JP2006273713A - ナノカーボンの製造方法及びナノカーボンの製造装置 - Google Patents

ナノカーボンの製造方法及びナノカーボンの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プロセス容器等を必ずしも必要とせず、溶接用アークトーチ若しくは類似した構造を持つ装置を用いたアーク放電によって、炭素を主成分とした被アーク材を蒸発させてすすを発生させ、そのすすを回収するための方法を提供し、その製造装置を提供するものである。
【解決手段】第1電極であるアークトーチ1のトーチ電極10と、第2電極である黒鉛板を用いた被アーク材2を対面配置する。トーチ電極10と被アーク材2端部との間に電位を印加してアーク放電を発生させ、アーク放電にさらされた被アーク材2端部の黒鉛を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させ、すすの放出方向を制御しながら回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナノカーボンの製造方法及びナノカーボンの製造装置に関する。
特に、炭素を主成分としたナノスケール(10−6〜10−9m)サイズの粒子の製造方法等に好適なものである。
以下、電子放出源を例として説明を行うことにする。
電界電子放出源は、加熱を必要とした熱電子放出源と比べて、省エネルギーで長寿命である。現在、電界電子放出源の材料には、Si(シリコン)等の半導体,Mo(モリブデン),W(タングステン)のような金属の他、ナノチューブに代表されるナノスケールサイズの炭素材料等(以後、炭素系ナノ材料)がある。中でも、炭素系ナノ材料は、それ自体が電界を集中させるのに十分なサイズとシャープさを持ち、比較的化学的に安定で、機械的強度も優れているという特徴を呈するため、電界電子放出源として有望である。
従来の炭素系ナノ材料の代表であるナノチューブの製造方法には、レーザアブレーション法,不活性ガス中の黒鉛電極間のアーク放電法,炭化水素ガスを用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法などがある。中でも、アーク放電法で製造したナノチューブは、原子配列の欠陥が少なく、電界電子放出源には好適である。
従来のアーク放電法のプロセスは、以下のとおりである(特許文献1参照)。
二つの黒鉛電極を容器内に対向して配置した後、容器を一旦排気し、その後不活性ガスを導入し、アークを発生させる。アークの陽極は激しく蒸発し、すすを発生させ、また陰極表面に堆積する。数分以上アーク放電を持続させ、その後装置を大気開放して、陰極堆積物を取り出す。陰極堆積物は、ナノチューブを含むソフトコアとナノチューブを含まないハードシェルとで構成されている。なお、陽極に触媒金属を含有した黒鉛を用いた場合、すす中にナノチューブが存在する。ソフトコア若しくはすすからナノチューブを取り出し、そのナノチューブを基板に坦持して電子放出源とする。
特開2000−95509号公報
従来のアーク放電法におけるナノチューブ等の炭素系ナノ材料及び該炭素系ナノ材料からなる電子放出源製造の課題点は、以下のとおりである。
ナノ材料生成時に、真空容器、真空排気装置、不活性ガス導入装置が必要であり、装置コストが比較的高い。また、排気,大気解放を繰り返さなければならず、工程が長い。それから、プロセス終了後、陰極堆積物の回収若しくはすすの回収、更には装置の清掃を毎回行わなければならないため、連続大量生産には不向きである。更にまた、この方法で生成した炭素系ナノ材料を用いて電子放出素子を作成するためには、ソフトコアとハードシェルとの分離、すすからの単離、精製、基板への坦持など更に多くの工程が必要である。
本発明は、プロセス容器等を必ずしも必要とせず、溶接用アークトーチ若しくは類似した構造を持つ装置を用いたアーク放電によって、炭素を主成分とした被アーク材を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させ、そのすすを回収するための方法を提供し、その製造装置を提供するものである。
また、その製造回収を容易にするために、放電周囲領域またはすす飛散部周囲に基材が存在し、その基材に被着したすすを基材を介して回収する方法を提供し、その製造装置を提供するものである。同様に、放電周囲領域またはすす飛散部周囲に流体(液体)が存在し、その流体に分散・溶解したすすを流体を介して回収する方法を提供し、その製造装置を提供するものである。同様に、放電周囲領域またはすす飛散部周囲に粒状体が存在し、その粒状体に被着又は分散したすすを流体を介して回収する方法を提供し、その製造装置を提供するものである。
更に、回収したナノカーボン又はナノカーボンと金属微粒子との複合すす(複合材料)は、水素吸蔵材としても利用できる。
請求項1に記載されたナノカーボンの製造方法は、
第1電極と炭素材料を主成分とする第2電極を対向配置する工程と、大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させる工程と、前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程と、前記ナノカーボンを含むすすを回収する工程を備え、前記すすの放出方向を制御する制御手段を備えていることを特徴としている。
請求項2に記載されたナノカーボンの製造方法は、
第1電極と炭素材料を主成分とする第2電極を対向配置する工程と、大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させる工程と、前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程と、前記ナノカーボンを含むすすを回収する工程を備え、前記アーク放電の発生領域に特定ガス又は空気を供給することにより前記すすの放出方向を制御することを特徴としている。
請求項3に記載されたナノカーボンの製造方法は、
第1電極と炭素材料を主成分とする第2電極を対向配置する工程と、大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させる工程と、前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程と、前記ナノカーボンを含むすすを回収する工程を備え、前記第1電極と前記第2電極のなす角度を45度乃至135度の範囲で調整することにより前記すすの放出方向を制御することを特徴としている。
