JP2006274809A - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 吸気バルブの可変バルブタイミング機構及び可変リフト機構を備えるV型機関において、バンク間におけるトルク段差を求め、吸気バルブの開口面積が閾値よりも大きい領域において、前記トルク段差を縮小すべく可変バルブタイミング機構による吸気バルブのバルブタイミングを学習し、該学習が終了した後、前記開口面積が閾値よりも小さい領域において、前記トルク段差を縮小すべく可変リフト機構による吸気バルブのリフト特性を学習する。
【選択図】 図8
Description
また、特許文献2には、クランク軸に対するカム軸の位相差を調整することで機関バルブのバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング機構において、バルブタイミングの最遅角位置を機関の運転領域毎に学習する装置が開示されている。
係る構成によると、吸気系の状態量により、吸気バルブの開口面積のばらつき影響を大きく受ける領域と、吸気バルブの作動角の中心位相(閉弁タイミング)のばらつき影響を大きく受ける領域とを判別し、ぞれぞれの領域で空気量ばらつきを分離学習する。
請求項2記載の発明では、吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量に基づいて、吸気バルブの作動角の中心位相に依存する空気量のばらつきを学習する領域と、吸気バルブのリフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する領域とに分ける構成とした。
請求項3記載の発明では、吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が閾値よりも大きい領域で、吸気バルブの作動角の中心位相に依存する空気量のばらつきを学習し、吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が少なくとも前記閾値よりも小さい領域で、吸気バルブのリフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する構成とした。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
図1において、内燃機関101は、左右2つのバンクからなるV型機関である。但し、内燃機関101は水平対向機関であっても良い。
前記機関101の吸気管102には、電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104を通過した空気は、各バンク、更に、各気筒に分配される。
燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ107を介して排出された後、バンク毎に排気が集合され、バンク毎に設けられるフロント触媒108a,108b及びリア触媒109a,109bで浄化される。
前記リア触媒109a,109bで浄化された後のバンク毎の排気は、合流してマフラーに103に流入し、その後大気中に放出される。
一方、吸気バルブ105側には、バルブリフト量をバルブ作動角と共に連続的に可変制御する可変リフト機構112a,112bがバンク毎に設けられる。
更に、吸気バルブ105側には、クランク軸に対する吸気側カム軸の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に可変制御する可変バルブタイミング機構113a,113bがバンク毎に設けられる。
マイクロコンピュータを内蔵する電子制御ユニット(ECU)114は、アクセル開度に対応する目標吸入空気量が得られるように、前記電子制御スロットル104,可変リフト機構112a,112b及び可変バルブタイミング機構113a,113bを制御する。
前記燃料噴射弁131には、燃料タンク132内の燃料が燃料ポンプ133により圧送され、該燃料噴射弁131が、前記ECU114からの噴射パルス信号(空燃比制御信号)によって開弁駆動されると、噴射パルス幅(開弁時間)に比例する量の燃料が噴射される。
実施形態のV型機関101は、各気筒に一対の吸気バルブ105,105が設けられており、これら吸気バルブ105,105の上方に、クランクシャフトによって回転駆動される吸気駆動軸3(吸気側カム軸)が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。
前記吸気駆動軸3と揺動カム4との間には、吸気バルブ105の作動角及びバルブリフト量を連続的に変更する可変リフト機構112a,112bが設けられている。
また、前記吸気駆動軸3の一端部には、クランクシャフトに対する前記吸気駆動軸3の回転位相を変化させることにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に変更する可変バルブタイミング機構113a,113bが配設されている。
