JP2009008047A - 内燃機関の動弁制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気バルブの作動角・リフト可変機構(VEL)及び中心位相可変機構(VTC)の各ばらつきを補正制御可能とする。
【解決手段】 吸気バルブのバルブ特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合の吸入空気量QD と、吸気行程開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気バルブ上流の吸気圧で満たした場合の吸入空気量QMAX とを用いて、これらの比QD /QMAX をソニック度合のパラメータとする。前記QD /QMAX が第1の所定値S1より小さいソニック領域で、当該領域での吸入空気量のばらつきを学習し、その学習結果に基づいてVELを補正制御する。その後、前記QD /QMAX が第2の所定値S2より大きい非ソニック領域で、当該領域での吸入空気量のばらつきを学習し、その学習結果に基づいてVTCを補正制御する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、吸気バルブの作動角及びリフトを可変とする作動角・リフト可変機構と、吸気バルブの作動角の中心位相(バルブタイミング)を可変とする中心位相可変機構とを備えた内燃機関の動弁制御装置に関し、詳しくは、前記可変機構のばらつきによる吸入空気量のばらつきを学習補正する技術に関する。
特許文献1には、作動角・リフト可変機構と中心位相可変機構とを備えた内燃機関において、作動角・リフトが閾値よりも小さい領域では、吸入空気量のばらつきに基づいて作動角・リフト可変機構のばらつき(作動角・リフトの学習補正値)の学習を行い、作動角が前記閾値よりも大きい領域では、吸入空気量のばらつきに基づいて中心位相可変機構のばらつき(中心位相の学習補正値)の学習を行う制御装置が記載されている。
特開2004−340013号公報
ところで、作動角・リフト可変機構のばらつきを、中心位相可変機構のばらつきの影響を受けることなく、吸入空気量のばらつきに基づいて学習できる領域は、吸気バルブを通過する吸入空気の流速がソニック(音速)となる領域(ソニック領域)であり、ソニック領域から外れた領域で学習を行うと、中心位相可変機構のばらつきも作動角・リフト可変機構のばらつきとして誤学習してしまう。
しかし、従来は、単純に、作動角・リフトによりソニック領域か否かの判定を行っており、作動角・リフトのみにより判定したのでは、中心位相(バルブタイミング)によっては、非ソニック領域となるなど、適切なソニック領域判定が困難であり、誤学習の恐れがあった。
本発明は、このような問題点に鑑み、作動角・リフト可変機構及び中心位相可変機構の各ばらつきを、他方の影響を避けて高精度に学習して補正することが可能な内燃機関の動弁制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明では、吸気バルブのバルブ特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合の吸入空気量QD と、吸気行程開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気バルブ上流の吸気圧で満たした場合の吸入空気量QMAX とを用いて、これらの比QD /QMAX をソニック度合のパラメータとする。
そして、前記QD /QMAX が第1の所定値より小さいソニック領域で、当該領域での吸入空気量のばらつきを作動角・リフト可変機構に依存する吸入空気量のばらつきとして学習し、その学習結果に基づいて作動角・リフト可変機構を補正制御する。
また、前記QD /QMAX が第2の所定値(前記第1の所定値と等しいか前記第1の所定値より大きい値)より大きい非ソニック領域で、当該領域での吸入空気量のばらつきを中心位相可変機構に依存する吸入空気量のばらつきとして学習し、その学習結果に基づいて中心位相可変機構を補正制御する。
本発明によれば、前記QD /QMAX をソニック度合のパラメータとすることで、ソニック領域、非ソニック領域を精度良くとらえることができ、各領域で、吸入空気量のばらつきに基づいて、各可変機構のばらつきを高精度に学習して補正することができ、吸入空気量のばらつきを低減することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム図である。
図1において、内燃機関101は、左右2つのバンクからなるV型機関である。
前記機関101の吸気管102には、電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104を通過した空気は、各バンクに分配された後、更に、各気筒に分配される。
各気筒では、吸気バルブ105を介して燃焼室106内に空気が吸入される。
燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ107を介して排出された後、バンク毎に排気が集合され、バンク毎に設けられるフロント触媒108a,108b及びリア触媒109a,109bで浄化される。
前記リア触媒109a,109bで浄化された後のバンク毎の排気は、合流してマフラー103に流入し、その後大気中に放出される。
前記排気バルブ107は、排気側カム軸110に軸支されたカムによって一定の作動角・リフト及びバルブタイミング(作動角の中心位相)を保って開閉駆動される。
一方、吸気バルブ105には、吸気バルブ105の作動角をリフトと共に連続的に可変とする作動角・リフト可変機構(VEL)112a,112bがバンク毎に設けられる。