請求項4に記載されたナノカーボンの製造方法は、請求項3記載のナノカーボンの製造方法において、
前記第2電極の炭素材料は、添加物を含有又は内蔵している炭素材料、若しくは添加物が表面の一部分或いは全部に散布,塗布,メッキ若しくはコートされている炭素材料を用いることを特徴としている。
請求項5に記載されたナノカーボンの製造方法は、請求項3記載のナノカーボンの製造方法において、
前記アーク放電の発生領域に特定ガス又は空気を供給しながら前記アーク放電を行うことを特徴としている。
請求項6に記載されたナノカーボンの製造方法は、請求項2又は5記載のナノカーボンの製造方法において、
前記第1電極側から前記アーク放電の発生領域に前記特定ガス又は前記空気を供給しながら前記アーク放電を行うことを特徴としている。
請求項7に記載されたナノカーボンの製造方法は、請求項2又は5記載のナノカーボンの製造方法において、
前記第1電極がアークトーチに設けられたトーチ電極であり、該トーチ電極と前記第2電極を相対移動させながら、前記アークトーチに特定ガス又は空気を供給して前記アーク放電の発生領域に前記特定ガス又は前記空気を供給しながら前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程を備えたことを特徴としている。
請求項8に記載されたナノカーボンの製造装置は、
第1電極と炭素材料又は添加物を含有している炭素材料又は添加物が表面に形成されている炭素材料を主成分とする第2電極を所定間隔に保持してなる電極と、大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させて、該アーク放電により前記炭素材料を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させるための電源からなるアーク発生手段と、前記すすを回収する回収部材と、前記すすの放出方向を制御する制御手段を備えていることを特徴としている。
請求項9に記載されたナノカーボンの製造装置は、
第1電極と炭素材料又は添加物を含有している炭素材料又は添加物が表面に形成されている炭素材料を主成分とする第2電極を所定間隔に保持してなる電極と、大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させて、該アーク放電により前記炭素材料を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させるための電源からなるアーク発生手段と、前記すすを回収する回収部材と、前記すすの放出方向を制御するため前記アーク放電の発生領域に特定ガスを供給する特定ガス供給手段を備えたことを特徴としている。
請求項10に記載されたナノカーボンの製造装置は、
第1電極と炭素材料又は添加物を含有している炭素材料又は添加物が表面に形成されている炭素材料を主成分とする第2電極を所定間隔に保持してなる電極と、大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させて、該アーク放電により前記炭素材料を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させるための電源からなるアーク発生手段と、前記すすを回収する回収部材と、前記第1電極と前記第2電極のなす角度を45度乃至135度の範囲で調整する手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、ナノカーボンの極めて容易な製造方法及び製造装置を提供することができる。
また、製造が容易で、かつ、連続大量生産が可能な炭素系ナノ材料の製造方法及び製造装置を提供することができる。
さらに、ナノカーボン(すす)の放出方向を制御可能な炭素系ナノ材料の製造方法及び製造装置を提供することができる。
さらにまた、陰極堆積物が堆積することを防止可能な炭素系ナノ材料の製造方法及び製造装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は図示の構成に限定されるわけではなく、様々な設計変更が可能であることは勿論である。
本発明では、カーボンナノチューブ,カーボンナノファイバ,カーボンナノ粒子(ナノホーンを含む),CNナノチューブ,CN(ナノ)ファイバ,CNナノ粒子,BCNナノチューブ,BCN(ナノ)ファイバ,BCNナノ粒子,フラーレン、若しくはこれらの混合物などをまとめて、ナノカーボン材料と呼ぶことにする。
また、本発明のナノカーボン材料を含むすすは、カーボンのみ若しくはカーボン以外にも少なくとも金属微粒子を含むものである。
図1は、本発明の一実施形態であるナノカーボンの製造方法、ナノカーボンのパターン化方法、ナノカーボン及びナノカーボンと金属微粒子の複合材料(複合すす),ナノカーボン基材及び電子放出源の製造方法に使用する製造装置(パターン化装置を含む)である。
本実施形態は、大気中(又は大気圧中)又は空気中又は所定ガス雰囲気中において、汎用のTIG等の溶接用アークトーチ(不活性ガスアーク溶接)及び電源(溶接電源)を用い、被アーク材の端部等に対し、アーク放電を例えば短時間発生させ、被アーク材を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させ、そのすすを回収部材(補集部材)の一例である基材上に堆積等させるものである。
ここで、空気とは、大まかには窒素:酸素=4:1のガス組成のものを含む。また、空気中とは、例えば、0.5〜1.5気圧(50kPa〜150kPa)程度を含むものである。
TIG溶接は、通常不活性ガス被包中で非消耗のW(タングステン)電極と母材との間にアーク放電を発生させ、必要な場合には別に充填金属を加えて行う溶接法である。
図1に示すように、本発明の製造装置は、第1電極とするトーチ電極10を有する溶接用のアークトーチ1と、前記アークトーチ1に対向して配置された第2電極とする被アーク材2と、前記アークトーチ1と前記被アーク材2との間に電圧を印加(例えば、接触点弧,高電圧印加,高周波印加等があげられる)してアーク4を発生させ被アーク材2を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる溶接用の電源5と、前記アーク4に対向して配置すると共に、前記すすを堆積させる回収部材とするガラス等の基板(基材)3と、前記アークトーチ1に特定ガスを供給するガス供給源であるガスボンベ6と、前記ガスボンベ6からの特定ガスの流量を調整するガス調整器及び流量計7から構成される。トーチ電極10と、炭素材料を主成分とする被アーク材2は、大気中又は空気中で対向配置されている。また、8はアークトーチ1の先端部を示す。14は、基板3に堆積したすすを示す。
