JP2006274407A - サポートロール押疵防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ライン停止の際に発生するサポートロールのかじりを防止し、もってライン運転再開後に発生する鋼板の押疵を防止できる装置を提供する。
【解決手段】炉内に単数又は複数のサポートロール(4)が配置された横型加熱炉(2)において、各々のサポートロール(4)の金属帯走行方向上流側及び下流側の少なくとも一方に、金属板走行中は走行金属板下方に配置された金属板押上部材(5)を、金属板走行停止時は金属板とサポートロール(4)とが非接触となる位置まで金属板(1)を押し上げる金属板押上装置を備えることを特徴とするサポートロール押疵防止装置。
【選択図】図1

Description

本発明は横型炉内のサポートロールから発生する鋼板の押疵を防止する装置に関する。
例えば、横型予熱炉と、直火式加熱炉を備える連続溶融めっきラインでは、鋼板は、予熱炉で予熱された後、直火加熱炉で加熱され、次いで輻射管加熱方式の加熱炉で加熱焼鈍され、めっきに適した温度に冷却された後めっき浴に浸漬通板される。ここで横型予熱炉とは金属帯を略水平走行させて加熱する加熱炉である。
連続溶融めっきラインは、鋼板を連続走行させるが、浴中ロールの定期的交換、その他の突発的なトラブルによって鋼板走行が停止、すなわちライン停止することがある。
鋼板走行中は、直火炉の燃焼ガスが予熱炉に導入されているため、ライン停止直後の予熱炉内雰囲気温度は最大1100℃程度になり、また予熱炉内の鋼板搬送ロール(以下、サポートロールという。)は、例えば胴長2400mm程度に対し、径は200〜300mmφ程度の小径である。そのため、ライン停止の際にロール回転を停止すると熱変形して曲がりが発生し、ライン運転再開時に支障をきたす。ロールの曲がり発生を防止するため、ライン停止中は、サポートロールを数mpm程度の低速回転させているが、ロール面と鋼板面の摩擦によってロール表面に焼き付き(かじり)が発生することがあり、このかじりに起因してライン運転再開後に鋼板に押疵が発生する問題がある。予熱炉内のサポートロールへのスケール付着、異物付着を防止するために、水冷構造のロールが採用されている(例えば特許文献1)が、このような構造のロールであっても前述のかじりの問題を防止することはできない。
特開平11−106832号公報
本発明の課題は、上記問題点を考慮し、ライン停止の際に発生するサポートロールのかじりを防止し、もってライン運転再開後に発生する鋼板の押疵を防止できる装置を提供することである。
上記課題を解決する本発明の手段は次の通りである。
第1の手段は、炉内に単数又は複数のサポートロールが配置された横型加熱炉において、各々のサポートロールの金属帯走行方向上流側及び下流側の少なくとも一方に、金属板走行中は走行金属板下方に配置された金属板押上部材を、金属板走行停止時は金属板とサポートロールとが非接触となる位置まで金属板を押し上げる金属板押上装置を備えることを特徴とするサポートロール押疵防止装置である。
第2の手段は、第1の手段において、前記金属板押上部材は、金属板幅方向に間隔を設けて複数個配置されてなることを特徴とするサポートロール押疵防止装置である。
本発明によれば、ライン停止の際に発生するサポートロールのかじりを防止できるので、ライン運転再開後にサポートロールのかじりに起因する鋼板押疵を防止できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るサポートロール押し疵防止装置を、横型予熱炉に設置した例を示す概略断面図である。
図1において、1は鋼板、2は予熱炉、3は直火加熱炉(縦型)、4はサポートロール、5はサポートロール押疵防止装置である。本実施の形態のサポートロール押疵防止装置では、各サポートロールの鋼板通板方向上流側、下流側の両側に設けた鋼板押上装置によって鋼板をサポートロールに非接触となる位置まで押上可能に構成されている。
図2及び図3は、サポートロール押疵防止装置5の構造と動作を説明する図で、図2は側面図、図3は図2のB−B矢視断面図である。
図2及び図3において、各サポートロールの鋼板通板方向上流側に設けた鋼板押上装置(入側押上装置)5aの構成要素には符号に「a」を付し、同様の作用の下流側に設けた鋼板押上装置(出側押上装置)5bの構成要素には符号「b」を付してある。
側押上装置5aの構成と動作について以下に説明する。
11aは鋼板押上部材で長尺板状体から構成されている。12aは鋼板押上部材11aを取り付けた軸、13aは軸12aの軸受、14aはエアシリンダー、15aは架台である。連結部材16aの一方の端部側は軸12aに取り付けられ、もう一方の端部側は軸部材18aを介してエアシリンダー14aの一方の端部側(ロッド端部)に回転自在に取り付けられている。エアシリンダー14aのもう一方の端部側は軸部材17aを介して架台15aに回転自在に取り付けられている。軸12aは内部水冷構造(図示無し)で、断熱材19aで被覆されている。
