JP2006276496A - フォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置 - Google Patents

フォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006276496A
JP2006276496A JP2005096245A JP2005096245A JP2006276496A JP 2006276496 A JP2006276496 A JP 2006276496A JP 2005096245 A JP2005096245 A JP 2005096245A JP 2005096245 A JP2005096245 A JP 2005096245A JP 2006276496 A JP2006276496 A JP 2006276496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
photosensitive resin
meth
crystal display
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2005096245A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yoshinari
伸一 吉成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2005096245A priority Critical patent/JP2006276496A/ja
Publication of JP2006276496A publication Critical patent/JP2006276496A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 フォトスペーサーの変形回復性を高め、セル厚が2〜4μmである液晶表示装置における表示ムラを解消する。
【解決手段】 セル厚が2〜4μmである液晶表示装置を構成するフォトスペーサーを、架橋基密度が0.0073モル/g以上の感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂層を形成してパターニングした後に、架橋反応率が86〜100%となるように加熱処理を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶セルのセル厚の変動が表示ムラとなりやすい表示装置を構成するスペーサーの作製に好適なフォトスペーサーの製造方法、並びにこれにより作製されたフォトスペーサーを備えた液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置に関する。
従来より、液晶表示装置は、高画質画像を表示する表示装置に広く利用されている。液晶表示装置は一般に、一対の基板間に所定の配向により画像表示を可能とする液晶層が配置されており、この基板間隔、すなわち液晶層の厚みを均一に維持することが画質を決定する要素の一つであり、そのために液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーが配設されている。この基板の間の厚みは一般に「セル厚」と称され、セル厚は通常、前記液晶層の厚み、換言すれば、表示領域の液晶に電界をかけている2枚の電極間の距離を示すものである。
スペーサーは、従来ビーズ散布により形成されていたが、近年では、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより位置精度の高いスペーサが形成されるようになってきている。このような感光性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサーは、フォトスペーサーと呼ばれている。
感光性樹脂組成物を用いてパターニング、アルカリ現像、及びベークを経て作製されたフォトスペーサーについては、そのスペーサドットの圧縮強度が弱く、パネル形成時に塑性変形が大きくなる傾向を有している。高画質の画像表示には、これに起因して液晶層の厚みが設計値より小さくなる等して均一性が保持できなかったり、画像ムラを生ずるといった問題がないことが要求される。また、液晶表示装置の高精度化の点では、感光性樹脂組成物のアルカリ現像残渣が生じないことも重要である。
液晶表示装置の表示モードには、従来、TNモードが採用されていたが(例えば、非特許文献1参照)、視野角が狭いという問題から広視野角のVAモードが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
VAモードは、リブと呼ばれる低誘電率の突起を上下一対の透明電極の一方又は両方に形成する、あるいは上下一対の透明電極の双方をパターニングして用いる(例えば、非特許文献3参照)等により、電極間に生じる電界に部分的な傾斜を付与し、これにより液晶の配向をマルチドメイン化して、いずれの角度からも同じような明るさで観察可能な表示装置を実現している。リブを用いるものはMVA、ASV、CPAなどと呼ばれ、上下の透明電極の双方をパターニングして用いるものはPVAと呼ばれている。
このVAモードは、液晶セルのセル厚の変動が表示ムラとなりやすい表示モードの一つであり、IPSモードやOCBモード等の他の表示モードについても同様の傾向を示すものがある。
上記に関連して、液晶層の厚さ(セル厚)を一定に保つためのスペーサ形成技術として、スペーサ形成用にアリル基を有する樹脂を用いることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−207787号公報 「液晶ビジネス最前線」岩井善弘著、41頁、(株)工業調査会発行(1993年) 「日経マイクロデバイス別冊 フラットパネル・ディスプレイ2003」実務編、82〜85頁、日経BP社 「日経マイクロデバイス別冊 フラットパネル・ディスプレイ2003」実務編、103頁、日経BP社
上記のVAモードなどは、液晶の複屈折モードを採用するため、透過率がセル厚(d)に依存し、セル厚のムラが明るさのムラとして検出されやすい。つまり、セル厚の変動により表示ムラを生じやすい。また、表示の高速応答化のためには、セル厚を従来(TNモード)の4.5μmから更に薄くすることが有効であるが、セル厚を薄くした場合には、セル厚の変動の、セル厚全体に占める割合が大きくなり、よりセル厚のムラ(厚み不均一)の影響を受けやすくなる。さらに、高速応答が実現されるとテレビなどに広く使用されるようになり、表示ムラ、すなわちセル厚のムラに対する要求も厳しくなっているのが実状である。
元々、液晶セルに用いられるフォトスペーサーには、高い変形回復性が要求されている。これを実現するために、モノマーなどの架橋反応率を高くすることが行なわれ、変形回復率をある程度高めることができるものの、その向上効果は頭打ちになる傾向にあり、更なる改善が求められていた。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、高度の変形回復性を有し、セル厚が2〜4μmである液晶表示装置における表示ムラを解消し得るフォトスペーサーの製造方法、並びに、表示ムラを防止して高画質画像の表示を可能とする液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、樹脂部分の架橋成分密度が高く、かつ架橋反応率が高い場合に変形回復性が飛躍的に向上し、セル厚が2〜4μmの薄厚構成を有する場合に生じやすい表示ムラの改善に特に有効であるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも2枚の基板と、該基板間に設けられた液晶と、該液晶に電界を印加する2枚の電極と、前記基板間のセル厚を規制するためのフォトスペーサーとを備え、前記セル厚が2〜4μmである液晶表示装置における前記フォトスペーサーの製造方法であって、前記2枚の基板の一方の上に、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物を少なくとも含む感光性樹脂層を形成する層形成工程と、形成された前記感光性樹脂層を露光及びアルカリ現像してパターニングするパターニング工程と、パターニングされた前記感光性樹脂層を、架橋反応率が86〜100%となるように加熱処理する熱処理工程とを少なくとも含むことを特徴とするフォトスペーサーの製造方法である。
<2> 前記感光性樹脂組成物が、少なくとも、(A)高分子物質と、(B)重合性モノマーと、(C)光重合開始剤とを含有し、前記(A)高分子物質と前記(B)重合性モノマーとがともに架橋基を有する前記<1>に記載のフォトスペーサーの製造方法である。
<3> 前記層形成工程は、仮支持体上に、該仮支持体側から順に少なくとも、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層と、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物で構成された感光性樹脂層とを有する感光性転写材料を用い、前記感光性樹脂層を転写形成する前記<1>又は<2>に記載のフォトスペーサーの製造方法である。
<4> 前記層形成工程は、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物を含む溶液をスリット状ノズルにより前記2枚の基板の一方の上に塗布し、乾燥させて、前記感光性樹脂層を形成する前記<1>又は<2>に記載のフォトスペーサーの製造方法である。
<5> 前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のフォトスペーサーの製造方法により作製されたフォトスペーサーを備えたことを特徴とする液晶表示装置用基板である。
<6> 前記<5>に記載の液晶表示装置用基板を備えたことを特徴とする液晶表示素子である。
<7> 前記<6>に記載の液晶表示素子を備えたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、高度の変形回復性を有し、セル厚が2〜4μmである液晶表示装置における表示ムラを解消し得るフォトスペーサの製造方法、並びに、表示ムラを防止して高画質画像の表示を可能とする液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置を提供することができる。
セル厚が2〜4μmであって、セル厚の変動で表示ムラを起こし易い液晶表示装置における表示ムラの改善に特に効果的である。
以下、本発明のフォトスペーサーの製造方法について詳細に説明し、該説明を通じて本発明の液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置の詳細についても述べる。
<フォトスペーサーの製造方法>
本発明のフォトスペーサーの製造方法は、少なくとも2枚の基板と、該基板間に設けられた液晶と、該液晶に電界を印加する2枚の電極と、前記基板間のセル厚を規制するためのフォトスペーサーとを備え、前記セル厚を2〜4μmの薄厚とした液晶表示装置における前記フォトスペーサーを作製するものである。
具体的には、液晶表示装置を構成する基板上に、樹脂部分の架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物を少なくとも含む感光性樹脂層を形成する層形成工程と、形成された感光性樹脂層を露光及びアルカリ現像してパターニングするパターニング工程と、パターニングされた感光性樹脂層を、架橋反応率が86〜100%となるように加熱処理する熱処理工程とで構成されたものである。更に必要に応じて、他の工程が設けられていてもよい。
本発明において、架橋基密度〔mol/g〕及び架橋反応率〔%〕は下記式により求められるものである。
架橋基密度= 架橋基のモル数/樹脂成分の質量
架橋反応率=〔(初期架橋基量−反応後架橋基量)/初期架橋基量〕×100
なお、架橋反応率は、架橋反応前の初期架橋基量と架橋反応終了後の反応後架橋基量とを、IR法(既知サンプルで「架橋基量−IR吸収量検量線」を求め、IR吸収量から架橋基量を求める。)により求め、前記式から求められる。架橋反応の終了は、本発明における熱処理工程で架橋反応の終結をもって終了とできる。
また、前記「樹脂部分」は、顔料やシリカなどの固体微粒子が含まれる場合にはこれらを除いた部分である。
本発明では、フォトスペーサを構成する組成物中の架橋基密度を0.0073モル/g以上とすると共にその架橋反応率を86〜100%とし、架橋成分密度の高い樹脂部分において高い架橋率を得るようにすることで、外圧を受けて塑性変形した際の良好な変形回復性を確保できるので、特にセル厚が2〜4μmである薄厚構成の場合に、液晶表示素子が表示する画像中の表示ムラを効果的に防止することができる。
[層形成工程]
本発明に係る層形成工程は、基板上に、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物を少なくとも含む感光性樹脂層を形成する。この感光性樹脂層は、後述する後工程を経て架橋反応率86〜100%にまで架橋されて、変形回復性が良好でセル厚を均一に保持し得るフォトスペーサーを構成し、特にセル厚の変動で表示ムラが生じやすい表示装置における画像中の表示ムラが効果的に解消される。
架橋基密度の調整は、感光性樹脂組成物を構成する樹脂成分を、感光性樹脂組成物中に存在する樹脂部分の架橋基の総量(モル)が該組成物の全量(g)の0.0073モル/g以上となるようにすることで行なうことができる。
基板上に感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)感光性樹脂組成物を公知の塗布法により塗布する方法、及び(b)感光性転写材料を用いた転写法によりラミネートする方法が好適に挙げられる。以下、各々について述べる。
(a)塗布法
感光性樹脂組成物の塗布は、公知の塗布法、例えば、スピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは米国特許第2681294号明細書に記載のポッパーを使用するエクストルージョンコート法等により行なうことができる。中でも、スリットノズルあるいはスリットコーターによる方法が好適である。
本発明においては特に、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物を含む溶液をスリット状ノズルにより基板上に塗布し、乾燥させて、基板上に感光性樹脂層を形成する態様が好適である。
感光性樹脂層を塗布形成する場合、その層厚は0.5〜10.0μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。層厚が前記範囲であると、製造時における塗布形成の際のピンホールの発生が防止され、未露光部の現像除去を長時間を要することなく行なうことができる。
前記スリット状ノズルは、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルであり、このスリットノズル、あるいはスリットノズルを有するスリットコーターとしては、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いられる。
(b)転写法
転写による場合、感光性転写材料を用いて、仮支持体上に膜状に形成された感光性樹脂層を基板面に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって貼り合せた後、仮支持体の剥離により感光性樹脂層を基板上に転写する。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられ、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
