JP2010060841A - 感光性転写材料、樹脂パターンの形成方法、樹脂パターン付き基板、表示装置及び液晶表示装置 - Google Patents

感光性転写材料、樹脂パターンの形成方法、樹脂パターン付き基板、表示装置及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カバーフィルムの剥離性が良好であり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制される感光性転写材料を提供する。
【解決手段】仮支持体と、三角錐の圧子で0.5mNの荷重で測定した際の硬度が1.0以上4.5以下である熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、カバーフィルムと、をこの順に有する感光性転写材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性転写材料、樹脂パターンの形成方法、樹脂パターン付き基板、表示装置及び液晶表示装置に関する。
カラーフィルタやスペーサー等の形成に用いられる、感光性転写材料は従来から知られている。該感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層および感光性樹脂層をこの順に設けてなる。
例えば、上記カラーフィルタは、感光性転写材料の感光性樹脂層と基体とを「ラミネート法」によって貼り合わせ、その後仮支持体を剥離して、露光、現像をおこない、基体上に画像を形成して作製される。上記感光性転写材料は、感光性樹脂層と基体とを貼り合わせる際に両者の間に気泡が入り転写不良を起こすという問題点を、熱可塑性樹脂層を設けることによって改良し、基体に凹凸がある場合であっても気泡の進入を防止することができ、良好な転写画像を得ることが可能であるとされている。
上記の様に、熱可塑性樹脂層を有する感光性転写材料を用いてカラーフィルタ、スペーサーや、その他液晶配向制御用突起などの材料(樹脂パターン)を作製する場合、ラミネーター及び基板の汚れを防ぐために、所望の部分のカバーフィルムのみを除去し、ガラス基板などの基体への転写が実施される。
しかしながら、従来の感光性転写材料では、感光性樹脂層とカバーフィルムとの間の密着が強く、カバーフィルムを剥がす際に、中間層と感光性樹脂層との界面で剥がれたり、その界面の一部が泡状に浮きあがったりする剥離不良が問題となっていた。
上記について、仮支持体と感光性樹脂層の間にポリビニルアルコール誘導体等の中間層を設けた転写材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、熱可塑性樹脂層を有する感光性転写材料においては中間層に部分鹸化タイプのポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンを併用することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−213849号公報 特開平5−173320号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、仮支持体との剥離性、溶解特性の改良を目的としており、下地に凹凸がある場合の転写性や、カバーフィルムと感光性樹脂層との剥離性については何等考慮されていない。
また、特許文献2の方法では感光性樹脂層と中間層との密着しか改良されていないため、連続してカバーフィルムを感光性樹脂層から除去する場合は良好なものの、カバーフィルムに切り込みを入れ、カバーフィルムの所望の部分のみ剥離する方法では、切れ込みを入れる際に熱可塑性樹脂層に亀裂が入る場合がある。このように亀裂が入ると、この亀裂をきっかけとして、カバーフィルムを剥離する際に、カバーフィルムと感光性樹脂層との間(本来の剥離箇所)だけでなく、仮支持体と熱可塑性樹脂層との間でも剥離が起こってしまい、最終的に、除去しようとするカバーフィルムに感光性樹脂層が付着してしまう剥離不良が生じることがある。
本発明は上記従来に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、カバーフィルムの剥離性が良好であり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制される感光性転写材料を提供することにある。
また、カバーフィルムの剥離性が良好であり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制され、良好な樹脂パターンが得られる樹脂パターンの形成方法、表示装置の作製に用いた際、剥離不良に起因する表示ムラの発生を抑制できる樹脂パターン付き基板、該樹脂パターン付き基板を備えた表示装置および液晶表示装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明の感光性転写材料は、
<1> 仮支持体と、三角錐の圧子で0.5mNの荷重で測定した際の硬度が1.0以上4.5以下である熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、カバーフィルムと、をこの順に有する感光性転写材料である。
<2> 前記熱可塑性樹脂層の厚みが、15.0μm以上30.0μm以下である<1>に記載の感光性転写材料である。
<3> 前記熱可塑性樹脂層が、重量平均分子量5万以上50万以下の熱可塑性樹脂Aと重量平均分子量3千以上3万以下の熱可塑性樹脂Bとを含み、前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bを含む全樹脂成分のうち40質量%以上が前記熱可塑性樹脂Aである<1>又は<2>に記載の感光性転写材料である。
<4> 仮支持体と、三角錐の圧子で0.5mNの荷重で測定した際の硬度が1.0以上4.5以下である熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、カバーフィルムと、をこの順に有する感光性転写材料に、前記カバーフィルム表面から仮支持体の一部に至るまでの深さの切り口を形成する切り口形成工程と、前記カバーフィルムを前記感光性樹脂層との間で剥離して、前記感光性転写材料から前記カバーフィルムを除去するカバーフィルム除去工程と、前記カバーフィルムが除去された感光性転写材料と基板とを、前記感光性樹脂層と基板面とが接するようにして貼り合わせて積層体を形成する積層体形成工程と、前記仮支持体を前記熱可塑性樹脂層との間で剥離して、前記積層体から前記仮支持体を除去する仮支持体除去工程と、を有する樹脂パターンの形成方法である。
また、本発明の樹脂パターン形成方法は、
<5> 前記仮支持体除去工程後、前記仮支持体が除去された前記積層体の前記感光性樹脂層を露光する露光工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を有する<4>に記載の樹脂パターンの形成方法である。
また、本発明の樹脂パターン付き基板は、
<6> <4>又は<5>に記載の樹脂パターンの形成方法によって形成された樹脂パターンを有する樹脂パターン付き基板である。
また、本発明の表示装置は、
<7> <6>に記載の樹脂パターン付き基板を備えた表示装置である。
更に、本発明の液晶表示装置は、
<8> <6>に記載の樹脂パターン付き基板を備えた液晶表示装置である。
本発明によれば、カバーフィルムの剥離性が良好であり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制される感光性転写材料を提供することができる。
また、カバーフィルムの剥離性が良好であり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制され、良好な樹脂パターンが得られる樹脂パターンの形成方法、表示装置の作製に用いた際、剥離不良に起因する表示ムラの発生を抑制できる樹脂パターン付き基板、該樹脂パターン付き基板を備えた表示装置および液晶表示装置を提供することができる。
≪感光性転写材料≫
本発明の感光性転写材料は、仮支持体と、三角錐の圧子で0.5mNの荷重で測定した際の硬度が1.0以上4.5以下である熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、カバーフィルムと、をこの順に有する。
感光性転写材料を上記本発明の構成とすることにより、カバーフィルムの剥離性が良好となり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制される。
ここで、「カバーフィルムの剥離性が良好」とは、感光性転写材料からカバーフィルムを剥離した際、該カバーフィルムへの感光性樹脂層の付着(本発明において、「剥離不良」ともいう)が抑制されている状態を指す。
本発明において、熱可塑性樹脂層の硬度は、ビッカーズ硬度計又はダイナミック微小硬度計で三角錐の圧子を用いて0.5mNの荷重で測定することができる。前記三角錐の圧子としては、稜間角100°〜136°のダイヤモンド製の圧子を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂層の硬度が1.0より小さいとカバーフィルムをロータリーカッターでカットする際にロータリーカッターが汚れやすくなり、熱可塑性樹脂層の硬度が4.5より大きいとカバーフィルム剥離性が低下する。
本発明における熱可塑性樹脂層の硬度の範囲は1.0〜4.5であり、より好ましい範囲は1.1〜4.0であり、さらに好ましくは1.2〜3.5である。
<熱可塑性樹脂層>
本発明の感光性転写材料は、前記硬度の熱可塑性樹脂層を有する。
前記熱可塑性樹脂層は、転写時にはみ出した熱可塑性樹脂層自身による被転写体の汚染防止を可能とする点からアルカリ可溶性であることが好ましく、後述する感光性樹脂層を被転写体上に転写する際に、被転写体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有し、感光性転写材料を被転写体上に加熱密着させた際の被転写体上の凹凸に対応して変形可能な層であることが好ましい。
本発明においては、熱可塑性樹脂層の層厚は、2.0μm〜50.0μmであることが好ましく、3.0μm〜30.0μmであることがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂層の前記硬度を1.0以上4.5以下の範囲に容易に調整する観点からは、熱可塑性樹脂層の層厚は、15.0μm〜30.0μmであることが特に好ましく、15.0μm〜20.0μmであることが最も好ましい。
前記熱可塑性樹脂層は、少なくともアルカリ可溶な熱可塑性樹脂を用いて構成することができ、必要に応じて適宜他の成分を用いることができる。アルカリ可溶な熱可塑性樹脂は、特に制限はなく適宜選択することができるが、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が80℃以下であるものが好ましい。
熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、および(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、等より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することもできる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの熱可塑性樹脂のうち、軟化点が80℃以下のものが好ましい。尚、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も同様である。
上記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂の中でも、好ましくは重量平均分子量5万〜50万の範囲(本発明では、この範囲の熱可塑性樹脂を「熱可塑性樹脂A」ともいう)で、より好ましくは重量平均分子量5万〜50万(Tg=0〜140℃)の範囲で、更に好ましくは重量平均分子量6万〜20万(Tg=30〜110℃)の範囲で選択して使用することができる。これらの樹脂の具体例としては、特公昭54−34327号、特公昭55−38961号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭61−134756号、特公昭59−44615号、特開昭54−92723号、特開昭54−99418号、特開昭54−137085号、特開昭57−20732号、特開昭58−93046号、特開昭59−97135号、特開昭60−159743号、特開昭60−247638号、特開昭60−208748号、特開昭60−214354号、特開昭60−230135号、特開昭60−258539号、特開昭61−169829号、特開昭61−213213号、特開昭63−147159号、特開昭63−213837号、特開昭63−266448号、特開昭64−55551号、特開昭64−55550号、特開平2−191955号、特開平2−199403号、特開平2−199404号、特開平2−208602号、特開平5−241340号の各公報明細書に記載されているアルカリ水溶液に可溶な樹脂を挙げることができる。特に好ましいのは、特開昭63−147159号明細書に記載されたメタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体である。