図2は、図1に示したナノカーボンの製造装置におけるアークトーチ1の先端部8の拡大断面図である。図2に示すように、アークトーチ1の先端部8は、アークトーチ1のノズル9と、第1電極とするタングステン等からなるトーチ電極10と、前記トーチ電極10を保持する電極ホルダ11と、前記ノズル9と前記電極ホルダ11の間の空間であって、前記アークトーチ1と前記被アーク材2との間で発生したアーク4(アーク放電の発生領域)に供給される被包ガス12の流路から構成される。
汎用のTIG溶接用電源5は、アークトーチ1に特定ガス12を流す仕組みになっており、通常Ar(アルゴン)ガスを供給する。ナノカーボンの製造において、使用するガスの種類は特に限定されず、Ar,He(ヘリウム)などの希ガス,空気,N(窒素)ガス,CO(二酸化炭素)等の炭酸ガス,O(酸素)ガス,H(水素)ガス,若しくはこれらの混合ガスなどを流して差し支えない。また、何も流さなくても良い。但し、アークトーチ1にはガス12を流した方がより好ましい。
特に、希ガスを使用した場合には、ナノカーボンと希ガスとが化学反応を生じないことから、生成されたナノカーボンが破壊される可能性が少ないため、希ガスを使用するのが最も好ましい。即ち、大気中では、ナノカーボンと大気中の酸素などが化学反応(燃焼する)を生じる可能性、即ち、生成されたナノカーボンがガス化又は変質する可能性が高いことから、希ガスを使用して、この反応を防ぐことは非常に効果的である。
また、十分なシールドガス12を流せば、陰極堆積物が第1電極(陰極)に堆積することを防止できる。仮に、このシールドガス12が少ないと堆積が発生して、第1電極の形状を変形させてしまう場合がある。この場合、アーク放電を不安定にしてしまうことになる。
従って、基本的に容器は必要ないが、作業場所の清浄を保つため、不活性ガス中で行いたい場合、あるいは風などに起因される対流の影響を防ぎたい場合などには、被包手段である簡単な容器内(真空容器や加圧容器でも良い。また、密閉型の容器でも開放型の容器でも良い)に作業部を含む装置全体を入れても良い。容器(外囲器)内の圧力は特に限定されないが、操作性の面からは大気圧前後が良い。ここで、大気圧前後とは、例えば、0.9〜1.1気圧(90kPa〜110kPa)程度を含む。同様に、大気とは、一般に、主天体を取り巻く気体のガスであり、主に地球のものを言う。地球では、窒素と酸素を主成分とし、他に二酸化炭素,ネオン,ヘリウム,メタン,水素などを少量含む混合物である。また、水蒸気も含んでいる。
通常のTIG溶接では、トーチ電極10にトリウム入りW電極あるいはセリウム入りW電極が利用される。ナノカーボンの製造においては、それらの電極を利用しても良いが、Wの溶融微粒子が電子放出源に付着するのを避けるため、純黒鉛をトーチ電極10に用いた方がよい。また、トーチ電極に、Mo若しくはNiなどの高融点金属を主成分とする材料を使用してもよい。トーチ電極10の直径は特に限定されないが、汎用のトーチを利用するには、1〜7mm程度が良い。
更に、汎用のTIG溶接トーチのように、金属製電極ホルダ11は水冷されることが望ましい。大面積ナノカーボン基材の製造、或いはナノカーボン若しくはナノカーボン基材の連続的大量生産のため、アーク4を連続的に(或いは間欠的に)長時間発生させた場合、第1電極であるトーチ電極10および電極ホルダ11が加熱され過ぎてしまう。その結果、トーチ電極10の消耗が激しくなり、また、電極ホルダ11自体が破損する可能性が生じる。アークトーチ1にガス12(特定ガス)を流す等により電極ホルダ11が冷却されれば、電極ホルダ11自体が加熱によって破損することは無くなり、更に、トーチ電極10も電極ホルダ11で冷却されるため、電極の消耗が抑制される。
アーク電流は、直流,直流パルス,交流及び交流パルスが利用できるが、すす14をより多く発生させるためには、直流又は直流パルスが良い。
直流若しくは直流パルスを使用した場合、交流及び交流パルスを使用した場合(被アーク材2に陰極点が交番的に形成される)に比べて、蒸発箇所の温度が高く、且つ加熱領域が広いため、蒸発が盛んになる。よって、アーク電流に直流若しくは直流パルスを使用した方がより好ましい。
アーク電流の値は5A〜500Aの広い範囲で利用できる。被アーク材を破壊しないためには、30A〜300Aが適当である。被アーク材の蒸発を高速にかつ十分に発生させるには、100〜300Aがより好ましい。
アークをパルス電流で運転する場合、その周波数は限定されないが、汎用電源の実情から見て、1Hz〜500Hzが適当である。
尚、すすを回収する場合には、例えば、基材となる回収板を回転させて、回転先の一箇所又は複数箇所に配置したスクレーパーで剥ぎ取る、という方法が使用できる。ここで、回収板は回転させなくても、前後進運動でも同様である。
更に、すすは、回収板に付着するだけでなく、大気中(気密容器中)にも浮遊する。従って、大気中に浮遊するすすを、吸引装置およびフィルタを用いて回収すれば、より回収率を上げることができる。
TIGアークトーチの代わりに、MIG(metal−electrode−inert−gas)トーチ等を利用しても良い。また、TIGアークトーチに類似した構造を持つ装置(溶接用トーチ)、例えば、MAG(Metal−electrode−Active−Gas),プラズマガウジング(プラズマ切断)用が利用できる。また、溶射用トーチ(プラズマスプレイ用トーチ)や、溶鉱炉用移行型アークトーチを利用してもよい。
被アーク材2は黒鉛を主成分とし、その形状及びサイズは特に限定されないが、被アーク材2の蒸発を容易にするため及び操作性の面からは、細い板状若しくは細い棒状のものが良い。例えば、アーク電流が30〜300A程度の場合には、被アーク材2は、厚さ1〜3mm、幅10mm程度の細い板状若しくは細い棒状のものが好ましい。更に、厚さ及び幅がある被アーク材2を使用する場合には、アーク電流を大きくする必要がある。
炭素材料を主成分とする(即ち、炭素材料を大量に含んだ)被アーク材2は、トーチ電極10の対向電極である。この炭素材料としては、黒鉛,活性炭,アモルファスカーボンなどが使用可能である。
