JP2006275227A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機の変速時において、特定の摩擦係合要素に連続して係合要求を出されても、摩擦係合要素の耐久性の低下を心配する必要のないシステムを実現することにある。
【解決手段】この発明は、自動変速機の変速制御装置において、オイル温度検出手段を設け、変速時における摩擦係合要素の仕事量を算出する仕事量算出手段を設け、仕事量から表面温度を推定する表面温度推定手段を設け、オイル温度に基づいて表面温度の低下量を推定する表面温度低下量推定手段を設け、変速時において推定された表面温度を推定された低下量で低下させる表面温度低下手段を設け、低下させた表面温度が設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素を用いた変速を行わないように規制する変速規制手段を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は自動変速機の変速制御装置に係り、特に、変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機の変速時において、特定の摩擦係合要素に連続して係合要求を出されても、摩擦係合要素の耐久性の低下を心配する必要のないシステムを実現することができる自動変速機の変速制御装置に関する。
車両に搭載される自動変速機の変速制御装置においては、複数の変速段を有する変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備え、例えば図7に示す如く、スロットル開度と車速とによって選択される変速段を予め設定した変速マップに従って変速段を決定し、複数の摩擦係合要素の内の特定の摩擦係合要素を係合することにより変速手段を選択された変速段に変速するものがある。
変速段を決定する変速マップは、予め決められたものであり、必ずしも運転者の嗜好に合っているわけではない。このため、近時は、自動変速機においても手動変速が可能になるように、セレクト装置にオートマチックレンジに併せてマニュアルレンジを設定し、マニュアルレンジにてセレクトレバーをアップシフト位置に移動させる毎に変速段を1段ずつアップシフト変速可能とし、逆にセレクトレバーをダウンシフト位置に移動させる毎に変速段を1段ずつダウンシフト変速可能としたものがある。
手動変速が可能な自動変速機は、セレクトレバーの変速操作が簡単なために、運転者がセレクトレバーを頻繁にアップシフト位置あるいはダウンシフト位置に移動すると、その度に変速動作が行われ、これに呼応して自動変速機の摩擦係合要素が選択係合されることになる。摩擦係合要素は、係合する際に熱を発生し、この熱が摩擦係合要素の表面温度を上昇させる。
自動変速においては、変速の間隔が長いために摩擦係合要素の表面温度が下がるため、間題を生じることがない。しかし、手動変速を可能にした自動変速機においては、運転者が頻繁に変速を行うことが可能であるために、摩擦係合要素の表面温度が下がらず、摩擦係合要素の耐久性を低下させてしまう問題があった。
このような間題を解決する手段としては、同種の変速指令が、摩擦係合要素の冷却不足が生じないようにするのに必要なインターバル確保時間内に繰り返されたときに、運転者に警告することで、上記の問題を解決しようとするものがある。
特許登録第3139448号公報
また、他の解決手段としては、変速切換前の継続時間を予め検出しておき、手動操作によって変速された際に継続時間が短いと判断されたときには、長いと判断されたときに比べて変速を規制するようにして、極めて短い間隔で変速指令が出されたときの変速ショックの発生を防止し、摩擦係合要素の耐久性の低下を防止するものがある。
特許登録第2991393号公報
さらに、他の解決手段としては、シフトレバーのアップダウン操作に伴うカウント信号毎にそれより所定回数前のカウント信号から現在までの時間を計測し、計測した時間が所定時間以下であればそのときのカウント信号をキャンセルして自動変速機をドライブレンジに切換制御して、シフトレバーのアップダウン操作が頻繁に行われた場合の悪影響を防止するものがある。
特開平5−223167号公報
さらにまた、他の解決手段としては、特定の摩擦係合要素の関与する変速の間隔が所定値以下となるような変速が連続して所定回数発生したときに、特定の摩擦係合要素の分が軽減するように、予め設定された変速時期を変更し、この変更した変速時期に従って変速段を切り換えることで、特定の摩擦係合要素の表面温度が過度に上昇することを抑制するものがある。
特公平6−5100号公報
ところで、前記特許文献1〜4に示す解決手段においては、同じ変速指令の繰り返しにより判定を行って、摩擦係合要素の耐久性向上を図っている。