上記の構成により、クランクシャフトに連動して吸気駆動軸3が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12がほぼ並進移動するとともに、ロッカアーム15が制御カム14の軸心周りに揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気バルブ105が開閉駆動される。
これにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相が略一定のままで、吸気バルブ105の作動角及びバルブリフト量が連続的に増減変化する。
図4は、前記可変バルブタイミング機構113a,113bを示している。
前記中間ギア23は、ねじりスプリング29によって遅角方向(図4の左方向)へ付勢されており、電磁リターダ24に電圧を印加して磁力を発生すると、ドラム27及び3条ネジ28を介して進角方向(図4の右方向)へ動かされる。
前記電動アクチュエータ17及び電磁リターダ24は、前記ECU114からの制御信号により駆動制御される。
以下では、前記ばらつき学習の詳細を説明する。
図5のフローチャートは、バンク間のトルク段差を検出する手段の第1実施形態を示すものであり、クランク角センサ117からの検出信号に基づいてトルク段差を演算する。
ステップS2では、前記周期TINTに基づいて、行程が1回転分だけずれている気筒間におけるトルク段差を示すパラメータMISCを演算する。
そして、周期TINTが更新される毎に、以下の計算を行う。
「4気筒の場合」
ステップS3では、前記パラメータMISCを右バンク成分と左バンク成分とに分ける。
そして、ステップS5では、バンク間トルク段差BNKSTPMSを、前記平均値MISCRAVE,MISCLAVEの偏差として求める。
BNKSTPMS=MISCRAVE−MISCLAVE
図6のフローチャートは、バンク間のトルク段差を空気量段差として求める第2実施形態を示す。
ステップS11では、右バンクにおける吸入空気流量QRを右バンクに備えられたエアフローメータ115の検出信号に基づいて検出する。
ステップS12では、左バンクにおける吸入空気流量QLを左バンクに備えられたエアフローメータ115の検出信号に基づいて検出する。
TP0R=K×QR/N
尚、Kは定数、Nは機関回転速度である。
ステップS14では、左バンクにおけるシリンダ空気量に相当する基本燃料噴射量(基本噴射パルス幅)TP0Lを演算する。
ステップS15では、右バンクの基本燃料噴射量TP0Rを平滑化処理し、その結果をTPRとする。
ステップS16では、左バンクの基本燃料噴射量TP0Lを平滑化処理し、その結果をTPLとする。
ITACR=TPR/TPMAX#
ステップS18では、左バンクの充填効率ITACLを、全開時の基本燃料噴射量TPMAX#を用いて演算する。
ステップS19では、前記右バンクの充填効率ITACR及び左バンクの充填効率ITACLを平滑化処理し、その結果を、ITACRAVE,ITACLAVEとする。
ステップS20では、右バンクの平均充填効率ITACRAVEと、左バンクの平均充填効率ITACLAVEとの偏差として、バンク間の充填効率段差BNKSTPICを演算する。
図7のフローチャートは、バンク間のトルク段差を空燃比段差として求める第3実施形態を示す。
ステップS31では、右バンクの酸素センサ111aの検出信号を読み込む。
ステップS32では、左バンクの酸素センサ111bの検出信号を読み込む。
ステップS34では、左バンクの空燃比を目標空燃比に一致させるための燃料噴射量のフィードバック補正係数ALPHALを、前記左バンクの酸素センサ111bの検出信号に基づいて演算する。
ステップS36では、左バンクの空燃比フィードバック補正係数ALPHALを平滑化処理し、その結果をAVEALPLとする。
ステップS37では、前記右バンクの平均補正係数AVEALPRと、前記左バンクの平均補正係数AVEALPLとの偏差として、バンク間の空燃比段差BNKSTPALを演算する。
図8のフローチャートは、図5のフローチャートで求められる前記トルク段差BNKSTPMSに基づいてバンク間のトルク段差を補正する制御を示す。
ステップS41では、吸気バルブ105の開口面積ValveAAを機関回転速度Ne及び排気量Volで割った値(ValveAA/Ne/Vol)が第1閾値LRNAACET#以上であるか否かを判別する。
バルブ開口面積に相関する状態量であるValveAA/Ne/Volが第1閾値LRNAACET#以上である領域は、図9に示すように、吸気バルブ105の開口面積の変化に対して吸気バルブ105の通過ガス量が大きく変化しない領域(B)であって、吸気バルブ105の作動角の中心位相(閉弁タイミング)が通過ガス量に大きく影響する領域である。
