JP2006275021A - 消音装置付きスクロール流体機械 - Google Patents

消音装置付きスクロール流体機械 Download PDF

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Abstract

【課題】 消音装置付きスクロール流体機械を提供する。
【解決手段】 固定スクロール３０、３１と旋回スクロール３２を噛み合わせて、旋回ラップ３４、３５と固定ラップ２８、２９の間に密閉室を形成し、旋回スクロール３２を旋回させることにより、径方向の外端から吸引した気体を、径方向の内端へ向かって圧送するようにしたスクロール流体機械において、固定端板２７に、径方向の内端へ向かって圧送された圧縮気体を導出するための径方向の外側を向く排出孔４４内に、流入孔２を求心方向とした筒状消音器１を嵌合する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、運転に伴い、圧縮されて吐出される気体による騒音を可及的に小としうるようにした消音装置付きスクロール流体機械に関する。
スクロール流体機械自体は、文献をあげるまでもなく、関係技術者にとっては周知のものであるが、本発明の理解を容易とするために、その一例を略示する図３を参照して、その概略構成について説明する。
図３は、ハウジング内で旋回スクロールを一定の偏心量をもって旋回させることにより、ハウジングの外周部から吸入した気体を、旋回スクロールと固定スクロールを組み合わせて形成した圧縮部へ導き、その中心方向を行くに従って圧縮した後、中心部より吐出させるようにしたスクロール流体機械の一例を示す縦断側面図である。
(21)は、密閉された円盤状の圧縮室(22)を備えるハウジングで、筐体(23)と蓋体(24)とからなり、かつ外周部に吸入孔(25)が設けられている。
筐体(23)および蓋体(24)は、それぞれ、圧縮室(22)の両側に対向して位置する固定端板(26)(27)を一体的に有し、それらの圧縮室(22)側を向く内面には、それぞれ渦巻状の固定ラップ(28)(29)が立設されて、固定スクロール(30)(31)が形成されている。
両固定端板(26)(27)の間において、圧縮室(22)内には、旋回スクロール(32)が、圧縮室(22)の軸線まわりに旋回しうるようにして設けられている。
旋回スクロール(32)は、旋回端板(33)の両面に、それぞれ前記固定スクロール(30)(31)と１８０°ずらせて嵌入して噛み合う旋回ラップ(34)(35)を立設したもので、ハウジング(21)の中心部にベアリング(36)(37)を介して嵌設した駆動軸(38)の偏心軸部(39)に、ベアリング(40)(41)を介して枢支されている。
旋回端板(33)は、互いに等間隔をもって同一円周上に配設された、図には示されていない公知の３個のピンクランク式自動防止機構を介して、固定端板(26)(27)と連係され、駆動軸(38)が回転すると、旋回端板(33)は、圧縮室(22)内において偏心公転運動をし、互いに噛み合う固定ラップ(28)(29)と旋回ラップ(34)(35)との間の空間の径方向の寸法が変化するようになっている。
筐体(23)の中心に近い個所において、固定端板(27)には、軸線方向を向き、かつ内側端が、前記圧縮室(22)の中心に近い個所に開口し、外側端が塞栓(42)で閉じられた通孔(43)が設けられている。
また、固定端板(27)には、前記通孔(43)より外周面に至る径方向の排出孔(44)が設けられ、排出孔(44)の径方向の外端には、チェックバルブ付排気ジョイント(45)が嵌合されている。
駆動軸(28)は、図示しないモータをもって駆動されるようになっており、かつ筐体(23)と蓋体(24)の外側至近の位置において、駆動軸(38)には、それぞれ冷却ファン(46)(47)が取付けられている。
筐体(23)および蓋体(24)の背面には、放射状の多数の冷却フィン(48)(49)が突設されている。
駆動軸(38)を回転させると、その偏心軸部(39)に枢支されている旋回スクロール(32)は、固定スクロール(30)(31)と噛合したまま、一定の偏心量で旋回運動し、これに伴い、気体は吸入口(25)より吸入され、圧縮室(22)内において圧縮されて中心方向へ送られ、最終圧縮室から、通孔(43)、排出孔(44)および排気ジョイント(45)を経て排出させられる。
ところで、前記排出孔(44)および排気ジョイント(45)を経て吐出される排気の音は、相当に高音であるので、通常、排気孔(44)または排気ジョイント(45)の出口に、適宜の消音器(50)が取付けられている。
しかし、この消音器(50)は、スクロール流体機械自体の軸線方向もしくは径方向へ突出しているため、その分、流体スクロール機械全体としての寸法が大となり、取扱上、また設置上の妨げとなっていた。
本発明は、スクロール流体機械より全く突出することなく、従ってスクロール流体機械の外形や寸法を全く変化させることなく、膨張減圧型その他適宜の筒状消音器を取付けた消音装置付きスクロール流体機械を提供することを目的とりするもので、その具体的手段は、特許請求の範囲の各請求項に記載されているとおりであり、次の如くである。