また、アーク4の熱から被アーク材2を保護する(即ち、アーク4の熱による被アーク材2の破壊される可能性を低減する)ためには、被アーク材2を冷却するため、水冷された電極台である水冷ベンチ3の上で加工すると良い。
被アーク材2はよく乾燥していても良いが、水分を含んでいても良い。
但し、被アーク材2が水分を含んでいると、アーク4のエネルギーが水分の蒸発に吸収されてしまい、蒸発箇所の温度を上げ難くなるためには、乾燥している方がより好ましい。逆に、被アーク材2が濡れていたり、湿っていたり、水分を含んでいたり、水中にあったりする場合、アーク4による被アーク材2の加熱を防ぐことができる。同様に被アーク材2の加熱を防ぐためには、被アーク材2を直接水冷したり、油冷したりすることができる。また、水や炭酸ガスなどの冷却媒体を、被アーク材2に吹き付けたり、スプレイしたりすることができる。
被アーク材2は、純黒鉛でも良いが、蒸発を促進する添加物やすすのナノサイズ化の触媒となるような添加物と黒鉛とが同時に蒸発するようなものが良い。
その添加物には、Li(リチウム),B(ホウ素),Mg(マグネシウム),Al(アルミニウム),Si(ケイ素),P(リン),S(硫黄),K(カリウム),Ca(カルシウム),Ti(チタン),V(バナジウム),Cr(クロム),Mn(マンガン),Fe(鉄),Co(コバルト),Ni(ニッケル),Cu(銅),Zn(亜鉛),Ga(ガリウム),Ge(ゲルマニウム),As(ヒ素),Y(イットリウム),Zr(ジルコニウム),Nb(ニオブ),Mo(モリブデン),Rh(ロジウム),Pd(パラジウム),In(インジウム),Sn(スズ),Sb(アンチモン),La(ランタン),Hf(ハフニウム),Ta(タンタル),W(タングステン),Os(オスシウム),Pt(白金),若しくはこれらの酸化物又は窒化物又は炭化物又は硫化物又は塩化物又は硫酸化合物又は硝酸化合物、若しくはそれらの混合物が利用できる。
添加物は、黒鉛に含有させたり、内蔵させたりできる。また、添加物を黒鉛の表面に散布,塗布,メッキ若しくはコートしても良い。更にまた、添加物を黒鉛上に載せたり、黒鉛の間に挟んでも良い。つまり、被アーク材2は、黒鉛と添加物とが同時にアーク4によって加熱されるような構造をしていれば良い。
被アーク材2を効率良く蒸発させるには、丸棒、角棒、板などの端(材料の端部または端面)若しくは穴部(貫通穴)に対してアーク放電を発生させることが好ましい。また、被アーク材2の端等以外、例えば板などの水平面(即ち、板などの中央部等)に向かってアーク4を照射する場合にも、すす14は発生する。しかし、より多量に発生させるためには、被アーク材2の端等に照射したほうがより好ましい。逆に、被アーク材2の端等以外に向かってアーク4を照射する場合には、被アーク材2に凸部や凹部などを形成して、該凸部(凹部を形成したことによる凸部を含む)等に向かってアーク4を照射したほうが好ましい。
図3(a)は、添加物22を黒鉛21の表面に散布,塗布,メッキ若しくはコートした状態,若しくは,黒鉛21からなる黒鉛板上に添加物22からなる添加物板材を載せた構造を示している。同様に、図3(b)は、添加物22の線材を黒鉛21からなる黒鉛板間に挟んだ構造を示している。
黒鉛21と添加物22が同時に加熱されると、蒸発温度の違いにより被アーク材2の蒸発が促進される。より詳細に述べると、黒鉛21の昇華温度よりも、添加物22、例えばNiやYの蒸発温度の方が低いので、NiやYの微粒子が黒鉛に混ざっていると、それらが黒鉛21内部で爆発的に蒸発するため、周囲の黒鉛も粉砕される。このため、被アーク材2の微粒子化(被アーク材2の蒸発)がより促進される。尚、NiやYについては、冷却過程で凝集して微粒子を形成し、その微粒子は単層カーボンナノチューブを成長させるための触媒として働くことになる。
被アーク材2端部から大量のすす14を発生させ、そのすす14を基板に堆積させるためには、アークトーチ1と被アーク材2のなす角度を45度〜135度の範囲としたほうが良い。
ここで、アークトーチ1と被アーク材2のなす角度について説明する。
図4は、アークトーチ1と被アーク材2のなす角度を示す図である。
図4に示すように、まず、アークトーチ1のトーチ電極10の略中心軸を直線Aとする。次に、被アーク材2が線状部材、例えば断面形状が円柱や角柱などから構成される線材である場合には、線状部材の略中心軸を直線Bとする。この場合には、直線Aと直線Bのなす角度(図4では90度)を意味している。
同様にして、被アーク材2が板状部材、例えば直方体からなる場合には、直方体のX軸又はY軸又はZ軸の何れかが、前記の直線Bに相当する。
図5に示すように、アークトーチ1と被アーク材2とが直線状(180度)に配置されていると、すす14の放出方向が広範囲に及ぶことになる。
これは、アークスポット(被アーク材2におけるアーク放電箇所)が安定せず、すす14が前後左右いろいろな方向に放出されるためである。この場合には、基板を、アーク放電領域に対向させて、予想されるすす14の放出方向を取り巻くように複数(円筒状の基板であれば1つ)配置すれば良い。
図5に示す装置は、図1に示す装置の基材に代えて、基材の機能を兼用した被覆部材15を配設している。この被覆部材15は、ガラス,セラミックス、金属などからなる開放容器である。被覆部材15は、アークトーチ1のトーチ電極10と被アーク材2とアーク4を囲むように、上下の面を開放した円筒状又は角柱状の形状を有している。これにより、作業場所の清浄を保ったり、あるいは風などに起因される対流の影響を防ぐことができる。また、この被覆部材15を気密容器として、アークトーチ1と被アーク材2とアーク4を内包するようにすれば、アーク放電を不活性ガス中で行うことができる。更に、この気密容器内に装置全体を入れることも可能である。
ここで、図5に示す被覆部材15は、すす14を被着させる基材(回収部材)である基板としての機能を兼用している。すなわち、すす14が飛散する領域を囲むように配置されるとともに、すす14が被着するに足る大きさを有している。このような構成にすれば、装置の構成要素を減らすことができる。勿論、基材と被覆部材を別々に設けることが可能である。尚、この被覆部材15については、図1や図6など他の実施例についても適用可能であることは言うまでもない。
アークトーチ1と被アーク材2との距離は0.1〜10mmが適当である。
また、被アーク材2と基板3との距離は1〜50mmが適当である。