本発明においては特に、仮支持体上に、該仮支持体側から順に少なくとも、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層と、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物で構成された感光性樹脂層とを有するフォトスペーサー形成用の感光性転写材料を用いて、基板上に感光性樹脂層を転写形成する態様が好ましい。感光性樹脂層を転写形成する場合の層厚も、塗布形成する場合と同様である。
具体的には、感光性転写材料から保護フィルム(カバーフィルム)を取除いた後、露出した感光性樹脂層の表面を被転写材である基板面と重ね合わせ、加圧・加熱を行なって貼り合わせる(ラミネート)。貼り合わせは、公知のラミネーター(真空ラミネーターなど)を用いて好適に行なうことができ、より生産性を高める観点からは、オートカットラミネーターが好適である。
感光性樹脂層を形成する基板としては、例えば、透明基板(例えばガラス基板やプラスチックス基板)、透明導電膜(例えばITO膜)付基板、カラーフィルタ付きの基板(カラーフィルタ基板ともいう。)、駆動素子(例えば薄膜トランジスタ[TFT])付駆動基板、などが挙げられる。基板の厚みとしては、700〜1200μmが一般に好ましい。
また、基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、感光性樹脂組成物、又は感光性転写材料の感光性樹脂層との間の密着を良好にすることができる。カップリング処理としては、特開2000−39033記載の方法が好適に用いられる。
感光性樹脂層を形成する場合、感光性樹脂層上には更に酸素遮断膜を設けることができる。これにより露光感度をアップすることができ、該酸素遮断膜としては、後述の中間層の項において説明した構成と同様にすることができる。酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが好ましい。
〜感光性樹脂組成物〜
次に、感光性樹脂組成物について説明する。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、感光性を有するアルカリ現像が可能な樹脂組成物を用いることができる。中でも、(A)高分子物質と(B)重合性モノマーと(C)光重合開始剤とを少なくとも含有し、前記(A)高分子物質と前記(B)重合性モノマーとがともに架橋基を有する感光性樹脂組成物が好ましく、該感光性樹脂組成物中の架橋基密度を0.0073モル/g以上とする。また、必要に応じて、着色剤や界面活性剤などの(D)その他の成分を用いて構成することができる。
(A)高分子物質
高分子物質は、フォトスペーサーを形成する場合のバインダー成分としての機能を有するものであり、それ自体が架橋基を有することが好ましい。高分子物質は、目的等に応じ適宜選択した、単量体の単独重合体、及び複数の単量体からなる共重合体のいずれであってもよいが、カルボキシル基を有する構造単位と、下記一般式(I)で表される構造単位と、芳香族環及び/又は脂肪族環を1以上有する(メタ)アクリレートからなる構造単位とを少なくともを有する共重合体が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2006276496
この共重合体は、例えば、カルボキシル基を有する重合性モノマー、下記式(2)で表されるモノマー、芳香族環及び/又は脂肪族環を1以上有する(メタ)アクリレート、及び必要に応じてこれらと共重合可能なその他のモノマーを公知の方法で共重合させることによって得ることができる。
Figure 2006276496
前記一般式(1)及び式(2)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2〜R6はそれぞれ独立に、水素原子又は、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基を表す。
前記カルボキシル基を有する重合性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の、水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸のような環状無水物との付加反応物も使用できる。また、無水マレイン酸、無水イタコン酸のような無水物モノマーをカルボン酸の前駆体として用いることもできる。これらの中でも重合性や原料価格の点から、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
前記式(2)で表されるモノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、3−クロル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(ヒドロキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(4−エトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3−メトキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3−(3’−メトキシフェニル)−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(4−メチルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート;
3−フェニル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3,3−〔ジ−(2,4,6−トリメチルフェニル)〕−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−フェニル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3,3−ジフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2−クロルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3−クロルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(4−クロルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2,4−ジクロルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2−ブロムフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−ブロム−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−クロル−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2−ニトロフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(3−ニトロフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−メチル−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−メチル−3−(4−クロルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、
2−メチル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−メチル−3−(4−アミノフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−メチル−3,3−ジフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ジフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−エトキシメチレン−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−メチル−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2,3−ジフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,2,3−トリフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2,3,3−トリフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,3−ジフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(4−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−フェニル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,3−ジ(4−クロルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(4−ブロムフェニル)−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート;
1−フェニル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,3−ジ(2−ニトロフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,1−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,1,3−トリフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,1,3,3−テトラフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(4−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,2−ジフェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−フェニル−2−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−シクロヘキシル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−ベンジル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,1−ジ(4−クロルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−シアノ−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−アニリノ−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2−メチルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(2−カルベトキシイソプロピル)−3−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(1−カルベトキシイソプロピル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−(1−カルベトキシエチル)−3−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−カルベトキシ−3−クロル−3−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−カルベトキシメチレン−3−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−シアノ−3−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1−シクロヘキシル−3−(2−ヒドロキシシクロへキシル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−シクロペンチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート;
3−フリル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−クロル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−ブロム−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−メチル−3−クロル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−メチル−3−ブロム−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−クロル−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−ブロム−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−ブロム−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−フルオロ−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−フルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−シアノ−3−フェニル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−クロル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−ブロム−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−クロル−3,3−ジフルオロ−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−フルオロ−3−クロル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロム−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−クロル−3−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、2−ペンテニル(メタ)アクリレート、2−ヘキセニル(メタ)アクリレート、2−ヘプテニル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性や原料価格の点で、アリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記「芳香環及び/又は脂肪族環を1以上有する(メタ)アクリレート」としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチルなど]、(メタ)アクリル酸アリールエステル[例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸メトキシフェニル、(メタ)アクリル酸ナフチルなど]、アラルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチルなど]、等が挙げられる。
これらの中でも、原料価格、溶解性、顔料分散性等の点で、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが好ましい。
また、これらの構造単位と共重合可能な「その他のモノマー」としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸(C1〜C18)アルキルエステルなど];