更に、吸気バルブ105には、クランク軸に対する吸気バルブ駆動軸の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に可変制御する中心位相可変機構(VTC)113a,113bがバンク毎に設けられる。
マイクロコンピュータを内蔵する電子制御ユニット(ECU)114は、アクセル開度などに対応する目標吸入空気量が得られるように、前記電子制御スロットル104,作動角・リフト可変機構112a,112b及び中心位相可変機構113a,113bを制御する。
前記電子制御ユニット114には、機関101の吸入空気量を検出するエアフローメータ(流量計)115、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ116、クランク軸の回転角を検出しこれに基づいて機関回転速度を検出可能なクランク角センサ117、電子制御スロットル104の開度TVOを検出するスロットルセンサ118、機関101の冷却水温度を検出する水温センサ119、各バンクの排気空燃比を検出する空燃比センサ111a,111b等からの検出信号が入力される。更に、図示は省略したが、吸気圧を検出する吸気圧センサ、吸気温度を検出する吸気温センサ等からも検出信号が入力される。
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート部には、燃料噴射弁131が設けられる。
前記燃料噴射弁131には、燃料タンク132内の燃料が燃料ポンプ133により圧送され、該燃料噴射弁131が、前記電子制御ユニット114からの噴射パルス信号(空燃比制御信号)によって開弁駆動されると、噴射パルス幅(開弁時間)に比例する量の燃料が機関101に噴射される。
次に、前記作動角・リフト可変機構112a,112b及び中心位相可変機構113a,113bの構造を、図2〜図4に基づいて説明する。
本実施形態の機関101は、各気筒に一対の吸気バルブ105,105が設けられており、これら吸気バルブ105,105の上方に、クランク軸によって回転駆動される吸気バルブ駆動軸3が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。
前記吸気バルブ駆動軸3には、吸気バルブ105のバルブリフタ2aに当接して吸気バルブ105を開閉駆動する揺動カム4が相対回転可能に外嵌されている。
前記吸気バルブ駆動軸3と揺動カム4との間には、吸気バルブ105の作動角及びリフトを連続的に変更する作動角・リフト可変機構112a,112bが設けられている。
また、前記吸気バルブ駆動軸3の一端部には、クランク軸に対する前記吸気バルブ駆動軸3の回転位相を変化させることにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に変更する中心位相可変機構113a,113bが配設されている。
前記作動角・リフト可変機構112a,112bは、図2及び図3に示すように、吸気バルブ駆動軸3に偏心して固定的に設けられる円形の駆動カム11と、この駆動カム11に相対回転可能に外嵌するリング状リンク12と、吸気バルブ駆動軸3と略平行に気筒列方向へ延びる制御軸13と、この制御軸13に偏心して固定的に設けられた円形の制御カム14と、この制御カム14に相対回転可能に外嵌すると共に、一端がリング状リンク12の先端に連結されたロッカアーム15と、このロッカアーム15の他端と揺動カム4とに連結されたロッド状リンク16と、を有している。
前記制御軸13は、電動アクチュエータ(モータ)17によりギア列18を介して所定の制御角度範囲内で回転駆動される。
上記の構成により、クランク軸に連動して吸気バルブ駆動軸3が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12がほぼ並進移動するとともに、ロッカアーム15が制御カム14の軸心周りに揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気バルブ105が開閉駆動される。
また、前記制御軸13の回転角度を変化させることにより、ロッカアーム15の揺動中心となる制御カム14の軸心位置が変化して揺動カム4の姿勢が変化する。
これにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相を略一定としたままで、吸気バルブ105の作動角及びリフトが連続的に増減変化する。
図4は、前記中心位相可変機構113a,113bの構造を示している。
前記中心位相可変機構113a,113bは、クランク軸と同期して回転するスプロケット25に固定され、このスプロケット25と一体的に回転する第1回転体21と、ボルト22aにより前記吸気バルブ駆動軸3の一端に固定され、吸気バルブ駆動軸3と一体的に回転する第2回転体22と、ヘリカルスプライン26により第1回転体21の内周面と第2回転体22の外周面とに噛合する筒状の中間ギア23と、を有している。
前記中間ギア23は、ネジ28を介してドラム27が連結されており、このドラム27と中間ギア23との間にねじりスプリング29が介装されている。
前記中間ギア23は、ねじりスプリング29によって遅角方向(図4の左方向)へ付勢されており、電磁リターダ24に電圧を印加して磁力を発生すると、ドラム27及びネジ28を介して進角方向(図4の右方向)へ動かされる。
この中間ギア23の軸方向位置に応じて、回転体21,22の相対位相が変化して、クランク軸に対する吸気バルブ駆動軸3の位相が変化し、吸気バルブ105の作動角の中心位相が連続的に変化する。
前記電動アクチュエータ17及び電磁リターダ24は、前記電子制御ユニット114からの制御信号により駆動制御される。
尚、前記中心位相可変機構113a,113bの構造は、上記のものに限定するものではなく、クランク軸に対する吸気バルブ駆動軸3(吸気側カム軸)の回転位相を可変とする公知の機構を適用できる。