しかし、自動変速機においては、異なる変速段で同じ摩擦係合要素を係合して変速を行うことがあり、同じ変速指令の繰り返しだけで判定する方法では摩擦係合要素の耐久性向上に不十分な場合があり、改善の余地があった。
この発明は、複数の変速段を有する変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機を設け、前記複数の摩擦係合要素の内の特定の摩擦係合要素を係合することにより前記変速手段を選択された変速段に変速する自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機のオイル温度を検出するオイル温度検出手段を設け、変速時における摩擦係合要素の仕事量を算出する仕事量算出手段を設け、この仕事量算出手段により算出された摩擦係合要素の仕事量から、前記係合する摩擦係合要素の表面温度を推定する表面温度推定手段を設け、前記オイル温度検出手段により検出されるオイル温度に基づいて、前記係合する摩擦係合要素の表面温度の低下量を推定する表面温度低下量推定手段を設け、変速時において前記表面温度推定手段により推定された表面温度を前記表面温度低下量推定手段により推定された低下量で低下させる表面温度低下手段を設け、低下させた表面温度が設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素を用いた変速を行わないように規制する変速規制手段を設けたことを特徴とする。
この発明の自動変速機の変速制御装置は、変速時に係合する摩擦係合要素の推定された表面温度を推定された低下量で低下させ、低下させた表面温度が設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素を用いた変速を行わないように規制することにより、変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機の変速時において、特定の摩擦係合要素に連続して係合要求を出されても、係合を行わずに表面温度を低下させることができ、摩擦係合要素の耐久性の低下を心配する必要がないシステムを実現することができる。
この発明の自動変速機の変速制御装置は、変速時に係合する摩擦係合要素の推定された表面温度を推定された低下量で低下させ、低下させた表面温度が設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素を用いた変速を行わないように規制することにより、特定の摩擦係合要素に連続して係合要求を出されても、係合を行わずに表面温度を低下させることができ、摩擦係合要素の耐久性の低下を心配する必要がないシステムを実現することができるものである。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図7は、この発明の実施例を示すものである。図6において、2は図示しない車両に搭載されるエンジン、4は自動変速機である。自動変速機4は、トルクコンバータ6と変速手段である補助変速機構8とを備えている。補助変速機構8は、図示しないプラネタリギヤ等から構成される複数の変速段、この実施例においては4つの変速段を有している。補助変速機構8は、複数の摩擦係合要素10であるロークラッチ10a、バンドブレーキ10b、ハイクラッチ10c、ワンウェイクラッチ10dにより変速される。
自動変速機4の下方には、バルブボディ12を設けている。バルブボディ12には、補助変速機構8の複数の摩擦係合要素10に作動油圧を供給して係合状態を切換えるシフトバルブ(図示せず)のシフト用第1・第2ソレノイド14・16を備えている。
シフト用第1・第2ソレノイド14・16は、自動変速機4の変速制御装置18を構成する制御部20に接続している。制御部20には、エンジン2の回転速度を検出するエンジン回転センサ22と、エンジン2の負荷としてスロットルバルブ(図示せず)のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ24と、自動変速機4の出力軸の回転速度から車速を検出する車速センサ26とを接続している。
また、制御部20には、自動変速機4の図示しないセレクト装置のセレクトレバーに連動してオートマチックレンジ(自動変速)のシフト位置を検出するシフト位置スイッチ28を接続している。さらに、制御部20には、運転者が任意の変速段を選択できるように、セレクト装置にオートマチックレンジに併せてマニュアルレンジ(手動変速)を備え、マニュアルレンジにおけるセレクトレバーのアップシフト位置及びダウンシフト位置を検出するシフトアップスイッチ30及びシフトダウンスイッチ32を接続している。
制御部20は、これらセンサ・スイッチ22〜32の入力情報から補助変速機構8の変速段を変速マップ34(図7参照)により選択し、あるいは運転者が選択した変速段を検出し、シフト用第1・第2ソレノイド14・16へ出力する変速制御信号によりシフトソレノイドを作動させ、変速マップ32により選択された変速段になるように、あるいは運転者が選択した変速段になるように、複数の摩擦係合要素10を選択的に係合して変速制御を行う。
