JP2006273772A - 経口投与薬及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 体内で空気の排出が少ない経口投与薬及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 活性炭が、水分を含有するゼリー基材に包摂されていることを特徴とする経口投与薬。水及びゼリー基材の原料を混合し、加熱し、ゼリー基材原料水溶液を得る、ゼリー基材原料水溶液調製工程と、該ゼリー基材原料水溶液に活性炭を混合し、活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を得る、活性炭混合工程と、該活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を冷却する、冷却工程とを有することを特徴とする経口投与薬の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、腎肝疾患の治療薬としての経口投与薬及びその製造方法に関する。
慢性腎不全による透析患者数は年々増加し2003年末では約23万人であった。更に近年、糖尿病による合併症で腎不全になる割合が高まり、透析患者数はますます増加する傾向である。一方、透析導入に至った場合、費用面では年間一人当り500万円の医療費増加になる。このため国の財政面からも、透析患者数の増加は大きな問題となっている。現在、低蛋白質食事療法、血圧調整等、様々な治療が行われ、慢性腎不全の進行を抑制し、透析導入を遅延する試みがなされている。
腎不全による尿毒症症状の進行で、人工透析導入に至るが、この腎不全病態での生体障害因子をuremic toxinと定義づけ、近年このuremic toxinの生体作用機構に関わる様々な医療研究がなされている。しかしながら、uremic toxinは複雑であり、多種類の物質が関与して毒性を示している場合が多く、断定することが困難とされている。このようななかで、丹羽ら(「尿毒症物質研究の現況‘98 第43回日本透析医学会カレントコンセプトより」;日本透析医学会雑誌 Vol31.No.12 1423−1429)、「腎不全の進行とインドキシル硫酸」;Annual Review 腎臓 Vol 2001 136−141)は、インドキシル硫酸がこのuremic toxinの一つであることを明らかにし、さらに経口吸着剤AST−120(商品名:クレメジン)の投与が血清中のインドキシル硫酸を低減することを見出し、結果として腎不全の進行を遅延する効果が期待された。丹羽らによれば、食事蛋白由来の一部が腸管において大腸菌などによってインドールに代謝され、その後腸管より体内に吸収される。さらにインドールは肝臓において硫酸抱合され、インドキシル硫酸が生成され、腎臓で排泄される。腎不全ではこの排泄経路が絶たれるために、結果として血中に蓄積する。AST−120は、活性炭であり、その細孔に、インドキシル硫酸の前駆体であるインドールを吸着するため、AST−120の投与により、腸によるインドールの吸収が抑制され、肝臓によるインドキシル硫酸の生成が抑制され、インドキシル硫酸の血中濃度が低下する。
実際、多数の臨床試験報告において、慢性腎不全患者へ投与することで人工透析への導入期間が明らかに延長され、腎不全患者に見られる血中のクレアチニンクリアランスが改善傾向を示している。(「慢性腎不全に対するクレメジンの透析導入遅延効果〜投与時期の検討」;日本透析医学学会雑誌Vol.37 8−33,2004,上田陽彦,柴原伸久,他、「糖尿病性腎不全に対するAST−120の効果」;Progress in Medicine Vol.18 No.3 483−487 1998,和田成雄,松室克義)
また、該経口吸着剤(AST−120)の特徴としては、αアミラーゼ等の酵素類や生体に有用な物質を極力吸着しないことである。例えば、古くから解毒剤としている薬用炭では、インドールの吸着性能を有するが、αアミラーゼ等の酵素類及び分子量1万以上の高分子物質でも容易に吸着するため、常用としては服用することは困難であった。一方、AST−120は、「クレメジンカプセル200の薬物相互作用に関する検討」(基礎と臨床Vol.28 No.10 2873−288)によれば、従来にない特殊な製造方法により、αアミラーゼ等の酵素類や生体に有用な物質を極力吸着しないように調整された吸着剤である。
他の経口投与用の吸着剤としては、特開2002−308785号公報に、石油ピッチ又は石炭ピッチを原料に用いて製造される多孔性の炭素質物質(活性炭)が開示されている。
また、特開2004−244414号公報には、球状フェノール樹脂を炭化、賦活することにより得られた活性炭であって、比表面積800〜2000m/g、細孔容積0.2〜1.0ml/g、充填密度0.5〜0.75g/ml、平均細孔直径1.7〜2.0nm、細孔直径1.0nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔容積の55%以上、細孔直径20〜1000nmの細孔の総細孔容積が0.04ml/g以下、最大粒子径が425μm以下、平均粒子径が350μm以下である球状の活性炭からなることを特徴とする医薬用吸着剤が開示されている。