前記電子制御ユニット114は、前記制御軸13の目標角度(目標リフト)を設定し、角度センサ32で検出される実際の角度が前記目標角度に近づくように、前記電動アクチュエータ17の操作量をフィードバック制御する。
更に、前記電子制御ユニット114は、前記吸気バルブ駆動軸3の所定角度位置で検出信号を出力する駆動軸センサ31からの信号と、前記クランク角センサ117からの検出信号とから、クランク軸に対する吸気バルブ駆動軸3の回転位相を検出し、この検出結果が目標の回転位相に近づくように、前記電磁リターダ24の操作量をフィードバック制御する。
また、本実施形態において、前記電子制御ユニット114は、前記作動角・リフト可変機構112a,112b及び中心位相可変機構113a,113bの特性ばらつきによる吸入空気量のばらつきを解消すべく、前記作動角・リフト可変機構112a,112b及び中心位相可変機構113a,113bの制御を補正するための補正値を学習する機能を有する。
以下では、前記吸入空気量のばらつき学習の詳細を説明する。
吸入空気量のばらつきが許容値を超える場合には、吸気バルブ105の作動角・リフト及び中心位相が、前記作動角・リフト可変機構112a,112b及び中心位相可変機構113a,113bの操作量に対応する基準値(設計値)からずれているために、吸入空気量が予測値になっていないものと判断できる。
前記中心位相可変機構により制御される中心位相のばらつきの場合、すなわち、吸気バルブ閉時期のばらつきの場合、図5(A)に示すように、ソニック領域においては吸入空気量に影響は出ず、非ソニック領域において吸入空気量のばらつきを生じる。
これに対し、前記作動角・リフト可変機構により制御される作動角・リフトのばらつきの場合は、図5(B)に示すように、ソニック領域において吸入空気量のばらつきを生じる。
尚、図5では単純に吸気バルブ開口面積の変化に対し吸入空気量が直線性を持って変化する領域をソニック領域としている。
従って、ソニック領域において、当該領域での吸入空気量のばらつきを作動角・リフト可変機構のばらつきに依存する吸入空気量のばらつきとみなし、当該領域での吸入空気量のばらつきに基づいて作動角・リフト可変機構(VEL)のばらつきを補正するための学習(VEL学習)を行う。
そして、VEL学習後、その学習結果に基づいて作動角・リフト可変機構を補正制御している状態(すなわち作動角・リフト可変機構のばらつきによる吸入空気量のばらつきがなくなっている状態)では、非ソニック領域での吸入空気量のばらつきを中心位相可変機構のばらつきに依存する吸入空気量のばらつきとみなすことができる。従って、VEL学習後の非ソニック領域での吸入空気量のばらつきに基づいて中心位相可変機構(VTC)のばらつきを補正するための学習(VTC学習)を行う。
先ず、第1実施形態について、図6〜図8のフローチャートにより説明する。
図5は、前記ばらつき学習のメインルーチンのフローチャートである。
S1では、ソニック度合(ソニック度合のパラメータQD /QMAX )を演算する。これについては最後に詳述する。
S2では、ソニック度合のパラメータに基づいて、ソニック領域(QD /QMAX <第1の所定値S1)か否かを判定する。
ソニック領域の場合は、S3,S4へ進み、ソニック領域でない場合は、S1,S2の処理を繰り返し、ソニック領域となった時点で、S3,S4へ進む。
S3,S4では、吸気量ばらつきに基づいて、作動角・リフト可変機構(VEL)のばらつきを補正するためのVEL学習を行う。
ここで、前記吸気量ばらつきは、そのときの吸気バルブ105の作動角・リフト及び中心位相や機関回転速度などから予測される吸入空気量と、前記エアフローメータ115で検出された実際の吸入空気量との偏差として求められる。
尚、上記のようにして吸気量のばらつきを算出する場合には、内燃機関は直列機関であっても良いし、複数のバンクからなるV型機関や水平対向機関であっても良い。
S3,S4の処理について詳述すると、S3では、前記吸気量ばらつき(符号付き)に、変換係数に相当するゲインを乗算して、前記角度センサ32で検出された制御軸13の角度を補正するためのVEL補正値を算出する。そして、S4では、前回までのVEL学習値に前記VEL補正値を加算し、該加算結果を新たなVEL学習値とする。
VEL学習値が設定・更新されると、図7のVEL学習補正ルーチンにより、前記角度センサ32の検出結果(VELセンサ認識値)を前記VEL学習値で補正し、この補正後の角度検出値(VEL制御軸角度)に基づいて作動角・リフト可変機構112a,112b(電動アクチュエータ17)の操作量をフィードバック制御させる。
例えば、吸入空気量が設計値よりも少ない場合には、前記制御軸13の角度がより小作動角・小リフト側に検出されるように前記VEL学習値を設定させることで、吸気バルブ105の作動角・リフトがより大きく制御されるようにする。
S3,S4の処理後は、S5へ進み、VEL学習が完了したか否かを判定する。具体的には、ソニック領域での吸気量ばらつき(絶対値)が許容値以下になったか否かを判定する。
前記吸気量ばらつき(絶対値)が許容値を超えている間は、S1〜S4の処理を繰り返し、許容値以下になったときに、VEL学習完了と判定して、S6へ進む。尚、単純に、学習回数(S3,S4の処理回数)が所定値に達したときに、VEL学習完了と判定しても良い。
VEL学習の完了時には、図7のルーチンによる前記VEL学習値に基づく補正制御により、吸気量ばらつきのうち、作動角・リフトに影響されていた分が解消されることになり、この状態で発生する吸気量ばらつきは、中心位相に依存して発生しているものと推定できる。
S6では、S1と同様、ソニック度合(ソニック度合のパラメータQD /QMAX )を演算する。これについては最後に詳述する。
