JP4839909B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも吸気弁の作動特性を可変制御するエンジンの制御装置に関し、詳しくは、エンジン制御のために、シリンダに吸入されるシリンダ吸入空気温度やシリンダ吸入空気量を推定する技術に関する。
従来、一般的なガソリンエンジンでは、スロットル弁によって吸入空気量を制御しており、このスロットル弁を通過する空気量(スロットル通過空気量)を負荷の指標として採用している。
また、負荷の指標として、上記スロットル通過空気量に代えて、シリンダ吸入空気量を採用し、これを推定(算出)の対象としたものもある(特許文献1)。この装置では、エアフローメータの出力からマニホールド部へ流入する空気量を算出するとともに、このマニホールド部に流入する空気量とマニホールド部から筒内へ流出するシリンダ吸入空気量との収支計算を行ってマニホールド部の空気量を算出し、このマニホールド部の空気量とシリンダ容積とに基づいてシリンダ吸入空気量を算出するようにしている。
特開2001−50091号公報
ところで、近年、スロットル弁による絞り損失を低減して燃費向上等を図るため、吸気弁の作動特性(開閉時期、リフト量)を可変制御することでシリンダ吸入空気量を制御するものも知られている。このような装置においても、目標トルクとなるように吸入空気量を制御する場合など、吸気弁を通過するシリンダ吸入空気量を算出(推定)して、これを負荷の指標として用いたい要求がある。
しかしながら、吸気弁の作動特性を可変制御することによってシリンダ吸入空気量を制御する場合、吸気弁通過時に吸気弁の熱によって吸入空気の温度が上昇することがあるため、シリンダ吸入空気量を精度よく推定するためには、その温度上昇分を含んだシリンダ吸入空気温度を正確に求める必要がある。また、その他のエンジン制御においても、シリンダ吸入空気温度を正確に求めることで、その制御精度の向上を図ることが可能である。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、吸気弁の作動特性を可変制御するエンジンにおいて、エンジン制御に用いるシリンダ吸入空気温度やシリンダ吸入空気量を精度よく推定することを目的とする。
このため、本発明では、吸気弁の作動特性(開閉時期やリフト量など)を可変制御するエンジンの制御装置であって、前記吸気弁の吸気上流側の上流側吸気温度を検出する吸気温度検出手段と、前記吸気弁の温度を検出する吸気弁温度検出手段と、前記上流側吸気温度と前記吸気弁温度とに基づいて、シリンダ内に吸入されるシリンダ吸入空気温度を推定するシリンダ吸入空気温度推定手段と、を含んで構成され、前記シリンダ吸入空気温度推定手段は、前記上流側吸気温度と、前記吸気弁を通過する際に前記吸気弁温度に応じて該吸気弁から受ける熱による温度上昇分であって、シリンダ内圧と吸気圧との比に相当する吸気弁の前後圧力比によって吸気弁を通過する吸入空気の流れがソニック流となるときに一定値をとり、非ソニック流のときには前記前後圧力比が大きくなるほどゼロに近付く係数に基づいて、前記吸気弁のリフト量が大きい場合に比較して小さいときの受熱量が大きくなるように補正される前記温度上昇分とに基づいて前記シリンダ吸入空気温度を推定し、前記シリンダ吸入空気温度推定手段により推定されたシリンダ吸入空気温度をエンジン制御に用いることを特徴とする。
本発明によれば、シリンダに吸入される際に通過する吸気弁から受ける熱による上昇分も考慮するので、シリンダ吸入空気温度を精度よく推定できる。このため、かかるシリンダ吸入空気温度を様々なエンジン制御に直接又は間接的に用いることで、各制御の精度を向上できる。例えば、吸気弁の作動特性とエンジン運転状態に基づいて推定(算出)されたシリンダ吸入空気量(通常、吸気弁上流側の吸気状態を前提としており、吸気弁通過時の温度上昇分は考慮されていない)を、シリンダ吸入空気温度に応じて補正して実際のシリンダ吸入空気量を精度よく推定する(すなわち、上記温度上昇分を考慮した推定を行う)ことが可能となる。これにより、吸入空気量制御や燃料噴射制御の精度を向上できる。また、シリンダ内の初期温度を推定できるので、これを基準とした逐次計算等によってシリンダ内の温度状態を常に精度よく把握できることとなり、点火時期等をそのとき温度に応じて補正等してより適切な時期に設定することも可能である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(エンジン)1の概略構成を示している。
図1において、エンジン1の吸気通路101には、吸気上流側から電子制御式のスロットル弁102、燃料噴射弁103及び吸気弁104が配設されている。
スロットル弁102は、その開度(スロットル開度)に応じて吸入空気量を制御することが可能である。但し、本実施形態では、主として吸気弁104の作動特性を制御することで吸入空気量を制御することとし、スロットル弁102は補助的に用いるようにしている。燃料噴射弁103は、入力される噴射信号によって開弁駆動され、制御された吸入空気量のもとで所定の当量比を達成するのに必要な量の燃料を噴射する。そして、吸気弁104が開駆動されることにより、吸入空気及び燃料の混合気が筒内(燃焼室内)に導入される。吸気弁104(の開閉)は、その上方に設けられた動弁機構105によって駆動される。
