JP2006273972A - 耐ビルドアップ性に優れた成形用アルミニウム塗装板 - Google Patents

耐ビルドアップ性に優れた成形用アルミニウム塗装板 Download PDF

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Abstract

【課題】 アルミニウム塗装板のプレス成形など成形加工時において、耐ビルドアップ性に優れたワックス組成物、耐ビルドアップ性に優れた成形加工用塗料ならびに該成形加工用塗料用いた耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の提供。
【解決手段】 ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスの比率が、ポリエチレンワックス10質量%以上90質量%以下であるポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスを含むワックス混合物を、両ワックスの融点以上300℃以下の温度範囲に加熱し、溶融混合状態を達成させたワックス、これをインナーワックスとして含有する塗料、アルミニウム板の少なくとも片面に塗装・焼付けあるいは焼き付けした塗料面に前記ワックスを塗布した耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に樹脂を塗装したアルミニウム塗装板に適したワックス組成物、該ワックス組成物をインナーワックスとして配合した成形加工用塗料ならびにそれらを用いた塗装板に関し、特にプレス成形などの成形加工時において耐ビルドアップ性に優れたワックス組成物、耐ビルドアップ性に優れた成形加工用塗料ならびに該成形加工用塗料用いた耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板に関する。
アルミニウム板またはアルミニウム合金板(以下、アルミニウム板と呼称する)は、軽量で適度な機械的特性を有し、かつ美感、成形加工性、耐食性等に優れた特徴を有しているため、各種容器類、構造材、機械部品等に広く使われている。
特に、コイル状のアルミニウム板をプレス機に連続的に供給する方式の成形加工は生産性に優れるため、上記用途に多く採用されている。
上記用途のアルミニウム板は、耐食性・耐溶出性のさらなる向上、外観の向上およびキズつき防止等のため、その表面に樹脂塗料が塗装されることも多い。このとき、アルミニウム板には何らかの下地処理(例えばリン酸クロメート、クロム酸クロメートおよびリン酸ジルコニウム等)が施されるのが一般的である。
アルミニウム板の塗装とプレス加工の前後関係は、アルミ缶フタや一部の熱交換器フィンのように、塗装を施してから(プレコート)プレスする場合と、アルミ缶ボディや自動車パネルのようにプレスしてから塗装を施す(ポストコート)場合に分かれる。
前者では、塗装されたアルミニウム板(以下、アルミニウム塗装板と呼称)のプレス成形性を向上させるため、塗膜の表面に潤滑剤の層を形成させることが一般的に行われている。
具体的には、塗料の成分に植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスあるいは石油系ワックス等を添加して塗装する方法(インナーワックス)や塗装後の塗膜表面に石油系ワックス等を塗布する方法(アウターワックス)などが挙げられる。これらの方法によれば、アルミニウム塗装板に潤滑性が付与されるため、プレス成形性の向上に効果があり、その結果として製品品質の安定、プレス金型寿命の延長等に寄与している。
例えば、特許文献1では、インナーワックスとして塗膜樹脂固形分に対して0.2質量%以上のラノリンを添加した上、アウターワックスとしてパラフィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックスを10〜100mg/m塗布する方法が開示されている。
また特許文献2では、アウターワックスがパラフィンワックスであり、その70%以上を斜方晶パラフィンとする方法が開示されている。
しかしながら、上述の従来技術には、以下に示すような問題点がある。
すなわち、近年ますますプレス速度の高速化が進み、また加工精度に対する要求も厳しくなっていることに対応して、プレス金型の設計がより精密になっている。こうしたプレス加工機に、従来技術に基づいたアルミニウム塗装板を適用すると、ワックス成分が金型に付着し堆積する、いわゆるビルドアップ現象が生じることがある。ビルドアップ現象が起きると金型に堆積したワックス成分によって金型が設計どおりに機能せず、成形品の加工精度不良や、成形品のキズ付きを引き起こすため、ビルドアップに対する対策が強く求められている。
この対策としては、アルミニウム塗装板表面のワックス総量を減らすことが最も単純であり、またある程度までは有効である。しかし、精密な設計がなされたプレス金型においては、ワックスを減らすことは潤滑不足に直結し、塗膜カジリ等の成形不良を招く事例が多い。
また、特許文献3では、アルミニウム塗装板の表面に付着しているアルミ粉の量を0.05mg/m以下に制限する方法が開示されている。ただしこの方法は、アルミニウム塗装板の製造設備の清浄度を維持することが必要とされ、これはコストアップ要因になる上、アルミニウム塗装板の塗装後に耳切り工程(トリミング)や分割工程(スリット)を行う場合には、粉塵の発生が避けられずその達成が困難であるという問題点をも内包している。
特開2002−283496号公報 特開平06−254490号公報 特開2003−275679号公報