また、上記した種々の樹脂の中から、好ましくは重量平均分子量3千〜3万の範囲(本発明では、この範囲の熱可塑性樹脂を「熱可塑性樹脂B」ともいう)で、より好ましくは重量平均分子量3千〜3万(Tg=30〜170℃)の範囲で、更に好ましくは重量平均分子量4千〜2万(Tg=60〜140℃)の範囲で選択して使用することができる。これらの好ましい具体例は、上記の特許明細書に記載されているものの中から選ぶことができるが、特に好ましくは、特公昭55−38961号、特開平5−241340号の各公報に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。
本発明における熱可塑性樹脂層は、本発明による効果をより効果的に得る観点から、前記熱可塑性樹脂Aと前記熱可塑性樹脂Bとを含むことが好ましく、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを含み、かつ前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bを含む全樹脂成分のうち40質量%以上が前記熱可塑性樹脂Aであることがより好ましい。前記熱可塑性樹脂Aの含有率が40質量%以上であれば、仮支持体と熱可塑性樹脂層との間での剥離をより効果的に抑制でき、除去しようとするカバーフィルムに感光性樹脂層が付着してしまう剥離不良をより効果的に抑制できる。
アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層には、前記熱可塑性樹脂以外に他の成分として、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的に軟化点が80℃を超えない範囲内で各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤、可塑剤等を添加することができる。これらによりTgの調整も可能である。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアネートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアネートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、ビスフェノールAとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの縮合反応生成物を挙げることができる。アルカリ可溶性熱可塑性樹脂層中の、可塑剤の量は熱可塑性樹脂に対して200質量%以下が一般的で、20〜100質量%の範囲が好ましい。
前記界面活性剤は、本発明の前記熱可塑性樹脂と混ざり合うものであれば使用可能である。本発明に用いる好ましい界面活性剤としては、特開2003−337424号公報[0015]〜[0024]、特開2003−177522号公報[0012]〜[0017]、特開2003−177523号公報[0012]〜[0015]、特開2003−177521号公報[0010]〜[0013]、特開2003−177519号公報[0010]〜[0013]、特開2003−177520号公報[0012]〜[0015]、特開平11−133600号公報の[0034]〜[0035]、特開平6−16684号公報の発明として開示されている界面活性剤が好適なものとして挙げられる。より高い効果を得る為にはフッ素系界面活性剤、及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましく、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。
フッ素系界面活性剤を用いる場合、該界面活性剤分子中のフッ素含有置換基のフッ素原子数は1〜38が好ましく、5〜25がより好ましく、7〜20が最も好ましい。フッ素原子数が多すぎるとフッ素を含まない通常の溶媒に対する溶解性が落ちる点で好ましくない。フッ素原子数が少なすぎると、ムラの改善効果が得られない点で好ましくない。
特に好ましい界面活性剤として、下記一般式(a)及び、一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有するものが挙げられる。
Figure 2010060841
一般式(a)及び一般式(b)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜18の整数、mは2〜14の整数を示す。p、qは0〜18の整数を示すが、p、qが同時に0になる場合は含まない。
上記界面活性剤の具体例は特開2003−337424号公報の段落番号[0068]の表1に記載されている。
また、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF−780−F、F−784−F、F171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
界面活性剤の添加量は,熱可塑性樹脂層に含まれるバインダーと可塑剤の固形分に対し、28〜43%が好ましく、より好ましくは30〜40%であり、32〜38%が特に好ましい。28%未満であると、クッション性が低下することがあり、43%を越えると、転写時に熱可塑性樹脂層がはみ出し、ラミネートのヒートロールを汚す場合があり好ましくない。
<感光性樹脂層>
本発明の感光性転写材料は、少なくとも一層の感光性樹脂層を有する。
前記感光性樹脂層は、スペーサー(以下、「フォトスペーサー」ともいう)等の樹脂パターン(以下、「樹脂構造物」ともいう)を形成する場合に該樹脂構造物を構成する層であり、例えば、高分子物質と、重合性モノマーと、光重合開始剤とを含んでなり、必要に応じて、充填剤、着色剤や他の成分を用いて構成することができる。着色剤を含有する場合には、カラーフィルタを構成する着色画素を形成することができる。
(高分子物質)
高分子物質は、スペーサーや着色画素等の積層体を形成した場合にバインダー成分としての機能を有するものであり、前記<熱可塑性樹脂層>で述べた樹脂や、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーやそれ自体重合性を有する、特開2003−131379の段落番号[0031]〜[0054]に記載の光により重合可能なアリル基を有する高分子樹脂が好ましい例として挙げられる。
高分子物質は、目的に応じて適宜選択した単量体の単独重合体、複数の単量体からなる共重合体のいずれであってもよく、1種単独で用いる以外に、2種以上を併用するようにしてもよい。
側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーの例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、また、この他にも水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく用いることができる。また、特に好ましい例としては、シクロヘクシル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマー多元共重合体や、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートレと(メタ)アクリル酸との共重合体,ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体、またこれらの多元共重合体にグリシジルメタクリレートを付加させた多元共重合体を挙げることができる。
高分子物質の単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニル化合物、アリル基含有(メタ)アクリレート、等が挙げられる。尚、本明細書中において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを表す。
これら単量体は、1種単独で用いる以外に2種以上を併用してもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、トリルアクリレート、ナフチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、等が好適に挙げられる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも特に、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシn−プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシn−ブチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、等が好適に挙げられる。
前記アリル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、2−メチルアリルアクリレート、クロチルアクリレート、クロルアリルアクリレート、フェニルアリルアクリレート、シアノアリルアクリレート、等が挙げられ、中でもアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記した高分子物質の中でも、アリル基含有(メタ)アクリレートをモノマーユニットとして少なくとも有する樹脂が好ましく、アリル基含有(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸及びアリル基非含有(メタ)アクリレートから選択されるモノマーとをモノマーユニットとして有する樹脂がより好ましい。
前記高分子物質の好ましい具体例としては、(メタ)アクリル酸(M)とアリル(メタ)アクリレート(M)との二元共重合樹脂〔好適な共重合比[モル比]はM:M=2〜90:10〜98〕や、(メタ)アクリル酸(M)とアリル(メタ)アクリレート(M)とベンジル(メタ)アクリレート(M)との三元共重合樹脂〔好適な共重合比[モル比]はM:M:M=5〜40:20〜90:5〜70〕などが挙げられる。またフォトスペーサーなど高架橋を要するものはこれらにグリシジルメタクリレートを付加させた多元共重合体が有効である。
Figure 2010060841
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前記高分子物質は、モノマーの(共)重合反応の工程とエチレン性不飽和基を導入する工程の二段階の工程から合成することができる。
まず、(共)重合反応は種々のモノマーの(共)重合反応によって作られ、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、重合の活性種については、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合などを適宜選択することができる。これらの中でも合成が容易であり、低コストである点からラジカル重合であることが好ましい。また、重合方法についても特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、バルク重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などを適宜選択することができる。これらの中でも、溶液重合法であることがより望ましい。
前記高分子物質の重量平均分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定値のポリスチレン換算値で5,000〜100,000が好ましく、8,000〜50,000がより好ましい。該重量平均分子量を5,000〜100,000の範囲内とすることで、膜強度を良化することができる。
前記高分子物質の感光性樹脂層中における含有量としては、該層の全固形分に対して、15〜95質量%が好ましく、30〜85質量%がより好ましく、40〜75質量%が更に好ましい。
(重合性モノマー)
前記重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エステル化合物、アミド化合物、並びにその他の化合物が挙げられる。