複数の摩擦係合要素10であるロークラッチ10a、バンドブレーキ10b、ハイクラッチ10c、ワンウェイクラッチ10dは、例えば図5に示す如く、係合を組み合わせることにより各変速段を構成する。この自動変速機4の補助変速機構8においては、1速においてはロークラッチ10aとワンウェイクラッチ10dとの係合、2速においてはロークラッチ10aとバンドブレーキ10bとの係合、3速においてはロークラッチ10aとハイクラッチ10cとの係合、4速においてはバンドブレーキ10bとハイクラッチ10cとの係合を組み合わせることによって、各変速段を構成する。
この自動変速機4においては、1速から2速への変速(以下「1−2変速」と記す。)においてはバンドブレーキ10bが係合され、2速から3速への変速(以下「2−3変速」と記す。)においてはバンドブレーキ10bを解放し、ハイクラッチ10cを係合する。また、3速から4速への変速(以下「3−4変速」と記す。)においてはロークラッチ10aを解放し、バンドブレーキ10b及びハイクラッチ10cを係合する。複数の摩擦係合要素10の内の、バンドブレーキ10bについては、1−2変速、3−4変速、3速から2速への変速(以下「3−2変速」と記す。)において、係合されることになる。
この自動変速機4の変速制御装置18は、制御部20に、車速とスロットル開度とから選択される変速段を予め設定した前記変速マップ34を備え、自動変速機4のオイル温度を検出するオイル温度センサ(オイル温度検出手段)36を接続して設けている。
制御部20には、仕事量算出手段38を設け、表面温度推定手段40を設け、表面温度低下量推定手段42を設け、表面温度低下手段44を設け、変速規制手段46を設け、警告手段48を設け、変速禁止手段50を設けている。
前記仕事量算出手段38は、変速時における摩擦係合要素10の仕事量を算出する。
前記表面温度推定手段40は、この仕事量算出手段38により算出された摩擦係合要素10の仕事量から、係合する摩擦係合要素10の表面温度を推定する。
前記表面温度低下量推定手段42は、オイル温度センサ36により検出されるオイル温度に基づいて、係合する摩擦係合要素10の表面温度Tの低下量を推定する。
前記表面温度低下手段44は、変速時において表面温度推定手段40により推定された表面温度Tを表面温度低下量推定手段42により推定された低下量で低下させる。
前記変速規制手段46は、低下させた表面温度Tが設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素10を用いた変速を行わないように規制する。
前記警告手段48は、低下させた表面温度Tが設定された温度より高い場合には運転者に警告する。
また、前記警告手段48は、低下させた表面温度Tが設定された第一の温度より高い場合には運転者に警告する。
さらに、変速禁止手段50は、低下させた表面温度Tが前記第一の温度より高く設定された第二の温度より高い場合には警告手段48による警告に合わせて変速を禁止する。
このように、自動変速機4の変速制御装置18は、自動変速機4のオイル温度を検出するオイル温度センサ36を設け、変速時における摩擦係合要素10の仕事量を算出する仕事量算出手段38を設け、この仕事量算出手段38により算出された摩擦係合要素10の仕事量から、係合する摩擦係合要素10の表面温度を推定する表面温度推定手段40を設け、オイル温度センサ36により検出されるオイル温度に基づいて、係合する摩擦係合要素10の表面温度の低下量を推定する表面温度低下量推定手段42を設け、変速時において表面温度推定手段40により推定された表面温度を表面温度低下量推定手段42により推定された低下量で低下させる表面温度低下手段44を設けている。
この自動変速機4の変速制御装置18は、低下させた表面温度が設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素10を用いた変速を行わないように規制する変速規制手段46を設け、低下させた表面温度が設定された温度より高い場合には運転者に警告し、また、低下させた表面温度が設定された第一の温度より高い場合には運転者に警告する警告手段48を設け、低下させた表面温度が前記第一の温度より高く設定された第二の温度より高い場合には警告手段38による警告に合わせて変速を禁止する変速禁止手段50を設けている。
次に、自動変速機4の変速制御装置18の作用を説明する。この自動変速機4の変速制御装置18は、各摩擦係合要素10毎に設定され、各摩擦係合要素10が係合指令を受けたら、図2に示すフローチャートに従って各摩擦係合要素10が吸収したエネルギー(仕事量)を算出し、算出した仕事量に基づき図3に示すフローチャートに従って表面温度を推定し、図1に示すフローチャートに従って表面温度に基づき警告や変速を処理する。