S7では、ソニック度合のパラメータに基づいて、非ソニック領域(QD /QMAX >第2の所定値S2)か否かを判定する。
非ソニック領域の場合は、S8,S9へ進み、非ソニック領域でない場合は、S6,S7の処理を繰り返し、非ソニック領域となった時点で、S8,S9へ進む。
S8,S9では、吸気量ばらつきに基づいて、中心位相可変機構(VTC)のばらつきを補正するためのVTC学習を行う。
S8,S9の処理について詳述すると、S8では、前記吸気量ばらつき(符号付き)に、変換係数に相当するゲインを乗算して、クランク軸に対する吸気バルブ駆動軸3の回転位相(中心位相)の検出値を補正するためのVTC補正値を算出する。そして、S9では、前回までのVTC学習値に前記VTC補正値を加算し、該加算結果を新たなVTC学習値とする。
VTC学習値が設定・更新されると、図8のVTC学習補正ルーチンにより、前記中心位相の検出結果(VTCセンサ認識値)を前記VTC学習値で補正し、この補正後の中心位相検出値(VTC制御軸角度)に基づいて中心位相可変機構113a,113b(電磁リターダ24)の操作量をフィードバック制御させる。
例えば、吸入空気量が設計値よりも少ない場合には、前記回転位相としてより吸入空気量が少なくなる側に検出されるように前記VTC学習値を設定させることで、吸気バルブ105の中心位相が吸入空気量がより多くなるように(吸気バルブ閉時期が遅くなるように)制御されるようにする。
S8,S9の処理後は、S10へ進み、VTC学習が完了したか否かを判定する。具体的には、非ソニック領域での吸気量ばらつき(絶対値)が許容値以下になったか否かを判定する。
前記吸気量ばらつき(絶対値)が許容値を超えている間は、S6〜S9の処理を繰り返し、許容値以下になったときに、VTC学習完了と判定して、本ルーチンを終了する。尚、単純に、学習回数(S8,S9の処理回数)が所定値に達したときに、VTC学習完了と判定しても良い。
VTC学習の完了時には、図8のルーチンによる前記VTC学習値に基づく補正制御により、吸気量ばらつきのうち、中心位相に影響されていた分も解消されることになり、吸気量ばらつきをほぼ全て解消できるようになる。よって、機関運転性を大幅に向上させることができる。
次に、第2実施形態について、図9〜図12のフローチャートにより説明する。
第1実施形態では、吸気バルブ105の作動角・リフト及び中心位相から予測される吸入空気量(設計値)と実際の吸入空気量との偏差を吸気量ばらつきとして、前記設計値が得られるように学習させるようにしたが、図1に示したようなV型機関(あるいは水平対向機関)では、バンク間における吸入空気量の偏差(段差)を解消するように、前記作動角・リフト可変機構112a,112b及び中心位相可変機構113a,113bの制御補正値を学習させることができる。従って、吸入空気量ばらつきとして、バンク間の吸入空気量の偏差(段差)を学習するようにしたものが、第2実施形態である。
バンク間の吸入空気量の段差(バンク間段差)を示すパラメータとしては、バンク間のトルク段差、バンク間の充填効率段差などを検出することも可能であるが、ここでは、バンク間の空燃比段差を検出することとする。
各バンクの吸入空気量が同量であるとして燃料噴射量を設定した場合、実際の吸入空気量がバンク間で異なると、空燃比がバンク間で異なるようになるので、バンク間の空燃比段差が、バンク間の吸入空気量の段差を示すパラメータとなる。
図9は、バンク間空燃比段差演算ルーチンのフローチャートである。
S21では、右バンクの空燃比センサ111aの検出信号を読み込む。
S22では、左バンクの空燃比センサ111bの検出信号を読み込む。
S23では、右バンクの空燃比を目標空燃比に一致させるための燃料噴射量の空燃比フィードバック補正係数ALPHARを、前記右バンクの空燃比センサ111aの検出信号に基づいて演算する。
S24では、左バンクの空燃比を目標空燃比に一致させるための燃料噴射量の空燃比フィードバック補正係数ALPHALを、前記左バンクの空燃比センサ111bの検出信号に基づいて演算する。
S25では、右バンクの空燃比フィードバック補正係数ALPHARを平滑化処理(フィルタ処理)し、その結果をAVEALPHARとする。
S26では、左バンクの空燃比フィードバック補正係数ALPHALを平滑化処理(フィルタ処理)し、その結果をAVEALPHALとする。
S27では、前記右バンクの平均補正係数AVEALPHARと、前記左バンクの平均補正係数AVEALPHALとの偏差として、バンク間の空燃比段差BNKSTPALを演算し(BNKSTPAL=AVEALPHAR−AVEALPHAL)、本ルーチンを終了する。
図10は、第2実施形態でのばらつき学習のメインルーチンのフローチャートである。
S31では、ソニック度合(ソニック度合のパラメータQD /QMAX )を演算する。これについては最後に詳述する。
S32では、ソニック度合のパラメータに基づいて、ソニック領域(QD /QMAX <第1の所定値S1)か否かを判定する。
ソニック領域の場合は、S33〜S35へ進み、ソニック領域でない場合は、S31,S32の処理を繰り返し、ソニック領域となった時点で、S33〜S35へ進む。
S33〜S35では、バンク間の吸入空気量の段差を示すパラメータであるバンク間の空燃比段差BNKSTPALに基づいて、バンク間の作動角・リフト可変機構(VEL)のばらつきを補正するためのVEL学習を行う。
S33〜S35の処理について詳述すると、S33では、バンク間の吸入空気量の段差を示すパラメータであるバンク間の空燃比段差BNKSTPAL(符号付き)に、変換係数に相当するゲインを乗算して、前記角度センサ32で検出された制御軸13の角度を補正するためのVEL補正値を算出する。
そして、S34では、前回までのVEL学習値に前記VEL補正値を加算し、該加算結果を新たなVEL学習値とする。