そして、AST−120等の活性炭は、球状であり、そのままの形態や、カプセルに封入されたカプセル入りの形態で、経口用薬として投与される。
「尿毒症物質研究の現況‘98第43回日本透析医学会カレントコンセプトより」;日本透析医学会雑誌Vol31.No.12 1423−1429) 「腎不全の進行とインドキシル硫酸」;Annual Review腎臓Vol 2001 136−141 特開2002−308785号公報 「クレメジンカプセル200の薬物相互作用に関する検討;基礎と臨床Vol.28 No.10 2873−288 特開2004−244414号公報
活性炭は多数の細孔を有しているため、該細孔内に空気を含有している。そのため、活性炭が、体内に投与された時に、該細孔内に存在していた空気が、活性炭から体内に排出される。そして、体内に排出された空気は、腹部膨満感の原因となるおそれがある。そのため、体内で空気の排出が少ない経口投与薬の開発が望まれていた。
従って、本発明の課題は、体内で空気の排出が少ない経口投与薬及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)ゼリー基材の原料は、活性炭中のインドールの吸着に関与する細孔に吸着されることはないこと、(2)ゼリー基材の原料水溶液に、活性炭を混合することにより、該活性炭内の空気が、該ゼリー基材の原料水溶液中の水と置き換わること、(3)細孔が水で満たされた活性炭は、体内で空気を殆ど排出することがないこと、(4)水を含有するゼリー基材は、活性炭内の水が、活性炭外に排出されることを防ぐこと等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、活性炭が、水を含有するゼリー基材に包摂されている経口投与薬を提供するものである。
また、本発明(2)は、水及びゼリー基材の原料を混合し、加熱して、ゼリー基材原料水溶液を得る、ゼリー基材原料水溶液調製工程と、該ゼリー基材原料水溶液に活性炭を混合し、活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を得る、活性炭混合工程と、該活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を冷却する、冷却工程とを有する経口投与薬の製造方法を提供するものである。
本発明の経口投与薬は、該経口投与薬に含有されている活性炭が、細孔内に空気を含まないので、体内に投与された時に、該活性炭が空気を排出することが殆どない。また、本発明の経口投与薬の製造方法によれば、体内で空気の排出が少ない経口投与薬を製造することができる。
本発明の経口投与薬は、活性炭が、水を含有するゼリー基材に包摂されている。言い換えると、本発明の経口投与薬は、水を含有するゼリー基材に、活性炭が分散されている。
本発明の経口投与薬に係る活性炭は、細孔半径が1.0nm以下、好ましくは0.6nm以下の細孔を有している。本発明者らが鋭意検討を行ったところ、インドールの吸着に効果的に関与する細孔の細孔半径は、1.0nm以下、好ましくは0.6nm以下であることがわかった。また、吸着を極力抑えたい酵素等の有用物質、例えば、αアミラーゼは、分子量が6万〜10万程度、分子サイズが6〜10nmであるので、細孔半径が1.0nm以下の細孔は、アミラーゼ等を吸着しない。従って、該活性炭は、細孔半径が1.0nm以下の細孔を有する活性炭であれば、特に制限されない。
該活性炭の充填密度は、特に制限されないが、通常、0.3〜0.85g/ml、好ましくは0.45〜0.8g/ml、特に好ましくは0.65〜0.8g/mlである。該活性炭の充填密度が、0.3g/mlより小さいと、該活性炭の単位体積当りのインドールの吸着量が少なくなり、服用量が増えるため、好ましくない。また、該活性炭の充填密度が0.85g/mlを超える活性炭を得ることは困難である。なお、充填密度とは、嵩密度とも呼ばれ、活性炭の重量を、活性炭の見かけ体積、すなわち、内部の細孔も含めた活性炭の体積で除することにより求められる。
該活性炭の平均粒径は、該活性炭が腸管から吸収されず且つ経口服用に支障がない程度の大きさであれば特に制限されないが、0.05〜1.0mmであることが、インドールの吸収速度が速い点で好ましく、特に好ましくは0.1〜0.5mmである。該活性炭の平均粒径が、0.05mm未満だと消化管での移動速度が遅くなるため、活性炭が消化管内に滞留し易くなり、また、1.0mmを超えるとインドールの吸収速度が遅くなるか、若しくはインドールが活性炭内部の細孔に吸着され難くなるので、該経口投与薬のインドール吸着性能が低くなり易くなる。
また、該活性炭は、細孔半径が1.0nm以下の細孔の細孔容積が、0.2〜2.5ml/gである活性炭であることが、該経口投与薬のインドールの吸着性能が高くなる点で好ましく、特に好ましくは0.3〜1.5ml/gである。
