JP2006276886A - 電子写真用感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の電子写真装置において実現不可能であった超高解像度を実現するために、発振波長400〜500nm程度の青色系半導体レーザーを露光用光源として用いた次世代の電子写真用感光体を提供すること。
【構成】 少なくとも導電性支持体上に光導電層を設けて成る電子写真用感光体であって、該電子写真用感光体の光導電層の光入射面が電荷発生物質を含有する層であり、かつ400〜500nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーを露光用光源として用いる電子写真用感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真装置に用いる電子写真用感光体に関し、更に詳しくは、極めて短波長に発振する半導体レーザーを露光用光源として、従来にない超高解像度を実現する電子写真用感光体に関する。
レーザー光を露光用光源とする電子写真装置は、レーザープリンターが代表的な製品であるが、その歴史は長く、1975年にIBMが発表した3800型プリンターに始まり、その後の、キャノンのLBP−2000、ジーメンスのND−2、ゼロックスの9700と高性能な機種が相次いで発表されるに至り、コンピューターの出力端末として極めて一般的なものとなった。これら初期のレーザープリンターは、従来のラインプリンターの代替を狙った大型のもので、何れも光源としては、波長633nmのHe−Neレーザーを用いるものであった。
ところが、He−Neレーザーに代表されるガスレーザーは、レーザー自体の小型化が難しく、また、プリンター用の光源とするにはパルス変調が必須であるために、別途変調装置を付加しなければならず、そのために、露光装置が必然的に大きなものとならざるを得なかった。
レーザープリンターの光源として半導体レーザーが最初に用いられたのは、1979年にキャノンが発売したLBP−10である。このレーザープリンターは、電子写真装置の光学系の発展の歴史において大きな意味を持つ製品であった。半導体レーザーは、それ自体が一つの素子であるから、非常に小さく、また出力を直接変調させることができるため、独立した変調装置を必要としないので、これによって、露光装置の小型化及び低価格化が革命的に達成された。この優れた特徴は、その後の、レーザープリンターの急激な普及に大きく貢献し、また、近年では、単にプリンター用途に留まらず、デジタル複写機、ファクシミリ、製版装置等においても半導体レーザーがその露光用光源に用いられることが一般的となる契機となった。
電子写真装置用の露光用光源に用いられている半導体レーザーは、その当初より、AlGaAs/GaAs系の800nm近傍の近赤外領域に発振波長を有するものであった。従来の殆どの電子写真用感光体が感度を有する可視光波長域でなく、このような長波長域の半導体レーザーが選ばれた理由は、単に短波長域に安定して発振する半導体レーザーが得られなかったためであるが、このため、レーザープリンター用の電子写真用感光体は、複写機用のものとは異なる独自の発展を遂げることになった。即ち、従来の無機系電子写真用感光体が一掃され、長波長に感度を有する有機化合物を電荷発生層に用いた積層型電子写真用感光体が、その中心的役割を担うようになったのである。このように、電子写真装置において露光用光源と電子写真用感光体は、常に密接な結びつきを持って発展してきたと言える。
近年、電子写真装置の出力画像の画質向上のため、その高解像度化が加速的に進んでいる。この目的のための装置上の対応は、光学的な面からは比較的容易である。即ち、解像度を上げることは、レーザービームのスポット径を細く絞り、書き込み密度を上げることで達成される。しかしながら、光源に用いられている近赤外域に発振波長を持つ半導体レーザーでは、光学系の操作でビーム径を細くしてもスポット輪郭の鮮明さが得られ難いことが分かった。その原因は、レーザー光の回折限界にあり、これは、避けることができない現象である。その改善には、レーザー光の波長自体を短くすることが有効である。何故なら、スポット径Dの下限は、レーザー光の波長λに正比例する関数であって、下式で表されるからである。
Figure 2006276886
一方、発振波長の短い半導体レーザーの開発は、着実に進展しており、既に1990年代初頭より650nm近傍に発振波長を有する赤色半導体レーザーが実用化されている。また、最近では、1995年12月に日亜化学工業より410nm発振の青紫色半導体レーザーの開発成功が発表され、俄に発振波長400〜500nm程度の青色系半導体レーザーの実用化が現実味を帯びてきた。
しかしながら、このような青色系半導体レーザーは、光ディスクの記録密度を飛躍的に向上させるものという大きい期待が寄せられているものの、電子写真装置の露光用光源の用途としては、殆ど期待されていない。それは、このような短波長においては、従来から使用されている電子写真用感光体が感度を示さないことが、実用的な電子写真プロセスが期待できない一因と考えられる。
従来の一般的な電子写真用感光体の層構成は、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層したものである。ここで電荷発生層に用いる電荷発生物質は、一般に500nm以下の波長にも吸収を示すから、本来であれば、これら短波長レーザーの波長においても十分な感度を有していても不思議ではない。しかしながら、後述の比較例に示したように、このような電子写真用感光体では、この波長域に全く感度を示さない。その原因は、上層に設けた電荷輸送層にあり、電荷輸送層に用いる電荷輸送物質が、一般に、電荷発生物質と同様に500nm以下の波長に吸収を示すので、照射した光は、光導電層の表面において吸収されて電荷発生層に到達できず、この波長域には、従来の層構成の電子写真用感光体は、原理上、感度を示さないのである。