図1では、被アーク材2と基板3とがほぼ平行に配置されているが、これらがなす角度は限定されず、例えば、垂直でも良い。
尚、被アーク材2の黒鉛が蒸発しても、被アーク材2を所定方向に移動可能に保持する手段を設けておけば、黒鉛の蒸発の度合いに応じて、被アーク材2とアークトーチ1のトーチ電極10との間隔を調整することが可能となる。勿論、トーチ電極10を所定方向に移動可能又はトーチ電極10と被アーク材2の両方を移動可能に保持する手段を設けておいても良い。これにより、最適な製造条件を維持すること等が可能となる。
また、被アーク材2の黒鉛が蒸発して、被アーク材2の端又は被アーク材2の突状部の形状が変形してきたら、他の端部等に移動させたり、端部が線状又は面状の場合には、それらに沿って、トーチ電極10と被アーク材2の片方又は両方を、所定方向に移動可能に保持する手段を設けておけば、同様に最適な製造条件を維持すること等が可能となる。
更にまた、上記の移動方法2つを組み合わせると更に良い。
それから、アークトーチ1と被アーク材2との相対移動については、手動(人間の手)で行ってもよいし、アークトーチ1を3方向(即ち、被アーク材2に平行な面(X方向及びY方向)及びその面に垂直な方向(Z方向))に移動させる移動手段を有する装置を使用して自動で行っても良い。
特に、例えばNC装置(数値制御装置)等を使用すれば、被アーク材2の端(材料の端部または端面)又は凹部や穴部(貫通穴)又は凸部など、被アーク材2の所望部分にアーク4を照射することが可能となる。
本発明による製造方法によれば、トーチ電極10と被アーク材2の間隔及び位置を調整しながら、基板3を順次取り替えることにより、ナノカーボン又はナノカーボンを含むすす(ナノカーボンを含む複合材料)の連続生産が可能である。また、基板3を連続的に配置しておき、トーチ電極10と被アーク材2の間隔を調整しながら、基板3群に沿って相対移動させることにより、ナノカーボン又はナノカーボンを含むすすの連続生産が可能となる。更に、基板3が大面積の場合、トーチ電極10と被アーク材2の間隔及び位置を調整するか、若しくは基板3自体を移動させることにより、大面積ナノチューブ基材を製造することができる。
以上の製造方法において、アークトーチ1に流す気体として空気や窒素を利用すると、Nを含んだナノカーボン、いわゆるCNナノチューブが形成できる。また、被アーク電極として、Bを含む材料を含有した黒鉛若しくは金属触媒(添加物)等入り黒鉛,若しくはBを含む材料を散布,塗布,メッキ又はコートした黒鉛,若しくはBを含む材料及び添加物を含む材料を散布,塗布,メッキ又はコートした黒鉛を用いると、BCNのネットワークを含んだナノカーボン、いわゆるBCNナノチューブが形成できる。同様にして、雰囲気ガスや添加物を変えることにより、種々のナノカーボンが形成できる。ここで、Bはホウ素、Cは炭素、Nは窒素をそれぞれ示す。
また、以上の方法によって製造したナノカーボンを含む電子放出源において、電子放出を阻害するナノ粒子を、酸化除去すると電子放出源の性能が向上する。
図6に示すように、すす14の放出方向は、前記した、アークトーチ1と被アーク材2との角度を調整することにより、制御することができる。
即ち、図中の点線矢印で示す方向にアークトーチ1を傾けると、その傾きの大きさに応じて、基板3上に堆積するすす14の堆積位置を変えることが可能となる。ここで、すす14の放出方向とは、すす14が基板3上に堆積する確立が最も高い(すす14が最も厚く堆積する)領域を指し示す。
また、アーク4と基板3との成す角度を調整することより、同様な制御が可能である。
図6に示す装置は、図1に示す基材に加えて、自然水やシリコーンオイルや油(アーク放電発生温度以下で流動性のある油)などからなる流体(液体)16と該流体16を収納し、ガラス,セラミックス、金属などからなる開放容器である流体の容器17を、すす14が飛散する領域に配設している。そして、流体の容器17は、内部に収納した流体16中に、更に基板3を収容している。
尚、流体としては、上記以外にも、水溶液・ドライアイス・液体窒素・液体ヘリウム等の低温冷媒が使用できる。
更に、この流体容器17は、アーク4を囲むように、上面を開放した円筒状又は角柱状の容器である。これにより、作業場所の清浄を保ったり、あるいは風などに起因される対流の影響を防ぐ被覆部材としての機能を兼用している。すなわち、すす14が飛散する領域をカバーするように配置されるとともに、すす14が被着するに足る大きさを有している。このような構成にすれば、装置の構成要素を減らすことができる。勿論、この基材については、ナノカーボンのパターン化を行わず、ナノカーボンを製造する場合には、必ずしも必要ではない。
また、この場合流体でなくても、砂・ガラス・セラミック・金属等の耐熱性微粒子(これらをまとめて粒状体と呼ぶ)でも可能である。更には、前記流体(液体)と前記耐熱性微粒子の混合物でもかまわない。この場合、容器17は、粒状体の容器又は流体及び粒状体の容器とする。
この流体容器17等については、図1や図6など他の実施例についても適用可能であることは言うまでもない。
ここで、この流体容器から基板3を取り除き、この流体容器17を流体16が循環するような閉じた系の流路を有する容器とする。そして、その流路の途中に、ナノカーボンを含むすす14を回収する機能を有するろ過部材等を設ける。このような構成にすれば、すす14を連続的に回収することが可能となり、より簡単な製造方法及びそれに使用する装置を提供することができる。
また、もちろん基板3を設置せず、流体表面にすすを付着または流体中に沈着させた後、流体を精選、ろ過して所定ナノカーボン材料を抽出、精選させてもよい。
本発明による製造方法によれば、トーチ電極10と被アーク材2の間隔及び位置を調整しながら、基板3を順次取り替えることにより、ナノカーボン又はナノカーボンを含むすす(ナノカーボンを含む複合材料)の連続生産が可能である。また、基板3を連続的に配置しておき、トーチ電極10と被アーク材2の間隔を調整しながら、基板3群に沿って相対移動させることにより、ナノカーボン又はナノカーボンを含むすすの連続生産が可能となる。更に、基板3が大面積の場合、トーチ電極10と被アーク材2の間隔及び位置を調整するか、若しくは基板3自体を移動させることにより、大面積ナノチューブ基材を製造することができる。