また、該活性炭は、細孔半径が1.0nm以下の細孔の細孔容積が、1.0〜2.5ml/gであり、且つ充填密度が、0.3g/ml以上であること(以下、このよう物性を有する活性炭を、単に活性炭(d)と記載する。)が、該活性炭の単位体積当りのインドールの吸着量及び該活性炭の単位重量当りのインドールの吸着量が多くなるので、該経口投与薬のインドールの吸着性能が高くなる点で好ましい。そして、該活性炭(d)は、細孔半径が1.0nm以下の細孔の細孔容積が、1.5〜2.5ml/gであることが特に好ましく、更に好ましくは1.7〜2.1ml/gであり、また、充填密度が、0.35〜0.6g/mlであることが特に好ましく、更に好ましくは0.4〜0.5g/mlである。
また、該活性炭は、細孔半径が0.6nm以下の細孔の細孔容積が、0.2〜1.0ml/gであり、且つ充填密度が、0.65〜0.85g/mlであること(以下、このような物性を有する活性炭を、単に活性炭(e)とも記載する。)が、該活性炭の単位体積当りの吸着量が多くなるので、該経口投与薬のインドールの吸着性能が高くなる点で好ましい。そして、該活性炭(e)は、細孔半径が0.6nm以下の細孔の細孔容積が、0.3〜0.6ml/gであることが特に好ましく、更に好ましくは0.35〜0.5ml/gであり、また、充填密度が、0.68〜0.85g/mlであることが特に好ましく、更に好ましくは0.7〜0.85g/mlである。
該活性炭を製造する方法としては、特に制限されず、例えば、特開2002−308785号公報に記載されているような、石油ピッチ又は石炭ピッチを原料に用いて、多孔性の炭素物質(活性炭)を得る方法;特開2004−244414号公報に記載されているような、フェノール樹脂を原料に用いて、球状の活性炭を得る方法;イオン交換樹脂、該イオン交換樹脂の熱処理物、ジビニルベンゼン共重合体、又は該ジビニルベンゼン共重合体の熱処理物(以下、該イオン交換樹脂、該イオン交換樹脂の熱処理物、該ジビニルベンゼン共重合体、又は該ジビニルベンゼン共重合体の熱処理物を総称して、イオン交換樹脂等(a)とも記載する。)を、炭化処理し、次いで、賦活処理して活性炭を得る方法(以下、該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法とも記載する。)等が挙げられる。
該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法について詳細に説明する。該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法に係るイオン交換樹脂としては、特に制限されず、陽イオン交換樹脂又は陰イオン交換樹脂のいずれであってもよい。該陽イオン交換樹脂は、強酸性陽イオン交換樹脂又は弱酸性陽イオン交換樹脂のいずれでもよく、導入されているイオン交換基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基が挙げられ、また、該陰イオン交換樹脂は、強塩基性陰イオン交換樹脂又は弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれでもよく、導入されているイオン交換基としては、例えば、第四級アンモニウム塩基、第一級、第二級又は第三級アミノ基が挙げられる。これらのうち、陽イオン交換樹脂が、該賦活処理中に、活性炭の形状が壊れ難い点で好ましく、スルホン酸基が導入されている強酸性陽イオン交換樹脂が、特に好ましい。
該イオン交換樹脂のイオン交換基が導入されている樹脂は、ジビニルベンゼン(b)と、スチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上(c)との共重合体である。
また、該イオン交換樹脂のイオン交換容量は、特に制限されないが、強酸性陽イオン交換樹脂ではNa形の時に、弱酸性陽イオン交換樹脂ではH形の時に、陰イオン交換樹脂ではCl形の時に、好ましくは0.4〜5.0mg当量/ml(湿潤樹脂)、特に好ましくは1.0〜2.5mg当量/ml(湿潤樹脂)である。
該イオン交換樹脂の平均粒径は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜1.2mm、特に好ましくは0.2〜0.8mmである。該イオン交換樹脂の平均粒径が、0.1mm未満だと、活性炭の平均粒径が小さくなり過ぎて、消化管での移動速度が遅くなるため、活性炭が消化管内に滞留し易くなり、また、1.2mmを超えると、活性炭のインドールの吸収速度が遅くなるか、若しくはインドールが活性炭内部の細孔に吸着され難くなるので、該経口投与薬のインドールの吸着性能が低くなり易くなる。
該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法に係るイオン交換樹脂の熱処理物は、該イオン交換樹脂を、酸素含有ガス雰囲気下で熱処理することにより得られる。該酸素含有ガス中の酸素ガスの含有量は、0.5〜100体積%、好ましくは3〜22体積%である。また、該熱処理の温度は、200〜400℃である。該熱処理を行うことにより、該イオン交換樹脂が酸化物となり、該イオン交換樹脂中に強固な結合が形成される。従って、該炭化処理に用いる原料が、該イオン交換樹脂の熱処理物であることが、該賦活処理中に、活性炭の形状が壊れ難い点で好ましい。また、該熱処理の時間は、特に制限されないが、好ましくは1〜5時間である。
