JP2003278675A

JP2003278675A - 改良ルーツ型回転機械

Info

Publication number: JP2003278675A
Application number: JP2002123232A
Authority: JP
Inventors: Shigeo Nakamura; 重雄中村
Original assignee: ASUKA JAPAN KK; Aska Japan Inc
Current assignee: ASUKA JAPAN KK; Aska Japan Inc
Priority date: 2002-03-20
Filing date: 2002-03-20
Publication date: 2003-10-02

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】従来、ルーツロータ片だけの回転脈動音が、吐
出圧力が高くなればなる程大きくなり、騒音、脈動気体
となって使用端に弊害を及ぼしていた。又、内部圧縮式
のルーツ型回転機械にあっても、上記、弊害は半分にな
るが、尚、不充分であり、削減の希望があった。本発明
は、それらの完全なる低減と合わせて、消音機構の内蔵
構造化を行う。【解決手段】従来構造のルーツ型回転機械や、新案の内
部圧縮式ルーツ型回転機械の両方に対し、ケーシング１
内で逆流脈動が起こらないようにする吐出気体のケーシ
ング１内への導入を行ない、合わせて音波干渉の完全な
消音構造を主とした消音機構をケーシング１内に内蔵
し、コンパクトで運転音の低いルーツ型回転機械を構成
した。【効果】吐出圧力気体のロータ吸入容積への逆流は無く
なり、脈動とそれに伴なう脈動音も無くなり、異常昇温
は無くなった。吐出理論に合致した消音機構を回転機械
本体にビルドインできた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はブロワや真空ポンプ
などに利用されるルーツ型回転機械に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】ルーツ型回転機械によって、ブロワ、真
空ポンプとして実用されている構成は、図５に於いて３
葉ロータによる圧力運転としたブロワの通常、構造を示
している。該、図にあって、２軸に構成したロータは、
タイミングギヤーの噛合せで一定のすきまを保って係合
し、ケーシング内を矢印方向に回転させることにより、
１４吸入口からの流入気体は１５吐出口へ、１ケーシン
グの内面に沿って移送される。これはケーシングと２つ
のロータ間には、圧縮作用が行われずに、吸入側から吐
出側へは吸入圧力の気体を移送するだけである。この状
況の気体を吐出側で圧力気体として取出すためには、２
０止弁の開閉によって、１９吐出管内に必要とする気体
に圧力を発生させ、最終的に使用されている。このよう
に従来構造のルーツ型回転機械には、圧縮機構が付加さ
れていないものに、止弁の外力で強引に圧力気体を発生
させているものである。

【０００３】又、上記の一般的な従来構造のルーツ型回
転機械に対して、吐出口をサイドカバーに設け、更に、
従来は吐出口としていた吸入口の１８０°反対位置には
山形突起をケーシング巾に渉って構築し、ロータの係合
とによって内部圧縮を可能とするようにした内部圧縮式
ルーツ型回転機械が考案された。この構成による技術の
特徴はルーツ型回転機械では、不可能とされていた、ケ
ーシング内での内部圧縮を達成させたものであり、脈動
の減少、圧縮比の増大等に著しい改善が施された機構で
ある。然し乍ら、この両方の在来の技術について、機能
及び性能に関し前者は大いなる改善を必要とするし、後
者は細部の問題点を改良することで尚一層の高性能化が
望めるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術に示した幾
多の問題点の内、前者の圧縮作動を伴わないルーツ型回
転機械の課題点を掘り下げる。図５に示すように、２ロ
ータの回転によって３葉ロータとして、２つのロータ片
に囲まれた、Ａ吸入容積は一回転に６度吸入されその合
計が理論吸入量となる。然るに右ロータに見るように、
ロータ先端が吐出側の１ケーシング内壁を離れた時点
で、２０止弁の操作で吐出圧力が掛かってくる。すなわ
ち１５吐出口、内の圧力気体は、Ａ吸入容積に逆流し、
吸入圧力であったＡ吸入容積は、吐出圧力と等しくな
る。このＢが逆流ゾーンを表わす。