(メタ)アクリル酸アラルキルエステル[例えば(メタ)アクリル酸ベンジルなど]、置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど]、(メタ)アクリルアミド類[例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミドなど]、置換(メタ)アクリルアミド類[例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど]、芳香族ビニル類[例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど]、ヘテロ環ビニル類[例えば、ビニルイミダゾール、ビニルピリジンなど]、ビニルエステル類[例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、N−ビニルアミド類[例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなど]、アリルエステル類[例えば酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体[例えば、塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル[例えば(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[例えば、エチレン、プロピレンなど]、等が挙げられる。
これらの中でも、その共重合性や生成する重合体の溶媒溶解性、得られる膜の製膜性などの観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなど]、等が特に好ましい。
これらの共重合可能な他成分は、1種単独でも2種以上の組合せでもよい。
前記各成分の共重合組成比については、「カルボキシル基を有する構造単位」は10〜40モル%が好ましく、15〜35モル%が更に好ましく、20〜35モル%が特に好ましい。カルボキシル基を有する構造単位が前記範囲内であると、良好な現像性が得られると共に、画像部の現像液耐性も良好である。また、「一般式(I)で表される構造単位」は20〜80モル%が好ましく、20〜75モル%が更に好ましく、25〜75モル%が特に好ましい。一般式(I)で表される構造単位が前記範囲内であると、良好な硬化性、現像性が得られる。また、「芳香族環及び/又は脂肪族環を1以上有する(メタ)アクリレートからなる構造単位」は10〜70モル%が好ましく、10〜60モル%が更に好ましく、10〜50モル%が特に好ましい。芳香族環及び/又は脂肪族環を1以上有する(メタ)アクリレートからなる構造単位が前記範囲内であると、顔料分散性に優れると共に、現像性及び硬化性も良好である。
高分子物質として好適な前記共重合体の重量平均分子量は、5,000〜20万が好ましく、1万〜10万が更に好ましく、1.2万〜8万が特に好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、共重合体の製造適性、現像性の点で望ましい。
以下、高分子物質として好適な前記共重合体の具体例を列挙する。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。また、下記の共重合体については、特開2003−131379号公報、同2003−207787号公報を参照することができる。
Figure 2006276496
Figure 2006276496
Figure 2006276496
Figure 2006276496
Figure 2006276496
高分子物質として好適な前記共重合体は、それぞれ相当する単量体を公知の方法で常法にしたがって共重合させることで得ることができる。例えば、これらの単量体を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させることで得られる。
共重合させる際の適当な溶媒の例としては、モノマー及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できるが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエン、及びこれらの混合物などが挙げられる。また、重合開始剤を用いることができ、該重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系、過硫酸塩等が利用できる。
また、分子量を調整する目的で公知の連鎖移動剤を適宜使用することもできる。さらに、重合濃度、開始剤量、連鎖移動剤、重合温度などを適切に調整することが必要なこともある。例えば、重合濃度としては、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%が更に好ましい。
高分子物質の感光性樹脂組成物(又は感光性樹脂層)中における含有量としては、該組成物又は該層の固形分に対して、30〜70質量%が好ましく、40〜50質量%が好ましい。
(B)重合性モノマー
重合性モノマーとしては、架橋基を有するものが好ましく、特に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有するものを、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エステル化合物、アミド化合物、並びにその他の化合物が挙げられる。
前記エステル化合物としては、例えば、単官能(メタ)アクリル酸エステル、多官能(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル、その他のエステル化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、単官能(メタ)アクリル酸エステル、多官能(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
前記単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記多官能(メタ)アクリル酸エステルしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも特に、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記多官能(メタ)アクリル酸エステルの他の例として、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、及び特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類、特開昭60−258539号公報に記載の(メタ)アクリル酸エステルやウレタン(メタ)アクリレートやビニルエステル、などが挙げられる。
前記「その他のエステル化合物」としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、日本接着協会誌Vol.20,No.7,第300〜308頁に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、などが挙げられる。
また、前記アミド化合物としては、例えば、不飽和カルポン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド(モノマー)などが挙げられ、具体的には、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられ、また、特開昭60−258539号公報に記載の(メタ)アクリル酸アミド、などが挙げられる。
また、前記「その他の化合物」として、例えば、特開昭60−258539号公報に記載のアリル化合物などが挙げられる。
重合性モノマーは、1種単独で用いる以外に、2種以上を併用するようにしてもよい。
重合性モノマーの感光性樹脂組成物(又は感光性樹脂層)中における含有量としては、該組成物又は該層の全固形分に対して、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
本発明においては、感光性樹脂組成物中における、前記高分子物質の含有量B(質量%)と前記重合性モノマーの含有量M(質量%)との比(M/B)としては0.6〜1.5が好ましい。また、より好ましい比M/Bの範囲は0.7〜1.0である。
(C)光重合開始剤
光重合開始剤としては、およそ300〜500nmの波長領域に約50以上の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有しているものが好ましい。例えば、特開平2−48664号公報、特開平1−152449号公報、及び特開平2−153353号公報に記載の、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類、ハロゲン化炭化水素誘導体、ケトン化合物、ケトオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、などが挙げられる。
上記の中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体との組合せ、4−〔p−N,N’−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン〕、2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N’−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジンなどが好ましい。
光重合開始剤は、1種単独で用いる以外に、2種以上を併用するようにしてもよい。
光重合開始剤の感光性樹脂組成物(又は感光性樹脂層)中における含有量としては、該組成物又は該層中の架橋基の量に対して、0.6〜2.82モル/モルが好ましく、1.0〜2.0モル/モルがより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、架橋構造が安定化し、作製されたフォトスペーサの高さを均一に保つことができる。
(D)その他の成分
感光性樹脂組成物(又は感光性樹脂層)は、上記の高分子物質、重合性モノマー、及び光重合開始剤以外に、必要に応じて更に、着色剤、界面活性剤、溶媒、熱重合防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を用いることができる。
−着色剤−
着色剤としては、染料、顔料等が挙げられる。好ましい顔料の種類、サイズ等については、例えば特開平11−149008号公報の記載から適宜選択することができる。顔料等の着色剤を含有させた場合は、着色画素を形成することができる。使用可能な顔料には、体質顔料又は着色顔料が挙げられる。体質顔料としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2003−302639号公報の段落番号[0035]〜[0041]に記載の体質顔料が好適に挙げられる。着色顔料としては、特開2003−302639号公報の段落番号[0043]に記載の顔料が好適に挙げられる。
−界面活性剤−
界面活性剤としては、感光性樹脂組成物(又は感光性樹脂層)の構成成分と混ざり合うものであれば使用可能である。好ましい界面活性剤として、特開2003−337424号公報の段落番号[0015]〜[0024]、特開2003−177522号公報の段落番号[0012]〜[0017]、特開2003−177523号公報の段落番号[0012]〜[0015]、特開2003−177521号公報の段落番号[0010]〜[0013]、特開2003−177519号公報の段落番号[0010]〜[0013]、特開2003−177520号公報の段落番号[0012]〜[0015]、特開平11−133600号公報の段落番号[0034]〜[0035]、特開平6−16684号公報に記載の界面活性剤が好適に挙げられる。
より高い効果を得る観点からは、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤を含む。)のいずれか1種、あるいは2種以上を選択するのが好ましく、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。
フッ素系界面活性剤を用いる場合、該界面活性剤分子中のフッ素含有置換基のフッ素原子数は1〜38が好ましく、5〜25がより好ましく、7〜20が最も好ましい。フッ素原子数が前記範囲内であると、溶解性が良好であると共にムラの改善効果が得られる点で望ましい。
特に好ましい界面活性剤としては、下記一般式(a)で表されるモノマーAと下記一般式(b)で表されるモノマーBとを共重合成分として含み、前記モノマーAと前記モノマーBとの共重合比(A/B[質量比])が20/80〜60/40である共重合体(以下、「本発明に好適な界面活性剤」ともいう。)が挙げられる。
Figure 2006276496
前記一般式において、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、好ましくはR1、R2は水素原子であり、R3はメチル基である。
また、R4は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。R4で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。R4は、特に好ましくは水素原子である。
前記一般式(a)中、nは1〜18の整数を表し、好ましくは2〜10の整数である。mは、2〜14の整数を表し、好ましくは4〜12の整数である。一般式(a)中のCm2m+1は、直鎖でも分岐鎖でもよく、Cm2m+1のモノマーAに対する比率は、20〜70質量%が好ましく、特に好ましくは40〜60質量%である。
前記一般式(b)中、p及びqは、それぞれ独立に0〜18の整数を表し、好ましくは2〜8である。p及びqは、同時に0を表す場合はない。
本発明に好適な界面活性剤においては、1分子中に含まれる複数のモノマーAは互いに同じ構造のものでも異なる構造のものであってもよく、またモノマーBについても同様である。
本発明に好適な界面活性剤(共重合体)は、該共重合体の全質量に対して、前記モノマーAを20〜60質量%、前記モノマーBを80〜40質量%、及び前記モノマーA及びB以外の他の任意モノマーをその残りの質量%とした共重合比で共重合されていることが好ましく、更には、モノマーAを25〜60質量%、モノマーBを60〜40質量%、及び前記モノマーA及びB以外の他の任意モノマーをその残りの質量%とした共重合比で共重合されていることが好ましく、モノマーAを25〜60質量%、モノマーBを75〜40質量%、及び前記モノマーA及びB以外の他の任意モノマーをその残りの質量%とした共重合比で共重合されていることがより好ましい。
本発明に好適な界面活性剤(モノマーA及びモノマーBが少なくとも共重合されてなる共重合体)のうち、好ましい形態は、前記一般式(a)中のR1が水素原子であって、n=2、m=6であるモノマーAと、前記一般式(b)中のR2が水素原子であって、R3がメチル基であって、R4が水素原子であって、p=7、q=0であるモノマーB、又は前記一般式(b)中のR2、R3、及びR4が水素原子であって、p=0、q=7であるモノマーBと、を20/80〜60/40の共重合比(A/B)で共重合させてなる共重合体である。特に好ましくは、25/60〜60/40の共重合比とした場合である。
前記一般式(a)で表されるモノマーAと前記一般式(b)で表されるモノマーBとを共重合成分として含む共重合体の具体例は、特開2003−337424号公報の段落番号[0068]の表1に記載されている。
−溶媒−
感光性樹脂組成物の調製には、前記成分以外に有機溶媒を用いることができる。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