該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法に係るジビニルベンゼン共重合体は、ジビニルベンゼン(b)と、スチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上(c)との共重合体である。
該ジビニルベンゼン共重合体の乾燥密度は、0.3〜1.0g/ml、好ましくは0.32〜1.0g/ml、特に好ましくは0.35〜1.0g/ml、より好ましくは0.40〜1.0g/ml、更に好ましくは0.42〜1.0g/mlである。該ジビニルベンゼン共重合体の乾燥密度が、上記範囲にあることにより、充填密度が高い活性炭が得られるので、活性炭の単位体積当りのインドールの吸着量が多くなり、該経口投与薬のインドール吸着性能が高くなる。
また、該ジビニルベンゼン共重合体の平均粒径は、特に制限されないが、好ましくは0.2〜1.5mm、特に好ましくは0.2〜0.5mmである。該ジビニルベンゼン共重合体の平均粒径が、0.2mm未満だと、活性炭の平均粒径が小さくなり過ぎて、消化管での移動速度が遅くなるため、活性炭が消化管内に滞留し易くなり、また、1.5mmを超えると、活性炭のインドールの吸収速度が遅くなるか、若しくはインドールが活性炭内部の細孔に吸着され難くなるので、該経口投与薬のインドールの吸着性能が低くなり易い。
該ジビニルベンゼン共重合体の熱処理物は、該イオン交換樹脂に代えて、該ジビニルベンゼン共重合体とする以外は、該イオン交換樹脂を熱処理して、該イオン交換樹脂の熱処理物を得る方法と同様の方法で得られる。
そして、該活性炭は、該イオン交換樹脂等(a)を、炭化処理し、次いで、賦活処理して得られる。
該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法に係る炭化処理は、不活性ガス雰囲気下で、該イオン交換樹脂等(a)を炭化し、炭化物を得る処理である。
該炭化処理において、該イオン交換樹脂等(a)を炭化する方法としては、特に制限されない。該炭化処理に係る不活性ガスとしては、特に制限されないが、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が挙げられる。これらのうち、窒素ガスが、安価な点で好ましい。
該炭化処理を行う際の処理温度は、300〜1000℃、好ましくは300〜800℃である。該処理温度が、300℃未満だと、炭化が起こり難く、また、1000℃以上だと炭化物が分解し易い。また、該炭化処理を行う際の処理時間は、1時間以上、好ましくは2〜5時間である。
そして、該炭化処理を行うことにより、炭素構造が形成され、炭化物が得られる。
該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法に係る賦活処理は、該炭化処理により得られる炭化物を賦活し、活性炭を得る処理である。
該賦活処理において、該炭化処理で得られる炭化物を賦活する方法としては、特に制限されず、公知のいかなる方法も用いることができる。例えば、該賦活処理を行う方法としては、(i)該炭化物を、水蒸気により賦活する方法、(ii)該炭化物を、炭酸ガスにより賦活する方法、(iii)該炭化物を、水蒸気により賦活して、水蒸気賦活物(A)を得、次いで、該水蒸気賦活物(A)を、炭酸ガスにより賦活する方法が挙げられる。該(i)及び(ii)の賦活方法は、一段階の操作により賦活を行う方法であり、一方、該(iii)の賦活方法は、二段階の操作により賦活を行う方法である。
該賦活処理に係る該(i)の方法において、該炭化物を水蒸気により賦活する方法としては、特に制限されず、公知のいかなる方法も用いることができる。
該(i)の方法において、該炭化物を水蒸気により賦活する際の賦活温度は、特に制限されないが、通常、750〜1200℃である。
また、該(i)の方法において、該炭化物を水蒸気により賦活する際の賦活時間は、特に制限されないが、通常、1〜12時間である。
該賦活処理に係る該(ii)の方法において、該炭化物を炭酸ガスにより賦活する方法としては、特に制限されず、公知のいかなる方法も用いることができる。
該(ii)の方法において、該炭化物を炭酸ガスにより賦活する際の賦活温度は、特に制限されないが、通常、800〜1200℃である。
また、該(ii)の方法において、該炭化物を炭酸ガスにより賦活する際の賦活時間は、特に制限されないが、通常、1〜30時間である。
該賦活処理の係る該(iii)の方法では、先ず、水蒸気により該炭化物を賦活し、水蒸気賦活物(A)を得る。該炭化物を水蒸気により賦活する際の賦活温度は、特に制限されないが、通常、750〜1200℃である。また、該炭化物を水蒸気により賦活する際の賦活時間は、特に制限されないが、通常1〜6時間である。
次いで、該水蒸気賦活物(A)を、炭酸ガスで賦活し、活性炭を得る。該水蒸気賦活物(A)を炭酸ガスで賦活する際の賦活温度は、800〜1200℃である。また、該水蒸気賦活物(A)を炭酸ガスにより賦活する際の賦活時間は、特に制限されないが、通常1〜30時間である。