(１)駆動軸における偏心軸部に枢支した旋回端板上に旋回ラップを立設してなる旋回スクロールにおける旋回ラップと、固定端板上に固定ラップを立設してなる固定スクロールにおける固定ラップとを噛み合わせることにより、旋回ラップと固定ラップの間に密閉室を形成し、かつ旋回スクロールの自転運動を防止するための自転防止機構を配設してなり、運転に伴い、径方向の外端から吸引した気体を、径方向の内端へ向かって圧送するようにしたスクロール流体機械において、前記固定端板に穿設されている、径方向の内端へ向かって圧送された圧縮気体を導出するための径方向の外側を向く排出孔内に、流入口を求心方向とした膨張減圧型の筒状消音器を嵌合する。
(２)上記(１)項において、筒状消音器を、排出孔内に完全に埋没するようにして嵌合する。
(３)上記(１)項において、筒状消音器の一部を、排出孔内に嵌合させる。
(４)上記(１)〜(３)項のいずれかにおいて、筒状消音器を、排出孔に対して着脱自在とする。
(５)上記(１)〜(４)項のいずれかにおいて、排出気体の圧力や量に応じて、筒状消音器における膨張減圧室の有効長さを変化させることにより、好適な消音効果が得られるようにする。
請求項１に係る発明：−筒状消音器は、固定端板における排出孔内に嵌合されているため、スクロール流体機械全体としての寸法の増大や形状の変化は、全くないか、あるいは小である。
また、筒状消音器からの吐出気体の減圧に伴う温度低下により、固定端板の温度は低下され、気体圧縮性能は向上するとともに、熱による各部の変形や、シール部材、ベアリング等の損耗は小となる。
請求項２に係る発明：−筒状消音器は排出孔内に完全に埋設されているため、スクロール流体機械全体としての寸法や形状には、全く影響がない。
請求項３に係る発明：−筒状消音器の点検や調節を容易に行うことができる。
請求項４に係る発明：−筒状消音器を、容易に取外して、点検したり、他のものと交換したりすることができる。
請求項５に係る発明：−排出気体の圧力や量に応じて、筒状消音器の筒状部の長さを変化させることにより、最適な消音効果を得ることができる。
図１は、前記した図３に示す一般的なスクロール流体機械に対して、本発明を適用した例を示す。
すなわち、図１に示すものは、筒状消音器を組込んであることを除けば、図３に示した一般的なスクロール流体機械と異なるところはない。従って、図１において、図３に示したのと同様の要素には、同一の符号を付すに止めて、その説明を省略し、異なる個所についてのみ説明する。
図１におけるスクロール流体機械の一方の固定端板(27)に穿設されている通孔(43)に連なる径方向の排出孔(44)内には、膨張減圧型の筒状消音器(１)が、その流入孔(２)を求心側へ向けて、適正に嵌合され、図３において排気ジョイント(45)の出口に接続されていた消音器(50)は、除去されている。
筒状消音器(１)は、実施例においては、図２に拡大して示すように、小径の流入孔(２)に続いて大径の膨張孔(３)を有し、膨張孔(３)の出口端に刻設されているめねじ(４)に、先端に細径の導入管(５)を有する調節ナット(６)を螺合したものである。
しかし本発明は、筒状消音器(１)自体の型式や構造を特定するものではない。
スクロール流体機械の運転に伴い、加圧されて、中心付近の通孔(43)へ導かれた加圧気体は、筒状消音器(１)の小径の流入孔(２)を経て、大径の膨張孔(３)内へ流入して膨張減圧された後、細径の導入管(５)および排気ジョイント(45)を経て、使用個所へ送られる。
図１では、筒状消音器(１)の全体が、径方向の排出孔(44)内に間隙なく適正に嵌合されているが、排出孔(44)を凹溝状として、筒状消音器(１)の一部もしくは大部分を嵌合して取付けることもある。
スクロール流体機械の運転に伴い、その中心付近の通孔(43)を経て、排出孔(44)内へ流入しようとする加圧気体は、筒状消音器(１)の小径の流入孔(２)を経て、大径の膨張孔(３)内へ流入する際に、膨張減圧されて騒音の発生は抑止される。
スクロール流体機械の運転条件の変化、あるいは気温の変動等により、騒音の強さに変化が生じた場合には、調節ナット(６)を操作して、導入管(５)の入口の位置を軸線方向に変化させることにより、筒状消音器(１)の有効長を調節することができる。
本発明のスクロール流体機械の一実施形態を示す縦断側面図である。 図１における膨張減圧型の筒状消音器を示す要部の拡大縦断面図である。 従来の一般的なスクロール流体機械の例を示す縦断側面図である。
符号の説明
(１)筒状消音器
(２)流入孔
(３)膨張孔
(４)めねじ
(５)導入管
(６)調節ナット
(21)ハウジング
(22)圧縮室
(23)筐体
(24)蓋体
(25)吸入孔
(26)(27)固定端板
(28)(29)固定ラップ
(30)(31)固定スクロール
(32)旋回スクロール
(33)旋回端板
(34)(35)旋回ラップ
(36)(37)ベアリング
(38)駆動軸
(39)偏心軸部
(40)(41)ベアリング
(42)塞栓
(43)通孔
(44)排出孔
(45)排気ジョイント
(46)(47)冷却ファン
(48)(49)冷却フィン
(50)消音器