【０００５】この逆流は一回転で６回起こり、逆流の圧
力差は、Ａ吸入容積の吸入圧力（通常は大気圧）が、吐
出圧力になる大きな差圧となって、逆流する衝撃と、反
作用となってこの気体を排出するロータ片に掛る気体圧
力とで、断続する大きな回転脈動音を発生させる。又こ
の逆流と反作用の排出作動は、１５吐出口の圧力気体を
繰返し再圧縮、圧送することになり、吐出気体の温度を
異常に昇温させる原因になる。故に解決課題として、機
能では、脈動音の大幅の減衰、吐出温度の低減がある。
次に性能としては、ロータ、シール線前後の脈動による
圧力差が大であるから、ロータ、ケーシング、サイドカ
バーのすきまからの吹き抜けが起こり易い。そのため体
積効率が低下し、故に全断熱効率も低下して動力が増加
することの防止がある。更に従来のルーツ型回転機械に
於いて、新しい種々の改良を試み、脈動音と運転音を著
しく低減する大きな課題に挑戦しようとするものであ
る。

【０００６】次に後者の内部圧縮式ルーツ型回転機械の
課題を掘り下げれば、図１に於いて、Ｂ′の内部圧縮容
積の気体圧力が、右ロータ片の各すきまからＡ吸入容積
へ逆流する。Ｂ′の気体圧力は大略、０．２から０．２
５ｋｇ／ｃｍ^２（吸入圧力が大気圧の場合）であり、前
者のルーツ型回転機械の逆流の１／２以下であるが、皆
無にはならない。尚これは図１で１６、均圧溝１７通気
孔を設けていない場合のことである。又、図２にあっ
て、両サイドカバーの、６吐出孔及び７吐出空管を唯、
集合して吐出するだけでは運転音の低減は図れない。こ
れは図２で、８消音管及び１１吸音材の関連を設けてい
ない構成の場合である。すなわち、内部圧縮式ルーツ型
回転機械では、細部の課題を改良して、尚一層の機能、
性能のアップを望むものである。本発明は、以上の課題
を解決した構造を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記、課題を解決するた
め本発明は、ケーシング内で２軸で相反する方向に回転
してなる一対の同形状のロータで、気体を吸排出するす
べての型式のルーツ型回転機械にあって、ケーシング内
壁及びサイドカバーの逆流を防止する最適の位置に均圧
溝を設けて構成するのと、ケーシング吐出側の両端、若
しくはサイドカバーに分岐した２つの吐出孔を利用し
て、音波干渉と吸音材の消音構成を内蔵するのを特徴と
し手段とした。

【０００８】

【作用】ルーツ型回転機械を上記の如く、逆流防止の均
圧溝をルーツ型回転機械の構成仕様に応じて、位置、溝
の大きさ、深さを選定し、保持すると共に、ケーシング
の吐出室には音波干渉と吸音の構成をもった消音構造を
内蔵し、吐出気体に脈動をなくすることにより、機械音
全般を低騒音にできる作用をもつことができる。

【００９】

【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１〜図４、及び図６は本発明に係る３葉ルーツ型
回転機械の構成を示す図である。図１、と図２は内部圧
縮式を示し、図３と図４は内部圧縮をしない構成を示し
ている。図１、図２に於いて、１、ケーシングはその中
心線上に吸入口を設け、吸入口の１８０°反対側には吐
出口を設けず、２ロータの先端が面く回転軌跡でケーシ
ング外胴より連なる３、山形突起をロータ中心線よりケ
ーシング中心方向に構築し、ケーシング側面には４、
５、のサイドカバーを装着し、サイドカバーの６、吐出
孔はＡ吸入容積がＢ′容積になった２、ロータ回転位置
で開口する。７、は吐出空管でサイドカバーに設ける。
１６、均圧溝でケーシング内壁に逆流を防止するための
最適の位置に設け、１７通気孔にて１５Ａ吐出室と連通
する。９は吐出室に構成した消音外胴で、８消音管はサ
イドカバーで夾持する。１０、音波干渉ゾーン、１２、
吸音ゾーン、１１、吸音材で吐出気体は１３矢印の如く
消音構造を通過して１５Ａ吐出室に至る。

【００１０】図３と図４は、内部圧縮をしない従来構造
の３葉ルーツ型回転機械を示し、１ケーシングの山形突
起の両側端に３Ａ吐出口を設ける。１６Ａ、均圧溝でサ
イドカバーに設け、２、ロータ片間のＡ吸入容積に、
Ｂ′容積の吐出気体が逆流しないで均圧にできる位置に
構成する。１７通気孔にて１５Ａ吐出室と連通する。８
消音管でサイドカバーで夾持し両端は３Ａ吐出口に開口
する。９は消音外胴で両側に９Ａ消音外胴吐出口を設け
る。１０、音波干渉ゾーン、１２、吸音ゾーン、１１、
吸音材で吐出気体は、１３矢印の如く消音構造を通過し
て１５Ａ吐出室に流れる。