−熱重合防止剤−
感光性樹脂組成物には、更に熱重合防止剤を含有できる。熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
−紫外線吸収剤−
感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報に記載の化合物、並びにサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
また、感光性樹脂組成物は、前記添加剤のほか、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」やその他の添加剤等を含有することもできる。
本発明に係る感光性樹脂層は、既述したように、感光性樹脂組成物を塗布する塗布法によるほか、感光性転写材料を用いた転写法により形成できる。この感光性転写材料としては、特開平5−72724号公報に記載の樹脂転写材料など、一体型に構成された転写用フィルムを用いて好適に形成することができ、一体型の転写用フィルムの構成例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フィルムの積層構造を有する構成が好適である。
〜感光性転写材料〜
次に、感光性転写材料について説明する。
本発明に係る感光性転写材料は、仮支持体上に、該仮支持体側から順に少なくともアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とを有してなるフォトスペーサー形成用の感光性転写材料であり、感光性樹脂層の少なくとも一層が、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物で構成されたものである。また、必要に応じて、中間層や保護フィルム等のその他の層を有していてもよい。
−感光性樹脂層−
感光性樹脂層は、フォトスペーサーを形成する場合に該フォトスペーサーを構成する層である。感光性樹脂層は、層中の樹脂部分の架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物、好ましくは既述の、(A)高分子物質と(B)重合性モノマーと(C)光重合開始剤とを少なくとも含有し、(A)高分子物質と(B)重合性モノマーとがともに架橋基を有する感光性樹脂組成物を、公知の塗布方法により塗布、乾燥させることにより好適に形成することができる。
感光性樹脂組成物の塗布は、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによる塗布が好ましい。スリット状ノズル及びスリットコーターについての具体的な詳細については既述の通りである。感光性樹脂層の層厚は、0.5〜10μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。層厚が前記範囲であると、製造時における塗布形成の際のピンホールの発生が防止され、未露光部の現像除去を長時間を要せずに行なえる。
−熱可塑性樹脂層−
感光性転写材料には、前記感光性樹脂層と仮支持体との間に、少なくとも一層のアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層を設けることができる。アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層(以下、単に「熱可塑性樹脂層」ともいう。)は、アルカリ現像を可能とし、転写時にはみ出した熱可塑性樹脂層自身による被転写体の汚染防止を可能とする点からアルカリ可溶性である必要がある。
この熱可塑性樹脂層は、前記感光性樹脂層を被転写材に転写する際に、被転写材上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有し、感光性転写材料を被転写材に加熱圧着した際の被転写材上の凹凸に対応して変形し得、感光性樹脂層と被転写材との密着性を高めることができる。
熱可塑性樹脂層の層厚としては、0.1〜20μmが好ましい。層厚が前記範囲内であると、転写時の仮支持体からの剥離性に優れると共に、被転写材上の凹凸を吸収するのに効果的であり、感光性樹脂層にレチキュレーションが発生し、転写不良を招来することもない。また、好ましくは1.5〜16μmであり、より好ましくは5〜15.0μmである。
なお、レチキュレーションとは、吸湿等の原因で中間層が伸びた等の際に、柔軟なクッション層が坐屈して感光性樹脂層の表面に細かい「しわ」が発生することをいい、転写不良の原因となる。
熱可塑性樹脂層は、少なくともアルカリ可溶な熱可塑性樹脂を用いて構成することができ、必要に応じて適宜他の成分を用いることができる。アルカリ可溶な熱可塑性樹脂は、特に制限はなく適宜選択することができるが、実質的な軟化点が80℃以下であるものが好ましい。
実質的な軟化点が80℃以下である熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステルや、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、などが好適に挙げられ、また、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載の軟化点が約80℃以下である有機高分子の内、アルカリ可溶性のものも挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、実質的な軟化点が80℃以下であるものとして更に、それ自体が軟化点80℃以上の有機高分子物質であっても、該有機高分子物質にこれと相溶性のある各種可塑剤を添加して実質的な軟化点が80℃以下とされたものも挙げることができる。前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、などが挙げられる。
アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層には、前記熱可塑性樹脂以外に他の成分として、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的に軟化点が80℃を超えない範囲内で各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を添加することができる。
−中間層−
感光性転写材料には、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を防止する目的で、中間層を設けることが好ましい。特に、仮支持体上に設けられた前記熱可塑性樹脂層の上であって、該熱可塑性樹脂層と前記感光性樹脂層との間に設けることが好ましい。熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との形成には有機溶剤が用いられるが、中間層を設けることで両層が互いに混ざり合うのを防止できる。
中間層としては、水又はアルカリ水溶液に分散ないし溶解するものが好ましい。中間層の構成材料には公知のものを使用でき、例えば、特開昭46−2121号公報及び特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で用いる以外に2種以上を併用してもよい。
上記の中でも、水溶性樹脂、すなわち水溶性の高分子材料を使用するのが好ましく、この中でも少なくともポリビニルアルコールを使用するのがより好ましく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの併用が特に好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その鹸化度が80mol%以上のものが好ましい。
ポリビニルピロリドンを使用する場合、その含有量は、中間層の固形分に対して、1〜75体積%が好ましく、1〜60体積%がより好ましく、10〜50体積%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると、熱可塑性樹脂層との間で充分な密着性が得られ、酸素遮断能も良好である。
中間層は、酸素透過率が小さいことが好ましい。すなわち、酸素遮断機能のある酸素遮断膜で構成されるのが好ましく、露光時の感度がアップし、露光機の時間負荷を低減し得、生産性を向上させ得ると共に、解像度も向上する。
中間層の層厚としては、0.1〜5μm程度が好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。中間層の厚みが上記の範囲内であると、酸素遮断性を低下させることがなく、また、現像時の中間層除去時間が増大するのを防止することができる。
−仮支持体−
仮支持体としては、転写の支障とならない程度に前記熱可塑性樹脂層に対する剥離性を有するものが好ましく、化学的・熱的に安定で可撓性を有するものが好ましい。
仮支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
仮支持体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造、積層構造のいずれであってもよい。また、仮支持体には、前記熱可塑性樹脂層との間に良好な剥離性を確保する観点から、グロー放電等の表面処理を行なわないことが好ましく、ゼラチン等の下塗り層も設けないことが好ましい。
仮支持体の厚みとしては、5〜300μm程度が好ましく、20〜150μmが好ましい。
仮支持体としては、その少なくとも一方の表面に導電性層を有する、あるいは仮支持体自体が導電性を有することが好ましい。仮支持体がこのように導電性を有する構成であると、仮支持体を備えた感光性転写材料を被転写体上に密着させた後に仮支持体を剥離する場合に、該仮支持体や該被転写体等が帯電して周囲のゴミ等を引き寄せることがなく、その結果、該仮支持体を剥離した後も熱可塑性樹脂層上にゴミ等が付着せず、その後の露光過程で余分な未露光部ができることに伴なうピンホールの形成を効果的に防止することができる。仮支持体上の導電性層又は導電性を有する仮支持体の表面における表面電気抵抗としては、1013Ω以下が好ましい。
導電性を有する仮支持体は、該仮支持体中に導電性物質を含有することで得られる。導電性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、金属酸化物、帯電防止剤などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いる以外に2種以上を併用してもよい。また、金属酸化物の形態としては、結晶微粒子、複合微粒子などが挙げられる。
前記帯電防止剤としては、例えば、エレクトロストリッパーA(花王(株)製)、エレノンNo.19(第一工業製薬(株)製)等のアルキル燐酸塩系アニオン界面活性剤、アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイン系両性界面活性剤、ニッサンノニオンL(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、エマルゲン106、同120、同147、同420、同220、同905、同910(花王(株)製)やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のその他の非イオン系界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電性層は、公知の導電性物質を用いた構成の中から適宜選択して形成することができ、該導電性物質としては、湿度環境に影響されず安定した導電効果が得られる点で、例えば、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3などが好ましい。これらは、1種単独で用いる以外に2種以上を併用してもよい。
前記金属酸化物又は前記導電性物質の体積抵抗値としては、107Ω・cm以下が好ましく、105Ω・cm以下がより好ましい。また、前記金属酸化物又は前記導電性物質の粒子径としては、0.01〜0.7μmが好ましく、0.02〜0.5μmがより好ましい。
前記導電性層には、バインダーとして、例えば、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、炭素数1〜4のアルキルアクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマー又はコポリマー、可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド、などを使用することができる。
上記以外に、感光性転写材料には、その他の層として保護フィルムなどを更に設けることができる。
保護フィルムは、保管等の際に汚れや損傷等から感光性樹脂層を保護する機能を有し、仮支持体と同一又は類似の材料で構成することができる。保護フィルムとしては、感光性樹脂層から容易に剥離可能なものであればよく、例えば、シリコン紙、ポリオレフィンシート、ポリテトラフルオロエチレンシート等が好適に挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンシートないしフィルム、ポリプロピレンシートないしフィルムが好ましい。保護フィルムの厚みとしては、5〜100μm程度が好ましく、10〜30μmがより好ましい。
感光性転写材料は、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子(熱可塑性樹脂)と共に添加剤を溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、この熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂や添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層し、この中間層上に更に、中間層を溶解しない溶剤を用いて既述のように調製した感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を積層することによって、好適に作製することができる。
上記による以外に、仮支持体上に該仮支持体側から順に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けた第1シートと、保護フィルム上に感光性樹脂層を設けた第2シートとを用意し、第1シートの中間層表面と感光性樹脂層の表面とが接するように貼り合せることによって作製することもできる。また更に、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けた第1シートと、保護フィルム上に該保護フィルム側から順に感光性樹脂層及び中間層を設けた第2シートとを用意し、第1シートの中間層表面と第2シートの熱可塑性樹脂層の表面とが接するように貼り合せることによって作製することもできる。
[パターニング工程]
本発明に係るパターニング工程は、基板上に形成された感光性樹脂層を露光及びアルカリ現像してパターニングする。具体的には、基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、該マスク及び場合により熱可塑性樹脂層及び中間層を介してマスクの更に上方(マスクの感光性樹脂層と対向しない側)から露光し、露光完了後、現像液を用いた現像処理を行なう。
前記露光に用いる光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
現像は、公知のアルカリ現像方法にしたがって行なうことができ、例えば、溶剤若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液(アルカリ現像液)等を用いて、露光後の感光性転写材料を、現像液を収容した現像浴中に浸漬させるか、感光性転写材料上の層に対してスプレー等で噴霧する等すると共に、更に回転ブラシ、湿潤スポンジ等で擦ったり、超音波を照射させながら処理する等により行なうことができる。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。また、現像後には、水洗処理を行なうのが好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等、公知の方法を用いることができる。