Claims (5)

  1. 駆動軸における偏心軸部に枢支した旋回端板上に旋回ラップを立設してなる旋回スクロールにおける旋回ラップと、固定端板上に固定ラップを立設してなる固定スクロールにおける固定ラップとを噛み合わせることにより、旋回ラップと固定ラップの間に密閉室を形成し、かつ旋回スクロールの自転運動を防止するための自転防止機構を配設してなり、運転に伴い、径方向の外端から吸引した気体を、径方向の内端へ向かって圧送するようにしたスクロール流体機械において、
    前記固定端板に穿設されている、径方向の内端へ向かって圧送された圧縮気体を導出するための径方向の外側を向く排出孔内に、流入口を求心方向とした筒状消音器を嵌合したことを特徴とする消音装置付きスクロール流体機械。
  2. 筒状消音器を、排出孔内に完全に埋没するようにして嵌合したこを特徴とする請求項１記載の消音装置付きスクロール流体機械。
  3. 筒状消音器の一部を、排出孔内に嵌合させてなる請求項１記載の消音装置付きスクロール流体機械。
  4. 筒状消音器を、排出孔に対して着脱自在としてなる請求項１〜３のいずれかに記載の消音装置付きスクロール流体機械。
  5. 排出気体の圧力や量に応じて、筒状消音器における膨張減圧室の有効長さを変化させることにより、好適な消音効果が得られるようにしたことを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の消音装置付きスクロール流体機械。
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