【００１１】図６は釣鐘の装置図で、上記８、消音管の
音波干渉による消音構成を説明する図であって、Ｄの鐘
木でＣ釣鐘を打つと、釣鐘の外部と内部に打音が発生す
る。外部音は、快い響きで空気中に伝播するが、この
時、同量で発生した内部音は、鐘の内周から均等に同じ
波長の音波が、鐘の中心に向って発進する。そしてａ中
心点で同じ波長の音波が干渉し、打ち消し合って音は大
幅に減衰され、外部音に悪影響を及ぼさない消音効果を
発揮する。この確認は世界的に著名な科学者が京都のＴ
寺院で実験し、数値によって実証したことが伝えられて
いる。

【００１２】次に１６、１６Ａの均圧溝と８消音管の構
成について述べる。図１、及び図３に於いて図の右２ロ
ータの下ロータ片は、３山形突起に沿って、Ａ吸入容積
を保って回転している。この時、Ａ″の吸入容積は、吸
入を終えようとしていて内部圧力は大気圧である。次に
右ロータが少し回転して左ロータの如き位置にきた時、
Ａ″吸入容積は、Ａ′の容積位置になる。この回転位置
になれば、１６、１６Ａ均圧溝から、１５Ａ吐出室の吐
出気体は導入され、Ａ′容積からＡ容積と回転するにつ
れＡ容積は吐出圧力になる。この状態で図１にあって右
ロータの下ロータ片の頂点が、３山形突起を外れる時点
では、６吐出孔はＢ′容積に開口し、Ｂ′容積は吐出圧
力に等しくなり乍ら排出され、Ａ容積とＢ′容積は同じ
吐出圧力となるので、図５のＢゾーンの如き逆流は発生
しない。図３にあっても、サイドカバーに設けた１６Ａ
の均圧溝によって、Ａ容積とＢ′容積は同じ吐出圧力と
なり逆流は発生しない。

【００１３】８消音管の消音構成は、図６に依って説明
した釣鐘の内部音を消音する音波干渉の原理と同一であ
る。即ち、図２、図４に於いて、２ロータの回転に依っ
て発生する気体の圧縮音の内、ロータの係合による気体
圧縮の正常音は、その儘吐出すれば、管径を縮少した
り、管径の数倍の消音器を吐出口、後に接続しても、最
も消音効果の高い消音干渉を利用することは、精密な計
算でも相当な複雑さで、実際と相違して効果をあげるこ
とは難しい。然し乍ら、本発明の８消音管の消音構成
は、ロータの両サイドで吐出量の１／２づつ圧縮気体を
排出するので、発生する運転音に関わる音波も同じ性質
の周波数を同音圧にて発生する。これを８消音管の両端
より吸入して、同寸法位置の中央に構成してある、１
０、音波干渉ゾーンでは釣鐘の中心と同じで、すこぶる
高い確率で干渉消音することができる。そして残った雑
騒音はＵターンさせて１１吸音材を連続気泡の吸音効果
の高い材質を使用することで、１２、吸音ゾーンで吸音
効果を高め、この２つの消音構成で、１、ケーシングの
１５Ａ吐出室という制限される小さいスペースでも十分
な消音効果を発揮できる構成になっている。

【００１４】本発明の実施例は、３葉ルーツのロータで
説明したが、本発明の要旨は、２葉、３葉のロータ数や
如何なるロータのプロフィル形状にこだわりなく対応で
きるものである。

【００１５】

【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
下記に示すような優れた効果が得られる。吐出圧力気
体のロータ吸入容積への逆流は無くなる。脈動及びそ
れに伴う脈動音は発生しない。吐出理論にも合致した
消音機構をコンパクトにケーシングに内蔵できて、消音
効果が大きい。脈動が無くなることで異常昇温は押さ
えられる。等の大きい効果をもっている。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる内部圧縮式３葉ルーツ型回転機
械の横断面図。