前記トルク段差BNKSTPMSが閾値STPMR#よりも小さいときには、左バンクのMISC平均値が右バンクのMISC平均値よりも大きいということであり、換言すれば、右バンクにおける中心位相が左バンクに対してより遅角しており、右バンク側で空気量がより大きくなっている状態であることを示す。
前記吸気バルブの作動角の中心位相は、基準クランク角位置から基準カム角位置までの位相角度として計測され、最遅角学習値BASLRNR(最遅角時における位相角度)から実測の位相角度を減算した結果が最進角位置からの進角量として算出され、該進角量が目標に一致するようにフィードバック制御される。
従って、最遅角学習値BASLRNRが所定値HSTPV#だけ減少設定されると、進角量がより少なく検出されることになり、該減少分を補うように進角されることになる。
右バンクの吸気バルブの中心位相を進角側に修正することで、左バンクよりも大きい右バンクの空気量が減少補正され、バンク間のトルク段差が縮小される。
一方、前記ステップS42で前記トルク段差BNKSTPMSが閾値STPMR#以上であると判断されると、ステップS44へ進む。
前記トルク段差BNKSTPMSが閾値STPML#よりも大きいときには、右バンクのMISC平均値が左バンクのMISC平均値よりも大きいということであり、換言すれば、右バンクにおける中心位相が左バンクに対してより進角しており、右バンク側で空気量がより小さくなっている状態であることを示す。
これにより、左バンクの吸気バルブの中心位相がより進角側に修正され、右バンクよりも大きい左バンクの空気量が減少補正され、バンク間のトルク段差が縮小される。
一方、前記ステップS41でValveAA/Ne/Volが第1閾値LRNAACET#よりも小さいと判断されると、ステップS47へ進む。
そして、前記フラグFCNTLRNが0で、可変バルブタイミング機構113a,113b(中心位相)のばらつき学習が終了していない場合には、ステップS48以降のリフト学習を実行することなく、本ルーチンを終了させる。
ステップS47において、前記フラグFCNTLRNが1で、可変バルブタイミング機構113a,113b(中心位相)のばらつき学習が終了していると判断されると、ステップS48へ進む。
前記ValveAA/Ne/Volが第2閾値LRNAALFT#以下である領域は、図9に示すように、吸気バルブ105の開口面積の変化に対して吸気バルブ105の通過ガス量が変化する領域(A)であって、かつ、吸気バルブ105の作動角の中心位相によっても通過ガス量が変化する領域である。
そこで、前記ValveAA/Ne/Volが第2閾値LRNAALFT#以下であると判断されると、ステップS49以降へ進んで、前記可変リフト機構112a,112bによるリフト特性(リフト量及び作動角)のばらつき学習を行う。
まず、ステップS49では、前記ステップS42と同様に、前記トルク段差BNKSTPMSが閾値STPMR#(<0)よりも小さいか否かを判別する。
前記トルク段差BNKSTPMSが閾値STPMR#よりも小さいときには、右バンク側で空気量がより大きくなっている状態であることを示すので、ステップS50へ進み、左バンクの吸気バルブのリフト量をより大きく修正する。
前記トルク段差BNKSTPMSが閾値STPML#よりも大きい場合には、ステップS52へ進み、右バンクの吸気バルブのリフト量をより大きく修正すべく、右バンクの最小リフト学習値VSLRNRを所定値HSTPL#だけ増大補正するか、右バンクのリフト量の目標値VELTRGRを所定値HSTPL#だけ増大補正する。
ここで、図10のフローチャートは、図8のフローチャートに対して、ステップS62,64,69,71の部分のみが異なり、他の各ステップは、前記図8のフローチャートと同様の処理が行われる。
そして、BNKSTPIC>STPIR#であるときに、右バンクにおける中心位相をより進角させるべく(右バンクの空気量を減少させるべく)ステップS63へ進む。
そして、BNKSTPIC<STPIL#であれば、左バンクにおける中心位相をより進角させるべく(左バンクの空気量を減少させるべく)ステップS65へ進む。
図11のフローチャートは、図7のフローチャートで求められる前記トルク段差BNKSTPALに基づいてバンク間のトルク段差を補正する制御を示す。
前記空燃比フィードバック補正係数ALPHARは、燃料量に対して空気量が多く空燃比がリーンになるほど大きな値に設定され、前記トルク段差BNKSTPALは、右バンクの空気量が左バンクに比べて大きいときにプラスの値に算出されるので、ステップS82では、トルク段差BNKSTPALが閾値STPIR#(>0)よりも大きいか否かを判別する。
一方、ステップS84では、トルク段差BNKSTPALが閾値STPIL#(<0)よりも小さいか否かを判別することで、左バンクの空気量が右バンクに比べて大きいか否かを判別する。
同様に、ステップS89でBNKSTPAL>STPIR#であると判別されと、左バンクにおけるリフト量(空気量)を増大させるべくステップS90へ進み、ステップS91でBNKSTPAL<STPIL#であると判別されと、右バンクにおけるリフト量(空気量)を増大させるべくステップS92へ進む。
