JP2006278500A - 点火コイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】点火コイル1は、同心円状に巻回した1次コイル21及び2次コイル22と、2次コイル22の内周側に配設された中心コア4と、1次コイル21の外周側に配設された外周コア23とを備えた円筒部2と、円筒部2の先端部201に形成したスパークプラグを取り付けるためのプラグ取付部711とを有してなる。円筒部2の後端部202には、中心コア4が外周コア23よりも軸方向に後退して両者に径方向の重なりがない非重合領域60が形成されており、非重合領域60の少なくとも一部を外周側から覆うように軟磁性材料よりなるサイドプレート61が配設されている。
【選択図】図1
Description
そこで、上記の問題を解決するために、磁束の漏洩を抑制する様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、未だ磁束の漏洩を効果的に抑制する方法は見出されていない。
上記円筒部の後端部には、上記中心コアが上記外周コアよりも軸方向に後退して両者に径方向の重なりがない非重合領域が形成されており、該非重合領域の少なくとも一部を外周側から覆うように軟磁性材料よりなるサイドプレートが配設されていることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
この場合には、上記サイドプレートに加えて上記アッパープレートによっても、上記円筒部の後端部における磁束の漏洩を抑制することができる。そのため、上記1次コイルによって発生した磁束は、上記中心コア、上記外周コア、上記サイドプレート及び上記アッパープレートを含んで形成される磁気回路を効率よく通過することができ、磁束の漏洩量はさらに大きく低減される。
この場合には、上記屈曲端部が上記アッパープレートと同様の役割を果たす。つまり、上記屈曲端部は、上記円筒部の後端部における磁束の漏洩を抑制することができる。
この場合には、上記中心コアと上記サイドプレートとの間において、磁束をより円滑に流通させることができると共に、磁束の漏洩をさらに抑制することができる。
なお、後述するように、上記中心コアの軸方向両端に永久磁石が配設されている場合には、上記屈曲端部は、その内周端が上記永久磁石の側面に対向していることが好ましい。
この場合には、上記中心コアと上記サイドプレートとの間の電気的な絶縁性を確保することができる。
上記対向間隔が1mm未満の場合には、上記サイドプレートに電圧が帯電してしまうおそれがある。
なお、後述するように、上記中心コアの軸方向両端に永久磁石が配設されている場合には、上記永久磁石の側面と上記屈曲端部との間の対向間隔が1mm以上であることが好ましい。
この場合には、上記中心コアと上記サイドプレートとの間において、磁束を円滑に流通させる効果、及び磁束の漏洩を抑制する効果を充分に得ることができる。
上記対向間隔が3mmを超える場合には、上記の効果を充分に得ることができないおそれがある。そのため、より確実に上記の効果を得るためには、上記対向間隔が2mm以下であることがより好ましい。
このとき、上記永久磁石は、上記1次コイルによって発生する磁束と逆方向の磁束が発生するような向きで配設する。
この場合には、上記永久磁石が発生する磁束によって逆バイアスをかけることができる。そのため、上記2次コイルに生ずる誘導起電力をさらに増大させることができる。上記永久磁石は、その外径が大きければ大きいほど、上記の効果を発揮することができる。
この場合には、上記サイドプレートの位置決め及び固定を容易に行うことができる。
本発明の実施例にかかる点火コイルについて、図1〜図4を用いて説明する。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、同心円状に巻回した1次コイル21及び2次コイル22と、2次コイル22の内周側に配設された中心コア4と、1次コイル21の外周側に配設された外周コア23とを備えた円筒部2と、円筒部2の先端部201に形成したスパークプラグを取り付けるためのプラグ取付部711とを有してなる。
円筒部2の後端部202には、中心コア4が外周コア23よりも軸方向に後退して両者に径方向の重なりがない非重合領域60が形成されており、非重合領域60の少なくとも一部を外周側から覆うように軟磁性材料よりなるサイドプレート61が配設されている。
以下、これを詳説する。
中心コア4と2次コイル22との間、2次コイル22と1次コイル21との間、1次コイル21と薄肉筒24との間の各隙間には、絶縁樹脂29が充填されている。なお、本例では、絶縁樹脂29としてエポキシ樹脂を用いた。
また、中心コア4の軸方向両端には、それぞれ永久磁石251、252が配設されている。このとき、永久磁石251、252は、1次コイル21によって発生する磁束と逆方向の磁束が発生するような向きに配設する。
また、同じく円筒部2の後端部202には、軟磁性材料よりなる平板状のアッパープレート62がサイドプレート61の軸方向後端部612及び中心コア4の軸方向後端部402に対向するように配設されている。
本例の点火コイル1において、円筒部2の後端部202に形成された非重合領域60には、軟磁性材料よりなるサイドプレート61が非重合領域60を外周側から覆うように配設されている。そのため、非重合領域60は、サイドプレート61によって磁気抵抗を小さくすることができ、1次コイル21に電流を流すことによって発生した磁束は、非重合領域60を円滑に流通することができる。そして、円筒部2の後端部202における磁束の漏洩を抑制することができる。
また、サイドプレート61は、サイドプレート61の少なくとも一部を覆う樹脂材料よりなる固定用樹脂部63と一体成形されており、固定用樹脂部63を外周コア23に係合させることによりサイドプレート61を固定してある。そのため、サイドプレート61の位置決め及び固定を容易に行うことができる。