【図２】本発明に係わる図１のルーツ型回転機械の縦断
面図

【図３】本発明に係わる従来式、３葉ルーツ型回転機械
の横断面図。

【図４】本発明に係わる図３のルーツ型回転機械の縦断
面図。

【図５】従来構造の３葉ルーツ型回転機械の横断面図。

【図６】本発明に係わる釣鐘の音波干渉説明図。

【００１７】

【符号の説明】

１………ケーシング２………ロータ３………山形突起４、５………サイ
ドカバー６………吐出孔７………吐出空管８………消音管９………消音外胴１０………音波干渉ゾーン１１………吸音材１２………吸音ゾーン１３………吐出気
体矢印１４………吸入口１５………吐出口１５Ａ………吐出室１６………ケーシ
ング均圧溝１６Ａ………サイドカバー均圧溝１７………通気孔Ａ………吐出圧力になった吸入容積Ａ′………均圧溝
に開口した吸入容積Ａ″………閉止寸前の吸入容積Ｂ………逆流ゾー
ンＢ′………圧縮した容積１９………吐出連
絡管２０………止弁

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ケーシング内で相反する方向に回転する２
軸から成る一対の同形状のロータによって、吸入口よ
り、他側の吐出側へ気体を圧送、排出するルーツ型回転
機械において、ケーシングの吸入口の１８０°反対側に
は、吐出口を構成せずに、該、吐出側中央にはロータ回
転軌跡で、ケーシング外胴に連なる山形突起をケーシン
グ巾に渉って構成し、ロータの回転によって、２軸のロ
ータとケーシングの山形突起とサイドカバーによって保
持される吸入容積を、必要とする圧力まで圧縮できるロ
ータ回転位置で、ケーシングの両側面サイドカバーに設
けた吐出孔を開口させる構成の内部圧縮式ルーツ型回転
機械にあって、吸入口を閉鎖したロータの先端と、これ
に隣接する次葉のロータ先端とで形成する吸入容積が、
前記、次葉のロータ先端が、ケーシング山形突起中央に
至る以前のロータ回転位置で、最も開口時間が長く保持
できるケーシング内面、若しくはサイドカバー側板内部
に均圧溝を設け、該、均圧溝を吐出側に連結する通気孔
をケーシング吐出室に設けたことを特徴とする内部圧縮
式ルーツ型回転機械。
【請求項２】ケーシング内で相反する方向に回転する２
軸から成る、一対の同形状のロータによって、吸入口よ
り他側の吐出口へ気体を圧送、排出するルーツ型回転機
械において、吸入口を閉鎖したロータの先端と、これに
隣接する次葉のロータ先端とで形成する吸入容積が、前
記、次葉のロータ先端が、ケーシング山形突起に設ける
吐出口、開口部に至る以前のロータ回転位置で、最も開
口時間を長く保持できるケーシング内面、若しくはサイ
ドカバー側板内部に均圧溝を設け、該、均圧溝をケーシ
ング吐出側に連結する通気孔をケーシング吐出室に設け
たことを特徴とするルーツ型回転機械。
【請求項３】ケーシング内で相反する方向に回転する２
軸から成る、一対の同形状のロータによって、吸入口よ
り吐出側へ気体を圧送、排出するルーツ型回転機械にお
いて、ケーシング吸入口の１８０°反対側には吐出口を
構成せずに、該、吐出側中央にはロータ回転軌跡で、ケ
ーシング外胴に連なる山形突起をケーシング巾に渉って
構成し、ロータの回転によって、２軸のロータと山形突
起とサイドカバーによって保持される吸入容積を、必要
とする圧力まで圧縮できるロータ回転位置で、ケーシン
グの両側面、サイドカバーに設けた吐出孔を開口させる
構成の内部圧縮式ルーツ型回転機械にあって、ケーシン
グ吐出室にサイドカバー吐出孔から連なる吐出空管を連
結させて、該、ケーシング吐出室に音波干渉、消音に係
わる消音管をサイドカバーにて夾持する如く構成し、消
音管、中央の音波干渉ゾーンで干渉消音させて更に吐出
気体を反転させ、吸音して消音させる構成をケーシング
に内蔵させたことを特徴とする内部圧縮式ルーツ型回転
機械。
【請求項４】ケーシング内で相反する方向に回転する２
軸から成る、一対の同形状のロータによって、吸入口よ
り他側の吐出口へ気体を圧送、排出するルーツ型回転機
械において、ケーシング吐出側のサイドカバーを付ける
両端に吐出口の開口部を設け、該開口部につながるケー
シング吐出室に音波干渉、消音に係わる消音管をサイド
カバーにて夾持する如く構成し、吐出口の開口部より流
入した吐出気体を消音管、中央の音波干渉ゾーンで干渉
消音させて、更に吐出気体を反転させ吸音して消音させ
る構成をケーシングに内蔵させたことを特徴とするルー
ツ型回転機械。