そして、前記ValveAA/Ne/Volと閾値とを比較する各ステップを、吸気バルブを通過するガス流速が音速であるか非音速であるかを判別する処理に書き換えることで、前記可変リフト機構112a,112bのばらつきと可変バルブタイミング機構113a,113bのばらつきとを分離して学習させることができる。
尚、上記実施形態では、V型機関のバンク間における空気量ばらつきの補正を行ったが、例えば直列機関において、可変動弁機構の操作量から予測される吸入空気量に対する実吸入空気量の偏差を、中心位相に依存するものとリフト特性に依存するものとに領域別に分離して学習させることができ、更に、係る学習をV型或いは水平対向機関においてバンク毎に行わせることができる。
(イ)請求項3記載の可変動弁機構の制御装置において、前記吸気バルブの作動角の中心位相に依存する空気量のばらつき学習が終了してから、前記吸気バルブのリフト特性に依存する空気量のばらつきを学習することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
(ロ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変動弁機構の制御装置において、
前記内燃機関が複数バンクを有してなり、バンク間のトルク段差を減少させるように、前記中心位相及びリフト特性の制御特性を各バンクで補正することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
(ニ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変動弁機構の制御装置において、
前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習する領域と、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する領域との間に非学習領域を設定することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
(ホ)請求項2又は3記載の可変動弁機構の制御装置において、
前記吸気バルブの開口面積に相関する状態量として、前記吸気バルブを通過するガス流速が音速であるか否かを判別し、該判別結果に基づいて前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習する領域と、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する領域とに分けることを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
(ヘ)請求項2又は3記載の可変動弁機構の制御装置において、
前記吸気バルブの開口面積をValveAA、機関回転速度をNeとしたときに、ValveAA/Neを前記吸気バルブの開口面積に相関する状態量として演算することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
Claims (3)
- 内燃機関の吸気バルブの作動角の中心位相、及び、前記吸気バルブのリフト特性を可変とする可変動弁機構の制御装置であって、
前記中心位相に依存する空気量のばらつきと、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきとを、吸気系の状態量に基づき領域を分けて個別に学習することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。 - 前記吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量に基づいて、前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習する領域と、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する領域とに分けることを特徴とする請求項1記載の可変動弁機構の制御装置。
- 前記吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が閾値よりも大きい領域で、前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習し、前記吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が少なくとも前記閾値よりも小さい領域で、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習することを特徴とする請求項2記載の可変動弁機構の制御装置。
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