この動弁機構105は、図2に示すように、吸気弁104のリフト量及び作動角を連続的に変更できるVEL機構105aと、吸気弁104の作動角の中心位相を連続的に変更できるVTC機構105bと、を含んで構成されている。
VEL機構105aは、図2、3に示すように、クランクシャフトの回転に連動して回転し、気筒列方向に延びる駆動軸151と、この駆動軸151の外周に相対回転可能に取り付けられ、バルブリフタ141を介して吸気弁104を開閉駆動する揺動カム152と、駆動軸151の外周に固定された偏心カム153と、この偏心カム153に相対回転可能に外嵌するリング状リンク154と、駆動軸151と略平行に設けられた制御軸155と、この制御軸の外周に偏心して固定された制御カム156と、この制御カム156に相対回転可能に外嵌し、その一端でリング状リンク154と連携(連結)されたロッカアーム157と、このロッカアーム157の他端と揺動カム152とを連携(連結)するロッド状リンク158とを含んで構成される。そして、電磁アクチュエータ161によってギヤ列162を介して制御軸155を回転させることにより、ロッカアーム157の揺動中心が変化して、吸気弁104のリフト量及び作動角を連続的に変化させるものである。
VTC機構105bは、クランクシャフトに対する駆動軸151の回転位相を変化させるものであり、公知の、いわゆるバルブタイミング制御機構を用いることができる。詳細な説明は省略するが、ここでは、クランクシャフトと同期して回転するカムスプロケット163と駆動軸151との間に中間ギヤを介装してヘリカルギヤ列を形成し、中間ギヤを前後方向(軸方向)に移動させることにより、駆動軸151のカムスプロケット163(クランクシャフト)に対する回転位相を変化させるようにしている。
再び図1に戻って、シリンダヘッドHには、燃焼室109の上部中央に臨ませて点火プラグ106が設けられており、この点火プラグ106によって、筒内に導入された混合気への点火が行われる。
燃焼排気は、燃焼室109から排気弁108を介して排気通路107に排出され、図示しない排気浄化触媒等によって浄化された後、大気中に放出される。なお、排気弁108は、排気側カム軸110に設けられた駆動カム111によって、その作動角(リフト量)及び作動角の中心位相が一定のまま開閉駆動される。もちろん、吸気弁104側と同様の動弁機構(異なる構成のものであってもよい)を設けて、その作動角、リフト及び/又は作動角の中心位相を変更可能としてもよい。
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントローラ(ECU)201には、アクセル開度APOを検出するアクセルセンサ211、クランクシャフトの回転位置を検出するクランク角センサ212、吸気通路101内の圧力(ここでは、吸気コレクタ内圧力であり、以下「吸気圧力」という)Pmを検出する吸気圧力センサ213、吸気通路101内の温度(すなわち、吸気弁104の吸気上流側の空気温度のことであり、以下「吸気温度」という)Tmを検出する吸気温度センサ214、及び排気通路107内の圧力(以下「排気圧力」という)Peを検出する排気圧力センサ215等の各種センサから検出信号が入力される。なお、エンジン回転速度Neはクランク角センサ212の検出結果に基づいて算出される。
そして、ECU201は、アクセル開度APOやエンジン回転速度Ne等のエンジン運転条件に基づいて、燃料噴射制御、点火時期制御等のエンジン制御を実行する。また、エンジン1の目標トルクを演算し、この目標トルク相当のシリンダ吸入空気量(目標吸入空気量)が得られるように、スロットル弁102及び動弁機構105を制御する(すなわち、吸入空気量制御を実行する)。
かかる吸入空気量制御は、上述したように、主として、動弁機構105による吸気弁104の作動特性(開閉時期及び/又はリフト量)の制御によって目標吸入空気量へと制御することを基本とするが、それだけでは不十分なとき、例えば、動弁機構105を目標へと制御しても(実際の)シリンダ吸入空気量と目標吸入空気量とにズレが生じてしまうような場合などには、(補助的に)スロットル102を制御して(吸気圧力Pmを調整して)目標吸入空気量を実現するようにしている。
ここで、本実施形態において、上記吸入空気量制御に関連して行われる、(1)シリンダ吸入空気温度Tcの推定(算出)、(2)シリンダ吸入空気量(新気量)Qcylの算出(推定)について説明する。
(1)シリンダ吸入空気温度Tcの推定(算出)