また、該賦活処理に係る該(iii)の方法では、水蒸気による一段目の賦活から炭酸ガスによる二段目の賦活に移行するには、雰囲気を水蒸気から炭酸ガスに切替るが、該切替方法としては、特に制限されず、例えば、(iv)炭酸ガスを雰囲気に導入しながら、水蒸気を排出する方法、(v)水蒸気を窒素ガス等の不活性ガスで一旦パージした後、炭酸ガスを導入する方法、(vi)水蒸気ガス雰囲気炉と炭酸ガス雰囲気炉を設け、該炭化物を順に移動させる方法等が挙げられる。
本発明の経口投与薬に係る活性炭のうち、細孔半径が1.0nm以下の細孔の細孔容積が、1.0〜2.5ml/gであり、且つ充填密度が、0.3g/ml以上である活性炭(活性炭(d))は、例えば、該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法において、該(i)の方法の、水蒸気により賦活する際の賦活温度を、750〜890℃、好ましくは830〜870℃とし、水蒸気により賦活する際の賦活時間を、3.5〜12時間とすること、あるいは、該(ii)の方法の、炭酸ガスにより賦活する際の賦活温度を、850〜950℃、好ましくは850〜900℃とすること、あるいは、該(iii)の方法の、水蒸気による賦活の際の賦活温度を750〜900℃、好ましくは830〜870℃とし、水蒸気による賦活の際の賦活時間を2〜4時間とし、炭酸ガスによる賦活の際の賦活温度を850〜950℃とし、炭酸ガスによる賦活の際の賦活時間を5〜20時間とすることにより得られる。
また、本発明の経口投与薬に係る活性炭のうち、細孔半径が0.6nm以下の細孔の細孔容積が、0.2〜1.0ml/gであり、且つ充填密度が、0.65〜0.85g/mlである活性炭(活性炭(e))は、例えば、該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法において、該炭化処理の原料に、乾燥密度が0.56〜1.0g/mlのイオン交換樹脂、該イオン交換樹脂の熱処理物、乾燥密度が0.3〜1.0g/mlのジビニルベンゼン共重合体、又は該ジビニルベンゼン共重合体の熱処理物を用いることにより得られる。そして、該活性炭(e)の製造において、該イオン交換樹脂の乾燥密度は、0.6〜1.0g/mlであることが特に好ましく、更に好ましくは0.7〜1.0g/ml、より好ましくは0.78〜1.0g/ml、最も好ましくは0.8〜1.0g/mlであり、該ジビニルベンゼン共重合体の乾燥密度は、0.32〜1.0g/mlであることが特に好ましく、更に好ましくは0.35〜1.0g/ml、より好ましくは0.40〜1.0g/ml、最も好ましくは0.42〜1.0g/mlである。なお、本発明においてイオン交換樹脂の乾燥密度とは、該イオン交換樹脂を再生形に調製した後、110℃±5℃の恒温乾燥機中で、16〜24時間加熱した後の該イオン交換樹脂の充填密度を指し、また、ジビニルベンゼン共重合体の乾燥密度とは、該ジビニルベンゼン共重合体を、110℃±5℃の恒温乾燥機中で、16〜24時間加熱した後の該ジビニルベンゼン共重合体の充填密度を指す。
本発明の経口投与薬に係る活性炭は、乾燥密度が0.56〜1.0g/mlのイオン交換樹脂、該イオン交換樹脂の熱処理物、乾燥密度が0.3〜1.0g/mlのジビニルベンゼン共重合体、又は該ジビニルベンゼン共重合体の熱処理物を、炭化処理し、次いで、賦活処理して得られる活性炭、すなわち、該イオン交換樹脂等(a)を炭化処理及び賦活処理する方法において、該炭化処理の原料に、0.56〜1.0g/mlのイオン交換樹脂、該イオン交換樹脂の熱処理物、乾燥密度が0.3〜1.0g/mlのジビニルベンゼン共重合体、又は該ジビニルベンゼン共重合体の熱処理物を用いることにより得られる活性炭であること(以下、このような活性炭を、単に活性炭(f)とも記載する。)が、該活性炭の単位体積当りのインドールの吸着量、特に、低濃度域での該活性炭の単位体積当りのインドールの吸着量が多くなるので、該経口投与薬のインドールの吸着性能が高くなる点で好ましい。該イオン交換樹脂又は該ジビニルベンゼン共重合体の乾燥密度が、上記範囲にあることにより、充填密度が高い活性炭が得られるので、活性炭の単位体積当りのインドールの吸着量が多くなる。そして、該活性炭(f)では、該炭化処理の原料である、該イオン交換樹脂の乾燥密度が、0.6〜1.0g/mlであることが特に好ましく、更に好ましくは0.7〜1.0g/ml、より好ましくは0.78〜1.0g/ml、最も好ましくは0.8〜1.0g/mlであり、また、該炭化処理の原料である、該ジビニルベンゼン共重合体の乾燥密度が、0.32〜1.0g/mlであることが特に好ましく、更に好ましくは0.35〜1.0g/ml、より好ましくは0.40〜1.0g/ml、最も好ましくは0.42〜1.0g/mlである。
本発明の経口投与薬に係るゼリー基材は、水及びゼリー基材の原料で構成されている。すなわち、該ゼリー基材は、水を含有している。そして、該ゼリー基材は、該活性炭を包摂する包摂物である。該ゼリー基材は、体外では、該活性炭の表面に付着しているが、体内では、消化管内の内容物に溶解し、該活性炭から剥離する。そのため、体内では、該活性炭中のインドールの吸着に有効な細孔が露出されるので、該活性炭が、インドールを吸着することができるようになる。従って、該ゼリー基材としては、体内で、消化管内の内容物に溶解するものであれば、特に制限されない。