シャワー現像による場合、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。なお、現像前に予め、感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ水溶液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。
なお、露光後の現像や不要部分の除去の過程において、感光性樹脂層及び熱可塑性樹脂層や中間層の溶解に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好ましい。アルカリ性物質には、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類又は燐酸三ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いる以外に2種以上を併用してもよい。
アルカリ性水溶液としては、アルカリ性物質の濃度が0.01〜30質量%であるのが好ましく、pHが8〜14であるのが好ましい。
前記水混和性のある有機溶剤は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。水混和性を有する有機溶剤の添加量は、0.1〜30質量%が好ましい。
なお、アルカリ性水溶液には、公知の種々の界面活性剤を添加することができ、該界面活性剤を添加する場合の添加量は、0.01〜10質量%であるのが好ましい。
[熱処理工程]
本発明に係る熱処理工程は、パターニングされた感光性樹脂層を、架橋反応率が86〜100%となるように加熱処理する。本工程により、層中の樹脂部分(高分子物質やモノマー、オリゴマー等の重合性モノマーなど)の架橋基の架橋を行なわせて硬い膜とする。このとき、加熱温度、加熱時間を調整することにより、架橋反応率が86〜100%の範囲となるように調整することができる。
加熱温度、加熱時間は、熱処理による黄ばみの発生が少なく、かつ生産タクトを落さないように、高めの温度で短めの時間に設定して行なうことができる。
以上により、架橋反応率が86〜100%である塑性変形した際の変形回復性に優れたフォトスペーサーを得ることができる、
前記架橋反応率としては、90〜100%がより好ましく、最も好ましくは95〜100%である。
例えば透明なフォトスペーサーを作製する場合、例えば、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物で構成された感光性樹脂層を有する感光性転写材料を用意し、その保護フィルムを取除いて露出した感光性樹脂層の表面を基板面に重ね合せてラミネートして貼り合わせ、仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去することにより基板上に感光性樹脂層を転写する(層形成工程)。その後、感光性樹脂層に対して、熱可塑性樹脂層及び中間層を介して所定のマスクを通して露光を行ない、感光性樹脂層の未露光部をアルカリ性水溶液を用いて現像除去し、スペーサーパターンを形成する(パターニング工程)。形成されたスペーサーパターンに加熱処理を施して架橋反応率が86〜100%となるように露光部を硬化させる(熱処理工程)ことによって、フォトスペーサーを得ることができる。
本発明のフォトスペーサーの製造方法により作製されたフォトスペーサーは、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物又は該感光性樹脂組成物で構成された感光性樹脂層を用いて架橋反応率が86〜100%となるように硬化されてなるため、塑性変形させた際に高い(好ましくは70%以上の)変形回復率を示し、充分な力学特性を具えるので、液晶セルのセル厚を均一に保つのに有効である。そのため、このフォトスペーサーは、液晶セルのセル厚の変動で表示ムラを起こし易い表示装置に好適に用いることができる。
本発明のフォトスペーサーの製造方法により作製されたフォトスペーサーの変形回復率としては、17μmφのフォトスペーサーを50μmφの円錘台圧子で、負荷速度0.145gf/秒、最大荷重78mN、保持時間5秒、測定温度23℃の条件にて負荷−除荷テストを行なった際の変形回復率で、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上が更に好ましい。変形回復率が前記範囲内にあると、外部からの圧縮強度に耐え、パネル形成時における塑性変形を防止して所望厚の液晶層を得ることができる。その結果、厚変化により生じ得る表示ムラが解消され、高画質画像の表示が可能となる。
<液晶表示装置用基板>
本発明の液晶表示装置用基板は、前記本発明のフォトスペーサーの製造方法により得られたフォトスペーサーを設けて構成されたものである。フォトスペーサーは、基板上に形成されたブラックマトリクス等の表示用遮光部の上やTFT等の駆動素子上に形成されることが好ましく、必要に応じてブラックマトリクス等の表示用遮光部やTFT等の駆動素子とフォトスペーサーとの間にITO等の透明導電層(透明電極)やポリイミド等の液晶配向膜が存在していてもよい。
例えば、フォトスペーサーが表示用遮光部や駆動素子の上に設けられる場合、該基板に予め配設された表示用遮光部(ブラックマトリクスなど)や駆動素子を覆うようにして、例えば感光性転写材料の感光性樹脂層を基板面にラミネートし、剥離転写して感光性樹脂層を形成した後、これに露光、現像、加熱処理等を施してフォトスペーサーを形成することによって、本発明の液晶表示装置用基板を作製することができる。
本発明の液晶表示装置用基板には更に、必要に応じて赤色(R)、青色(B)、緑色(G)3色等の着色画素が設けられていてもよい。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、前記本発明の液晶表示装置用基板を設けて構成されたものである。液晶表示素子の1つとして、少なくとも一方が光透過性の一対の基板(本発明の液晶表示装置用基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む。)とを少なくとも備えたものが挙げられる。
この場合、本発明の液晶表示装置用基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いにブラックマトリックスで離画されているカラーフィルタ基板として構成できる。このカラーフィルタ基板には、高さ均一で変形回復性に優れたフォトスペーサーが設けられるため、該カラーフィルタ基板を備えた液晶表示素子は、カラーフィルタ基板と対向基板との間にセルギャップムラ(セル厚変動)の発生が抑えられ、色ムラ等の表示ムラの発生を効果的に防止することができる。これにより、作製された液晶表示素子は鮮やかな画像を表示できる。
また、液晶表示素子の別の態様として、少なくとも一方が光透過性の一対の基板(本発明の液晶表示装置用基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段とを少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、かつ一対の基板間が高さ均一で変形回復性に優れたフォトスペーサーにより所定幅に規制して構成されたものである。この場合も、本発明の液晶表示装置用基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いにブラックマトリックスで離画されたカラーフィルタ基板として構成されている。
本発明において使用可能な液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電液晶が挙げられる。
また、前記カラーフィルタ基板の前記画素群は、互いに異なる色を呈する2色の画素からなるものでも、3色の画素、4色以上の画素からなるものであってもよい。例えば3色の場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相で構成される。RGB3色の画素群を配置する場合には、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4色以上の画素群を配置する場合にはどのような配置であってもよい。カラーフィルタの作製は、例えば2色以上の画素群を形成した後既述のようにブラックマトリックスを形成してもよいし、逆にブラックマトリックスを形成した後に画素群を形成するようにしてもよい。RGB画素の形成については、特開2004−347831号公報等を参考にすることができる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の液晶表示素子を設けて構成されたものである。すなわち、互いに向き合うように対向配置された一対の基板間を既述のように、本発明のフォトスペーサーの製造方法により作製されたフォトスペーサーで所定幅に規制し、規制された間隙に液晶材料を封入(封入部位を液晶層と称する。)して構成されており、液晶層の厚さ(セル厚)が所望の均一厚に保持されるようになっている。
液晶表示装置における液晶表示モードとしては、STN型、TN型、GH型、ECB型、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、VA型、IPS型、OCB型、ASM型、その他種々のものが好適に挙げられる。中でも、本発明の液晶表示装置においては、最も効果的に本発明の効果を奏する観点から、液晶セルのセル厚の変動により表示ムラを起こし易い表示モードが望ましく、セル厚が2〜4μmであるVA型表示モード、IPS型表示モード、OCB型表示モードに構成されるのが好ましい。
本発明の液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(a)薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをフォトスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、(b)駆動基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをフォトスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、等が挙げられ、本発明の液晶表示装置は、各種液晶表示機器に好適に適用することができる。
液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、側工業調査会、1994年発行)」に記載がある。本発明の液晶表示装置には、本発明の液晶表示素子を備える以外に特に制限はなく、例えば前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載された種々の方式の液晶表示装置に構成することができる。中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置を構成するのに有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)、1996年発行)」に記載がある。
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明の液晶表示素子を備える以外は、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ.視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなどの様々な部材を用いて一般的に構成できる。これら部材については、例えば「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉、(株)富士キメラ総研、2003等発行)」に記載されている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
本実施例では、転写法及びLEDバックライトの組合せを中心に詳細に述べるが、本発明においてはスリットコーターなどを用いた塗布法により実施してもよく、また、バックライトは冷陰極管を用いて構成してもよい。
(実施例1):転写法
以下に示すようにして、図1に示すように構成されたMVAモードの液晶表示装置を作製した。
−カラーフィルタ基板の作製−
〈感光性樹脂転写材料の作製〉
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなるクッション層用塗布液を塗布、乾燥させてクッション層を形成した。次に、このクッション層上に下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて中間層(酸素遮断膜)を積層した。この中間層上に更に、下記表1(転写法)に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させて感光性樹脂層を積層した。このようにして、PET仮支持体の上に、乾燥膜厚が15μmのクッション層と乾燥膜厚が1.6μmの中間層と乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層を設け、感光性樹脂層上には保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
Figure 2006276496
上記のようにして、仮支持体とクッション層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが積層されて積層体に構成された感光性樹脂転写材料を作製した(以下、感光性樹脂転写材料K1と称する)。
〔クッション層用塗布液の処方H1〕
・メタノール …11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 6.4部
・メチルエチルケトン …52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 5.83部
〔共重合比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃〕
・スチレン/アクリル酸共重合体 …13.6部
〔共重合比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃〕
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) … 9.1部
・界面活性剤1 … 0.54部
*界面活性剤1:
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)製)
〔組成〕
・C613CH2CH2OCOCH=CH2(40部)とH(O(CH3)CHCH27OCOCH=CH2(55部)とH(OCH2CH27OCOCH=CH2(5部)との共重合体(重量平均分子量3万)…30部
・メチルイソブチルケトン…70部
〔中間層用塗布液の処方P1〕
・ポリビニルアルコール … 2.1部
(PVA−205(鹸化率=88%)、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 0.95部
(PVP、K−30;GAFコーポレーション社製)
・メタノール …44部
・蒸留水 …53部
次に、得られた感光性樹脂転写材料K1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K1を、前記表1(転写法)に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1、G1及びB1に代えたこと以外は、上記と同様の方法により、感光性樹脂転写材料R1、G1及びB1を作製した。
〈カラーフィルタ基板の作製〉
−ブラック(K)画像の形成−