本発明は、アルミニウム塗装板のプレス成形において、プレス速度の高速化、プレス金型の設計がより精密になるに従って注目されてきた、潤滑剤ワックス組成物のビルドアップの問題を解決するために、潤滑不足をもたらさず且つコストアップがなく成形時における潤滑剤による不良品発生を削減できるワックス組成物、それを用いた塗料の開発を目的とした。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、従来技術にて用いられていたポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスを混合・加熱し、いったん溶融状態を経由させることにより、耐ビルドアップ性に優れた新たな潤滑特性を有するワックスが得られることを見出した。また、このワックス組成物を、塗料中にインナーワックスとして添加し塗装・焼付すること、および焼付後の塗膜にアウターワックスとして塗布することにより、耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1] ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスを含むワックス混合物を、両ワックスの融点以上300℃以下の温度範囲に加熱し、溶融混合状態を達成させたことを特徴とする耐ビルドアップ性に優れたワックス組成物、
[2] ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスの比率が、ポリエチレンワックス10質量%以上90質量%以下である上記[1]に記載の耐ビルドアップ性に優れたワックス組成物、
[3] 上記[1]または[2]に記載のワックス組成物を、インナーワックスとして含有する耐ビルドアップ性に優れた成形加工用塗料、
[4] 上記[3]に記載の成形加工用塗料を、アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗装・焼付けしたことを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板、
[5] 請求項3に記載の成形加工用塗料を、アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗装し、ついで220〜300℃、5〜60秒焼付けすることを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法、
[6] アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けし、その上から上記[1]または[2]に記載のワックス組成物を塗布したことを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板、
[7] アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けし、次いでその上に上記[1]または[2]に記載のワックス組成物を塗布することを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法、を開発することにより上記の課題を解決した。
以上のように、本発明の請求項に従って作られたワックスは優れた耐ビルドアップ性を有しているので、このワックスを塗料中に配合してインナーワックスとし、またはアウターワックスとして塗膜に塗布したアルミニウム塗装板は、耐ビルドアップ性に優れ、プレス成形、特にアルミニウム缶のフタ材等に適したプレス成形加工用アルミニウム塗装板を得ることができる。
以下、本発明の詳細を順に説明する。
本発明のワックス組成物原料として使用するポリエチレンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスは、いずれも既知物質であり、従来でもそれぞれを塗料に添加してインナーワックスとして採用されてきた実績はある。またこれらのワックスを同時に塗料に添加し、潤滑効果向上を狙うこともあった。
ただし、この場合、単にポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスをインナーワックスとして塗料に配合しただけであり、焼付け後の塗膜表面には、それぞれのワックス成分が独立して析出する。この塗料を塗布したアルミニウム塗装板は、特にポリエチレンワックスが金型にビルドアップしやすく、インナーワックスとして大量に使用することは困難であった。
本発明者らは、ポリエチレンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスをあらかじめ混合し、加熱・溶融させることにより、始めて耐ビルドアップ性に優れた新規なワックス組成物が得られることを見出した。
原料として用いるポリエチレンワックスは、一般的には、分子量および分子構造の差により、低密度タイプ、中密度タイプおよび高密度タイプに大きく分類できる。本発明には、上記のいずれのタイプも好適に使用できる。
またマイクロクリスタリンワックスも、融点が異なるものがいくつか存在するものの、一般に市販されている範囲、具体的にはおおむね67〜98℃前後であれば、十分に効果を発揮する。
なお、該ワックス成分以外の添加成分、具体的には酸化防止剤および界面活性剤等については、市販ワックスに添加されている程度のものであれば、本発明の効果を損なうことはない。
本発明においては、原料となるポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスを単に混合するだけでは不十分であって、両者の融点以上〜300℃以下に加熱して、溶融状態において5分以上、好ましくは20分以上十分に混合させることに特徴がある。このように加熱溶融および混合させることによってはじめて、耐ビルドアップ性に優れた新規なワックス組成物が得られるものである。