本発明が解決しようとする課題は、従来の電子写真装置において実現不可能であった超高解像度を実現するために、発振波長400〜500nm程度の青色系半導体レーザーを露光用光源として用いた次世代の電子写真用感光体を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために、少なくとも導電性支持体上に光導電層を設けて成る電子写真用感光体において、前記光導電層の光入射面が電荷発生物質を含有する層であり、かつ400〜500nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーが露光用光源として用いられることを特徴とする電子写真用感光体を提供する。
本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置は、特定波長の半導体レーザーと特定構造の電子写真用感光体を組み合わせることにより、超高解像度な画像形成を実現可能な電子写真装置である。
本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置の構成の例を図1に示した。図中、1に示すのが400〜500nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーである。制御回路11によって、画像情報の信号変調されたレーザー光は、放出後、補正光学系2を通して平行化され、回転多面鏡3によって反射されて走査運動を行う。レーザー光は走査レンズ4によって、電子写真用感光体5の表面上に集光され、画像情報の露光を行う。電子写真用感光体は、予め帯電器6により帯電されているので、この露光により表面に静電潜像が形成され、次いで現像器7によって可視像化される。この可視像は転写器8により、紙等の被印字体12に転写され、定着器10で定着され、印字物として供される。電子写真用感光体は、表面に残存した現像材をクリーナー9により除去され、繰り返して使用することができる。なお、ここでは電子写真用感光体はドラム状のもので代表させたが、板状、ベルト状であっても同様のプロセスで使用できることは言うまでもない。
本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置に使用する電子写真用感光体の構成の例を図2及び図3に示した。図2は、導電性支持体上に、電荷発生物質を結着材に分散させて成る単層構成の光導電層を設けたものである。ここで、結着材中には、適宜、正孔輸送性及び/又は電子輸送性の電荷輸送物質を含有させて、電荷移動度を向上させることができる。図3は、導電性支持体上に、電荷輸送物質を結着材に分散してなる電荷輸送層、電荷発生物質を結着材に分散してなる電荷発生層の順に積層した光導電層を設けたものである。また、電荷発生層の結着材中には、適宜、電荷輸送物質を含有させることもできる。なお、これらの光導電層に付加して、中間層、下引き層、表面保護層等の機能層を付加して用いることも可能である。
本発明で使用される電子写真用感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。
光導電層に用いる電荷発生物質には、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウム系染料、スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料や、更にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられる。
光導電層に用いる電荷発生物質は、その使用に際しては、ここに挙げたものを単独で用いることもできるが、2種類以上の電荷発生物質を混合して用いることもできる。
本発明の電子写真用感光体における電荷輸送物質は、正孔輸送物質及び/又は電子輸送物質を用いることができる。
光導電層に使用可能な正孔輸送物質としては、低分子化合物では、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾン系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリン系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジン系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の化合物が挙げられる。また、高分子化合物としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば、ベンゾキノン系、テトラシアノエチレン系、テトラシアノキノジメタン系、フルオレノン系、キサントン系、フェナントラキノン系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられる。
本発明の電子写真用感光体で使用する電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。