前記エステル化合物としては、例えば、単官能(メタ)アクリル酸エステル、多官能(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル、その他のエステル化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、これらの中でも、単官能(メタ)アクリル酸エステル、多官能(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。
前記単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記多官能(メタ)アクリル酸エステルしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも特に、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記多官能(メタ)アクリル酸エステルの他の例としては、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、及び特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類、特開昭60−258539号公報に記載の(メタ)アクリル酸エステルやウレタン(メタ)アクリレートやビニルエステル、などが挙げられる。
前記「その他のエステル化合物」としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、日本接着協会誌Vol.20,No.7,第300〜308頁に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、などが挙げられる。
また、上記のアミド化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド(モノマー)などが挙げられ、具体的には、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられ、また、特開昭60−258539号公報に記載の(メタ)アクリル酸アミド、などが挙げられる。
また、上記の「その他の化合物」としては、例えば、特開昭60−258539号公報に記載のアリル化合物、などが挙げられる。
上記した重合性モノマーは、1種単独で用いる以外に、2種以上を併用するようにしてもよい。重合性モノマーの感光性樹脂層中における含有量としては、該層の全固形分に対して、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
感光性樹脂層の現像性の好ましい範囲を達成するために、感光性樹脂層中における、前記高分子物質の含有量A(質量%)と前記重合性モノマーの含有量(質量%)Bとの比B/Aを調整する手段が好ましい。
感光性樹脂層の110℃における溶融粘度η2を350〜180000Pa・sに調整する場合、この比B/Aを0.4以上1.2未満の範囲、好ましくは0.6以上1.0未満の範囲に調整することが好ましい。
上記溶融粘度の好ましい範囲を達成する他の手段として、感光性樹脂層に充填剤を含有させる手段が挙げられる。該充填剤としては、体質顔料又は顔料を挙げることができる。前記体質顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開2003−302639号公報[0035]〜[0041]に記載の体質顔料が好ましい。前記顔料としては着色顔料が挙げられ、前記着色顔料としては、特開2003−302639号公報[0043]に記載の顔料が挙げられる。
(光重合開始剤)
前記光重合開始剤としては、およそ300nm〜500nmの波長領域に約50以上の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有しているものが好ましく、例えば、特開平2−48664号公報、特開平1−152449号公報、及び特開平2−153353号公報に記載の芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類、ハロゲン化炭化水素誘導体、ケトン化合物、ケトオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、などが挙げられる。
上記の中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体との組合せ、4−〔p−N,N’−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン〕、2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N’−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジンなどが好ましい。
上記の光重合開始剤は、1種単独で用いる以外に、2種以上を併用するようにしてもよい。感光性樹脂層中における光重合開始剤の含有量としては、前記重合性モノマーの量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
本発明に係る感光性樹脂層には、上記した高分子物質、重合性モノマー、及び光重合開始剤の他、染料、顔料等の着色剤を含有してもよい。好ましい顔料の種類、サイズ等については、例えば特開平11−149008号公報の記載から適宜選択することができる。顔料等の着色剤を含有させた場合は、着色画素を形成することができる。また、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を添加することもできる。
(着色剤)
更に、本発明において、感光性転写材料を用いてカラーフィルタを製造する場合、感光性樹脂層は着色剤を含むことが好ましい。
着色剤としては、公知のもの(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、感光性樹脂層中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、例えば、特開2005−17716号公報の段落番号(0038)から(0040)に記載の色材、特開2005−361447号公報の段落番号(0068)から(0072)に記載の顔料、および特開2005−17521号公報の段落番号(0080)から(0088)に記載の着色剤などが好適に挙げられる。
特に、本発明における感光性樹脂層がテレビ用カラーフィルタの形成に用いられる場合、上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の感光性樹脂層においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。
更に上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
本発明において、併用して用いることが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、またはC.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、またはC.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、またはC.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(またはビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビヒクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。
前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献の310項頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
(微粒子)
感光性樹脂層がスペーサー用途である場合は、微粒子を添加することが好ましい。前記微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開2003−302639号公報[0035]〜[0041]に記載の体質顔料が好ましく、中でも良好な現像性、力学強度を有するフォトスペーサーが得られるという観点からコロイダルシリカが好ましい。
前記微粒子の平均粒子径は、高い力学強度を有するフォトスペーサーが得られるという観点から、5〜50nmであることが好ましく、10〜40nmであることがより好ましく、15〜30nmであることが特に好ましい。
微粒子の平均粒子径の測定は、以下の方法によって行われる。微粒子の分散物をその分散媒で適宜希釈し、動的光散乱法粒子径測定器を用いて平均粒子径を測定する。
また、前記微粒子の含有量は、高い力学強度を有するフォトスペーサーが得られるという観点から、本発明における感光性樹脂層中の全固形分に対する質量比率が5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましい。
(その他の添加剤)
−溶媒−
本発明における感光性樹脂層においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
−熱重合防止剤−
本発明における感光性樹脂層は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
−紫外線吸収剤−
本発明における感光性樹脂層には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
−その他の添加物−
上記感光性樹脂層や、上記中間層には、前記熱可塑性樹脂層を膨張させる際の露光によって感光性樹脂層まで硬化させないために、露光光を遮断する能力のある物質を添加することが好ましい。
上記露光光を遮断する能力のある物質としては、有機色素などがその代表的な例である。例えば、インドレニン色素等のシアニン色素、アントラキノン系、アズレン系、フタロシアニン系等の色素、ジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物等の色素を挙げることができる。感度の点からは、照射光波長における吸光係数の大きなシアニン色素、フタロシアニン系色素などがより好ましい。
尚、上記露光光を遮断する能力のある物質は、感光性樹脂層に含有させる場合の含有量としては、全固形分に対して0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましい。また、中間層に含有させる場合には、全固形分に対して0.2〜10質量%が好ましく、0.4〜8質量%がより好ましい。
また、本発明における感光性樹脂層においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
<仮支持体>
本発明の感光性転写材料は、仮支持体を有する。
前記仮支持体としては、転写の支障とならない程度に前記熱可塑性樹脂層に対する剥離性を有するものが好ましく、化学的・熱的に安定で可撓性を有するものが好ましい。
前記仮支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、などが挙げられる。
仮支持体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。これらは、1種単独で用いる以外に、2種以上を併用してもよい。
仮支持体には、前記熱可塑性樹脂層との間に良好な剥離性を確保する観点から、グロー放電等の表面処理を行なわないことが好ましく、また、ゼラチン等の下塗層も設けないことが好ましい。仮支持体の厚みとしては、5〜300μm程度が好ましく、20〜150μmが好ましい。
前記仮支持体としては、その少なくとも一方の表面に導電性層が設けられているか、或いは仮支持体自体が導電性を有することが好ましい。仮支持体がこのように導電性を有する構成であると、該仮支持体を備えた感光性転写材料を被転写体上に密着させた後に仮支持体を剥離する場合に、該仮支持体や該被転写体等が帯電して周囲のゴミ等を引き寄せることがなく、その結果、該仮支持体を剥離した後においても熱可塑性樹脂層上にゴミ等が付着せず、その後の露光過程で余分な未露光部ができることに伴なうピンホールの形成を効果的に防止することができる。仮支持体上の導電性層又は導電性を有する仮支持体の表面における表面電気抵抗としては、1013Ω以下が好ましい。
前記導電性を有する仮支持体とするには、該仮支持体中に導電性物質を含有させればよい。導電性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、金属酸化物、帯電防止剤などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、金属酸化物の形態としては、結晶微粒子、複合微粒子などが挙げられる。