エンジン運転中、吸気弁104はエンジン1の燃焼による影響を受けており、高温状態となっている。したがって、シリンダ内に吸入される空気は、吸気弁104を通過する際に吸気弁104から受ける熱によって温度上昇する(すなわち、実際のシリンダ吸入空気温度Tcは、上記吸気温度センサ214によって検出される吸気温度Tmよりも上昇している)。なお、かかる温度上昇は、吸気弁104のリフト量が低いほど、大きくなると考えられる。そのため、例えば、シリンダ吸入空気量を正確に算出(推定)しようとする場合には、上記吸気温度センサ214で検出する吸気温度(吸気弁104の上流側の温度)Tmだけでは不十分であり、吸気弁通過時に温度上昇するシリンダ吸入空気温度Tcを求める必要がある。そこで、本実施形態では、以下のようにしてシリンダ吸入空気温度Tcを推定する。
まず、シリンダ内に吸入される空気が、吸気弁104を通過する際に吸気弁104から受ける熱量(受熱量)HQcは、次式(1)で表すことができる。
HQc=k・h・(Tv−Tm)・Av・Δtv [J]…(1)
式(1)において、hは熱伝達率である。また、kは、吸気弁104の前後圧力比(シリンダ内圧力Pc/吸気圧力Pm)に応じて設定される係数であり、図4に示すように、ソニック流状態ではk=1に設定され、それ以外では前後圧力比(Pc/Pm)が大きくなるほど0に近づく値として設定される。通常は、リフト量が低い領域において吸気弁104を通過する流れがソニック流となるから、かかる係数kを設けることによって、結果として、リフト量が小さい(低い)領域において(のみ)吸気弁通過時の温度上昇分に対する補正が行われることになる(後述する式(4)を参照)。これは、リフト量が低いほど、吸入空気が吸気弁104の熱の影響を受け易い(温度上昇し易い)一方、リフト量がある程度高くなるとその影響が無視できる程度になるからである。
ここで、前後圧力比(Pc/Pm)を求める際に必要となるシリンダ内圧力Pcは、圧力センサ等を設けて直接検出するようにしてもよいが、本実施形態では、エンジン回転速度Ne及び吸気弁104のリフト量VLIFTiに基づいて、図5に示すようなマップを参照して算出する。ここで算出される値は、当該状態での吸気弁開期間におけるシリンダ内圧力の「代表値」としてあらかじめ設定しておいたものである。シリンダ内圧力Pcは、エンジン回転速度Neが高く、吸気弁104のリフト量VLIFTiが大きいほど大きな値に設定される。
また、Tvは吸気弁104の温度(より具体的には、バルブシート部近傍の温度)であり、本実施形態では、エンジン運転状態(エンジン回転速度Ne、負荷)に基づいて、図6に示すようなマップを参照して算出する。吸気弁104の温度は、一燃焼毎に大きく変化するとは考えられないから、図6に示すように、負荷として充填効率ηvの前回値を用いることができる。ここで、算出した値をそのまま用いるようにしてもよいが、これに一次遅れ処理等を施したものを用いるのが好ましい。但し、これらに限られるものではなく、吸気弁104の温度を求めることができればよく、温度センサを設けて直接検出するようにしたり、シリンダ壁温(検出又は推定する)Tcw及び冷却水温度Twから、例えばTv=k・(Tcw−Tw) (kは係数)などの演算式を用いて算出したりするようにしてもよい。
Avは、吸気弁通過時に吸入される空気が吸気弁104と接触する面積のことであり、本実施形態では、吸気弁104のバルブシート部の面積を採用している(図7のハッチング部参照)。
Δtvは、吸気弁104の開口時間[s]であり、バルブ開口期間Sv[deg]に1クランク角当たりの時間60/Ne[s/deg]を乗算して算出される(Δtv=Sv・60/Ne)。
次に、吸気弁104の熱量(放熱量)HQvは、次式(2)により算出される。
HQv=ν・Mv・Tv [J]…(2)
但し、νは吸気弁104の比熱、Mvは吸気弁104の質量である。
ここで、吸気弁温度はTvのまま維持されるものとし、吸気弁通過時にシリンダに吸入される空気全体としての温度上昇分をΔTとすると、上記式(1)、(2)から式(3)のように表すことができ、これを整理して式(4)を得る。
HQc/HQv=(Tm+ΔT)/Tv…(3)
Tc=(Tm+ΔT)=(HQc/HQv)・Tv…(4)
このようにして、シリンダ吸入空気温度Qcylを吸気弁104の吸気上流側の吸気温度Tmに、吸気弁104を通過する際に該吸気弁104から受ける熱による温度上昇分ΔTを加算した値(Tm+ΔT)として算出する。
なお、算出したシリンダ吸入空気温度Qcylは、後述するシリンダ吸入空気量推定に用いられる(シリンダ吸入空気温度Qcylに応じた補正を行う)ほか、次のような利用方法もある。すなわち、吸入された時点のシリンダ内温度(初期温度)を推定することができるから、この温度を基準として逐次計算等を行うことによって、その後のシリンダ内の温度状態を精度よく把握することができる。このため、シリンダ内の温度状態に応じて適切な点火時期を設定すること(点火時期の補正を行うこと)も可能となる。
(2)シリンダ吸入空気量Qcylの推定(算出)
本実施形態におけるシリンダ吸入空気量Qcylの算出を概説すると次のようである。
まず、吸気弁104の作動特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合のシリンダ吸入空気量(以下「ソニック吸入空気量」という)Q、及び吸気行程開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気弁104上流側の(吸気)状態で充填した場合のシリンダ吸入空気量、すなわち、当該吸気弁104の作動特性において最大限吸入し得るシリンダ吸入空気量(以下「最大吸入空気量」という)QMAXを算出する。
