JP2006278200A - ディスプレイ用部材、およびディスプレイ用部材の製造方法ならびにプラズマディスプレイ - Google Patents

ディスプレイ用部材、およびディスプレイ用部材の製造方法ならびにプラズマディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】表示領域端部の誤放電をなくし、表示品位を向上したディスプレイを提供する。
【解決手段】基板上の表示領域に隔壁および隔壁と垂直な方向に形成された補助隔壁とを有し、表示領域外側の非表示領域に隔壁と平行な方向に形成されたダミー隔壁、およびダミー隔壁と垂直な方向に形成されたダミー補助隔壁とを有するディスプレイ用部材であって、ダミー隔壁高さが隔壁高さよりも低いことを特徴とするディスプレイ用部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ用部材に係り、特にディスプレイ端部の表示品位を高めたプラズマディスプレイに関する。
薄型・大型テレビに使用できるディスプレイとして、プラズマディスプレイ(以下、PDPと略す)が注目されている。PDPにおいて、表示面となる前面板側のガラス基板には、対をなす複数のサステイン電極が銀やクロム、アルミニウム、ニッケル等の材料で形成されている。さらにサステイン電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が20〜50μm厚みで形成され、誘電体層を被覆してMgO層が形成されている。一方、背面板側のガラス基板には、複数のアドレス電極がストライプ状に形成され、アドレス電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が形成されている。誘電体層上に放電セルを仕切るための隔壁が形成され、隔壁と誘電体層で形成された放電空間内に蛍光体層が形成されてなる。フルカラー表示が可能なPDPにおいては、蛍光体層は、RGBの各色に発光により構成される。前面板側のガラス基板のサステイン電極と背面板側のアドレス電極が互いに直交するように、前面板と背面板が封着され、それらの基板の間隙内にヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される希ガスが封入されPDPが形成される。スキャン電極とアドレス電極の交点を中心として画素セルが形成されるので、PDPは複数の画素セルを有し、画像の表示が可能になる。
PDPにおいて表示を行う際、選択された画素セルにおいて、発光していない状態からサステイン電極とアドレス電極との間に封入ガスの放電開始電圧以上の電圧を印加すると電離によって生じた陽イオンや電子は、画素セルが容量性負荷であるために放電空間内を反対極性の電極へと向けて移動して両側のMgO層の内壁に帯電し、内壁の電荷はMgO層の抵抗が高いために減衰せずに残留する。この壁電荷により放電空間内に外部からの印加電圧とは逆極性の電界が形成されるのでセル内の電界は弱められて放電は直ちに停止する。
次に、スキャン電極間に放電維持電圧を印加することにより放電は維持される。壁電荷により放電開始電圧より低い電圧での放電が継続される。該放電により放電空間内のキセノンガスが励起され、147nmの紫外線が発生し、該紫外線が蛍光体を励起することにより、発光表示が可能になる。
近年、PDPの高性能化のために、従来のストライプ状の隔壁形状以外に、格子状、ハニカム状などの三叉部または交差部を有する隔壁形状が提案されている。このように隔壁構造が複雑化した理由の一つに、ストライプ状の隔壁構造の場合、画素間の放電の干渉が生じやすいことがあげられる。特に高精細化した場合には放電の干渉が顕著となり、前面板の放電ギャップを狭くする必要があるが、その場合には、画素の放電空間が狭くなるために、輝度が大幅に低下するという問題が生じる。この問題を解消するために、ストライプ状の隔壁と交差するような画素を仕切る補助隔壁を設けることが提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、補助隔壁を設けることにより特に端部の隔壁が、焼成時の隔壁の収縮により内側に引っ張られ、傾いてしまうという問題が生じる。端部隔壁が内側に傾くことにより、端部隔壁高さが他の部分より高くなってしまうために、背面板を前面板と張り合わせてパネルにした際、パネル端部において背面板と前面板との間に隙間を発生し、この部分で誤放電などが起こり、問題となっていた。
特開平10−321148号公報
そこで、本発明は、上記従来技術に鑑みて、表示領域端部の表示品位が向上したディスプレイを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、基板上の表示領域に隔壁、および隔壁と垂直な方向に形成された補助隔壁とを有し、表示領域外側の非表示領域にもダミー隔壁、およびダミー隔壁と垂直な方向に形成された補助ダミー隔壁とを有するディスプレイ用部材であって、ダミー隔壁の高さが表示領域の隔壁高さより低いことを特徴とするディスプレイ用部材である。
また、本発明に係るディスプレイは、このようなディスプレイ部材を用いたことを特徴とするものからなる。
本発明によれば、表示領域端部の誤放電をなくし、表示品位を向上したディスプレイを提供することができる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態と共に詳細に説明する。
本発明のディスプレイ用部材に用いるガラス基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”等を用いることができる。
ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を形成する。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布し、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、400〜600℃に加熱・焼成して金属パターンを形成する感光性ペースト法を用いることもできる。また、ガラス基板上にクロムやアルミニウム等の金属をスパッタリングした後に、レジストを塗布し、レジストをパターン露光・現像した後にエッチングにより、不要な部分の金属を取り除くエッチング法を用いることができる。電極厚みは1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。電極が薄すぎる場合は抵抗値が大きくなり正確な駆動ができなくなる傾向にあり、厚すぎる場合は材料を多く要しコスト的に不利となる傾向にある。アドレス電極の幅は20〜200μmが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。アドレス電極が細すぎる場合は抵抗値が高くなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、太すぎる場合は隣の電極との間の距離が小さくなるため、ショート欠陥を生じやすい傾向にある。また、アドレス電極は表示セル(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形成される。通常のPDPでは100〜500μm、高精細PDPにおいては100〜250μmのピッチで形成するのが好ましい。
電極を形成した基板上にガラス粉末と有機バインダーを主成分として混練してなるガラスペーストを塗布した後に、400〜600℃で焼成することにより誘電体層を形成できる。誘電体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラス粉末を用いると良い。10重量%以上とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、80重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防止する。有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。
ガラス粉末以外にフィラー成分を添加することにより、誘電体層の反射率が高く、輝度の高いPDPを得ることができる。フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムが好ましく、粒子径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特に好ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラーの比で、10:1〜1:1が添加の十分な効果を得る上で好ましい。
また、導電性微粒子を含有することにより駆動時の信頼性の高いディスプレイを作成することができる。導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金属粉末が好ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。1μm以上とすることで十分な効果を発揮でき、10μm以下とすることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容易なものとすることができる。これらの導電性微粒子が誘電体層に含まれる含有量としては、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%以上とすることで添加の効果を得ることができ、10重量%以下とすることで、隣り合うアドレス電極間でのショートを防ぐことができる。誘電体層の厚みは3〜30μmとするのが好ましく、より好ましくは3〜15μmである。誘電体層が薄すぎる場合はピンホールが発生する傾向にあり、厚すぎる場合は放電電圧が高くなり消費電力が大きくなる傾向にある。
誘電体層上に、放電セルを仕切るための隔壁を形成する。
ここで、隔壁とは、表示領域に形成されたストライプ状のパターンを言う。補助隔壁とは表示領域に隔壁と垂直な方向に形成されたストライプ状のパターンを言う。ダミー隔壁とは表示領域外に隔壁と水平な方向に形成されたストライプ状のパターンを言う。ダミー補助隔壁とは表示領域外にダミー隔壁と垂直な方向に形成されたストライプ状のパターンを言う。最外縁の隔壁とは隔壁のうち表示領域内で最も外側に存在する1本を言う。最外縁のダミー隔壁とはダミー隔壁のうち表示領域から遠い最も外側に存在する1本を言う。
隔壁の高さは、80μm〜200μmが適している。80μm以上とすることで蛍光体とスキャン電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を防ぐことができる。また、200μm以下とすることで、スキャン電極での放電と蛍光体の距離を近づけ、十分な輝度を得ることができる。隔壁のピッチ(P)は、100μm≦P≦500μmのものがよく用いられる。また、高精細プラズマディスプレイとしては、隔壁のピッチ(P)が、100μm≦P≦350μmである。100μm以上とすることで放電空間を広くし十分な輝度を得ることができ、500μm以下とすることで画素の細かいきれいな映像表示ができる。350μm以下にすることにより、HDTV(ハイビジョン)レベルの美しい映像を表示することができる。線幅(L)は、半値幅で10μm≦L≦50μmであることが好ましい。10μm以上とすることで強度を保ち、前面板と背面板を封着する際に破損が生じるのを防ぐことができる。また、50μm以下とすることで蛍光体の形成面積を大きくとることができ高い輝度を得ることができる。