前記帯電防止剤としては、例えば、エレクトロストリッパーA(花王(株)製)、エレノンNo.19(第一工業製薬(株)製)等のアルキル燐酸塩系アニオン界面活性剤、アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイン系両性界面活性剤、ニッサンノニオンL(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、エマルゲン106、同120、同147、同420、同220、同905、同910(花王(株)製)やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のその他の非イオン系界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電性層としては、公知の導電性物質の中から適宜選択して使用することにより形成することができ、該導電性物質としては、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoOなどが湿度環境に影響されず安定した導電効果が得られる点で好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属酸化物又は前記導電性物質の体積抵抗値としては、10Ω・cm以下が好ましく、10Ω・cm以下がより好ましい。
前記金属酸化物又は前記導電性物質の粒子径としては、0.01〜0.7μmが好ましく、0.02〜0.5μmがより好ましい。
前記導電性層には、バインダーとして、例えば、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、炭素数1〜4のアルキルアクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマー又はコポリマー、可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド、などを使用することができる。
<カバーフィルム>
本発明の感光性転写材料は、カバーフィルムを有する。
感光性転写材料においては、カバーフィルムは、保管等の際に汚れや損傷等から前記感光性樹脂層を保護する機能を有し、上記の仮支持体と同一又は類似の材料で構成することができる。
カバーフィルムとしては、前記感光性樹脂層から容易に剥離可能なものであればよく、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィンシート、ポリテトラフルオロエチレンシート等が好適に挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンシート又はフィルム、ポリプロピレンシート又はフィルムが好ましい。カバーフィルムの厚みとしては、5〜100μm程度が好ましく、10〜30μmがより好ましい。
<中間層>
本発明の感光性転写材料は、中間層を有することが好ましい。
前記中間層は、複数の層の形成時、および形成後の保存時における成分の混合を防止することができ、酸素遮断膜とすることにより、露光時の感度をアップし、生産時の時間負荷を減らすことができ、それにより生産性が向上する。
特に、前記中間層は、前記感光性樹脂層と前記熱可塑性樹脂層との間に設けられる形態が好ましい。
本発明の感光性転写材料においては、中間層にポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
前記中間層にポリビニルアルコールを含有することにより、カバーフィルムを剥離する際に、感光性樹脂層等の剥離残りを含むことがなく、そのためムラの発生を抑制することができる感光性転写材料を得ることができる。
前記ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを付加重合したのち、得られたポリマーをケン化する等の、従来公知の製法で製造することができる。
前記ポリビニルアルコールの鹸化度は、80〜99%が好ましく、80%以上では感度低下及び感光層との分離性が悪化し難く、99%以下は溶解性が悪化し難い点で好ましい。
前記ポリビニルアルコールの重合度は、250〜1100が好ましい。250以上では感度及び感光性樹脂層との分離性が悪化し難く、1100以下であると感光性樹脂層との密着力が低下し難い点で好ましい。
前記ポリビニルアルコールの添加率は、中間層のバインダーの15〜100質量%が好ましい。より好ましくは20〜80質量%、25〜60質量%が特に好ましい。
前記添加率が、15質量%以上であると感光樹脂層との密着が低下し難い点で好ましい。
中間層には、前記酸素遮断膜として、低い酸素透過性を示し、水またはアルカリ水溶液に分散または溶解するものを添加することが好ましく、公知のものの中から選択することができる。
これらのうち、好ましくは前記末端アルキル変性ポリビニルアルコールとの組み合せの観点から、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
<感光性転写材料の作製方法>
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、形成された熱可塑性樹脂層上にその後中間層用塗布液及び感光性樹脂層用塗布液を同様に順次塗布、乾燥して中間層、感光性樹脂層を設け、感光性樹脂層上にカバーフィルムを設けることにより作製することができる。ここで、中間層の形成を省略することもできる。
尚、本発明の感光性転写材料において、感光性樹脂層の膜厚としては、1.0〜6.0μmが好ましく、1.0〜5.0μmがより好ましく、1.0〜4.7μmが特に好ましい。
また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、中間層の膜厚は0.5〜3.0μmが、一般的に好ましい。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布方法によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
前記スリット状ノズルとしては、液が吐出する部分にスリット状の吐出口を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、およびスリットコーターが好適に用いられる。
また、本発明においては、熱可塑性樹脂層形成工程の条件を調整することにより、熱可塑性樹脂層の前記硬度を1.0以上4.5以下の範囲に容易に調整できる。
例えば、熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布して得られた塗布膜を乾燥させる条件としては、110℃以上(より好ましくは110℃〜140℃)の基板温度で10秒間〜110秒間(より好ましくは30秒間〜90秒間)乾燥させる工程を含む条件が好ましい。
特に、熱可塑性樹脂層の層厚(乾燥膜厚)15.0μm〜30.0μm(より好ましくは15.0μm〜20.0μm)のときに、上記の好ましい乾燥条件を適用することで、熱可塑性樹脂層の前記硬度を1.0以上4.5以下の範囲に容易に調整できる。
≪樹脂パターンの形成方法≫
本発明の樹脂パターンの形成方法は、仮支持体と、三角錐の圧子で0.5mNの荷重で測定した際の硬度が1.0以上4.5以下である熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、カバーフィルムと、をこの順に有する感光性転写材料に、前記カバーフィルム表面から仮支持体の一部に至るまでの深さの切り口を形成する切り口形成工程と、前記カバーフィルムと前記感光性樹脂層との間で剥離して、前記感光性転写材料から前記カバーフィルムを除去するカバーフィルム除去工程と、前記カバーフィルムが除去された感光性転写材料と基板とを、前記感光性樹脂層と、基板面と、が接するようにして貼り合わせて積層体を形成する積層体形成工程と、前記仮支持体と前記熱可塑性樹脂層との間で剥離して、前記積層体から前記仮支持体を除去する仮支持体除去工程と、を有する。
ここで、感光性転写材料については、前述の本発明の感光性転写材料で述べた事項を適用でき、好ましい範囲も前述の本発明の感光性転写材料と同じである。
樹脂パターンの形成方法を上記本発明の構成とすることにより、カバーフィルムの剥離性が良好となり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制され、良好な樹脂パターンが得られる。
本発明の樹脂パターンの形成方法で形成される樹脂パターンには特に制限はないが、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンス(有機EL、無機EL等)などの表示装置に用いる、カラーフィルタ(着色画素)、ブラックマトリクス、フォトスペーサー、液晶配向制御用突起等が挙げられる。
尚、カラーフィルタにおける着色画素の形成の場合には、基板上に樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法などによって得ることができる。
以下、本発明の樹脂パターンの形成方法を、工程の順を追って説明する。
<切り口形成工程>
本発明における切り口形成工程は、感光性転写材料に、前記カバーフィルム表面から仮支持体の一部に至るまでの深さの切り口を形成する工程である。
前記切り口は、特に限定されず、公知の感光性転写材料の製造装置に設けられたロータリーカッター等を用いることにより作製することができる。
前記仮支持体の一部に至るまでとは、仮支持体の一部が切り込まれるものの、切断されていない状況を意味する。
切り口形成工程では、カバーフィルム、感光性樹脂層、(存在する場合には中間層、)熱可塑性樹脂層が切断され、更に、仮支持体の深さ方向に例えば約40μmまで切り込まれる。
切り口の断面の形(切り口を、該切り口の長さ方向軸に直交する平面で切ったときの該切り口の形)は、V字型の溝のように設けることが好ましい。
切り口の平面の形(感光性転写材料の法線方向カバーフィルム側から見たときの切り口の形)は、カバーフィルムの除去すべき領域を囲む形に設けることが好ましい。
前記切り口を設けることにより、カバーフィルム、感光性樹脂層、(存在する場合には中間層、)熱可塑性樹脂層を確実に切断することができる。
<カバーフィルム除去工程>
本発明におけるカバーフィルム除去工程は、カバーフィルムと感光性樹脂層との間で剥離して、感光性転写材料からカバーフィルムを除去する工程である。
上記で切断されたカバーフィルム上に、前記製造装置の粘着層を有する粘着ローラ等を貼りつけて、カバーフィルムと感光性樹脂層との間で接着したカバーフィルムを剥離することにより、カバーフィルムを除去することができる。
上記切り口形成工程・カバーフィルム除去工程は、具体的に、特開2007−260865号公報、特開2007−084200号公報記載の方法を用いるのが好ましい。
<積層体形成工程>
本発明における積層体形成工程は、前記カバーフィルムが除去された感光性転写材料と基板とを、前記感光性樹脂層と、基板面と、が接するようにして貼り合わせて積層体を形成する工程である。
ここで、得られた積層体の構造の例としては、「仮支持体/熱可塑性樹脂層/感光性樹脂層/基板」の構造が挙げられる。中間層を有する感光性転写材料を用いた場合の例としては、「仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/基板」の構造が挙げられる。
但し、上記の各層間の少なくとも1箇所に、その他の層が存在していてもよい。
前記カバーフィルムが除去された感光性転写材料と基板との貼り合わせ(以下、「ラミネート」ともいう)は、例えば、加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で、圧着又は加熱圧着することにより行うことができる。
具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーターおよびラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
<基板>
本発明における基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、感光性転写材料との密着を良好にすることができる。
該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましい。
また、本発明における基板としては、上記ガラス板や上記プラスチックフィルム上に薄膜トランジスタ(TFT)が配置されたTFT基板を用い、TFT基板上に樹脂パターンを形成してもよい。例えば、本発明の樹脂パターンの形成方法を用いてTFT基板上にカラーフィルタ(着色画素)を形成することで、カラーフィルタ・オン・アレイ(COA)基板を作製することができる。
また、本発明における基板としては、既に他の樹脂パターンが形成されている基板を用いてもよい。例えば、既に他の樹脂パターンとしてカラーフィルタ(着色画素)が形成されているカラーフィルタ基板上に、本発明の樹脂パターンの形成方法を用いてフォトスペーサーや配向制御用突起を形成することができる。