図7は、電子放出面を基板3上にパターン状に形成する方法の一例を示している。この場合、マスク13を基板3上に設置し、その上からすす14を堆積させており、このマスク13を取り去れば、マスク13と同じパターンを呈する電子放出面が得られる。この際、基板上3に、マスクの開口部に対応する電極等を設けておけば、カソード電極等として使用可能である。また、基板3を絶縁物とし、パターンの各島にそれぞれ配線を施せば、それぞれの島から独立して電子放出が可能となる。パネル型ディスプレイを製作する際に有用な製造方法となる。
尚、マスク13は、基板3の上方(被アーク材2と基板3との間の空間)に設置しても良い。また、マスク13をアーク4の近傍に配設する場合には、高融点金属,セラミックス,黒鉛などアークの高温および熱衝撃に耐えるものを使用する。
同様にして、使用する基板3に制限はない。基板3とその表面に堆積するすす14との密着性を向上するため、或いは、基板3とすす14との電気的特性をより良くする為に、基板3上に接着層23を設けても良い。また、アーク4の熱から基板3を保護するために、製作時に基板3を冷却しても良い。
基板3を冷却した方が、熱によって基板が破壊される(割れてしまう)可能性を低減させることができるため、製作時に基板3を冷却する手段を付加して、基板3を冷却した方が好ましい。
交流アーク若しくは交流パルスアークの場合、被アーク材2として純黒鉛,添加物等を含む材料を含有させた黒鉛,又は、添加物等を含む材料を散布,塗布,メッキ,コート(蒸着)若しくは注入した黒鉛を用いることができる。
一方、直流アーク若しくは直流パルスアークの場合、純黒鉛は利用できないが、添加物等を含む材料を含有させた黒鉛,又は、添加物等を含む材料を散布,塗布,メッキ,コート(蒸着)若しくは注入した黒鉛を用いることができる。
図8(a)〜図8(c)は、基板3とすす(ナノカーボン)14との密着性が悪い場合等に適用できる方法の一例を示している。図8(a)〜図8(c)は、図7に記載した方法の変形例であり、基板3上に接着層23が設けられている点のみが異なっている。
この方法では、まず、図8(a)に示すように、基板3上にパターニングされた接着層23を形成する。この接着層23の形成には、スクリーン印刷法など各種の方法が利用できる。また、接着層23の材料としては、Alペースト,導電性Cペーストなどの導電性ペーストが利用可能である。
次に、図8(b)に示すように、それらの接着層23が硬化する前に、図7の装置にてすす(ナノカーボン)14を堆積させる。
その後、接着層23を硬化させる。接着層23が硬化する際、接着層23上に堆積したすす14は接着層23と密着する。
最後に、基板3全体を洗浄(例えば水洗い)すれば、基板3上に堆積したすす14は取り除かれ、図8(c)に示すように、接着層23上に堆積したすす14がパターン状に形成される。
尚、接着層23は、電子放出源として用いる場合には、カソード電極やカソード配線として使用可能である。
本発明の製造方法によって製造したナノカーボンの電子放出源の利用方法としては、従来の二極管方式若しくは三極管方式が利用できる。
特に、表示管,表示パネル,発光素子,発光管,発光パネル等に好適である。
更には、特定の箇所に生成したナノカーボンから電子放出を行うことで、複雑なパターンの表示装置への応用も可能である。
本発明の製造方法によって製造したナノカーボン、又はナノカーボンと金属微粒子との複合すすは、水素吸蔵体として好適に利用できる。
具体的実験結果の一例を以下に示す。
図9は、図1及び図7の装置を用いて、TUTの文字列状に製造した電子放出源の写真である。
基材となる基板は導電性Siである。被アーク材にはNi/Yを含有した黒鉛板(Ni及びY含有量:4.2及び1.0mol%、板厚:2mm、幅5mm)を用い、直流電流100Aで開放大気中(大気圧下)において製造したものである。
尚、黒鉛板の代わりに、活性炭又はアモルファスカーボン又は触媒金属を含有した黒鉛などを用いた場合にも、ほぼ同様の結果がでた。また、特定ガス、特に、希ガスを使用した場合には、生成されたナノカーボンの収量が増加した。ここから、希ガスを使用することが、非常に効果的であることを確認した。
同堆積物の走査型電子顕微鏡写真を図10に示す。ナノサイズの構造物が一面に分散していることが分かる。この堆積物中には、図11に示すように、単層カーボンナノチューブやナノホーンなどが含まれていた。ここで、ナノホーンとは、グラファイトシートを円錐状に丸めた形状を持ち、先端も円錐状に閉じているカーボンナノ粒子を示す(文献「Pore structure of single-wall carbon nanohorn aggregates/K.Murata, K.Kaneko, F.Kokai, K.Takahashi, M.Yudasaka, S.Iijima/Chem. Phys. Lett., vol. 331, pp.14-20 (2000)」参照)。
同試料を用い二極管構造の蛍光発光管で電子を放出させ、蛍光面に照射したところ、蛍光面が発光することを目視で観測した。ここで、黒鉛板の代わりに、活性炭又はアモルファスカーボン又は添加物を含有した黒鉛などを用いた場合の結果や、特定ガスを使用した場合の効果は、図9の場合と同様であった。
上記の各実施例では、基材(基板3)上のナノカーボンをそのまま利用する例を示したが、基材(基板3)から分離・回収して、ナノカーボンと金属微粒子との複合体として利用することも勿論可能である。更に、該すすを精製して、単体のナノチューブ等のナノカーボンとして使用することも勿論可能である。
図12乃至図14は、図1に示す装置を用いて製造し、基材(基板3)から回収したすすを透過電子顕微鏡で観察したものである。
図12は低倍率で撮影したものである。図12では、色の薄い個所が炭素材料であり、濃い個所が金属微粒子であり、それらが混在して凝縮している。ニードル状の単層ナノチューブの束が、該凝縮物端部から突出しているのがわかる。
図13は、別の視野を高倍率で観察したものである。図13は、単層カーボンナノチューブが束状に形成されていることを示す。単層カーボンナノチューブは金属微粒子を触媒として成長している。
図14は、更に別視野を高倍率で観察したものである。図14では、カーボンナノホーンが存在していることがわかる。
図12乃至図14に示した試料の成分は、凡そ70〜80mol%の炭素,2〜10mol%の酸素,1〜5mol%のイットリウム(Y),および4〜20mol%のニッケル(Ni)が含まれる。また、1〜30mol%が単層ナノチューブであり、0.1〜5mol%がナノホーンである。更にまた、0.1〜5mol%の多層ナノチューブも観察した。残りの炭素成分はカーボンナノ微粒子及びアモルファス状炭素である。