隔壁の形状で、最も単純なのはデータ電極と平行のストライプ状の隔壁構造であり、製造工程も簡便である。しかしながら、ストライプ状隔壁の場合、画素間の放電の干渉が生じやすい。特に高精細化した場合には放電の干渉が顕著となり、前面板の放電ギャップを狭くする必要があるが、その場合には、輝度が大幅に低下するという問題が生じる。この問題を解消するために、ストライプ状の隔壁と交差するような画素を仕切る補助隔壁を設けることが提案されている。
このような高精細な隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁は、無機微粒子と有機バインダーからなるガラスペーストを隔壁の形状にパターン形成した後に、400〜600℃に焼成して隔壁を形成する方法により一般的に得ることができる。
無機微粒子としては、ガラス、セラミック(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることができる。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミックスが好ましい。
無機微粒子の粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、体積平均粒子径(D50)が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜5μmである。D50を10μm以下とすることで、パターン形成時に表面凸凹が生じるのを防ぐことができる。また、1μm以上とすることでペーストの粘度調整を容易に行うことができる。さらに、比表面積0.2〜3m2/gの無機微粒子を用いることが、パターン形成において、特に好ましい。
隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁は、熱軟化点の低いガラス基板上にパターン形成されるため、無機微粒子として、熱軟化温度が350℃〜600℃のガラス微粒子を60重量%以上含むものを用いることが好ましい。一方、熱軟化温度が600℃以上のガラス微粒子やセラミック微粒子を添加することによって、焼成時の収縮率を抑制することができるが、その量は、40重量%以下が好ましい。
用いるガラス粉末としては、焼成時にガラス基板にそりを生じさせないためには線膨脹係数が50〜90×10-7、更には、60〜90×10-7のガラス微粒子を用いることが好ましい。
隔壁を形成するガラス微粒子の組成としては、ケイ素および/またはホウ素の酸化物を必須成分としたものが好ましく用いられる。
酸化ケイ素は、3〜60重量%の範囲で配合されていることが好ましい。3重量%以上とすることで、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向上し、また、熱膨脹係数を所望の範囲内とし、ガラス基板とのミスマッチを防ぐことができる。また、60重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
酸化ホウ素は、5〜50重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。50重量%とすることでガラスの安定性を保つことができる。
さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうちの少なくとも1種類を合計で5〜50重量%含有させることによって、ガラス基板上にパターン加工するのに適した温度特性を有するガラスペーストを得ることができる。特に、酸化ビスマスを5〜50重量%含有するガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子としては、例えば次の組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス :10〜40重量部酸化ケイ素 : 3〜50重量部酸化ホウ素 :10〜40重量部酸化バリウム : 8〜20重量部酸化アルミニウム :10〜30重量部。
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を合計で3〜20重量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量は、20重量%以下、好ましくは、15重量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化リチウム : 2〜15重量部酸化ケイ素 :15〜50重量部酸化ホウ素 :15〜40重量部酸化バリウム : 2〜15重量部酸化アルミニウム : 6〜25重量部。
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ含有量で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールすることができる。
また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなど、特に、酸化アルミニウム、酸化バリウムを添加することにより、加工性を改良することができるが、熱軟化点、熱膨脹係数の点からは、その含有量は、40重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下である。
有機バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂、エチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース化合物を用いることができる。さらに、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤などの添加剤を加えることも行われる。