ここで、吸気弁104の作動特性に応じた実際のシリンダ吸入空気量をQcylとすると、(Q/QMAX)と(Qcyl/QMAX)との間に一義的な関係があることが確認されており、(Q/QMAX)に基づいて、かかる一義的な関係より(Qcyl/QMAX)の値を求める。そして、この求めた値(Qcyl/QMAX)にQMAXを乗算することで基本吸入空気量(シリンダ吸入空気量の基本値)Qcyl0とする。
この基本吸入空気量Qcyl0は、シリンダ内に吸入される吸気量(ガス量)に相当するものであるが、そこにはオーバーラップ期間中に吸気ポートへと吹き返された排気が再吸入される分(以下「吹き返しガス量」という)QIFBも含まれている。そこで、上記基本吸入空気量Qcyl0から吹き返しガス量QIFBを減算して、制御に必要なシリンダ吸入空気量(新気量)Qcyl1とする。
基本的には、このようにしてシリンダ吸入空気量が求められるのであるが、本実施形態では、後述するように、このシリンダ吸入空気量(新気量)Qcyl1に対して、吸気弁通過時に上昇した温度分の補正(すなわち、上記シリンダ吸入空気温度に応じた補正)、及び吸気脈動に起因する変動分の補正を行って(最終的な)シリンダ吸入空気量Qcylとすることで、シリンダ吸入空気量の推定精度を高めている。
以下、シリンダ吸入空気量Qcylの算出を説明するが、これに先立って以下の演算(制御)で用いる値について説明しておく。
図8は、(a)吸気弁104及び排気弁108の作動特性(リフト量をそれぞれVLIFTi、VLIFTeと記す)、(b)シリンダ内圧力Pc、及び(c)単位クランク角当たりのシリンダ吸入空気量DLTQの関係を示している。
図8に示すように、本実施形態では、シリンダ内圧力Pcが低下して吸気圧力Pmに一致する点(つまり、実際の吸気行程開始時期)を「実効上死点TDCR」と、シリンダ内において吸入空気の圧縮が実質的に開始される点(つまり、実際の吸気行程終了点)を「実効閉時期IVCR」と、吸気弁104のリフト量と排気弁108のリフト量とが一致する点(つまり、オーバーラップ中心)におけるクランク角を「オーバーラップ中心角OVLCTR」と、上記「実効上死点TDCR」の「オーバーラップ中心角OVLCNT」からのオフセット量を「上死点オフセット量TDCOFS」と、上記「実効閉時期IVCR」の(設定上の)吸気弁閉時期IVCからのオフセット量を「IVCオフセット量IVCOFS」としている。
図9は、シリンダ吸入空気量Qcylの算出(推定)のメインブロック図である。
演算部B201は、ソニック吸入空気量Qを下式(5)により演算する(詳細は図10を参照)。
Figure 0004839909
但し、Aは所定クランク角Δθ毎に検出(算出)される吸気弁開口面積であり、(ΣA)はその積分値(総開口面積)である。また、Raは空気のガス定数、κは空気の比熱比である。Δtは所定クランク角Δθを時間換算した値であり、ここではΔt=Δθ/(6・Ne)の演算式で算出される。
ここで、吸気弁104を通過する吸入空気がソニック流の場合、吸気弁104の前後圧力比(Pc/Pm)は、常に臨界圧力比(={2/(κ+1)}(κ/κ−1))を示すことになるので固定値(定数)qSONICとなる。よって、式(5)は、次式(6)で表すことができる。
Figure 0004839909
図10は、Q演算部B201で行われる演算処理の内容を詳細に示している。
総開口面積算出部B211は、吸気弁開時期IVO及び吸気弁閉時期IVCから吸気弁104の作動特性(開閉時期及びリフト量)を把握するとともに、オーバーラップ中心角OVLCNT及び上死点オフセットTDCOFSから実効上死点TDCRを算出し、この実効上死点TDCRから吸気弁閉時期IVCまでの吸気弁104開期間中における単位クランク角(Δθ)毎の吸気弁開口面積Aを上記把握した作動特性から算出し、各算出値を積算して総開口面積(ΣA)とする。
ここで、上死点オフセット量TDCOFSは、エンジン回転速度Ne及びオーバーラップ中心OVLCTRに対するオーバーラップ開口面積OVLA(=吸気弁開口面積=排気弁開口面積)に基づいて、図11に示すようなマップを参照して算出する。上死点オフセット量TDCOFSは、エンジン回転速度Neが高く、オーバーラップ開口面積OVLAが小さいほど大きくなる特性を有しており(図11参照)、また、オーバーラップ開口面積OVLAは、オーバーラップ中心角OVLCTRが小さいほど(進角側にあるほど)大きくなる特性を有している(図12参照)。
一方、乗算部B212は、吸気温度Tmと空気のガス定数Raとを乗算し、変換部B213は、図に示すようなテーブルを検索して乗算部B212の算出結果(Ra・Tm)をその平方根{√(Ra・Tm)}に変換する。除算部B214は、吸気圧力Pmを前記平方根{√(Ra・Tm)}で除算し、乗算部B215は、除算部B214の算出結果に定数qSONICを乗算する({Pm・qSONIC/(√(Ra・Tm)})。