そして、S35では、前記VEL学習値を右バンクと左バンクとに振り分ける処理を行う。
前記S34で求められるVEL学習値は、一方のバンクの吸入空気量を補正せずに、他方のバンクの吸入空気量を上げる(又は下げる)ことで、吸入空気量の段差を解消させることができる値として求められるが、一方のバンクの吸入空気量を下げると共に、他方のバンクの吸入空気量を上げるようにすれば、バンクにおける吸入空気量段差を縮小できることになる。
そこで、S35では、学習値反映割合を0.5ずつとすれば、各バンクのVEL学習値を、右バンクVEL学習値=−0.5×VEL学習値、左バンクVEL学習値=0.5×VEL学習値としてそれぞれに求める。
学習値反映割合を0.5とすれば、バンク間の吸入空気量段差を解消するための要求を各バンクに均等に振り分け、吸入空気量の少ない方のバンクの吸入空気量を吸入空気量段差の半分だけ増やす共に、吸入空気量の多い方のバンクの吸入空気量を吸入空気量段差の半分だけ減らすことになる。
左右バンクにおけるVEL学習値が設定・更新されると、図11のVEL学習補正ルーチンにより、左右バンクにおける前記角度センサ32の検出結果(VELセンサ認識値)を、それぞれに対応するVEL学習値で補正し、この補正後の角度検出値(VEL制御軸角度)に基づいて作動角・リフト可変機構112a,112b(電動アクチュエータ17)の操作量をそれぞれにフィードバック制御させる。
S33〜S35の処理後は、S36へ進み、VEL学習が完了したか否かを判定する。具体的には、ソニック領域でのバンク間の空燃比段差(絶対値)が許容値以下になったか否かを判定する。
前記バンク間の空燃比段差(絶対値)が許容値を超えている間は、S31〜S35の処理を繰り返し、許容値以下になったときに、VEL学習完了と判定して、S37へ進む。尚、単純に、学習回数(S33〜S35の処理回数)が所定値に達したときに、VEL学習完了と判定しても良い。
VEL学習の完了時には、図11のルーチンによる前記VEL学習値に基づく補正制御により、バンク間の空燃比段差のうち、バンク間での作動角・リフトのずれに影響されていた分が解消されることになり、この状態で発生するバンク間の空燃比段差は、バンク間での中心位相のずれに依存して発生しているものと推定できる。
S37では、S31と同様、ソニック度合(ソニック度合のパラメータQD /QMAX )を演算する。これについては最後に詳述する。
S38では、ソニック度合のパラメータに基づいて、非ソニック領域(QD /QMAX >第2の所定値S2)か否かを判定する。
非ソニック領域の場合は、S39〜S41へ進み、非ソニック領域でない場合は、S37,S38の処理を繰り返し、非ソニック領域となった時点で、S39〜S41へ進む。
S39〜S41では、バンク間の吸入空気量の段差を示すパラメータであるバンク間の空燃比段差BNKSTPALに基づいて、バンク間の中心位相可変機構(VTC)のばらつきを補正するためのVTC学習を行う。
S39〜S41の処理について詳述すると、S39では、バンク間の吸入空気量の段差を示すパラメータであるバンク間の空燃比段差BNKSTPAL(符号付き)に、変換係数に相当するゲインを乗算して、クランク軸に対する吸気バルブ駆動軸3の回転位相(中心位相)の検出値を補正するためのVTC補正値を算出する。
そして、S40では、前回までのVTC学習値に前記VTC補正値を加算し、該加算結果を新たなVTC学習値とする。
そして、S41では、前記VTC学習値を右バンクと左バンクとに振り分ける処理を行う。
前記S40で求められるVTC学習値は、一方のバンクの吸入空気量を補正せずに、他方のバンクの吸入空気量を上げる(又は下げる)ことで、吸入空気量の段差を解消させることができる値として求められるが、一方のバンクの吸入空気量を下げると共に、他方のバンクの吸入空気量を上げるようにすれば、バンクにおける吸入空気量段差を縮小できることになる。
そこで、S41では、学習値反映割合を0.5ずつとすれば、各バンクのVTC学習値を、右バンクVTC学習値=−0.5×VTC学習値、左バンクVTC学習値=0.5×VTC学習値としてそれぞれに求める。
VTC学習値が設定・更新されると、図12のVTC学習補正ルーチンにより、左右バンクにおける前記中心位相の検出結果(VTCセンサ認識値)を、それぞれに対応するVTC学習値で補正し、この補正後の中心位相検出値(VTC制御軸角度)に基づいて中心位相可変機構113a,113b(電磁リターダ24)の操作量をそれぞれにフィードバック制御させる。
S39〜S41の処理後は、S42へ進み、VTC学習が完了したか否かを判定する。具体的には、非ソニック領域でのバンク間の空燃比段差(絶対値)が許容値以下になったか否かを判定する。
前記バンク間の空燃比段差(絶対値)が許容値を超えている間は、S37〜S41の処理を繰り返し、許容値以下になったときに、VTC学習完了と判定して、本ルーチンを終了する。尚、単純に、学習回数(S39〜S41の処理回数)が所定値に達したときに、VTC学習完了と判定しても良い。
VTC学習の完了時には、図12のルーチンによる前記VTC学習値に基づく補正制御により、バンク間の空燃比段差のうち、バンク間での中心位相のずれに影響されていた分も解消されることになり、バンク間の空燃比段差を解消でき、従ってバンク間の吸気量ばらつきをほぼ全て解消できるようになる。よって、機関運転性を大幅に向上させることができる。
最後に、第1実施形態の図6のフローのS1,S6、及び、第2実施形態の図10のフローのS31,S37での、ソニック度合の演算について、説明する。