加熱温度がポリエチレンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスの融点未満では、当然、両ワックスは溶融せず、従って混合・反応が充分に行われない(なお、ポリエチレンワックスの融点は、密度分類によって異なるものの、おおむね110℃前後、マイクロクリスタリンワックスの融点は、おおむね67〜98℃前後である)。一方、300℃を超えると、マイクロクリスタリンワックスの低沸点成分が揮発して、耐ビルドアップ性が必ずしも発揮されない問題があるほか、マイクロクリスタリンワックスの引火点に近づくため、製造上の危険を伴う場合がある。
従って、加熱温度は両ワックスの融点以上300℃以下とする。
また加熱溶融してからの保持時間は、温度および量によって異なるものの、おおむね30分程度で十分効果を発揮する。また、溶融液を物理的手段により撹拌させると、より短時間で溶融混合が達成されるので、さらに望ましい。
ポリエチレンワックス対マイクロクリスタリンワックスの比率はポリエチレンワックス10質量%以上90質量%以下とすることで、より好ましい効果が得られる。これは上記の混合比において、ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスの相互作用がバランス良く働くためである。なお、特にポリエチレンワックスが20〜80質量%であれば、さらに好ましい効果が得られる。
ここでたとえば10質量%とは(ポリエチレンワックスの質量)/(ポリエチレンワックス質量+マイクロクリスタリンワックス質量)が10%、すなわちポリエチレンワックス:マイクロクリスタリンワックス=1:9であることを意味する。
上記のワックス組成物は、塗料のインナーワックスとして配合することにより、成形加工用塗料の耐ビルドアップ性が大きく改善される。この場合の対象塗料としては、アルミニウム板の塗料として使用されているエポキシ樹脂、エポキシ/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ/尿素樹脂、エポキシ/フェノール樹脂等の既知の樹脂を含んだ一般的な塗料が適用でき、また水性塗料/溶剤性塗料の区別なく有効である。塗料に配合するワックスの量は、従来技術の範疇、具体的には、塗料固形分に対し0.1重量%以上3.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以上1.5重量%以下にて、良好な結果が得られる。なお、塗料にインナーワックスとしてポリエチレンワックスまたはマイクロクリスタリンワックスを添加することは従来行われているものの、本発明においては塗料に添加する以前の段階で、ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスを加熱・溶融して反応させてワックス組成物を得、そのワックス組成物を塗料に添加する点において従来のものとは決定的に異なっている。
また、上記塗料をアルミニウム板に塗装・焼付することにより、耐ビルドアップ性に優れたワックス組成物が塗膜表面に析出するので、耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板を得ることができる。なおその析出量に関しては、当該ワックスと各種樹脂との相溶性が高くないため、塗装・焼付によりインナーワックスとして添加したほぼ全量が塗膜表面に析出することが、発明者らの実験により確認されている。この場合の焼き付け温度および時間は使用した塗料のベース樹脂、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックスの融点、配合比等により若干の相違があるが、一般的には220〜300℃、5〜60秒、好ましくは250〜280℃、20〜40秒程度の焼付を行うことによりインナーワックスがブリードしてくる。なお、こうして得られたアルミニウム塗装板に対し、従来技術に基づき、さらにパラフィンワックス等のアウターワックスを塗布してもよい。
一方、アルミニウム板に従来技術に基づいた塗料を塗装・焼付した後、当該ワックス組成物を塗布する形態、すなわちアウターワックス法をとることによっても、耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板が得られる。この場合、塗布の方法は、ロールコート法、静電塗装法および溶剤希釈塗布法等、従来技術により用いられているものがそのまま適用できる。なおこの場合、塗料には従来技術に基づくインナーワックスが含まれていても、あるいは含まれていなくてもよい。
アウターワックスとして塗布するワックス量は、従来技術の範疇、具体的には10mg/m以上150mg/m以下、好ましくは30mg/m以上100mg/m以下にて、良好な結果が得られる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
用いたポリエチレンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスを表1に示す。
Figure 2006273972
次に、表2に示した内容で、溶融混合ワックスを作製した。表中、ワックスA〜Cが本発明要件を満たすワックス組成物であり、ワックスD〜Hは、混合比および混合条件において、本発明に該当しないワックス組成物である。
Figure 2006273972
(実施例1〜10,比較例1〜4)
塗装板作製の内訳を表3に示す。JIS 5182−H19合金(板厚0.26mm)のアルミニウム合金板に、下地処理として常法に基づいてアルカリエッチング(エッチング量=100mg/m)後、リン酸クロメート処理(Cr=20mg/m)を施し、これを元板とした。そして、ベース塗料として水性アクリル変性エポキシ塗料を採用し、実施例1〜5、実施例7〜8および比較例1〜5にはインナーワックスとしてそれぞれ表3に記載するワックス組成物を添加した。これらを、樹脂固形分として片面5g/mずつ塗布し、雰囲気温度270℃×30秒にて焼付(=板到達温度250℃)した。さらに実施例6〜10に対しては、表3に記載された条件で、該当するワックス組成物をアウターワックスとして静電塗装法により塗布した。