光導電層に用いる結着材としては、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体が好ましい。このような高分子重合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポリウレタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの結着材は、単独又は2種類以上混合して用いられる。
また、これらの結着材とともに、分散安定剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。
可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
表面改質剤としては、例えば、シリコンオイル、フッ素樹脂等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が挙げられる。
光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
光導電層を浸漬塗工によって形成する場合、上記の電荷発生物質、或いは電荷輸送物質等を結着材等に混合したものを溶剤に溶解ないしは分散した塗料を用いる。結着材を溶解する溶剤は、結着材の種類によって異なり、最適なものを選択して用いることが好ましい。そのような有機溶剤の例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類などが挙げられる。
本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置に使用する半導体レーザーは、その発振波長が400〜500nmの範囲内にあるものを用いる。このような半導体レーザーとしては、多量子井戸構造の窒化ガリウム系半導体レーザーを挙げることができる。
本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置では、発振波長が400〜500nmの半導体レーザーを光源として用いるため、レーザービームのスポットの拡散は、従来の半導体レーザーに比べて、理論上半分近くまで低減され、極めて高解像度な画像の書き込みが可能である。これに組み合わせて用いる電子写真用感光体は光導電層の光入射面に電荷発生物質を含有するから、電荷輸送層による光吸収の影響を受けることがなく、短波長レーザーの発振波長において実用的な感度を得ることができ、超高解像度な潜像が形成される。
また本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置においては、用いられる電子写真用感光体の層構成自体からも、超高解像実現に有利である。レーザーを露光用光源とする電子写真装置に用いられてきた従来の積層型の電子写真用感光体では、電荷発生層が支持体側にあるため、光照射により発生した電荷は上層の電荷輸送層の中をドリフト移動して表面に到達し、帯電電荷を中和して潜像形成を行うため、電荷の移動に伴う拡散が必然的に生じ、解像度の低下は避けられない。また、照射光自体、電荷輸送層を透過して電荷発生層に到達するまでに屈折、散乱等の影響で広がりを持ち、その影響も無視できない。一方、本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置においては、電子写真用感光体は、その光導電層の光入射面に電荷発生物質を含有するから、電荷発生は光導電層の表面近傍で行われ、発生した電荷は電子写真用感光体表面に帯電した逆極性の電荷を瞬時に中和するため、電荷移動の距離によるロスは無く、レーザー光による書き込み情報がそのままの形で忠実に潜像に反映されるのである。
以下、製造例、比較製造例、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、これにより本発明が実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中における「部」は「重量部」を示す。
(製造例1)α型チタニルフタロシアニン1部及びポリアリレート樹脂(イソノヴァ社製の「Isaryl−25L」)4部をクロロホルム20部と共に振動ミルを用いて分散させて、光導電層用の塗料を調製した。
この塗料を用いて、厚さ0.3mmのアルミニウム板の上に、乾燥後の膜厚が20μmと成るように塗布した後、乾燥させて、光導電層を形成し、板状の正帯電型電子写真用感光体を得た。
(製造例2)正孔輸送物質である式(1)
Figure 2006276886
で表わされるヒドラゾン系化合物2部及びポリエステル樹脂(鐘紡社製の「O−PET・KD−07」)3部をクロロホルム20部に溶解し、電荷輸送層用の塗料を調製した。
この塗料を用いて、製造例1と同様のアルミニウム板の上に、乾燥後の膜厚が20μmと成るように塗布した後、乾燥させて、電荷輸送層を形成した。
次に、α型チタニルフタロシアニン1部及びポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製の「エスレックBM−1」)2部をメタノール20部及びトルエン20部から成る混合溶媒と共に振動ミルを用いて分散させて、電荷発生層用の塗料を調製した。
この塗料を用いて、電荷輸送層の上に、乾燥後の膜厚が1μmと成るように塗布した後、乾燥させて、板状の正帯電型電子写真用感光体を得た。
(製造例3)α型チタニルフタロシアニン0.2部、正孔輸送物質である式(2)
Figure 2006276886
で表わされるアリールアミン系化合物4部、電子輸送物質である式(3)
Figure 2006276886
で表わされるジフェノキノン系化合物1部、及びポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製の「ユーピロンZ−200」)6部をクロロホルム40部と共に振動ミルを用いて分散させて、光導電層用の塗料を調製した。