さらに、その溶液の粘度を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
また、本発明のディスプレイ用部材の隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁を後述の感光性ペースト法により形成する場合には、ガラスペーストに感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有し、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤を添加すると良い。
感光性モノマとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができる。これらは1種または2種以上使用することができる。
また、この感光性ガラスペーストには、有機バインダーして感光性ポリマーおよび/または感光性オリゴマーを用いるのが好ましい。そのオリゴマーまたはポリマーは、炭素−炭素2重結合を有する化合物から選ばれた成分の重合または共重合により得られる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後のアルカリ水溶液での現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマ、もしくは、オリゴマの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマもしくはオリゴマに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマや感光性オリゴマとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあり、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向にある。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少な過ぎると光感度を向上させる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多過ぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
ガラスペーストを用いて隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁をパターン加工する方法としては、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、感光性ペースト法、フォト埋め込み法、型転写法等の方法によって形成可能である。
スクリーン印刷法は、形成したいパターン以外の部分に乳剤層を形成したスクリーン版上にペーストを広げ、スキージを用いて基板上に転写する方法である。転写可能な厚みが10〜30μm程度であるため、5〜15回の繰り返し印刷を行い必要な高さを確保した後に、焼成して隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁を形成する。
サンドブラスト法は、ガラスペーストを基板上に塗布した後に、その上にドライフィルムレジストをラミネートし、該ドライフィルムレジストをフォトリソグラフィー法でパターン加工した後、研磨砂を吹き付けて不要部分を除去する方法である。不要部分を除去した後にレジスト部分を除去、さらに焼成することにより、隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁を形成できる。
フォト埋め込み法は、ドライフィルムレジストを基板上にラミネートし、隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁を形成する部分のレジストを除去するためのパターンを形成する。パターンはフォトリソグラフィー法を用いる。次に、レジストが除去された部分にガラスペーストを埋め込んだ後に、レジスト部分をすべて取り除く。取り除く方法としては、アルカリで溶解する方法や焼成で焼却除去する方法がある。次に焼成することにより隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁を形成することができる。
各種の隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁形成方法の中で、高精細化・工程の簡便性の点で、感光性ペースト法が優れている。次に、感光性ペーストを用いた隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁形成手順の一例を以下に示す。
ガラス基板に、感光性ペーストを塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなど一般的な方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。また、ポリエステルフィルムなどのフィルム上に感光性ペーストを塗布した感光性シートを作成して、ラミネーターなどの装置を用いて基板上に感光性ペーストを転写する方法を用いても良い。