吸気バルブのバルブ特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合の吸入空気量QD と、吸気行程開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気バルブ上流の吸気圧で満たした場合の吸入空気量QMAX とを用いると、両者の比QD/QMAXに対し、吸気バルブのバルブ特性に応じた実際の吸入空気量QCYL と、前記吸入空気量QMAX との比QCYL /QMAX が一義的に決定されることは、既に、本発明者らにより見いだされ、公開されている(特開2006−105099号公報)。
すなわち、図13に示すように、QD /QMAX とQCYL /QMAX とを相互に一義的に決定される関数として設定することができる。
前記関数において、QD /QMAX の変化に対しQCYL /QMAX が直線性を持って変化する範囲がソニック領域であり、従って、この範囲のQD /QMAX の上限値を第1の所定値S1とすれば、QD /QMAX が第1の所定値S1より小さい領域をソニック領域と判定することができる。
また、前記関数において、QD /QMAX の変化に対しQCYL /QMAX がほぼ変化しない範囲が非ソニック領域であり、従って、この範囲のQD /QMAX の下限値を第2の所定値S2とすれば、QD /QMAX が第2の所定値S2より大きい領域を非ソニック領域と判定することができる。
従って、QD /QMAX をソニック度合のパラメータとし、QD /QMAX が第1の所定値S1より小さい領域をソニック領域、QD /QMAX が第2の所定値S2より大きい領域を非ソニック領域とするのである。
尚、S1≦S2である。精度的には、S1<S2とするのが望ましいが、S1=S2としてもよい。
以下、ソニック度合QD /QMAX の演算方法について説明する。
図14は、ソニック度合QD /QMAX を演算するメインブロック図である。
QD 演算部にてQD を演算し、QMAX 演算部にてQMAX を演算する。そして、割算部にてQD /QMAX を求める。
QD 演算部は、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC、吸気圧(マニホールド部圧力の平均値)PMAN 、吸気温度(マニホールド部温度の平均値)TMAN 、機関回転速度Neを入力して、以下のように、吸気バルブのバルブ特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合の吸入空気量QD を演算する。
具体的には吸入空気量QD を下記(1) 式により算出する。
Figure 2009008047
AIVは、所定クランク角Δθ毎に検出される吸気バルブ開口面積であり、ΣAIVは、その積分値である。Raは空気のガス定数、κは空気の比熱比である。Δtは、前記所定クランク角Δθを時間換算した値であり、Δt=Δθ/(6/Ne)の演算式で算出される。
(1) 式において、吸気圧PMAN に対するシリンダ内圧PCYL の比(PCYL /PMAN )が、臨界圧力比(PC /PMAN )以下に低下して、吸気バルブの前後圧力比が臨界圧力比(PC /PMAN )一定に維持され、吸気バルブを通過する吸気流速が音速一定となるソニック流状態となる。したがって、(1) 式右辺の第3項(√部分)の値は、空気の臨界圧力比[PC /PMAN ={2/(κ+1)}κ/(κ-1)]一定であるので、固定値(定数)qSONIC となる。
すなわち、(1) 式は、次式(2) に置き換えられる。
Figure 2009008047
図15は、QD 演算部の各演算工程のブロック図を示す。
開口面積積算部は、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCを入力してバルブリフト量を含めた吸気バルブのバルブ特性を決定すると共に、オーバーラップ中心角O/LCAと上死点オフセット量TDCOFSとにより、実際に断熱変化による吸気行程が開始される実効上死点(以下、実効TDC)を算出し、該実効TDCから吸気バルブ閉時期IVCまでの吸気バルブ開期間中の単位クランク角(Δθ)毎の吸気バルブ開口面積AIVをバルブ特性から算出し、各算出値を積算して開口面積積算値ΣAIVを算出する。尚、オーバーラップ中心角O/LCAと上死点オフセット量TDCOFSは、後述するQMAX 演算部(図16)内で演算されるので、これを用いる。また、前記実効TDCの算出方法についても後述する。
一方、吸気温度TMAN と空気のガス定数Raとを乗じた後、その平方根[(TMAN ・Ra)1/2]を、マップを参照して算出し、吸気圧PMAN を前記平方根[(TMAN ・Ra)1/2]値で除算する。これにより、PMAN /(TMAN ・Ra)1/2の項が算出される。
また、前記所定クランク角Δθを、機関回転速度Neと6との積(6・Ne)で除算した値[Δθ(6・Ne)]を、積分間隔時間Δtとして算出する。
そして、以上のようにして算出された吸気バルブの開口面積積分値ΣAIV、PMAN /(TMAN ・Ra)1/2、定数qSONIC 、積分間隔時間Δtを順次乗算することにより、(2) 式に応じたシリンダ吸入空気量QD が算出される。
図14に戻って、QMAX 演算部は、QD 演算部と同じく、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC、吸気圧PMAN 、吸気温度TMAN 、機関回転速度Neを入力して、以下のように、吸入空気量QMAX を演算する。
図16は、QMAX 演算部の各演算工程のブロック図を示す。
吸入空気量QMAX は、吸気行程開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気バルブ上流の吸気圧で満たした場合の吸入空気量であり、吸気バルブのバルブタイミング特性で、最大限吸入しうる空気量である。静的には、吸気バルブ閉時期IVCでのシリンダ容積から上死点TDCでのシリンダ容積を差し引いた値が行程容積であるが、実際には、吸気行程開始時期および終了時期は、それぞれ上死点TDC、吸気バルブ閉時期IVCに対してずれを生じる。