図2に示すフローチャートにて、変速時の摩擦係合要素10の仕事量の算出を説明する。自動変速機4の変速制御装置18は、制御がスタートすると(100)、変速中かどうかを判断する(102)。変速中かどうかは、変速開始からの時間や、変速時に変化する回転要素の回転変化等により判断する。
この判断(102)が変速中でなくNOの場合は、処理を終了する(106)。この判断(102)が変速中でYESの場合は、摩擦係合要素10への仕事量を算出し(104)、処理を終了する(106)。
前記摩擦係合要素10の仕事量は、以下に示す式1により算出する。
Q=∫T・△ωdt 式1
ここで、Qは仕事量、Tは摩擦係合要素10の伝達トルク、△ωは摩擦係合要素10の差回転である。T・△ωを変速中に渡って積分することにより、変速中に摩擦係合要素10が行う仕事量Qを算出することできる。伝達トルク、差回転は、補助変速機構8の入力側と出力側との回転速度から求める。
なお、ここでは、摩擦係合要素10の仕事量Qを伝達トルク*差回転の積分により算出したが、自動変速機4の入カトルクに変速時に係合する摩擦係合要素10が分担するトルク比を乗じた値からテーブルルックアップ(テーブル検索)により仕事量Qを求めるなど、変速中の摩擦係合要素10の仕事量Qを算出できるのであれば、他の方法でも良い。
次に、図3のフローチャートにて、変速時の摩擦係合要素10の表面温度の推定処理を説明する。自動変速機4の変速制御装置18は、制御がスタートすると(200)、図2のフローチャートおいて求めた仕事量Qより摩擦係合要素10の表面温度を推定する(202)。
前記表面温度は、以下に示す式2により算出する。
T=Q/k 式2
ここで、Tは表面温度、kは摩擦係合要素10の比熱である。なお、変速時の表面温度Tは、変速時の表面温度=変速前の表面温度+仕事量/比熱として算出する。
ここでは、計算を簡単にするため、変速時間は十分短く、変速期間中の放熱は考慮しないものとする。なお、ここでは、摩擦係合要素10の表面温度Tを式2により算出したが、変速時間中の放熱を考慮して仕事量Qから一次遅れ処理をして表面温度Tを推定する、仕事量Qからテーブルルックアップ(テーブル検索)により求めるなど、変速中の摩擦係合要素10の表面温度Tを算出できるのであれば、他の方法でも良い。
次に、表面温度Tが自動変速機4のオイル温度(ATF温)よりも高いかどうかを判断する(204)。変速直後は摩擦係合要素表10の表面温度Tはオイル温度より高い。
この判断(204)において表面温度Tがオイル温度よりも高くてYESの場合は、表面温度Tの低下処理を行い(206)、処理を終了する(208)。この判断(204)において表面温度Tがオイル温度よりも低くてNOの場合は、処理を終了する(208)。
表面温度Tの低下処理は、表面温度Tの初期温度からオイル温度に依存してどのように低下するかを予め実験等で確認し、それに従って処理を行う。ここでは、オイル温度センサ36により検出されるオイル温度に基づいて、係合する摩擦係合要素10の表面温度Tの低下量を推定し、推定された表面温度Tを推定された低下量で低下させる。表面温度Tは、オイル温度を下限として低下させる。
次に、図1のフローチャートにて、変速時の処理を説明する。自動変速機4の変速制御装置18は、制御がスタートすると(300)、変速段を決定する(302)。変速段の決定は、スロットル開度と車速に基づいた図7に示す変速マップ34から決定した自動変速での変速段の場合と、運転者がセレクトレバーを操作して選択した手動変速での変速段の場合とがある。
次に、変速が発生したかどうかを判断する(304)。変速が発生したかどうかは、現在の変速段から処理(302)で決定した変速段が変化したかどうかで判断する。
この判断(304)において変速が発生せず、NOの場合は、処理を終了する(312)。この判断(304)において変速が発生してYESの場合は、係合する摩擦係合要素10の表面温度Tが予め設定したオイル温度TMPよりも高いかどうかを判断する(306)。オイル温度TMPは、摩擦係合要素10の耐久性を低下させないよう、予め実験等で求めた値を使用する。
この判断(306)において摩擦係合要素10の表面温度Tがオイル温度TMPよりも低くてNOの場合は、変速処理を行い(310)、処理を終了する(312)。この判断(306)において摩擦係合要素10の表面温度Tがオイル温度TMPよりも高くてYESの場合は、運転者に表示灯の点減や音などにより警告を行い(308)、変速処理を行い(310)、処理を終了する(312)。
ここでは、摩擦係合要素10の表面温度Tがオイル温度TMPよりも高い場合には、運転者に警告して変速を行うようにしたが、運転者に警告し、変速を行わないように規制することもできる。また、表面温度Tのしきい値を高低2つ設定(第一の温度<第二の温度)し、表面温度Tが低い方のしきい値(第一の温度)より高い場合には警告して変速は行い、表面温度Tが高い方のしきい値(第二の温度)よりも高い場合には警告に合わせて変速を禁止することもできる。