感光性ペースト塗布した後、露光装置を用いて露光を行う。露光は、通常のフォトリソグラフィで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。また、フォトマスクを用いずに、レーザ光などで直接描画する方法を用いても良い。露光に使用される活性光線は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜10分間露光を行う。
露光後、露光部分と非露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、その際、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等が用いられる。
現像液は、感光性ペースト中の溶解させたい有機成分が溶解可能である溶液を用いる。感光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合は、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低過ぎると可溶部が除去さ難くなる傾向にあり、アルカリ濃度が高過ぎると、パターン部を剥離させ、また、非可溶部を腐食する傾向にある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
次に、焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜800℃で行う。基板がガラスである場合は、450〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。
一般的に、感光性ペーストを用いたパターン形成方法は、上記のような工程を経たものである。本発明における隔壁および補助隔壁、ダミー隔壁、ダミー補助隔壁パターンの形成方法は、例えば上記の一般的なパターン形成方法に加えて、塗布・乾燥・露光工程を繰り返すことで精度よく、効率的に形成することが可能となる。
すなわち、まず、乾燥済み感光性ペースト塗布膜を、最終的な隔壁パターンのうち、補助隔壁部、補助ダミー隔壁部と、最外縁のダミー隔壁部分についてのみ、フォトマスクを介して露光を行う。この露光した塗布膜の上に、再度各種感光性ペーストを塗布し、乾燥後に隔壁部分とダミー隔壁のうち最外縁以外の部分をフォトマスクを介して露光後、現像、焼成することにより、最外縁のダミー隔壁の高さが隔壁の高さより低いディスプレイ用部材を製造することができる。
また、2層目にサンドブラスト用ペーストを塗布することにより、レジスト形成、サンドブラスト、レジスト剥離と通常のサンドブラスト法を用いても、高低差を有する隔壁パターンを形成することが可能である。
非表示領域のダミー隔壁のうち少なくとも非表示領域の最外縁に存在するダミー隔壁の高さを、表示領域の隔壁高さより低くすることにより、非表示領域の最外縁に存在するダミー隔壁が補助ダミー隔壁の焼成収縮応力により表示領域側に傾いたとしてもダミー隔壁高さが隔壁高さを超えることがなく、パネル化した際にパネル端部で、背面板と前面板との間に透き間が開くことが原因で発生する誤放電を防止することができる。
表示領域の隔壁高さと、隔壁より低く形成したダミー隔壁高さとの差は10〜60μmであることが好ましい。高さの差を10μm以上とすることで非表示領域の最外縁に存在するダミー隔壁が、表示領域側に傾いてもダミー隔壁高さが隔壁高さを超えることがなく、60μm以下とすることで低く形成したダミー隔壁の隣接した隔壁もしくはダミー隔壁が傾くことを防止することができる。
隔壁より低く形成したダミー隔壁高さと補助ダミー隔壁高さとの差は0〜10μmが好ましい。0〜10μmとすることで、ダミー隔壁が補助ダミー隔壁の焼成応力に十分耐えることができ、剥がれたり、隣接する隔壁が傾くなどの影響を与えたりすることがない。
また、2層目の感光性ペーストに、焼成して黒色を呈するものを用いることも本発明の好ましい態様の一つである。2層目の感光性ペーストに焼成して黒色を呈するものを用いることにより、コントラストを向上させることができる。感光性ペーストが焼成して黒色を呈する様にするには、Ru、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Cuの金属もしくはそれらの酸化物を合計で1〜15重量%含有するガラスを用いると良い。また、ガラス粉末に黒色金属又は金属酸化物を付着させるか、または被服させても良い。また、1層目の感光性ペースト塗布膜を露光・現像して隔壁パターンの一部を形成した後に、2層目の感光性ペーストを塗布し、露光・現像して隔壁を形成しても良い。
さらに、先の電極、および誘電体形成について、それぞれ焼成工程をすること記載したが、各電極ペースト、誘電体ペーストを変更することにより、電極/誘電体、誘電体/隔壁、電極/誘電体/隔壁を一括して焼成することも可能である。この場合にも本発明の効果は損なわれることはない。
隔壁を形成した後に、RGBの各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布することにより、蛍光体層を形成することができる。その法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、感光性を有する有機成分を有機バインダーとする感光性蛍光体ペーストを用いる感光性ペースト法等を採用することができる。
各色の蛍光体層の厚みは、10〜50μmであることが好ましい。10μm以上とすることで十分な輝度を得ることができる。また、厚みを50μm以下とすることで放電空間を確保し、蛍光体を有効に発光できる。この場合の蛍光体層の厚みは、隣り合う隔壁の中間点での形成厚み、つまり、放電空間(セル内)の底部に形成された蛍光体層の厚みとして測定する。
また、RGBBRGBB…やRGGBBRGGBB…のように、隔壁によって形成される隣り合う2本以上の溝に青色に発光する蛍光体層を形成することも、青色の輝度を向上させる上で有効である。