680×880mmサイズの無アルカリガラス基板を、シャワーにより25℃に調整したガラス洗浄剤液を20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄した後、シャワーによりシランカップリング液(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)を20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。洗浄後、このガラス基板を基板予備加熱装置で100℃で2分間加熱した。
次に、感光性樹脂転写材料K1の保護フィルムを剥離後、露出した感光性樹脂層が上記の100℃で2分間加熱したガラス基板の表面と接するように重ね合わせ、ラミネータLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートした。次いで、PET仮支持体を剥離してガラス基板上に転写した。
次に、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング(株)製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したガラス基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmに設定し、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン、ノニオン界面活性剤、及びポリプロピレン系消泡剤含有;商品名:T−PD1、富士写真フイルム(株)製)にて30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、クッション層と酸素遮断膜とを除去した。
次に、炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤を含有;商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を用いて、29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、パターン画素を得た。
次に、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−SD1、富士写真フイルム(株)製)を用いて、33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシを用いて残渣除去を行なうことにより、図1に示すように、ガラス基板11上にブラック(K)画像16を形成した。その後さらに、この基板に対し、K画像が形成されている側から超高圧水銀灯により500mJ/cm2の光でポスト露光した後、220℃で15分間熱処理した。
その後、K画像16が形成されたガラス基板11を再び、上記のようにブラシ洗浄し、純水シャワー洗浄した後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
−レッド(R)画素の形成−
前記K画像16が形成されたガラス基板11に、上記より得た感光性樹脂転写材料R1を用い、前記K画像16の形成と同様の工程を行ない、ガラス基板11のK画像16が形成されている側にレッド画素(R画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は40mJ/cm2とし、炭酸Na系現像液によるシャワー現像は35℃で35秒間とした。
なお、R画素の厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254、C.I.P.R.177の塗布量はそれぞれ0.88g/m2、0.22g/m2であった。
その後、R画素が形成されたガラス基板11を再び、上記のように洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、純水でシャワー洗浄した後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
−グリーン(G)画素の形成−
次に、上記より得た感光性樹脂転写材料G1を用い、前記K画像16の形成と同様の工程を行ない、ガラス基板11のK画像16及びR画素等が形成されている側にグリーン画素(G画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は40mJ/cm2、炭酸Na系現像液によるシャワー現像は34℃で45秒間とした。
なお、G画素の厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36、C.I.ピグメント・イエロー(C.I.P.Y.)150の塗布量はそれぞれ1.12g/m2、0.48g/m2であった。
その後、R画素及びG画素が形成されたガラス基板11を再び、上記のように洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、純水でシャワー洗浄した後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
−ブルー(B)画素の形成−
次に、上記より得た感光性樹脂転写材料B1を用い、前記K画像16の形成と同様の工程を行ない、ガラス基板11のK画像16並びにR画素及びG画素が形成されている側にブルー画素(B画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は30mJ/cm2、炭酸Na系現像液によるシャワー現像は36℃で40秒間とした。
なお、B画素の厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6、C.I.ピグメント・バイオレット(C.I.P.V.)23の塗布量はそれぞれ0.63g/m2、0.07g/m2であった。
その後、R、G,Bの各画素が形成されたガラス基板11を、240℃で50分間ベークして、カラーフィルタ12を得た。
更にその上に透明電極として、ITO(Indium Tin Oxide)膜13をスパッタリングにより形成し、カラーフィルタ基板10を得た。
ここで、前記表1に記載の着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製について説明する。
〈着色感光性樹脂組成物K1の調製〉
着色感光性樹脂組成物K1は、前記表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌することによって得た。
前記表1に記載の組成物中の各組成の詳細は以下の通りである。なお、界面活性剤1については既述の通りである。
*K顔料分散物1の組成
・カーボンブラック…13.1部
(Special Black 250、デグッサ社製)
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン…0.65部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…79.53部
*バインダー1の組成
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量40,000)〕…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
*DPHA液の組成
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)…76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル…24部
〈着色感光性樹脂組成物R1の調製〉
着色感光性樹脂組成物R1は、前記表1(転写法)に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで前記表1に記載の量の添加剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で20分間攪拌し、更に、前記表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
なお、前記表1に記載の組成物R1中の各組成の詳細は以下の通りである。また、DPHA液及び界面活性剤1の組成は各々、前記着色感光性樹脂組成物K1の場合と同様である。
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254…8.0部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5-ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン…0.8部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…8.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…83.2部
*R顔料分散物2の組成
・C.I.ピグメント・レッド177…18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…70部
*バインダー2の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量30,000)…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
*添加剤1:燐酸エステル系特殊活性剤(HIPLAAD ED152、楠本化成(株)製)
〈着色感光性樹脂組成物G1の調製〉
着色感光性樹脂組成物G1は、前記表1(転写法)に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、前記表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
なお、前記表1に記載の組成物G1中の各組成の詳細は以下の通りである。また、バインダー1、DPHA液、及び界面活性剤1の組成は、前記着色感光性樹脂組成物K1の場合と同様である。
*G顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・グリーン36…18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…12部
・シクロヘキサノン…35部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…35部
*Y顔料分散物1
商品名:CFエローEX3393(御国色素社製)
〈着色感光性樹脂組成物B1の調製〉
着色感光性樹脂組成物B1は、前記表1(転写法)に記載の量のB顔料分散物1、B顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、及びフェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、前記表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
なお、前記表1に記載の組成物B1中の各組成の詳細は以下の通りである。また、DPHA液及び界面活性剤1の組成は、前記着色感光性樹脂組成物K1の場合と同様である。
*B顔料分散物1
商品名:CFブルーEX3357(御国色素社製)
*B顔料分散物2
商品名:CFブルーEX3383(御国色素社製)
*バインダー3の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量30,000)…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
−スペーサー用感光性転写シートの作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、下記処方Aからなるクッション層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥層厚6.0μmのクッション層(アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層)を形成した。
〔クッション層用塗布液の処方A〕
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 25.0部
(=55/11.7/4.5/28.8[モル比]、質量平均分子量90,000)
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 58.4部
(=63/37[モル比]、質量平均分子量8,000)
・2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン
… 39.0部
・前記界面活性剤1 … 10.0部
・メタノール … 90.0部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 51.0部
・メチルエチルケトン …700部
次に、形成したクッション層上に、下記処方Bからなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて、乾燥層厚1.5μmの中間層を積層した。
〔中間層用塗布液の処方B〕
・ポリビニルアルコール … 3.22部
(PVA−205、鹸化率80%、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.49部
(PVP K−30、GAFコーポレーション製)
・メタノール … 42.3部
・蒸留水 … 524部
次に、形成した中間層上に更に、下記表2に示す処方1からなる感光性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて、乾燥層厚4.1μmの感光性樹脂層を積層した。
以上のようにして、PET仮支持体/クッション層/中間層/感光性樹脂層の積層構造(3層の合計層厚は11.6μm)に構成した後、感光性樹脂層の表面に更に、カバーフィルムとして厚み12μmのポリプロピレン製フィルムを加熱・加圧して貼り付け、スペーサー用感光性転写シート(1)を得た。
−フォトスペーサーの作製−
得られたスペーサー用感光性転写シート(1)のカバーフィルムを剥離し、露出した感光性樹脂層の表面を、上記で作製したITO膜がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板10のITO膜13上に重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧・加熱条件下で搬送速度2m/分にて貼り合わせた。その後、PET仮支持体をクッション層との界面で剥離除去し、感光性樹脂層を熱可塑性樹脂層及び中間層と共に転写した(層形成工程)。
次に、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング(株)製)を用いて、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板10とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を40μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量60mJ/cm2にてプロキシミティー露光した。次いで、KOH現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を、フラットノズルから23℃、ノズル圧力0.04MPaにて80秒間噴射してシャワー現像し、未露光部を現像除去してパターン(スペーサーパターン)を得た(パターニング工程)。
得られたスペーサーパターンは、直径16μm、平均高さ3.7μmの透明な柱状であった。
次に、スペーサーパターンが設けられたカラーフィルタ基板10を、230℃下で30分間加熱処理を行ない(熱処理工程)、フォトスペーサー14を作製した。