以上の処理を、図4のタイムチャートに従って説明する。図4においては、特定の摩擦係合要素10、例えばバンドブレーキ10bを係合させて変速した場合の表面温度Tの変化を示している。
時間t1において1−2変速が行われ、バンドブレーキ10bが係合すると、その際に要した仕事量Qに基づいて表面温度Tが上昇する。その後、2−3変速が行われ、バンドブレーキ10bを係合して変速を行う変速が発生しないと、表面温度Tは低下していく。
時間t2において3−2変速が行われ、バンドブレーキ10bが係合すると、その際に要した仕事量Qに基づいて表面温度Tが上昇する。その後、2−3変速が行われ、バンドブレーキ10bを係合して変速を行う変速が発生しないと、表面温度Tは低下していく。
時間t3において再び3−2変速が行われ、バンドブレーキ10bが係合すると、その際に要した仕事量Qに基づいて表面温度Tがしきい値の温度を超えて上昇する。その後、2−3変速が行われ、バンドブレーキ10bを係合して変速を行う変速が発生しないと、表面温度Tは低下していく。
時間t4において再び3−2変速が発生するが、この場合は表面温度Tが運転者に警告を発するしきい値の温度より高いため、運転者に警告を発する。ここでは、警告は発するが変速は行うため、表面温度Tはさらに上昇することになる。
このように、同じ摩擦係合要素10を係合して行う変速が頻繁に行われることを複数の摩擦係合要素10毎に判断しているので、摩擦係合要素10の耐久性が低下するのを防止することができる。
この自動変速機4の変速制御装置18は、変速時に係合する摩擦係合要素10の推定された表面温度Tを推定された低下量で低下させ、低下させた表面温度Tが設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素10を用いた変速を行わないように規制する。
これにより、この自動変速機4の変速制御装置18は、補助変速機構8を変速する複数の摩擦係合要素10を備えた自動変速機4の変速時において、特定の摩擦係合要素10に連続して係合要求を出されても、係合を行わずに表面温度Tを低下させることができ、摩擦係合要素10の耐久性の低下を心配する必要がないシステムを実現することができる。
また、この自動変速機4の変速制御装置18は、変速時において係合する摩擦係合要素10の推定された表面温度Tを推定された低下量で低下させ、低下させた表面温度Tが設定された温度より高い場合には運転者に警告することにより、補助変速機構8を変速する複数の摩擦係合要素10を備えた自動変速機の変速時において、特定の摩擦係合要素10が連続して使用された場合に、耐久性の低下する可能性がある状況であることを運転者に感知させることができる。
さらに、この自動変速機4の変速制御装置18は、変速時において係合する摩擦係合要素10の推定された表面温度を推定された低下量で低下させ、低下させた表面温度Tが設定された第一の温度より高い場合には運転者に警告し、低下させた表面温度が第一の温度より高く設定された第二の温度より高い場合には警告に合わせて変速を禁止することにより、運転者へ警告した後も耐久性を低下させる状況が改善されない場合のみ変速を禁止するので、運転者が通常と異なる変速制御が行われても、違和感を覚えたり、故障と勘違いすることがない。
なお、上述実施例においては、変速時に係合する摩擦係合要素の表面温度を推定し、表面温度が設定された温度を超えている場合には警告し、あるいは変速を禁止したが、表面温度が設定された温度を超えている場合には自動変速機4の図示しないセレクト装置をマニュアルレンジ(手動変速)からオートマチックレンジ(自動変速)に変更することにより、アップシフト・ダウンシフトの機会を少なくすることができ、これにより自動変速機の摩擦係合要素が頻繁に係合されることを少なくし、摩擦係合要素が係合する際に発生する熱を少なくして表面温度を低下させることができ、摩擦係合要素の耐久性の低下を回避4することができる。
この発明の自動変速機の変速制御装置は、変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機の変速時において、特定の摩擦係合要素に連続して係合要求を出されても、係合を行わずに表面温度を低下させることができ、変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた各種の自動変速機の制御に適用可能である。