使用する蛍光体粉末としては、赤色は、Y23:Eu、YVO4:Eu、(Y、Gd)BO3:Eu、Y23S:Eu、γ−Zn3(PO42:Mn、(ZnCd)S:Ag+In23など、緑色は、Zn2GeO2:Mn、BaAl1219:Mn、Zn2SiO4、LaPO4:Tb、ZnS:Cu、Al、ZnS:Au、Cu、Al、(ZnCd)S:Cu、Al、Zn2SiO4:Mn,As、Y3A1512:Ce、CeMgAl1119:Tb、Gd22S:Tb、Y3A1512:Tb、ZnO:Znなど、また、青色は、Sr5(PO43Cl:Eu、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1627:Eu、BaMg2Al1424:Eu、ZnS:Ag+赤色顔料、Y2SiO3:Ceなどがある。
蛍光体層を形成した基板を必要に応じて、400〜550℃で焼成することにより、本発明のディスプレイ用部材を作製することができる。
上記のディスプレイ用部材を背面板として用いて、前面板と封着後、前背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着して本発明のプラズマディスプレイを作製できる。前面板は、基板上に所定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護膜(MgO)を形成した基板であり、背面基板上に形成されたRGB各色蛍光体層に一致する部分にカラーフィルター層を形成しても良い。また、コントラストを向上するために、ブラックストライプを形成しても良い。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
42インチサイズのAC(交流)型プラズマディスプレイパネルの背面板を形成し、評価を実施した。形成方法を順に説明する。
実施例1
ガラス基板として、590×964×2.8mmの42インチサイズのPD−200(旭硝子(株)製)を使用した。この基板上に、書き込み電極として、平均粒径2.0μmの銀粉末を70重量部、酸化ビスマスを69重量%、酸化珪素24重量%、酸化アルミニウム4重量%、酸化硼素3重量%の組成からなる平均粒径2.2μmのガラス粉末2重量部、アクリル酸、メチルメタクリレート、スチレンの共重合ポリマー8重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート7重量部、ベンゾフェノン3重量部、ブチルカルビトールアクリレート7重量部、ベンジルアルコール3重量部からなる感光性銀ペーストを用いて、フォトリソグラフィー法により、ピッチ240μm、線幅100μm、焼成後厚み3μmのストライプ状電極を形成した。
この基板に、酸化ビスマスを78重量%、酸化珪素14重量%、酸化アルミニウム3重量%、酸化亜鉛3重量%、酸化硼素2重量%を含有する低融点ガラスの粉末を60重量%、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粉末を10重量%、エチルセルロース15重量%、テルピネオール15重量%誘電体ペースト塗布した後、580℃で焼成して、厚み10μmの誘電体層を形成した。
隔壁形成用の感光性ペーストは以下の組成のものを用いた。
ガラス粉末:Bi/SiO/Al/ZnO/B=82/5/3/5/3/2からなるガラス:平均粒径2μmのガラス粉末:67重量部
フィラー:平均粒径0.2μmの酸化チタン:3重量部
ポリマー:”サイクロマー”P(ACA250、ダイセル化学工業社製):10重量部
有機溶剤(1):ベンジルアルコール:4重量部
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート:3重量部
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:8重量部
光重合開始剤:ベンゾフェノン:3重量部
酸化防止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:1重量部
有機染料:ベージックブルー26:0.01重量部
チキソトロピー付与剤:N,N’−12−ヒドロキシステアリン酸ブチレンジアミン:0.5重量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエーテル:0.49重量部。
上記ペーストをダイコーターを用いて280μmの厚みに塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、40分の乾燥を行い塗布膜を形成した。形成塗布膜に対し、所定のフォトマスクとのギャップを150μmとり、最外縁のダミー隔壁と補助隔壁、ダミー補助隔壁の露光を実施した。さらに、上記ペーストをダイコーターを用いて50μmの厚みに塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、30分の乾燥を行い塗布膜を形成した。形成塗布膜に対し、所定のフォトマスクとのギャップを150μmとり、最外縁のダミー隔壁以外のダミー隔壁と隔壁の露光を実施した。
実施例2
実施例1で使用したペーストをダイコーターを用いて170μmの厚みに塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、40分の乾燥を行い塗布膜を形成した。形成塗布膜に対し、所定のフォトマスクとのギャップを150μmとり、ダミー隔壁のうち表示領域から遠い最も外側の1本と補助隔壁、補助ダミー隔壁の露光を実施した。さらに、上記ペーストをダイコーターを用いて170μmの厚みに塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、30分の乾燥を行い塗布膜を形成した。形成塗布膜に対し、所定のフォトマスクとのギャップを150μmとり、ダミー隔壁のうち表示領域から遠い最も外側の1本以外と隔壁の露光を実施した。