この塗料を用いて、アルミニウム板の上に、乾燥後の膜厚が20μmと成るように塗布した後、乾燥させて、光導電層を形成し、板状の正負両帯電型電子写真用感光体を得た。
(比較製造例1)α型チタニルフタロシアニン1部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製の「エスレックBM−1」)0.5部をメタノール20部、トルエン20部と共に振動ミルを用いて分散させて、電荷発生層用の塗料を調製した。
この塗料を用いて、製造例1と同様のアルミニウム板の上に、乾燥後の膜厚が0.4μmと成るように塗布した後、乾燥させて、電荷発生層を形成した。
次に製造例2で用いた電荷輸送層用塗料を用いて、電荷発生層の上に、乾燥後の膜厚が20μmと成るように塗布した後、乾燥させて、電荷輸送層を形成し、板状の負帯電型電子写真用感光体を得た。
(比較製造例2)電子輸送物質である式(4)
Figure 2006276886
で表わされるジフェノキノン系化合物2部とポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製の「ユーピロンZ−200」)3部をクロロホルム20部に溶解し、電荷輸送層用の塗料を作成した。
この塗料を用いて、比較製造例1と同様の電荷発生層の上に、乾燥後の膜厚が20μmと成るように塗布した後、乾燥させて、電荷輸送層を形成し、板状の正帯電型電子写真用感光体を得た。
(実施例及び比較例)各製造例及び各比較製造例で得た電子写真用感光体を静電複写紙試験装置(川口電機社製の「EPA−8100」)を用いて、短波長レーザーの発振波長近傍での分光感度を測定した。
測定方法は、まず電子写真用感光体を暗所でコロナ放電により表面電位が、製造例1〜3及び比較製造例2で得た電子写真用感光体は、正帯電の条件で、比較製造例1で得た電子写真用感光体は負帯電の条件で、絶対値が600Vとなるように帯電させた。次いで、400〜600nmの囲の波長の単色光を、その表面における露光強度が10mW/m2となるように設定した後、 光導電層に光照射を行い、表面電位の減衰曲線を記録した。ここで光照射により表面電位が絶対値で300Vに減少するまでの露光エネルギーを求め、 半減露光エネルギーE1/2として、その逆数を感度の指標とした。その結果を表1及び図4にまとめて示した。ここで実施例1〜3はそれぞれ製造例1〜3で得た電子写真用感光体を用い、比較例1と2はそれぞれ比較製造例1と比較製造例2で得た電子写真用感光体を用いている。
(表1)
Figure 2006276886
表1及び図4に示した結果から、本発明の製造例1〜4で得た電子写真用感光体は、青色レーザーの発振波長である400〜500nmの波長においても充分実用的な感度が見られ、本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置に用いることができることが明らかである。また、短波長域においては、光導電層の光入射面の顔料濃度が高いものほど、高感度を示していることから、この波長域における電荷の発生が光導電層表面近傍の光吸収性に強く依存していることが理解できる。一方、比較製造例1及び2で得た電荷発生層の上に電荷輸送層を積層した通常の層構成の電子写真用感光体は、正帯電型、負帯電型に拘わらず、600nm以上の波長では実施例の電子写真用感光体と同等の感度を示すものの、短波長域では、急激に感度が低下し、500nmより短波長では殆ど感度を発現できず、短波長半導体レーザーを用いる本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置には、全く適用不可能であることが明らかである。
本発明の電子写真用感光体を用いた電子写真装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 各製造例及び各比較製造例で得た電子写真用感光体の短波長域における分光感度図である。
符号の説明
1 半導体レーザー
2 補正光学系
3 回転多面鏡
4 走査レンズ
5 電子写真用感光体
6 帯電器
7 現像器
8 転写器
9 クリーナー
10 定着器
11 制御回路
12 被印字体
13 導電性支持体
14 光導電層
15 電荷輸送層
16 電荷発生層
17 電荷発生物質
18 結着材
19 電荷輸送物質/結着材

Claims (4)

  1. 少なくとも導電性支持体上に光導電層を設けて成る電子写真用感光体において、前記光導電層の光入射面が電荷発生物質を含有する層であり、かつ400〜500nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーが露光用光源として用いられることを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 前記光導電層が少なくとも電荷発生物質を樹脂中に分散させて成る単層構造である請求項1に記載の電子写真用感光体。
  3. 前記光導電層が支持体側から少なくとも電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した構造を有する請求項1に記載の電子写真用感光体。
  4. 前記露光用光源として用いられる半導体レーザの発振波長が400〜450nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用感光体。


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