該ゼリー基材の原料は、特に制限されないが、好ましくは、寒天、ゼラチン、カラギーナン、ジェランガム、ファーセレラン、マンニトール、アルギン酸、キサンタンガム、カードラン、ペクチン及びグルコマンナンから選ばれる少なくとも1種である。
該ゼリー基材の原料の分子量は、好ましくは1万〜100万、特に好ましくは6万〜80万、更に好ましくは10万〜80万である。該ゼリー基材の原料の分子量が、1万未満だと、該活性炭の細孔内の水が、該活性炭の外に排出されるのを防ぐ効果(以下、ゼリー基材の保水効果とも記載する。)が低くなり、また、100万を超えると、体内で溶解し難くなるので、該ゼリー基材が該活性炭から剥離し難くなる。
該ゼリー基材は、該ゼリー基材の原料及び水を混合し、加熱して、ゼリー基材原料水溶液を得、次いで、該ゼリー基材原料水溶液を冷却して得られる、該ゼリー基材原料水溶液の冷却物である。
該ゼリー基材中の、ゼリー基材の原料の含有量は、好ましくは0.1〜35重量%、特に好ましくは0.3〜20重量%、更に特に好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜10重量%である。該ゼリー基材中の、該ゼリー基材の原料の含有量が、上記範囲にあることにより、該ゼリー基材の保水効果が高くなる。
該ゼリー基材中の水の含有量は、好ましくは65〜99.9重量%、特に好ましくは80〜99.7重量%、更に好ましくは90〜99.5重量%、より好ましくは90〜99重量%である。該ゼリー基材中の水の含有量が、上記範囲にあることにより、該ゼリー基材の保水効果が高くなる。
該ゼリー基材は、30℃において、定形を有するもの(固化しているもの)であっても、不定形のもの(流動性を有するもの)であってもよい。
本発明の経口投与薬中の該活性炭の含有量は、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは7〜35重量%である。
該経口投与薬は、30℃において、定形を有するもの(固化しているもの)であっても、不定形のもの(流動性を有するもの)であってもよい。
該経口投与薬は、他に、分子量が1万以上の物質であって、保存に係る酸化防止剤若しくは防腐剤、又は高分子量の甘味料等を含有することができる。
該ゼリー基材による該活性炭の包摂は、該ゼリー基材原料水溶液に、該活性炭を混合し、分散させることにより行われる。該活性炭を、該ゼリー基材原料水溶液に混合すると、該活性炭の細孔内の空気が、該ゼリー基材原料水溶液中の水と置き換わるので、本発明の経口投与薬中の活性炭は、細孔が水で満たされている。そして、細孔が水で満たされている活性炭は、体内で空気を排出することが殆どない。従って、本発明の経口投与薬は、体内で空気の排出が少ない。
また、該ゼリー基材は、水を含有しているので、細孔が水で満たされている活性炭に接触して存在すること、すなわち、該活性炭を包摂することにより、該活性炭の細孔内の水が、該活性炭の外に排出されるのを防ぐ(ゼリー基材の保水効果)。
また、従来は、活性炭をゼリー基材で包摂すると、活性炭の細孔にゼリー基材の原料が吸着され、該ゼリー基材の原料が該活性炭の細孔を塞ぐので、活性炭をゼリー基材に包摂させることはできないと考えられてきた。
ところが、本発明者らは、鋭意検討した結果、細孔半径が1.0nm以下の細孔には、本発明の経口投与薬に係るゼリー基材の原料が吸着されることはなく、本発明の経口投与薬中で、細孔半径が1.0nm以下の細孔が、該ゼリー基材に覆われていたとしても、体内では、該ゼリー基材が剥離して、細孔半径が1.0nm以下の細孔が露出するので、該活性炭のインドールの吸着性能が失われないことを見出した。
加えて、細孔半径が2〜20nmの細孔、すなわち、αアミラーゼ等の生体有用物質を吸着する細孔には、該ゼリー基材の原料のうち、同一の分子サイズをもつものが吸着される。つまり、該ゼリー基材は、該活性炭の細孔半径が2〜20nmの細孔を塞ぐので、本発明の経口投与薬中の活性炭は、体内で、αアミラーゼ等の有用物質の吸着が少ない。また、該ゼリー基材が、細孔半径が2〜20nmの細孔を塞ぐので、細孔半径が2〜20nmの細孔を多く有する活性炭も、本発明の経口投与薬に係る活性炭として、用いることができる。
本発明の経口投与薬の製造方法は、ゼリー基材原料水溶液調製工程と、活性炭混合工程と、冷却工程とを有する。
該ゼリー基材原料水溶液調製工程は、水及びゼリー基材の原料を混合し、加熱して、ゼリー基材原料水溶液を得る工程である。
該ゼリー基材原料水溶液調製工程に係る水は、飲水用の水であれば、特に制限されず、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水等が挙げられる。
該ゼリー基材原料水溶液調製工程に係るゼリー基材の原料は、本発明の経口投与薬に係るゼリー基材の原料と同様である。
そして、該水及び該ゼリー基材の原料を混合し、加熱し、該水に該ゼリー基材の原料を溶解させ、ゼリー基材原料水溶液を得る。加熱温度は、該ゼリー基材の原料が該水に溶解する温度であり、該ゼリー基材の原料の種類又は混合量により、適宜選択される。