そして、乗算部B216は、総開口面積演算部B211の算出結果ΣA)に乗算部B215の算出結果({Pm・qSONIC/√(Ra・Tm)}を乗算し、乗算部B217は、さらに積分間隔時間Δt1{=Δθ/(6・Ne)}を乗算する。これにより、上記(2)式に示すソニック吸入空気量Qが算出される。
図9に戻って、QMAX演算部B202は、最大吸入空気量QMAXを下式(7)により演算する(詳細は図13を参照)。
Figure 0004839909
但し、VIVCは吸気弁閉弁時におけるシリンダ容積であり、VTDCは上死点におけるシリンダ容積である。ところで、静的に見れば、式(7)に示すように、吸気弁閉時期におけるシリンダ容積から上死点におけるシリンダ容積を減算した値が(シリンダ)行程容積になるのであるが、上述したように、実際には、実効上死点TDCRが吸気行程開始時期(点)であり、実効閉時期IVCRが吸気行程終了時期(点)となっている。そのため、本実施形態では、次式(8)に示すように、上記式(7)における吸気弁閉弁時シリンダ容積VIVCに代えて実効閉時期IVCRにおけるシリンダ容積(以下「実効閉時期シリンダ容積」という)VIVCRを、上死点シリンダ容積VTDCに代えて実効上死点TDCRにおけるシリンダ容積(以下「実効上死点シリンダ容積」という)VTDCRを採用するようにしている。
Figure 0004839909
図13は、QMAX演算部B202で行われる演算処理の内容を詳細に示している。
実効閉時期演算部B221は、吸気弁閉時期IVCからIVCオフセット量IVCOFSを減算して実効閉時期IVCRを算出する。ここで、IVCオフセット量IVCOFSは、エンジン回転速度Ne及び吸気弁104のリフト量VLIFTi(例えば、最大リフト量)に基づいて、図14に示すようなマップを参照して算出する。IVCオフセット量IVCOFSは、エンジン回転速度Neが高く、リフト量VLIFTiが小さいほど大きくなる特性を有している。
実効閉時期シリンダ容積演算部B222は、実効閉時期IVCRに基づいて、図に示すようなテーブルを検索して実効閉時期シリンダ容積VIVCRを算出する。なお、ここでは、(設定上の)吸気弁閉時期IVCからIVCオフセット量IVCOFSを減算することで実効閉時期IVCRを求めるようにしているが、これは一例であり、実際の吸気行程終了時期を実効閉時期IVCRとして求めることができれば、他の方法で求めてもよい。
一方、実効上死点演算部B223は、オーバーラップ中心角OVLCNTに上死点オフセット量TDCOFS(図11参照)を加算して実効上死点IVCRを算出し、実効上死点シリンダ容積演算部B224は、実効上死点IVCRに基づき図に示すようなテーブルを検索して実効上死点シリンダ容積VTDCRを算出する。なお、ここでは、オーバーラップ中心角OVLCTRに上死点オフセット量TDCOFSを加算することで実効上死点TDCRを求めるようにしているが、実効閉時期IVCRと同様にこれは一例であり、実際の吸気行程開始時期を実効上死点TDCRとして求めることができれば、他の方法で求めてもよい。
そして、有効行程容積演算部B225は、実効閉時期シリンダ容積VIVCRから実効上死点シリンダ容積VTDCRを減算して実効行程容積(VIVCR−VTDCR)を算出し、乗算部B226は、吸気圧力Pmを空気のガス定数Raと吸気温度Tmとの積で除算した{Pm/(Ra・Tm)}を、実効行程容積(VIVCR−VTDCR)に乗算する。これにより、上記(7)式に示す最大吸入空気量QMAXが算出される。
ところで、上述(概説)したように、本発明者は、以上のようにして算出した2つの吸入空気量(ソニック吸入空気量Q、最大吸入空気量QMAX)から算出される「Q/QMAX」に対して「Qcyl/QMAX」が(ほぼ)一義的に決まることを見いだした(実験、シミュレーション等によって確認済みである)。ここで、「Q/QMAX」に対して「Qcyl/QMAX」が一義的に決まるとは、開閉時期やリフト量などの吸気弁104の作動特性の相違によって、算出されるソニック吸入空気量Q、最大吸入空気量QMAXそれぞれが相違する場合であっても、「Q/QMAX」が同一の値になれば、「Qcyl/QMAX」も同一の値になることを意味する。この関係により、ソニック吸入空気量Qと最大吸入空気量QMAXを求めるだけでシリンダ吸入空気量Qcylを推定できる。そのため、本実施形態では、「Q/QMAX」に対する「Qcyl/QMAX」の関係をあらかじめ求め、その結果をテーブル化してある。
図9に戻って、除算部B203は、Q演算部B201で算出したソニック吸入空気量QをQMAX演算部B202で算出した最大吸入空気量QMAXで除算し、(Qcyl/QMAX)演算部B204は、図に示すようなテーブルを用いて「Q/QMAX」に対応する「Qcyl/QMAX」を検索する。
基本吸入空気量演算部B205は、検索した「Qcyl/QMAX」に最大吸入空気量QMAXを乗算して基本吸入空気量Qcyl0とする。この基本吸入空気量Qcyl0は、実際にシリンダ内に吸い込んだ(吸い込まれる)ガス量に相当するのであるが、このガス量には、オーバーラップ期間中に吸気ポートに吹き返された排気が再吸入される分(以下単に「吹き返しガス量」という)QIFBも含まれている。