なお全ての水準に対し、塗膜の片面(シェル成形の缶外面側)に存在しているワックス総量を、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
Figure 2006273972
[評価方法]
これらのアルミニウム塗装板に対し、以下の項目により加工時の耐ビルドアップ性を評価した。
・ビルドアップ試験・・・評価サンプルの上に、10cm角に切り揃えた清浄なアルミニウム合金板(JIS 5182−H19合金、板厚0.26mm)を乗せ、ホットプレス装置により、6.5kgf/cmの圧力で、50℃×2分圧着した。評価サンプル側の圧着位置を変えながら、同一操作を10回繰り返し、アルミニウム合金板に転写されたワックス量を、固体TOC(有機炭素量)にて定量した。
・缶フタ成形試験・・・一般的なアルミニウム飲料缶フタのプレス成形工程、すなわち、シェルプレスにてシェル加工した後、コンバージョンプレスにより缶フタ形状に成形する工程において、連続20,000枚加工した。連続成形加工の最後から50枚を抽出し、成形加工金型へのワックスビルドアップに起因する形状不良発生の個数を記録した。
なお、表4におけるスコア残厚不良とは、金型のスコア(溝)成形加工部にワックスがビルドアップすることにより、スコアが本来より深く形成されてしまうことを指す。また端部形成不良とは、金型のカーリング(飲料缶にてカシメ成形加工される部分)成形加工部にワックスがビルドアップすることにより、正規の形状が出なくなることを指す。
その結果を表4に示す。
Figure 2006273972
表から明らかなように、本発明の請求項を満たす実施例1〜10はビルドアップが効果的に抑制され、いずれの試験項目においても好成績が得られた。すなわち、実施例1〜5は、本発明の要項を満たすワックス組成物をインナーワックスとして含む塗料を用いたため、優れた耐ビルドアップ性が発揮された。また実施例6〜10は、本発明の要件を満たすワックス組成物をアウターワックスとして塗布したため、やはり優れた耐ビルドアップ性が発揮された。
これに対し、比較例1〜4は、従来技術の域を出ないため、実施例1〜10と比べてビルドアップが顕著に発生した。すなわち、比較例1および2は、組成的には実施例1と同じであっても、比較例1は溶融混合温度が高すぎ、比較例2は混合温度が低すぎて実質的にワックスが溶融していないため所望の効果を得ることができなかった。また比較例3はポリエチレンワックスのみ、比較例4はマイクロクリスタリンワックスのみであるため、いずれも本発明の要項を満たしておらず、耐ビルドアップ性が劣る。
本発明のポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスの加熱溶融処理したワックス組成物は、如何なる反応が生起したかは解明できなかったが、両者の融点以上〜300℃以下に加熱して溶融状態にして混合・反応させることによりそれらをそれぞれ単独で使用した場合および両者を予め溶融状態にして混合・反応しない場合のワックス組成物に比して、インナーワックスとして使用した場合およびアウターワックスとして使用した場合でも、アルミニウム塗装板のプレス成形において耐ビルドアップ性を顕著に改善できるものである。
本発明の説明は、アルミニウム缶フタのプレス成形を代表にして説明をしたが、この発明はアルミニウム塗装板の精密高速連続プレス成形の分野に広く適用できるものである。

Claims (7)

  1. ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスを含むワックス混合物を、両ワックスの融点以上300℃以下の温度範囲に加熱し、溶融混合状態を達成させたことを特徴とする耐ビルドアップ性に優れたワックス組成物。
  2. ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスの比率が、ポリエチレンワックス10質量%以上90質量%以下である請求項1に記載の耐ビルドアップ性に優れたワックス組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のワックス組成物を、インナーワックスとして含有する耐ビルドアップ性に優れた成形加工用塗料。
  4. 請求項3に記載の成形加工用塗料を、アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗装・焼付けしたことを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板。
  5. 請求項3に記載の成形加工用塗料を、アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗装し、ついで220〜300℃、5〜60秒焼付けすることを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法。
  6. アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けし、その上から請求項1または請求項2に記載のワックス組成物を塗布したことを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板。
  7. アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けし、次いでその上に請求項1または請求項2記載のワックス組成物を塗布することを特徴とする耐ビルドアップ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法。
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