該水の混合量は、該ゼリー基材原料水溶液中の水の含有量が、好ましくは65〜99.9重量%、特に好ましくは80〜99.7重量%、更に好ましくは90〜99.5重量%、より好ましくは90〜99重量%となるように調整する。
該活性炭混合工程は、該ゼリー基材原料水溶液に活性炭を混合し、活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を得る工程である。
該活性炭混合工程に係る活性炭は、本発明の経口投与薬に係る活性炭と同様である。
該活性炭の混合量は、該活性炭含有ゼリー基材原料水溶液中の活性炭の含有量が、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは7〜35重量%となるように調整する。
該活性炭混合工程は、該ゼリー基材原料水溶液を撹拌しながら、該活性炭を混合すること、又は該ゼリー基材原料水溶液に該活性炭を混合後、該活性炭含有ゼリー基材水溶液を撹拌することが、該活性炭が均一に分散される点で好ましい。また、該活性炭混合工程は、減圧下で行われることが、該活性炭の細孔内の空気が、該ゼリー基材原料水溶液中の水と置換され易くなる点で好ましい。また、該活性炭混合工程は、35〜80℃で行われることが、該活性炭の細孔内の空気が、該ゼリー基材原料水溶液中の水と置換され易くなる点で好ましい。
該活性炭混合工程では、該活性炭を該ゼリー基材原料水溶液に混合することにより、該活性炭が、該ゼリー基材原料水溶液に分散すると共に、該活性炭の細孔内の空気が、該ゼリー基材原料水溶液中の水と置換され、該活性炭の細孔が水で満たされる。
そして、該活性炭から、気泡の発生が無くなった後、該冷却工程を行う。該冷却工程は、該活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を冷却する工程である。冷却温度は、特に制限されないが、通常3〜15℃である。そして、該冷却工程を行うことにより、経口投与薬が得られる。
また、該活性炭混合工程において、混合する該活性炭を、予め、水に浸漬させること、すなわち、該活性炭混合工程に用いられる活性炭が、水に活性炭を浸漬して得られる含水活性炭であることが、更に体内で空気の排出が少なくなる点で好ましい。また、該浸漬を、減圧下で行うことが、該活性炭の細孔内の空気が、水に置換され易くなる点で好ましい。
本発明の経口投与薬の製造方法では、該活性炭混合工程で、該活性炭の細孔内の空気が水に置換されるので、本発明の経口投与薬の製造方法は、体内で空気の排出が少ない経口投与薬を製造することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(活性炭の製造)
活性炭の原料として、市販されている強酸性陽イオン交換樹脂(Amberjet1006)を用い、該強酸性陽イオン交換樹脂を110℃で3時間乾燥し、次いでロータリキルン中で空気を送りながら1分間に3℃の割合で、室温から300℃まで昇温し、300℃で1時間保持して熱処理を行った。次いで空気送入を停止して、代わりに窒素ガスを送入し、窒素雰囲気下で、1分間に3℃の割合で600℃まで昇温して炭化を行った。次いで、窒素ガス送入を停止して、代りに水蒸気を送り、水蒸気雰囲気とし、1分間に8℃の割合で850℃まで昇温し、850℃で4時間保持して水蒸気賦活を行い、活性炭Aを得た。該活性炭Aの平均粒径は340μm、充填密度は0.61g/ml、0.32〜0.60nmの細孔の細孔容積は690mm/gであった。
・強酸性陽イオン交換樹脂;Amberjet1006、ローム・アンド・ハース社製、イオン交換容量2.5mg当量/ml(湿潤樹脂)、乾燥密度0.85g/ml、乾燥後の平均粒径583μm
(経口投与薬の製造)
イオン交換水95.55重量部及びゼラチン(分子量:10万〜20万)1.95重量部を混合し、45℃で1時間加熱した。次いで、得られたゼラチン水溶液に、該活性炭A 2.5重量部を混合し、0.5時間撹拌した。この時、該活性炭Aから気泡が発生しているのが確認された。そして、気泡の発生が無くなるまで、撹拌を続けた。次いで、得られた活性炭含有ゼラチン水溶液を、4℃に冷却し、該活性炭含有ゼラチン水溶液を、固化させ、ゼリー状の経口投与薬Bを得た。該経口投与薬B中の該活性炭Aの含有量は、2.5重量%であった。また、該経口投与薬Bのゼリー基材中の、ゼラチンの含有量は2重量%、水の含有量は98重量%であった。
(インドール吸着試験)
インドール1000mgを正確に量り、1Lの純水に溶かし、1000mg/Lのインドール水溶液を調製した。上記経口投与薬B 2g(該活性炭Aに換算すると0.05g)を量り、共栓付き三角フラスコに採った。該インドール水溶液100mlを正確に測り採り、該経口投与薬Bの入った共栓付き三角フラスコに加え、37±1℃で1時間振り混ぜる。その後、フラスコの内容物を採取して試料溶液とした。そして、該試料溶液の吸光度の測定を270nmの波長で行った。該試料溶液の吸光度と検量線よりインドール残量を計算し、インドール吸着前後の濃度から、該経口投与薬B中の該活性炭A 1g当りのインドールの吸着量、すなわち、該活性炭Aの単位重量当りのインドールの吸着量を算出した。その結果を表1に示す。
なお、検量線は、0、5、10、20、50、75mg/Lのインドール水溶液を調製し、270nmでの各吸光度を測定して、作成した。