そこで、減算部B206は、基本吸入空気量Qcyl0から吹き返しガス量QIFBを減算して新気量(シリンダ吸入空気量)Qcyl1とする。本実施形態において、吹き返しガス量QIFBは、オーバーラップ中の開口面積を吸気弁開時期IVCからオーバーラップ中心角OVLCTRまでの吸気弁開口面積(前半開口面積)の積算値(ΣAIV)とし、シリンダ内圧力を排気圧力Peとして次式(9)によって算出される。ここで、K3は係数であり、図15に示すように、エンジン回転速度Neに比例する1以上の値として設定される。但し、これは一例であり、他の方法によって吹き返しガス量QIFBを求めるようにしてもよい。
Figure 0004839909
以上により、基本的には新気量(シリンダ吸入空気量)を求めることができるのであるが、以上の演算では、吸気圧力Pmとして、複数回の検出値を平均して吸気脈動による変動を平滑化した値を用いている。ところが、実際には、吸気脈動によって吸気圧Pmが変動すると吸気温度Tmも変動し、これらの変動に伴ってシリンダに吸入される新気量も変動する。また、シリンダに吸入される際に吸気弁104を通過することになるが、この吸気弁104からの熱を受けて温度上昇し、この(吸気弁104の熱に起因する)温度上昇によってもシリンダに吸入される新気量は変動する。
そのため、本実施形態では、上記シリンダ吸入空気量Qcyl1に対して、吸気弁通過時に上昇した温度分の補正(シリンダ吸入空気温度に応じた補正)、及び吸気脈動に対する補正を行って新気量(シリンダ吸入空気量)の推定精度を高めるようにしている。但し、いずれか一方の補正を選択して行うようにしてもよい。
まず、吸気脈動に対する補正について説明する。
吸気弁104を通過する単位時間Δt当たりの流量ΔQcylは、次式(10)のようになる。
Figure 0004839909
シリンダ吸入空気量Qcylは、吸気行程期間中、上記ΔQcylを積分してΣΔQcylとして算出される。ΔQcylがソニック流になるときには、式(10)において、吸気脈動による吸気圧力の変動の影響を受けることなく、吸気弁104の前後圧力比が臨界圧力比で固定されるので√値の部分が固定値となる。したがって、次式(11)に示すように、シリンダ吸入空気量Qcylは、吸気圧力Pmに比例し、吸気温度Tmの平方根の逆数に比例する特性を有する。
Figure 0004839909
一方、ΔQcylが0に近い状態で、準静的にシリンダ容積が変化した場合のQcylは、吸気弁閉時期IVCにシリンダ内に吸気通路101内の空気が充填されたものとした場合の気体の状態方程式より、吸気脈動による吸気圧力変動分ΔPmivcと吸気温度変動分ΔTmivcとを考慮して、次式(12)のようになる。すなわち、シリンダ吸入空気量Qcylは、吸気脈動による変動分を考慮した吸気圧力(Pm+ΔPmivc)に比例し、吸気温度(Tm+ΔTmivc)の逆数に比例する特性を有する。
Figure 0004839909
吸気圧力変動分ΔPmivc、吸気温度変動分ΔTmivcは、図16に示すブロック図により算出される。
図16において、吸気圧力変動分ΔPmivc、吸気温度変動分ΔTmivcは、吸気弁閉時期IVCと吸気弁開時期IVOとの偏差(IVC−IVO)、及びエンジン回転速度Neに基づいて、それぞれ図に示すようなマップを参照して吸気圧力変動分基本値ΔPmivc0、吸気温度変動分基本値ΔTmivc0を算出し、これら基本値ΔPmivc0、ΔTmivc0に、吸気圧力Pmを大気圧Patmで除算した圧力比(Pm/Patm)を乗算することで算出される。
ここで、式(11)で表されるソニック流状態から式(12)で表される準静的変化状態に移行するにつれて吸気脈動による変動分が大きくなることを反映させるための第1の補正係数K1と、式(11)で表されるソニック流状態と式(12)で表される準静的変化状態とを滑らかに繋ぐための第2の補正係数K2を設定して、全領域に対応したQcylの一般式を次式(13)のように設定する。
Figure 0004839909
一方、吸気脈動を考慮しない場合のQcyl1の一般式は次式(14)となるから、
Figure 0004839909
式(13)及び式(14)より、次式(15)のように表すことができる。
Figure 0004839909
ここで、(Pm+K1・ΔPmivc)/(Pm+ΔPmivc)を吸気圧力変動分に伴う補正分(圧力補正係数)PRATEに設定し、
(Tm+K1・ΔTmivc)−1/(2−K2)/(Tm+ΔTmivc)−1/(2−K2)を吸気温度変動分に伴う補正分(温度補正係数)TRATEに設定して、式(15)を次式(16)のように表す。
Figure 0004839909
よって、Qcyl1に対して、圧力補正係数PRATE及び温度補正係数TRATEを乗算することで吸気脈動に対する補正が実行される。
