例えばファクシミリ装置、コピー装置、であっても適用可能である。また、記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を液体噴射ヘッドから被噴射媒体に噴射して液体を被噴射媒体に付着させる液体噴射装置の意味として、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等を備えた装置にも適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る電子機器の1つであるインクジェット式記録装置の外観構成の全体を示す斜視図である。 図1のインクジェット式記録装置の内部構造を示す斜視図である。 読み取りヘッドと主制御基盤を連結するFFCの固定態様を示す斜視図である。 ケーブル固定穴が形成されたFFCを示す斜視図である。 第1構造形成部の挿入部を示す拡大図である。 第1固定構造の態様を操作パネルの裏側からみた斜視図である。 第2構造形成部の係止部を示す拡大図である。 第2固定構造の態様を主制御基板から見たときの拡大図である。 本発明の特徴的なケーブル固定構造を示す斜視図である。 第2の実施形態のFFCのケーブル固定スリットを示す拡大斜視図である。 第2の実施形態の、第1構造形成部の挿入部を示す拡大側面図である 第2の実施形態の、第1固定構造の態様を操作パネルの裏側からみた斜視図である。
符号の説明
1 インクジェット式記録装置(電子機器)、3 装置本体、3b 第2構造形成部(固定部の第2の部分)、4 キャリッジ、5 スキャナユニット、7 給送部、9 排出受け部、11 操作パネル、11a 操作基板、11b 第1構造形成部(固定部の第1の部分)、13a、13b、13c カードスロット、14 スロットカバー、14a カバー装着部、15 蓋体、17 回動軸、19 給送カバー、21 可動エッジガイド、25 固定エッジガイド、27 給送口、34 インクカートリッジ、35 記録ヘッド、37 キャリッジ、38 キャリッジガイド軸、48 キャリッジベルト、61 第1サイドフレーム、63 第2サイドフレーム、69 読み取りヘッド、691 ヘッドケーブル支持穴、692 ヘッド接続部、71 フレキシブルフラットケーブル(FFC)(信号ケーブル)、710 信号線、711 接続コネクタ、712 ケーブル不使用線部(信号ケーブルの第1の部分)、713 ケーブル固定穴(穴)、75 検出部、77 円盤状スケール、83 伝達歯車、85 ピニオン歯車、87 USBスロット、88a コネクタ、89 キャリッジモータ、100 第1固定構造(第1の固定構造)、101 固定リブ(挿入部材)、102 掛け止め部(掛け止め構造)、110 主制御基板、111 基板接続部、200 第2固定構造(第2の固定構造)、201a、201b 係止リブ(係止部材)、1011b 第1構造形成部(固定部の第1の部分)、1100 第1固定構造(第1の固定構造)、1101 固定リブ(挿入部材)、1102 リブ本体、1103 屋根部(掛け止め構造)、1104 当接部、1071 フレキシブルフラットケーブル(FFC)(信号ケーブル)、1710 信号線、1711 接続コネクタ、1712 スリット形成部(信号ケーブルの第1の部分)、1713 ケーブル固定スリット(穴)、P 記録用紙

Claims (7)

  1. 電気信号を伝送する信号ケーブルと、
    前記信号ケーブルを固定する固定部と、
    を備えたケーブル固定構造であって、
    前記信号ケーブルもしくは前記固定部の一方に穴を設け、
    他方に挿入部材を設け、
    前記穴に前記挿入部材を挿入することによって、前記信号ケーブルを前記固定部に固定することを特徴とするケーブル固定構造。
  2. 前記穴は、前記信号ケーブルに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル固定構造。
  3. 前記挿入部材は、前記信号ケーブルの抜け止め構造を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル固定構造。
  4. 電気信号を伝送する信号ケーブルと、
    前記信号ケーブルを固定する固定部と、
    を備えたケーブル固定構造であって、
    前記信号ケーブルの第1の部分に穴を設け、
    前記固定部の第1の部分に挿入部材を設け、
    前記固定部の第2の部分に係止部材を設け、
    前記信号ケーブルの第1の部分に設けた前記穴を、前記固定部の第1の部分に設けた前記挿入部材に挿入して、前記信号ケーブルの平面方向の動きを規制する第1の固定構造と、
    前記信号ケーブルの第2の部分を、前記固定部の第2の部分に設けた係止部に係止して、前記信号ケーブルの前記平面方向に対する高さ方向の動きを規制する第2の固定構造と、を備えた事を特徴とするケーブル固定構造。
  5. 前記信号ケーブルは、フレキシブルケーブルであることを特徴とする請求項1乃至4に記載のケーブル固定構造。
  6. 前記フレキシブルケーブルは、フレキシブルフラットケーブルであって、
    該フレキシブルフラットケーブルの使用していない導線の一部に前記穴を設けたことを特徴とする請求項5に記載のケーブル固定構造。
  7. 前記信号ケーブルを備えた電子機器であって、
    請求項1乃至6に記載のケーブル固定構造によって、前記信号ケーブルが固定されていることを特徴とする電子機器。
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