<仮支持体剥離工程>
本発明における仮支持体剥離工程は、前記仮支持体と前記熱可塑性樹脂層との間で剥離して、前記積層体から前記仮支持体を除去する工程である。
具体的には、基板面と前記感光性転写材料の感光性樹脂層とを接するようにラミネートして積層体を得た後(前記積層体形成工程)、仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離して、該積層体から仮支持体を除去する工程である。
前記仮支持体は、上記のカバーフィルムの剥離工程と同様に、前記製造装置の粘着層を有する粘着ローラ等を貼りつけて、仮支持体を、熱可塑性樹脂層との間で接着した仮支持体を剥離することにより除去することができる。
上記仮支持体の剥離は、具体的に、仮支持体を連続巻取式に剥離する連続剥離或いは枚葉式に分離された基板より突出する仮支持体の端部を把持して剥離することもできる。
上記仮支持体の剥離は、具体的に、連続剥離は特開2006−297879号公報、枚葉剥離は特開2007−320678号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
<露光・現像工程>
本発明における樹脂パターンの形成方法は、樹脂パターンのマスク再現性、現像性、及びベーク後の力学強度の観点から、前記仮支持体除去工程後の前記積層体の前記感光性樹脂層を露光する露光工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を有することが好ましい。
前記露光工程としては、上述の方法により仮支持体と熱可塑性樹脂層を剥離した後、基板側に残った感光性樹脂層や中間層等の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、中間層等を介してマスク上方から露光する形態が好適である。
前記露光の光源としては、樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。
具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm程度である。
前記現像工程としては、前記露光工程で露光された前記感光性樹脂層を現像液により現像する形態が好適である。これにより、基板上に樹脂パターンを得ることができる。
前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。
尚、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディップ現像等、公知の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士フイルム(株)製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士フイルム(株)製)」)が好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
<その他の工程他>
本発明の樹脂パターンの形成方法は、ポスト露光工程、ベーク工程等、上記以外のその他の工程を有していてもよい。
前記ポスト露光は現像後に行う露光である。例えば、該樹脂層(パターン構造物)の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2程度の露光量にて露光される。両面から実施してもよく、また100〜800mJ/cm2の範囲で選択してもよい。ポスト露光の実施により、その後のベークでの重合効果が高まる他、ポスト露光の量により、画素のベーク後の断面形状を調整することができる。
現像後又はポスト露光後にベーク(ポストベーク)を行うことで、モノマー又はオリゴマーを反応させてより硬い膜とすることができる。
ベークの条件としては特に限定はないが、200〜240℃で30〜180分である条件が好適である。これらの温度と時間は、ベークにより黄ばみの発生が少なく、かつ、生産タクトを落さないよう、高めの温度で、かつ短めの時間に設定される。
パターン露光、現像等のパターニング工程の具体例としては、特開2006−64921号公報の段落番号[0071]〜[0077]に記載の形成例や、特開2006−23696号公報の段落番号[0040]〜[0051]に記載の工程などが、本発明においても好適な例として挙げられる。
本発明において、樹脂パターンとして、フォトスペーサーを形成する場合、該フォトスペーサーは、ブラックマトリクス及び着色パターン(着色画素)を含むカラーフィルタを形成した後に形成することができる。
前記ブラックマトリクス及び着色パターンとフォトスペーサーとは、感光性樹脂組成物を塗布する塗布法と感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を有する転写材料を用いる転写法と、を任意に組合せて形成することが可能である。
前記ブラックマトリクス及び着色パターン並びに前記フォトスペーサーはそれぞれ感光性樹脂組成物から形成でき、具体的には、例えば、基板に液体の前記感光性樹脂組成物を直接塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成した後に、露光・現像を行い、前記ブラックマトリクス及び着色パターンをパターン状に形成し、(更に必要に応じ、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極膜を形成し)、その後、別の液体の前記感光性樹脂組成物を前記基板とは異なる別の基板(仮支持体)上に塗布して感光性樹脂組成物層を形成することにより作製された転写材料を用い、この転写材料を前記ブラックマトリクス及び着色パターンが形成された前記基板に密着させて感光性樹脂組成物層を転写した後に、露光・現像を行うことによりフォトスペーサーをパターン状に形成することができる。
このようにして、フォトスペーサーが設けられたカラーフィルタを作製することができる。
また、配向制御用突起もフォトスペーサーと同様の方法により作製できる。
カラーフィルタにおける着色画素の形成の場合には、本発明の樹脂パターンの形成方法により、樹脂パターンである着色画素を形成し、この工程を色の数だけ繰り返す方法などによって得ることができる。
≪樹脂パターン付き基板≫
本発明の樹脂パターン付き基板は、前述の本発明の樹脂パターンの形成方法によって形成された樹脂パターンを有する。
このため、表示装置に用いた際、剥離不良に起因する表示ムラの発生が抑制される。
本発明の樹脂パターン付き基板は、着色パターン付き基板(カラーフィルタ)、フォトスペーサー付き基板、ブラックマトリクス付き基板、液晶配向制御用突起付き基板等の表示装置用基板(前述のCOA基板を含む)として、好適に用いることができる。
≪表示素子≫
前記本発明の樹脂パターン付き基板を設けて表示素子を構成することができる。
表示素子の1つとして、少なくとも一方が光透過性の一対の支持体(本発明の表示装置用基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段(単純マトリクス駆動方式及びアクティブマトリクス駆動方式を含む。)を少なくとも備えたものが挙げられる。
この場合、本発明の樹脂パターン付き基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いにブラックマトリクスで離画されているカラーフィルタ基板として構成できる。このカラーフィルタ基板には、高さ均一で変形回復性に優れたフォトスペーサーが設けられるため、該カラーフィルタ基板を備えた表示素子は、カラーフィルタ基板と対向基板との間にセルギャップムラ(セル厚変動)の発生が抑えられ、色ムラ等の表示ムラの発生を効果的に防止することができる。これにより、作製された表示素子は鮮やかな画像を表示できる。
また、表示素子の別の態様として、少なくとも一方が光透過性の一対の支持体(本発明の表示装置用基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段とを少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、かつ一対の基板間が、高さが均一で変形回復性に優れたフォトスペーサーにより所定幅に規制して構成されたものである。
この場合も、本発明の表示装置用基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いにブラックマトリクスで離画されたカラーフィルタ基板として構成されている。
本発明において使用可能な液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電液晶が挙げられる。
また、前記カラーフィルタ基板の前記画素群は、互いに異なる色を呈する2色の画素からなるものでも、3色の画素、4色以上の画素からなるものであってもよい。例えば3色の場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相で構成される。RGB3色の画素群を配置する場合には、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4色以上の画素群を配置する場合にはどのような配置であってもよい。カラーフィルタ基板の作製は、例えば2色以上の画素群を形成した後既述のようにブラックマトリクスを形成してもよいし、逆にブラックマトリクスを形成した後に画素群を形成するようにしてもよい。RGB画素の形成については、基板上にRGBに着色された感光性樹脂組成物を直接塗布乾燥しフォトリソグラフィー法により画素を形成する方法と、支持体上に少なくともRGBの着色剤を含む感光性樹脂組成物層を設けた感光性樹脂転写材料を用いて基板上に感光性樹脂組成物層を転写しフォトリソグラフィー法により画素を形成する方法、RGBのインクを用いたインクジェット法などにより作製することができる。特開2004−347831号公報等を参考にすることができる。
≪表示装置≫
本発明の表示装置は、本発明の樹脂パターン付き基板を備えるものである。
このため、剥離不良に起因する表示ムラの発生が抑制され、表示品質に優れている。
表示装置としては、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などが挙げられる。表示装置の定義や各表示装置の説明については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
表示装置の中でも液晶表示装置が好ましい。
液晶表示装置は、例えば、互いに向き合うように対向配置された一対の基板間をフォトスペーサーで所定幅に規制し、規制された間隙に液晶材料を封入(封入部位を液晶層と称する。)して構成されており、液晶層の厚さ(セル厚)が所望の均一厚に保持されるようになっている。
液晶表示装置における液晶表示モードとしては、STN型、TN型、GH型、ECB型、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、VA型、IPS型、OCB型、ASM型、その他種々のものが好適に挙げられる。中でも、本発明の液晶表示装置においては、最も効果的に本発明の効果を奏する観点から、液晶セルのセル厚の変動により表示ムラを起こし易い表示モードが望ましく、セル厚が2〜4μmであるVA型表示モード、IPS型表示モード、OCB型表示モードに構成されるのが好ましい。
液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(a)薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをフォトスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、(b)駆動基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをフォトスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、等が挙げられ、本発明の液晶表示装置は、小型モバイル機器や大型ディスプレイ等、各種液晶表示機器に好適に適用することができる。
液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、側工業調査会、1994年発行)」に記載がある。液晶表示装置には、本発明の表示装置用基板を備える以外に特に制限はなく、例えば前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載された種々の方式の液晶表示装置に構成することができる。中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置を構成するのに有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)、1996年発行)」に記載がある。