(気泡の発生の有無の確認)
製造直後の経口投与薬B0を、37℃の水に入れ、30分間放置したところ、該経口投与薬B0のゼラチンが、水に溶解するのが観察された。この時、該経口投与薬B0から、気泡は発生しなかった。
(保水性の評価)
製造後1日経過した経口投与薬B1を、37℃の水に入れ、30分間放置したところ、該経口投与薬B1のゼラチンが、水に溶解するのが観察された。この時、該経口投与薬B1から、気泡は発生しなかった。また、製造後3日経過した経口投与薬B3及び製造後7日経過した経口投与薬B7についても、同様に、気泡の発生の有無を観察したところ、いずれも、気泡は発生しなかった。
製造後7日経過した経口投与薬B7から、気泡が発生しなかったことから、本発明の経口投与薬が、保水効果を有することが確認された。
(実施例2〜4)
(活性炭の製造)
実施例1と同様の方法で、活性炭Aを得た。
(経口投与薬の製造)
表1に示す割合で、イオン交換水及びゼラチンを混合する以外は、実施例1と同様の方法で行い、経口投与薬を得た。その結果を表1に示す。なお、いずれの場合も、活性炭Aをゼラチン水溶液に混合した際に、該活性炭Aから気泡が発生していることが確認された。
(インドールの吸着試験)
上記で得た経口投与薬を用いる以外は、実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
(参考例1)
ゼリー基材に包摂されていない活性炭Aのインドールの吸着性能を求めた。
(活性炭の製造)
実施例1と同様の方法で、活性炭Aを得た。
(インドールの吸着試験)
上記経口投与薬B 2gに代えて、乾燥した活性炭A 0.05gとする以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006273772
(実施例5〜8)
活性炭として、市販の活性炭C(商品名クレメジン、呉羽化学社製)を用意した。該活性炭Cの平均粒径は312μm、充填密度は0.48g/ml、0.32〜0.60nmの細孔の細孔容積は810mm/gであった。
(経口投与薬の製造、インドールの吸着試験)
活性炭Aに代えて、活性炭Cとし、イオン交換水、ゼラチン及び活性炭Cの混合量を表2に示す通りとする以外は、実施例1と同様の方法で経口投与薬を得た。その結果を表2に示す。なお、いずれの場合も、該活性炭Cをゼラチン水溶液に混合した際に、該活性炭Cから気泡が発生していることが確認された。
(参考例2)
ゼリー基材に包摂されていない活性炭Cのインドールの吸着性能を求めた。
(インドールの吸着試験)
経口投与薬B 2gに代えて、乾燥した活性炭C 0.05gとする以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表2に示す。
Figure 2006273772

Claims (9)

  1. 活性炭が、水を含有するゼリー基材に包摂されていることを特徴とする経口投与薬。
  2. 前記活性炭の、細孔半径が1.0nm以下の細孔の細孔容積が、0.2〜2.5ml/gであることを特徴とする請求項1記載の経口投与薬。
  3. 前記活性炭の、細孔半径が1.0nm以下の細孔の細孔容積が、1.0〜2.5ml/gであり、且つ前記活性炭の充填密度が、0.3g/ml以上であることを特徴とする請求項1記載の経口投与薬。
  4. 前記活性炭の、細孔半径が0.60nm以下の細孔の細孔容積が0.2〜1.0ml/gであり、且つ前記活性炭の充填密度が、0.65〜0.85g/mlであることを特徴とする請求項1記載の経口投与薬。
  5. 前記活性炭が、乾燥密度が0.56〜1.0g/mlのイオン交換樹脂、該イオン交換樹脂の熱処理物、乾燥密度が0.3〜1.0g/mlのジビニルベンゼン共重合体、又は該ジビニルベンゼン共重合体の熱処理物を、炭化処理し、次いで、賦活処理して得られる活性炭であることを特徴とする請求項1記載の経口投与薬。
  6. 前記ゼリー基材の原料が、寒天、ゼラチン、カラギーナン、ジェランガム、ファーセレラン、マンニトール、アルギン酸、キサンタンガム、カードラン、ペクチン及びグルコマンナンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の経口投与薬。
  7. 前記ゼリー基材の原料の分子量が、1万〜100万であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の経口投与薬。
  8. 水及びゼリー基材の原料を混合し、加熱し、ゼリー基材原料水溶液を得る、ゼリー基材原料水溶液調製工程と、該ゼリー基材原料水溶液に活性炭を混合し、活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を得る、活性炭混合工程と、該活性炭含有ゼリー基材原料水溶液を冷却する、冷却工程とを有することを特徴とする経口投与薬の製造方法。
  9. 前記活性炭が、水に活性炭を浸漬させて得られる含水活性炭であることを特徴とする請求項8記載の経口投与薬の製造方法。
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