図9に戻って、圧力補正部B207は、シリンダ吸入空気量Qcyl1に、圧力補正係数算出部b207(破線)で算出された圧力補正係数PRATEを乗算することで吸気脈動による吸気圧力変動分を補正する。なお、圧力補正係数PRATEは、(Qcyl/QMAX)演算部B204で算出した(Qcyl/Qmax)に基づいて、図に示すようなマップを参照して第1の補正係数K1を算出し、この第1の補正係数K1を吸気圧力変動分ΔPmivcに乗算し、さらに吸気圧力Pmを加算して(Pm+k1・ΔPmivc)とし、この値を吸気圧力Pmで除算することで算出する。
温度補正部B208は、吸気脈動による吸気圧力変動分を補正したシリンダ吸入空気量(Qcyl1・PRATE)に、温度補正係数算出部b208(破線)で算出された温度補正係数TRATEを乗算して吸気脈動による吸気温度変動分を補正する。なお、温度補正係数TRATEは、次のようにして算出される。
すなわち、第1の補正係数K1を吸気温度変動分ΔTmivcに乗算し、さらに吸気温度Tmを加算して(Tm+K1・ΔTmivc)とし、これを吸気温度Tmで除算して基本温度補正係数TRATE0とする。また、(Qcyl/Qmax)に基づいて、図に示すようなマップを参照して第2の補正係数K2を算出する。そして、基本温度補正係数TRATE0及び第2の補正係数K2に基づいて、図に示すようなマップを参照して温度補正係数TRATEを算出する。
なお、図9において、以上のようにして吸気脈動に対する補正が行われたシリンダ吸入空気量(すなわち、温度補正部B208の出力結果)をQcyl2とする。
次に、吸気弁通過時の温度上昇に対する補正(シリンダ吸入空気温度に応じた補正)を説明する。
以上のようにして算出されたシリンダ吸入空気量Qcyl2(脈動補正を行わない場合はQcyl1)は、シリンダに吸入される空気の温度が吸気弁104の吸気上流側の温度(吸気温度)Tmであるときのものである。ここで、上述したように、吸気弁通過時に吸気弁104の熱を受けて吸入空気の温度が上昇するから、その上昇に対する補正を行う必要がある。
そこで、本実施形態では、シリンダ吸入空気温度Tcに応じた値、すなわち、吸気弁通過による吸気温度Tmの温度上昇度合い(Tc/Tm)={(Tm+ΔT)/Tm}を第2温度補正係数TRATE2とし(上記式(1)〜(4))、これをシリンダ吸入空気量Qcyl2(又はQcyl1)に乗算する。なお、かかる第2温度補正係数TRATE2は、図17に示すブロック図に従って算出される。
すなわち、図9に戻って、第2温度補正部B209は、シリンダ吸入空気量Qcyl2(吸気脈動に対する補正を行わない場合は、Qcyl1)に第2温度補正係数TRATE2を乗算して最終的な「シリンダ吸入空気量Qcyl」とする。これにより、吸気脈動による変動分を補正することに加えて(圧力補正部B207、温度補正部B208)、吸気弁通過時に吸気弁104からの受熱による温度上昇分をも補正してシリンダ吸入空気量(新気量)を算出する。
本実施形態によると、次のような効果を得ることができる。
シリンダに吸入される際に通過する吸気弁から受ける熱による上昇分も考慮するので、シリンダ吸入空気温度を精度よく推定できる。そして、かかるシリンダ吸入空気温度をエンジン制御(吸入空気量制御、燃料噴射制御、点火時期制御等)に用いることにより、その制御精度を向上できる。
また、吸気弁104の作動特性(開閉時期、リフト量)及びエンジンの運転状態(Ne、Tm、Pm等)に基づいてシリンダ吸入空気量(基本値)Qcyl1を算出し、このシリンダ吸入空気量Qcyl1に対して、シリンダ吸入空気温度に応じて算出される第2温度補正係数TRATE2(=Tc/Tm)を乗算することにより、吸気弁104の熱に起因する吸入空気の温度上昇分を考慮できるので、シリンダ吸入空気量を精度よく推定(算出)できる。ここで、かかる補正は、従来の方法等によって算出したシリンダ吸入空気量に、第2温度補正係数TRATE2を乗算するだけでよく、また、式(1)において係数kを設定したことにより、リフト量が小さい領域においてのみ吸気弁通過時の温度上昇に対する補正(シリンダ吸入空気温度に応じた補正)が行われるので、演算負荷の増加を最小限に抑制できる。
さらに、本実施形態では、基本シリンダ吸入空気量Qcyl1に対して、圧力補正係数PRATE、温度補正係数TRATEを乗算することにより、吸気脈動に応じた補正も行っているので、シリンダ吸入空気量の推定精度が更に向上する。