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明の樹脂パターン付き基板を備える以外は、電極基板、偏光フイルム、位相差フイルム、バックライト、視野角補償フイルム、反射防止フイルム、光拡散フイルム、防眩フイルムなどの様々な部材を用いて一般的に構成できる。これら部材については、例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉、(株)富士キメラ総研、2003等発行)」に記載されている。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、以下において「部」、「%」および「分子量」は、「質量部」、「質量%」および「重量平均分子量」を表す。
〔実施例1〕
≪感光性転写材料(スペーサー用感光性転写フイルム)の作製≫
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、下記処方A1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、100℃で2分間乾燥させた後さらに120℃で1分間乾燥させ、乾燥層厚16.5μmの熱可塑性樹脂層を形成した。ここで、乾燥条件における温度「100℃」及び「120℃」は、いずれも基板温度である。以下の乾燥条件における温度も同様である。
<熱可塑性樹脂層用塗布液の処方A1>
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=55/11.7/4.5/28.8[モル比]、質量平均分子量90,000) … 58.4部
・スチレン/アクリル酸共重合体(=63/37[モル比]、質量平均分子量8,000) … 136部
・2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン
… 90.7部
・界面活性剤1(下記参照) … 5.4部
・メタノール … 111部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 63.4部
・メチルエチルケトン … 534部
*界面活性剤1
・下記構造物1 … 30%
・メチルエチルケトン … 70%
Figure 2010060841
次に、形成した熱可塑性樹脂層上に、下記処方Bからなる中間層用塗布液をし、80℃で1分間乾燥させた後さらに120℃1分乾燥させて、乾燥層厚1.6μmの中間層を積層した。
<中間層用塗布液の処方B>
・ポリビニルアルコール(PVA−205、鹸化率88%、(株)クラレ製)
… 3.22部
・ポリビニルピロリドン(PVP K−30、アイエスピー・ジャパン株式会社製)
… 1.49部
・メタノール … 42.9部
・蒸留水 … 52.4部
次に、形成した中間層上に更に、下記処方1からなる感光性樹脂層用塗布液を塗布した後それぞれ100℃で2分間乾燥させた後、更に、120℃で1分間乾燥させて、乾燥層厚3.2μmの感光性樹脂層を積層した。
<感光性樹脂層用塗布液の処方1>
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート … 468部
・コロイダルシリカ分散物(コロイダルシリカ:30部、メチルイソブチルケトン:70部、日産化学工業社製MIBKst) … 209部
・ソルスパース20000(アシビア製) … 4.2部
・上記構造式P−25のポリマー45%溶液(質量平均分子量=3.5万、固形分45%、1−メトキシ−2−プロピルアセテート15%、1−メトキシ−2−プロパノール40%) … 160部
・DPHA液(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:76%、1−メトキシ−2−プロピルアセテート:24%) … 86.0部
・2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン … 2.14部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル … 0.024部
・ビクトリアピュアブルーNAPS(保土ヶ谷化学工業株式会社製)の5%溶液
(固形分5%、メタノール26%、メチルエチルケトン69%) … 70.0部
・メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業株式会社製) … 0.75部
以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層の積層構造に構成した後、感光性樹脂層の表面に更に、カバーフィルムとして厚み12μmのポリプロピレン製フィルムを加熱・加圧して貼り付け、感光性転写材料として、スペーサー用感光性転写フイルム(1)を得た。このフィルムをABS樹脂用巻芯に巻きつけ、黒色及び透明のポリエチレンフィルムを用いて二重に密閉包装し、25℃で5日間保存した。
≪カラーフィルタ基板の作製≫
<1.感光性濃色組成物の調製>
−カーボンブラック分散液(K−1)の調製−
下記処方でカーボンブラック分散液(K−1)を調製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 カラーブラックFW2) … 26.7部
・分散剤(楠本化成製ディスパロンDA7500 酸価26 アミン価40)
… 3.3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体(分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液) … 10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 60部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、カーボンブラック分散液(K−1)を得た。
得られたカーボンブラック分散液(K−1)を用いて、下記表1の処方で感光性濃色組成物塗布液CK−1を調製した。表1中の数値は質量比を示す。
Figure 2010060841

表1中の各成分の詳細は下記のとおりである。
・樹脂溶液C−2:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=85/15モル比)共重合体(Mw10000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50wt%溶液)
・UV硬化性樹脂C−3:商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業(株)製〔側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)〕
・重合性化合物C−5:商品名 TO−1382 東亞合成(株)製
(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの末端OH基の一部をCOOH基に置換した5官能のアクリロイル基を有するモノマーが主成分。)
・開始剤C−7:商品名「OXE−02」 チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製
・界面活性剤C−8:商品名「メガファックR30」 大日本インキ化学工業(株)製
・溶剤:PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP=3−エトキシエチルプロピオネート
<2.塗布によるブラックマトリクスの形成>
−感光性濃色組成物層形成工程−
得られた感光性濃色組成物CK−1を、洗浄したガラス基板(コーニング社製ミレニアム 0.7mm厚)にスリットコーター(型番HC8000、平田機工株式会社製)を用いて、ポストベーク後の膜厚が1.2μmとなるようにスリットとガラス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−プリベーク工程、露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、90℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8800、キヤノン株式会社社製)を用いて、100mJ/cmで露光した。
−現像工程−
その後、傾斜搬送型の現像装置(型番SK-2200G、大日本スクリーン製造株式会社製、傾斜角5°)で現像した。すなわち、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.20MPaに設定して、60秒現像し、純水で洗浄し、現像後のブラックマトリクスを得た。
−ベーク工程−
次いで220℃のクリーンオーブンで40分間ポストベーク処理し、着色画素形成領域の開口が90μm×200μmで、厚みが1.2μmで、線幅が約25μmの格子状パターンであるブラックマトリクスを備えたブラックマトリクス基板を形成した。
X-Rite 361T(V)(サカタインクスエンジニアリング(株)製)を用いて、
出来上がったブラックマトリクスの光学濃度(OD)を測定したところ、4.2であった。
<3.感光性着色組成物の調製>
− 3−1.赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1の調製−
下記処方で赤色(R)用分散液(R−1)を調製した。
・Pigment Red 254(SEM観察での平均粒子径43nm) … 11部
・Pigment Red 177(SEM観察での平均粒子径58nm) … 4部
・下記分散樹脂A−3の溶液 … 5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製)
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液) … 3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=75/25[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) … 9部
・溶剤B:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 68部
上記各成分を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し赤色(R)用分散液(R−1)を得た。得られた赤色(R)用分散液(R−1)中の分散粒子をSEMで観察したところ平均粒子径は36nmであった。
得られた赤色(R)用分散液(R−1)を用いて、下記処方で赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を調製した。
・赤色(R)用分散液(R−1) … 100部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学工業社製 … 2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート … 8部
・重合開始剤:4−(o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン … 1部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 … 1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン … 0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール …0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R30 大日本インキ化学工業社製)
… 0.01部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:テトロニックR150 ADEKA社製)
… 0.2部
・溶剤:プロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート … 30部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 100部
上記成分を混合撹拌し、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を得た。
− 3−2.緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1の調製−
下記処方で緑色(G)用分散液(G−1)を調製した。
・Pigment Green 36(SEM観察での平均粒子径47nm) … 11部