−突起用感光性転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、前記処方Aと同様の処方からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層を設けた。次いで、形成した熱可塑性樹脂層上に、前記処方Bと同様の処方からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて、乾燥膜厚が1.6μmの中間層を設けた。次に、下記処方Cからなる突起形成用塗布液を調製し、この突起形成用塗布液を中間層上に塗布し、乾燥させて、乾燥膜厚が2.0μmである液晶配向制御用の突起用感光性樹脂層を塗設した。この感光性樹脂層の表面に更に、厚さ12μmのポリプロピレン製のフィルムを保護フィルムとして貼り付けた。このようにして、PET仮支持体上に、該PET仮支持体側から順に熱可塑性樹脂層、中間層、突起用感光性樹脂層、及び保護フィルムが積層されてなる突起用感光性転写材料を作製した。
〔突起形成用塗布液の処方C〕
・ポジ型レジスト液FH−2413F …53.3部
(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
・メチルエチルケトン …46.7部
・前記界面活性剤1 … 0.04部
−突起の形成−
上記より得た突起用感光性転写材料から保護フィルムを剥がし、露出した突起用感光性樹脂層の露出面とカラーフィルタ基板10のITO膜13が設けられた側(カラーフィルタ上)の表面とを重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用い、線圧100N/cm、温度130℃、搬送速度2.2m/分の条件にて貼り合わせた(ラミネート)。その後、突起用感光性転写材料のPET仮支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去した。このとき、カラーフィルタ基板の上に、該基板側から順に感光性樹脂層、中間層、熱可塑性樹脂層が積層された状態にある。
次に、最表層である熱可塑性樹脂層の上方に、フォトマスクのマスク面と突起用感光性樹脂層の中間層と接する側の表面との間の距離が100μmとなるようにプロキシミティー露光機を配置し、フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー70mJ/cm2でプロキシミティー露光した。その後、シャワー式現像装置にて1%トリエタノールアミン水溶液を30℃で30秒間熱可塑性樹脂上から噴霧し、熱可塑性樹脂層及び中間層を溶解除去した。この段階では、突起用感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。続いて、0.085mol/Lの炭酸ナトリウムと0.085mol/Lの炭酸水素ナトリウムと1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムとを含む水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間更に噴霧しながら現像し、突起用感光性樹脂層の不要部(未硬化部)を現像除去した。これにより、カラーフィルタ(RGB画素)上に、所望形状にパターニングされた突起用感光性樹脂層からなる突起15を形成した。次いで、突起15が形成されたカラーフィルタ基板を240℃下で50分間ベーク処理することにより、カラーフィルタ(RGB画素)上には高さ1.5μmで縦断面形状が蒲鉾様の液晶配向制御用の突起が形成された。
上記とは別に、対向基板としてTFT基板21を用意した。このTFT基板の一方の表面は、スパッタリングによりITO(Indium Tin Oxide)膜22が形成されている。続いて、TFT基板のITO膜22上及びカラーフィルタ基板10のフォトスペーサー14が設けられた側のITO膜13上に、ポリイミドよりなる配向膜24を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられているブラックマトリクス16の外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、カラーフィルタ基板10をTFT基板21と貼り合わせた。次いで、貼り合わされた2枚の基板を熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚の基板の積層体を得た。この積層体を真空下で脱気した後、大気圧に戻して2枚のガラス基板の間隙に液晶を注入した。注入終了後、注入口部分を接着剤を付与し、紫外線照射して封止することにより液晶セルを得た。
このようにして得た液晶セルの両面に、偏光板(HLC2−2518、(株)サンリツ製)25,23を貼り付けた。次いで、図示しないが、赤色(R)LEDとしてFR1112H、緑色(G)LEDとしてDG1112H、及び青色(B)LEDとしてDB1112H(いずれもスタンレー(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置して、本発明のMVAモード液晶表示装置を作製した。
(実施例2〜5)
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液の処方1を下記表2中の処方2〜処方5に各々代えたこと以外、実施例1と同様にして、スペーサー用感光性転写シート(2)〜(5)を作製すると共に、本発明のMVAモード液晶表示装置を作製した。
(比較例1)
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液の処方1を下記表2中の処方7に代えたこと以外、実施例1と同様にして、スペーサー用感光性転写シート(6)を作製すると共に、比較のMVAモード液晶表示装置を作製した。
(比較例2)
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液の処方1を下記表2中の処方8に代えたこと以外、実施例1と同様にして、スペーサー用感光性転写シート(7)を作製すると共に、比較のMVAモード液晶表示装置を作製した。
Figure 2006276496
なお、前記表2に記載の処方中の各組成の詳細は以下の通りである。
*顔料
・シリカゾルの30%メチルイソブチルケトン分散物
(商品名:MIBK−ST、日産化学工業(株)製)
*バインダー1
・メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体
(=20/80[モル比]、質量平均分子量36000;高分子物質)
*バインダー2
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=78/22[モル比]、質量平均分子量40000、商品名:CF100、日本触媒(株)製)
*DPHA液(重合性モノマー)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有;商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)…76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル…24部
*消色染料
・ビクトリアピュアブルーBOH−M(保土ヶ谷化学(株)製)
*界面活性剤1(商品名:メガファックF−780−F、大日本インキ化学工業(株)製)
・C613CH2CH2OCOCH=CH2(40部)とH(O(CH3)CHCH27OCOCH=CH2(55部)とH(OCH2CH27OCOCH=CH2(5部)との共重合体〔重量平均分子量3万〕…30部
・メチルエチルケトン…70部
(実施例6)
実施例1において、ガラス基板を2400mm×2400mmサイズのガラス基板に代え、サイズ9cm×9cmのスペーサ用感光性転写シート(1)を、幅1400mm、長さ160m及び幅900mm、長さ160mの2サイズのロール状に構成されたスペーサ用感光性転写シート(1)に代え、更にこのロール状のスペーサ用感光性転写シートを二つ並べて同時にラミネートする2丁貼りラミネート方式でラミネートするようにしたこと以外、実施例1と同様にして、2300mm×2300mmサイズのカラーフィルタ基板を得ると共に、本発明のMVAモード液晶表示装置(図1参照)を作製した。本実施例では、ラミネート装置に特願2004−199886号に記載の2丁貼りラミネータを用いた。
得られたMVAモード液晶表示装置は、大サイズ化されているにも関わらず、実施例1と同等程度に、画像にムラがなく高品質なものであった。
(評価)
各実施例及び比較例において作製したフォトスペーサー及び液晶表示装置を用いて下記の評価を行なった。結果は下記表3に示す。
−1.変形回復率−
フォトスペーサーの各々について、微小硬度計(DUH−W201、(株)島津製作所製)により次のようにして測定を行ない、評価した。測定は、50μmφの円錘台圧子を採用し、最大荷重78mN、保持時間5秒として、負荷−除荷試験法により行なった。この測定値から下記式により変形回復率〔%〕を求め、下記基準にしたがって評価した。
変形回復率(%)=(加重による変形量[μm]/加重開放後の回復量[μm])×100
〈評価基準〉
◎:変形回復率が85%以上であった。
○:変形回復率が80%以上85%未満であった。
△:変形回復率が70%以上80%未満であった。
×:変形回復率が70%未満であった。
−2.表示ムラ−
液晶表示装置の各々について、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視及びルーペにて観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。
〈評価基準〉
○:表示ムラは全く認められなかった。
△:表示ムラが僅かに認められた。
×:表示ムラが顕著に認められた。
Figure 2006276496
なお、架橋基密度〔mol/g〕及び架橋反応率〔%〕は、下記式により求めた、
架橋基密度= 架橋基のモル数/樹脂成分の質量
架橋反応率=〔(初期架橋基量−反応後架橋基量)/初期架橋基量〕×100
前記表3に示すように、実施例では、変形回復性の良好なフォトスペーサーが得られ、液晶表示装置が表示する画像は表示ムラが抑えられ、高画質であった。これに対し、樹脂部分の架橋成分密度が0.0073モル/g未満で低く、架橋反応率も低い比較例では、フォトスペーサーの変形回復性に劣っており、これを用いて作製した液晶表示装置は、セル厚の変動に伴なう表示ムラが顕著に生じてしまった。
(実施例7)
以下に示すようにして、図2に示すように構成されたPVAモードの液晶表示装置を作製した。なお、実施例1と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、実施例1と同様にして、カラーフィルタ基板を作製すると共に、実施例1と同じスペーサー用感光性転写シートを用いてフォトスペーサーを作製した。なお、フォトスペーサーの作製後、突起の形成は行なわなかった。
次に、別途、対向基板としてTFT基板21を用意した。このTFT基板の一方の表面は、スパッタリングによりITO(Indium Tin Oxide)膜22が形成されている。続いて、カラーフィルタ基板10のITO膜(透明電極)13及びTFT基板21のITO膜22にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜24を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられているブラックマトリックス16の外枠に相当する幅0.5mm、高さ40μmのシール部にシール剤を塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、減圧(13Pa以下)にして、カラーフィルタ基板とTFT基板とを貼り合わせた。その後、常圧に戻し、荷重をかけてセル厚が4μmになるように制御した。この状態で、メタルハライドランプを使用して、340nm未満の紫外線をフィルターカットし、340〜390nmの積算光量として3,000mJ/cm2相当の光量になるように、窒素雰囲気下で露光してシール剤を光硬化させ、液晶セルを得た。このようにして得た液晶セルの両面に、偏光板(HLC2−2518、(株)サンリツ製)25,23を貼り付けた。次に、CCFLのバックライトを構成し、偏光板が取り付けられた液晶セルの背面側に設置し、本発明のPVAモード液晶表示装置を作製した。
本実施例で得られたPVAモード液晶表示装置について、実施例1と同様にして、表示ムラの評価を行なった。本実施例においても、実施例1と同様に変形回復性の良好なフォトスペーサーが得られ、液晶表示装置が表示する画像に表示ムラは全く認められず(評価○)、高画質の画像が得られた。
(実施例8):塗布(液レジ)法
−カラーフィルタの作製(スリットノズルによる塗布)−
−ブラック(K)画像の形成−
680×880mmサイズの無アルカリガラス基板(以下、単にガラス基板という。)をUV洗浄装置で洗浄した後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。このガラス基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化した。その後、ガラス基板を冷却して23℃に調温後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・ジャパン社製)にて、前記表1に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続き、真空乾燥機VCD(東京応化社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させて塗布膜の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃で3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を形成した。
次に、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と感光性樹脂層K1が設けられた無アルカリガラス基板とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層K1の表面との間の距離を200μmとし、露光量300mJ/cm 2 で全面露光した。
次に、純粋をシャワーノズルから噴霧し、感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製;KOH及びノニオン界面活性剤含有アルカリ現像液)を、フラットノズルから23℃、ノズル圧力0.04MPaにて80秒間噴射してシャワー現像し、黒色パターンを得た(現像工程)。続いて、ガラス基板の黒色パターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、無アルカリガラス基板上にブラック(K)画像を形成した。その後、220℃で30分間熱処理(ベーク)した。
−レッド(R)画素の形成−
前記K画像が形成されたガラス基板に、前記表1(液レジ法)に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物R2を用い、前記K画像の形成と同様にして塗布、露光、現像、及びベークを行ない、ガラス基板のK画像が形成されている側にレッド画素(R画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は150mJ/cm2とし、現像工程でのシャワー現像は23℃で60秒間とした。
なお、R画素の厚みは1.6μmであり、C.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254、C.I.P.R.177の塗布量はそれぞれ0.88g/m2、0.22g/m2であった。
−グリーン(G)画像の形成−