比較例1
上記ペーストをダイコーターを用いて330μmの厚みに塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、40分の乾燥を行い塗布膜を形成した。形成塗布膜に対し、所定のフォトマスクとのギャップを150μmとり、隔壁、ダミー隔壁、補助隔壁、ダミー補助隔壁の露光を実施した。
上記のようにして形成した露光済み基板を0.5重量%のエタノールアミン水溶液で現像し、隔壁パターンを形成した。パターン形成終了済み基板を560℃で15分間焼成を行った。
形成された隔壁の高さをレーザー変位計(KEYENCE社製LT8010)を用いて測定した。隔壁と補助隔壁とが交わる部分を隔壁交点とすると、2つの隔壁交点に挟まれた隔壁の中心点の高さを隔壁高さ、2つの隔壁交点に挟まれた補助隔壁の中心点の高さを補助隔壁高さとした。同様にダミー隔壁とダミー補助隔壁とが交わる部分をダミー隔壁交点とすると、2つのダミー隔壁交点に挟まれたダミー隔壁の中心点の高さをダミー隔壁高さ、2つのダミー隔壁交点に挟まれた補助ダミー隔壁の中心点の高さを補助ダミー隔壁高さとした。
形成された隔壁に各色蛍光体ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布、焼成(500℃、30分)して隔壁の側面および底部に蛍光体層を形成した。
次に、前面板を以下の工程によって作製した。まず、背面板と同じガラス基板上に、ITOをスパッタ法で形成後、レジスト塗布し、露光・現像処理、エッチング処理によって厚み0.1μm、線幅200μmの透明電極を形成した。また、黒色銀粉末からなる感光性銀ペーストを用いてフォトリソグラフィー法により、焼成後厚み5μmのバス電極を形成した。電極はピッチ375μm、線幅100μmのものを作製した。
次に、酸化鉛を75重量%含有する低融点ガラスの粉末を重量70%、エチルセルロース20重量%、テルピネオール10重量%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って前面誘電体を形成した。
誘電体を形成した基板上に電子ビーム蒸着により保護膜として、厚み0.5μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
得られた前面ガラス基板を、前記の背面ガラス基板と貼り合わせ封着した後、放電用ガスを封入し、駆動回路を接合してプラズマディスプレイ(PDP)を作製した。このパネルに電圧を印加して表示を観察し、パネル端部の誤放電の有無を確認した。
表1に実施例1〜2、比較例1の各隔壁高さ、パネル端部誤放電評価結果を示す。
実施例1〜2で得られた背面板は、パネル端部の誤放電がなく表示特性が良好であった。比較例1については、パネル端部で誤放電が発生し、目標とするPDPの性能が得られなかった。
ここで、表1に記載の高さは以下のとおりである。
最外縁の隔壁高さ:隔壁のうち表示領域内で最も外側に存在する1本を最外縁の隔壁とし、最外縁の隔壁の高さを測定した値
隔壁高さ:隔壁高さを同一基板内で最外縁の隔壁を含まない35点で測定し、平均した値
補助隔壁高さ:補助隔壁高さを同一基板内で35点測定し、平均した値
最外縁のダミー隔壁高さ:ダミー隔壁のうち表示領域から遠い最も外側に存在する1本を最外縁のダミー隔壁とし、最外縁のダミー隔壁の高さを測定した値
ダミー隔壁高さ:ダミー隔壁のうち表示領域から遠い最も外側に存在する1本以外のダミー隔壁高さを5点測定し、平均した値
ダミー補助隔壁高さ:ダミー補助隔壁高さを同一基板内で5点測定し、平均した値
Figure 2006278200
1枚の基板に形成された隔壁形状の模式図である。
符号の説明
1:非表示領域
2:表示領域
3:隔壁
4:補助隔壁
5:ダミー隔壁
6:ダミー補助隔壁
7:最外縁のダミー隔壁

Claims (6)

  1. 基板上の表示領域に隔壁および隔壁と垂直な方向に形成された補助隔壁とを有し、表示領域外側の非表示領域に隔壁と平行な方向に形成されたダミー隔壁、およびダミー隔壁と垂直な方向に形成されたダミー補助隔壁とを有するディスプレイ用部材であって、ダミー隔壁高さが隔壁高さよりも低いことを特徴とするディスプレイ用部材。
  2. 最外縁のダミー隔壁高さが、最外縁の隔壁高さよりも低いことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用部材。
  3. 隔壁高さと、最外縁のダミー隔壁高さとの差が10〜60μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用部材。
  4. 最外縁のダミー隔壁高さとダミー補助隔壁高さとの差が0〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイ部材。
  5. 請求項1〜4に記載のディスプレイ用部材を用いたことを特徴とするプラズマディスプレイ。
  6. 基板上に感光性ペーストを塗布し、該感光性ペーストの塗布膜を露光して表示領域の補助隔壁、非表示領域の最外縁のダミー隔壁、および非表示領域のダミー補助隔壁に対応する部分の潜像を形成し、その上にさらに感光性ペーストを塗布して該感光性ペーストの塗布膜のうち少なくとも表示領域の隔壁に対応する部分を露光し、現像した後、焼成することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
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