・Pigment Yellow 150(SEM観察での平均粒子径39nm) … 7部
・下記分散樹脂A−3の溶液 … 5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
… 3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=85/15[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) … 11部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 70部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、緑色(G)用分散液(G−1)を得た。得られた緑色(G)用分散液(G−1)中の分散粒子をSEMで観察したところ平均粒子径は32nmであった。
得られた緑色(G)用分散液(G−1)を用いて、下記処方で緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を調製した。
・緑色(G)用分散液(G−1) … 100部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学工業社製) … 2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート … 8部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールのテトラ(エトキシアクリレート)… 2部
・重合開始剤:1,3−ビストリハロメチル−5−ベンゾオキソラントリアジン
… 2部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 … 1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン … 0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール … 0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製)
… 0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製) … 0.5部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 120部
・溶剤:プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート … 30部
上記組成を混合撹拌し、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を得た。
− 3−3.青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1の調製−
下記処方で青色(B)用分散液(B−1)を調製した。
・Pigment Blue 15:6(SEM観察での平均粒子径55nm) … 14部
・Pigment Violet 23(SEM観察での平均粒子径61nm) … 1部
・下記分散樹脂A−3の溶液 … 5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
… 3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) … 4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 73部
上記各成分を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、青色(B)用分散液(B−1)を得た。得られた青色(B)用分散液(B−1)中の分散粒子をSEMで観察したところ平均粒子径は39nmであった。
得られた青色(B)用分散液(B−1)を用いて、下記処方で青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を調製した。
・青色(B)用分散液(B−1) … 100部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) … 7部
・エポキシ樹脂:(商品名セロキサイド2080 ダイセル化学工業社製)… 2部
・UV硬化性樹脂:(商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業社製)
(側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) … 4部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート …12部
・重合開始剤:1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル)−1−(o−アセチルオキシム)エタノン … 3部
・重合禁止剤: p−メトキシフェノール … 0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製)
… 0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製) … 1.0部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル … 20部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 150部
上記成分を混合撹拌し、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を得た。
<4.分散樹脂A−3の合成>
(1.連鎖移動剤A3の合成)
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕(下記化合物(33))7.83部、及び吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する下記化合物(m−6)4.55部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.90部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.04部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.04部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却することで、以下に示すメルカプタン化合物(連鎖移動剤A3)の30%溶液を得た。
Figure 2010060841

(2.分散樹脂A―3の合成)
前記のようにして得られた連鎖移動剤A3の30%溶液4.99部、メタクリル酸メチル19.0部、及びメタクリル酸1.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.66部の混合溶液を、窒素気流下、90℃に加熱した。この混合溶液を攪拌しながら、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.139部、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.40部の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了してから、90℃で2.5時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.046部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.00部の混合溶液を投入し、更に2時間反応させた。反応液にプロピレングリコールモノメチルエーテル1.52部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7部を加え、室温まで冷却することで分散樹脂A−3(ポリスチレン換算の重量平均分子量24000)の溶液(分散樹脂30質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル21質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49質量%)を得た。
この分散樹脂A−3の酸価は48mg/gであった。分散樹脂A−3の構造を以下に示す。
Figure 2010060841
<カラーフィルタの作製>
−感光性着色組成物層形成工程−
得られた赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、前記ブラックマトリクス基板のブラックマトリクス形成面側に、塗布した。具体的には、感光性濃色組成物層形成の場合と同様に、ポストベーク後の感光性着色組成物層の層厚が約2.1μmとなるようにスリットとブラックマトリクス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−着色層プリベーク工程、着色層露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8800、キヤノン株式会社製)を用いて、90mJ/cmで露光した。
また、露光パターンと、ブラックマトリクスとの重なり(露光重なり量)が9.0μmとなるようにマスクパターンと露光機を設定した。
−着色層現像工程、着色層ベーク工程−
その後、傾斜搬送型の現像装置(型番SK-2200G、大日本スクリーン製造株式会
社製、傾斜角5°)で現像した。すなわち、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.2MPaに設定して、45秒現像し、純水で洗浄した。
次いで220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理し、熱処理済みの赤色画素を形成した。
次いで、上記感光性着色組成物層形成工程、着色層プリベーク工程、着色層露光工程、着色層現像工程、及び着色層ベーク工程において、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1に代えた他は同様にして、緑色画素を形成した。さらにその後、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1に代えた他は同様にして、青色画素を形成してカラーフィルタを得た。
上記より得たカラーフィルタのR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極を、スパッタリングにより形成した。
−フォトスペーサーの作製−
黒色のポリエチレンフィルム及び透明のポリエチレンフィルムを剥がして、スペーサー用感光性転写フイルム(1)を取り出し、カバーフィルム上からロータリーカッターを用いて、該カバーフィルム表面から仮支持体の一部に至るまでの深さの切り口をつけた。
次に、テープを用いてカバーフィルムと感光性樹脂層との界面で剥離し、カバーフィルムを除去した。
この時のカバーフィルムのカット性及び剥離性は良好であった。
露出した感光性樹脂層の表面を、上記で作製したITO膜がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板のITO膜上に重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧・加熱条件下で搬送速度2m/分にて貼り合わせた。
別途、カバーフィルムを剥離後、以下の条件で感光性樹脂層表面モノマー二次イオン強度/トータル二次イオン強度を測定した。
その後、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去し、感光性樹脂層を熱可塑性樹脂層及び中間層と共に転写した(層形成工程)。
次に、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を100μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量150mJ/cmにてプロキシミティー露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍(T−PD2を1部と純水9部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて29℃で50秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、スペーサーのパターン像を得た。
引き続き、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、所望のスペーサーパターンを得た。