図2及び図3において、鋼板押上部材11aに関し、実線は鋼板1走行中の位置、二点鎖線はライン停止時の鋼板押上位置を示す。鋼板押上部材11aは、軸12aの軸長手方向複数箇所に、該軸12aと直交状に取り付けられている。鋼板走行中、鋼板押上部材11a上端はサポートロール4上流側のパスラインの下方にあり、その先端とサポートロール4との間に所定間隙を設けて配置されている。ライン停止すると、エアシリンダー14aを動作させて連結部材16aを下降させる。連結部材16aの下降動作に対応して鋼板押上部材11aは、その先端部分がサポートロール4から離れる方向(上流側)に回転移動し、その先端がパスラインより高くなる位置(二点差線の位置)まで移動する。ライン運転再開時は、エアシリンダー14aを再動作させて連結部材16aを上昇させて鋼板押上部材11aを元の実線位置まで戻す。
出側押上装置5bの構成と動作は上記入側押上装置5aの概ね同様であるのでその説明を省略する。但し、出側押上装置5bは、鋼板走行中、鋼板押上部材11a上端はサポートロール4下流側でパスラインより下方にあり、その先端とサポートロール4との間に所定間隙を設けて傾斜状に配置されており、ライン停止すると、エアシリンダー14bを動作させて連結部材16bを下降させることで、鋼板押上部材11bの先端部分がサポートロール4から離れる方向(下流側)に回転し、その先端がパスラインより高くなる位置(二点差線の位置)まで回転移動する。
ライン停止の際に、鋼板押上部材11aと11bが上記のように動作することで、鋼板1は鋼板押上部材11aと11bで押し上げられ、鋼板1とサポートロール4は非接触となる。これによって従来の問題点であったサポートロールと鋼板とのかじりの問題が解消される。
サポートロール4の両側に鋼板押上装置5aと5bを備えることで、少ない鋼板押上量であっても鋼板1とサポートロール4の接触を確実に防止できる。また、鋼板1の押上を、軸長手方向に設けた複数の板状の鋼板押上部材で行うため、ロールなどで鋼板を持ち上げる手法に比べて幅方向の熱変形を低減できる点で有利である。また各鋼板押上部材11a、11bを支える各軸12a、12bは水冷構造で且つ断熱被覆されているので、軸12a、12b自体の熱変形が軽減される。したがって、本実施の形態に係る装置によれば、鋼板押上装置自体の熱変形が少なく、小規模な装置でありながら、ライン停止したときに鋼板とサポートロールの接触を確実に防止できる。またその結果、ライン運転再開後に鋼板に発生する押疵を確実に防止できる。
なお、鋼板押上部材11a、11bは、予熱炉雰囲気温度に応じて適宜の耐熱材料を使用できる。また、鋼板走行中の鋼板押上部材11a、11bとサポートロールの間隙、ライン停止したときのパスラインに対する鋼板押上量は予熱炉雰囲気温度、鋼板押上位置での鋼板押上部材11a先端と鋼板押上部材11aの間隔等に応じて適宜の値に設定できる。また、各押上部材11a、11bの幅方向設置数、軸長手方向の押上部材11a、11bの間隔、厚さは鋼板厚さ、鋼板幅、予熱炉雰囲気温度、サポートロール間隔等に応じて適宜の寸法にすればよい。
雰囲気温度が1100℃以下で、鋼板最小幅が610mmの予熱炉を例に挙げると、鋼板押上部材11a、11bはSCH12を使用し、厚さは20mm程度、押上部材同志の間隔は、鋼板中央部は400mm程度、その外側は250mm程度、鋼板走行中の鋼板押上部材11a、11bとサポートロールの間隙は30mm程度、押上部材11a、11bとパスラインとの距離は50mm程度、パスラインに対する鋼板押上量は50mm程度とすればよい。
本発明のサポートロール押疵防止装置は、横型加熱炉のサポートロールに起因する金属板押し疵を防止する装置として利用することができる。
本発明の実施の形態に係るサポートロール押し疵防止装置を横型予熱炉に設置した例を示す概略断面図である。 サポートロール押疵防止装置の構造と動作を説明する側面図である。 図2のB−B矢視断面図である。
符号の説明
1 鋼板
2 予熱炉
3 直火加熱炉(縦型)
4 サポートロール
5 押疵防止装置
5a、5b 鋼板押上装置
11a、11b 鋼板押上部材
12a、12b 軸
13a、13b 軸受
14a、14b エアシリンダー
15a、15b 架台
16a、16b 連結部材
17a、17b、18a、18b 軸部材
19a、19b 断熱材

Claims (2)

  1. 炉内に単数又は複数のサポートロールが配置された横型加熱炉において、各々のサポートロールの金属帯走行方向上流側及び下流側の少なくとも一方に、金属板走行中は走行金属板下方に配置された金属板押上部材を、金属板走行停止時は金属板とサポートロールとが非接触となる位置まで金属板を押し上げる金属板押上装置を備えることを特徴とするサポートロール押疵防止装置。
  2. 前記金属板押上部材は、金属板幅方向に間隔を設けて複数個配置されてなることを特徴とする請求項1記載のサポートロール押疵防止装置。
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