図17は、吸気行程時のバルブ特性、シリンダ内圧、吸気バルブ通過吸気流量の変化の様子を示す。尚、吸気バルブ閉時期IVCは下死点後に制御される場合を示す。
図示のように、吸気バルブ閉時期IVCより前に、シリンダ内圧が吸気圧に達して断熱圧縮変化が開始、つまり吸気行程が終了する。この吸気バルブ閉時期IVCに対して実際の吸気行程が終了する時期の進み量は、エンジン回転速度Neが高いときほど、また、バルブリフト量が小さいときほど慣性の影響が大きくなって増大する。
そこで、図16において、先ず、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCにより決定される吸気バルブのバルブ特性から、バルブリフト量(最大リフト量)Ivを算出する。
次いで、前記進み量をIVCオフセット量として、エンジン回転速度Neとバルブリフト量をパラメータとするマップを設定し、該マップを参照してIVCオフセット量IVCOFSを求め、吸気バルブ閉時期IVCからIVCオフセット量IVCOFSを差し引いたクランク角位置を、吸気行程が終了する実効IVCとして算出する。
一方、シリンダ内圧が吸気圧と一致して断熱膨張変化による吸気行程が開始する時期の吸気上死点TDCからのずれは、バルブオーバーラップによる排気の吹き返しに起因する。すなわち、図17に示すように、バルブオーバーラップ状態で吸気バルブが開いてからシリンダ内圧は排気圧から徐々に低下して吸気上死点TDCより遅れて吸気圧PMAN と等しくなり、この時点から断熱膨張による吸気行程が開始される。吸気バルブ開弁開始付近では開口面積が小さいためシリンダ内圧の低下は小さく、実質的な低下は、排気の吹き返し流量が最大となるオーバーラップ中心角O/LCA付近から始まる。シリンダ内圧が低下し始めてから実際の吸気行程が開始される時期(実効TDC)までの遅れ量は、エンジン回転速度Neが高くなるほど、また、バルブオーバーラップ量(オーバーラップ開口面積)が小さくなるほど慣性の影響が大きくなってシリンダ内圧の低下度合いが鈍ることにより増大する。
そこで、図16に示すように、先ず、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCを入力し、オーバーラップ中心角O/LCAを演算する。具体的には、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVCにより決定される吸気バルブのバルブ特性IVと既知の排気弁バルブ特性EVとに基づいて、両特性のリフト量が一致する点(交点)におけるクランク角を、オーバーラップ中心角O/LCAとして算出する。
次いで、オーバーラップ中心角O/LCAに対するオーバーラップ開口面積O/LA(=吸気バルブ開口面積=排気弁開口面積)を、予め設定したマップを参照して算出する。オーバーラップ中心角O/LCAが小さいとき(進角側にあるとき)ほどオーバーラップ開口面積O/LAは大きい特性を有している。
次いで、エンジン回転速度Neとオーバーラップ開口面積O/LAをパラメータとして、オーバーラップ中心角O/LCAから実効TDCまでの遅れ量をTDCオフセット量としたマップを設定しておき、該マップを参照してTDCオフセット量TDCOFSを求め、オーバーラップ中心角O/LCAにTDCオフセット量TDCOFSを加算したクランク角位置を実効TDCとして算出する。尚、オーバーラップ開口面積として、後述する排気吹き返し量の演算に用いる吸気バルブ開時期IVCからオーバーラップ中心角O/LCAまでの吸気バルブ開口面積の積算値(ΣAIV)を用いてもよい。
上記実効TDC(実際の吸気行程開始時期)と実効IVC(実際の吸気行程終了時期)とに基づいて、この間に最大限吸入し得る空気量として吸入空気量QMAXが次式により算出される。
QMAX =PMAN ・VEIVC/(Ra・TMAN )−PMAN ・VETDC/(Ra・TMAN )
=PMAN ・(VEIVC−VETDC)/(Ra・TMAN )・・・(3)
VEIVC:実効IVCでのシリンダ容積
VETDC:実効TDCでのシリンダ容積。
そこで、図16において、吸気バルブ開時期IVO、吸気バルブ閉時期IVC、実効TDCを入力して、吸気バルブのバルブ特性から実効TDCにおけるシリンダ容積VETDCを、マップを参照して算出し、同じくIVO、IVC、実効IVCを入力して、実効IVCにおけるシリンダ容積VEIVCを、マップを参照して算出する。
前記シリンダ容積VEIVCからシリンダ容積VETDCを差し引いて、実効行程容積VE (=VEIVC−VETDC)を算出する。
一方、QD での算出と同様にして、吸気温度TMAN と空気のガス定数Raとを乗じた後、その平方根[(TMAN ・Ra)1/2]を、マップを参照して算出し、吸気圧PMAN を前記平方根[(TMAN ・Ra)1/2]値で除算し、PMAN /(TMAN ・Ra)1/2の項を算出する。
そして、前記PMAN /(TMAN ・Ra)1/2に、前記実効行程容積VEを乗じることにより、(3) 式に応じたシリンダ吸入空気量QMAX が算出される。
本発明によれば、上記のように算出されるQD 、QMAX を用い(QD/QMAXとQCYL/QMAXとの関数を用い)、QD /QMAX をソニック度合のパラメータとすることで、バルブタイミングが大きく変化しても、ソニック領域、非ソニック領域を精度良くとらえることができ、各領域で、吸入空気量のばらつきに基づいて、各可変機構のばらつきを高精度に学習して補正することができ、吸入空気量のばらつきを低減することができる。これにより、より小作動角・小リフトが使用可能になり、燃費、レスポンスが向上する。