本発明の製造方法によって製造したナノカーボン若しくはナノカーボンと金属微粒子を含む複合すす(複合材料)は、水素等吸蔵体に利用できる。図12乃至図14に示したすすの水素吸蔵率を容量法により計測したところ、常温30気圧で1〜10wt%であった。また、常温常圧では、0.1〜1wt%であった。製造条件を最適化することにより、これ以上の値が見込まれる。このため、本発明の製造方法によって製造したナノカーボンを含むすすは、該すす自体が水素等の吸蔵体に好適である。更に付け加えると、アモルファスカーボン微粒子も水素を吸蔵できる空間を有している。また、NiやYなどの金属成分も水素吸蔵性であるため、水素等の吸蔵体に好適である。したがって、該すすからナノカーボンをわざわざ分離する作業は必ずしも必要ではない。
本発明の製造方法によって製造したナノカーボンは、すすの中に単層ナノチューブと同時に、多層カーボンナノチューブ,カーボンナノホーン,カーボンナノ微粒子,アモルファス状炭素,フラーレンが含まれているという特徴がある。このため、該すすからナノカーボンを分離する作業を行えば、1種類又は複数種類のものからなるナノカーボンとして利用することが可能である。
ここで、すすからナノカーボンを分離・精製するには、ふるい,遠心分離による巨大粒子の除去,過熱酸化によるアモルファス成分の除去,酸・アルカリ・王水・逆王水による金属成分の除去などの方法が利用できる。
尚、多層カーボンナノチューブについては、トーチ電極に黒鉛を用いた場合に存在する。これは、黒鉛トーチ電極表面で合成された多層カーボンナノチューブが吹き飛ばされ、すす中に混入するからである。CNナノチューブ,CNナノファイバ,CNナノ粒子は、シールドガスに窒素を用いることで製造される。BCNナノチューブ,BCNナノファイバ,BCNナノ粒子についても,炭素電極にBを入れておき、シールドガスに窒素を用いることで製造される。すすは複数種のナノカーボンの混合物である。
また、ナノカーボンと金属微粒子を含む複合又は混合すす(複合又は混合材料)については、添加物として添加(塗布)しているのが、金属だけではないので、厳密には金属微粒子を含む添加物微粒子となる。
この金属微粒子の大きさは、約1nm〜典型的には最大1μm(元の添加物サイズ最大10μmまで)である。材質は、添加物組成物およびその炭化物等となっている。金属微粒子は、アークの高温により溶融・蒸発・微粒子化し、冷却過程で凝集することにより生ずる。金属微粒子は、単一添加物の場合、単体若しくは炭化物の状態で存在する。また、複数添加物の場合、単体および合金およびそれらの炭化物の状態で存在する。
図15は、電子放出源の電子放出特性を測定するための装置を示す図である。ナノカーボンと金属微粒子を含むすす14を電子放出材料として使用した電子放出源(電子放出素子)と、単層カーボンナノチューブを電子放出材料として使用した従来の電子放出源の電子放出特性を測定して比較するためのものである。図15において、真空チャンバ100中に、基板(カソード基板)3とアノード基板103が対向配置されている。基板3の上には、カソード電極101とすす14の層(エミッタ層)が積層形成されている。アノード基板103の上には、アノード電極(兼引出し電極)102が形成されている。基板3とアノード基板103間の距離は、100μmに設定されている。また、カソード電極101とアノード電極102との間には、直流電源104及び電流計105が直列接続されている。
図16は、図15の測定装置を用いて、ナノカーボンと金属微粒子を含むすす14を電子放出材料として使用した電子放出源の電子放出特性と、すす14の代わりに単層カーボンナノチューブを電子放出材料として使用した電子放出源の電子放出特性とを比較したデータである。ここで、単層カーボンナノチューブは、従来の真空アーク放電法により製造したものである。図16に示すように、大気中で製造したすす14(ナノカーボン)を用いた電子放出源は、従来の真空中で製造した単層カーボンナノチューブを使用した電子放出源と比較して、初期の立ち上がり特性も遜色がなく、ほぼ同等の電子放出特性を示すことがわかる。
本発明の製造方法によって製造したナノカーボンは、二次電池電極への混合物,二次電池電極,燃料電池電極への混合物,二次電池電極に利用できる。
本発明の製造方法によって製造したナノカーボンは、ゴム,プラスチック,樹脂,セラミックス,鉄鋼,コンクリートなどへの混合物として利用できる。該ナノカーボンをこれらの材料に混合することにより、強度,熱伝導性,電気導電性などを改善できる。
また、上記の各実施例では、基材(基板3)の形状として、平板状のものを使用したが、円柱状や角柱状等の柱状のものや球状のものを使用しても良い。
同様に、上記の各実施例では、基材(基板3)の材質として、導電性Siのもの(導電性基板)を使用したが、ガラスやセラミック等の絶縁性基板,導電性基板表面に絶縁膜を形成した絶縁性基板,金属等の導電性基板,絶縁性基板表面に導電膜を形成した導電性基板などを使用することも可能である。
また、基板以外にも、フィルム等の可撓性部材を使用することも可能である。
更に、アーク放電の発生領域の近傍に配設する場合には、耐熱性を備える基材を使用する必要がある。
ナノカーボン(ナノカーボンと金属微粒子との複合すす)の製造装置の概略を示す図である。 図1のナノカーボンの製造装置の部分拡大断面図である。 被アーク材(第2電極)に添加物を加えた変形例を示す図である。 アークトーチ1と被アーク材2のなす角度を示す図である。 アークトーチ1と被アーク材2とが直線状(180°)に配置されている場合を示す図である。 アークトーチ1と被アーク材2との角度を調整してすす14の放出方向を制御することを示す図である。 特定の箇所にナノカーボンを形成(パターン化)する方法の一例を示す図である。 特定の箇所にナノカーボンを形成(パターン化)する方法の他の例を示す図である。 図7の方法を使用して作製したパターン状電子放出源(TUT文字列)を示す図である。 図9で作成したパターン状電子放出源の表面(堆積物の表面)の状態を示す図である。 図10のパターン状電子放出源(堆積物)中に存在する単層カーボンナノチューブを示す図である。 図1に示す装置を用いて製造したすすのTEM写真(低倍率写真)である。 図1に示す装置を用いて製造したすす(単層ナノチューブと金属微粒子の複合体)のTEM写真(高倍率写真)である。 図1に示す装置を用いて製造したすす(ナノホーン)のTEM写真(高倍率写真)である。 本発明の実施例に係る電子放出源の電子放出特性を測定する装置の概略図である。 本発明の実施例に係る電子放出源の電子放出特性を示す図である。