次に、スペーサーパターンが設けられたカラーフィルタ基板を、230℃下で60分間加熱処理を行ない(熱処理工程)、フォトスペーサーを作製した。
以上により、フォトスペーサー付きカラーフィルタ基板を得た。
得られたスペーサーパターンは、直径26μm、平均高さ3.0μmの円柱状であった。尚、平均高さは、得られたスペーサー1000個のそれぞれについて、三次元表面構造解析顕微鏡(メーカー:ZYGO Corporation、型式:New View 5022)を用い、ITOの透明電極形成面からスペーサーの最も高い位置までの高さを測定し、1000個の値の算術平均を算出することにより求めた。
<液晶表示装置の作製>
別途、対向基板として、ガラス基板上にTFTが配設されたTFT基板を用意し、上記で得られたフォトスペーサー付きカラーフィルタ基板の透明電極形成面側及び対向基板のTFT形成面側に、それぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。
次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
〔実施例2〕
実施例1において、熱可塑性樹脂層の厚みを、16.5μmから18.0μmに変更した以外は実施例1と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、熱可塑性樹脂層の乾燥条件を、表2に示すように変更した以外は実施例1と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔実施例4〕
実施例1において、熱可塑性樹脂層用塗布液の処方A1の代わりに下記処方A2に変更し、熱可塑性樹脂層の乾燥条件を、表2に示すように変更した以外は実施例1と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
<熱可塑性樹脂層用塗布液の処方A2>
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 92.8部
(=55/11.7/4.5/28.8[モル比]、質量平均分子量90,000)
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 114部
(=63/37[モル比]、質量平均分子量8,000)
・2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン
… 107部
・界面活性剤1(下記参照) … 5.9部
・メタノール … 178部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 82.0部
・メチルエチルケトン … 422部
*界面活性剤1
・前記構造物1 … 30%
・メチルエチルケトン … 70%
〔実施例5〕
実施例4において、熱可塑性樹脂層の厚みを16.5μmから15.0μmに変更した以外は実施例4と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔実施例6〕
実施例5において、熱可塑性樹脂層の乾燥条件を表2に示すように変更した以外は実施例5と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔実施例7〕
実施例5において、感光性樹脂層用塗布液の処方1のメガファックF−780−Fの代わりにメガファックF−784−Fに変更した以外は実施例5と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔実施例8〕
実施例7において、感光性樹脂層用塗布液の処方のメガファックF−784−Fの添加量を表2に示すように変更した以外は実施例7と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔実施例9〜実施例11〕
実施例8において、感光性樹脂層の厚みを表2に示すように変更した以外は実施例8と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、熱可塑性樹脂層の乾燥条件を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔比較例2〕
実施例3において、熱可塑性樹脂層の乾燥条件を表2に示すように変更した以外は実施例3と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
〔比較例3〕
実施例1において、熱可塑性樹脂層の厚みを16.5μmから14.6μmに変更した以外は実施例1と同様に行ない、表2に示す結果を得た。
≪評価≫
−硬度−
前記実施例および比較例において、得られた熱可塑性樹脂層の硬度を、島津製作所製ダイナミック超微小硬度計DUH−200型を用い、下記条件にて測定し、計算して求めた。測定は、22±1℃、50±2.5%RHの範囲の環境下で行った。
・測定圧子:稜間角115°ダイアモンド製三角錐圧子
・試験力0.5mN
・負荷速度:1.422mN/sec
・計算方法:
押し込み深さの測定結果を用い、下記式により熱可塑性樹脂層の硬度Hを求めた。
硬度H = 圧子による係数×試験力(mN)/(押し込み深さ(μm)) = 3.8584×0.5/(押し込み深さ(μm))
−ロータリーカッター汚れ−
上記実施例および比較例において、得られたスペーサー用感光性転写フイルムのカバーフィルム上からロータリーカッターで仮支持体の一部に至る切り口をつけ、目視及び顕微鏡で下記の基準で評価した。結果を表2に示す。尚、実用レベルはC以上である。
<評価基準>
A:顕微鏡で観察しても、ロータリーカッターの汚れが全く観察されず、ロータリーカッターの汚れは極めて良好。
B:目視では分からないが、顕微鏡で観察すると微かに汚れが観察されるが、先端部はまったく汚れて折らず、ロータリーカッターの汚れは良好。
C:目視で観察すると少しに汚れが観察されるが、先端部はまったく汚れて折らず、ロータリーカッターの汚れは普通。
D:カバーフィルムを切っている途中で、異音を発生し、切り口が波打つ状態で、ロータリーカッターを観察すると先端のところどころに汚れが観察され、ロータリーカッターの汚れは悪い。
E:ロータリーカッターでカバーフィルムを切りかけた途中で、ジャムが発生してロータリーカッターが途中で停止する状態で、ロータリーカッターを観察すると先端部がかなり汚れており、ロータリーカッターの汚れは極めて悪い。
−カバーフィルム剥離性−
上記実施例および比較例において、得られたスペーサー用感光性転写フイルムのカバーフィルム上からロータリーカッターで仮支持体の一部に至る切り口をつけ、テープを用いてカバーフィルムと感光性樹脂層の界面で剥離してカバーフィルムを除去し、目視で観察し、下記の基準で評価した。結果を表2に示す。尚、実用レベルはC以上である。
<評価基準>
A:カバーフィルム上に感光性樹脂層の付着が全く見られず、剥離性は極めて良好。
B:カバーフィルム切り口のエッジ部に点状の感光性樹脂層の付着が微かに見られるが、他の部分に感光性樹脂層の付着は起こらず、剥離性は良好。
C:カバーフィルム切り口のエッジ部に1mm幅程度の感光性樹脂層の付着が少し見られ、またエッジ部から数cm離れた場所に微小な泡状に浮き上がった中間層と感光性樹脂層との間の剥離故障が僅かに発生とするが、表示部には存在せず、剥離性は普通。
D:カバーフィルムの切り口から数cm幅の帯状の感光性樹脂層の付着が基板の表示部内まで至り、剥離性は悪い。
E:カバーフィルムの全面に感光性樹脂層の付着が見られ、剥離性は極めて悪い。
Figure 2010060841

表2中、乾燥条件は以下の通りである。
条件A … 100℃で2分間乾燥させた後、120℃で1分間乾燥させた。
条件B … 90℃で1分間乾燥させた後、100℃で1分間乾燥させ、その後更に、120℃で1分間乾燥させた。
条件C … 80℃で1分間乾燥させた後、100℃で1分間乾燥させ、その後更に、120℃で1分間乾燥させた。
条件D … 80℃で2分間乾燥させた後、100℃で1分間乾燥させた。
条件E … 100℃で1分間乾燥させた後、120℃で2分間乾燥させた。
表2に示すように、実施例1〜実施例11では、樹脂パターンとしてフォトスペーサーを作製する際、カバーフィルムの剥離性が良好であり、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制されていた。また、実施例1〜実施例11のフォトスペーサー付きカラーフィルタ基板を用いて作製された液晶表示装置では、剥離不良に起因する表示ムラの発生が抑制されていた。
一方、比較例1〜3では、カバーフィルムの剥離性及びロータリーカッター汚れの少なくとも一方を満足できなかった。
また、以上の実施例では、樹脂パターンとしてフォトスペーサーを形成したが、上記実施例と同様の方法により、カラーフィルタ(着色画素)、配向制御用突起、ブラックマトリクス等、その他の樹脂パターンを形成できる。
この場合においても、上記実施例と同様に、カバーフィルムの剥離性を向上させ、かつ、カバーフィルムをカットする際のカッターの汚れが抑制できる。
そして、これらの樹脂パターンを備えた樹脂パターン付き基板を用い、剥離不良に起因する表示ムラの発生が抑制された表示装置(液晶表示装置)を作製できる。

Claims (8)

  1. 仮支持体と、三角錐の圧子で0.5mNの荷重で測定した際の硬度が1.0以上4.5以下である熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、カバーフィルムと、をこの順に有する感光性転写材料。
  2. 前記熱可塑性樹脂層の厚みが、15.0μm以上30.0μm以下である請求項1に記載の感光性転写材料。
  3. 前記熱可塑性樹脂層が、重量平均分子量5万以上50万以下の熱可塑性樹脂Aと重量平均分子量3千以上3万以下の熱可塑性樹脂Bとを含み、前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bを含む全熱可塑性樹脂成分のうち40質量%以上が前記熱可塑性樹脂Aである請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料。
  4. 仮支持体と、三角錐の圧子で0.5mNの荷重で測定した際の硬度が1.0以上4.5以下である熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂層と、カバーフィルムと、をこの順に有する感光性転写材料に、前記カバーフィルム表面から仮支持体の一部に至るまでの深さの切り口を形成する切り口形成工程と、
    前記カバーフィルムと前記感光性樹脂層との間で剥離して、前記感光性転写材料から前記カバーフィルムを除去するカバーフィルム除去工程と、
    前記カバーフィルムが除去された感光性転写材料と基板とを、前記感光性樹脂層と基板面とが接するようにして貼り合わせて積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記仮支持体と前記熱可塑性樹脂層との間で剥離して、前記積層体から前記仮支持体を除去する仮支持体除去工程と、
    を有する樹脂パターンの形成方法。
  5. 前記仮支持体除去工程後、前記仮支持体が除去された前記積層体の前記感光性樹脂層を露光する露光工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を有する請求項4に記載の樹脂パターンの形成方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の樹脂パターンの形成方法によって形成された樹脂パターンを有する樹脂パターン付き基板。
  7. 請求項6に記載の樹脂パターン付き基板を備えた表示装置。
  8. 請求項6に記載の樹脂パターン付き基板を備えた液晶表示装置。
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JP2015090419A (ja) * 2013-11-06 2015-05-11 凸版印刷株式会社 カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、液晶表示装置および有機el表示装置
WO2019187364A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 富士フイルム株式会社 感光性転写材料、レジストパターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネル、及び、タッチパネル表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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