なお、ソニック吸入空気量Q、最大吸入空気量QMAX及び実際のシリンダ吸入空気量Qcylとの間の関係を見いだし、この関係から、算出したQ/QMAXに対してQcyl/QMAXを一義的に求めることができるので、実際の運転において、さまざまなパラメータに対応したマップ等を作成する必要がなく、最小限の演算(上記関係に基づく演算のみ)でシリンダ吸入空気量(シリンダ吸入空気温度に応じた補正前の値)を推定できる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの概略構成を示す図である。 同上吸気弁の動弁機構(VEL+VTC)の構成を示す図である。 同上VEL機構の構成 係数Kを設定するマップである。 シリンダ内圧力Pcを算出(推定)するマップである。 吸気弁温度Tvを算出(推定)するマップである。 吸気弁のバルブシート部を示す図である。 弁作動特性、シリンダ内圧力及び単位クランク角当たりのシリンダ吸入空気量の関係を示す図である。 シリンダ吸入空気量の算出(推定)する構成(ブロック図)である。 ソニック吸入空気量QDを算出する構成(ブロック図)である。 上死点のオフセット量TDCOFSを算出するマップである。 オーバーラップ開口面積OVLA算出するマップである。 最大吸入空気量QMAXを算出する構成(ブロック図)である。 吸気弁閉時期のオフセット量IVCOFSを算出するマップである。 係数K3を設定するマップである。 吸気圧力変動分ΔPmivc及び吸気温度変動分ΔTmivcを算出する構成(ブロック図)である。 第2温度補正係数TRATE2を算出する構成(ブロック図)である。
符号の説明
1…エンジン、101…吸気通路、102…スロットル弁、103…インジェクタ、104…吸気弁、105…動弁機構、105a…VEL機構、105b…VTC機構、106…点火プラグ、107…排気通路、108…排気弁、151…駆動軸、152…揺動カム、153…偏心駆動カム、154…リング状リンク、155…制御軸、156…偏心制御カム、157…ロッカアーム、158…ロッド状リンク、161…電磁アクチュエータ、162…ギヤ列、201…エンジンコントローラ、211…アクセルセンサ、212…クランク角センサ、213…吸気圧力センサ、214…吸気温度センサ、215…排気圧力センサ

Claims (6)

  1. 吸気弁の作動特性を可変制御するエンジンの制御装置であって、
    前記吸気弁の吸気上流側の上流側吸気温度を検出する吸気温度検出手段と、
    前記吸気弁の温度を検出する吸気弁温度検出手段と、
    前記上流側吸気温度と前記吸気弁温度とに基づいて、シリンダ内に吸入されるシリンダ吸入空気温度を推定するシリンダ吸入空気温度推定手段と、を含んで構成され、
    前記シリンダ吸入空気温度推定手段は、前記上流側吸気温度と、前記吸気弁を通過する際に前記吸気弁温度に応じて該吸気弁から受ける熱による温度上昇分であって、シリンダ内圧と吸気圧との比に相当する吸気弁の前後圧力比によって吸気弁を通過する吸入空気の流れがソニック流となるときに一定値をとり、非ソニック流のときには前記前後圧力比が大きくなるほどゼロに近付く係数に基づいて、前記吸気弁のリフト量が大きい場合に比較して小さいときの受熱量が大きくなるように補正される前記温度上昇分とに基づいて前記シリンダ吸入空気温度を推定し、
    前記シリンダ吸入空気温度推定手段により推定されたシリンダ吸入空気温度をエンジン制御に用いることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記シリンダ吸入空気温度推定手段は、前記上流側吸気温度(Tm)に、前記吸気弁を通過する際に該吸気弁から受ける熱による温度上昇分(ΔT)を加算した値を前記シリンダ吸入空気温度(Tm+ΔT)とすることを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記吸気弁の作動特性とエンジン運転状態とに基づいて、シリンダ内に吸入されるシリンダ吸入空気量を算出するシリンダ吸入空気量算出手段と、
    前記シリンダ吸入空気量に対して、前記シリンダ吸入空気温度に応じた補正を行う温度補正手段と、を更に含んで構成され、
    前記温度補正手段により補正されたシリンダ吸入空気量をエンジン制御に用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記温度補正手段は、前記シリンダ吸入空気温度(Tm+ΔT)と前記上流側吸気温度(Tm)と比{(Tm+ΔT)/Tm}を前記シリンダ吸入空気量に乗算することを特徴とする請求項3記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記シリンダ吸入空気量に対して、吸気脈動に応じた補正を行う脈動補正手段を更に含んで構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記シリンダ吸入空気量算出手段は、前記吸気弁の作動特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合のシリンダ吸入空気量をQD、吸気行程の開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気弁上流側の状態で充填した場合のシリンダ吸入空気量をQMAX、及び実際のシリンダ吸入空気量をQcylとしたときに、算出した(QD/QMAX)に基づいて、あらかじめ設定された(QD/QMAX)と(Qcyl/QMAX)との関係から、前記シリンダ吸入空気量を算出することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
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