符号の説明
1…アークトーチ、
2…被アーク材、
3…基板、
4…アーク、
5…電源、
6…ガスボンベ、
7…ガス調整器及び流量計、
8…アークトーチの先端部、
9…アークトーチのノズル、
10…トーチ電極、
11…電極ホルダ、
12…被包ガス、
13…マスク、
14…堆積したすす(ナノカーボン)、
15…被覆部材、
16…流体(液体)、
17…流体/粒状体の容器(流体/粒状体の収納容器)、
21…黒鉛、
22…添加物、
23…接着層、
100…真空チャンバ、
101…カソード電極、
102…アノード電極、
103…アノード基板、
104…直流電源、
105…電流計。

Claims (10)

  1. 第1電極と炭素材料を主成分とする第2電極を対向配置する工程と、
    大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させる工程と、
    前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程と、
    前記ナノカーボンを含むすすを回収する工程を備え、
    前記すすの放出方向を制御する制御手段を備えていることを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  2. 第1電極と炭素材料を主成分とする第2電極を対向配置する工程と、
    大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させる工程と、
    前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程と、
    前記ナノカーボンを含むすすを回収する工程を備え、
    前記アーク放電の発生領域に特定ガス又は空気を供給することにより前記すすの放出方向を制御することを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  3. 第1電極と炭素材料を主成分とする第2電極を対向配置する工程と、
    大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させる工程と、
    前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程と、
    前記ナノカーボンを含むすすを回収する工程を備え、
    前記第1電極と前記第2電極のなす角度を45度乃至135度の範囲で調整することにより前記すすの放出方向を制御することを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  4. 前記第2電極の炭素材料は、添加物を含有又は内蔵している炭素材料、若しくは添加物が表面の一部分或いは全部に散布,塗布,メッキ若しくはコートされている炭素材料を用いることを特徴とする請求項3記載のナノカーボンの製造方法。
  5. 前記アーク放電の発生領域に特定ガス又は空気を供給しながら前記アーク放電を行うことを特徴とする請求項3記載のナノカーボンの製造方法。
  6. 前記第1電極側から前記アーク放電の発生領域に前記特定ガス又は前記空気を供給しながら前記アーク放電を行うことを特徴とする請求項2又は5記載のナノカーボンの製造方法。
  7. 前記第1電極がアークトーチに設けられたトーチ電極であり、該トーチ電極と前記第2電極を相対移動させながら、前記アークトーチに特定ガス又は空気を供給して前記アーク放電の発生領域に前記特定ガス又は前記空気を供給しながら前記第2電極の前記炭素材料を前記アーク放電により蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させる工程を備えたことを特徴とする請求項2又は5記載のナノカーボンの製造方法。
  8. 第1電極と炭素材料又は添加物を含有している炭素材料又は添加物が表面に形成されている炭素材料を主成分とする第2電極を所定間隔に保持してなる電極と、
    大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させて、該アーク放電により前記炭素材料を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させるための電源からなるアーク発生手段と、
    前記すすを回収する回収部材と、
    前記すすの放出方向を制御する制御手段を備えていることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  9. 第1電極と炭素材料又は添加物を含有している炭素材料又は添加物が表面に形成されている炭素材料を主成分とする第2電極を所定間隔に保持してなる電極と、
    大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させて、該アーク放電により前記炭素材料を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させるための電源からなるアーク発生手段と、
    前記すすを回収する回収部材と、
    前記すすの放出方向を制御するため前記アーク放電の発生領域に特定ガスを供給する特定ガス供給手段を備えたことを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  10. 第1電極と炭素材料又は添加物を含有している炭素材料又は添加物が表面に形成されている炭素材料を主成分とする第2電極を所定間隔に保持してなる電極と、
    大気中又は空気中又はガス雰囲気中において前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を発生させて、該アーク放電により前記炭素材料を蒸発させてナノカーボンを含むすすを発生させるための電源からなるアーク発生手段と、
    前記すすを回収する回収部材と、
    前記第1電極と前記第2電極のなす角度を45度乃至135度の範囲で調整する手段を備えたことを特徴とするナノカーボンの製造装置。
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