尚、以上説明した実施形態では、作動角・リフト可変機構及び中心位相可変機構の補正制御に際し、作動角・リフト及び中心位相の目標値と、実際の検出値とを比較して行うフィードバック制御において、VEL学習値及びVTC学習値によって、検出値を補正するようにしたが、目標値を補正するようにしてもよいことは言うまでもない。いずれにしても、吸気量ばらつき(バンク間空燃比段差を含む)を減少させる方向に、作動角・リフト及び中心位相の操作量(制御値)を補正するようにすればよい。
また、学習をいつ行うかについては、作動角・リフト可変機構及び中心位相可変機構の組付け後に、工場等において初期学習を行えば、組み付け誤差による吸気量ばらつきはほぼ解消される。従って、以降は、劣化分の学習を行えば良く、多くても1トリップに1回程度の学習で十分であると言える。
本発明の実施形態における内燃機関の構成図 作動角・リフト可変機構及び中心位相可変機構の斜視図 作動角・リフト可変機構の側面図 中心位相可変機構の断面図 中心位相ばらつき(A)、作動角・リフトばらつき(B)の場合の吸入空気量ばらつきを示す図 第1実施形態でのばらつき学習のメインルーチンのフローチャート 第1実施形態でのVEL学習補正ルーチンのフローチャート 第1実施形態でのVTC学習補正ルーチンのフローチャート 第2実施形態のためのバンク間空燃比段差演算ルーチンのフローチャート 第2実施形態でのばらつき学習のメインルーチンのフローチャート 第2実施形態でのVEL学習補正ルーチンのフローチャート 第2実施形態でのVTC学習補正ルーチンのフローチャート QD /QMAX とQCYL /QMAX との関係を示す図 ソニック度合QD /QMAX の演算方法を示すメインブロック図 QD 演算部の各演算工程を示すブロック図 QMAX 演算部の各演算工程を示すブロック図 吸気行程時のバルブ特性、シリンダ内圧、バルブ通過吸気流量の変化の様子を示すタイムチャート
符号の説明
101…内燃機関
104…電子制御スロットル
105…吸気バルブ
107…排気バルブ
111a,111b…空燃比センサ
112a,112b…作動角・リフト可変機構(VEL)
113a,113b…中心位相可変機構(VTC)
114…電子制御ユニット(ECU)

Claims (6)

  1. 吸気バルブの作動角及びリフトを可変とする作動角・リフト可変機構と、吸気バルブの作動角の中心位相を可変とする中心位相可変機構とを備えて、吸気バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の動弁制御装置において、
    吸気バルブのバルブ特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合の吸入空気量QD と、吸気行程開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気バルブ上流の吸気圧で満たした場合の吸入空気量QMAX とを用いて、これらの比QD /QMAX をソニック度合のパラメータとし、
    前記QD /QMAX が第1の所定値より小さいソニック領域で、当該領域での吸入空気量のばらつきを前記作動角・リフト可変機構のばらつきに依存する吸入空気量のばらつきとして学習し、その学習結果に基づいて前記作動角・リフト可変機構を補正制御し、
    前記QD /QMAX が前記第1の所定値と等しいか前記第1の所定値より大きい第2の所定値より大きい非ソニック領域で、当該領域での吸入空気量のばらつきを前記中心位相可変機構のばらつきに依存する吸入空気量のばらつきとして学習し、その学習結果に基づいて前記中心位相可変機構を補正制御することを特徴とする内燃機関の動弁制御装置。
  2. 前記QD と、前記QMAX と、吸気バルブのバルブ特性に応じた実際の吸入空気量QCYL と、を用いて、QD /QMAX と、QCYL /QMAX とを相互に一義的に決定される関数として設定し、
    前記関数において、QD /QMAX の変化に対しQCYL /QMAX が直線性を持って変化する範囲を、前記QD /QMAX が第1の所定値より小さいソニック領域とし、
    前記関数において、QD /QMAX の変化に対しQCYL /QMAX がほぼ変化しない範囲を、前記QD /QMAX が第2の所定値より大きい非ソニック領域とすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁制御装置。
  3. 前記非ソニック領域で学習する前に、前記ソニック領域で学習し、その学習結果に基づいて前記作動角・リフト可変機構を補正制御している状態で、前記非ソニック領域で学習することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の動弁制御装置。
  4. 機関運転状態から推定される吸入空気量と、流量計によって検出された実際の吸入空気量との偏差に基づいて、吸入空気量のばらつきを学習することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の動弁制御装置。
  5. 前記内燃機関が複数のバンクからなる機関であり、バンク間の吸入空気量の偏差に基づいて、吸入空気量のばらつきを学習することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の動弁制御装置。
  6. 前記バンク間の吸入空気量の偏差を、バンクごとに排気系に設けた空燃比センサにより検出される空燃比の偏差により検出することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の動弁制御装置。
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