自動変速機の変速制御装置の実施例を示す変速時の処理のフローチャートである。 摩擦係合要素の仕事量算出のフローチャートである。 摩擦係合要素の表面温度推定処理のフローチャートである。 特定の摩擦係合要素を係合させて変速した場合の表面温度の変化を示すタイムチャートである。 各変速段の摩擦係合要素の組み合わせを示す図である。 変速制御装置の概略構成図である。 スロットル開度と車速とによる変速マップを示す図である。
符号の説明
2 エンジン
4 自動変速機
6 トルクコンバータ
8 補助変速機構
10 摩擦係合要素
12 バルブボディ
14 シフト用第1ソレノイド
16 シフト用第2ソレノイド
18 変速制御装置
20 制御部
22 エンジン回転センサ
24 スロットル開度センサ
26 車速センサ
28 シフト位置スイッチ
30 シフトアップスイッチ
32 シフトダウンスイッチ
34 変速マップ
36 オイル温度センサ
38 仕事量算出手段
40 表面温度推定手段
42 表面温度低下量推定手段
44 表面温度低下手段
46 変速規制手段
48 警告手段
50 変速禁止手段

Claims (3)

  1. 複数の変速段を有する変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機を設け、前記複数の摩擦係合要素の内の特定の摩擦係合要素を係合することにより前記変速手段を選択された変速段に変速する自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機のオイル温度を検出するオイル温度検出手段を設け、変速時における摩擦係合要素の仕事量を算出する仕事量算出手段を設け、この仕事量算出手段により算出された摩擦係合要素の仕事量から、前記係合する摩擦係合要素の表面温度を推定する表面温度推定手段を設け、前記オイル温度検出手段により検出されるオイル温度に基づいて、前記係合する摩擦係合要素の表面温度の低下量を推定する表面温度低下量推定手段を設け、変速時において前記表面温度推定手段により推定された表面温度を前記表面温度低下量推定手段により推定された低下量で低下させる表面温度低下手段を設け、低下させた表面温度が設定された温度になるまでは同じ摩擦係合要素を用いた変速を行わないように規制する変速規制手段を設けたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 複数の変速段を有する変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機を設け、前記複数の摩擦係合要素の内の特定の摩擦係合要素を係合することにより前記変速手段を選択された変速段に変速する自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機のオイル温度を検出するオイル温度検出手段を設け、変速時における摩擦係合要素の仕事量を算出する仕事量算出手段を設け、この仕事量算出手段により算出された摩擦係合要素の仕事量から、前記係合する摩擦係合要素の表面温度を推定する表面温度推定手段を設け、前記オイル温度検出手段により検出されるオイル温度に基づいて、前記係合する摩擦係合要素の表面温度の低下量を推定する表面温度低下量推定手段を設け、変速時において前記表面温度推定手段により推定された表面温度を前記表面温度低下量推定手段により推定された低下量で低下させる表面温度低下手段を設け、低下させた表面温度が設定された温度より高い場合には運転者に警告する警告手段を設けたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 複数の変速段を有する変速手段を変速する複数の摩擦係合要素を備えた自動変速機を設け、前記複数の摩擦係合要素の内の特定の摩擦係合要素を係合することにより前記変速手段を選択された変速段に変速する自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機のオイル温度を検出するオイル温度検出手段を設け、変速時における摩擦係合要素の仕事量を算出する仕事量算出手段を設け、この仕事量算出手段により算出された摩擦係合要素の仕事量から、前記係合する摩擦係合要素の表面温度を推定する表面温度推定手段を設け、前記オイル温度検出手段により検出されるオイル温度に基づいて、前記係合する摩擦係合要素の表面温度の低下量を推定する表面温度低下量推定手段を設け、変速時において前記表面温度推定手段により推定された表面温度を前記表面温度低下量推定手段により推定された低下量で低下させる表面温度低下手段を設け、低下させた表面温度が設定された第一の温度より高い場合には運転者に警告する警告手段を設け、低下させた表面温度が前記第一の温度より高く設定された第二の温度より高い場合には前記警告手段による警告に合わせて変速を禁止する変速禁止手段を設けたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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