なお、サイドプレート61は、固定用樹脂部63と一体成形せずに、別で作製した固定用樹脂部63に圧入固定することもできる。
なお、永久磁石251、252は、配設しない構成とすることもできる。
なお、上記圧粉コアに用いる軟磁性材料としては、公知の材料、あるいは今後開発されるあらゆる材料を適用可能である。
本例では、図5、図6に示すごとく、実施例1の点火コイル1において、アッパープレート62を配設せず、サイドプレート61の形状を変更した例である。
図6に示すごとく、サイドプレート61の屈曲端部614は、サイドプレート61の後端側の開口部615の一部を覆うように設けられている。また、サイドプレート61は、サイドプレート61の一部を覆う合成樹脂よりなる固定用樹脂部63と一体成形されており、渦電流の発生を抑制するためのスリット613を軸方向に形成している。なお、図6は、固定用樹脂部63及びその固定用樹脂63に一体成形されたサイドプレート61を軸方向後端側から見たものである。
その他は、実施例1と同様の構成である。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図7、図8に示すごとく、実施例1の点火コイル1において、2次スプール3及び中心コア4の形状、また中心コア4の構成を変更した例である。
また、中心コア4の中央部分47において、その一部に第2軟磁性材料52を用いてもよい。その際には、第2軟磁性材料52の構成位置を様々に変えることもできる。
しかしながら、本例の中心コア4は、2次スプール3のテーパ内面部32、34に対向する位置にテーパ外面部42、44を有している。そのため、従来において2次スプール3のテーパ内面部32、34と中心コア4との間に形成されていた余分な隙間には、中心コア4のテーパ外面部42、44が配置される。そして、この部分において、中心コア4の外径は拡大され、断面積も大きくなる。ただし、これに伴って点火コイル1自体の寸法が変わることはない。
また、中心コア4の径大部49は、2次スプール3における2次コイル22を巻回した巻回領域よりも後端側に配置されている。そのため、径大部49の径をより大きくすることができると共に、中心コア4を通過する磁束をさらに増大させることができる。
また、本例において、中心コア4の軸方向後端に配設された永久磁石25は、最も径の大きい径大部49と略同径である。永久磁石25は、その外径が大きければ大きいほど、上記の効果を発揮することができるため、逆バイアス効果をより一層発揮することができる。
本例は、図9、図10に示すごとく、実施例3の点火コイル1において、2次スプール3及び中心コア4の形状を変更し、また円筒部2の後端部202にアッパープレート62を配設せず、サイドプレート61の形状を変更した例である。
また、サイドプレート61は、実施例2と同様に、サイドプレート61の軸方向後端部612の少なくとも一部から内方に屈曲させた屈曲端部614を有している。屈曲端部614は、その内周端が中心コア4の後端部402に配設された永久磁石252の側面に対向するように設けられている(図5参照)。
また、図9に示すごとく、その他の基本的な構成は実施例3と同様である。
また、本例においても、従来において2次スプール3のテーパ内面部311、312と中心コア4との間に形成されていた余分な隙間には、中心コア4のテーパ外面部411、412が配置される。そして、この部分において、中心コア4の外径は拡大され、断面積も大きくなる。これにより、点火コイル1自体の寸法を変えることなく、中心コア4を通過する磁束の量を増大させることができる。
その他は、実施例3と同様の作用効果を有し、点火コイル1は、さらなる高出力化を実現し、より高い性能を有するものとなる。
2 円筒部
201 先端部(円筒部の先端部)
202 後端部(円筒部の後端部)
21 1次コイル
22 2次コイル
23 外周コア
4 中心コア
60 非重合領域
61 サイドプレート
711 プラグ取付部
Claims (7)
- 同心円状に巻回した1次コイル及び2次コイルと、該2次コイルの内周側に配設された中心コアと、上記1次コイルの外周側に配設された外周コアとを備えた円筒部と、該円筒部の先端部に形成したスパークプラグを取り付けるためのプラグ取付部とを有してなる点火コイルにおいて、
上記円筒部の後端部には、上記中心コアが上記外周コアよりも軸方向に後退して両者に径方向の重なりがない非重合領域が形成されており、該非重合領域の少なくとも一部を外周側から覆うように軟磁性材料よりなるサイドプレートが配設されていることを特徴とする点火コイル。 - 請求項1において、上記円筒部の後端部には、上記サイドプレートの軸方向後端部及び上記中心コアの軸方向後端部の少なくとも一部に対向するように軟磁性材料よりなるアッパープレートが配設されていることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1において、上記サイドプレートは、その軸方向後端部の少なくとも一部から内方に屈曲させた屈曲端部を有していることを特徴とする点火コイル。
- 請求項3において、上記サイドプレートの上記屈曲端部は、その内周端が上記中心コアの側面に対向していることを特徴とする点火コイル。
- 請求項4において、上記中心コアの側面と上記屈曲端部との間の対向間隔は、1mm以上であることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記中心コアの軸方向両端には、永久磁石が配設されていることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記サイドプレートは、該サイドプレートの少なくとも一部を覆う樹脂材料よりなる固定用樹脂部と一体成形又は圧入固定されており、該固定用樹脂部を上記外周コアに係合させることにより上記サイドプレートを固定してあることを特徴とする点火コイル。
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