次に、前記K画像及びR画素が形成されたガラス基板に、前記表1(液レジ法)に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物G2を用い、前記K画像の形成と同様にして塗布、露光、現像、及びベークを行ない、ガラス基板のK画像及びR画素等が形成されている側にグリーン画素(G画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は150mJ/cm 2 とし、現像工程でのシャワー現像は23℃で60秒間とした。
なお、G画素の厚みは1.6μmであり、C.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36、C.I.ピグメント・イエロー(C.I.P.Y.)150の塗布量はそれぞれ1.12g/m2、0.48g/m2であった。
−ブルー(B)画像の形成−
次に、前記K画像並びにR画素等及びG画素等が形成されたガラス基板に、前記表1(液レジ法)に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物B2を用い、前記K画像の形成と同様にして塗布、露光、現像、及びベークを行ない、ガラス基板のK画像並びにR画素等及びG画素等が形成されている側にブルー画素(B画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は150mJ/cm 2 とし、現像工程でのシャワー現像は23℃で60秒間とした。
なお、B画素の厚みは1.6μmであり、C.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット(C.I.P.V.)23の塗布量はそれぞれ0.63g/m2、0.07g/m2であった。
なお、着色感光性樹脂組成物G2、B2の調製は、前記着色感光性樹脂組成物G1、B1の調製に準じて行なうものとし、着色感光性樹脂組成物R2の調製について以下に説明する。
着色感光性樹脂組成物R2は、前記表1(液レジ法)に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1(液レジ法)に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で30分間攪拌し、更に前記表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
なお、着色感光性樹脂組成物R2中のR顔料分散物1、R顔料分散物2、バインダー2、DPHA液、及び界面活性剤1については既述の通りである。
上記のように作製したカラーフィルタ上に、透明電極として、ITO膜をスパッタリングにより形成し、カラーフィルタ基板を得た。
−フォトスペーサーの作製(液レジ法)−
上記で作製したITO膜がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板のITO膜上に、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・ジャパン社製)にて前記表2に示す処方1からなる感光性樹脂層用塗布液を塗布した。引き続き、真空乾燥機VCD(東京応化社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させて塗布膜の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃で3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層を形成した(層形成工程)。
続いて、実施例1と同様のパターニング工程及び熱処理工程により、カラーフィルタ基板上にフォトスペーサーを作製した。但し、露光量は300mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は23℃、60秒間とした。
フォトスペーサーの作製後、このカラーフィルタ基板を用い、実施例1と同様にして、本発明のMVAモード液晶表示装置(図1参照)を作製した。本実施例で得られたMVAモード液晶表示装置について、実施例1と同様にして表示ムラの評価を行なったところ、本実施例においても、実施例1と同様に変形回復性の良好なフォトスペーサーが得られ、液晶表示装置が表示する画像に表示ムラは全く認められず(評価○)、高画質の画像が得られた。
本発明のMVAモード液晶表示素子の構成例を示す概略断面図である。 本発明のPVAモード液晶表示素子の構成例を示す概略断面図である。
符号の説明
10…カラーフィルタ基板
12…着色画素
16…ブラックマトリクス
14…フォトスペーサー
21…TFT基板(対向基板)

Claims (7)

  1. 少なくとも2枚の基板と、該基板間に設けられた液晶と、該液晶に電界を印加する2枚の電極と、前記基板間のセル厚を規制するためのフォトスペーサーとを備え、前記セル厚が2〜4μmである液晶表示装置における前記フォトスペーサーの製造方法であって、
    前記2枚の基板の一方の上に、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物を少なくとも含む感光性樹脂層を形成する層形成工程と、
    形成された前記感光性樹脂層を露光及びアルカリ現像してパターニングするパターニング工程と、
    パターニングされた前記感光性樹脂層を、架橋反応率が86〜100%となるように加熱処理する熱処理工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とするフォトスペーサーの製造方法。
  2. 前記感光性樹脂組成物が、少なくとも、(A)高分子物質と、(B)重合性モノマーと、(C)光重合開始剤とを含有し、前記(A)高分子物質と前記(B)重合性モノマーとがともに架橋基を有する請求項1に記載のフォトスペーサーの製造方法。
  3. 前記層形成工程は、仮支持体上に、該仮支持体側から順に少なくとも、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層と、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物で構成された感光性樹脂層とを有する感光性転写材料を用い、前記感光性樹脂層を転写形成する請求項1又は2に記載のフォトスペーサーの製造方法。
  4. 前記層形成工程は、架橋基密度が0.0073モル/g以上である感光性樹脂組成物を含む溶液をスリット状ノズルにより前記2枚の基板の一方の上に塗布し、乾燥させて、前記感光性樹脂層を形成する請求項1又は2に記載のフォトスペーサーの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフォトスペーサーの製造方法により作製されたフォトスペーサーを備えたことを特徴とする液晶表示装置用基板。
  6. 請求項5に記載の液晶表示装置用基板を備えたことを特徴とする液晶表示素子。
  7. 請求項6に記載の液晶表示素子を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
JP2005096245A 2005-03-29 2005-03-29 フォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置 Abandoned JP2006276496A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096245A JP2006276496A (ja) 2005-03-29 2005-03-29 フォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096245A JP2006276496A (ja) 2005-03-29 2005-03-29 フォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006276496A true JP2006276496A (ja) 2006-10-12

Family

ID=37211319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005096245A Abandoned JP2006276496A (ja) 2005-03-29 2005-03-29 フォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006276496A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0711187A (ja) * 1993-05-29 1995-01-13 Herberts Gmbh ポリマー分散体、その製造及びコーティング剤における使用
JP2001133799A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Fujitsu Ltd 液晶表示装置の製造方法
JP2003330030A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Fuji Photo Film Co Ltd スペーサーの形成方法及び液晶表示素子
JP2004285256A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 顔料分散組成物、電離放射線硬化用樹脂組成物、カラーフィルター及び液晶表示装置
JP2004287227A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 感光性パターン形成用硬化性樹脂組成物、液晶パネル用基板、及び、液晶パネル
JP2004301933A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Dainippon Printing Co Ltd 液晶表示装置用基板

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0711187A (ja) * 1993-05-29 1995-01-13 Herberts Gmbh ポリマー分散体、その製造及びコーティング剤における使用
JP2001133799A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Fujitsu Ltd 液晶表示装置の製造方法
JP2003330030A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Fuji Photo Film Co Ltd スペーサーの形成方法及び液晶表示素子
JP2004285256A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 顔料分散組成物、電離放射線硬化用樹脂組成物、カラーフィルター及び液晶表示装置
JP2004287227A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 感光性パターン形成用硬化性樹脂組成物、液晶パネル用基板、及び、液晶パネル
JP2004301933A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Dainippon Printing Co Ltd 液晶表示装置用基板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5153342B2 (ja) 液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置
JP4913750B2 (ja) 感光性転写材料、隔壁及びその形成方法、光学素子及びその製造方法、並びに表示装置
JP2007322744A (ja) 着色感光性樹脂組成物、及び感光性樹脂転写材料、並びに、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示装置
JP5361459B2 (ja) 感光性樹脂組成物、感光性樹脂転写材料、フォトスペーサー及びその製造方法、表示装置用基板、並びに、表示装置
JP4579022B2 (ja) 積層体の製造方法、積層体、液晶表示装置用基板、液晶表示素子、液晶表示装置
JP2010072589A (ja) 感光性転写材料、樹脂パターンの形成方法、樹脂パターン付き基板、表示素子及び表示装置
JP2006208796A (ja) 着色感光性樹脂組成物、着色感光性樹脂膜、感光性樹脂転写材料、遮光膜及びその形成方法、感光性樹脂層の形成方法、カラーフィルター、並びに画像表示装置
JP5013913B2 (ja) 離画壁用感光性樹脂膜の形成方法、感光性転写材料、離画壁付基板、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置
JP2007041082A (ja) 液晶表示素子用感光性樹脂組成物、それを用いたカラーフィルタ並びにその製造方法、及び、lcd表示素子
JP2007148160A (ja) カラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置
JP2007304534A (ja) 感光性転写材料、隔壁及びその形成方法、光学素子及びその製造方法、並びに表示装置
JP2007334045A (ja) 大型表示装置用カラーフィルタの製造方法、大型表示装置用カラーフィルタ、及び大型表示装置
JP2006259138A (ja) 感光性転写材料、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置
JP2008065150A (ja) カラーフィルタ、表示装置用部材およびその製造方法
JP2006276789A (ja) 液晶配向制御用突起、その製造方法、感光性樹脂組成物、液晶表示素子、及び液晶表示装置。
WO2007105381A1 (ja) フォトスペーサー用感光性樹脂組成物及びフォトスペーサーの製造方法並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子及び液晶表示装置
JP2006276488A (ja) フォトスペーサー用感光性樹脂組成物、並びにフォトスペーサー、液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置
JP2006276496A (ja) フォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板、液晶表示素子、及び液晶表示装置
JP2008208253A (ja) 樹脂組成物、感光性転写材料、離画壁及びその形成方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置
JP2007212860A (ja) 積層体の製造方法、積層体、液晶表示装置用基板、液晶表示素子及び液晶表示装置
JP2010060841A (ja) 感光性転写材料、樹脂パターンの形成方法、樹脂パターン付き基板、表示装置及び液晶表示装置
JP2007293231A (ja) 感光性転写材料、隔壁及びその形成方法、光学素子及びその製造方法、並びに表示装置
JP2008250102A (ja) 感光性樹脂組成物、感光性転写材料、離画壁及びその形成方法、離画壁付き基板、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置
JP4741295B2 (ja) 着色感光性樹脂組成物、着色感光性樹脂組成物の塗布膜、感光性樹脂転写材料、感光性樹脂層の形成方法、カラーフィルター、カラーフィルターの製造方法、及び液晶表示装置。
JP4792321B2 (ja) 感光性樹脂転写材料、カラーフィルターおよびその製造方法、ならびに画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070207

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20121226